JPH1122751A - 変速機におけるクラッチの制御装置 - Google Patents

変速機におけるクラッチの制御装置

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JPH1122751A
JPH1122751A JP9194789A JP19478997A JPH1122751A JP H1122751 A JPH1122751 A JP H1122751A JP 9194789 A JP9194789 A JP 9194789A JP 19478997 A JP19478997 A JP 19478997A JP H1122751 A JPH1122751 A JP H1122751A
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JP
Japan
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clutch
speed
oil passage
control
lubricating oil
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Application number
JP9194789A
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English (en)
Inventor
Rie Kojima
理恵 小島
Koichi Sugihara
功一 杉原
Yasuharu Taketsuna
靖治 竹綱
Tomoyuki Maeda
智之 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイルポンプの吐出容量を増大させることな
く、変速時のクラッチ制御とクラッチの潤滑を良好に行
うことのできる装置を提供する。 【解決手段】 オイルポンプ87から各クラッチ1,7
1,72に対して係合・解放のための制御油圧を給排す
るライン圧油路88と前記オイルポンプ87から各クラ
ッチ1,71,72に対して潤滑のための潤滑油圧を給
排する潤滑油路95が設けられた変速機におけるクラッ
チの制御装置において、前記クラッチの制御装置が変速
制御されるときに、潤滑油路95を流れる油量を減少さ
せるオン・オフ弁96が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変速機において
クラッチを制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の変速機は、歯車変
速機構により複数のトルクの伝達経路を構成し、そのト
ルクの伝達経路を切り換えることにより変速比が変更さ
れ、複数の前進段および後進段が設定される。上記歯車
変速機構としては、遊星歯車式の変速機構と、選択歯車
式の変速機構とが知られている。
【0003】遊星歯車式の変速機構は、複数組の遊星歯
車機構を主体とし、クラッチやブレーキによって回転要
素の連結状態や固定要素を変更することで変速を実行す
るように構成されている。また、選択歯車式の変速機構
は、互いに平行に配列したシャフトと、互いに噛合した
状態でこれらのシャフトに取り付けられた複数のギヤ対
と、複数のギヤ対といずれかのシャフトとのトルク伝達
経路を接続・遮断する複数の変速クラッチあるいは同期
連結装置とを備えた構成である。
【0004】ここで、選択歯車式の変速機構を有する自
動変速機における変速は、トルクの伝達に関与するギア
対の選択あるいは変更によって達成されるから、変速の
際には、二つの変速用クラッチの係合・解放状態を同時
に切り換えることになる。いわゆるクラッチ・ツウ・ク
ラッチ変速となる。
【0005】また、変速機構の入力側に配置するクラッ
チとして、発進用の湿式クラッチが用いられる場合があ
る。
【0006】このような発進用のクラッチと各変速段を
設定するための変速用の複数のクラッチとを備えた変速
機の一例が特開平8−226501号公報に記載されて
いる。この種の車両では、発進用クラッチに油圧を供給
することによりこれを解放する構成とし、これとは反対
に変速用クラッチは、油圧を供給することにより係合す
る構成としている。したがってニュートラル状態は、各
変速用クラッチから排圧してこれを解放状態することに
より設定しており、そのため発進は、第1速用のクラッ
