JPH11223987A - 画像形成装置部材およびその製造方法 - Google Patents

画像形成装置部材およびその製造方法

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JPH11223987A
JPH11223987A JP2593098A JP2593098A JPH11223987A JP H11223987 A JPH11223987 A JP H11223987A JP 2593098 A JP2593098 A JP 2593098A JP 2593098 A JP2593098 A JP 2593098A JP H11223987 A JPH11223987 A JP H11223987A
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JP
Japan
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image forming
forming apparatus
molecular weight
minutes
silicone rubber
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JP2593098A
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English (en)
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Akinari Kume
昭也 久米
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコーン材料の特性を損なうことなく簡便
な方法による感光ドラムの汚染、トナーの凝集、固着等
の不都合のない、シリコーンゴム材料を用いた電子写真
画像形成装置部材およびその製造方法の提供。 【解決手段】 シリコーンゴム材料を用い画像形成装置
部材を成形した後、加熱炉中80〜150℃にて少なく
も90分間加熱処理し、低分子量成分の除去と高分子量
成分の発生を抑制して、成形品を有機溶剤により抽出し
た抽出液をGPC測定した分子量分布において、分子量
2×104以上の領域が6%以下で、且つGC分析測定
において、4量体ないし10量体環状シロキサンの総量
が、2000ppm以下であるようにし、目的とする画
像形成装置部材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成装置部材お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコーンゴムを用いた帯電、現
像、転写のためのローラやブレード等の電子写真画像形
成装置部材では、部材からブリード(滲み出し)してく
るシリコーンオイルによる感光ドラムの汚染、トナーの
凝集、固着等が問題になっていた。
【0003】一般的に採られる対策として、表面にブリ
ード防止のための保護層を被覆したり、あるいは塗布し
たりするが、これによりシリコーンゴムの持つ特徴的な
硬度や静電気的特性が損なわれてしまう。
【0004】他の方法としては、カップリング剤、界面
活性剤等の添加による表面改質や、紫外線やプラズマ等
による表面処理等の方法もあるが、これらは効果に乏し
く部材からのブリードを防ぐことは困難である。
【0005】特開平5-333595号公報にも詳細が
記述されているが、本発明における一課題である高分子
量成分のブリードを抑制することは不可能であり、低分
子量環状シロキサンを十分に吸着するためには相当量の
シリカ微粉体を添加しなくてはならず、シリコーン材料
の持つ低硬度、柔軟性の特性が損なわれてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
なされたものであって、その目的とするところは、シリ
コーン材料の特性を損なうことなしに簡便な方法によ
り、感光ドラムの汚染、トナーの凝集、固着等の不都合
を起こすことのない、シリコーンゴム材料を用いた電子
写真画像形成装置部材およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題・目的は以下
に示す本発明によって解決・達成される。すなわち本発
明は、画像形成装置部材を製造する方法において、シリ
コーンゴム材料を用い画像形成装置部材を成形後、加熱
炉にて80ないし150℃の範囲にて少なくも90分間
加熱し、成形品を有機溶剤により抽出したときの抽出液
をゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)
により測定した分子量分布において、分子量2×104
以上の領域が6%以下であり、且つ、ガスクロマトグラ
フィー(GC)分析による測定において、4量体ないし
10量体環状シロキサンの総量が、2000ppm以下
であるようにすることを特徴とする、画像形成装置部材
の製造方法、ならびに該製造方法により得られる画像形
成装置部材、特に現像ローラまたは現像剤量規制部材を
開示するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を具体的
に説明する。上記課題を解決するための本発明は、成形
品を有機溶剤により抽出し、その抽出液をゲルパーミェ
ーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した
分子量分布において、分子量2×104以上の領域が6
%以下であることを特徴とするシリコーンゴム材料を用
いて画像形成装置部材を成形後、80〜150℃の加熱
炉で90分間以上加熱することにより、低分子量成分の
除去を行うと共に高分子量成分の発生を抑えて、感光ド
ラムの汚染、トナーの凝集、固着等の不都合を起こすこ
とのない、画像形成装置部材を得るものである。
【0009】電子写真方式の画像形成装置において、帯
電、現像、転写等のためにローラやブレード等の形状の
部材を用いるとき、シリコーンゴム材料からブリードし
てくるオイルの感光ドラムやトナーへの移行は避けられ
ない。感光ドラムへ移行したオイルは感光ドラム上の帯
