JPH11226485A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

複層塗膜形成方法

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JPH11226485A
JPH11226485A JP3879398A JP3879398A JPH11226485A JP H11226485 A JPH11226485 A JP H11226485A JP 3879398 A JP3879398 A JP 3879398A JP 3879398 A JP3879398 A JP 3879398A JP H11226485 A JPH11226485 A JP H11226485A
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JP
Japan
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coating
resin
hydroxyl group
acid
coating film
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Application number
JP3879398A
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English (en)
Inventor
Hidetoyo Takeuchi
秀豊 竹内
Kaname Amano
要 天野
Koichi Seike
孝一 清家
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水酸基含有樹脂および着色顔料を含有するベ
−スコ−トを塗装し、ついで水酸基含有アクリル樹脂お
よびポリイソシアネ−ト化合物を含有するクリヤコ−ト
を塗装し、クリヤコ−トのポリイソシアネ−ト化合物に
より両塗膜を同時に架橋硬化せしめる複層塗膜形成方法
における種々の欠陥を解消する。 【構成】 水酸基含有樹脂および着色顔料を含有するベ
−スコ−ト(A)を塗装し、ついで未硬化の該塗面に、
あらかじめ分離してなるポリイソシアネ−ト化合物およ
び水酸基含有樹脂を使用するクリヤコ−ト(B)を2液
混合型塗装装置により塗装直前に混合し塗装して、クリ
ヤコ−ト(B)塗膜中のポリイソシアネ−ト化合物の浸
透によってベ−スコ−ト(A)の塗膜を架橋硬化せしめ
ることを特徴とする複層塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複層塗膜の形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】水酸基含有樹脂および着色顔
料を主成分とするベ−スコ−トを塗装し、ついで該塗面
に、水酸基含有アクリル樹脂およびポリイソシアネ−ト
化合物を主成分とするクリヤコ−トを塗装し、該クリヤ
コ−トの塗膜中のポリイソシアネ−ト化合物によりベ−
スコ−トおよびクリヤコ−トの両塗膜を同時に架橋硬化
せしめる複層塗膜形成方法はすでに知られている。この
方法によれば、ベ−スコ−トは架橋剤を含有していない
ので貯蔵安定性がすぐれおり、しかも両塗膜をポリイソ
シアネ−ト化合物により120℃以下の低温度で硬化で
きるなどの利点がある。
【0003】しかしながら、クリヤコ−トに含まれる水
酸基含有アクリル樹脂とポリイソシアネ−ト化合物とは
常温で容易に反応するために、その貯蔵安定性が十分で
なく、しかも塗装ラインにおいて該両成分を混合してな
るクリヤコ−トが塗装されるまでの間にポリイソシアネ
−ト化合物の一部が消費され、下層のベ−スコ−トの浸
透が不十分となり硬化性が劣るという欠陥を有してい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ベ−ス
コ−トおよびクリヤコ−トを塗装して複層塗膜を形成す
る方法における上記の欠陥を解消することであり、その
特徴は、クリヤコ−トにおける水酸基含有樹脂とポリイ
ソシアネ−ト化合物とをあらかじめ分離しておき、使用
直前にこの両成分を2液混合型塗装装置により混合し、
塗装するところにある。このクリヤコ−トにおける水酸
基含有樹脂とポリイソシアネ−ト化合物とをあらかじめ
分離してあるので架橋反応することがなく貯蔵安定性が
すぐれ、しかも塗装直前に混合するのでポリイソシアネ
−ト化合物が無駄に消費されることがなく、両塗膜の架