チに油圧を供給することにより行う。その場合、第1速
用クラッチの係合によって出力トルクが急激に増大する
と、変速ショックが大きくなるので、第1速用クラッチ
の係合に合わせて発進用クラッチに油圧を供給して、こ
れを一時的に解放もしくはスリップ状態と、変速機に入
力されるトルクを低減させる制御が行われることがあ
る。
【0007】このように発進を含む変速時の出力トルク
の変化を滑らかにするために発進用クラッチを制御する
ので、結局、変速時には、二つの変速用クラッチと一つ
の発進用クラッチとの合計三つのクラッチの油圧を制御
することになる。なお、上記の特開平8−226501
号公報に記載された発明では、変速時に制御するクラッ
チの数を少なくするために、一方向クラッチを設けるこ
ととしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した発進用クラッ
チおよび変速用クラッチを設けた変速機において、変速
を実行するために三つのクラッチの係合・解放状態を同
時に制御するとした場合、油圧を単にオン・オフ制御す
るだけでなく、過渡油圧をリニアに変化させるなどの制
御が行われる場合もあり、その結果、多量の制御油圧を
必要とする。そのために変速時にいずれかのクラッチの
油圧の低下を惹き起こす可能性があり、そのような場合
には、変速ショックが悪化したり、あるいはクラッチの
過度なスリップによってその耐久性が低下したりする不
都合がある。
【0009】これを解消するために、オイルポンプの吐
出容量を増大させることが考えられるが、オイルポンプ
は一般に高強度が要求され、重量の大きいものであるか
ら、その吐出容量を増大させるとすれば、変速機の大型
化や大重量化を招来する不都合がある。なお、前述した
公報に記載されているように一方向クラッチを用いれ
ば、変速時に制御するクラッチの数を減らすことができ
るが、一方向クラッチを用いることに伴って変速機の構
造が複雑化し、また大型化するなどの不都合がある。
【0010】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、オイルポンプの吐出容量を増大させることな
く、変速時のクラッチ制御とクラッチの潤滑を良好に行
うことのできる装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、油圧源から複
数のクラッチの各々に対して係合・解放のための制御油
圧を給排する制御用油路と、前記油圧源から前記クラッ
チの少なくともいずれか一つに対して潤滑のための潤滑
油圧を給排する潤滑用油路が設けられた変速機における
クラッチの制御装置において、前記クラッチのいずれか
に油圧を給排して前記変速機を変速制御する際に、潤滑
用油路を流れる油量を減少させる弁が設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0012】請求項1の発明によれば、変速時には、複
数のクラッチが同時に制御され、必要となるクラッチ制
御油量が増大するために、潤滑用油路に設けられた弁の
吐出油量を減少させることによって、クラッチ制御油量
を確保することができる。
【0013】請求項2の発明は、変速時にいずれかのク
ラッチに給排される油圧を制御しかつドレイン油圧を生
じる制御弁が設けられ、変速時にそのドレイン油圧を前
記潤滑油路に導く油路が形成されていることを特徴とす
るものである。
【0014】請求項2の発明によれば、変速時には制御
弁からドレイン油が生じるので、そのドレイン油が潤滑
油路に導かれることにより、複数のクラッチに潤滑油が
供給される。
【0015】その結果、変速時において、潤滑油路に設
けられた弁の吐出油量が減少することによって潤滑油量
が減少するが、必要となる潤滑油量の減少分を、制御弁
のドレイン油を潤滑油として利用することによって確保
することができるので、変速時においても、複数のクラ
ッチの潤滑油量が潤沢になり、オイルポンプの吐出容量
を大きくすることなく、クラッチの潤滑油を賄うことが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に基づいて
より具体的に説明する。まず、図2はこの発明で対象と
する変速機に用いられる発進用の湿式摩擦クラッチ1の
構造を示す断面図である。図2における右側にはエンジ
ン(図示せず)が設けられ、左側にはトランスミッショ
ン(図示せず)が設けられている。
