JPH11228128A - 高耐熱性β−ゼオライト及びそれを用いた自動車排ガス浄化用吸着材 - Google Patents
高耐熱性β−ゼオライト及びそれを用いた自動車排ガス浄化用吸着材Info
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Abstract
性β−ゼオライト及びそれを用いた自動車排ガス浄化用
吸着材を提供する。 【解決手段】 SiO2/Al2O3比が80以上であっ
て、平均粒子径として30nm以上、又は粒度分布の1
0%粒子径が20nm以上の一次粒子から高耐熱性β−
ゼオライトが構成されている。
Description
オライト及びそれを用いた自動車排ガス浄化用吸着材に
関する。
媒が、その触媒作用を発揮するためには、触媒が排ガス
の熱などによって所定温度以上に昇温される必要があ
る。したがって、エンジンの冷始動時のように排ガス温
度が低いときは、排ガス中の有害成分(炭化水素(H
C)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx))が浄化
され難い。特にHCは冷始動時に大量に排出されるた
め、その浄化は重要な課題となっている。
効率を向上させるために、ゼオライト等の結晶性アルミ
ノ珪酸塩からなる分子篩をHC吸着材として用い、触媒
が作用温度に達するまでの間、この吸着材でHCを吸着
する技術が知られている。
は、Y型ゼオライト又はモルデナイトをHC吸着材に用
いた自動車排気ガス浄化装置が開示されている。また、
特開平4−293519号公報は、水の吸着の影響を解
消し、HC吸着能力の向上と吸着可能な温度域を拡大す
るために、H+型ZSM−5ゼオライトをCu及びPd
でイオン交換した吸着材を用いることを主張している。
同様の目的で、特開平6−63392号公報には、H、
Cu又はPdでイオン交換したペンタシル型メタロシリ
ケートを吸着材に用いることが提案されている。更に、
特開平9−99217号公報には、吸着特性に優れ、7
50℃以上の排ガスにさらされても細孔構造を保持する
ことができるSiO2/Al2O3比が100以上のH+型
β−ゼオライトを吸着材に用いることが提案されてい
る。
性の指標としては、主に、ゼオライトの骨格を構成する
組成を示すSiO2/Al2O3比や、電荷を補償するた
めに骨格中のAl近傍に存在するH+やNa+,Cu2+等
のイオン種が用いられてきた。
イオン種の組成が同一であるゼオライトであっても、使
用した原材料や製造方法などによって、耐熱性が大きく
異なることが判明した。
のような水分を含む雰囲気中での耐熱性(耐水熱性))
が十分でないゼオライトを、自動車等の内燃機関の排ガ
ス浄化用に用いた場合、ゼオライトの細孔構造の崩壊が
進行するため、連続高速走行などの排ガス温度の高い条
件での使用により浄化性能が劣化する恐れがあった。ま
た、触媒用途として用いた場合、例えばコーキングの問
題から加熱により再生処理を施す時に、ゼオライトの細
孔構造が劣化してしまう場合があった。以上のことか
ら、高耐熱性を有するゼオライトの材料特性をいかに保
証するかが問題であった。
は、上記従来の問題に鑑みて、ゼオライトの耐熱性に対
していかなる物性、特性が関与しているかについて鋭意
検討を進めた結果、ゼオライトを構成する粒子の平均粒
子径、その粒度分布、粒子形状、及び/又は結晶構造が
深く関係していることを見出し、本発明に至ったもので
ある。
れば、SiO2/Al2O3比が80以上であって、平均
粒子径として30nm以上の一次粒子径を有する粒子か
ら構成されていることを特徴とする高耐熱性β−ゼオラ
イトが提供される。なお、平均粒子径として50nm以
上の一次粒子径を有する粒子から構成されていることが
好ましく、80nm以上の一次粒子径を有する粒子から
構成されていることがより好ましい。
O3比が80以上であって、10%粒子径が20nm以
上の粒度分布を有する一次粒子から構成されていること
を特徴とする高耐熱性β−ゼオライトが提供される。こ
こで、10%粒子径が40nm以上の粒度分布を有する