橋硬化反応に有効に使用することができ、本発明の目的
が達成できた。
【0005】すなわち、本発明は、水酸基含有樹脂およ
び着色顔料を含有するベ−スコ−ト(A)を塗装し、つ
いで未硬化の該塗面に、あらかじめ分離してなるポリイ
ソシアネ−ト化合物および水酸基含有樹脂を使用するク
リヤコ−ト(B)を2液混合型塗装装置により塗装直前
に混合し塗装して、クリヤコ−ト(B)塗膜中のポリイ
ソシアネ−ト化合物の浸透によってベ−スコ−ト(A)
の塗膜を架橋硬化せしめることを特徴とする複層塗膜形
成方法に関する。
【0006】以下に、本発明の複層塗膜形成方法につい
て詳細に説明する。
【0007】ベ−スコ−ト(A):クリヤコ−ト(B)
に先立って塗装する塗料であって、水酸基含有樹脂およ
び着色顔料を主成分とする液状塗料であり、具体的に
は、下記の3種類の塗料が例示でき、これらはいずれも
ポリイソシアネ−ト化合物などの架橋剤を実質的に含有
していない。
【0008】a) 水酸基およびカルボキシル基を有す
る樹脂および着色顔料を主成分とする液状塗料。
【0009】b) 水酸基を有する樹脂、着色顔料およ
びウレタン化触媒を主成分とする液状塗料。
【0010】c) 水酸基およびカルボキシル基を有す
る樹脂、着色顔料およびウレタン化触媒を主成分とする
液状塗料。
【0011】ベ−スコ−ト(A)(a)は、水酸基およ
びカルボキシル基を有する樹脂および着色顔料を主成分
とする液状塗料である。
【0012】水酸基およびカルボキシル基を有する樹脂
として、これらの官能基を有するアクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂などが好適に使用できる。水酸基は上層のク
リヤコ−ト(B)の塗膜から浸透してくる低分子量ポリ
イソシアネ−ト化合物とウレタン化反応し、ベ−スコ−
ト(A)塗膜をせしめるためのものであり、またカルボ
キシル基はこのウレタン化反応を促進させるための触媒
としての機能を有している。
【0013】アクリル樹脂は、アクリル系単量体、水酸
基含有単量体およびカルボキシル基含有単量体を必須成
分とし、必要に応じてその他の単量体などを使用し、こ
れらを共重合せしめることにより調製できる。
【0014】アクリル系単量体として、アクリル酸もし
くはメタクリル酸のアルキル(C1 〜 2 2 )エステ
ル、アクリル酸もしくはメタクリル酸のアルコキシ(C
1 〜1 0 )エステルなどがあげられる。水酸基含有単量
体は1分子中に水酸基および重合性二重結合を有する化
合物で、例えば、ヒドロキシエチルアクリレ−ト、ヒド
ロキシエチルメタクリレ−ト、ヒドロキシプロピルアク
リレ−ト、ヒドロキシプロピルメタクリレ−トなどのア
クリル酸もしくはメタクリル酸のヒドロキシアルキル
(C2 〜 5 )エステルなどがあげられる。カルボキシ
ル基含有単量体は1分子中にカルボキシル基および重合
性二重結合を有する化合物で、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸などがあげられる。
【0015】その他の単量体はこれら以外であって1分
子中に1個以上の重合性二重結合を有する化合物で、例
えば、グリシジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ
−ト、アリルグリシジルエ−テル、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルチルエン、ビニルピリジン、アクリ
ルアミド、N−ブトキシジメチルアクリルアミド、アク
リロニトリルなどがあげられる。
【0016】該アクリル樹脂はこれらの単量体を通常の
方法で重合することにより得られ、数平均分子量は約3
000〜100000、特に約5000〜50000、
水酸基価は5〜200mgKOH/g、特に20〜12
0mgKOH/g、酸価は1〜200mgKOH/g、
特に15〜100mgKOH/gの範囲内が適してい
る。
【0017】ポリエステル樹脂は多塩基酸と多価アルコ
−ルとをエステル化反応せしめることにより得られる。
多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有す
る化合物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、
テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、トリメリット酸、メチレントリシクロ
