JPH11228134A - 二水石膏の製造方法 - Google Patents

二水石膏の製造方法

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JPH11228134A
JPH11228134A JP3314798A JP3314798A JPH11228134A JP H11228134 A JPH11228134 A JP H11228134A JP 3314798 A JP3314798 A JP 3314798A JP 3314798 A JP3314798 A JP 3314798A JP H11228134 A JPH11228134 A JP H11228134A
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JP
Japan
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gypsum
sulfuric acid
slurry
reaction
concentration
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Pending
Application number
JP3314798A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Tai
伸男 田井
Hidekazu Aoki
英和 青木
Yasushi Isshiki
靖志 一色
Hiroshi Sato
浩 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、銅製錬排ガスより硫酸を製造
するに際して発生する濃度の薄い廃硫酸や濃硫酸を原料
として、石膏ボード用として使用可能な二水石膏を安定
的に、且つ低コストで製造する方法の提供を課題とす
る。 【解決手段】 廃硫酸あるいは濃硫酸と、中和剤として
の炭酸カルシウム、消石灰、生石灰等のスラリーとを、
反応スラリーのpHが2〜3となるように同時に添加す
る。具体的には、中和剤スラリー濃度を一定として反応
槽に一定速度で供給し、廃硫酸あるいは硫酸の添加量を
調節して反応スラリーのpHを2〜3に調節することに
より石膏生成速度を一定とし、使用硫酸量に見合った量
の石膏を系外に払い出すと共に常時種晶としての石膏ス
ラリーを反応槽に繰り返し、系内の媒晶剤濃度を5〜1
0g/lとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石膏ボード原料とし
て用いることのできる粒径及び厚みのある二水石膏を低
コストで製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に製造されている石膏には二水石膏
やα型半水石膏(以下「α石膏」と示す。)がある。二
水石膏は製造設備が簡単であり、生産コストもα石膏に
比較して安価であり、広く建築材料として用いられてい
る。しかし、石膏ボードとして用いる石膏には硬化時の
強度が必要とされるため、結晶の大きな二水石膏が用い
られている。
【0003】α石膏は硬化時の強度があるため、石膏ボ
ードの原料に適しているが、二水石膏に比較して生産コ
ストが高いためセメントや石膏ボードなどの建築材料に
は適していない。従って、低コストでα石膏の持つ特性
を二水石膏に持たせることが可能であれば二水石膏の利
用範囲が広がることになる。
【0004】二水石膏は製錬排ガスや硫黄専焼炉ガスを
用いて硫酸を製造する際に発生する廃硫酸を用いて製造
されるため、石膏生産が亜硫酸を含む高温燃焼ガスの発
生状況に左右され、安定した石膏生産を行うことができ
ない。さらに、ガス中の不純物の混入に対しても影響を
受けやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、銅製錬排ガ
スより硫酸を製造するに際して発生する濃度の薄い廃硫
酸や濃硫酸を原料として、石膏ボード用として使用可能
な二水石膏を安定的に、且つ低コストで製造する方法の
提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の方法は、廃硫酸あるいは濃硫酸と、中和剤としての
炭酸カルシウム、消石灰、生石灰等のスラリーとを、反
応スラリーのpHが2〜3となるように同時に添加する
ものである。具体的には、中和剤スラリー濃度を一定と
して反応槽に一定速度で供給し、廃硫酸あるいは硫酸の
添加量を調節して反応スラリーのpHを2〜3に調節す
ることにより石膏生成速度を一定とし、使用硫酸量に見
合った量の石膏を系外に払い出すと共に常時種晶として
の石膏スラリーを反応槽に繰り返し、系内の媒晶剤濃度
を5〜10g/lとするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、中和剤スラリー
濃度を一定とし、これを反応槽に定量供給するのは系内
の石膏スラリー濃度を一定とし易くするためである。
【0008】反応pHが3を越えると水酸化鉄の生成量
が増加し、石膏品質悪化の原因となる。また、pHが2
を下回ると粒子径増大の効果が得られない。具体的には
媒晶剤の効果が発揮されず、粒子の成長が得られなくな
る。通常、媒晶剤としての効果が最も上がるのはpH2
〜4となっているからである。
【0009】反応温度は50〜70℃とすることが好ま
しい。このようなpH範囲では、常温よりも50〜70
℃付近の方が石膏溶解度を高くできることと、これ以上
になると濃硫酸を使用する場合に局部的に希釈熱により
沸騰状態になるためである。また、このような温度範囲
とすれば実際は濃硫酸の希釈熱のみで温度維持可能であ
る。さらにこの温度範囲で結晶の成長度が最適である。
【0010】各種媒晶剤について検討した結果、安価で
取り扱いの容易な海水の媒晶効果が大きいことが判明し
