JPH11224458A - ディスクプレーヤーのターンテーブル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクの回転動作を安定した状態にて行う
ことが出来るターンテーブル装置を提供する。 【解決手段】 ターンテーブルに対して第１の方向へ変
位する第１リング状円板１５と、第１の方向に対して直
角方向である第２の方向へ変位する第２リング状円板２
２とを設け、該第１リング状円板１５と第２リング状円
板２２の平面方向への移動動作によって偏重心ディスク
による重心のズレを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクが載置さ
れるとともに該ディスクを回転駆動するターンテーブル
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】光学式ピックアップを用いてディスクに
記録されている信号の読み取り動作を行うディスクプレ
ーヤーが普及しているが、斯かるディスクプレーヤー
は、ディスクが載置されるターンテーブルを備えてい
る。前記ターンテーブルに載置されるディスクは、クラ
ンプと呼ばれる手段によって該ターンテーブルとともに
回転するべく該ターンテーブル上に固定保持されるよう
に構成されている。

【０００３】ディスクプレーヤーとしては、ＣＤプレー
ヤーが一般的であるが、最近では、音楽等の音声信号で
はなく、コンピューターに使用されるデータ信号が記録
されているＣＤ−ＲＯＭと呼ばれるディスクを再生する
ＣＤ−ＲＯＭプレーヤーと呼ばれるディスクプレーヤー
が普及している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ＣＤ−ＲＯＭプレーヤ
ーは、音声信号を再生するＣＤプレーヤーと異なり、信
号の高速読み出し動作が要求されるため、最近では、規
定の線速度に対して、４倍、６倍、８倍及び１０倍等の
高速の線速度にてディスクを回転させて信号の読み出し
動作を行うように構成されたディスクプレーヤーが商品
化されている。

【０００５】ディスクを線速度が高速にて一定になるよ
うに回転駆動するためには、高価な特性の良いスピンド
ルモーターと精度の高い駆動制御回路が必要となるた
め、最近では、ディスクの回転速度を線速度一定ではな
く角速度が一定になるように制御するように構成された
ディスクプレーヤーが商品化されている。

【０００６】斯かるディスクプレーヤーに使用されるデ
ィスクの中には、重心の位置が中心よりずれた偏重心デ
ィスクと呼ばれるディスクがあり、斯かるディスクを高
速にて回転させると、異常振動が発生し、異音を発生す
るという問題がある。斯かる問題を解決する方法として
ターンテーブル内にボールベアリングを収納し、該ボー
ルベアリングの移動動作によって偏重心ディスクによる
重心のズレを補正するようにした技術があるが、ボール
ベアリング同士の衝突によって異音が発生するという問
題がある。

【０００７】本発明は、斯かる問題を解決したディスク
プレーヤーのターンテーブル装置を提供しようとするも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のターンテーブル
装置は、電動機の回転軸に圧入固定されているとともに
ディスクが載置される載置部が形成されているターンテ
ーブルと、該ターンテーブルの下面の前記回転軸を中心
として対称の位置に固定されている第１及び第２の固定
ピンと、該第１及び第２固定ピンと第１及び第２の長孔
との係合によって該第１固定ピンと第２固定ピンとを結
ぶ直線方向への変位を可能に支持されているととも前記
回転軸を中心として対称、且つ前記第１固定ピンと第２
固定ピンとを結ぶ線を中心として対称の位置に第３及び
第４の長孔が形成されている第１リング状円板と、該第
１リング状円板に形成されている前記第３及び第４の長
孔と係合する第１及び第２の係合ピンが固定されている
とともに該第１及び第２の係合ピンによって該第１係合
ピンと第２係合ピンとを結ぶ直線方向への変位を可能に
支持されている第２リング状円板とより構成されてい
る。

