JPH11227347A - 転写インクシート、転写インクシート搬送機構、転写インクシート収納カセット及び収納カセットへの収納方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写インク保持部のしわの発生や破断の発生
を防止しながら低消費電力化を図ることの可能な転写イ
ンクシートを提供する。 【解決手段】 昇華型又は熱溶融型インクを保持した薄
膜シート状の転写インク保持部２に対して、中央部にプ
リンタで印刷する最大サイズに対応する大きさの開口部
３ａを有し、転写インク保持部の周辺部に沿うように形
成された、転写インク保持部とほぼ等しい熱膨脹率をも
つ枠部３ｂで構成された枠状搬送ガイド部３を、熱溶着
によって一体的に接合して、枠状搬送ガイド部３で補強
された薄膜シート状の転写インク保持部２からなる転写
インクシート１を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、熱転写プリンタ
に用いられる低消費電力化を図ることの可能な転写イン
クシート、該転写インクシートの搬送機構、該転写イン
クシートの収納カセット及び該収納カセットへの転写イ
ンクシートの収納方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、昇華型や熱溶融型の熱転写方式
のプリンタは、例えば特開平８−２５８３０５号公報や
特開平８−１５６３６１号公報に開示されているよう
に、加熱により昇華又は溶融するインクを塗布したイン
クリボンを、サーマルヘッドによって加熱し、インクを
昇華又は粘度変化によって印刷用紙に転写することによ
って、印刷を行うようになっている。そして、この方式
におけるインクリボンの供給方法としては、例えば上記
公報に開示されているように、巻き取り式のインクリボ
ンカセットを使用して供給するものが一般的である。イ
ンクリボンカセットには、２つのロールを備えており、
一方のロールには使用前（未印刷）のインクリボンが巻
き付けられており、他方のロールへ印刷に使用した後の
使用済みのインクリボンを巻き取る構造になっている。

【０００３】インクリボンカセットはプリンタ装置本体
に装着することによって、巻き取り側のローラは装置本
体に設けられている駆動手段と係合するように構成され
ている。そして、印刷を行う度にインクリボンを巻き取
り側のロールを回転させることによって、一端をこの巻
き取りロールに固定されているインクリボンに張力を掛
けて引っ張り、ローラに巻き取る構造になっている。イ
ンクリボン上には、シアン（Ｃ）面、マゼンタ（Ｍ）
面、イエロー（Ｙ）面の３色面を１組として、複数組の
ＣＭＹ面が順番に形成されている。またインクリボンの
各色の頭部には例えばそれぞれ長さの異なる遮光性の帯
を設け、ホトインタラプタが遮光される時間の長さによ
って、インクの色を判別するようになっている。そし
て、使用前のリボンが巻き付けられたロールから引き出
されたインクリボンによって、印刷用紙に対して各色毎
に面順次で印刷を行い、印刷終了後インクリボンは他方
のロールに巻き取られるようになっている。

【０００４】また、熱転写方式のプリンタにおいては、
インクリボンのインクの特性及び印刷用紙の特性によっ
て、印刷された画像の画質は大きく変化する。そのた
め、インクリボンと印刷用紙とはセットで販売されてお
り、その組み合わせで印刷したとき最良の画質が得られ
るようになっている。したがって、従来の巻き取り式の
インクリボンカセットを使用するプリンタにおいては、
セットで販売されているインクリボンと印刷用紙を購入
し、例えば特開平８−２４４９９７号公報に示されてい
るように、インクリボンと印刷用紙カセットとを、それ
ぞれ別個にプリンタに装着し、印刷を行うことによって
保証された画質の画像を出力する構成となっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、インクリボ
ンをサーマルヘッドによって加熱して印刷用紙に印刷を
行う熱転写方式のプリンタにおいては、サーマルヘッド
がいかに無駄なくインクリボンに熱を加えることができ
るかが、装置の低消費電力化の決め手となっている。こ
れには、インクリボンをどれだけ薄くして熱効率のよい
ものにするかが、重要な要素となっている。しかしなが
らインクリボンを薄くしすぎると、インクリボンの搬送
時にしわが生じて印刷画像の画質不良を起こしたり、強
度が低下して裂けてしまったりして、品質不良を起こす
恐れがある。したがって、現状の熱転写方式において
は、インクリボンの厚みは、上述の熱効率の面と、イン
クリボンにしわを発生させずに搬送しなければならない
ことと、インクリボンに加わる張力に耐えることの３つ
の要件を総合的に満たすように設定されている。

【０００６】したがって、インクリボンの厚みは、熱効
率の面のみからみると、満足すべき状態にはなく、サー
マルヘッドに加える熱エネルギーの極僅かしか有効に印
刷に利用できず、熱効率が極めて悪いというのが現状で
ある。このため、装置の消費電力も大きなものとなり、
バッテリで駆動されるような小型携帯用のプリンタには
応用できない状態になっている。消費電力の低減を図る
ためインクリボンの厚さを薄くしようとすると、先に述
べたように、インクリボンの搬送時にリボン自体に張力
が加わる構造になっているので、リボンにしわが発生し
やすくなり、またリボンが裂けるなどの問題も発生しや
すくなる。しわが発生した場合、インクリボンを再加熱
して、しわを除去する方法が知られているが、この手法
では装置が大型化し却って消費電力の増大を招く。ま
た、しわを除去する方法として太鼓状のローラを用いる
方法もあるが、依然インクリボンに張力をかける必要が
あり、リボンが裂けるなどの問題が発生し、このためイ
ンクリボンを薄くすることができない。

