JP4390091B2 - 電子写真用ゴム部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用ゴム部材に関し、特に、電子写真法において感光体や転写ベルトなど、トナー像が形成され且つその後当該トナー像を転写材に転写するトナー像担持体上のトナーを除去するクリーニングブレード、現像部に用いられる現像ブレード及び感光体を帯電させる帯電ブレードなどの電子写真用ゴム部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電子写真プロセスでは、電子写真感光体に対して、少なくとも帯電、露光、現像、転写およびクリーニングの各プロセスが実行される。かかる電子写真プロセスでは、トナーの逆帯電、感光体表面の凹凸や汚れ、転写器のエネルギー不足等により、感光体表面上のトナーをすべて転写材に移動させることはできず、感光体表面にトナーが残留する。この残留トナーは、次のサイクルの感光体の露光プロセスにて感光体の光放電を遮蔽するため、鮮明なコピー画像の形成を阻害するので、転写プロセス後のクリーニングプロセスは非常に重要なプロセスである。
【0003】
現在、主流となっているクリーニング方法は、クリーニングブレードを用いた方法であるが、かかるクリーニングブレードは、所定の力で感光体に押し付けて使用するので、ある程度の弾性が必要であり、また、使用環境による特性変化が小さいものが好ましい。
【0004】
そこで、従来、環境依存性を低減するために、ガラス転移温度(Tg)を低温側に下げるように処方していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにガラス転移温度を低温側に下げるためには分子構造的には側鎖のない直鎖状の構造にする必要があるが、このような材料を用いると歪み性が悪化するという問題がある。このように、従来、物性を維持しながらTgを低温側へ下げることには限界があり、現実的には、使用温度範囲の低温側でガラス転移に入ってしまい、温度依存性が大きくなって、低温環境下で電子写真用性が低下するという問題がある。
【0006】
一方、使用環境による特性の変化を考慮して、安全率を考慮した圧力で感光体に押しつけて使用すると、感光体の劣化が激しくなるという問題がある。
【0007】
また、感光体の帯電に用いられる帯電ブレード及び現像部に用いられる現像ブレードについても、同様な問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑み、環境が変化しても十分に安定したクリーニング特性、帯電特性又は現像特性が得られる電子写真用ゴム部材を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、画像形成装置に用いられてトナーを除去もしくは規制又は帯電や現像に用いられる電子写真用ゴム部材において、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール及びアジピン酸より合成されたポリオールと、ポリイソシアネートとから製造したポリウレタンで構成したゴム弾性体からなることを特徴とする電子写真用ゴム部材にある。
【0010】
本発明は、電子写真用ゴム部材を、主鎖にエチレン側鎖を導入した特定のポリウレタンからなるゴム弾性体で構成したことにより、Tgを使用温度範囲内に導入すると共にその半価幅を広くすることによって、温度依存性を小さくし、これにより環境が変化しても十分に安定したクリーニング特性、帯電特性又は現像特性が得られるようにしたものである。
【0011】
かかる特定ポリウレタンで構成したゴム弾性体の反発弾性は、好ましくは、極小値が0℃〜50℃の範囲にあり、且つ0℃〜50℃の極大値と前記極小値との差が45%以下、好ましくは35%以下である。
【0012】
また、前記ゴム弾性体の反発弾性は、好ましくは、0℃〜50℃の範囲で60%以下、好ましくは50%以下である。
【0013】
また、前記ゴム弾性体は、例えば、ブレード形状である。
【0014】
本発明は、上述した特定ポリウレタンを用いることによって、歪み特性を改善し、環境が変化しても十分に安定したクリーニング特性、帯電特性又は現像特性を得るものである。さらに、従来のポリウレタンと比較して耐加水分解性が向上するという効果を奏する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0016】
(実施例)
2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール及びアジピン酸を原料としたポリオール(ニッポラン5725:商品名:日本ポリウレタン工業社製)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと、1,4−ブタンジオール及びトリメチロ−ルプロパンとを用い、ゴム硬度70°になるように処方し、これを予め加熱した遠心成形ドラムに注入し、シート状成形物を作成した。これを熟成し、所定の寸法に切断し、このシートをホルダーに接着して、クリーニングブレードとした。
【0017】
(比較例)
