JPH08226501A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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Publication number
JPH08226501A
JPH08226501A JP7055154A JP5515495A JPH08226501A JP H08226501 A JPH08226501 A JP H08226501A JP 7055154 A JP7055154 A JP 7055154A JP 5515495 A JP5515495 A JP 5515495A JP H08226501 A JPH08226501 A JP H08226501A
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JP
Japan
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gear
clutch
shaft
speed
torque
Prior art date
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Application number
JP7055154A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Sugihara
功一 杉原
Shogo Kato
昭悟 加藤
Yasuharu Taketsuna
靖治 竹綱
Tomoyuki Maeda
智之 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発進制御の容易な自動変速機を提供する。 【構成】 動力源から発進クラッチ8を介してトルクの
伝達される入力軸1と該入力軸1に平行に配置したカウ
ンタ軸2とのそれぞれの軸上に、互いに噛合した複数の
変速ギヤ対が配置され、互いに噛合した変速ギヤ対のう
ち一方のギヤが該ギヤを保持している軸に対して回転自
在に取り付けられるとともに、該軸と前記一方のギヤと
を選択的に連結する連結手段が設けられ、前記一方のギ
ヤに噛合している他方のギヤが該ギヤを保持している軸
に回転不能に取り付けられている自動変速機において、
前進第1速を設定するギヤ対21,22のうちカウンタ
軸2に対して回転自在なドリブンギヤ22とその軸2と
の間に、ドリブンギヤ22からカウンタ軸2に向けてト
ルクを伝達する一方向クラッチ23が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、入力側の第1の軸と
出力側の第2の軸との間でトルクの伝達を行うギヤ対を
選択することにより、変速を実行するように構成した自
動変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機は、歯
車によるトルクの伝達経路を変えることにより変速比を
変更し、複数の前進段および後進段に設定するように構
成されている。その歯車変速機構としては、複数組の遊
星歯車機構を主体として構成したものや互いに噛合する
ギヤ対を、互いに平行に配した軸の間に設け、それらの
ギヤ対を選択する構成などが従来知られている。
【0003】特開平3−79850号公報には、後者の
例が記載されており、これを簡単に説明すると、歯車列
は、互いに噛合した複数のギヤ対を備えており、その一
方のギヤはこれを保持している軸に対して回転不能に取
り付けられ、また他方のギヤはこれを保持している軸に
対して回転自在に取り付けられるとともに、その軸とギ
ヤとの間にシンクロナイザなどの連結手段が配置されて
いる。これら複数のギヤ対および軸を備えた歯車変速装
置に対する入力手段として、エンジンからのトルクを選
択的に伝達する発進クラッチが設けられている。そして
この発進クラッチおよび前記連結手段をアクチュエータ
によって選択的に係合・解放することにより、トルクの
伝達経路を変更して変速を実行するように構成されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の自動変
速機では、歯車変速装置における各連結手段すなわち変
速用クラッチを解放しておけばニュートラル状態とな
り、この状態から発進する場合には、まず発進用クラッ
チを解放して歯車変速装置へのトルクの入力を遮断し、
この状態で発進用の変速段である第1速を設定するため
の変速用クラッチを係合させる。その後に発進用クラッ
チを半クラッチの状態を経て次第に係合させ、歯車変速
装置にエンジンからのトルクを伝達する。またニュート