電に異常をきたすため、出力される画像に「かぶり」と
して悪影響を及ぼす。さらに、感光ドラム上にトナーの
凝集物を生成させ、時間の経過と共にそれは結合力が強
まり、逆バイアスを掛けたり、クリーニングブレードで
かき落とそうとしても除去することができない固着物へ
と成長していく。
【0010】また、現像ローラやトナーの量を規制する
ブレード等、現像周りの部材からブリードしたオイルは
トナーに移行し、トナーの凝集物を生成させ、時間の経
過と共に結合力が強まり、上記部材上で固着物へと成長
していく。この固着物は現像周りの部材の摩擦帯電量等
を変化させるため、現像ローラに均一にトナーが載らな
くなる等の異常をもたらし、出力画像上で「横白スジ」
等の画像異常を生じさせる。
【0011】このような、シリコーンゴム材料からブリ
ードしてくるオイルの分子量分布とトナー固着との関係
を調査検討した結果、高分子量成分をブリードする材料
において固着現象の見られることが判明した。そして逆
に、高分子量成分をブリードしない材料では固着現象の
生じないことが判明した。
【0012】評価方法としては、まず成形品のシリコー
ンゴム材料の数gを2〜5mm角程度の大きさに細断
し、トルエン溶剤中に浸漬し室温で60時間以上抽出す
る。抽出液を適当な濃度に調整し、ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)分析を行い、その分子量
分布を測定する。GPCの分析方法については、特開平
5-333595号公報に詳細が述べられているが、同
様にして、分子量2×104以上の領域の面積を計算、
もしくは切り取り測定する。
【0013】画像形成装置による画像評価の方法は、ベ
タ黒の画像を数枚出力した後、1ヶ月間室温放置してか
ら、再び画像を出したときに出力画像に異常がないかど
うかで判定を行う。
【0014】以上のような方法で画像形成装置部材の評
価を行うと、抽出液中に分子量2×104以上の領域が
6%を越えるシリコーンゴム材料ではトナーの融着現象
が見られた。
【0015】ここで、抽出液中に分子量2×104以上
の成分がブリードしてこないようにシリコーンゴム材料
を調製しなければならないが、その方法はシリコーンゴ
ム材料の配合処方によって調節される。実際にはポリシ
ロキサンの重合度や側鎖の構造、架橋システム、フィラ
ー成分、その他添加剤等の調整により実現される。
【0016】一方、低分子量成分の除去を加熱により行
う際、150℃を越える高い温度で行うと、抽出液中に
分子量2×104以上のシロキサンを生成するので、た
とえシリコーンゴム材料の配合処方で調整しても所要の
効果が得られず無意味になってしまう。
【0017】また、あまり温度が低くても低分子量成分
の除去が行われず、ガスクロマトグラフィー(GC)分
析により測定した4量体ないし10量体環状シロキサン
の総量が2000ppm以下に抑えるためには、80℃
以上は必要であり、処理時間も90分間以上が必要であ
る。
【0018】成型品抽出液のGC分析により測定した4
量体ないし10量体環状シロキサンの総量が2000p
pmを越えると、低分子量成分のブリードアウトが著し
くなり、ひいては感光ドラムやトナーに移行し、結果と
して出力画像の著しい悪化を招いてしまう。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるも
のではない。
【0020】[実施例1]粘度120Pa・s、130
℃におけるキュラストメーターの90%トルク上昇時間
t90=50sec.の2液タイプ付加反応架橋の液状シ
リコーンゴム材料を混合後、130℃に加熱した金型に
射出し、3分間架橋して現像剤量規制ブレードを成形し
た。その後、80℃の温度で90分間加熱処理した。
【0021】既に記載の方法によりGPC分析を行った
ところ、分子量2×104以上の領域は3.0%であっ
た。また、既に記載の方法によりGC分析を行ったとこ
ろ、4量体ないし10量体環状シロキサンの総量が20
00ppmであった。この現像剤量規制ブレードを用い
て、既に記載の方法により画像詳価を行ったところ、ト
ナー凝集は発生せず、良好な画像が得られた。
【0022】[実施例2]実施例1における加熱処理条
件を、温度80℃、時間240分間に替えた以外は、実
施例1と同様にして成形し加熱処理を行なった。そして
実施例1と同様に、GPC分析、GC分析と画像評価を
行ったところ、分子量2×104以上の領域は3.0%、
4量体ないし10量体環状シロキサンの総量が1300
ppmとなり、トナー凝集、融着、横白スジの発生しな
い良好な画像が得られた。
【0023】[実施例3]実施例1における加熱処理条
件を、温度150℃、時間90分間に替えた以外は、実
施例1と同様にして成形し加熱処理を行なった。そして
実施例1と同様に、GPC分析、GC分析と画像評価を
行ったところ、分子量2×104以上の領域は4.0%、
4量体ないし10量体環状シロキサンの総量が1800
ppmとなり、トナー凝集、融着、横白スジの発生しな
い良好な画像が得られた。
【0024】[実施例4]実施例1における加熱処理条
件を、温度150℃、時間240分間に替えた以外は、
実施例1と同様にして成形し加熱処理を行なった。そし
て実施例1と同様に、GPC分析、GC分析と画像評価
を行ったところ、分子量2×104以上の領域は6.0
%、4量体ないし10量体環状シロキサンの総量が60
0ppmとなり、トナー凝集、融着、横白スジの発生し
ない良好な画像が得られた。
【0025】[実施例5]実施例1〜4と同様の条件に
て加熱処理を行ない、帯電ローラー、現像ローラーを成
形して画像評価を行ったところ、80〜150℃の温度
範囲の加熱炉で90分間以上加熱処理を施すことによる
効果として良好な画像が得られた。
【0026】[比較例1]実施例1における加熱処理条
件を、温度60℃、時間60分間、90分間、240分
間に替えた以外は、実施例1と同様にして成形し加熱処
理を行なった。そして実施例1と同様に、GPC分析、
GC分析および画像評価を行ったところ分子量2×10
4以上の領域は全て3.0%であったが、4量体ないし1
0量体環状シロキサンの総量は、それぞれ3300pp