【０００９】

【実施例】図１は本発明のターンテーブル装置を示す要
部の平面図、図２は本発明のターンテーブル装置を図１
のＡ−Ｂ方向より見た要部の正面断面図である。

【００１０】図において、１は電動機の駆動回路が組み
込まれている基板であり、駆動コイル２を支持する駆動
コイル支持部材３が固定されている。４は電動機を構成
する回転軸であり、前記コイル支持部材３に固着されて
いる軸受５及び６等によって回転可能に支持されてい
る。７は前記回転軸４に圧入固定されるとともに金属に
て成形されているターンテーブルであり、ディスクが載
置される載置部８及び前記回転軸４が圧入される圧入部
９が該載置部８の上面より上方へ延長して形成されてい
る。

【００１１】１０は電動機を構成するローターであり、
前記ターンテーブル７と一体的に回転するべく連結され
ているとともにその内面にはリング状のマグネット１１
が接着固定されている。１２は前記ターンテーブル７に
形成されている圧入部９に圧入されることによって該タ
ーンテーブル７と一体的に回転するべく取り付けられる
とともにディスクに形成されている中心孔と嵌合し該デ
ィスクの位置決めをするセンタリング部材である。

【００１２】１３及び１４は前記ターンテーブル７の下
面の前記回転軸４を中心として対称の位置に固定される
第１及び第２の固定ピンであり、下端部に大径の支持部
１３Ａ及び１４Ａが形成されている。１５は前記第１固
定ピン１３及び第２固定ピン１４と係合する第１長孔１
６及び第２長孔１７が形成されているとともに前記第１
固定ピン１３及び第２固定ピン１４に形成されている支
持部１３Ａ及び１４Ａによって支持されている第１リン
グ状円板であり、前記第１固定ピン１３と第２固定ピン
１４とを結ぶ直線方向への変位を可能に設けられてい
る。また、前記第１リング状円板１５には、前記回転軸
４を中心として対称で、且つ第１固定ピン１３と第２固
定ピン１４とを結ぶ線を中心として対称の位置に第３長
孔１８及び第４長孔１９が形成されている。

【００１３】２０及び２１は前記第１リング状円板１５
に形成されている第３長孔１８及び第４長孔１９と係合
する第１及び第２の係合ピンであり、上端部に大径の支
持部２０Ａ及び２１Ａが形成されている。２２は前記第
１係合ピン２０及び第２係合ピン２１によって該第１係
合ピン２０と第２係合ピン２１とを結ぶ直線方向への変
位を可能に支持されている第２リング状円板である。

【００１４】斯かる構成によれば、第１リング状円板１
５はターンテーブル７の下面に固定されている第１固定
ピン１３と第２固定ピン１４とを結ぶ直線方向、即ち図
１において矢印Ａ及び矢印Ｂ方向への変位を可能に支持
され、第２リング状円板は第１リング状円板１５に形成
されている第３長孔１８及び第４長孔１９に係合されて
いる第１係合ピン２０と第２係合ピン２１とを結ぶ直線
方向、即ち図１において矢印Ｃ及び矢印Ｄ方向への変位
を可能に支持されている。従って、前記第２リング状円
板２２はターンテーブル７に対して平面方向の全方向へ
の変位を可能な状態にて支持された状態になる。

【００１５】斯かる構成において、基板１に組み込まれ
ているモーターの駆動回路より駆動コイル２に対して駆
動電流が供給されると、ローター１０に接着固定されて
いるマグネット１１と前記駆動コイル２より発生する磁
気力との吸引力及び反発力とによって該ローター１０は
回転軸４を中心として回転することになる。その結果、
該ローター１０とターンテーブル７と一体的に回転する
べく設けられているため、該ターンテーブル７は前記ロ
ーター１０とともに回転する。それ故、前記ターンテー
ブル７の載置部８に載置されるディスクは回転駆動され
ることになる。

【００１６】以上に説明したようにディスクの回転駆動
動作は行われるが、次に第１リング状部材１５及び第２
リング状部材２２による重心のズレを補正する動作につ
いて説明する。

【００１７】ターンテーブル７が回転すると、第１リン
グ状円板１５及び第２リング状円板２２も該ターンテー
ブル７とともに回転駆動される。ターンテーブル７に載
置されるディスクが偏重心ディスクでない場合には、デ
ィスクの回転駆動がバランス良く行われるため、前記第
１リング状円板１５及び第２リング状円板２２の回転中
心軸は回転軸４と同一の位置にあり、ターンテーブル
７、第１リング状円板１５及び第２リング状円板２２の
位置関係は、図１に示した関係にある。

