JPH11224777A - 薄膜エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法および製造装置 - Google Patents

薄膜エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法および製造装置

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JPH11224777A
JPH11224777A JP10027495A JP2749598A JPH11224777A JP H11224777 A JPH11224777 A JP H11224777A JP 10027495 A JP10027495 A JP 10027495A JP 2749598 A JP2749598 A JP 2749598A JP H11224777 A JPH11224777 A JP H11224777A
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JP
Japan
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light emitting
emitting layer
layer
thin film
substrate
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JP10027495A
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English (en)
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Tanio Urushiya
多二男 漆谷
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板の変形を生じずに、基板の変形限界以上の
温度の熱処理に相当する発光輝度のアルカリ土類金属硫
化物EL発光層を有する薄膜EL素子、製造方法を提供
する。 【解決手段】ノンアルカリガラス基板1上に順に第一の
電極層、第一の絶縁層、アルカリ土類金属硫化物からな
る発光層4、第二の絶縁層、および第二の電極層が形成
されてなる薄膜エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法において、前記発光層にレーザ光Lを照射して、発光
層の発光輝度を向上させる。図は本発明の輝度向上に用
いた製造装置を示す。レーザ光は集光光学系63によっ
て発光層に集光され、また走査装置7によって走査され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄型表示装置に用い
るノンアルカリガラス基板上に形成された発光層からな
る薄膜エレクトロルミネッセンス(以下ELと略記す
る)素子の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電極に挟まれた薄膜発光層への電圧印加
によりELを呈する薄膜EL素子は、高輝度発光、高速
応答、広視野角、薄型軽量、高解像度などの多くの優れ
た特長を有することから、薄型表示装置として注目され
ている。図3は基本的な薄膜EL素子の断面図である。
基板1に順次、第一の電極層21、第一の絶縁層31、
発光層4、第二の絶縁層32、および第二の電極22が
形成されている。第一の電極層21と第2の電極層22
には電源Eから電圧が印加され、発光層4は構成材料に
従った色の発光がなされる。EL素子の発光色は、発光
層を構成する硫化亜鉛(ZnS)や硫化ストロンチウム
(SrS)などの半導体母体と、添加される発光中心の
組合せで決まり、例えば黄橙色の発光は硫化亜鉛(Zn
S)母体に発光中心としてマンガン(Mn)を添加する
ことで得られる。しかしながら、現在実用レベルの輝度
に達しているものはマンガン(Mn)を硫化亜鉛(Zn
S)にドープしたZnS:Mnによる黄橙色発光のモノ
カラーディスプレイのみである。このためマルチカラー
やフルカラー用の薄膜EL素子の開発が強く望まれてい
る。
【0003】アルカリ土類金属硫化物、なかでも硫化ス
トロンチウム(SrS)および硫化カルシウム(Ca
S)は母体材料として有望であり、発光中心として希土
類であるセリウム(Ce)、ユーロピウム(Eu)、プ
ラセオジウム(Pr)を添加することによりそれぞれ青
緑色(SrS:Ce)、赤色(CaS:Eu)、白色
(SrS:Ce、Eu)および白色(SrS:Pr)に
発光することが知られている。これらの材料は成膜後高
温に加熱保持することにより発光輝度が向上することは
