JPH11223719A - 着色パターンの形成方法及びカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

着色パターンの形成方法及びカラーフィルタの製造方法

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JPH11223719A
JPH11223719A JP2727698A JP2727698A JPH11223719A JP H11223719 A JPH11223719 A JP H11223719A JP 2727698 A JP2727698 A JP 2727698A JP 2727698 A JP2727698 A JP 2727698A JP H11223719 A JPH11223719 A JP H11223719A
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color
coating film
colored coating
pixel
colored
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Application number
JP2727698A
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English (en)
Inventor
Hideki Hayashi
秀樹 林
Munehiro Hatai
宗宏 畠井
Shoichi Nakada
昌一 中田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色組成物を用いて、レーザー光照射法によ
り、基板上に複数の色相の画素をパターン状に形成する
カラーフィルタの製造方法において、画素の色純度が高
く、各画素の側部での光抜けなどのない色品質に優れた
カラーフィルタであって、液晶セル製造工程での歩留ま
りを向上させることができるカラーフィルタの製造方法
を提供すること。 【解決手段】 基板上の着色塗膜にレーザー光をパター
ン状に照射して、被照射部分を蒸散させることにより、
着色パターンを形成する方法において、レーザー光を、
所定の開口パターンを有するフォトマスクと結像レンズ
を介して、着色塗膜に照射し、その際、レーザー光の照
射エネルギー密度Eと結像レンズの真の結像位置と着色
塗膜表面との間のずれdを調整して、形成される各着色
パターンの断面端部の斜面の幅aが5μm以下の範囲と
なるようにする着色パターンの形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色パターンの形
成方法及びカラーフィルタの製造方法に関し、さらに詳
しくは、レーザー光照射法により着色塗膜から着色パタ
ーンを形成する方法、及び該レーザー光照射法により、
色相の異なる複数の画素(すなわち、着色パターン)が
形成されたカラーフィルタを製造する方法に関する。本
発明により得られるカラーフィルタは、カラー液晶表示
素子、カラーファクシミリ、カラービデオカメラなどに
装着して用いられる。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶表示素子などには、透明な基
板上に、色相の異なる2種以上の画素がパターン状に形
成されたカラーフィルタが装着されている。各画素の色
相としては、一般に、赤、青、緑の3原色が使用されて
いる。多くの場合、各画素間には、ブラックマトリクス
が形成されている。従来、カラーフィルタの製造方法と
して、染料を含む感光性樹脂組成物を基板に塗布し、フ
ォトマスクを介してパターン状に露光した後、水または
有機溶媒等の現像液で現像して、非露光部を除去するこ
とにより、画素を得る方法が提案されている(特開昭5
8−7608号公報)。この方法では、以上の工程を3
回繰り返すことにより、3原色の画素が形成されたカラ
ーフィルタを得ることができる。着色剤として、染料の
代わりに顔料を用いて、同様の工程によりカラーフィル
タを製造する方法も提案されている(特公平4−390
41号公報)。
【0003】これらの方法は、いずれも、着色感光性樹
脂組成物を用いて基板上に着色塗膜を形成し、フォトリ
ソグラフ法により、パターン状に露光した後、現像を行
う方法である。しかしながら、フォトリソグラフ法は、
所望の色数の画素を形成するのに複雑な工程を必要とす
ること、感光性樹脂が高価であること、各色相の着色塗
膜の感度や解像度の差により画素間に段差を生じ平坦性
が損なわれ易いこと、現像液の廃液処理が必要であるこ
と、画素中に現像液からの未溶解物やダストなどの混入
があることなどの多くの問題点があった。最近、本発明
者らは、基板上に形成した着色塗膜を、その画素となる
部分を残してレーザー光の照射により蒸散させて取り去
ることにより、カラーフィルタを製造する方法に想到し
た(特開平9−15415号公報)。
【0004】レーザー光照射法では、図1に模式的に示
すように、基板1上に第1色目の着色組成物からなる
着色塗膜2を形成し、次いで、レーザー光3を画素とな
る領域以外の部分にパターン状に照射して、被照射部分
を蒸散させることにより、第1色目の画素5を形成する
工程、第1色目の画素が形成された基板全面に第2色
目の着色組成物からなる着色塗膜6を形成し、次いで、
レーザー光を第2色目の画素となる領域以外の部分にパ
ターン状に照射して、被照射部分の塗膜を蒸散させるこ
とにより、第2色目の画素7を形成し、その際、レーザ
ー光の出力または照射パルス回数を調整して、第1色目
の画素5を残して、その上に被覆された第2色目の塗膜
6を蒸散させる工程、及び第1色目と第2色目の画素
が形成された基板全面に第3色目の着色組成物からなる
着色塗膜8を形成し、次いで、レーザー光を第3色目の
画素となる領域以外の部分にパターン状に照射して、被
照射部分の塗膜を蒸散させることにより、第3色目の画
素9を形成し、その際、レーザー光の出力または照射パ
ルス回数を調整して、第1色目と第2色目の画素5及び
7を残して、それらの上に被覆された第3色目の着色塗
膜8を蒸散させる工程を含む各工程により、少なくとも
3色の画素がパターン状に形成されたカラーフィルタを
製造する。
【0005】レーザー光をパターン状に照射する方法と
して、例えば、開口パターンを有するフォトマスク4を
介して、レーザー光を照射する方法がある。レーザー光
照射法によれば、感光性樹脂を使用する必要がなく、ま
た、現像工程を必要としないので、ドライプロセスによ
り品質の良いカラーフィルタを安価に製造することがで
きる。
【0006】ところが、レーザー光照射法によりパター
ン状に形成された各画素は、その断面形状を詳しく観察
すると、図2に示すように、台形となっていることが判
明した。すなわち、図2に示すように、基板上に着色塗
膜を形成し、フォトマスク24を介してレーザー光25