【０００７】また、巻き取り方式のインクリボンカセッ
トにおいては、巻き取りロールを用いているためカセッ
トが複雑な形状となり占有する空間も大きく、したがっ
て装置が大型化し、小型携帯用プリンタには不向きであ
り、持ち運びにもかさばるため不便であるという問題点
がある。また熱転写方式のプリンタにおいては、最良の
画質を得るためインクリボンと印刷用紙との特定な組み
合わせを必要とするが、従来の装置においては、インク
リボンと印刷用紙は別個にセットされるため、この特定
な組み合わせであるか否かの判別ができなくなるおそれ
があり、無駄なプリント出力が増大してしまうという問
題がある。また、使用済みのインクリボンを装置外に排
出し廃棄する場合は、汚染物質や有害物質を拡散させて
しまうおそれがあるという問題がある。

【０００８】本発明は、従来の熱転写方式のプリンタに
おける上記問題点を解消するためになされたもので、請
求項１〜６に係る発明は、転写インク保持部のしわの発
生や破断の発生を防止しながら低消費電力化を図ること
の可能な転写インクシートを提供することを目的とす
る。請求項７に係る発明は、転写インク保持部のインク
の種類を容易に識別でき、不良プリントの発生を防止で
きるようにした転写インクシートを提供することを目的
とする。請求項８に係る発明は、転写インクシートの搬
送系の設計の自由度を増大させることの可能な転写イン
クシートを提供することを目的とする。

【０００９】また、請求項９に係る発明は、転写インク
保持部に張力の加わるのを防止し、その厚みに関わらず
しわが発生することを防止できるようにした転写インク
シートの搬送機構を提供することを目的とする。

【００１０】また、請求項10に係る発明は、携帯性に富
む転写インクシートの収納部材を提供することを目的と
する。請求項11に係る発明は、常に転写インクシートと
印刷用紙の特定な組み合わせで供給できるようにした転
写インクシートカセットを提供することを目的とする。
請求項12に係る発明は、使用済みの転写インクシートを
収納でき、携帯性に富む転写インクシートカセットを提
供することを目的とする。請求項13に係る発明は、組み
合わせ違いによる出力画の色再現不良の発生を防止でき
るようにした転写インクシートの収納カセットへの収納
方法を提供することを目的とする。請求項14に係る発明
は、印刷用紙と転写インクシートとを容易に印刷単位と
して取り扱えるようにした転写インクシートカセットへ
の収納方法を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項１に係る発明は、加熱により溶融又は昇華す
るインクを保持した薄膜状の転写インク保持部と、該転
写インク保持部を補強するための枠状の搬送ガイド部と
で転写インクシートを構成するものであり、また請求項
２に係る発明は、請求項１に係る転写インクシートにお
いて、前記転写インク保持部を、単一の印刷用紙に対応
するようにカットシート状に構成することを特徴とする
ものであり、また請求項３に係る発明は、請求項１に係
る転写インクシートにおいて、前記搬送ガイド部を、複
数の印刷用紙に対応できるように複数の前記転写インク
保持部に対応する複数の開口部をもつ枠を有する細長い
リボン状に構成することを特徴とするものである。この
ように転写インク保持部を補強するための枠状の搬送ガ
イド部を設けて転写インクシートを構成しているので、
転写インクシートの機械的な強度は枠状搬送ガイド部で
もたせることができ、したがって、転写インク保持部の
厚さを薄くしても、搬送時にしわの発生や破断の発生の
おそれはなく、低消費電力化を図ることができ、小型携
帯用の熱転写方式のプリンタを実現することができる。

【００１２】請求項４に係る発明は、請求項１に係る転
写インクシートにおいて、前記転写インク保持部と枠状
搬送ガイド部とは一体成形で一体的に構成されているこ
とを特徴とするものである。このように構成することに
より、転写インク保持部と枠状搬送ガイド部との熱膨脹
率が同じで、加熱時や温度変化によるしわの発生がより
少ない転写インクシートを、少ない工程で容易に作製す
ることができる。

【００１３】請求項５に係る発明は、請求項１に係る転
写インクシートにおいて、前記転写インク保持部と枠状
搬送ガイド部とは、接着剤、超音波溶着、熱溶着などの
接合手段で一体的に結合されていることを特徴とするも
のである。このように転写インクシートを接合により一
体的に構成することにより、転写インク保持部と枠状搬
送ガイド部に最適な材質を選択する自由度を大にするこ
とができる。

【００１４】請求項６に係る発明は、請求項１，２，
３，５のいずれか１項に係る転写インクシートにおい
て、前記転写インク保持部と枠状搬送ガイド部とは、熱
膨脹率のほぼ等しい材質で構成されていることを特徴と
するものである。このように構成することにより、転写
インク保持部と枠状搬送ガイド部の熱膨脹率をほぼ同一
にすることができ、加熱時や温度変化によるしわの発生
等をより一層防止することができる。

【００１５】請求項７に係る発明は、請求項１〜６のい
ずれか１項に係る転写インクシートにおいて、前記枠状
搬送ガイド部に、前記転写インク保持部のインクの種類
を識別するためのインク識別部を設けていることを特徴
とするものである。このようにインク識別部を設けるこ
とにより、転写インクシート毎にインクの種類を識別す
ることができ、各色の転写インクシートがばらばらに混
在していても、容易にインクの種類を検出識別すること
ができ、不良プリントの発生を防止することができる。

