JPH11223647A - 近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置。 - Google Patents

近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置。

Info

Publication number
JPH11223647A
JPH11223647A JP3979798A JP3979798A JPH11223647A JP H11223647 A JPH11223647 A JP H11223647A JP 3979798 A JP3979798 A JP 3979798A JP 3979798 A JP3979798 A JP 3979798A JP H11223647 A JPH11223647 A JP H11223647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
magnetic field
electromagnetic noise
unit
section
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3979798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3559158B2 (ja
Inventor
Taikou Kou
太好 高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP03979798A priority Critical patent/JP3559158B2/ja
Publication of JPH11223647A publication Critical patent/JPH11223647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3559158B2 publication Critical patent/JP3559158B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁ノイズ測定の対象とする電気部品に対する
近磁界プローブの位置決精度を高めるとともに、その位
置決めを簡単、容易に行えるように、近磁界プローブ装
置の機構構造及びその位置決法を工夫すること。 【課題解決手段】平に構成したループコイルを検知部と
して持つ近磁界プローブ部による、電気部品に対する電
磁ノイズ測定装置を前提として、導電性薄膜または導電
性金属箔で近磁界プローブ部のループコイル部を構成
し、位置決めのための基準となる磁界信号を外部から与
え、当該磁界信号を近磁界プローブ部のループコイル部
によって検知し、これに基づいて位置決めを行うこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PCB(プリント配線
基板)またはこれと同等の電気部品から発生する電磁ノ
イズを計測するための近磁界プローブ(電流を検知する
もの)に関するものであり、検査対象である電気部品に
対するプローブの位置決めを簡単容易かつ正確に行うこ
とができ、これによって電磁ノイズを能率的かつ高精度
に計測することができるものである。
【0002】
【従来の技術】電子式複写機、FAX、印刷機、パソコ
ン等の事務機器、家庭用電気機器、産業機器等、各種電
気機器等にPCB(プリント配線基板)またはこれと同
等の電気部品が多数使用されているが、これらの電気機
器から発せられる電磁ノイズは一定の限度内になければ
ならない(EMC)ように規制されている。従来、EM
C対策には、法的規制で定めているオープンサイトや電
波暗室内で10m、30m等の遠方での電磁波を定めら
れたアンテナを用いて計測した結果に基づいて対策を講
じるやり方があり、またこれとは別にこのような認証サ
イト等での計測に供される前に近接させたプローブで検
査対象である電気部品からの電磁界を検知し、これに基
づいて対策を講じるやり方がある。そのために従来技術