を照射することにより、被照射部分の塗膜を蒸散させ
て、着色パターンからなる画素を形成すると、基板21
上に形成された各画素22は、断面形状が台形状となっ
ており、その側面は、斜面23を形成している。以下、
図2に示す画素の断面端部の斜面の幅をaという。
【0007】図3に示すように、各画素32間の間隙を
ブラックマトリクス34で埋めてカラーフィルタを作製
した場合、画素32の斜面33の一部は、遮光性のブラ
ックマトリクス34と重なるが、ブラックマトリクス3
4と重ならない膜厚の薄い部分(幅b)が形成される。
ブラックマトリクスと重ならない画素の上部に斜面部分
33が存在すると、画素側部で光抜けが発生するなどし
て、画素の色純度が低くなり、カラーフィルタの色品質
が低下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、レーザ
ー光照射法に関する前記従来技術の問題点を克服するた
めに鋭意研究を行なったところ、図4に示すように、フ
ォトマスク43を通過したレーザー光44をレンズによ
り着色塗膜表面に結像する際に、レンズのピント(真の
結像位置)がずれると、フォトマスクの陰となるべき部
分に、回折によってレーザー光が回り込んでしまうこ
と、そして、レーザー光の照射エネルギー密度が高い
と、フォトマスクの開口部の光に比べて十分に弱い回折
光によっても、着色塗膜の蒸散を引き起こすため、画素
の側部に斜面が形成されることを突き止めた。なお、4
2は、画素である。
【0009】すなわち、図4(1)に示すように、レン
ズのピントずれが大で、照射エネルギー密度が高いと、
断面端部の斜面の幅a1が大きくなる。図4(2)に示
すように、レンズのピントずれが大で、照射エネルギー
密度が低いと、断面端部の斜面の幅a2がやや小さくな
る。図4(3)に示すように、レンズのピントずれが小
で、照射エネルギー密度が高いと、断面端部の斜面の幅
3が小さくなる。図4(4)に示すように、レンズの
ピントずれが小で、照射エネルギー密度が低いと、断面
端部の斜面の幅a4がかなり小さくなる。そこで、レー
ザー光の照射条件を調整することにより、形成される画
素の断面を矩形に近付けることが可能となることを見い
だしたのである。
【0010】本発明の目的は、着色組成物を用いて、レ
ーザー光照射法により、基板上に複数の色相の画素をパ
ターン状に形成するカラーフィルタの製造方法におい
て、画素の色純度が高く、各画素の側部での光抜けなど
のない色品質に優れたカラーフィルタの製造方法を提供
することにある。また、本発明の目的は、色品質に優れ
ると共に、後工程である液晶セル製造工程での歩留まり
を向上させることができるカラーフィルタの製造方法を
提供することにある。本発明の他の目的は、レーザー光
照射法により、色品質に優れた画素などの着色パターン
を形成するための新規な方法を提供することにある。
【0011】本発明者らは、これらの目的を達成するた
めに鋭意研究を積み重ねた結果、着色塗膜へのレーザー
光の照射により形成される各画素(着色パターン)の形
状、特に断面端部の斜面の幅aを特定の範囲内に調整す
ることにより、色品質に優れたカラーフィルタの得られ
ることを見いだした。そして、このような画素(着色パ
ターン)の形状は、レーザー光照射条件を好適な範囲に
制御することにより、形成できることを見いだした。本
発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基板上
の着色塗膜にレーザー光をパターン状に照射して、被照
射部分を蒸散させることにより、着色パターンを形成す
る方法において、(1)レーザー光を、所定の開口パタ
ーンを有するフォトマスクと結像レンズを介して、着色
塗膜に照射し、その際、(2)レーザー光の照射エネル
ギー密度Eが、式(I) E0≦E≦10E0 (I) (ただし、E0は、着色塗膜が蒸散される最低エネルギ
ー密度である。)で示される関係を満足するように調整
し、かつ、(3)結像レンズの真の結像位置と着色塗膜
表面との間のずれdが、式(II) |d|≦50μm (II) で示される関係を満足するように、結像レンズと着色塗
膜との間の距離を調整して、(4)形成される各着色パ
ターンの断面端部の斜面の幅aが、式(III) a≦5μm (III) で示される関係を満足するように調整することを特徴と
する着色パターンの形成方法が提供される。
【0013】また、本発明によれば、(i)基板上に第
1色目の着色組成物からなる着色塗膜を形成し、次い
で、レーザー光をパターン状に照射して、被照射部分の
着色塗膜を蒸散させることにより、第1色目の画素を形
成する工程、(ii)第1色目の画素上を含む基板上
に、第2色目の着色組成物からなる着色塗膜を形成し、
次いで、レーザー光をパターン状に照射して、被照射部
分の着色塗膜を蒸散させることにより、第2色目の画素
を形成し、その際、レーザー光の出力または照射パルス
回数を調整して、第1色目の画素を残して、その上に被
覆されている第2色目の着色塗膜を蒸散させる工程、及
び(iii)必要に応じて、前記工程(ii)と同様の
工程により、第3色目以降の必要色数の画素を形成する
工程の各工程を含むカラーフィルタの製造方法におい
て、(1)レーザー光を、所定の開口パターンを有する
フォトマスクと結像レンズを介して、着色塗膜に照射
し、その際、(2)レーザー光の照射エネルギー密度E
が、式(I) E0≦E≦10E0 (I) (ただし、E0は、着色塗膜が蒸散される最低エネルギ
ー密度である。)で示される関係を満足するように調整
し、かつ、(3)結像レンズの真の結像位置と着色塗膜
表面との間のずれdが、式(II) |d|≦50μm (II) で示される関係を満足するように、結像レンズと着色塗
膜との間の距離を調整して、(4)形成される各画素の
断面端部の斜面の幅aが、式(III) a≦5μm (III) で示される関係を満足するように調整することを特徴と
するカラーフィルタの製造方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の態様】<カラーフィルタ用着色組成物>
本発明では、各色相の着色塗膜と画素を形成するため
に、少なくとも着色剤、バインダー、及び溶媒を含有す
る着色組成物を用いる。ここで、着色剤とは、染料また
は顔料であり、バインダー中で発色し、所定の色特性を
発現する物質である。ここで用いる染料は、溶媒中に溶
解ないしは分散し、所定の色を発現する物質である。本
発明で使用する染料は、特に限定されないが、油溶性染
料及び酸性染料が好ましい。所望の色に調整するため
に、複数の染料をブレンドすることもある。それによ
り、赤、緑、青の3原色を得る。以下に、カラーフィル
タ用途として、耐候性の高い染料を例示する。表示は、
色指数(Color Index)で行なっている。
【0015】酸性染料の例として、C.I.Acid
Red 18、C.I.AcidRed 151;C.