知られており、一般的に行われている。
【0004】一方、基板材料は、光の透過率、耐熱性、
平坦性、不純物およびコストなどを総合的に考慮して決
められる。石英ガラスは特に耐熱性に優れているがコス
トの点で実用性がなく、これに次いで耐熱性が良く、コ
ストがかなり低いノンアルカリガラスが一般的に使用さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アルカリ土類金属硫化
物をはじめとしたEL用発光層は、一般に輝度、および
寿命特性の改善のため、発光層の成膜後、後処理として
熱処理を行っている。この際、高温の方がより特性が改
善されることは知られているが、基板に用いられている
ノンアルカリガラスの変形のため650℃程度が上限と
なっている。この程度の温度ではEL用発光層、特に青
緑色(SrS:Ce)の発光層の特性改善は十分でな
く、マルチカラーやフルカラー用の薄膜EL素子実現の
障害となっている。
【0006】本発明は上記の問題点に鑑み、ノンアルカ
リガラス基板の変形を生じないで、ノンアルカリガラス
基板の変形限界以上の温度の熱処理を施した場合の発光
輝度に相当する発光輝度のアルカリ土類金属硫化物EL
発光層を有する薄膜EL素子、およびその製造方法、お
よび製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、ノンアルカリガラス基板上に順に第一の電極層、
第一の絶縁層、アルカリ土類金属硫化物からなる発光
層、第二の絶縁層、および第二の電極層が形成されてな
るEL素子の製造方法において、前記発光層にレーザ光
を照射して、発光層の発光輝度を向上させることとす
る。
【0008】前記レーザ光は前記発光層に集光され、ま
た走査されると良い。前記レーザ光の照射時には、基板
の発光層側は不活性ガスまたは/および硫化水素ガス雰
囲気中に晒されていると良い。前記レーザ光はArレーザ
光であると良い。前記レーザ光の照射時に同時に基板が
加熱されると良い。
【0009】前記発光層はZnS層との積層であると良
い。また、薄膜EL素子の製造装置はガス導入口とガス
排出口とを備え、平面状の開口部を有する容器であっ
て、この開口部に発光層が形成された基板を発光層を内
側に向けて装着して気密容器とされ、少なくともレーザ
ビームを発光層に集光する光学系と、この光学系を発光
層に平行に走査する走査手段が備えられていると良い。
【0010】前記容器内には基板と対向する発光層側に
ヒーターが備えられている。ノンアルカリガラス基板上
に順に第一の電極層、第一の絶縁層、アルカリ土類金属
硫化物からなる発光層、第二の絶縁層、および第二の電
極層が形成されてなる薄膜エレクトロルミネッセンス素
子(以下EL素子)において、ノンアルカリガラス基板
の変形限界以上の温度の熱処理を施した場合の発光輝度
に相当する発光輝度を有することとする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、基板上の発光層をレー
ザ照射することにより、輝度を改善できることを見いだ
したことに基づいている。本発明の製造方法では、レー
ザ光は発光層に集光されているのでエネルギー密度は高
く、また照射時間は短くても輝度は向上する。また、厚
さは数百nmの発光層と厚さ0.5mmの基板との熱容量の
大きさは全く違うので発光層は極く短時間は高温になっ
ていると推定されるが、公知である650℃以上の熱処
理における長時間とは比較にならない。従って、最終の
発光中心の状態は高輝度という面からは同じ状態であっ
ても、そこに至る過程は単に熱だけではなく、光も関与
して従来の熱処理とはかなり異なっていると考えらる
が、この過程は明らかではない。
【0012】とにかく、従来はノンアルカリガラス基板
が変形するため限界であった650℃での発光層熱処理
による場合より、極めて大きい輝度向上が、基板の温度
を上げないために、ノンアルカリガラス基板の変形を伴
わず可能となった。本発明の薄膜EL素子に用いられる
発光層としては、SrS、CaS、BaS、MgSなど
のアルカリ土類金属の硫化物の他に、ZnSなどのII族
金属の硫化物や両者の積層膜適用できる。また、発光中
心としての希土類も、例えば、Ce、Eu、Prなどの
化合物やこれらの混合物などを用いることができる。
【0013】絶縁層も実施例に限定されるものではな
く、例えばSiO2、SiON、Y2O3、TiO2、Al2O3 、HfO2、Ta
2O5 、BaTa2O5 、SrTiO3、PbTiO3、ZrO2などやこれらの
混合物の薄膜または積層膜も用いることができる。ま
た、本発明に係る薄膜EL素子の製造装置はレーザビー
ムを発光層に集光し発光層に平行に走査することがで