【００１６】請求項８に係る発明は、請求項１，２，４
〜７のいずれか１項に係る転写インクシートにおいて、
前記枠状搬送ガイド部に、転写インクシート搬送のため
の搬送係合部を備えていることを特徴とするものであ
る。このように搬送係合部を設けることにより、転写イ
ンクシートの搬送系の設計における自由度を増大させる
ことができる。

【００１７】請求項９に係る発明は、請求項１〜７のい
ずれか１項に係る転写インクシートの搬送機構におい
て、前記枠状搬送ガイド部を把持して搬送する搬送ロー
ラを備えていることを特徴とするものである。このよう
に転写インクシートの枠状搬送ガイド部を把持して搬送
することにより、転写インクシートの転写インク保持部
には張力が加わるのが防止され、その結果、転写インク
保持部の厚みに関わらず転写インク保持部にしわが発生
することを防止できるので、該転写インク保持部を薄く
することができ、それによりプリンタヘッドと印刷用紙
との距離を短くして、転写時の熱効率を向上させること
が可能となる。

【００１８】請求項10に係る発明は、加熱により溶融又
は昇華するインクを保持し単一の印刷用紙に対応するよ
うにカットシート状に形成された転写インク保持部と、
該転写インク保持部を補強するための枠状の搬送ガイド
部とからなる転写インクシートを、複数枚重ねて収納で
きるように、転写インクシート収納カセットを構成する
ものである。このように収納カセットを構成することに
より、ロール巻き取り形状の従来のカセットよりも無駄
な空間が少なく単純な形状とすることができ、装置の小
型化を図ることができ、携帯性に富むカセットを実現す
ることができる。

【００１９】請求項11に係る発明は、加熱により溶融又
は昇華するインクを保持し単一の印刷用紙に対応するよ
うにカットシート状に形成された転写インク保持部と、
該転写インク保持部を補強するための枠状の搬送ガイド
部とからなる転写インクシートを、複数枚重ねて収納で
きるように構成した転写インクシート収納部に、印刷用
紙を複数枚重ねて収納できるように構成した印刷用紙収
納部を一体的に併設して転写インクシート収納カセット
を構成するものである。このように構成することによ
り、単一のカセットにより転写インクシートと印刷用紙
を常にセットとして供給可能となる。

【００２０】請求項12に係る発明は、加熱により溶融又
は昇華するインクを保持し単一の印刷用紙に対応するよ
うにカットシート状に形成された転写インク保持部と、
該転写インク保持部を補強するための枠状の搬送ガイド
部とからなる転写インクシートを、複数枚重ねて収納で
きるように構成した転写インクシート収納部に、印刷に
使用された使用済みの転写インクシートを収納する使用
済み転写インクシート収納部を一体的に併設して転写イ
ンクシート収納カセットを構成するものである。このよ
うに使用済み転写インクシートの収納部を併設しておく
ことにより、使用の都度転写インクシートの排出廃棄処
理を行う必要がなくなり、特に携帯型のプリンタに好適
であり、リサイクル処理する際にも便利となる。

【００２１】請求項13に係る発明は、請求項10〜12のい
ずれか１項に係る転写インクシート収納カセットを用い
た転写インクシートの収納方法において、３原色用イン
クをそれぞれ保持した３枚の３色の転写インクシートを
１組とし複数組重ねて収納することを特徴とするもので
ある。このように３色の転写インクシートを１組として
収納することにより、常に３色の転写インクシートをロ
ット単位で管理することができ、色違いによる出力画の
色再現不良の発生を防止することができる。

【００２２】請求項14に係る発明は、請求項10又は12に
係る転写インクシート収納カセットを用いた転写インク
シートの収納方法において、３原色用インクをそれぞれ
保持した３枚の３色の転写インクシートに１枚の印刷用
紙を組み合わせて１組とし複数組重ねて収納することを
特徴とするものである。このように３色の転写インクシ
ートに印刷用紙を組み合わせて１組として収納すること
により、常に３色の転写インクシートと印刷用紙とを最
適な組み合わせで管理し、また転写インクシートに関し
てはロット単位で管理することができ、組み合わせ不適
あるいは色違いによる画像の色再現不良並びに画質の不
良等の発生を防止することができる。

【００２３】

【発明の実施の形態】次に、実施の形態について説明す
る。まず最初に本発明に係る転写インクシートの実施の
形態について説明する。図１は、転写インクシートの第
１の実施の形態における薄膜のカットシート状の転写イ
ンク保持部と枠状の搬送ガイド部の結合前の状態を示す
斜視図である。図において、２は裏面に昇華型又は熱溶
融型インクを保持している薄膜のカットシート状の転写
インク保持部で、プリンタが印刷する最大サイズより大
きい矩形形状を備えており、印刷時の熱効率をできるだ
け高められるような材質と厚みが選定されている。本実
施の形態においては、材質としてＰＥＴフィルムを用い
厚さは２μｍに設定されている。３は枠状の搬送ガイド
部で、中央部にプリンタで印刷する最大サイズに対応す
る大きさの開口部３ａを有する、前記転写インク保持部
２の周辺部に沿うように形成された枠部３ｂで構成され
ている。この搬送ガイド部３は前記転写インク保持部２
とは異なる材質ではあるが、該転写インク保持部２とほ
ぼ等しい熱膨脹率をもち、搬送手段により把持して搬送
されるときに十分な強度をもつ材質及び形状で構成され
ている。本実施の形態においては、トリアセテートフィ
ルムを用い厚さ 4.5μｍのもので形成されている。そし
て、前記シート状の転写インク保持部２と枠状搬送ガイ
ド部３は熱溶着によって一体的に接合されて、転写イン
クシート１を構成している。この実施の形態では、転写
インク保持部２と搬送ガイド部３とを異なる材質で形成
しているので、両者の設計の自由度を大にすることがで
きる。