【0017】図2において、環状に形成されたクラッチ
ケーシング2の先端部には、環状のプレート3が固定さ
れている。また、ケーシング2の内部には、インプット
シャフト4が軸線方向に向け、かつケーシング2と相対
回転可能に設けられており、そのインプットシャフト4
のプレート3側の先端部にはクラッチハブ5がスプライ
ン嵌合されている。このクラッチハブ5の外周には、ダ
ンパースプリング6を介して環状のクラッチディスク7
が取り付けられている。またクラッチディスク7の表裏
には環状の摩擦板8が取り付けられている。
【0018】この摩擦板8を挟んでそれぞれ環状をなす
一対のプッシャープレート9,10が配置され、一方の
プッシャープレート9はプレート3に取り付けられてい
る。また、他方のプッシャープレート10は、ケーシン
グ2の内部にケーシング2と一体化して設けられた円筒
部材11の内周面にスプライン嵌合されている。なお、
このプッシャープレート10の後退位置すなわち摩擦板
8とは反対方向の移動限界位置は、円筒部材11に取り
付けたスナップリング12によって規定されている。な
お、円筒部材11におけるクラッチディスク7の外周側
に対応する位置には、半径方向に貫通する通路13が形
成されている。
【0019】また、円筒部材11の端部(図2での左側
の端部)にエンドプレート14が一体的に取り付けられ
ている。このエンドプレート14と前記他方のプッシャ
ープレート10との間に、ダイヤフラムスプリング15
が配置されている。このダイヤフラムスプリング15
は、従来の手動変速機におけるクラッチに作用されてい
るものと同様のものであって、全体として環状をなす板
状の部材であり、板厚方向に弾性的に変形するように構
成されている。このダイヤフラムスプリング15の外周
部を前記エンドプレート14との間に挟み付けるスナッ
プリング16が、前記円筒部材11の内周面に取り付け
られている。そしてこのダイヤフラムスプリング15の
半径方向での中間部が、前記他方のプッシャープレート
10の背面に形成した突起部10Aに当接している。す
なわちダイヤフラムスプリング15は、その外周端を固
定点とし、かつ内周部を力点として弾性変形し、中間部
が作用点として機能することにより他方のプッシャープ
レート10をその軸線方向に押圧するように構成されて
いる。
【0020】エンドプレート14は、前記インプットシ
ャフト4の外周面に液密状態を維持して回転自在に嵌合
しており、このインプットシャフト4に嵌合されている
ボス部よりも外周側の部分が、図2の左方向に窪んでお
り、ここにシリンダ室17が形成されている。そしてこ
のシリンダ室17にピストン18が前後動自在に収容さ
れている。前記ダイヤフラムスプリング15の内周側端
部は、このピストン18の外周部に対向する位置に延び
ており、したがってピストン18が前進することによっ
てダイヤフラムスプリング15が弾性的に変形し、前記
他方のプッシャープレート10を押圧するようになって
いる。
【0021】なおここで、ピストン18を動作させるた
めの機構について説明すると、前記インプットシャフト
4の内部には、その軸線方向に向けて油路31が形成さ
れており、この油路31は、エンドプレート14のボス
部の部分でインプットシャフト4の外周側に開口してい
る。またそのボス部には、油路31に連通する貫通孔が
半径方向に向けて形成されており、その貫通孔がピスト
ン18の背面側に開口している。すなわちこれらの油路
31および貫通孔を介してシリンダ室17に油圧を給排
するように構成されている。またピストン18の前面側
(図2での右側)には、エンドプレート14のボス部に
嵌合させてリテーナ19が配置されており、このリテー
ナ19とピストン18との間にリターンスプリング20
が配置されている。なお、油路31のインプットシャフ
ト4の先端側の部分は、プラグ21によって封止されて
いる。
【0022】また、インプットシャフト4には、その軸
線方向に貫通した潤滑油路32が形成されている。この
潤滑油路32は、インプットシャフト4の先端部に開口
する一方、エンドプレート14のボス部の先端とクラッ
チハブ5との間に開口するようにインプットシャフト4
に形成した油路33に連通している。したがって潤滑油
をインプットシャフト4の先端部とクラッチハブ5の近
傍とに送り出すようになっている。なお、ケーシング2
の内部は、オイルパン(図示せず)などのドレイン箇所
に連通している。
【0023】なお、図2において、発進用クラッチ1の