た。更に、ボード用石膏として使用可能な平均粒径50
μ以上の厚みの大きい結晶が、海水濃度5〜10g/l
で得られた。5g/lより低いと十分な媒晶効果が得ら
れず、10g/lより高くしても更なる媒晶効果が得ら
れない。
【0011】反応スラリー濃度は、種晶の繰り返し率を
高くし、結晶成長を助長する上では高いほうがよいが、
固液分離装置の性能の上限より50%以下とすることが
好ましい。また、系内のスラリー濃度は一定とすること
が好ましいが、回分式の固液分離装置等を用いる場合に
は、結晶の回収時と休止時にスラリー濃度は変動する
が、最小限に止めることが好ましい。
【0012】
【実施例】次に実施例を用いて本発明をさらに説明す
る。
【0013】(実施例1)媒晶剤として海水を用いた際
に製品として得られる二水石膏中にどの程度のNaが含
まれるようになるか、媒晶効果はどうなるかを調べるた
め表1に示した条件で二水石膏を作成した。なお、この
二水石膏の作成はビーカーで行った。
【0014】 得られた二水石膏中のNaはいずれも<0.05%であ
り、問題はなかった。また、得られた二水石膏の粒子の
大きさを求めたところそれぞれ次のようになった。
【0015】 なお、単位はμmである。
【0016】この結果より、反応槽内のNaCl濃度を
10g/lとし、図1の製造設備を用いて表2に示した
条件で石膏製造試験を行った。図1の製造設備は、1次
反応槽1、2次反応槽2、シックナー3、遠心分離器
4、濾液槽5とこれらを繋ぐ配管とポンプとからなるも
のである。1次反応槽1には媒晶剤としての海水6と、
中和剤スラリー7と、硫酸8と、シックナー3からのス
ピゴット9の一部と、濾液槽5からの濾液10とが供給
される。2次反応槽2には1次反応槽1よりのオーバー
フローとpH調整用の硫酸8とが添加されるようになっ
ている。これは、反応のタイムラグを防止するためであ
り、適切な反応時間が1次反応槽1で確保できていれば
ほとんど2次反応槽2に硫酸8を添加することはない。
【0017】2次反応槽2のオーバーフローがシックナ
ー3に供給され、上澄み液は系外に排出され、スピゴッ
ト9が循環ポンプ11により抜き出される。抜き出され
たスピゴット9の一部は1次反応槽1に繰り返され、一
部は遠心分離器4に供給され、添加された硫酸量に対応
した量の石膏12が系外に払い出される。遠心分離器4
の濾液は濾液槽5、濾液槽ポンプ13を介して1次反応
槽1に繰り返される。
【0018】 なお、系内のスラリー濃度は30〜50%に維持した。
本設備では中和剤スラリーの添加量を一定としたが、硫
酸の添加量を一定としても支障はない。また、海水を媒
晶剤として使用するため、マグネシウム濃度が増加する
可能性がある。マグネシウム濃度が50g/l以上にな
らないように運転した。
【0019】本試験で得られた石膏の大きさは平均短径
が40.3μm、平均長径が153.4μm、平均厚さ
が41.6μmのものであり、石膏ボード用として充分
使用可能のものである。
【0020】
【発明の効果】本発明に従えば、媒晶剤として安価な海
水を使用でき、かつ硫酸としても希硫酸から濃硫酸に至
るまで任意の濃度の硫酸を用いることができるため、安
価に、かつ安定して石膏ボード用として使用可能な二水
石膏を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に用いた石膏製造設備である。
【符号の説明】
1−−−1次反応槽 2−−−2次反応槽 3−−−シックナー 4−−−遠心分離器 5−−−濾液槽 6−−−海水 7−−−中和剤スラリー 8−−−硫酸 9−−−スピゴット 10−−濾液 11−−循環ポンプ 12−−石膏
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 浩 愛媛県西条市船屋字新地乙145−1 住友 金属鉱山株式会社別子事業所東予工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃硫酸あるいは濃硫酸と、中和剤とし
    ての炭酸カルシウム、消石灰、生石灰等のスラリーと
    を、反応スラリーのpHが2〜3となるように同時に添
    加する二水石膏の製造方法において、中和剤スラリー濃
    度を一定として反応槽に一定速度で供給し、廃硫酸ある
    いは硫酸の添加量を調節して反応スラリーのpHを2〜
    3に調節することにより石膏生成速度を一定とし、使用
    硫酸量に見合った量の石膏を系外に払い出すと共に常時
    種晶としての石膏スラリーを反応槽に繰り返し、系内の
    媒晶剤濃度を5〜10g/lとすることを特徴とする二
    水石膏の製造方法。
  2. 【請求項2】 廃硫酸あるいは濃硫酸と、中和剤とし
    ての炭酸カルシウム、消石灰、生石灰等のスラリーと
    を、反応スラリーのpHが2〜3となるように同時に添
    加する二水石膏の製造方法において、硫酸濃度を一定と
    して反応槽に一定速度で供給し、中和剤スラリーの添加
    量を調節して反応スラリーのpHを2〜3に調節するこ
    とにより石膏生成速度を一定とし、使用硫酸量に見合っ
    た量の石膏を系外に払い出すと共に常時種晶としての石
    膏スラリーを反応槽に繰り返し、系内の媒晶剤濃度を5
    〜10g/lとすることを特徴とする二水石膏の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 反応温度を50〜70℃とする請求項
    1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 系内のスラリー濃度を30〜50%と
    する請求項1〜3記載のいずれかの方法。
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