【００２４】次に、転写インクシートの第２の実施の形
態について説明する。図２の（Ａ）は第２の実施の形態
の斜視図で、図２の（Ｂ）は図２の（Ａ）のＸ−Ｘ′線
に沿った断面図である。この実施の形態に係る転写イン
クシート５は、熱転写インクを保持しているシート状の
転写インク保持部５ａと、開口部を有する枠状の搬送ガ
イド部５ｂとを同一材料で一体成形により形成している
もので、材質としてはＰＥＴフィルムが用いられ、転写
インク保持部５ａの膜厚は第１の実施の形態と同様であ
り、搬送ガイド部５ｂの厚さは把持して搬送される際に
十分な強度をもつように、転写インク保持部５ａより厚
く形成されている。この実施の形態においては、転写イ
ンク保持部５ａと搬送ガイド部５ｂとは同一材料で構成
されているため、熱膨脹率は転写インクシート全体に亘
って均一となっているので、加熱時あるいは周囲温度の
変化によるしわの発生等はより十分に阻止することがで
きる。

【００２５】次に、転写インクシートの第３の実施の形
態について説明する。図３の（Ａ）は第３の実施の形態
の斜視図で、図３の（Ｂ）は図３の（Ａ）のＹ−Ｙ′線
に沿った断面図である。この実施の形態は、第１の実施
の形態と同様に、転写インク保持部と搬送ガイド部とを
別体で形成し熱溶着等に一体的に結合して転写インクシ
ートを形成するものであるが、本実施の形態では転写イ
ンク保持部７と開口部を有する搬送ガイド部８とを同じ
材料を用いて形成し、熱溶着等により両者を接合して転
写インクシート６を構成するものである。搬送ガイド部
８は搬送手段に把持されて搬送される際に十分な強度を
もつ厚さとなるように、この図示例では、２層の積層構
成としている。本実施の形態においては、転写インク保
持部と搬送ガイド部とは別体ではあるが同一材料で形成
されているため、熱膨脹率は転写インクシート全体に亘
って均一となっている。

【００２６】上記第１〜第３の実施の形態による転写イ
ンクシートにおいては、枠状の搬送ガイド部は搬送手段
で把持されて搬送される際に十分な強度を有し、一方転
写インク保持部は印刷時の熱効率ができるだけ高くなる
ように材質と厚みが設定されているので、転写インク保
持部の厚さに関わらず、しわの発生や破断の発生を防止
しながら安定して搬送することが可能で且つ熱効率の優
れた転写インクシートを実現することができる。また、
転写インク保持部と搬送ガイド部の熱膨脹率が少なくと
も略等しくなっているので、例えば熱溶着によって接合
して転写インクシートを構成するとき、あるいは環境温
度や印刷時のサーマルヘッドによる加熱の際の熱によっ
て膨脹しても、転写インク保持部にしわが生じにくく、
しわの発生による不良プリントの発生を防止することが
できる。なお、上記第１及び第３の実施の形態におい
て、転写インク保持部と搬送ガイド部の接合に熱溶着を
用いたものを示したが、両者の接合には熱溶着の他に、
超音波溶着や接着剤を用いて接合することもできる。

【００２７】次に、第４の実施の形態を図４の（Ａ）〜
（Ｃ）に基づいて説明する。この実施の形態は、図４の
（Ａ）に示すように、第１〜第３の実施の形態と同様の
構成の転写インクシート11の枠状搬送ガイド部13の搬送
方向の前後端部13ａ，13ｂ上に、シート状転写インク保
持部12に保持されているインクの種類を表示するインク
識別部14を設けて構成するものである。インク識別部14
としては、例えば図４の（Ｂ），（Ｃ）に示すように、
インクの種類に応じてバーの本数や幅ｄを変えたバーコ
ード状のものを用いることができる。このようなインク
識別部14を設けた転写インクシート11のインクの種類
は、プリンタ装置本体側あるいは転写インクシートを収
納するカセットに設けられた反射式センサにより、イン
ク識別部14の反射率の違いから識別される。

【００２８】このように、インク識別部14を転写インク
シート11の搬送ガイド部13の搬送方向の前後端部13ａ，
13ｂの両方に設けておくことにより、転写インクシート
11の前後を特定することにならないから、多数の転写イ
ンクシート11を積み重ねて整理するときなどにおいて
は、方向を考慮する必要がないので便利である。また、
インク識別部14を搬送ガイド部13上に印刷などにより形
成しておくことにより、転写インクシート11の表裏が容
易に識別することができ、表裏を誤ってプリンタ装置に
セットするおそれがなくなる。なお、識別部は上記のよ
うにバーコード状のものの代わりに、搬送ガイド部部分
に貫通する穴や切り欠きを設け、これらの穴や切り欠き
をホトインタラプタを用いて検出するように構成しても
よい。