I.Acid Yellow 38;C.I.Acid
Green 25;C.I.Acid Blue 9、
C.I.Acid Blue 40、C.I.Acid
Blue 129;C.I.Acid Violet
17、C.I.Acid Violet 49;等が
ある。
【0016】油溶性の染料の例として、C.I.Sol
vent Red 7、C.I.Solvent Re
d 8、C.I.Solvent Red 35、C.
I.Solvent Red 46、C.I.Solv
ent Red 68、C.I.Solvent Re
d 83、C.I.Solvent Red 89、
C.I.Solvent Red 90、C.I.So
lvent Red 91、C.I.Solvent
Red 92、C.I.Solvent Red10
9、C.I.Solvent Red 111、C.
I.SolventRed 118、C.I.Solv
ent Red 119、C.I.Solvent R
ed 122、C.I.Solvent Red 12
5、C.I.Solvent Red 127、C.
I.Solvent Red 130、C.I.Sol
vent Red 132、C.I.Solvent
Red138、C.I.Solvent Red 16
0、C.I.SolventRed 207、C.I.
Solvent Red 218、C.I.Solve
nt Red 230;C.I.Solvent Or
ange 11、C.I.Solvent Orang
e 23、C.I.Solvent Orange 3
7、C.I.Solvent Orange 59、
C.I.Solvent Orange 62、C.
I.Solvent Orange 99;C.I.S
olvent Yellow 19、C.I.Solv
ent Yellow 21、C.I.Solvent
Yellow 25、C.I.Solvent Ye
llow 33、C.I.Solvent Yello
w 42、C.I.Solvent Yellow 5
6、C.I.SolventYellow 62、C.
I.Solvent Yellow 63、C.I.S
olvent Yellow 77、C.I.Solv
ent Yellow79、C.I.Solvent
Yellow 82、C.I.SolventYell
ow 83、C.I.Solvent Yellow
89、C.I.Solvent Yellow 93、
C.I.Solvent Yellow104、C.
I.Solvent Yellow 105、C.I.
Solvent Yellow 114、C.I.So
lvent Yellow 129、C.I.Solv
ent Yellow 130、C.I.Solven
tYellow 138、C.I.Solvent Y
ellow 146、C.I.Solvent Yel
low 162、C.I.Solvent Yello
w 163;C.I.Solvent Green
3、C.I.Solvent Green 25;C.
I.Solvent Blue 4、C.I.Solv
ent Blue 5、C.I.Solvent Bl
ue 14、C.I.Solvent Blue 2
5、C.I.Solvent Blue35、C.I.
Solvent Blue 37、C.I.Solve
nt Blue 38、C.I.Solvent Bl
ue 44、C.I.Solvent Blue 4
5、C.I.Solvent Blue 48、C.
I.Solvent Blue 49、C.I.Sol
vent Blue 67、C.I.Solvent
Blue 68、C.I.Solvent Blue7
0、C.I.Solvent Blue 78、C.
I.Solvent Blue 94;C.I.Sol
vent Violet 13、C.I.Solven
t Violet 14、C.I.Solvent V
iolet 23、C.I.Solvent Viol
et 24、C.I.Solvent Violet
33、C.I.Solvent Violet 45、
C.I.Solvent Violet 46;等があ
る。
【0017】着色剤として、顔料を用いることができ
る。顔料は、溶媒中に粒子の形で分散しており、所定の
色を発現する物質である。顔料は、通常、分散剤を用い
て溶媒中に分散する。顔料としては、有機顔料では、ア
ゾレーキ系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニ
ン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリ
ノン系、アントラキノン系、ペリノン系、チオインジコ
系、ペリレン系、カーボンがあり、無機顔料としては、
鉄黒、酸化チタン、ミロリブルー、酸化鉄、コバルト
紫、マンガン紫、群青、紺青、コバルトブルー、セルリ
アンブルー、ビリジアンなどがある。これらの顔料は、
それぞれ単独で、あるいは調色のために2種以上を組み
合わせて使用することができる。顔料としては、表面処
理をして分散性を向上させた修飾顔料も使用することが
できる。各色の好適な顔料としては、青ではフタロシア
ニンブルー、赤ではクロモフタルレッド、緑ではフタロ
シアニングリーン、紫ではジオキサジンヴァイオレッ
ト、黄色ではジスアゾイエローなどが挙げられる。
【0018】分散剤は、通常、顔料に対して吸着作用を
有し、溶媒に可溶なものが用いられる。分散剤として
は、界面活性剤がよく使用される。界面活性剤には、イ
オン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤があり、イオ
ン性界面活性剤には、カチオン性界面活性剤、アニオン
性界面活性剤、及び両性界面活性剤がある。カチオン性
界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン類、第4ア
ンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩類等がある。ア
ニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩類、硫
酸エステル類、スルホン酸塩類、燐酸エステル類等があ
る。両性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエ
チレンソルビタンアルキルエステル類等がある。
【0019】また、分散剤として、界面活性剤以外に、
市販されている顔料分散用の樹脂分散剤も使用すること
ができる。樹脂分散剤としては、水または溶媒に可溶性
のものが好ましく、その具体例としては、ブチラール樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ア
クリル系樹脂(アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなど
の重合体または共重合体)、ポリアクリルアミド、アル
キド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、イソシアネート、マレイン樹脂、ポ
リエステル樹脂等がある。
【0020】分散剤としては、界面活性剤と顔料分散用
の樹脂の併用も可能である。界面活性剤及び顔料分散用
の樹脂のどちらか一方で分散を行ない、残りの一方を顔
料を分散した後、添加することも可能である。バインダ
ーとしては、着色剤と親和性があり、耐熱性、耐光性、
基板への密着性が良好な樹脂であることが好ましく、具
体例としては、前述の樹脂分散剤に挙げた樹脂が使用で
きる。また、耐熱性に優れた樹脂として、ポリイミド、
芳香族ポリアミド、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0021】溶媒としては、通常の塗料に用いられてい
る各種溶媒が使用できる。この例としては、水、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、キシレン、トルエン、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジグライム、乳酸エステ
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブアセテート、クロロホルム、塩化メチレン、N,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、シクロヘキサノン、2−メトキシエタノール、メト
キシプロピルアセテート、酢酸イソブチル、2−ブトキ
シエタノール等が挙げられる。これらの溶媒は、それぞ
れ単独で、あるいは必要に応じて、2種以上を組み合わ
せて使用することができる。本発明の着色組成物には、
これらの他に発色剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、熱重合
禁止剤、塗膜性改質剤等を必要に応じて添加することが
できる。
【0022】着色組成物を作製する場合、攪拌機、ある
いはサンドミルやホモジナイザー等の分散機を用いて、
各成分を溶解ないしは分散させる。上記各成分の組成比
は、着色剤が0.01〜50重量%、バインダーが0.