一次粒子から構成されていることが望ましい。
O3比が80以上であって、角部を有する形状の一次粒
子を含んで構成されていることを特徴とする高耐熱性β
−ゼオライトが提供される。
/Al2O3比が80以上であって、Cu=Kαを線源と
するX線回折装置から得られたX線回折パターンの
(h,k,l)=(3,0,2)に相当するピークの半
値幅が2θ=0.5度以下である粒子から構成されてい
ることを特徴とする高耐熱性β−ゼオライトが提供され
る。
は、上記した特定の一次粒子径、粒度分布、粒子形状、
X線回折パターン(結晶構造)の構成要件をそれぞれ2
以上組み合わせた構成とすることも好ましい。また、本
発明によれば、前記したいずれかの高耐熱性β−ゼオラ
イトを含有することを特徴とする自動車排ガス浄化用吸
着材が提供される。
れを構成する粒子の一次粒子径、粒度分布、粒子形状、
X線回折パターン(結晶構造)のピークの半値幅を特定
の範囲とすることにより、耐熱性に優れたβ−ゼオライ
トを安定して得ることができる。したがって、本発明の
β−ゼオライトは、炭化水素の吸着及び内燃機関の排ガ
ス浄化システム、例えばインライン型排ガス浄化システ
ム等のような高い耐熱性、耐水熱性が要求される技術分
野において好適に使用することができる。
のβ−ゼオライト(第一発明)においては、SiO2/
Al2O3比が80以上であって、平均粒子径として30
nm以上、好ましくは50nm以上の一次粒子径を有す
る粒子から構成されている。なお、本発明において、平
均粒子径は50%粒子径のことで、走査型電子顕微鏡や
透過型電子顕微鏡を用いて一次粒子100個以上をラン
ダムに選んで観察した際、写真上での粒子の最大寸法を
測定し、粒子個数で50%の位置に存在する粒子径を意
味するものとする。
規定したのは、これ以下では、本規定の平均粒子径が与
える耐熱性への影響よりも、SiO2/Al2O3比が低
いが故の低い耐熱性発現の影響が支配的になるためであ
る。つまり、粒子径や結晶構造が耐熱性に大きく影響す
るのはSiO2/Al2O3比が80以上の領域となる。
本規定の平均粒子径が耐熱性に影響を与える原因はよく
わかっていないが、粒子の一次粒子径を30nm以上に
すると、単位重量当りの粒子の外表面積が小さくなり、
ゼオライトの構造破壊を促進する作用がある水分の影響
を受け難くなるため、高い耐熱性を有すると推定され
る。これは、一方で、疎水性の高い高シリカゼオライト
においては、主として水分が外表面から影響を与えるた
めと考えることもできる。
は、SiO2/Al2O3比が80以上であって、10%
粒子径が20nm以上、好ましくは40nm以上の粒度
分布を有する一次粒子から構成される。これは、10%
粒子径が20nm以上である粒度分布とすることによ
り、耐熱性の低い小さな一次粒子径をもつβ−ゼオライ
トの個数を少なくすることができるからである。
発明)は、SiO2/Al2O3比が80以上であって、
角部を有する形状の一次粒子を含んで構成される。ここ
で、一次粒子の形状が、角部を有するものであると、結
晶化時の粒成長が良好であることを示していると推定さ
れるため、好ましい。
明)は、SiO2/Al2O3比が80以上であって、C
u=Kαを線源とするX線回折装置から得られたX線回
折パターンの(h,k,l)=(3,0,2)に相当す
るピークの半値幅が2θ=0.5度以下である粒子から
構成される。一般的に、結晶性の高いゼオライトは、シ
ャープなX線回折パターンを示すことが知られている。
その中で、β−ゼオライトのメインピークである(h,
k,l)=(3,0,2)に相当するピークの半値幅を
用いて、β−ゼオライトの結晶性を規定した。
晶子の大きさに起因する因子、格子歪等の結晶性に起因
する因子及び装置固有の因子(装置定数)の3因子に影
響される。本規定では、回折装置に起因する外因効果
(装置定数)も含んだ半値幅を意味する。ただし、装置
定数は装置の主たるパラメータにより決まってくるの
で、以下に今回規定に用いた半値幅を測定したX線回折