中心軸線より上側の断面図はクラッチが解放状態にある
ことを示し、下側の断面図はクラッチが係合状態もしく
はスリップ状態を示している。
【0024】次に、上記の発進用クラッチ1を用いた5
速自動変速機のスケルトン図を図3に示している。発進
用クラッチ1の左側にはエンジン(図示せず)が設けら
れている。また、発進用クラッチ1にトルク伝達可能に
接続されたインプットシャフト4およびカウンターシャ
フト41には、互いに噛合した五対のギヤ対が設けられ
ている。
【0025】また、インプットシャフト4の中心軸線方
向の中間部には、第1速用ドライブギヤ51が一体的に
設けられている。また、カウンターシャフト41の外周
には、第1速用ドリブンギヤ52が回転自在に取り付け
られている。そして、第1速用ドライブギヤ51と第1
速用ドリブンギヤ52とが噛合されている。さらにま
た、カウンターシャフト41の外周には、第1速用ドリ
ブンギヤ52に隣接して第1速用クラッチ71が設けら
れている。
【0026】第1速用クラッチ71は湿式多板クラッチ
であって、そのクラッチドラムはカウンターシャフト4
1にスプライン嵌合されている。また、そのクラッチハ
ブは、第1速用ドリブンギヤ52に連結されている。そ
して、油圧サーボピストンがクラッチドラムの内部に配
置されている。そして、油圧サーボピストンの背面側に
対して油圧を供給することにより、油圧サーボピストン
が図1の右方向に移動して、第1速用クラッチ71が係
合される。
【0027】また、インプットシャフト4の図3におけ
る左側の位置には、第2速用ドライブギヤ53が回転自
在に嵌合されている。さらに、カウンターシャフト41
の外周には第2速用ドリブンギヤ54がスプライン嵌合
されている。そして、第2速用ドライブギヤ53と第2
速用ドリブンギヤ54とが噛合されている。さらにま
た、インプットシャフト4の外周には、第2速用ドライ
ブギヤ53に隣接して湿式多板式の第2速用クラッチ7
2が設けられている。
【0028】第2速用クラッチ72のクラッチドラムが
インプットシャフト4にスプライン嵌合されている。ま
た、第2速用クラッチ72のクラッチハブが第2速用ド
リブンギヤ54に連結されている。そして、第2速用ク
ラッチ72を係合させる油圧サーボピストンが、クラッ
チドラムの内部に収容されている。
【0029】前記インプットシャフト4の図2における
左側の端部には、第3速用ドライブギヤ55が回転自在
に保持されている。また、カウンターシャフト41の図
2における左側の端部に第3速用ドリブンギヤ56がス
プライン嵌合されている。そして、第3速用ドライブギ
ヤ55と第3速用ドリブンギヤ56とが噛合されてい
る。
【0030】インプットシャフト4の外周には、第3速
用ドライブギヤ55とインプットシャフト4とを選択的
に連結するための湿式多板式の第3速用クラッチ73が
取り付けられている。第3速用クラッチ73は、第3速
用ドライブギヤ55に隣接して設けられている。
【0031】第3速用クラッチ73のクラッチドラムが
インプットシャフト4にスプライン嵌合されている。ま
た、第3速用クラッチ73のクラッチハブが第3速用ド
リブンギヤ56に連結されている。そして、第3速用ク
ラッチ73を係合させる油圧サーボピストンが、クラッ
チドラムの内部に収容されている。
【0032】インプットシャフト4の周囲において、第
1速用ドライブギア51と発進用クラッチ1との間の位
置に、第4速用ドライブギヤ57がインプットシャフト
4にスプライン嵌合されている。また、カウンターシャ
フト41の外周には第4速用ドリブンギヤ58が回転自
在に保持されている。そして、第4速用ドライブギヤ5
7と第4速用ドリブンギヤ58とが噛合されている。さ
らに、第4速用ドリブンギヤ58とカウンターシャフト
41とを選択的に連結するための湿式多板式の第4速用
クラッチ74が設けられている。第4速用クラッチ74
は第4速用ドリブンギヤ58に隣接して配置されてい
る。
【0033】第4速用クラッチ74のクラッチドラムが
カウンターシャフト41にスプライン嵌合されている。
また、第4速用クラッチ74のクラッチハブが第4速用
ドリブンギヤ58に連結されている。そして、第4速用
クラッチ74を係合させる油圧サーボピストンが、クラ
ッチドラムの内部に収容されている。
【0034】さらに、インプットシャフト4のうち第2
速用ドライブギア53に隣接した位置に、第5速用ドラ