01〜60重量%であり、着色剤:バインダーの固形分
比が0.1〜10である。着色剤濃度が低すぎると、カ
ラーフィルタとして必要な色特性が得られない。また、
着色剤濃度が高すぎると、塗膜の表面状態が悪化し、カ
ラーフィルタとして適当な透明性のある塗膜が得られな
い。好適な濃度は、着色剤が2〜10重量%、バインダ
ーが2〜10重量%である。残余は、溶媒及びその他の
配合剤である。なお、後述するように、レーザー光の照
射エネルギー密度とレンズによるピント調節により、画
素の断面形状を矩形に近付けすぎた場合に必要となるオ
ーバーコート材としては、通常、光硬化後に透明性の良
好なアクリル系樹脂が用いられる。
【0023】<カラーフィルタの製造方法>本発明のカ
ラーフィルタの製造方法は、代表的には、図1に示すよ
うな工程を含む。レーザー光照射法では、カラーフィル
タ用着色組成物を基板上に塗布し、乾燥させて硬化して
着色塗膜を形成する。着色塗膜の上から、レーザー光を
パターン状に照射して、画素となる領域以外の部分の着
色塗膜を蒸散させることにより、パターン状の画素(あ
るいは着色パターン)を形成する。
【0024】カラーフィルタは、基板上に少なくとも2
色の画素が形成されたものである。基板としては、ガラ
ス基板、プラスチック基板、フィルム基板、セラミック
ス基板、金属基板等を使用することができる。多くの場
合、ガラスやプラスチック製の透明な基板が用いられ
る。基板としては、予めその上にブラックマトリクスが
形成されているものも使用できる。ブラックマトリクス
とは、各画素の隙間を遮光性物質で埋め、または被覆
し、カラーフィルタのコントラストを向上させる役割を
果たすものである。ブラックマトリクスの材質として
は、例えば、クロムや酸化クロムの薄膜、あるいはカー
ボンブラック、黒鉛などの遮光性物質を混入した樹脂組
成物等がある。ブラックマトリクスは、画素を形成した
後に作製することも可能である。
【0025】(i)第1色目の画素を形成する工程 本発明では、第1工程として、基板1上に、第1色目の
着色組成物からなる塗膜2を形成し、次いで、レーザー
光3を第1色目の画素となる領域以外の部分に照射し
て、被照射部分の塗膜を蒸散させることにより、第1色
目の画素5を形成する。塗膜の形成には、前記の着色組
成物を用いる。塗膜形成方法としては、スピンコート
法、ロールコート法、ディッピング法等がある。画素を
形成する塗膜の厚さは、0.5〜3μm程度である。
【0026】使用するレーザーは、エキシマレーザー、
YAGレーザー、半導体レーザー、CO2レーザー、ア
ルゴンガスレーザー等があるが、画像形成の解像性が求
められることから、使用するレーザーの波長は、通常、
500nm以下、好ましくは400nm以下が望まし
い。このためには、波長が紫外線領域にあるエキシマレ
ーザーが好ましい。しかし、他のレーザーでも、非線形
光学素子を用いて波長変換したものを使用することがで
きる。
【0027】レーザー光を照射する際、レーザー光の出
力及び照射パルス回数を調整して、第1色目の塗膜の被
照射部分のみを蒸散させる。レーザー光のエネルギー密
度が大きすぎると、被照射部分の塗膜だけではなく、下
の基板まで蒸散してしまうので好ましくない。レーザー
光による塗膜の蒸散を制御するには、レーザー光がパル
ス光であることが好ましい。パルス光であれば、ショッ
ト数を制御することにより、塗膜の深さ方向の加工制御
が容易である。形成される画素の大きさは、必要に応じ
て適宜定めることができるが、通常、約100×300
μm程度であり、画素間隔は、通常、約30μmであ
る。
【0028】レーザー光を照射して、画素を形成するの
に2つの方法がある。一つは、フォトマスクを介して、
面露光により、ある領域にフォトマスクのパターン形状
通り、あるいは縮小光学系によりフォトマスクのパター
ンを縮小したパターン形状でレーザー光を照射し、被照
射部分を蒸散させる。XYステージ等により基板を移動
させ、別の領域にレーザー光を照射する。この工程を繰
り返すことにより、基板の全面にパターン状の画素を形
成する。
【0029】別の方法としては、レーザー光を小さく絞
り込んで走査することにより、パターン状の画素を形成
する方法がある。レーザーとしてエキシマレーザーを用
いる場合には、その面光源性を活かすため、フォトマス
クを用いる方法の方が、全体の加工時間が短くなり好ま
しい。フォトマスクとしては、金属板に穴開け加工した
ものや、石英ガラス上に誘電体多層膜をパターン状に装
荷したものを用いることができる。
【0030】図1(A)に示すように、基板1上に着色
組成物からなる塗膜2を形成し、次いで、図1(B)に
示すように、パターンが形成されたフォトマスク4を介
してレーザー光3を照射し、被照射部分の塗膜を蒸散さ
せることにより、図1(C)に示すように、第1色目の
画素5を形成する。
【0031】(ii)第2色目の画素を形成する工程 第1色目の画素が形成された基板上に、第1色目の画素
を被覆するようにして第2色目の着色組成物からなる塗
膜を形成し、次いで、レーザー光を第2色目の画素とな
る領域以外の部分に照射して、被照射部分の塗膜を蒸散
させることにより、第2色目の画素を形成し、その際、
レーザー光の出力または照射パルス回数を調整して、第
1色目の画素を残して、その上に被覆された第2色目の
塗膜を蒸散させる。
【0032】図1(D)に示すように、第1色目の画素