ラル状態で発進用クラッチを解放状態に維持するとすれ
ば、第1速を設定するための変速用クラッチを先ず係合
させた後に、発進用クラッチを係合させることになる。
【0005】このように上記従来の自動変速機では、発
進時に第1速を設定するための変速用クラッチと発進用
クラッチとの少なくとも二つのクラッチを同時に制御す
る必要があるために、制御が複雑になり、また発進応答
性が悪化する可能性があった。
【0006】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、発進応答性に優れた自動変速機を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、第1速用のギヤによる第1軸から第
2軸へのトルクの伝達経路に一方向クラッチを介在させ
たことを特徴とするものである。より具体的には、この
発明は、動力源から発進クラッチを介してトルクの伝達
される第1軸と該第1軸に平行に配置した第2軸とのそ
れぞれの軸上に、互いに噛合した複数の変速ギヤ対が配
置され、それら互いに噛合した変速ギヤ対のうち一方の
ギヤが該ギヤを保持している軸に対して回転自在に取り
付けられるとともに、該軸と前記一方のギヤとを選択的
に連結する連結手段が設けられ、かつ前記一方のギヤに
噛合している他方のギヤが該ギヤを保持している軸に回
転不能に取り付けられている自動変速機において、前進
第1速を設定するギヤ対のうち前記いずれかの軸に対し
て回転自在な一方のギヤとその軸との間に、ギヤから軸
に向けてもしくは軸からギヤに向けてトルクを伝達する
一方向クラッチが配置されていることを特徴とするもの
である。
【0008】
【作用】この発明における自動変速機では、互いに噛合
しているギヤ対のうちの一方のギヤは、これを保持して
いる軸に対して回転自在であり、したがっていずれかの
ギヤ対についての連結手段を係合状態とすれば、このギ
ヤ対を介して第1軸から第2軸にトルクが伝達され、所
定の変速段が設定される。それらの変速段のうち第1速
については、発進用クラッチを係合してトルクを伝達す
ると、軸に対して回転自在なギヤとその軸との間に配置
してある一方向クラッチが係合し、そのギヤ対を介して
第1軸から第2軸に対してトルクが伝達され、第1速が
設定される。すなわちこの第1速については、発進用ク
ラッチを係合させれば一方向クラッチが係合してトルク
の伝達が行われるので、制御するべきクラッチが一つで
よく、制御性および発進応答性が良好になる。
【0009】
【実施例】つぎにこの発明を図に示す実施例に基づいて
説明する。図1はこの発明の一実施例を概略的に示す断
面図であり、第1軸としての入力軸1と第2軸としての
カウンタ軸2とが、ケーシング3の内部に互いに平行に
軸受4,5によって回転自在に保持されている。すなわ
ちケーシング3は軸線方向において、2分割もしくは3
分割するように構成されており、その軸線方向での前後
2箇所に中心部に向けて突出した隔壁状のサポート6,
7が形成されている。入力軸1はこれらのサポート6,
7を貫通するとともに、そのサポート6,7の内周部に
嵌合させた軸受4によって回転自在に保持されている。
【0010】入力軸1の先端部はフロントサポート(図
1における右側のサポート)6から突出しており、その
突出端の外周に発進クラッチ8が設けられている。すな
わち、入力軸1の先端外周部にクラッチケーシング9が
回転自在に取り付けられている。このクラッチケーシン
グ9の先端部には、ドライブプレート10を連結するた
めのプレート11が一体的に設けられている。
【0011】また、クラッチケーシング9の内部には、
ダンパー機構12を介して入力軸1に連結したクラッチ
ディスク13が同心円上に配置されている。このクラッ
チディスク13はクラッチケーシング9の内面に取り付
けた受圧板14に対向しており、またこの受圧板14に
対してクラッチディスク13を挟んだ反対側には、プッ
シャプレート15が軸線方向に前後動可能に配置されて
いる。
【0012】このプッシャプレート15は円環状の部材
であって、クラッチケーシング9と同心円上に配置され
ている。また、このプッシャプレート15の内周側の背
面(クラッチディスク13とは反対側の面)には突起部
が形成されている。さらに、クラッチケーシング9の内
部にはプッシャプレート15の突起部を当接させたダイ
ヤフラムスプリング16が配置されている。
【0013】このダイヤフラムスプリング16は従来の
手動変速機における乾式クラッチに用いられているもの
と同様に、外心部と中心部とが軸線方向にずれた円環状
の板バネ部材であって、その外周部をスナップリング1
7によって固定することにより、クラッチケーシング9
に対して保持されている。