【００２９】次に、第５の実施の形態を図５に基づいて
説明する。第１〜第４の実施の形態による転写インクシ
ートは、印刷用紙と同様に複数枚積層されてカセットに
収納され、通常のプリンタに設けられている印刷用紙カ
セットに用いられている給紙ローラ（例えばリタードロ
ーラ）と同様な機構によって、カセット内に積層収納さ
れている転写インクシートを１枚ずつ分離し、装置本体
の搬送路内へ供給するように構成される。そこで、本実
施の形態による転写インクシート11は、給紙ローラ機構
として用いられるリタードローラ15が、転写インクシー
ト11の両側に配設されている搬送ガイド部13上に係合で
きるように、搬送ガイド部13の両側部の幅Ｌをリタード
ローラ15の幅Ｓよりも広く形成して構成するものであ
る。なお、図５において、13′はリタードローラ15によ
る搬送ガイド部13の接触面を示している。

【００３０】このように、転写インクシート11の両側の
搬送ガイド部13の幅Ｌをリタードローラ15の幅Ｓよりも
広く形成することにより、転写インクシート11の前後の
向きを考慮せずに、カセット等に収納配置することがで
きる。

【００３１】図６は、第５の実施の形態の変形例を示す
図である。転写インクシートを複数枚積層してカセット
に収納したときに、例えばポラロイドカメラに見られる
ようなフィルムピックアップ機構と同様な原理を用い
て、カセット内に積層収納された転写インクシートを一
枚ずつ分離し、搬送路内へ供給するように構成すること
ができる。そこで、この変形例においては、図６に示す
ように、転写インクシート11を一枚ずつ分離し搬送路内
へ供給するためのピックアップ17の先端が係合する穴16
を搬送ガイド部13の四隅に形成して転写インクシートを
構成するものである。なお、係合穴16の代わりに切り欠
きを搬送ガイド部13に形成しても、同様な作用が得られ
る。

【００３２】次に、第６の実施の形態を図７の（Ａ）及
びその断面を示す図７の（Ｂ）に基づいて説明する。上
記第１〜第５の実施の形態においては、いずれもカット
シート状の転写インクシートを示したが、本実施の形態
は、従来と同様のリボン状の転写インクシートに本発明
を適用したものである。すなわち、シート状の転写イン
ク保持部21に、プリンタで印刷する最大サイズに対応す
る大きさの開口部22ａを連続的に形成した枠状の搬送ガ
イド部22を熱溶着等で一体的に接合してリボン状転写イ
ンクシート23を構成するものである。そして、各開口部
22ａに対応するリボン状の転写インク保持部21には、例
えばＣ，Ｍ，Ｙの順に各色の転写インクが順次繰り返し
て保持されており、使用前の転写インクシート23は一方
のロール24に巻き付けて保持され、使用済みの転写イン
クシート23は他方のロールへ巻き取る構造となってい
る。

【００３３】このように構成した場合も、転写インク保
持部21は薄く形成することができ、低消費電力タイプの
転写インクシートが得られ、またロールに巻き付け巻き
取る方式を用いることができるため、従来のプリンタ装
置を大幅な設計変更なしに低消費電力化することが可能
となる。

【００３４】次に、第７の実施の形態を図８に基づいて
説明する。上記第１〜第６の実施の形態においては、搬
送ガイド部に設けた開口部には、単一色の転写インク保
持部が対応するようにしたものを示したが、この実施の
形態は、転写インク保持部26を、複数の色、例えばＣ，
Ｍ，Ｙの３色のインクを細線状のストライプ26ａ，26
ｂ，26ｃとして順次繰り返して配置し保持させて構成し
ているものである。

【００３５】このように構成した転写インクシート25を
用いて印刷を行う場合は、用紙の印刷面全面に亘って、
面毎にＣ，Ｍ，Ｙの各色を順次印刷する（面順次方式）
のではなく、ストライプ幅によって決まる線状の細い領
域毎に、Ｃ，Ｍ，Ｙの各色を順次印刷する方式（線順次
方式）で印刷を行うものであり、この場合は、搬送ガイ
ド部27の開口部27ａの領域の長さは、単色の場合に比べ
約３倍になるが、各色別の転写インクシートを用意する
必要はなくなる。

【００３６】次に、転写インクシートの搬送機構の実施
の形態について説明する。図９は、転写インクシートの
搬送機構の実施の形態の全体構成を示す概略図であり、
図10はサーマルヘッド及びプラテンローラを配置した印
刷部を拡大して示す斜視図である。転写インクシート収
納カセット31から供給される転写インクシート32は、該
転写インクシート32の搬送ガイド部33の両側面にのみ接
触可能に配置されている、駆動ローラ35ａと該駆動ロー
ラ35ａへ弾性的に付勢されている従動ローラ35ｂとから
なり搬送方向に沿って多数配置された搬送ローラ35に、
挟み込まれて把持され、駆動ローラ35ａの図示されてい
ない駆動源による回転駆動により、印刷部36へ向けて搬
送され、印刷部通過後は矢印で示すように、使用済み転
写インクシート排出トレイ37へ排出されるように構成さ
れている。

【００３７】また、同様に、印刷用紙38は紙カセット39
から一枚ずつ供給され、同様な構成の搬送ローラ35で印
刷部36へ向けて搬送され、印刷部36において所定の印刷
がなされた後は、排紙トレイ40へ向けて搬送されるよう
になっている。