ヘキセントリカルボン酸、ピロメリット酸、イタコン
酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ハイミッ
ク酸、コハク酸、ヘット酸およびこれらの無水物などが
あげられる。多価アルコ−ルは1分子中に2個以上の水
酸基を有する化合物であって、例えば、エチレングリコ
−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、
ブチレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、トリメチロ−
ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト
−ル、ソルビト−ルなどがあげられる。さらに、一塩基
酸、脂肪酸、油成分などを用いて変性したポリエステル
樹脂も包含される。
【0018】ポリエステル樹脂への水酸基の導入は1分
子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコ−ル、また
カルボキシル基の導入は1分子中に3個以上のカルボキ
シル基を有する多塩基酸を併用することによって行なわ
れる。さらに、ポリエステル樹脂への水酸基の一部に多
塩基酸をハ−フエステル化反応することによってもカル
ボキシル基を導入することができる。
【0019】ポリエステル樹脂はこれらの成分を通常の
方法でエステル化反応することにより得られ、数平均分
子量は約1000〜50000、特に約2000〜30
000、水酸基価は5〜200mgKOH/g、特に1
5〜120mgKOH/g、酸価は1〜200mgKO
H/g、特に5〜100mgKOH/gの範囲内が適し
ている。
【0020】水酸基およびカルボキシル基を有する樹脂
として、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂(数
平均分子量約1000〜50000)の塩素化物(塩素
化率0.5〜50%)に上記のアクリル系単量体、水酸
基含有単量体およびカルボキシル基含有単量体を必須成
分とし、必要に応じてその他の単量体などをグラフト重
合せしめた重合体も包含される。これらのグラフト重合
体の数平均分子量は約1000〜50000、特に約2
000〜40000、水酸基価は5〜200mgKOH
/g、特に15〜120mgKOH/g、酸価は1〜2
00mgKOH/g、特に5〜100mgKOH/gの
範囲内が適している。
【0021】着色顔料として、例えば、酸化チタン、亜
鉛華、カ−ボンブラック、カドミウムレッド、モリブデ
ンレッド、クロムエロ−、酸化クロム、プルシアンブル
−、コバルトブル−、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、
キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔
料、ペリレン顔料などの無機系および有機系のソリッド
カラ−顔料;りん片状のアルミニウム、雲母、金属酸化
物で表面被覆した雲母、雲母状酸化鉄などのメタリック
顔料が包含される。ベ−スコ−ト(A)(a)は、これ
らの着色顔料を含有させてソリッドカラ−調またはメタ
リック調の塗膜にすることができる。
【0022】ベ−スコ−ト(A)(a)は、上記の水酸
基およびカルボキシル基を有する樹脂および着色顔料を
必須成分とし、さらに必要により体質顔料、沈降防止剤
などを配合し、これらを有機溶剤に混合分散せしめるこ
とにより調製できる。
【0023】ベ−スコ−ト(A)(b)は、水酸基を有
する樹脂、着色顔料およびウレタン化触媒を主成分とす
る液状塗料である。水酸基を有する樹脂として、水酸基
を有せしめたアクリル樹脂やポリエステル樹脂などが好
適に使用できる。
【0024】水酸基を有するアクリル樹脂は、アクリル
系単量体および水酸基含有単量体を必須成分とし、必要
に応じてその他の単量体などを使用し、これらを共重合
せしめることにより調製されたもので、その分子中にカ
ルボキシル基は実質的に有していない。アクリル系単量
体、水酸基含有単量体およびその他の単量体としては上
記したものが好適に使用できる。
【0025】水酸基を有するアクリル樹脂はこれらの単
量体を通常の方法で重合することにより得られ、数平均
分子量は約3000〜100000、特に約5000〜
50000、水酸基価は5〜200mgKOH/g、特
に20〜120mgKOH/gの範囲内が適している。
【0026】水酸基を有するポリエステル樹脂は多塩基