【0014】このダイヤフラムスプリング16の半径方
向での中間部に前記プッシャプレート15の突起部が当
接しており、またこのダイヤフラムスプリング16の内
周部が油圧サーボピストン18に当接している。すなわ
ち、クラッチケーシング9の内周部で入力軸1の先端側
の部分には、円環状の油圧サーボシリンダ19が形成さ
れており、このシリンダ19の内部に環状のピストン1
8が軸線方向に前後動するよう収容されている。このピ
ストン18の図1での右側の部分が油圧室であって、こ
こに入力軸1に形成した油路を介して油圧を供給するこ
とにより、ピストン18が図1の左方向に前進してダイ
ヤフラムスプリング16の内周部を軸線方向へ押圧する
ようになっている。
【0015】上記フロントサポート6のうち発進クラッ
チ8側の側面には、油圧ポンプ20が取り付けられてい
る。前記クラッチケーシング9の端部は、入力軸1の外
周面に沿ってこの油圧ポンプ20の内部に挿入されてお
り、油圧ポンプ20における可動部に、クラッチケーシ
ング9の端部が連結されている。すなわち、クラッチケ
ーシング9を介して、油圧ポンプ20を駆動するよう構
成されている。
【0016】カウンタ軸2を回転自在に支持する一対の
軸受5が、リヤサポート7とケーシング3とに取り付け
られている。このカウンタ軸2と前記入力軸1との間に
は、互いに噛合した五対のギヤ対が設けられている。こ
れらのギヤ対について順に説明すると、入力軸1の中間
部外周には、第1速用ドライブギヤ21が形成されてお
り、この第1速用ドライブギヤ21に噛合している第1
速用ドリブンギヤ22が、カウンタ軸2の外周に回転自
在に取り付けられている。すなわち、カウンタ軸2の外
周には、一方向クラッチ23が回転自在に取り付けられ
ており、第1速用ドリブンギヤ22の内周側の一部は、
この一方向クラッチ23のアウターレースを形成してい
る。なお、この一方向クラッチ23は第1速用ドリブン
ギヤ22からインナーレースに向けてトルクを伝達する
方向で係合するように設定されている。
【0017】この一方向クラッチ23に隣接してクラッ
チハブ24がカウンタ軸2にスプライン嵌合されてお
り、一方向クラッチ23のインナーレースの一部はこの
クラッチハブ24と外径が一致するように外周側に延出
している。このクラッチハブ24と一方向クラッチ23
のインナーレースの外周面とには、スプラインが形成さ
れており、このスプライン部分にハブスリーブ25が軸
線方向に移動可能に嵌合させられている。すなわち、ハ
ブスリーブ25がクラッチハブ24とインナーレースと
の両方のスプラインに嵌合することにより、両者の間で
トルクを伝達するように構成されている。
【0018】リヤサポート7から突出した入力軸1の端
部には、第2速用ドライブギヤ26が回転自在に嵌合さ
れており、この第2速用ドライブギヤ26に噛合してい
る第2速用ドリブンギヤ27がリヤサポート7から突出
したカウンタ軸2の外周部にスプライン嵌合させられて
いる。また、第2速用ドライブギヤ26に隣接して第2
速用クラッチ28が設けられている。
【0019】このクラッチ28は湿式多板クラッチであ
って、クラッチディスクを外周部にスプライン嵌合させ
たクラッチハブ29が第2速用ドライブギヤ26に連結
されている。また、円筒部分の内周面にクラッチプレー
トをスプライン嵌合させたクラッチドラム30が、入力
軸1の端部にスプライン嵌合させられている。そして、
油圧サーボピストン31がクラッチドラム30の内部に
軸線方向へ前後動するよう配置されている。そしてこの
油圧サーボピストン31の背面側(図1の左側)に入力
軸1の内部に形成した油路から油圧を供給することによ
り、油圧サーボピストン31が図1の右方向に移動し
て、クラッチ28を係合させるように構成されている。
【0020】前記第1速用ドライブギヤ21に隣接して
第3速用ドライブギヤ32が入力軸1に回転自在に保持
されている。この第3速用ドライブギヤ32に噛合して
いる第3速用ドリブンギヤ33が、カウンタ軸2の外周
部にスプライン嵌合させられている。第3速用ドライブ
ギヤ32を入力軸1に選択的に連結するための第3速用
クラッチ34が第3速用ドライブギヤ32に隣接して設
けられている。
【0021】この第3速用クラッチ34は、前述した第
2速用クラッチ28と同様な構成であって、クラッチハ
ブ35が第3速用ドライブギヤ32と一体化されてお
り、またクラッチドラム36が入力軸1にスプライン嵌
合させられている。そして、このクラッチ34を係合さ
せるための油圧サーボピストン37がクラッチドラム3
6の内部に軸線方向へ前後動するよう収容されている。
この油圧サーボピストン37を動作させるための油圧を