【００３８】搬送路中に配置されている印刷部36におい
ては、搬送されて来る転写インクシート32の転写インク
保持部34に対向する位置に、転写インクシート32を選択
的に加熱して転写インクを用紙38に転写するためのサー
マルヘッド41が配置されている。また、印刷部36には、
前記ヘッド41に対向した位置にプラテンローラ42が配置
されており、印刷部36において重なるように搬送されて
来る転写インクシート32と用紙38とを、ヘッド41とプラ
テンローラ42との間で重なり合わせて挾持して搬送する
ように構成されている。そして印刷部36を重なり合って
通過する時、所定のインクの用紙への転写により所定の
印刷が行われ、印刷後転写インクシート32は排出トレイ
37へ搬送排出され、用紙38は排紙トレイ40へ搬送排出さ
れる。

【００３９】このように構成された搬送機構において
は、転写インクシート32の搬送ガイド部33を搬送ローラ
35で把持して搬送するようにしているので、転写インク
シート32の転写インク保持部34を薄くすることができ、
したがってサーマルヘッド41から用紙38までの距離を転
写インク保持部34の厚さに応じて小さく設計することが
でき、サーマルヘッド41の低消費電力化を図ることが可
能となる。なお、搬送機構における各搬送ローラの駆動
系については、従来と同様のものを適宜使用できる。

【００４０】次に、本発明に係る転写インクシートの収
納カセットの実施の形態について説明する。図11は、収
納カセットの第１の実施の形態を示す概略断面図であ
る。この実施の形態に係る収納カセット51は直方体状の
箱体で構成されており、前端面の上部には収納された転
写インクシート53を取り出すための供給口52が形成され
ており、カットシート状の単色の転写インクシート53を
複数積み重ねて収納できるようになっている。そして、
積み重ねて収納された転写インクシート53は、枠状搬送
ガイドを介して装置側に設けられているリタードローラ
54によって外部に引き出されるようになっており、外部
に引き出された転写インクシート53は先に述べたように
用紙と共に印刷部へ搬送され、用紙と重ね合わされてサ
ーマルヘッドにより加熱転写されるようになっている。

【００４１】次に、転写インクシートの収納カセットの
第２の実施の形態について説明する。この実施の形態に
係る収納カセット61は、図12の（Ａ）に示すように、直
方体形の箱体の中間に仕切り62を設けて、上下の２つの
収納室63ａ，63ｂを形成し、上部収納室63ａには、図12
の（Ｂ）の拡大図に示すように、３原色例えばＣ，Ｍ，
Ｙの各色の転写インクシート64ａ，64ｂ，64ｃを１組と
して複数組積み重ねて収納し、下部収納室63ｂには、印
刷用紙65を積み重ねて収納している。そして、上部収納
室63ａの前端面上部には転写インクシート供給口66が、
下部収納室63ｂの前端面下部には印刷用紙供給口67が設
けられており、それぞれ装置本体に設けられているリタ
ードローラ68ａ，68ｂにより、転写インクシート及び印
刷用紙が外部へ取り出され、図13に示すように、印刷部
36において転写インクシート64ａ，64ｂ，64ｃが一枚ず
つ印刷用紙65と重ね合わされるようにそれぞれ搬送ロー
ラ35で搬送され、印刷部36におけるヘッド41とプラテン
ローラ42により、転写インクシートから印刷用紙へのイ
ンクの転写が行われ、印刷されるようなっている。

【００４２】次に、収納カセットの第３の実施の形態に
ついて説明する。この実施の形態に係る転写インクシー
ト収納カセット71は、図14に示すように、直方体状の箱
体の中間に仕切り72を設けて、上下の２つの収納室73
ａ，73ｂを形成し、上部収納室73ａには、３原色例えば
Ｃ，Ｍ，Ｙの各色の転写インクシート74を１組として複
数組積み重ねて収納し、下部収納室73ｂには印刷に使用
した後の使用済みの転写インクシートを収納するように
構成されている。そして、上部収納室73ａの前端面上部
には転写インクシート供給口75が、下部収納室73ｂの前
端面上部には使用済み転写インクシートの挿入口76が形
成されている。

【００４３】このように構成されている収納カセット71
は、次のようにして用いられる。すなわち、上部収納室
73ａよりリタードローラ77を介して転写インクシート74
が外部へ取り出され、搬送ローラ35で印刷部36のサーマ
ルヘッド41へ向けて搬送される。一方、転写インクシー
ト収納カセット71の上部に配置されている用紙カセット
78より、印刷用紙がリタードローラ79，搬送ローラ35を
介して、印刷部36で転写インクシート74と重なり合うよ
うに搬送され、印刷部36におけるサーマルヘッド41とプ
ラテンローラ42により、転写インクシートより用紙への
転写が行われる。用紙への所定の印刷が終了した後は、
印刷部36の下流側に配置された搬送方向切り替え手段80
により、印刷用紙と使用済み転写インクシートの搬送方
向が切り替えられる。これにより印刷された用紙は排紙
トレイ40に排出され、使用済み転写インクシートは再度
転写インクシート収納カセット71へ向けて搬送され、挿
入口76より下部収納室73ｂへ収納される。