装置のパラメータを以下に示す。 1.ゴニオ半径 185mm 2.スリット DS(Divergence Slit)=SS(Sc
attering Slit)=1° RS(Receiving Slit)=0.3mm RSm(モノクロスリット)=0.6mm 3.グラファイト湾曲モノクロメータ使用 4.ターゲット Cu 5.測定条件 走査速度 2θ=1/4°/min. 加速電圧 35kV、電流20mA 6.Cu=Kα1とCu=Kα2の分離を行い、Cu=K
α1より半値幅を算出した。
のときには、上述の如く、結晶子の大きさに起因する因
子の影響を受けるので、この場合には装置定数と共に結
晶子の大きさと格子歪等の結晶性に起因する因子の3因
子の影響を受けた指標といえる。従って、一次粒子径が
100nm以下のときには、X線回折パターンの(h,
k,l)=(3,0,2)に相当するピークの半値幅が
2θ=0.5度以下と小さいことにより、粒子径が比較
的大きいか、あるいは粒子の結晶性が良好なために耐熱
性が向上すると考えられる。又、一次粒子の大きさが1
00nm以上のときには結晶子の大きさの影響を受けな
いので、結晶性に起因する因子の影響と装置定数の影響
を受けることになる。この場合、X線回折パターンの
(h,k,l)=(3,0,2)に相当するピークの半
値幅が2θ=0.5度以下と小さいことにより、粒子の
結晶性が良好であり、耐熱性が向上すると推定される。
イトの製造方法を説明する。一般に、β−ゼオライト
は、テトラエチルアンモニウム陽イオン(TEA陽イオ
ン)等のテンプレート及びAlを添加したシリカ溶液あ
るいはゲルにオートクレーブ等による水熱処理を施して
結晶化させることにより得られ、さらに、濾過、水洗、
乾燥した後、TEAを除去し、仮焼することにより使用
に供される。SiO2/Al2O3比が低い場合には、酸
処理や高温下でのスチーミング処理による脱Al処理に
よりSiO2/Al2O3比を高めることも必要となる。
粒子径又は粒度分布を上記所定の値以上とするために
は、水熱処理による結晶化段階を制御することが好まし
いが、その方法については各種あり、特に限定されるも
のではない。その一例としては、ゲル濃度を小さくする
か又はトリエタノールアミン等の核生成抑制剤を添加す
ることにより核生成数を少なくしたり、水熱処理の時間
を長くすることにより結晶成長の時間を長くする方法等
が採られるが、核生成と結晶成長時期の異なる2種以上
のシリカを用いること等により制御してもよい。
状を上記所定の形状とし、又はX線回折パターンのピー
クの半値幅を上記所定の値以下とするためには、具体的
には、例えば、テンプレートとして用いられるTEA等
の濃度を高めにする方法等が採られる。
化ナトリウム水溶液と水酸化テトラエチルアンモニウム
(TEAOH)及び硫酸アルムニウム等のAl源を加え
て撹拌しながら加熱し、ゲルが乾燥した後、この乾燥ゲ
ルをオートクレーブ中にゲルと水が分離するように仕込
み、180℃程度の温度で数〜数百時間、水熱処理を施
すという方法によっても、本規定のβ−ゼオライトを得
ることができ、やはりこの場合も水熱処理と同様、温
度、時間等の各種のパラメータを制御する必要がある。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
性β−ゼオライトは、以下に示す方法により性能を評価
した。
法)まず、粒子サイズ、粒子形状を、フィールドエミッ
ション型高分解能走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日
本電子株式会社製、JSM−890)及び透過型電子顕
微鏡(TEM、日本電子株式会社製、JEM−201
0)を用いて観察した。FE−SEM観察時の加圧電圧
は10KVであった。また、TEM観察時の加速電圧は
200kV、観察粒子が一つの結晶であるかを決定する
ため、カメラ長100cmで電子線回折を行なった。こ
のとき、粒全体の電子線回折像が、周期的な規則配列を
示す場合を一次粒子(単結晶)、それ以外の場合を凝集
粒子と判別した。次に、粒度分布をFE−SEM又はT
EMの写真(観察像)から、粒子200個をランダムに