送る油路は入力軸1の内部に形成されている。
【0022】入力軸1のうちフロントサポート6に接近
した箇所に、第4速用ドライブギヤ38がスプライン嵌
合されている。この第4速用ドライブギヤ38に噛合し
ている第4速用ドリブンギヤ39はカウンタ軸2の外周
に回転自在に保持されている。この第4速用ドリブンギ
ヤ39をカウンタ軸2に対して選択的に連結するための
第4速用クラッチ40が第4速用ドリブンギヤ39に隣
接して配置されている。
【0023】この第4速用クラッチ40も多板クラッチ
であって、そのクラッチハブ41が第4速用ドリブンギ
ヤ39に連結されており、またクラッチドラム42がカ
ウンタ軸2にスプライン嵌合させられている。そしてこ
の第4速用クラッチ40を係合させるための油圧サーボ
ピストン43が、クラッチドラム42の内部に軸線方向
へ前後動するよう収容されている。この第4速用クラッ
チ43に対して油圧を供給するための油路はカウンタ軸
2の内部に形成されている。
【0024】入力軸1のうち前述した第3速用クラッチ
34に隣接した箇所に、第5速用ドライブギヤ44がス
プライン嵌合させられている。この第5速用ドライブギ
ヤ44に噛合している第5速用ドリブンギヤ45は、カ
ウンタ軸2に回転自在に保持されている。この第5速用
ドリブンギヤ45をカウンタ軸2に対して選択的に連結
する第5速用クラッチ46が、リヤサポート7と第5速
用ドリブンギヤ45との間に配置されている。
【0025】この第5速用クラッチ46も多板クラッチ
であって、クラッチハブ47が第5速用ドリブンギヤ4
5に連結される一方、クラッチドラム48がカウンタ軸
2にスプライン嵌合させられている。そして、第5速用
クラッチ46を係合させるための油圧サーボピストン4
9がクラッチドラム48の内部に軸線方向へ前後動する
ように収容されている。この第5速用クラッチ46に対
して油圧を供給する油路はカウンタ軸2の内部に形成さ
れている。
【0026】なお、後進用のギヤ対について説明する
と、カウンタ軸2にスプライン嵌合させた前記クラッチ
ハブ24と第4速用ドリブンギヤ39との間には、後進
用ドリブンギヤ50が回転自在に配置されている。この
後進用ドリブンギヤ50のうちクラッチハブ24に接す
る部分は、クラッチハブ24と同一外径に形成され、か
つその外周面にスプラインが形成されている。したがっ
てクラッチハブ24と後進用ドリブンギヤ50とは、ハ
ブスリーブ25を両者のスプライン係合させることによ
りトルク伝達可能に連結されるようになっている。
【0027】また、特には図示しないがケーシング3の
内部には、入力軸1およびカウンタ軸2と平行にリバー
ス軸が回転自在に保持されており、このリバース軸に例
えば第1速用ドライブギヤ21に噛合したギヤおよびリ
バース用ドリブンギヤ50に噛合した後進用ドライブギ
ヤが取り付けられている。したがって、ハブスリーブ2
5によってクラッチハブ24と後進用ドリブンギヤ50
とを連結することにより、後進端が設定されるようにな
っている。
【0028】そしてカウンタ軸2の一端部にドライブギ
ヤ51が形成されており、デフキャリヤ52に取り付け
たドリブンギヤ53がこのドライブギヤ51に噛合して
いる。
【0029】図2には上述した自動変速機をスケルトン
図で示してある。
【0030】つぎに上述した自動変速機で各変速段を設
定する場合の動作について説明する。ニュートラル状態
では、発進クラッチ8における油圧サーボ機構から排圧
する。このようにすることにより、ダイヤフラムスプリ
ング16の中心側の部分がその弾性力によって図1の右
方向に後退移動し、その結果、ダイヤフラムスプリング
16の半径方向での中間部に当接しているプッシャプレ
ート15が図1の右方向に移動してクラッチディスク1
3の押圧を解除する。すなわち発進クラッチ8を解放状
態とし、エンジンからの動力の伝達を遮断する。
【0031】前進第1速を設定するためには、第2速な
いし第5速用のクラッチ28,34,40,46を解放
状態とするとともに、ハブスリーブ25を図1に実線で
示す位置に移動させてクラッチハブ24と一方向クラッ
チ23のインナーレースとを連結する。そしてこの状態
で発進用クラッチ8の油圧サーボ機構に油圧を供給して
そのピストン18を図1の左方向に移動させ、これによ
りダイヤフラムスプリング16の中心部分を図1の左方
向に押圧する。
【0032】その結果、ダイヤフラムスプリング16が
スナップリング17によって固定されている外周部分を
中心にして中心側の部分が軸線方向に変異するので、そ
の中間部分に当接しているプッシャプレート15がダイ
ヤフラムスプリング16に押されてクラッチディスク1
3側に移動する。すなわちプッシャプレート15がクラ