イブギヤ59がスプライン嵌合されている。また、カウ
ンターシャフト41には、第5速用ドリブンギヤ60が
回転自在に保持されている。そして、第5速用ドライブ
ギヤ59と第5速用ドリブンギヤ60とが噛合されてい
る。さらにまた、第5速用ドリブンギヤ60と第1速用
クラッチ71との間には、湿式多板式の第5速用クラッ
チ75が配置されている。
【0035】この第5速用クラッチ75におけるクラッ
チドラムがカウンターシャフト41にスプライン嵌合さ
れ、また、クラッチハブが第5速用ドリブンギヤ60に
連結されている。そして、第5速用クラッチ75を係合
させる油圧サーボピストンが、クラッチドラムの内部に
収容されている。
【0036】つぎに、後進用のギヤ対について説明す
る。カウンターシャフト4の外周において、クラッチハ
ブ43と第4速用ドリブンギヤ58との間には、後進用
ドリブンギヤ61が回転自在に配置されている。後進用
ドリブンギヤ61のうち、クラッチハブ43に接する部
分は、クラッチハブ43と同一外径に形成され、かつそ
の外周面にスプラインが形成されている。したがって、
クラッチハブ43および後進用ドリブンギヤ61にハブ
スリーブ44をスプライン係合させると、クラッチハブ
43と後進用ドリブンギヤ61との間でトルク伝達が可
能になる。
【0037】また、インプットシャフト4およびカウン
ターシャフト41と平行にリバースシャフト(図示せ
ず)が回転自在に保持されており、このリバースシャフ
トに例えば第1速用ドライブギヤ51と後進用ドリブン
ギヤ61とに噛合した後進用アイドルギヤ(図示せず)
が取り付けられている。したがって、ハブスリーブ44
によってクラッチハブ43と後進用ドリブンギヤ61と
を連結することにより、後進段が設定される。なお、カ
ウンタシャフト4の一端部には、ドライブギヤ62が形
成され、それに噛合するドリブンギア63は差動装置
(図示せず)に接続されている。
【0038】図1はこの発明に係る制御装置の油圧系統
の一部を示している。図1においては、第1速から第2
速に変速する際の、発進用クラッチ1と変速前後の変速
段の第1速用クラッチ71と第2速用クラッチ72とが
示されており、それぞれに、制御弁として発進用クラッ
チ1もしくは変速用クラッチ71,72に供給されるク
ラッチ制御用の油圧をリニアーに制御するノーマルオー
プンタイプのデューティ三方弁81,82,83が設け
られている。このデューティ三方弁81,82,83
は、デューティ比が0%の場合、すなわちオフ状態で入
力ポート84と出力ポート85とを連通させ、またデュ
ーティ比が100%の場合すなわちオン状態で出力ポー
ト85をドレインポート86に連通させるように構成さ
れ、デューティ比が0%から100%まで変化すること
により、出力圧がリニアーに変化するようになってい
る。
【0039】そしてデューティ三方弁81,82,83
の各入力ポート84には、この発明における油圧源であ
るオイルポンプ87で発生した油圧を調圧して得たライ
ン圧を供給するライン圧油路88がそれぞれ接続され、
また各出力ポート85には各制御油路89,90,91
を介して発進用クラッチ1の油路31もしくは変速用ク
ラッチ71,72のクラッチ制御油路が接続され、さら
に各ドレインポート86には各潤滑油路92,93,9
4を介して発進用クラッチ1の潤滑油路32もしくは変
速用クラッチ71,72の潤滑油路が接続されている。
そして、各潤滑油路92,93,94は潤滑油路95に
よって相互に連通されている。
【0040】さらに、前記ライン圧油路88と前記潤滑
油路95とを連通するオン・オフ弁96が設けられてい
る。このオン・オフ弁96には入力ポート97と出力ポ
ート98とが設けられている。
【0041】前記のデューティ三方弁81,82,83
とオン・オフ弁96にそれぞれ制御信号を出力する電子
制御装置(ECU)99が設けられている。これは、中
央演算処理装置(CPU)や記憶装置(RAM、RO
M)などで構成され、車速やスロットル開度あるいは変
速信号になどに基づいて所定のデューティ比の制御信号
を各デューティ三方弁81,82,83とオン・オフ弁
96に出力するように構成されている。
【0042】ところで、前記の発進用クラッチ1を係合
状態に制御する場合には、電子制御装置(ECU)99
によってデューティ比が0%の信号が出力される。すな
わちデューティ三方弁81がオフ制御され、その入力ポ
ート84と出力ポート85とが連通した状態に維持され