【００４４】次に、図11に示した転写インクシート収納
カセット51を用いた転写インクシートの他の収納方法に
ついて説明する。この収納方法は、図15の（Ａ）及び
（Ｂ）に示すように、収納カセット51に、３原色例えば
Ｃ，Ｍ，Ｙの各色の転写インクシート81ａ，81ｂ，81ｃ
と１枚の印刷用紙82とを１組として、複数組積み重ねて
収納するものである。このように１つの収納カセット51
に用紙と転写インクシートとを組み合わせ収納した場合
は、図16に示すように搬送がなされて印刷が行われる。
すなわち、収納カセット51内の用紙82及び転写インクシ
ート81ａ，81ｂ，81ｃは、装置本体に設けられたリター
ドローラ54によって、用紙と転写インクシートとが順次
外部へ引き出され、装置本体に設けられた搬送路切り替
え器83によって、転写インクシート81ａ，81ｂ，81ｃは
転写インクシート搬送路84へ、用紙は用紙搬送路85へ振
り分けられて、それぞれ搬送ローラ35により印刷部36に
おいて重ね合わされるように搬送され、印刷部36おいて
サーマルヘッド41とプラテンローラ42により、転写イン
クシートから用紙への転写が行われる。

【００４５】

【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、請求項１〜３に係る発明によれば、転写インク保持
部を補強するための枠状の搬送ガイド部を設けて転写イ
ンクシートを構成しているので、転写インクシートの強
度は枠状搬送ガイド部にもたせることができ、転写イン
ク保持部を薄くしても搬送時にしわの発生や破断の発生
のおそれはなく、低消費電力化を図ることの可能な転写
インクシートを実現することができる。請求項４に係る
発明によれば、転写インク保持部と枠状搬送ガイド部と
を一体成形により形成しているので、加熱時や温度変化
によるしわの発生がより少なく簡単な工程で作製可能な
転写インクシートを提供することかできる。請求項５に
係る発明によれば、転写インク保持部と枠状搬送ガイド
部とに最適な材質を選択する自由度の大なる転写インク
シートを提供することかできる。請求項６に係る発明に
よれば、加熱時や温度変化によるしわの発生をより一層
防止することができる転写インクシートが得られる。請
求項７に係る発明によれば、容易にインクの種類を識別
することができ不良プリントの発生を防止することがで
きる転写インクシートを提供することができる。請求項
８に係る発明によれば、転写インクシートの搬送系の設
計の自由度を増大させることの可能な転写インクシート
を実現することができる。

【００４６】請求項９に係る発明によれば、転写インク
保持部に張力の加わるのを防止し、その厚みに関わらず
しわが発生することを防止できるようにした転写インク
シートの搬送機構を提供することができる。請求項10に
係る発明によれば、携帯性に富む小型の転写インクシー
ト収納カセットが得られる。請求項11に係る発明によれ
ば、転写インクシートと印刷用紙を常に特定な組み合わ
せのセットとして供給可能な転写インクシート収納カセ
ットを提供することができる。請求項12に係る発明によ
れば、使用済みの転写インクシートを収納でき携帯性に
富む転写インクシート収納カセットが得られる。請求項
13に係る発明によれば、常に３色の転写インクシートを
ロット単位で管理することができ、色違いによる出力画
の色再現不良の発生を防止することができる。請求項14
に係る発明によれば、印刷用紙と転写インクシートとを
容易に印刷単位として取り扱うことができ、組み合わせ
不適あるいは色違いによる画像の色再現不良及び画質の
不良の発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る転写インクシートの第１の実施の
形態の接合前の態様を示す斜視図である。