酸と多価アルコ−ルとしては上記したものが好適に使用
でき、これらをエステル化反応せしめて得られ、その分
子中にカルボキシル基は有していない。さらに、一塩基
酸、脂肪酸、油成分などを用いて変性したポリエステル
樹脂も包含される。ポリエステル樹脂への水酸基の導入
は1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコ−ル
を併用することによって行なわれる。
【0027】ポリエステル樹脂はこれらの成分を通常の
方法でエステル化反応することにより得られ、数平均分
子量は約1000〜50000、特に約2000〜30
000、水酸基価は5〜200mgKOH/g、特に2
0〜120mgKOH/gの範囲内が適している。
【0028】水酸基を有する樹脂として、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン樹脂(数平均分子量約1000
〜50000)の塩素化物(塩素化率0.5〜50%)
に上記のアクリル系単量体および水酸基含有単量体を必
須成分とし、必要に応じてその他の単量体などをグラフ
ト重合せしめた重合体も包含される。これらのグラフト
重合体の数平均分子量は約1000〜50000、特に
約2000〜40000、水酸基価は5〜200mgK
OH/g、特に15〜120mgKOH/gの範囲内が
適している。
【0029】ベ−スコ−ト(A)(b)で使用する着色
顔料としては上記ベ−スコ−ト(A)(a)で例示した
無機系および有機系のソリッドカラ−顔料、メタリック
顔料などが包含され、ベ−スコ−ト(A)(b)はこれ
らの顔料を含有してなるソリッドカラ−調またはメタリ
ック調の塗膜を形成することができる。
【0030】ベ−スコ−ト(A)(b)で使用するウレ
タン化触媒は、隣接する上層のクリヤコ−ト(B)の塗
膜から浸透してくるポリイソシアネ−ト化合物とベ−ス
コ−ト(A)(b)の塗膜中の水酸基を有する樹脂との
ウレタン化架橋反応を促進するためのものである。具体
的には、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘ
キサメチレンテトラミン、メチルモルホリン、N−エチ
ルモルホリン、N−メチルピペラジン、N,N´−ジメ
チルピペラジン、N,N´−ジメチルベンジルアミン、
N,N´−ジメチルドデシルアミン、N,N,N´,N
´−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N´,N
´−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N
´,N´−テトラメチル−1,3−ジアミノブタンのよ
うな3級アミン、りん酸、パラトルエンスルホン酸、オ
レイン酸カリウム、りん酸ジメチル、りん酸ジn・ブチ
ル、オクテン酸スズ、ジブチルスズジ(2−エチルヘキ
ソエ−ト)、2−エチルヘキソエ−ト鉛、o−フェニル
ソ−ダ、硝酸ビスマス、テトラ(2−エチルヘキシル)
チタネ−ト、塩化スズ、塩化鉄、2−エチルヘキソエ−
ト鉄、2−エチルヘキソエ−トコバルト、ナフテネ−ト
亜鉛、アンチモニ−トリクロライド、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデカンのフェノ−ル塩、オク
チル酸塩ならびにオレイン酸塩、ナフテン酸マンガン、
ジラウリン酸ジn−ブチルスズ、塩化トリn−ブチルス
ズ、テトラn−ブチルスズ、ジオクテン酸n−ブチルス
ズ、ジラウリル酸ジn−ブチルスズ、ジ酢酸ジブチルス
ズ、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイ
ド、チタン酸2−エチルヘキシル、ナフテン酸銅、ナフ
テン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルトな
どがあげられ、これらは単独でもしくは2種以上併用す
ることができる。このうちスズ系化合物が好ましい。
【0031】これらのウレタン化触媒の配合量は目的に
応じて任意に選択できるが、水酸基を有する樹脂100
重量部(固形分)あたり、0.01〜10重量部、特に
0.1〜3重量部の範囲内が適している。
【0032】ベ−スコ−ト(A)(b)は、上記の水酸
基樹脂、着色顔料およびウレタン化触媒を必須成分と
し、さらに必要により体質顔料、沈降防止剤などを配合
し、これらを有機溶剤に混合分散せしめることにより調
製できる。