る。したがってライン圧がライン圧油路88から制御油
路89ならびに油路31を経てシリンダ室17に供給さ
れる。その結果、その油圧によってピストン18が図2
の右方向へ移動し、ダイアフラムスプリング15の内周
部分を軸線方向の図2の右方向に押圧する。それに伴っ
て、突起部10Aを介して前記他方のプッシャープレー
ト10が図2の右方向に押されることにより、クラッチ
ディスク7が一対のプッシャープレート9,10によっ
て挟み付けられ、これらの間でトルクの伝達が行われる
係合状態になる。したがって、エンジンの出力トルク
は、クラッチケーシング2およびプッシャープレート
9,10に伝達され、クラッチディスク7からインプッ
トシャフト4を介してトランスミッション(図示せず)
に伝達される。
【0043】それに対し、前記の発進用クラッチ1を解
放状態に制御する場合には、電子制御装置99からデュ
ーティ比が100%の制御信号が出力される。この場
合、入力ポート84が閉じられ、また出力ポート85と
ドレインポート86とが連通した状態に維持される。し
たがってシリンダ室17から油路31ならびに制御油路
89および潤滑油路92を経て排圧されるので、ピスト
ン18が図2の左方向に押し戻される。それに伴ってダ
イヤフラムスプリング15の内周部に作用していた荷重
が無くなるので、他方のプッシャープレート10に対す
る押圧力が無くなり、クラッチ1が解放状態になる。
【0044】ところで、車両の発進時や変速時において
は、駆動力変化を滑らかにして変速ショックを緩和する
ために、入力クラッチである上記の発進用クラッチ1を
スリップ状態にする必要がある。このスリップ状態の制
御は、デューティ三方弁81に対する指令値すなわちデ
ューティ比を0%を越え100%未満に設定することに
実行される。したがってデューティ三方弁81では、そ
のデューティ比に応じてオン状態とオフ状態とに切り替
わり、オン状態の時間割合が長くなることにより、すな
わちデューティ比が大きくなるに従って出力ポート85
がドレインポート86に連通する時間が長くなり、その
結果、出力圧が低くなる。すなわちピストン18がダイ
ヤフラムスプリング15を押圧する荷重が、完全係合状
態に対して低くなるから、プッシャープレート9,10
によってクラッチディスク7を挟み付けるいわゆる係合
力が低下し、入力トルクに対して係合力が低くなること
により、プッシャープレート9,10とクラッチディス
ク7との間でスリップが生じる。
【0045】また、この実施例において、車両が第1速
から第2速に変速する際、駆動力変化を滑らかにしてシ
ョックを緩和するために、入力クラッチである発進用ク
ラッチ1をスリップ状態にする。また、変速前後の変速
段の変速用クラッチである第1速用クラッチ71と第2
速用クラッチ72とにおいて、第1速用クラッチ71を
解放させ、第2速用クラッチ72を係合させる必要があ
る。つまり、三つのクラッチを同時に制御する必要があ
る。そのため、必要となるクラッチ制御油量が増大す
る。
【0046】そこで、車両が第1速から第2速に変速す
る際には、一時的にライン圧油路88と潤滑油路95と
を、オン・オフ弁96によって遮断する。つまり、ライ
ン圧油路88にある制御油の一部を、変速時以外は潤滑
油としてオン・オフ弁96を介して潤滑油路95に導く
が、変速時には潤滑油としての供給を止め、変速時に増
大するクラッチ制御油量を補う。
【0047】なお、各デューティ三方弁81,82,8
3の各ドレインポート86が、潤滑油路95を介して各
潤滑油路92,93,94に接続されているので、変速
制御中には、各デューティ三方弁81,82,83にお
いて生じるドレイン油が潤滑油として各クラッチ1,7
1,72や他の複数の変速用クラッチに導かれる。その
ため、ライン圧から潤滑油の供給が止められても、各ク
ラッチの潤滑油量を充分確保できる。
【0048】なお、この具体例では、ライン圧を元圧と
して潤滑油路に油圧を供給するように構成したが、この
発明はこれに限定されることはなく、油圧源であるオイ
ルポンプで発生した油圧をライン圧に調圧し、さらにこ
れを他の調圧手段によって潤滑油圧に調圧し、この潤滑
油圧を潤滑油路に供給するように構成してもよい。
【0049】また、この具体例では、この発明の潤滑用
の油路に設けられた弁としてオン・オフ弁を用いた例を
示したが、この発明の弁はこれに限定されることはな
く、クラッチの制御装置が変速制御されるときに吐出油
量を減少させる弁であればよい。