【図２】転写インクシートの第２の実施の形態を示す斜
視図及び断面図である。

【図３】転写インクシートの第３の実施の形態を示す斜
視図及び断面図である。

【図４】転写インクシートの第４の実施の形態を示す斜
視図及びインク識別部の構成例を示す図である。

【図５】転写インクシートの第５の実施の形態を示す斜
視図である。

【図６】図５に示した転写インクシートの第５の実施の
形態お変形例を示す斜視図である。

【図７】転写インクシートの第６の実施の形態を示す斜
視図及び断面図である。

【図８】転写インクシートの第７の実施の形態を示す平
面図である。

【図９】本発明に係る転写インクシートの搬送機構の実
施の形態を示す概略全体図である。

【図10】図９に示した搬送機構における印刷部の拡大斜
視図である。

【図11】本発明に係る転写インクシート収納カセットの
第１の実施の形態を示す断面図である。

【図12】転写インクシート収納カセットの第２の実施の
形態を示す断面図である。

【図13】図12に示した転写インクシート収納カセットを
用いた場合の搬送系を示す概略図である。

【図14】転写インクシート収納カセットの第３の実施の
形態及びその収納カセットに対する搬送系を示す図であ
る。

【図15】図11に示した転写インクシート収納カセットを
用いた転写インクシートの他の収納方法を示す説明図で
ある。

【図16】図15に示した転写インクシートの収納方法を用
いた場合の搬送系を示す概略全体図である。

【符号の説明】

１ 転写インクシート ２ 転写インク保持部 ３ 枠状搬送ガイド部 ３ａ 開口部 ３ｂ 枠部 ５ 転写インクシート ５ａ 転写インク保持部 ５ｂ 枠状搬送ガイド部 ６ 転写インクシート ７ 転写インク保持部 ８ 搬送ガイド部 11 転写インクシート 12 転写インク保持部 13 搬送ガイド部 13ａ 前端部 13ｂ 後端部 13′ 接触面 14 インク識別部 15 リタードローラ 16 係合孔 17 ピックアップ 21 転写インク保持部 22 リボン状枠形搬送ガイド部 22ａ 開口部 23 リボン状転写インクシート 24 ロール 25 転写インクシート 26 転写インク保持部 26ａ，26ｂ，26ｃ Ｃ，Ｍ，Ｙインクストライプ 27 搬送ガイド部 27ａ 開口部 31 転写インクシート収納カセット 32 転写インクシート 33 搬送ガイド部 34 転写インク保持部 35 搬送ローラ 36 印刷部 37 排出トレイ 38 用紙 39 紙カセット 40 排紙トレイ 41 サーマルヘッド 42 プラテンローラ 51 転写インクシート収納カセット 52 供給口 53 転写インクシート 54 リタードローラ 61 転写インクシート収納カセット 62 仕切り 63ａ 上部収納室 63ｂ 下部収納室 64ａ，64ｂ，64ｃ 転写インクシート 65 印刷用紙 66，67 供給口 68ａ，68ｂ リタードローラ 71 転写インクシート収納カセット 72 仕切り 73ａ 上部収納室（転写インクシート収納室） 73ｂ 下部収納室（使用済み転写インクシート収納室） 74 転写インクシート 75 供給口 76 挿入口 77 リタードローラ 78 用紙カセット 79 リタードローラ 80 搬送方向切り替え手段 81ａ，81ｂ，81ｃ Ｃ，Ｍ，Ｙ転写インクシート 82 印刷用紙 83 搬送路切り替え器 84 転写インクシート搬送路 85 用紙搬送路

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱により溶融又は昇華するインクを保
   持した薄膜状の転写インク保持部と、該転写インク保持
   部を補強するための枠状の搬送ガイド部とからなること
   を特徴とする転写インクシート。
2. 【請求項２】 前記転写インク保持部は、単一の印刷用
   紙に対応するようにカットシート状に構成されているこ
   とを特徴とする請求項１に係る転写インクシート。
3. 【請求項３】 前記搬送ガイド部は、複数の印刷用紙に
   対応できるように複数の前記転写インク保持部に対応す
   る複数の開口部をもつ枠を有する細長いリボン状に構成
   されていることを特徴とする請求項１に係る転写インク
   シート。
4. 【請求項４】 前記転写インク保持部と枠状搬送ガイド
   部とは、一体成形で一体的に構成されていることを特徴
   とする請求項１〜３のいずれか１項に係る転写インクシ
   ート。
5. 【請求項５】 前記転写インク保持部と枠状搬送ガイド
   部とは、接着剤、超音波溶着、熱溶着などの接合手段で
   一体的に結合されていることを特徴とする請求項１〜３
   のいずれか１項に係る転写インクシート。
6. 【請求項６】 前記転写インク保持部と枠状搬送ガイド
   部とは、熱膨脹率のほぼ等しい材質で構成されているこ
   とを特徴とする請求項１，２，３，５のいずれか１項に
   係る転写インクシート。
7. 【請求項７】 前記枠状搬送ガイド部には、前記転写イ
   ンク保持部のインクの種類を識別するためのインク識別
   部が設けられていることを特徴とする請求項１〜６のい
   ずれか１項に係る転写インクシート。
8. 【請求項８】 前記枠状搬送ガイド部には、転写インク
   シート搬送のための搬送係合部を備えていることを特徴
   とする請求項１，２，４〜７のいずれか１項に係る転写
   インクシート。
9. 【請求項９】 請求項１〜７のいずれか１項に係る転写
   インクシートの搬送機構において、前記枠状搬送ガイド
   部を把持して搬送する搬送ローラを備えていることを特
   徴とする転写インクシートの搬送機構。
10. 【請求項10】 加熱により溶融又は昇華するインクを保
    持し単一の印刷用紙に対応するようにカットシート状に
    形成された転写インク保持部と、該転写インク保持部を
    補強するための枠状の搬送ガイド部とからなる転写イン
    クシートを、複数枚重ねて収納できるように構成したこ
    とを特徴とする転写インクシート収納カセット。
11. 【請求項11】 加熱により溶融又は昇華するインクを保
    持し単一の印刷用紙に対応するようにカットシート状に
    形成された転写インク保持部と、該転写インク保持部を
    補強するための枠状の搬送ガイド部とからなる転写イン
    クシートを、複数枚重ねて収納できるように構成した転
    写インクシート収納部に、印刷用紙を複数枚重ねて収納
    できるように構成した印刷用紙収納部を一体的に併設し
    ていることを特徴とする転写インクシート収納カセッ
    ト。
12. 【請求項12】 加熱により溶融又は昇華するインクを保
    持し単一の印刷用紙に対応するようにカットシート状に
    形成された転写インク保持部と、該転写インク保持部を
    補強するための枠状の搬送ガイド部とからなる転写イン
    クシートを、複数枚重ねて収納できるように構成した転
    写インクシート収納部に、印刷に使用された使用済みの
    転写インクシートを収納する使用済み転写インクシート
    収納部を一体的に併設していることを特徴とする転写イ
    ンクシート収納カセット。
13. 【請求項13】 請求項10〜12のいずれか１項に係る転写
    インクシート収納カセットを用い、３原色用インクをそ
    れぞれ保持した３枚の３色の転写インクシートを１組と
    し複数組重ねて収納することを特徴とする転写インクシ
    ート収納カセットへの転写インクシートの収納方法。
14. 【請求項14】 請求項10又は12に係る転写インクシート
    収納カセットを用い、３原色用インクをそれぞれ保持し
    た３枚の３色の転写インクシートに１枚の印刷用紙を組
    み合わせて１組とし複数組重ねて収納することを特徴と
    する転写インクシート収納カセットへの転写インクシー
    トの収納方法。