き、発光層をガス雰囲気にすることができるので、この
製造装置を用いて容易に発光層のレーザ照射処理を行う
ことができる。 実施例1 この実施例で試作した薄膜EL素子は既に説明した構成
である(図3)。
【0014】まず、ノンアルカリガラス基板に第1電極
層として膜厚200nm程度の酸化インジウムスズ(IT
O)層をスパッタにより、次いで第1絶縁層として膜厚
30nmのSiO2および膜厚180nmのSiONを順次スパッタ
により形成した。発光層として、硫化ストロンチウム
(SrS)母体に発光中心としてセリウム(Ce)が
0.2mol%ドープされた硫化ストロンチウム(SrS)
ペレットを用いて、電子ビーム蒸着により、基板温度5
00℃で膜厚1200nmの発光層を第2絶縁層の上に形
成した。次に、再びスパッタにより厚さ180nmのSiN
層と厚さ30nmのSiO2層とを順次形成し第2絶縁層とし
た。
【0015】次に本発明に係る発光層のレーザ処理を行
った。図1は本発明に係る薄膜EL素子の製造装置の模
式断面図である。ガス導入口52およびガス排出口53
を備えた容器51の端部が平面状の開口部に発光層4が
形成されたガラス基板1を装着し密閉する。発光層4は
容器51の内側とする。そして、4Paまで真空排気した
後Arガスでガス置換してから大気圧のガスフローを行
う。そして、レーザ光源61から放射される0.5W の
Arレーザー光Lをミラー62により基板に垂直方向に
した後、集光々学系63(開口数(NA)=0.5)に
よりガラス基板を透過して発光層4に焦点を結ばせ、走
査装置7により30cm/ 秒の走査速度で同じ場所を2回
走査した。このときガラス基板は特に温度制御せず、室
温に放置とした。
【0016】最後に第2絶縁層の上にAlを電子ビーム
蒸着し、膜厚200nmの第2電極層とし、薄膜EL素子
を完成させた。ガラス基板を平面定盤に置いたときの隙
間をガラス基板の凹凸や反りとし、薄膜プロセス前の隙
間と、完成した薄膜EL素子のガラス基板の隙間を比較
したところ、共に隙間は殆ど生じていなかった、すなわ
ち変形はしていなかった。
【0017】次に、この薄膜EL素子の発光輝度を評価
した。比較例として、レーザ処理せずに、基板が変形し
ない最高温度650℃で1時間30分の熱処理を行った
以外は同じ条件で作製した薄膜EL素子についても発光
輝度を評価した。図2は本発明に係る薄膜EL素子の発
光輝度の印加電圧依存性のグラフである。曲線aは本発
明に係る素子であり、曲線bは比較例の素子である。
【0018】発光輝度が10cd/m2 を越える印加電圧を
しきい電圧とし、しきい電圧より40V 高い印加電圧で
の発光輝度を比較した。比較例にくらべ、しきい電圧は
10V 低下し、さらに約2倍以上の輝度が得られてい
る。 実施例2 実施例1において、レーザ照射時の雰囲気ガスを硫化水
素に換えたところ、Arガスのみの雰囲気ガスの場合に
較べ、しきい電圧より40V 高い印加電圧での発光輝度
は10〜20cd/m2 向上した。 実施例3 実施例1において、発光層をSrS:Ce、ZnS(無
添加)およびZnS:Mnの積層に換え、白色発光の薄
膜EL素子を試作した。
【0019】実施例1と同じくSrS:Ce層を、電子
ビーム蒸着によりZnSを形成した。膜厚をそれぞれS
rS:Ceは1200nm、ZnSは50nmおよびZn
S:Mnを350nmとした。そして、実施例1と同様に
第2の絶縁層を形成した後で、650℃の熱処理を行い
ZnSの輝度を向上させ、基板温度を室温に戻し、実施
例1と同じ条件のレーザ処理を行った。
【0020】ZnSの輝度は上記の熱処理により飽和し
ているが、レーザ処理によりSrS:Ceの青色発光強
度が向上したので、白色の発光輝度は向上した。その結
果品質の良いフルカラー表示ができた。 実施例4 実施例2において、容器の底に赤外線ヒータを並べ基板
を一様に照射加熱して、レーザ照射時の基板温度を40
0℃に保持した。基板温度が高いので雰囲気ガスを硫化
水素にし発光層からの硫黄の散逸を防止した。
【0021】レーザ光走査を60cm/ 秒と速くし、2回
走査した。レーザ光の照射時間を実施例1の1/2とし
たにも関わらず、実施例1と同じ程度の輝度向上が得ら
れた。このことは発光層の加熱がレーザ処理を促進させ
たことを推測させる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、従来の熱処理に換え
て、薄膜EL素子の発光層にレーザ照射することにした
ので、結晶性の向上およびCe(セリウム)等の発光中
心の回りの結晶場を発光に適するように変化させ、実質
的にノンアルカリガラス基板の変形限界温度(650
℃)よりも高い温度での熱処理に相当する発光輝度が、
ノンアルカリガラス基板の変形を伴うほど基板温度を高