として、XYZテーブルに検査対象とするPCBをセッ
トし、センサーで走査して不要輻射を測定してデータを
格納して後、PCBを裏返して再度測定し、両測定結果
を比較するもの(3次元妨害測定装置)があり(特開平
6−58969号公報)、また、アレー状センサーテー
ブルとセンサー移動手段とを併用し、上記3次元妨害測
定装置におけるような裏返操作を不要にしたもの(両面
妨害測定装置)があり(特開平6−58970号公
報)、さらに、対称なループコイルとそれに続くシール
ドボックス内の回路で磁界のみにより生じた信号を検出
する構成としたもの(磁界測定プローブ)がある(特開
昭62−106379号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば上記特開平6−
58970号公報に記載されているものは、図18に示
す機構を有するものであり、アレー状にセンサーを形成
した妨害測定用アンテナ5に載せたプリント配線基板3
に対する近磁界プローブ1の測定位置をXYZ直交型ロ
ボット4によって3次元的に位置決めし、多数の測定点
での測定データを子細に得ることができるものである。
しかしこのものは、測定点にプローブを位置決めするた
めの機構がロボットであり、また、微弱な電磁波を高精
度で正確に測定するためには、電気部品に対するプロー
ブのセンサーの位置決めが一層精密であることが求めら
れる。また、上記特開昭62−106379号公報に記
載されている従来技術はプローブを手持ちで操作してセ
ンサーの位置決めを行うものである。このものは、プロ
ーブのコイルをPCB基板上に構成しており、1mm角
以下の微小なコイル寸法を構成することは難しいので、
比較的大きな部分の検知には適するとしても、精密な位
置決めが求められるような電子部品等についての妨害電
磁波の測定には適しない。また、電磁ノイズ測定装置
は、測定作業の能率性確保の観点から正確な位置決めが
簡単、容易に行えるものであることが必要である。本発
明は電磁ノイズ測定の対象とする電気部品に対する近磁
界プローブの位置決め精度を高めるとともに、その位置
決めを簡単な機構で、簡単、容易に行えるように、近磁
界プローブ装置の機構構造及びその位置決め法を工夫す
ることをその課題とするものである。
【0004】
【課題解決のために講じた手段】ループコイルを検知部
として持つ近磁界プローブ部による、電気部品に対する
電磁ノイズ測定装置を前提として、上記課題解決のため
の本発明の解決手段の基本は、導電性薄膜または導電性
金属箔で近磁界プローブ部のループコイル部を構成し、
位置決めのための基準となる磁界信号を、電気部品固定
用台に固定した基準磁界信号発信部から発信させ、当該
基準磁界信号を近磁界プローブ部のループコイル部によ
って検知し、これに基づいてプローブを所定の測定位置
に位置決めすることである。
【0005】
【作用】電気部品固定用台上の所定の測定位置における
上記基準磁界信号を、導電性薄膜または導電性金属箔で
ループコイル部を構成した小型の近磁界プローブ部を備
えたプローブ装置によって測定して、各測定点における
当該測定値を基準値としてメモリに記憶させておく。電
気部品固定用台上に固定した電気部品に上記プローブ装
置に近接させて上記基準磁界信号を測定し、その測定値
をメモリに記憶させた上記基準値と照合させ、両値が一
致した点を測定点とてこの点にプローブ装置を位置決め
し、その測定点で電気部品からの電磁ノイズを測定す
る。基準磁界信号発信部から発信される基準電磁波の既
知の強さ、各測定点における基準値と、電気部品からの
電磁ノイズの測定値とから、当該測定点における電磁ノ
イズの強さを計測することができる。 複数のループコ
イルを併用することによって、上記の位置決め精度およ
び電磁波の測定精度が一層向上する。また、基準電磁波
の測定と電気部品からの電磁ノイズの測定とを同時に行
うことができるから、電磁ノイズの測定を簡単、容易か
つ迅速に行うことができる。基準磁界信号発信部から発
信された基準電磁波を基準にして所定の測定点にプロー