5が形成された基板の全面に、第2色目の着色組成物か
らなる塗膜6を形成する。塗膜6は、第1色目の画素5
の上にも被覆される。図1(E)に示すように、フォト
マスク4を介してレーザー光3を照射することにより、
第2色目の画素7を形成する。その際、図1(F)に示
すように、レーザー光の出力または照射パルス回数を調
整して、第1色目の画素5を残して、その上に被覆され
た第2色目の塗膜を蒸散させる。このようにして、基板
1上に、第1色目の画素5および第2色目の画素7を形
成する。
【0033】(iii)第3色目以降の画素を形成する
工程 必要に応じて、前記工程(ii)と同様の工程により、
第3色目以降の必要色数の画素を形成する。図1(G)
に示すように、第1色目の画素5および第2色目の画素
7が形成された基板の全面に、第3色目の着色組成物か
らなる塗膜8を形成する。塗膜8は、第1色目の画素5
および第2色目の画素7の上にも被覆される。図1
(H)に示すように、フォトマスク4を介してレーザー
光3を照射することにより、第3色目の画素9を形成す
る。その際、図1(I)に示すように、レーザー光の出
力または照射パルス回数を調整して、第1色目の画素5
および第2色目の画素7を残して、その上に被覆された
第3色目の塗膜を蒸散させる。
【0034】このようにして、基板1上に、3色の画素
5、7、及び9が形成されたカラーフィルタを得ること
ができる。必要があれば、第4色目以降の画素を同様の
方法で形成することができる。各画素間には、ブラック
マトリクスを設けることができる。ブラックマトリクス
は、レーザー光照射法により形成してもよい。この場
合、黒色の着色組成物を使用する。
【0035】本発明では、各工程において、画素を形成
する際に、レーザー光を、所定の開口パターンを有する
フォトマスクと結像レンズを介して、着色塗膜に照射
し、その際、レーザー光の照射エネルギー密度Eが、式
(I) E0≦E≦10E0 (I) (ただし、E0は、着色塗膜が蒸散される最低エネルギ
ー密度である。)で示される関係を満足するように調整
し、かつ、結像レンズの真の結像位置と着色塗膜表面と
の間のずれdが、式(II) |d|≦50μm (II) で示される関係を満足するように、結像レンズと着色塗
膜との間の距離を調整する。それによって、形成される
各画素(着色パターン)の断面端部の斜面の幅aが、式
(III) a≦5μm (III) で示される関係、好ましくは 1μm≦a≦5μm (III′) で示される関係を満足するように調整する。
【0036】レーザー光の照射エネルギー密度Eは、式
(I′) E0≦E≦5E0 (I′) で示される関係を満足するように調整することがより望
ましい。レーザー光の照射エネルギー密度は、レーザー
発振機の投入電圧により制御するか、光学系にレーザー
光の光量を調節する可変ミラーを挿入して制御すること
ができる。
【0037】ここでE0は、予め別の基板に各色相の着
色塗膜を形成して、測定しておく。より具体的には、照
射するレーザー光のエネルギー密度を低い方から高い方
に変えて行き、塗膜が蒸散を開始するときの照射エネル
ギー密度を測定し、その照射エネルギー密度をE0とす
る。照射エネルギー密度EがE0未満であると、塗膜が
蒸散を起こさず、加工できない。レーザー光の波長に対
する吸収が大きい材料は、E0が小さく、吸収が小さい
材料は、E0が大きくなる傾向にある。着色塗膜におい
て、バインダーのレーザー波長における吸収が小さくて
も、レーザー波長に吸収のある顔料や染料を含有させる
ことにより、E0の値を小さくすることが可能である。
通常のアクリル系のバインダーに有機顔料を分散させた
着色塗膜を分散させた着色塗膜を用いた場合、E0の値
は、50〜200mJ/cm2である。レーザー光のエ
ネルギー密度は、市販のパワーメーターにより測定する
ことができる。レーザー光の照射エネルギー密度Eが高
すぎると、着色塗膜のみならず、下層の基板をも蒸散し
たり、あるいは回折により、画素の側部に大きな斜面を
形成し易く、断面端部の斜面の幅aが大きくなる。
【0038】次に、式(II)の条件について説明す
る。本発明におけるレーザー加工機の光学系の概略図を
図5に示す。レーザー光51は、フォトマスク52の開
口部53を通過し、リレーレンズ54、ミラー55、及
び結像レンズ56により、着色塗膜58の表面に結像さ
れる。この場合の縮小倍率は、1〜10倍程度、好まし
くは3〜10倍程度である。結像条件の時、すなわち、
結像レンズ56の真の結像位置59が着色塗膜58の表
面にある時、物理的には加工パターン(画素)の側部の
斜面は、最小になる。純数学的には、レーザー光の強度
分布は、ステップ関数的になる。結像レンズ56と着色
塗膜58との距離が、結像条件からわずかでもずれる
と、レーザー光の強度分布は、ステップ関数にはなら
ず、図4に点線で示すように、フォトマスク43の開口
部の回折像を着色塗膜の表面に結像してしまう。
【0039】ここで、結像レンズの真の結像位置と着色
塗膜表面との間のずれdは、図5に示したとおりであ
る。結像レンズの真の結像位置と着色塗膜表面との間の
ずれdは、好ましくは式(II′) 5μm≦|d|≦30μm (II′) で示される関係を満足するように調整する。
【0040】式(I)と式(II)の条件を組み合わせ
て、適当な幅aの斜面を得るのが本発明の目的である
が、それを図4を用いて説明する。これまでの説明で分