ポリオールとしてカプロラクトンジオールを用いた以外は実施例と同様にしてクリーニングブレードを作成した。
【0018】
(試験例)
実施例及び比較例のクリーニングブレードについて、0、10、25,40、及び50℃にて反発弾性を測定し、温度依存性を調べた。この結果を図1に示す。
【0019】
この結果より、実施例のクリーニングブレードは、反発弾性の極小値が15℃〜20℃にあり、0℃〜50℃の極大である50℃の値との差が30%程度であり、また、0℃〜50℃の範囲において反発弾性が40%以下であり、反発弾性の温度依存性が少なく、使用温度範囲において良好な特性を有していることが分かった。
【0020】
これに対し、比較例のクリーニングブレードは0℃以下に極大値があり、40℃及び50℃では60%を越える反発弾性を有していた。
【0021】
また、実施例及び比較例のクリーニングブレードについて、加水分解試験を行った。ゴム硬度(Hs:JIS A)、反発弾性(Rb:25℃)、ヤング率(E25:25℃)及び100%永久伸び(100%PS)を、初期及び1週間毎に測定し、物性の経時変化を測定した。この結果をそれぞれ表1〜表4に示す。また、各物性について初期値(f0)から各週の値(f)の変化率(f/f0)を図2〜図5に示す。
【0022】
なお、加水分解試験は以下の通り行った。
試験条件:70℃飽和水蒸気中に、試験サンプルを放置
測定項目:硬度、反発弾性、ヤング率、及び100%永久伸び
測定方法:硬度 JIS K6301に従う
反発弾性 JIS K6301に従う
ヤング率 JIS K6254に従う
100%永久伸び JIS K6252に従う
測定頻度:試験サンプル設置後1週間毎にそれを取り出す
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
この結果より、何れの物性においても実施例のものは安定しており、また、耐加水分解性が優れることから圧縮永久ひずみにおいて大きな差があることが認められた。
【0028】
さらに、実施例及び比較例のクリーニングブレードについて、実機でクリーニング、帯電及び現像テストを実施したところ、実施例のものは、0℃及び40℃の何れの条件でも優れたクリーニング特性、帯電特性及び現像特性を有することが認められた。一方、比較例のものは0℃及び40℃においてクリーニング特性、帯電特性及び現像特性が十分でないことが認められた。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子写真用ゴム部材は、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール及びアジピン酸より合成されたポリオールと、ポリイソシアネートとから製造されるポリウレタンで構成したので、反発弾性の極小値が0℃〜50℃の範囲にあり当該範囲での極大値との差が45%以下であり、また、この使用範囲での反発弾性が60%以下であるので、例えば、0℃〜50℃の使用温度範囲で十分に安定したクリーニング特性、帯電特性及び現像特性を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例の電子写真用ブレードの反発弾性の温度依存性を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例及び比較例の電子写真用ブレードの加水分解試験におけるゴム硬度の経時変化を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例及び比較例の電子写真用ブレードの加水分解試験における反発弾性の経時変化を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例及び比較例の電子写真用ブレードの加水分解試験におけるヤング率の経時変化を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例及び比較例の電子写真用ブレードの加水分解試験における100%永久伸びの経時変化を示すグラフである。
Claims (4)
- 画像形成装置に用いられてトナーを除去もしくは規制又は帯電や現像に用いられる電子写真用ゴム部材において、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール及びアジピン酸より合成されたポリオールと、ポリイソシアネートとから製造したポリウレタンで構成したゴム弾性体からなることを特徴とする電子写真用ゴム部材。
- 請求項1において、前記ゴム弾性体の反発弾性は、極小値が0℃〜50℃の範囲にあり、且つ0℃〜50℃の極大値と前記極小値との差が45%以下であることを特徴とする電子写真用ゴム部材。
- 請求項1又は2において、前記ゴム弾性体の反発弾性は、0℃〜50℃の範囲で60%以下であることを特徴とする電子写真用ゴム部材。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記ゴム弾性体が、ブレード形状であることを特徴とする電子写真用ゴム部材。
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