ブを位置決めするものであるから、位置決めのための機
構は極めて簡単であり、また、プローブ部のループコイ
ルを導電性薄膜または導電性金属箔で構成したものであ
るから、ループコイルを微小にすることができ、したが
って多数のループコイルを密集させて併用することがで
き、また、微小なループコイルによって上記の基準電磁
信号及び電磁ノイズを検知するものである。したがって
上記のとおり位置決め精度および電磁波の測定精度を一
層向上させることができる。また、微小なループコイル
によって基準電磁波を検知するとともに電磁ノイズを検
知するものであるから、位置決め精度が極めて高くかつ
至近距離で被検体からの電磁ノイズを検知できるので、
微弱な電磁ノイズでも高精度で測定することができる。
【0006】
【実施態様1】上記解決手段において、基準信号をアン
プ部またはインピーダンス変換器部に導き、これを表示
器に表示させること。
【実施態様2】上記解決手段において、複数の面を持つ
支持部材の少なくとも2つ以上の面に上記プローブ部を
張付けたプローブ装置を用いること。
【作用】複数面にそれぞれ張付けたプローブ部からの信
号を分析し、組み合わせることによって、磁界のベクト
ルを検知することが可能であり、また微小な信号を高精
度で検知することが可能である。
【実施態様3】上記解決手段における近磁界プローブ部
を複数のプローブ部としたこと。
【実施態様4】実施態様2において、上記複数面にそれ
ぞれ複数のプローブ部を設けたこと。
【作用】多面的に、かつ各面において複数のプローブ部
によって計測することができるから、これによって被検
体の磁界分布を3次元的に計測することができる。
【実施態様5】上記解決手段におけるループコイルを導
電性金属箔または導電性薄膜で構成し、このループコイ
ルを複数設けて、解決手段における近磁界プローブ部を
ユニット化し、または実施態様3の複数のプローブ部を
ユニット化したこと。
【実施態様6】実施態様4の複数のループコイルをアレ
イ化してユニット化したこと。
【実施態様7】上記解決手段におけるループコイル部を
導電性金属箔または導電性薄膜で構成し、これを概略同
一位置で、絶縁性箔または薄膜を介して積層してプロー
ブ部をユニット化したこと。
【実施態様8】上記解決手段におけるプローブ部を複数
設ける場合に、その複数個のプローブ部のループコイル
の大きさを互いに異ならせたこと。
【作用】大きさが異なるループコイルによって、それぞ
れ磁界を検知することにより、磁界分解能を向上させる
ことができる。
【実施態様9】実施態様1におけるアンプ部またはイン
ピ一ダンス変換器部を、プローブ部を作製する基板上に
パッドを設けてチップ部品で構成したこと。
【実施態様10】上記実施態様9において表示部をも基
板上に設けたこと。
【実施態様11】実施態様1におけるアンプ部またはイ
ンピーダンス変換器部を、プローブ部を作製する基板上
にコイル、伝送路とともに半導体プロセスで構成したこ
と。
【実施態様12】上記解決手段におけるプローブ部(ま
たはプローブユニット部)を3次元に移動させる3次元
移動手段と、プローブ部(またはプローブユニット部)
で得られた信号を検知する計測部とを有し、外部より与
えられた位置決めのための磁界信号を検知し、これに基
づいて近磁界プローブの位置決め行うようにした計測シ
ステム。
【作用】プローブの位置決めを簡単、容易に3次元的に
行うことができるので、プローブの位置決めが一層高精
度になり、計測結果の信頼度を向上させることができ
る。
【実施態様13】上記解決手段および実施態様1乃至実
施態様12におけるループコイルに代えて検知部をMR
素子、GMR素子またはホール素子で構成したこと。
【0007】
【実施例】次いで図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【実施例1】図1に示すものは本発明のプローブの実施
例である。この実施例のプローブは、そのコイル、伝送
路、接続用パッド部を導電性箔(
【図1】(a))により作製したものである。コイルお
よび平行線路部、パッド接続部の作製はー枚のシートを