【0050】そして、この具体例では、第1速から第2
速に変速する例を示したが、この発明はこれに限定され
ることはなく、他の変速においても実施することができ
る。
【0051】さらに、この具体例では、5速自動変速機
を用いた例を示したが、この発明はこれに限定されるこ
とはなく、他の自動変速機や手動変速機を対象とする制
御装置にも適用できる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、クラッチの制御装置の潤滑用の油路に、変速機を変
速制御する際に潤滑用油路を流れる油量を減少させる弁
が設けられることにより、変速制御される際には、潤滑
油として潤滑油路に導かれる油量が減少する。また、変
速制御は複数のクラッチを同時に制御するので、変速時
には必要となるクラッチ制御油量は増大する。そこで、
潤滑油として潤滑油路に導かれる油量が減少した量の分
だけクラッチの制御油として用いることによって、複数
のクラッチを同時に制御するだけのクラッチ制御油量を
確保することが可能になり、変速ショックの発生などを
防ぐことができる。
【0053】また、変速時には、弁を介して潤滑油とし
て潤滑油路に導かれる油量が減少するので、同時に制御
される複数のクラッチの潤滑を行うには潤滑油量が減少
するが、変速機の少なくとも一つの制御弁のドレイン油
を複数のクラッチに潤滑油として導く油路が形成される
ことにより、摩擦熱が多く発生するクラッチのスリップ
状態の場合に、潤滑油の減少を制御弁のドレイン油によ
って補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である5速自動変速機の油
圧系統の構成を示す概略図である。
【図2】この発明の一実施例である発進用クラッチの構
成を示す断面図である。
【図3】発進用クラッチと変速用クラッチとによって構
成された、この発明の一実施例である5速自動変速機の
構成を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
1 発進用クラッチ 31,32,33 油路 71 第1速用クラッチ 72 第2速用クラッチ 73 第3速用クラッチ 74 第4速用クラッチ 75 第5速用クラッチ 81,82,83 デューティ三方弁 88 ライン圧油路 95 潤滑油路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 智之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧源から複数のクラッチの各々に対し
    て係合・解放のための制御油圧を給排する制御用油路
    と、前記油圧源から前記クラッチの少なくともいずれか
    一つに対して潤滑のための潤滑油圧を給排する潤滑用油
    路が設けられた変速機におけるクラッチの制御装置にお
    いて、 前記クラッチのいずれかに油圧を給排して前記変速機を
    変速制御する際に、潤滑用油路を流れる油量を減少させ
    る弁が設けられていることを特徴とする変速機における
    クラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 変速時にいずれかのクラッチに給排され
    る油圧を制御しかつドレイン油圧を生じる制御弁が設け
    られ、変速時にそのドレイン油圧を前記潤滑油路に導く
    油路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    変速機におけるクラッチの制御装置。
JP9194789A 1997-07-04 1997-07-04 変速機におけるクラッチの制御装置 Pending JPH1122751A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102606719A (zh) * 2012-03-09 2012-07-25 重庆青山工业有限责任公司 一种双离合器变速箱的冷却回路系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102606719A (zh) * 2012-03-09 2012-07-25 重庆青山工业有限责任公司 一种双离合器变速箱的冷却回路系统

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