【0033】ベ−スコ−ト(A)(c)は、水酸基およ
びカルボキシル基を有する樹脂、着色顔料およびウレタ
ン化触媒を主成分とする液状塗料であって、このうち、
水酸基およびカルボキシル基を有する樹脂および着色顔
料は上記(a)で、ウレタン化触媒は上記(b)で、そ
れぞれ説明したものが好適に使用することができ、ウレ
タン化触媒の配合量についても上記と同様な範囲内であ
ればよい。
【0034】本発明の複層塗膜形成方法において、ベ−
スコ−ト(A)を塗装するための被塗物として、金属製
品およびプラスチック製品などがあげられ、これらの両
製品が連結された一体製品にも好適に塗装できる。具体
的には自動車や家庭電気製品などの外板などがあげられ
る。
【0035】ベ−スコ−ト(A)は、これらの被塗物に
直接塗装することは可能であるが、金属製品ではあらか
じめ下塗塗料(カチオン電着塗料など)や中塗塗料(省
略可能)などをあらかじめ塗装しておくことが好まし
い。また、プラスチック製品では酸もしくはアルカリ洗
浄もしくはトルエン脱脂などにより前処理を行なった後
に塗装することが好ましい。
【0036】ベ−スコ−ト(A)の塗装方法は特に制限
されず、ハケ塗り、浸漬塗装、噴霧塗装、静電塗装、ロ
−ル塗装などが適用できる。このうち噴霧塗装および静
電塗装が好ましく、粘度を10〜20秒/フォ−ドカッ
プ#4/20℃に調製し、硬化塗膜における膜厚が10
〜25μm、特に15〜20μmになるように塗装する
ことが好ましい。ベ−スコ−ト(A)の塗膜内に含まれ
る水酸基含有樹脂(カルボキシル基が併存することもあ
る)は単独塗膜で架橋反応することはない。
【0037】本発明では、このベ−スコ−ト(A)の塗
面にクリヤコ−ト(B)塗膜を形成するために、あらか
じめ分離してなるポリイソシアネ−ト化合物および水酸
基含有樹脂を2液混合型塗装装置により塗装直前に混合
しベ−スコ−ト(A)の塗面に塗装し、このクリヤコ−
ト(B)塗膜中のポリイソシアネ−ト化合物の浸透によ
ってベ−スコ−ト(A)の塗膜を架橋硬化せしめるので
ある。
【0038】クリヤコ−ト(B):ベ−スコ−ト(A)
の未硬化塗面に塗装する塗料であり、ポリイソシアネ−
ト化合物および水酸基含有樹脂を含有し、この両成分は
あらかじめ分離しておき、2液混合型塗装装置により塗
装直前に混合し、ベ−スコ−ト(A)の塗面に塗装す
る、それ自体無色もしくは有色の透明塗膜を形成する。
【0039】クリヤコ−ト(B)で使用するポリイソシ
アネ−ト化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネ−
ト基を有する化合物であり、かつその分子量は1000
未満、特に150〜800の範囲内にあることが好まし
い。具体的には、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニ
ルメタンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−
ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレン
ジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサンジイソシアネ−
ト、イソホロンジイソシアネ−ト、メチルシクロヘキサ
ン2,4−(ないし2,6−))ジイソシアネ−ト、
4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−
ト)、1,3−ジ(イソシアネ−トメチル)シクリヘキ
サンなどの脂肪族、芳香族、肪環族のポリイソシアネ−
ト化合物(単量体)があげられる。さらに、これらのポ
リイソシアネ−ト化合物と多価アルコ−ル、ポリアミ
ン、ポリエステルポリオ−ル、ポリエ−テルポリオ−
ル、アクリルポリオ−ル、ポリアミン、水などとイソシ
アネ−ト基過剰に反応させてなる分子量が上記範囲内に
含まれるプレポリマ−も使用できる。ポリイソシアネ−
ト化合物の分子量が1000より大きくなると、ベ−ス
コ−ト(A)の塗膜への浸透が困難になり、該塗膜の硬
化性が低下するおそれがある。
【0040】クリヤコ−ト(B)で使用する水酸基含有
樹脂としては、上記のベ−スコ−ト(A)で例示した
a)水酸基およびカルボキシル基を有する樹脂、および
b)水酸基を有する樹脂などから選ばれた1種もしくは
2種以上が使用できる。
【0041】本発明におけるクリヤコ−ト(B)は2液
型であり、ポリイソシアネ−ト化合物および水酸基含有