くすることなく得られる。このような高発光輝度の薄膜
EL素子はフルカラー表示に用いることができる。
【0023】また、レーザ光源、レーザビームの集光手
段や走査手段を備えた製造装置を用いて、簡便に上記の
発光層のレーザ処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜EL素子の製造装置の模式断
面図
【図2】本発明に係る薄膜EL素子の発光輝度の印加電
圧依存性のグラフ
【図3】最も基本的な薄膜EL素子の断面図
【符号の説明】
1 基板 21 第1の電極層 22 第1の電極層 31 第1の絶縁層 32 第1の絶縁層 4 発光層 E 駆動電源 51 容器 52 ガス導入口 53 ガス排出口 61 レーザ光源 62 ミラー 63 集光光学系 L レーザ光 7 走査装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノンアルカリガラス基板上に順に第一の電
    極層、第一の絶縁層、アルカリ土類金属硫化物からなる
    発光層、第二の絶縁層、および第二の電極層が形成され
    てなる薄膜エレクトロルミネッセンス素子(以下薄膜E
    L素子と記す)の製造方法において、前記発光層にレー
    ザ光を照射して、発光層の発光輝度を向上させることを
    特徴とする薄膜EL素子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記レーザ光は前記発光層に集光され、ま
    た走査されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜E
    L素子とその製造方法。
  3. 【請求項3】前記レーザ光の照射時には、基板の発光層
    側は不活性ガスまたは/および硫化水素ガス雰囲気中に
    晒されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    の薄膜EL素子の製造方法。
  4. 【請求項4】前記レーザ光はArレーザ光であることを特
    徴とする請求項1ないし3に記載の薄膜EL素子とその
    製造方法。
  5. 【請求項5】前記レーザ光の照射時に同時に基板が加熱
    されることを特徴とする請求項1ないし4に記載の薄膜
    EL素子の製造方法。
  6. 【請求項6】前記発光層はZnS層との積層であること
    を特徴とする請求項1ないし5に記載の薄膜EL素子の
    製造方法。
  7. 【請求項7】ガス導入口とガス排出口とを備え、平面状
    の開口部を有する容器であって、この開口部に発光層が
    形成された基板を発光層を内側に向けて装着して気密容
    器とされ、少なくともレーザビームを発光層に集光する
    光学系と、この光学系を発光層に平行に走査する走査手
    段が備えられており、薄膜EL素子の発光層にレーザ照
    射することを特徴とする薄膜EL素子の製造装置。
  8. 【請求項8】前記容器内には基板と対向する発光層側に
    ヒーターが備えられていることを特徴とする請求項7に
    記載の薄膜EL素子の製造装置。
  9. 【請求項9】ノンアルカリガラス基板上に順に第一の電
    極層、第一の絶縁層、アルカリ土類金属硫化物からなる
    発光層、第二の絶縁層、および第二の電極層が形成され
    てなる薄膜エレクトロルミネッセンス素子(以下EL素
    子)において、ノンアルカリガラス基板の変形限界以上
    の温度の熱処理を施した場合の発光輝度に相当する発光
    輝度を有することを特徴とする薄膜EL素子。
JP10027495A 1998-02-09 1998-02-09 薄膜エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法および製造装置 Pending JPH11224777A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7417867B1 (en) 1999-09-27 2008-08-26 Sony Corporation Printed wiring board and display apparatus

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US7417867B1 (en) 1999-09-27 2008-08-26 Sony Corporation Printed wiring board and display apparatus

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