かるように、斜面の幅aは、回折光のピーク強度を示す
位置と回折光がE0 になる位置との距離である。したが
って、図4(1)のようにピントずれが大きく、かつ高
パワーで加工すると、斜面の幅aは大きくなりすぎ、画
素周辺の色品質が低下してしまう。また、図4(4)の
ようにピントをしっかり合わせ、かつ低パワーで加工す
ると、パターンの断面形状が矩形に近付きすぎて、カラ
ーフィルタの上に透明電極や配向膜を形成する際に、段
切れを起こし易くなるので、この場合は、画素表面を適
宜のオーバーコート材で覆う必要が生じる。したがっ
て、好ましいのは、式(I)と式(II)の条件を併せ
て、図4(2)及び(3)のような加工をすることであ
る。すなわち、図2に示すように、画素は、その断面が
台形状に加工されるが、その斜面の幅をaとすると、カ
ラー液晶表示素子を歩留まり良く製造する際は、aが1
〜5μmの範囲となるように加工するのが好ましく、更
に好ましくは2〜4μmの範囲である。但し、画素表面
をオーバーコート材で被覆する場合は、上記|d|が5
μm未満であっても、その結果としてaが1μm未満と
なっても構わない。
【0041】<作用>本発明では、画素を形成するとき
に適正なレーザー光の照射条件により着色塗膜の蒸散を
行なうので、色品質を低下させるような台形状の画素の
形成が抑制される。したがって、断面が台形状の画素の
側部斜面からの光抜けによるカラーフィルタの色品質の
低下を押さえることが可能となる。更に、光学系の調整
と相俟って画素の断面端部の斜面幅を極小にすることが
できる。したがって、本発明では、高品質のカラー液晶
表示素子を製造することができる。また、各着色パター
ンの断面端部の斜面幅aまたは各画素の断面端部の斜面
幅aが1μm以上の場合は、画素エッジ部による透明電
極や配向膜の段切れを防止することができ、高品質のカ
ラー液晶表示素子を歩留まり良く製造することができ
る。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0043】(実施例1) <着色組成物の作製>最初に、R、G、B、及びブラッ
クの着色組成物を作製する。ここでRGBとは、カラー
フィルタの画素における3原色で、R、G、Bは、各々
赤、緑、青である。ブラックは、ブラックマトリクス用
の着色組成物である。R、G、Bの着色組成物を作製す
るために、赤、緑、青の3色に加えて、色調整用として
黄色、紫の2色の顔料を分散する。ブラックの着色組成
物は、黒と青の2色を調色して作製する。着色組成物の
配合組成として、 顔料:15重量% ポリビニルアルコール〔ゴーセノールKP08、日本
合成化学工業(株)製〕:3重量% ノニオン系界面活性剤〔ノイゲンEA170、第一工
業製薬(株)製〕:3重量% 水:79重量% ここで各色における顔料は、 赤:クロモフタールレッド 緑:フタロシアニングリーン 青:フタロシアニンブルー 黄:ジスアゾイエロー 紫:ジオキサジンヴァイオレット 黒:カーボンブラック であり、これをサンドミルにより分散した。色調整とし
て以下の組成比(重量比)で混合し、それぞれRGBと
ブラックの着色組成物を得た。 (R)赤:黄色=85:15 (G)緑:黄色=61:39 (B)青:紫=78:22 (ブラック)黒:青=48:52
【0044】<カラーフィルタの製造方法>レーザー照
射装置として、MPB社のPSX−100(波長:24
8nm)を用いて、各着色塗膜の蒸散されるレーザー光
の最低エネルギー密度E0を以下のようにして求めた。
着色塗膜は、無アルカリガラス基板に、上記着色組成物
をスピンコーターにより塗布し、これを70℃のホット
プレートの上に3分間置き、乾燥させて作製した。レー
ザーへの投入電圧を変えることにより、レーザー光の照
射エネルギー密度を10〜200mJ/cm2の範囲で
変えて着色塗膜に照射し、照射した部分の表面形状を触
針式表面粗さ計(DEKTAK II A、SLOAN
社製)により測定することにより、着色塗膜が蒸散され
る最低のレーザー光の照射エネルギー密度E0を求め
た。レーザー光の照射エネルギー密度は、エキシマレー
ザ用パワーメーター(3A−P、OPHIR社製)によ
り測定した。この結果、R、G、B、及びブラックマト
リクス用ブラックのE0は、すべて90mJ/cm2であ
った。従って、本発明に適合するレーザー光の照射エネ
ルギー密度Eは、90mJ/cm2≦E≦900mJ/
cm2、好ましくは90mJ/cm2≦E≦450mJ/
cm2である。
【0045】次に、光学系(フォトマスクのパターンを
10分の1に縮小投影する光学系)の調整を行なった。
マイクロメーターで結像レンズを移動させて、結像レン
ズ−着色塗膜間の距離を変化させながら、レーザー光の
照射エネルギー密度を200mJ/cm2で固定して照
射した。加工された着色パターンの断面形状をレーザー
顕微鏡(1LM21、レーザテック社製)により測定
し、着色パターン端部の斜面の幅a(図2参照)が最小
となる位置を結像位置とした。本実施例では、レーザー
光のエネルギー密度を200mJ/cm2、結像レンズ
を結像条件(真の結像位置)より10μmだけ着色塗膜
から遠ざけるという条件で着色塗膜を加工した。
【0046】まず、Rの着色塗膜を10cm角ガラス基
板にスピンコートし、これを70℃のホットプレートの
上に3分間置き、乾燥することによって作製した。塗膜
の膜厚は0.8μmであった。得られたRの着色塗膜を