選び、その写真上での最大寸法を測定することにより決
定した。
X線回折装置(RAD−IB、理学電機株式会社製)を
用いて、Cu=Kαを線源とする粉末X線回折を行い、
得られたX線回折パターンの2θ=22度付近のピーク
の半値幅を計算した。尚、測定時の加速電圧は35k
V、電流20mAとし、スリット系は、発散スリット
(DS)1°、散乱スリット(SS)1°、受光スリッ
ト(RS)0.3mmを用い、湾曲型モノクロメータで
CuKα線以外を除いた。又、半値幅を求める前に、C
u=Kα1をCu=Kα2より分離し、Cu=Kα1より
半値幅を求めた。尚、この時のCu−Kα2/Cu−K
α1の比は0.49であった。
ゼオライトの粉末をアルミナ製ボートにのせ、電気炉中
で水蒸気10%を含む雰囲気下に1000℃、4時間の
耐久試験を実施し、耐久試験前後の比表面積を測定し
て、耐久処理後の値を耐久処理前の値で割った比表面積
保持率で耐熱性を評価した。
%)に水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応混合物を得
た。この混合物へ硝酸アルミニウム水和物(Al(NO
3)3・9H2O)を35重量%の水酸化テトラエチルア
ンモニウム(TEAOH)の水溶液中に混合して得た溶
液を加え、混合物が均質になるまで撹拌し、最終反応混
合物を作製した。なお、最終反応混合物の組成は次の通
りであった。 21Na2O・10Al2O3・300SiO2・150T
EAOH・4000H2O
れ、オートクレーブ中で自生圧力下で135℃、7日間
加熱した。次に、固体反応生成物を遠心分離器で分離、
洗浄を行い、80℃にて乾燥させた後、空気中540℃
で4時間熱処理してテンプレートを除去した。得られた
粉末を650℃、5時間のスチーム処理と1Nの塩酸水
溶液への浸漬処理を3回繰り返した。更に、得られた粉
末を硝酸アンモニウム水溶液中、80℃にて1時間処理
し、イオン交換した。その後、分離、洗浄及び乾燥を行
った後、再び焼成を行い、H型の高耐熱性β−ゼオライ
トを製造した。
%)に水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応混合物を得
た。この混合物へ硝酸第二鉄水和物(Fe(NO3)3・
9H2O)と硝酸アルミニウム水和物(Al(NO3)3
・9H2O)を35重量%の水酸化テトラエチルアンモ
ニウム(TEAOH)の水溶液中に混合して得た溶液を
加え、混合物が均質になるまで撹拌し、最終反応混合物
を作製した。なお、最終反応混合物の組成は次の通りで
あった。 21Na2O・Al2O3・6Fe2O3・300SiO2・
150TEAOH・6200H2O
れ、オートクレーブ中で自生圧力下で135℃、8日間
加熱した。次に、固体反応生成物を遠心分離器で分離、
洗浄を行い、80℃にて乾燥させた後、空気中540℃
で4時間熱処理してテンプレートを除去した。更に、得
られた粉末を硝酸アンモニウム水溶液中、80℃にて1
時間処理し、イオン交換した。その後、分離、洗浄及び
乾燥を行った後、再び焼成を行い、H型の高耐熱性β−
ゼオライトを製造した。
%)に水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応混合物を得
た。この混合物へ硝酸アルミニウム水和物(Al(NO
3)3・9H2O)を35重量%の水酸化テトラエチルア
ンモニウム(TEAOH)の水溶液中に混合して得た溶
液を加え、混合物が均質になるまで撹拌し、最終反応混
合物を作製した。なお、最終反応混合物の組成は次の通
りであった。 21Na2O・8Al2O3・300SiO2・150TE
AOH・3200H2O
れ、オートクレーブ中で自生圧力下で135℃、6日間
加熱した。次に、固体反応生成物を遠心分離器で分離、
洗浄を行い、80℃にて乾燥させた後、空気中540℃
で4時間熱処理してテンプレートを除去した。得られた
粉末を650℃、5時間のスチーム処理と1N塩酸水溶
液への浸漬処理を3回繰り返した。更に、得られた粉末