m,3200ppm,3000ppmとなり、トナー融
着、横白スジが発生し、良好な画像は得られなかった。
【0027】[比較例2]実施例1における加熱処理条
件を、温度80℃、時間60分間に替えた以外は実施例
1と同様にして成形し加熱処理を行なった。そして実施
例1と同様に、GPC分析、GC分析および画像評価を
行ったところ分子量2×104以上の領域は3.0%であ
ったが、4量体ないし10量体環状シロキサンの総量は
2700ppmとなり、トナー融着、横白スジが発生
し、良好な画像は得られなかった。
【0028】[比較例3]実施例1における加熱処理条
件を、温度150℃、時間60分間に替えた以外は、実
施例1と同様にして成形し加熱処理を行なった。そして
実施例1と同様に、GPC分析、GC分析および画像評
価を行ったところ分子量2×104以上の領域は4.0%
であったが、4量体ないし10量体環状シロキサンの総
量は2200ppmとなり、トナー融着、横白スジが発
生し、良好な画像は得られなかった。
【0029】[比較例4]実施例1における加熱処理条
件を、温度180℃、時間60分間、90分間、240
分間に替えた以外は、実施例1と同様にして成形し加熱
処理を行なった。そして実施例1と同様に、GPC分
析、GC分析および画像評価を行ったところ分子量2×
104以上の領域は全て8.0%となり、4量体ないし1
0量体環状シロキサンの総量は、それぞれ800pp
m,600ppm,600ppmとなり、トナー融着、横
白スジが発生し、良好な画像は得られなかった。以上の
結果を以下の表1〜3に纏めて示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】 ただし、「×」はトナー凝集、融着、横白スジ等が発生
した良好でない画像を表わし、また、「○」はトナー凝
集、融着、横白スジ等の発生しなかった良好な画像を表
わす。
【0033】表1〜3から、80〜150℃の温度範囲
の加熱炉で90分間以上の加熱処理を施すことにより、
GPC分析値で分子量2×104以上の領域を6%以
下、また、GC分析値で2000ppm以下にすること
が可能となり、良好な画像を得ることのできることがわ
かる。
【0034】
【発明の効果】上記のように本発明によって、分子量2
×104以上の領域が6%以下であることを特徴とする
シリコーンゴム材料を用いて画像形成装置部材を成形
し、80〜150℃の加熱炉で90分以上加熱すること
により、感光ドラム汚染、トナー融着、横白スジの発生
しない良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置部材を用いた現像装置を
示す模式説明図。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 現像剤収容容器 3 現像ローラ 4 現像剤量規制ブレード 6 現像剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置部材を製造する方法におい
    て、シリコーンゴム材料を用い画像形成装置部材を成形
    後、加熱炉にて80ないし150℃の範囲で少なくも9
    0分間加熱し、成形品を有機溶剤により抽出したときの
    抽出液をゲルパーミェーションクロマトグラフィー(G
    PC)により測定した分子量分布において、分子量2×
    104以上の領域が6%以下であり、且つ、ガスクロマ
    トグラフィー(GC)分析による測定において、4量体
    ないし10量体環状シロキサンの総量が、2000pp
    m以下であるようにすることを特徴とする、画像形成装
    置部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 画像形成装置部材が、請求項1記載の製
    造方法により得られることを特徴とする画像形成装置部
    材。
  3. 【請求項3】 前記画像形成装置部材が、現像ローラま
    たは現像剤量規制部材であることを特徴とする、請求項
    2記載の画像形成装置部材。
JP2593098A 1998-02-06 1998-02-06 画像形成装置部材およびその製造方法 Pending JPH11223987A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014037983A1 (ja) * 2012-09-07 2014-03-13 キヤノン株式会社 現像部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
US8768227B2 (en) 2012-09-07 2014-07-01 Canon Kabushiki Kaisha Developing member including elastic member containing cured product of addition-curing silicone rubber mixture, processing cartridge including the developing member, and electrophotographic apparatus including the developing member

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US8768227B2 (en) 2012-09-07 2014-07-01 Canon Kabushiki Kaisha Developing member including elastic member containing cured product of addition-curing silicone rubber mixture, processing cartridge including the developing member, and electrophotographic apparatus including the developing member

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