樹脂は混合せず、あらかじめ分離しておくことが必要で
ある。これらの両成分は活性水素を含有しない有機溶剤
にそれぞれ混合しておき、必要に応じて、これらのいず
れかもしくは両成分に、ベ−スコ−ト(A)で例示した
触媒、着色顔料、体質顔料などを配合することも可能で
ある。ポリイソシアネ−ト化合物と水酸基含有樹脂との
比率は、イソシアネ−ト基と水酸基とがほぼ等モルにな
ることが最も好ましい。クリヤコ−ト(B)の単独塗膜
は無色透明もしくは有色透明である。
【0042】クリヤコ−ト(B)の塗装は2液混合型塗
装装置により行うことが好ましい。具体的には、ポリイ
ソシアネ−ト化合物および水酸基含有樹脂は事前に混合
せず、それぞれ分離しておき、両成分は活性水素を含有
しない有機溶剤に溶解して塗装適性粘度にし、必要に応
じて触媒、着色顔料、体質顔料などを配合したのち、そ
れ自体既知の2液混合型噴霧式塗装装置のガン先に別々
に圧送し、そのガン内部でこの両成分を混合した後、そ
れをガン先のノズルから噴霧させて塗装する「内部混合
式」、またはガン先までは別々に圧送し、ガンから噴霧
され状態で両成分を混合しながら塗装する「ガン先混合
方式」などにより塗装することができる。
【0043】クリヤコ−ト(B)は塗装時の粘度を10
〜20秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調製し、ベ−
スコ−ト(A)の未硬化塗面に、硬化塗膜における膜厚
が15〜80μm、特に25〜60μmの範囲内になる
ように塗装することが好ましい。
【0044】ベ−スコ−ト(A)の未硬化塗面にクリヤ
コ−ト(B)を塗装すると、クリヤコ−ト(B)塗膜に
含まれるポリイソシアネ−ト化合物が隣接する下層のベ
−スコ−ト(A)の塗膜内に浸透して、該塗膜中の水酸
基含有樹脂とウレタン化反応し架橋硬化せしめる。この
ウレタン化反応は、該樹脂中のカルボキシル基やウレタ
ン化触媒などにより促進され、すみやかに進行する。一
方、クリヤコ−ト(B)の塗膜ではポリイソシアネ−ト
化合物が水酸基含有樹脂とウレタン化反応して架橋硬化
するものと推察している。ベ−スコ−ト(A)およびク
リヤコ−ト(B)の各塗膜は室温乃至120℃の温度範
囲内で速やかに硬化させることができる。
【0045】以下に、本発明に関する実施例および比較
例について説明する。部および%は原則として、いずれ
も重量に基づくものである 1.試 料 1)被塗物 a)りん酸亜鉛で表面処理を行った鋼板(大きさ150
×80×0.8mm)にエレクロン#9200(関西ペ
イント社製、商品名、エポキシ樹脂系カチオン電着塗
料)およびアミラックN2シ−ラ−(関西ペイント社
製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系中塗塗
料)を塗装し加熱硬化したもの。
【0046】b)トルエンでワイプしたポリプロピレン
板(大きさ150×80×0.8mm)。
【0047】2)ベ−スコ−ト(A) a):アクリル樹脂(数平均分子量20000、水酸基
価30、酸価10)100部(固形分)あたり、アルミ
ニウムペ−スト55−516(東洋アルミニウム社製、
商品名)12部を加え、有機溶剤(トルエン/キシレン
=1/1重量比)で粘度15秒(フォ−ドカップ#4/
20℃)に調整した。
【0048】b):塩素化ポリプロピレン樹脂のアクリ
ル系モノマ−のグラフト共重合体(数平均分子量320
00、水酸基価20、酸価7)100部(固形分)あた
りアルミニウムペ−スト55−516を12部加え、有
機溶剤(トルエン/キシレン=1/1重量比)で粘度1
5秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整した。 c):アクリル樹脂(数平均分子量28000、水酸基
価30、酸価0)100部(固形分)あたり、ジラウリ
ン酸ジn−ブチルスズ0.5部およびアルミニウムペ−
スト55−516を12部を加え、有機溶剤(トルエン
/キシレン=1/1重量比)で粘度15秒(フォ−ドカ
ップ#4/20℃)に調整した。
【0049】d):塩素化ポリプロピレン樹脂のアクリ
ル系モノマ−のグラフト共重合体(数平均分子量320
00、水酸基価20、酸価7)100部(固形分)あた
り、ジラウリン酸ジn−ブチルスズ0.5部およびアル
ミニウムペ−スト55−516を12部加え、有機溶剤
(トルエン/キシレン=1/1重量比)で粘度15秒
(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整した。