【００１８】ターンテーブル７に載置されるディスクが
偏重心ディスクである場合には、ディスクの回転駆動動
作がアンバランスな状態にて行われる状態になるが、斯
かる状態になると第２リング状円板２２がアンバランス
な状態を改善する位置へ移動する力を受けることにな
る。斯かる力を第２リング状円板２２が受けると該第２
リング状円板２２は第１リング状円板１５の変位動作を
伴ってアンバランスな状態を改善する位置に移動するこ
とになる。その結果、モーターによるディスクの回転駆
動動作はバランスのとれた状態にて行われることにな
り、ディスクが偏重心ディスクであっても該ディスクの
回転駆動動作をバランス良く行うことが出来るので、異
常振動の発生を抑えることが出来る。

【００１９】また、第１リング状円板１５を低摩擦係数
の材料にて構成することによって該第１リング状円板１
５及び第２リング状円板２２の平面方向への移動動作を
円滑に行うことが出来る。

【００２０】

【発明の効果】本発明のターンテーブル装置は、ターン
テーブルに対して第１の方向へ変位する第１リング状円
板と第１の方向に対して直角方向である第２の方向へ変
位する第２リング状円板とを設け、該第１リング状円板
と第２リング状円板の平面方向への移動動作によって偏
重心ディスクによる重心のズレを補正するようにしたの
で、バランスのとれた状態にてディスクを回転駆動させ
ることが出来る。従って、本発明によれば、偏重心ディ
スクを高速回転させていた場合に発生していた異常振動
を抑えることが出来るので、異音の発生を防止すること
が出来るとともにディスクからの信号の読み出し特性を
向上させることが出来る。

【００２１】また、本発明は、偏重心ディスクによる重
心のズレを補正する手段として第１及び第２のリング状
円板を使用したので、即ちボールベアリングを使用して
いないので、該ボールベアリング同士の衝突によって異
音が発生するという問題はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のターンテーブル装置を示す要部の平面
図である。

【図２】本発明のターンテーブル装置を図１のＡ−Ｂ方
向より見た要部の正面断面図である。

【符号の説明】

１ 基板 ４ 回転軸 ７ ターンテーブル ８ 載置部 １３ 第１固定ピン １４ 第２固定ピン １５ 第１リング状円板 １６ 第１長孔 １７ 第２長孔 １８ 第３長孔 １９ 第４長孔 ２０ 第１係合ピン ２１ 第２係合ピン ２２ 第２リング状円板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機の回転軸に圧入固定されていると
   ともにディスクが載置される載置部が形成されているタ
   ーンテーブルと、該ターンテーブルの下面の前記回転軸
   を中心として対称の位置に固定されている第１及び第２
   の固定ピンと、該第１及び第２固定ピンと第１及び第２
   の長孔との係合によって該第１固定ピンと第２固定ピン
   とを結ぶ直線方向への変位を可能に支持されているとと
   も前記回転軸を中心として対称、且つ前記第１固定ピン
   と第２固定ピンとを結ぶ線を中心として対称の位置に第
   ３及び第４の長孔が形成されている第１リング状円板
   と、該第１リング状円板に形成されている前記第３及び
   第４の長孔と係合する第１及び第２の係合ピンが固定さ
   れているとともに該第１及び第２の係合ピンによって該
   第１係合ピンと第２係合ピンとを結ぶ直線方向への変位
   を可能に支持されている第２リング状円板とより成り、
   前記第１リング状円板及び第２リング状円板の平面方向
   への移動によって偏重心ディスクによる重心のズレを補
   正するようにしたことを特徴とするディスクプレーヤー
   のターンテーブル装置。
2. 【請求項２】 第１リング状円板を低摩擦係数の材料に
   て構成したことを特徴とする請求項１に記載のターンテ
   ーブル装置。