を硝酸アンモニウム水溶液中、80℃にて1時間処理
し、イオン交換した。その後、分離、洗浄及び乾燥を行
った後、再び焼成を行い、H型の高耐熱性β−ゼオライ
トを製造した。
%)に水酸化ナトリウム水溶液と35重量%の水酸化テ
トラエチルアンモニウム[TEAOH]水溶液を加え、
室温で撹拌した。この混合物へ硫酸アルミニウム水溶液
を加えて撹拌しながら、80℃まで加熱し、ゲルが乾燥
するまでさらに撹拌を続け、結晶化用乾燥ゲルを作製し
た。結晶化用乾燥ゲルの組成は次の通りであった。 10Na2O・Al2O3・200SiO2・75TEAO
H・500H2O
後、オートクレーブに仕込み、自生圧力下で180℃、
16時間の水蒸気処理を行った。水蒸気処理は、結晶化
用乾燥ゲルを水と分離するような形でオートクレーブに
仕込み、密閉容器内で加熱することにより行った。固体
反応生成物を水洗し、遠心分離機で分離、洗浄を行い、
80℃にて乾燥させた後、空気中540℃で4時間熱処
理してテンプレートを除去した。更に、得られた粉末を
硝酸アンモニウム水溶液中、80℃にて1時間処理し、
イオン交換した。その後、分離、洗浄および乾燥を行っ
た後、再び焼成を行い、H型のβ型珪酸塩分子篩を合成
した。
%)に水酸化ナトリウム水溶液と35重量%の水酸化テ
トラエチルアンモニウム[TEAOH]水溶液を加え、
室温で撹拌した。この混合物へ硫酸アルミニウム水溶液
を加えて撹拌しながら、80℃まで加熱し、ゲルの粘性
が上がるまで撹拌した。ゲルの粘性が上がった後、ゲル
をニーダー(K−1型,ネオテック株式会社製)に移
し、ゲルが乾燥するまでさらに80℃で混練を続け、結
晶化用乾燥ゲルを作製した。結晶化用乾燥ゲルの組成は
次の通りであった。10Na2O・Al2O3・300S
iO2・110TEAOH・320H2O
後、オートクレーブに仕込み、自生圧力下で180℃、
16時間の水蒸気処理を行った。水蒸気処理は、結晶化
用乾燥ゲルを水と分離するような形でオートクレーブに
仕込み、密閉容器内で加熱することにより行った。固体
反応生成物を水洗し、遠心分離機で分離、洗浄を行い、
80℃にて乾燥させた後、空気中540℃で4時間熱処
理してテンプレートを除去した。更に、得られた粉末を
硝酸アンモニウム水溶液中、80℃にて1時間処理し、
イオン交換した。その後、分離、洗浄および乾燥を行っ
た後、再び焼成を行い、H型のβ型珪酸塩分子篩を合成
した。
5重量%の水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAO
H)の水溶液中に混合して得た溶液に、コロイダルシリ
カ(30重量%)と水酸化ナトリウム水溶液を加え撹拌
し、反応混合物を得た。この反応混合物を80℃まで加
熱し、ゲルの粘性が上がるまで撹拌した。ゲルの粘性が
上がった後、ゲルをニーダー(K−1型,ネオテック株
式会社製)に移し、ゲルが乾燥するまでさらに80℃で
混練を続け、結晶化用乾燥ゲルを作製した。結晶化用乾
燥ゲルの組成は次の通りであった。 10Na2O・Al2O3・300SiO2・110TEA
OH・770H2O
後、オートクレーブに仕込み、自生圧力下で180℃、
16時間の水蒸気処理を行った。水蒸気処理は、結晶化
用乾燥ゲルを水と分離するような形でオートクレーブに
仕込み、密閉容器内で加熱することにより行った。固体
反応生成物を水洗し、遠心分離機で分離、洗浄を行い、
80℃にて乾燥させた後、空気中540℃で4時間熱処
理してテンプレートを除去した。更に、得られた粉末を
硝酸アンモニウム水溶液中、80℃にて1時間処理し、
イオン交換した。その後、分離、洗浄および乾燥を行っ
た後、再び焼成を行い、H型のβ型珪酸塩分子篩を合成
した。
%)に水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応混合物を得
た。この混合物へ硝酸アルミニウム水和物(Al(NO
3)3・9H2O)を35重量%の水酸化テトラエチルア
ンモニウム(TEAOH)の水溶液中に混合して得た溶
液を加え、混合物が均質になるまで撹拌し、最終反応混
合物を作製した。なお、最終反応混合物の組成は次の通