【0050】3)クリヤコ−ト(B) a):水酸基含有アクリル樹脂(数平均分子量1500
0、水酸基価45、酸価10)70部(固形分)および
ジラウリン酸ジn−ブチルスズ0.1部を有機溶剤(ト
ルエン/キシレン=1/1重量比)に混合し、粘度20
秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整した。別に、
「デュラネ−トTPA−100」(旭化成社製、商品
名、ヘキサメチレンジイソシアネ−トのイソシアヌレ−
ト型ポリイソシアネ−ト化合物)30部を有機溶剤(ト
ルエン/キシレン=1/1重量比)に混合し、粘度20
秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整した。これら
の両者は分離しておく。
【0051】b):水酸基含有アクリル樹脂(数平均分
子量25000、水酸基価35、酸価20)70部(固
形分)およびジラウリン酸ジn−ブチルスズ0.1部を
有機溶剤(トルエン/キシレン=1/1重量比)に混合
し、粘度20秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整
した。別に、「デュラネ−トTPA−100」30部を
有機溶剤(トルエン/キシレン=1/1重量比)に混合
し、粘度20秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整
した。これらの両者は分離しておく。
【0052】c):水酸基含有アクリル樹脂(数平均分
子量15000、水酸基価45、酸価10)70部(固
形分)、「デュラネ−トTPA−100」30部および
ジラウリン酸ジn−ブチルスズ0.1部を有機溶剤(ト
ルエン/キシレン=1/1重量比)に混合し、粘度20
秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整した。混合し
てから、室温で2時間放置したのち、塗装に供した。
【0053】2.実施例および比較例 上記の被塗物にベ−スコ−ト(A)をエアスプレ−で塗
装し、ついで該塗面にクリヤコ−ト(B)a,bを2液
エアレス塗装機(「APW1120」旭サナック社製、
商品名、ガン先混合方式)を用いて表1に示したように
塗装した。得られた複層塗膜などの性能試験結果につい
ても同表に併記した。なお、クリヤコ−ト(B)cはエ
アスプレ−で塗装した。
【0054】
【表1】
【0055】試験方法はつぎのとおりである。
【0056】層間付着性:クリヤコ−ト(B)を調製
後、室温で2時間放置してから塗装して得られた複層塗
膜に素地に達するようにカッタ−ナイフでカットし、大
きさ1mm×1mmのゴバン目を100個作り、その塗
面に粘着セロハンテ−プを貼着し、20℃においてその
テ−プを急激に剥離した後の塗面を調べた。○はゴバン
目塗膜が100個残存している、△はゴバン目塗膜が1
〜10個剥離した、×はゴバン目塗膜が11個以上剥離
したことを示す。
【0057】凝集破壊性:クリヤコ−ト(B)を調製
後、室温で2時間放置してから塗装して得られた複層塗
膜に素地に達するようにカッタ−ナイフでクロスカット
し、その塗面に粘着セロハンテ−プを貼着し、20℃に
おいてそのテ−プを急激に剥離した後の塗膜を調べた。
○は塗膜内部に破壊が全く認められない、×は塗膜内部
に破壊が明確に認められたことを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基含有樹脂および着色顔料を含有す
    るベ−スコ−ト(A)を塗装し、ついで未硬化の該塗面
    に、あらかじめ分離してなるポリイソシアネ−ト化合物
    および水酸基含有樹脂を使用するクリヤコ−ト(B)を
    2液混合型塗装装置により塗装直前に混合し塗装して、
    クリヤコ−ト(B)塗膜中のポリイソシアネ−ト化合物
    の浸透によってベ−スコ−ト(A)の塗膜を架橋硬化せ
    しめることを特徴とする複層塗膜形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226626A (ja) * 2000-02-14 2001-08-21 Asahi Kasei Corp ポリウレタン塗料用硬化剤
CN114535023A (zh) * 2020-11-25 2022-05-27 日东电工株式会社 涂布膜的制造方法

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