レーザーにより加工して、Rの着色画素を形成した。こ
のときレーザー光の照射エネルギー密度は200mJ/
cm2であり、予めこのエネルギー密度ではパルス当た
り0.05μm蒸散することを測定してあるので、この
領域には16ショットのレーザーパルスを照射すればよ
い。そこで、レーザー光をフォトマスクを介し着色塗膜
に16ショット照射したら、次の領域にXYステージで
移動させ、そこで16ショット照射するという工程を繰
り返し、基板全体に大きさ100×300μmのRの画
素を形成した。最後に重ね塗りの際の混色防止のため
に、塗膜をホトプレート上で180℃で20分間ベーク
し、硬化させた。レーザー顕微鏡により、Rの画素の断
面形状を短辺方向に測定したところ、斜面の幅aは3μ
mであった。
【0047】次に、このRの画素の上からGの着色組成
物を塗布し、同様に乾燥し、膜厚が0.8μmの塗膜を
形成した。予めGの塗膜の200mJ/cm2における
パルス当たりの蒸散深さは0.05μmであることを測
定しているので、被照射部分のGの塗膜だけを蒸散させ
るためには、レーザー光のパルスを16ショット照射す
ればよいことが分かった。このようにしてレーザー光を
Rと同様にフォトマスクを介し、16ショット照射した
ら、次の領域にXYステージで移動させ、そこで16シ
ョット照射するという工程を繰り返し、基板全体に大き
さ100×300μmのGの画素を形成した。混色防止
のベークも同じ条件で行なった。Gの画素の断面形状を
短辺方向に測定したところ、斜面の幅aは3μmであっ
た。
【0048】次に、Bの画素をGと同様にして形成し
た。Bの塗膜の厚みは0.8μmであり、予めBの塗膜
は200mJ/cm2においてはパルス当たり0.05
μmで蒸散することを測定しているので、Bの塗膜だけ
を蒸散させるためには、レーザー光のパルスを16ショ
ット照射すればよいことが分かった。このようにしてレ
ーザー光をGと同様にフォトマスクを介し、16ショッ
ト照射したら、次の領域にXYステージで移動させ、そ
こで16ショット照射する、という工程を繰り返し、基
板全体にBの100×300μmの画素を形成した。混
色防止のベークも同じ条件で行なった。Bの画素の断面
形状を短辺方向に測定したところ、斜面の幅aは3μm
であった。
【0049】最後に、ブラックマトリクス用ブラックの
塗膜をR、G、Bの画素の上から塗布したところ、1.
0μmであり、予めブラックの塗膜は200mJ/cm
2においてはパルス当たり0.05μmで蒸散すること
を測定しているので、ブラックだけを蒸散させるために
は、レーザー光のパルスを20ショット照射すればよい
ことが分かった。ブラックマトリクスを形成させるため
にRGBと異なるフォトマスクを使用しR、G、Bの画
素の周囲に30μmの幅の格子状の画素を形成させた。
このようにしてR、G、B、及びブラックマトリクスの
画素を得、カラーフィルタを製造した。上記のようにし
て作製されたカラーフィルタの表面形状を測定したとこ
ろ、RGBの各画素の全てにおいて、斜面の幅aは、2
ないし4μmであることが分かった。またRGBの画素
を光学顕微鏡により観察したところ、蒸散による画素の
色品質の低下は無いことが分かった。
【0050】 (実施例2) <着色組成物の作製> レッド(R) ソルベント・レッド132 6重量% ソルベント・イエロー89 7重量% ポリアミック酸(ピロメリット酸二無水物とオキシジアニリンを反応させたも の) 17重量% 1−メチル−2−ピロリドン(通称NMP) 40重量% ジエチレングリコールジメチルエーテル(通称ジグライム) 30重量% グリーン(G) ソルベント・ブルー38 10重量% ソルベント・イエロー146 8重量% ポリアミック酸(ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と4−アミノフェ ニルスルホンを反応させたもの) 16重量% 1−メチル−2−ピロリドン 37重量% ジエチレングリコールジメチルエーテル 29重量% ブルー(B) ソルベント・ブルー38 2重量% ソルベント・ブルー49 6重量% ポリアミック酸(ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と4−アミノフェ ニルスルホンを反応させたもの) 14重量% 1−メチル−2−ピロリドン 32重量% ジエチレングリコールジメチルエーテル 46重量% 上記混合物を数時間攪拌することによって溶解させた。
溶解しない材料はフィルタに通して除去した。なお、ブ
ラックの着色組成物は、実施例1と同じものを用いた。
【0051】<カラーフィルタの製造方法>本実施例で
は、レーザー光の照射エネルギー密度を200mJ/c
2、結像レンズを結像条件より10μmだけ着色塗膜
に近付けるという条件で着色塗膜を加工した。RGBの
着色組成物による塗膜形成方法は、以下の通りである。
ガラス基板にスピンコートした後、80℃・5分のベー
クを行ない、塗膜を乾燥させた。レーザー光による加工
が終わったら、230℃で1時間のベークを行ない、塗
膜をイミド化した。製造方法は、実施例1におけるもの
と、結像レンズと着色塗膜との距離を除いて、同じ条件
で各色相の画素及びブラックマトリクスを作製した。
【0052】本実施例では、レーザー光の照射エネルギ
ー密度200mJ/cm2におけるパルス当たりの蒸散
する深さは、R、G、Bの全ての着色塗膜において0.