りであった。 21Na2O・10Al2O3・300SiO2・100T
EAOH・2000H2O
れ、オートクレーブ中で自生圧力下で135℃、5日間
加熱した。次に、固体反応生成物を遠心分離器で分離、
洗浄を行い、80℃にて乾燥させた後、空気中540℃
で4時間熱処理してテンプレートを除去した。得られた
粉末を650℃、5時間のスチーム処理と1Nの塩酸水
溶液への浸漬処理を3回繰り返した。更に、得られた粉
末を硝酸アンモニウム水溶液中、80℃にて1時間処理
し、イオン交換した。その後、分離、洗浄及び乾燥を行
った後、再び焼成を行い、H型の高耐熱性β−ゼオライ
トを製造した。
%)に水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応混合物を得
た。この混合物へ硝酸アルミニウム水和物(Al(NO
3)3・9H2O)を35重量%の水酸化テトラエチルア
ンモニウム(TEAOH)の水溶液中に混合して得た溶
液を加え、混合物が均質になるまで撹拌し、最終反応混
合物を作製した。なお、最終反応混合物の組成は次の通
りであった。 21Na2O・10Al2O3・300SiO2・150T
EAOH・4000H2O
れ、オートクレーブ中で自生圧力下で130℃、7日間
加熱した。次に、固体反応生成物を遠心分離器で分離、
洗浄を行い、80℃にて乾燥させた後、空気中540℃
で4時間熱処理してテンプレートを除去した。得られた
粉末を650℃、5時間のスチーム処理と1Nの塩酸水
溶液への浸漬処理を3回繰り返した。更に、得られた粉
末を硝酸アンモニウム水溶液中、80℃にて1時間処理
し、イオン交換した。その後、分離、洗浄及び乾燥を行
った後、再び焼成を行い、H型の高耐熱性β−ゼオライ
トを製造した。
β−ゼオライト(実施例1〜6、比較例1〜2)につい
て、粒子形態の観察と粒子分布の測定を行った。結果を
図1〜16及び表1に示す。尚、図1は、実施例1の高
耐熱性β−ゼオライトの粒子構造を示すFE−SEM写
真、図2は、実施例1の高耐熱性β−ゼオライトの粒子
構造を示すTEM写真、図3は、実施例1の高耐熱性β
−ゼオライトの粒子構造を示す電子線回折写真、図4
は、実施例2の高耐熱性β−ゼオライトの粒子構造を示
すFE−SEM写真、図5は、実施例2の高耐熱性β−
ゼオライトの粒子構造を示すTEM写真、図6は、実施
例2の高耐熱性β−ゼオライトの粒子構造を示す電子線
回折写真、図7は、実施例2の高耐熱性β−ゼオライト
の粒子構造を示すTEM写真の別の視野、図8は、実施
例2の高耐熱性β−ゼオライトの粒子構造を示す電子線
回折写真の別の視野、図9は、実施例4の高耐熱性β−
ゼオライトの粒子構造を示すFE−SEM写真、図10
は、実施例4の高耐熱性β−ゼオライトの粒子構造を示
すTEM写真、図11は、実施例4の高耐熱性β−ゼオ
ライトの粒子構造を示す電子線回折写真、図12は、実
施例5の高耐熱性β−ゼオライトの粒子構造を示すFE
−SEM写真、図13は、実施例6の高耐熱性β−ゼオ
ライトの粒子構造を示すFE−SEM写真、図14は、
比較例1の高耐熱性β−ゼオライトの粒子構造を示すF
E−SEM写真、図15は、比較例1の高耐熱性β−ゼ
オライトの粒子構造を示すTEM写真、図16は、比較
例1の高耐熱性β−ゼオライトの粒子構造を示す電子線
回折写真である。
β−ゼオライト(実施例1〜6、比較例1〜2)につい
て、X線回折パターンの半値幅の測定と耐熱性の評価を
行った。結果を表2に示す。
施例1の高耐熱性β−ゼオライトは、図3(実施例1)
のように、粒全体の電子線回折像が周期的な規則配列を
示すため、観察される一つ一つの粒子が一次粒子(単結
晶)であり、一方、比較例1のβ−ゼオライトは、図1
6(比較例1)のように、電子線回折像が規則配列を示
さないため、10〜30nmサイズの粒子の凝集体であ
ることが判明した。また、実施例1の高耐熱性β−ゼオ
ライトは、図1及び図2(実施例1)のように、一次粒
子の形状が圭角状であることが判明した。実施例2の高
耐熱性β−ゼオライトは、図4のFE−SEM写真より