目的の形に切断し(
【図1】(b))、その後、パッド接続部に同軸ケーブ
ル等の接続用ケーブルを接続し、さらに、スペクトラム
アナライザー等の計測器に接続する(
【図1】(c))。PCB固定用台の縁にマイクロスト
リップラインを高周波の基準磁界発生源として固定し、
基準磁界発生源からの基準電磁波を多数の所定測定位置
における電磁波の強さをプローブ部で予め測定して、こ
れを基準値としてメモリに記憶(ないしは登録)してお
く。PCB固定用台に測定対象であるPCBを所定の位
置に固定し、基準磁界発生源から基準電磁波を発信させ
ながらPCB通電して電磁ノイズを発生させる。この状
態で、登録されている基準値と基準電磁波の測定値とが
一致する位置にプローブ部を位置決めし、この位置での
電磁ノイズを計測する。このように登録されている基準
値と基準電磁波の測定値とが一致するようにプローブ部
を位置決めしているので、位置決めされた位置での支持
機構として、バランスアームやスペーサ等の簡便な支持
機構によることができ、ロボットやXYZテーブルのよ
うな特に精密な機構を必要としない。なお、高周波の基
準磁界発生源はコプレーナ線路、あるいはコイル等でも
よい。上記の基準値の登録はこの電磁ノイズ測定装置を
製品として出荷する前に行うこともできるが、プローブ
を複数用意しその各プローブの使用に先立つて登録する
こともできる。上記の基準値の設定法の概略を図2
(a)に示している(ただし高周波発振器部は省略)。
また、この基準値は次のとおりである。標準測定位置に
プローブを固定し、その時の磁界発生源からの磁界信号
強度を、予め接続しておいたスペクトラムアナライザー
で検知する。出荷前に予め位置と検知した信号強度およ
びプローブの感度の関係を得ているときは、プローブの
感度補正を行うとともに、位置の校正を行うことができ
る。これを複数点で行うことでさらに校正精度を高める
ことができる。また、より高精度に位置決めを行う際に
は、位置決め信号の発信源を複数用意し、この強度の比
較で位置決めを行うようにすればよい。図3に2個の発
信源を持つ構成を示している。プローブと発信源Aから
の所定の測定位置での基準電磁波の強度を検知し、その
後、発信源Bからの所定の測定位置での基準電磁波の強
度を検知する。発振源Aと発振源Bを交互に発振させる
ことで、発振源A、発振源Bからの信号を容易に区別で
きる。登録された基準値と、その位置での測定対象物か
らの電磁ノイズの測定データとを一緒にメモリに記憶さ
せることにより、簡単に測定対象物からの放射磁界強度
が計測することができ、またその電磁ノイズの発生源の
特定に役立てることもできる。上記の各基準電磁波発振
源の周波数をいくつか用意することで、位置決め及び電
磁ノイズ計測のための信号処理を容易にすることができ
る。その場合、基準電磁波の周波数を測定対象からの電
磁ノイズの周波数帯域と異なる値に設定することが望ま
しい。発信源を2個以上にすればより測定精度が一層向
上することはいうまでもない。以上のように比較的簡便
な構成の電磁ノイズ測定装置で高精度な位置決めが可能
であり、ひいては高精度で電磁ノイズを測定することが
できる。なお、導電性箔は銅、Al、Ag、Au、Pt
等の金属材料やその他の導電性材料でもよい。また、絶
縁性基板としてはポリエチレンテレフタレートやポリイ
ミドなどのフレキシブル基板やガラスや石英等の絶縁基
板でもよく、接着材はエポキシ系接着剤等でよい。ま
た、Al箔等を予め形成した絶縁性基板でも同様にして
構成することができる。基準電磁波発振源としては市販
の標準信号発生器でもよく、専用の発振器でもよい。
【0008】
【実施例2】図4に他の実施例を示している。この実施
例はコイルを2個備えているものである。作製方法の例
としては、まず、プローブのコイルを2個、それぞれの
伝送路である平行線路部、接続用パッド部を導電性箔に
より作製する。コイルおよび平行線路部、パッド接続部
の作製は絶縁シートに導電性箔を接着し、その後コイ
ル、平行線路部、パッド接続部をエッチングで形成す