04μmであることが測定により分かった。ガラス基板
上のRGB各着色塗膜をすべて0.8μmに、ブラック
を1μmに塗布したので、これらを蒸散させるため、
R、G、B、ブラックにおいて、それぞれ20ショット
ずつ照射した。上記のようにして作製されたカラーフィ
ルタの表面形状を測定したところ、RGBの各画素の全
てにおいて、斜面の幅aは、2ないし4μmであること
が分かった。またRGBの画素を光学顕微鏡により観察
したところ蒸散による画素の色品質の低下は無いことが
分かった。
【0053】(比較例1) <着色組成物の作製>実施例1におけるものと同じ各着
色組成物を用いた。 <カラーフィルタの製造方法>製造方法は、実施例1に
おけるものとレーザー光の強度を除いて、同じ条件で各
色相の画素及びブラックマトリクスを作製した。比較例
1では、レーザー光の照射エネルギー密度を10E0
上の2200mJ/cm2に調整して着色塗膜に照射し
た。このときパルス当たりの蒸散する深さは、R、G、
B、及びブラックマトリクス用ブラックのすべての着色
塗膜において、0.2μmであることが測定により分か
ったので、各着色塗膜を蒸散させるために、R、G、B
において4ショット、ブラックマトリクス用ブラックに
おいて5ショット照射した。このようにして作製された
カラーフィルタの表面形状を測定したところ、RGBの
画素端部の斜面の幅aがいずれも10μmであることが
分かった。そしてRGBの画素を光学顕微鏡により観察
したところ、画素の端部が光抜けを生じ、色純度が低く
なっていることが分かった。
【0054】(比較例2) <着色組成物の作製>実施例2におけるものと同じ各着
色組成物を用いた。 <カラーフィルタの製造方法>製造方法は、実施例2に
おけるものと、結像レンズと着色塗膜との距離を除い
て、同じ条件で各色相の画素及びブラックマトリクスを
作製した。比較例2では、結像レンズの位置を結像条件
(真の結像位置)に調整して着色塗膜に照射した。この
ようにして作製されたカラーフィルタの表面形状を測定
したところ、RGBの画素端部の斜面の幅aが0.5μ
mであり、画素の端部から光抜けは生じないことが分か
った。しかしながら、カラーフィルタの上に透明電極と
配向膜を形成したところ、画素のエッジ部による段切れ
が生じることが分かった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、レーザー光照射法によ
り、基板上に複数の色相の画素をパターン状に形成する
カラーフィルタの方法において、高品質なカラーフィル
タの製造方法が提供される。本発明の製造方法によれ
ば、画素の断面形状が矩形に近くなり、画素の端の部分
による光抜けがなく、色品質の高いカラーフィルタを製
造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、レーザー光照射法によるカラーフィル
タの製造工程を示すフロー図である。
【図2】図2は、従来のレーザー光照射法により得られ
る各画素の断面形状の略図である。
【図3】図3は、従来のレーザー光照射法により得られ
る画素の断面形状とブラックマトリクスの関係を示す略
図である。
【図4】図4は、レーザー光照射法により、斜面を有す
るパターンが形成されることを示す説明図である。
【図5】図5は、レーザー加工機の光学系の概略図であ
る。
【符号の説明】
1:基板 2:第1色目の塗膜 3:レーザー光 4:フォトマスク 5:第1色目の画素 6:第2色目の塗膜 7:第2色目の画素 8:第3色目の塗膜 9:第3色目の画素 21:基板 22:画素 23:画素端部の斜面 24:フォトマスク 25:レーザー光 32:画素 33:画素端部の斜面(色純度が低くなる部分) 34:ブラックマトリクス 42:画素 43:フォトマスク 44:レーザー光 51:レーザー光 52:フォトマスク 53:開口部 54:リレーレンズ 55:ミラー 56:結像レンズ 57:基板 58:着色塗膜 59:真の結像面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の着色塗膜にレーザー光をパター
    ン状に照射して、被照射部分を蒸散させることにより、
    着色パターンを形成する方法において、(1)レーザー
    光を、所定の開口パターンを有するフォトマスクと結像
    レンズを介して、着色塗膜に照射し、その際、(2)レ
    ーザー光の照射エネルギー密度Eが、式(I) E0≦E≦10E0 (I) (ただし、E0は、着色塗膜が蒸散される最低エネルギ
    ー密度である。)で示される関係を満足するように調整
    し、かつ、(3)結像レンズの真の結像位置と着色塗膜
    表面との間のずれdが、式(II) |d|≦50μm (II) で示される関係を満足するように、結像レンズと着色塗
    膜との間の距離を調整して、(4)形成される各着色パ
    ターンの断面端部の斜面の幅aが、式(III) a≦5μm (III) で示される関係を満足するように調整することを特徴と
    する着色パターンの形成方法。
  2. 【請求項2】 (i)基板上に第1色目の着色組成物か
    らなる着色塗膜を形成し、次いで、レーザー光をパター
    ン状に照射して、被照射部分の着色塗膜を蒸散させるこ
    とにより、第1色目の画素を形成する工程、(ii)第
    1色目の画素上を含む基板上に、第2色目の着色組成物
    からなる着色塗膜を形成し、次いで、レーザー光をパタ
    ーン状に照射して、被照射部分の着色塗膜を蒸散させる
    ことにより、第2色目の画素を形成し、その際、レーザ
    ー光の出力または照射パルス回数を調整して、第1色目
    の画素を残して、その上に被覆されている第2色目の着
    色塗膜を蒸散させる工程、及び(iii)必要に応じ
    て、前記工程(ii)と同様の工程により、第3色目以
    降の必要色数の画素を形成する工程の各工程を含むカラ
    ーフィルタの製造方法において、(1)レーザー光を、
    所定の開口パターンを有するフォトマスクと結像レンズ
    を介して、着色塗膜に照射し、その際、(2)レーザー
    光の照射エネルギー密度Eが、式(I) E0≦E≦10E0 (I) (ただし、E0は、着色塗膜が蒸散される最低エネルギ
    ー密度である。)で示される関係を満足するように調整
    し、かつ、(3)結像レンズの真の結像位置と着色塗膜
    表面との間のずれdが、式(II) |d|≦50μm (II) で示される関係を満足するように、結像レンズと着色塗
    膜との間の距離を調整して、(4)形成される各画素の
    断面端部の斜面の幅aが、式(III) a≦5μm (III) で示される関係を満足するように調整することを特徴と
    するカラーフィルタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009069841A (ja) * 2008-10-27 2009-04-02 Dainippon Printing Co Ltd 位相差素子、それを備えた表示素子及び位相差素子の製造方法

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