一次粒子径約100nmの凝集体のように見えた。しか
し、図6の粒全体の電子線回折像には、きれいなスポッ
ト像が現われたため、図5の粒子は周期的な規則配列を
もつ単結晶であることが判明した。また、図7のTEM
写真は、図4の結果と同様に粒子径約100〜300n
mの一次粒子より構成されていることを示しているが、
図8の電子線回折像より粒子の凝集体であることが判明
した。実施例4の高耐熱性β−ゼオライトは、図11の
ように、粒全体の電子線回折像が周期的な規則配列を示
すため、観察される個々の粒子が一次粒子(単結晶)で
あることがわかる。また、図9のFE−SEM写真およ
び図10のTEM写真のように、粒子の形状が圭角状で
あることが判明した。更に、実施例5〜6の高耐熱性β
−ゼオライトも、図11〜12のFE−SEM写真のよ
うに、粒子の形状が圭角状であることが判明した。表2
の結果から、実施例1〜6の高耐熱性β−ゼオライト
は、比較例1〜2と比較して、耐熱性に優れていること
が判明した。尚、実施例1〜2および実施例4〜6の高
耐熱性β−ゼオライトにおける粒度分布は、表1の結果
から、10%粒子径が20nm以上であり、表2の結果
から、X線回折パターンの(h,k,l)=(3,0,
2)に相当するピークの半値幅が2θ=0.5度以下で
あることが判明した。
性β−ゼオライト及びそれを用いた自動車排ガス浄化用
吸着材は、ゼオライトの耐熱性の新たな指標である平均
粒子サイズ、粒度分布、粒子形状及び結晶構造を制御す
ることにより、特性保証と再現性のある製造ができると
ともに、炭化水素の吸着および内燃機関の排ガス浄化シ
ステム、例えばインライン型排ガス浄化システム等のよ
うな高い耐熱性、耐水熱性が要求される分野で好適に使
用できる。
造を示すFE−SEM写真である。
造を示すTEM写真である。
造を示す電子線回折写真である。
造を示すFE−SEM写真である。
造を示すTEM写真である。
造を示す電子線回折写真である。
造を示すTEM写真の別の視野である。
造を示す電子線回折写真の別の視野である。
造を示すFE−SEM写真である。
構造を示すTEM写真である。
構造を示す電子線回折写真である。
構造を示すFE−SEM写真である。
構造を示すFE−SEM写真である。
構造を示すFE−SEM写真である。
構造を示すTEM写真である。
構造を示す電子線回折写真である。
Claims (8)
- 【請求項1】 SiO2/Al2O3比が80以上であっ
て、平均粒子径として30nm以上の一次粒子径を有す
る粒子から構成されていることを特徴とする高耐熱性β
−ゼオライト。 - 【請求項2】 平均粒子径として50nm以上の一次粒
子径を有する粒子から構成されている請求項1記載の高
耐熱性β−ゼオライト。 - 【請求項3】 平均粒子径として80nm以上の一次粒
子径を有する粒子から構成されている請求項2記載の高
耐熱性β−ゼオライト。 - 【請求項4】 SiO2/Al2O3比が80以上であっ
て、10%粒子径が20nm以上の粒度分布を有する一
次粒子から構成されていることを特徴とする高耐熱性β
−ゼオライト。 - 【請求項5】 10%粒子径が40nm以上の粒度分布
を有する一次粒子から構成されている請求項4記載の高
耐熱性β−ゼオライト。 - 【請求項6】 SiO2/Al2O3比が80以上であっ
て、角部を有する形状の一次粒子を含んで構成されてい
ることを特徴とする高耐熱性β−ゼオライト。 - 【請求項7】 SiO2/Al2O3比が80以上であっ
て、Cu=Kαを線源とするX線回折装置から得られた
X線回折パターンの(h,k,l)=(3,0,2)に
相当するピークの半値幅が2θ=0.5度以下である粒
子から構成されていることを特徴とする高耐熱性β−ゼ
オライト。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の高
耐熱性β−ゼオライトを含有することを特徴とする自動
車排ガス浄化用吸着材。
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