ッチディスク13を受圧板14との間に挟み込み、発進
クラッチ8が係合状態になる。
【0033】こうしてクラッチケーシング9からクラッ
チディスク13およびダンパ機構12を介して入力軸1
にトルクが伝達されると、第1速用ドライブギヤ21か
ら第1速用ドリブンギヤ22にトルクが伝達され、この
ドリブンギヤ22が正回転する。そしてこのドリブンギ
ヤ22の内周側に配置してある一方向クラッチ23は、
ドリブンギヤ22からカウンタ軸2に向けてトルクを伝
達する方向で係合するように設定されているので、入力
軸1が上述のように回転することによりこの一方向クラ
ッチ23が係合する。
【0034】一方向クラッチ23は、前述したようにハ
ブスリーブ25およびクラッチハブ24を介してカウン
タ軸2に連結されているから、結局、入力軸1からカウ
ンタ軸2に対しては、この第1速用のギヤ対21,22
を介して動力が伝達される。その場合の変速比はこれら
のギヤ対21,22のギヤ比に基づいて定まり、前進第
1速となる。
【0035】なお、その場合、油圧サーボ機構に供給す
る油圧を、圧力がゆっくり上昇するように供給すること
により、いわゆる半クラッチ状態を経て発進クラッチ8
を係合させることができるので、滑らかな発進を行うこ
とができる。
【0036】前進第2速は、第2速用クラッチ28を係
合させることによって設定する。すなわちこのクラッチ
28を係合させれば、第2速用ドライブギヤ26が入力
軸1に連結され、したがって入力軸1からカウンタ軸2
には、この第2速用のドライブギヤ26ならびにこれに
噛合している第2速用のドリブンギヤ27を介してトル
クが伝達される。これら第2速用のギヤ対26,27の
ギヤ比は、第1速用のギヤ対21,22のギヤ比より小
さいので、カウンタ軸2が第1速の場合より高速で回転
し、前進第2速が設定される。したがってこの場合は、
第1速用のドリブンギヤ22よりもカウンタ軸2が高速
で回転するために、一方向クラッチ23が非係合状態と
なり、第1速から第2速への変速は、第2速用クラッチ
28のみを解放状態から係合状態に切り換えることによ
り達成される。
【0037】第3速ないし第5速は、上述した第2速の
場合と同様に、それぞれの変速段に対応させて設けてあ
るクラッチ34,40,46を係合させることによって
設定する。すなわち各変速段のギヤ対は、常時互いに噛
合しているものの、一方のギヤはそれを保持している軸
に対して回転自在であり、かつクラッチによって選択的
にその軸に連結するよう構成してあるから、そのクラッ
チを係合させることにより、そのクラッチに対応したギ
ヤ対によってトルクが伝達されてそのギヤ対による変速
段が設定される。
【0038】なお、第2速以上の前進段同士の間での変
速は、それぞれの変速段がトルクの伝達に方向性のない
クラッチ28,34,40,46を係合させて設定する
から、一方の変速段のラクッチを解放し、かつ他方の変
速段のクラッチを係合させて設定することになる。いわ
ゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速となる。
【0039】またいずれかのクラッチを係合させれば、
その変速段を設定できるから、上記の自動変速機では設
定するべき変速段の順序に制約がなく、いわゆる飛び越
し変速が容易である。また第1速以外の各変速段でエン
ジンブレーキを効かせることができる。第1速は変速比
が大きいから、この第1速でエンジンブレーキが効くよ
うにすると、エンジンのオーバーランが生じる可能性が
高いので、第1速をエンジンブレーキ時の変速段として
使用することはほとんどなく、第1速でエンジンブレー
キが効かなくても走行に支障となることはない。
【0040】なおここで後進段について説明すると、後
進段は、前記ハブスリーブ25を図1の右側に移動させ
てクラッチハブ24と後進用ドリブンギヤ50とを連結
し、この状態で発進用クラッチ8を係合させる。したが
ってトルクは入力軸1から図示しないリバース軸を経て
後進用ドリブンギヤ50に伝達されるので、カウンタ軸
2は前進段の場合とは反対方向に回転し、その結果、後
進段が設定される。
【0041】なお、上記の実施例では、前進5段・後進
1段を設定することのできる例を示したが、この発明は
上記の実施例に限定されないのであって、設定可能な変
速段の数は任意である。また、この発明は、少なくとも
前進第1速で一方向クラッチを作用させるように構成し
てあればよいのであって、他の変速段について一方向ク
ラッチを設けることは任意である。
【0042】さらにこの発明における連結手段は、上記
の実施例で示した多板クラッチに限定されないのであ
り、従来知られているシンクロナイザ(同期連結装置)