る。他の作製法として、絶縁シートと導電性箔一枚を目
的の形に切断し、その後で支持部材に固定する構成も採
れる。その後、それぞれのパッド接続部に同軸ケーブル
等の接続用ケーブルを接続し、さらに切り替えスイッチ
部に接続し、スペクトラムアナライザー等の計測器に接
続する。測定をPCB等の平面性の高いものとする場合
には、PCBの固定用台の上にマイクロストリップ線路
を高周波磁界発生源として用意し、これからの電磁波を
所定の測定点で予め測定してこれをメモリに登録し、こ
れを電磁ノイズ測定のためのプローブ部の位置決めの基
準とする。この場合、二つの検出コイルを切り替えるこ
とが可能である。二つのコイルは高周波磁界発生源に対
して微小に異なる位置関係を有し、したがって計測され
る基準磁界の値には微小な差異を生じる。電磁ノイズ測
定においては、それぞれのコイルを基準磁界検知に用
い、二つのコイルのそれぞれに対する基準値とそれぞれ
の測定値との一致をもってプローブ部の測定位置の判別
基準とする。これはいわば位置決め条件を二つの基準値
によるAND条件とするものであるから、プローブ部の
位置決めがより高精度でかつ確実になされることにな
る。なお、高周波磁界発生源としてはコプレーナ線路、
あるいはコイル等でもよく、また、発信部としては市販
の標準信号発生器を用いることもでき、専用の発振器を
用いることもできる。図5にその使用例を示している
(ただし、図示のプローブ部は紙面に垂直な方向に2個
重なっている。また高周波発振器部は省略)。二つのコ
イルを位置決め信号検出に同時に用い、二つのコイルの
うちの1個を被検体からの電磁ノイズ測定用に用いる。
この場合、位置決め用高周波磁界発生源からの基準磁界
がコイルに鎖交して発生する電圧を、平行線路部を介し
てパッド部の両端で検出できる。接続用導線をパッド部
に接続して切り替えスイッチおよびオシロスープヘ接続
する。1個の位置決め用高周波磁界発生源からの基準磁
界を接近した微小な二つのコイルで計測できるので、位
置決め精度がさらに上がることは上記のとおりである。
この例では、二つの微小コイルのうちの1つを被検体か
らの磁界ノイズの計測に用いたが、2つのコイルを共に
用いてもよい。2つのコイルを共に被検体からの磁界ノ
イズの計測に用いることにより、測定の高速化が計られ
る。また、コイルの数をさらに増やすことで、位置決め
用高周波磁界発生源が1個でも位置決め精度をさらに高
めることができ、測定の精度を向上させることができ
る。また、位置決め法としては、位置決め用の高周波磁
界発生源からの基準電磁波の強度をそのまま使うという
やり方の外に、二つのコイルによる基準電磁波の測定値
の差をとって、これを電磁ノイズ測定における位置決め
基準値とすることもでき、この方が位置決め操作が容易
になる。図6に示すようにPCB(プリント基板)の配
線を電磁ノイズ測定の対象とする場合には、予めプロー
ブの前面に設けたスペーサで所定の間隔を保ちながらプ
ローブを2次元で移動させるとよい。また、プローブ内
に差動検知部を設け、これを表示し、あるいは外部にデ
ータとして出力する。そのとき同時に配線からの磁界信
号と検知したデータを表示し、あるいは外部出力するこ
とで、プローブ部の所定測定点への位置決めを容易にす
ることができる。
【0009】
【実施例3】図7に他の実施例を示している。この実施
例はプローブ部にコイルを3個備えた例である(ただ
し、図示のコイル1、2、3は紙面に垂直な方向に3個
重なっている)。このプローブ部の作製方法として次ぎ
のような方法を採用する。まず、石英基板上に、第1の
コイルおよび伝送路およびパッド部を形成するため、パ
ッタ法によりAl薄膜(導電性薄)の成膜を行い、その
後、一般的なフオトリソグラフィ技術とウエットエッチ
ングにより引出し線の第1のコイルおよび第1の伝送路
および第1のパッド部を形成し、次にスパッタ法による
Si02 膜の成膜と一般的なフォトリソグラフィ技術と
RIE(リアクティブ イオン エッチングにより、
第1のコイル、第1の伝送路および第1の絶縁層を形成
する(
【図7】(a)におけるbーb断面図参照)。第1の導