であってもよい。そしてこの発明における発進クラッチ
は、要は、エンジンからの動力の伝達・遮断を行うこと
ができるものであればよく、上記の実施例で示したもの
に限定されない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の自動変速
機によれば、いわゆるパワーオン状態で係合する一方向
クラッチを、第1速用のギヤ対によるトルクの伝達経路
中に配置したので、発進時には発進クラッチを係合させ
れば第1速を設定できる。したがって発進時に係合させ
るべきクラッチが一つでよいために、発進制御が容易で
あり、また油圧で制御する場合であっても、油圧の供給
箇所が一つでよいことにより、発進応答性が良好にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す概略的な断面図であ
る。
【図2】そのスケルトン図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 カウンタ軸 8 発進クラッチ 21 第1速用ドライブギヤ 22 第1速用ドリブンギヤ 23 一方向クラッチ
フロントページの続き (72)発明者 前田 智之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源から発進クラッチを介してトルク
    の伝達される第1軸と該第1軸に平行に配置した第2軸
    とのそれぞれの軸上に、互いに噛合した複数の変速ギヤ
    対が配置され、それら互いに噛合した変速ギヤ対のうち
    一方のギヤが該ギヤを保持している軸に対して回転自在
    に取り付けられるとともに、該軸と前記一方のギヤとを
    選択的に連結する連結手段が設けられ、かつ前記一方の
    ギヤに噛合している他方のギヤが該ギヤを保持している
    軸に回転不能に取り付けられている自動変速機におい
    て、 前進第1速を設定するギヤ対のうち前記いずれかの軸に
    対して回転自在な一方のギヤとその軸との間に、ギヤか
    ら軸に向けてもしくは軸からギヤに向けてトルクを伝達
    する一方向クラッチが配置されていることを特徴とする
    自動変速機。
JP7055154A 1995-02-20 1995-02-20 自動変速機 Pending JPH08226501A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7055154A JPH08226501A (ja) 1995-02-20 1995-02-20 自動変速機

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JP7055154A JPH08226501A (ja) 1995-02-20 1995-02-20 自動変速機

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6102831A (en) * 1997-04-16 2000-08-15 Nissan Motor Co., Ltd. System for controlling engaging and disengaging operations of releasable coupling device placed in automotive power train
FR2819570A1 (fr) * 2001-01-16 2002-07-19 Renault Boite de vitesses a commande robotisee de vehicule automobile et procede de gestion d'une unite electronique de commande d'une telle boite
FR2896840A1 (fr) 2006-02-01 2007-08-03 Remi Raoul Dispositif de couplage de deux elements mecaniques
JP2008064229A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Aisin Ai Co Ltd 手動変速機のギヤ構造
WO2014173651A1 (de) * 2013-04-24 2014-10-30 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Lastschaltgetriebe, insbesondere für elektroantriebe

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