電性薄膜と同様に、第1の絶縁層の上にA1で第2の導
電性薄膜を成膜し、同様に一般的なフォトリソグラフィ
技術とウェットエッチングにより第2のコイルおよび第
2の伝送路および第2のパッド部を形成し、さらに第1
の絶縁層と同様に第2の絶縁層をSi02 で成膜して、
第2の絶縁層を第2のコイルおよび第2の伝送路の上に
設ける。次に第1、第2の導電性薄膜と同様に第2の絶
縁層の上にA1成膜で第3の導電性薄膜を形成し、一般
的なフォトリソグラフィ技術とウエットエッチングによ
り第3のコイルおよび第3の伝送路および第3のパッド
部を形成する。なお、必要に応じて、絶縁層とコイル、
伝送路、パッド部を形成する。これにより小さな寸法で
コイルを形成でき、絶縁層も薄く形成できるため、より
狭い間隔で微小コイルを積層できるから、この実施例は
実施例1、実施例2と同様により高い精度で位置決めを
行うことができる。プローブのコイルの直径をPCBの
配線の最小ピッチ程度にするか、あるいはそれ以下に
し、さらに、プローブ間の厚みをPCBの配線のピッチ
よりも小さくすれば、被検体であるPCBの配線からの
電磁ノイズを測定しながら、PCBの配線ピッチレベル
での極めて高い精度での位置決めを容易に実現すること
ができる。また、このものにおいては、各パッド部上も
含めて第1、第2の絶縁層を形成して後、第1、第2の
絶縁層にスルーホールを設け、各パッド部に導通させる
ようにすることもできる。コイル、引出し線、パッド部
を形成する材料としてはAg、Au、Pt等の金属材料
が望ましいが、その他の導電性材料でもよい。また、基
板としては石英が望ましいが、石英以外の絶縁基板でも
よく、またポリエチレンテレフタレートやポリイミドな
どのフレキシブル絶縁基板でもよい。Alの成膜法は蒸
着法などの他の成膜方法でもよく、またAlのエッチン
グ法はRlE等のドライエッチング法でもよい。また、
Si02 の成膜はEB蒸着法やCVD法など他の成膜方
法でもよく、絶縁層材料はSi3 4 などの他の絶縁材
料でもよい。さらに、絶縁層のエッチングとしてウエッ
トエッチングでもよいが、エッチング剤で基板もエッチ
ングされる場合は基板の裏面をレジストなどで保護する
必要がある。導電性箔によるプローブ部の作製方法とし
ては、図8に示す作製法を採用できる。この製作法にお
いては、導電性箔を絶縁シートを介して積層して後、コ
イルおよび平行線路部、パッド接続部をまとめた形に切
断する。積層においては、パッド接続部を除いて、エポ
キシ系接着剤によって接着し、プローブ部を実施例1、
実施例2と同様の測定系に組み込む(図8一e参照)。
【0010】
【実施例4】プローブ部の他の例を図9に示している。
この例においては実施例2の第1のプローブ部のパッド
部1に同軸ケーブルの内部導体部を接続し、同様にパッ
ド部2に同軸ケーブルの外部導体部を接続し。これをさ
らにアンプ部1に接続する。このアンプ部1の中にAD
変換部が含まれており、AD変換部の出力がスイッチを
介して表示装置に表示されるようにしている。アンプ部
1を設けてプローブからの信号を増幅し、AD変換する
ことにより微小な信号が検知される。このため、実施例
2に示した機能を簡便なプローブ部だけで実現でき、可
搬性に優れ、操作性に富むシステムとなる。プローブ部
のパッド部1とアンプ部の接続は、通常のケーブル等で
もでき、表示装置としては通常の液晶パネルを採用で
き、また、各プローブ部の切り替えは表示装置の前、あ
るいはアンプ部1の前で行うようにすればよい。被検体
からの電磁ノイズを測定をしながら、位置決め用基準電
磁波の測定値の差を増幅することで、位置決めを容易に
行うことができる。本発明のプローブ部のさらに他の例
を図10に示している。この例では図9に示すものと同
様に3個のプローブ部で構成し、それぞれのプローブの
パッド部1に同軸ケーブルの内部導体部を接続し、同様
にパッド部2に同軸ケーブルの外部導体部を接続する
(ただし、図示の第1、第2、第3の伝送路は紙面に垂
直な方向に重なっている)。アンプ部1には上部および
下部のプローブの出力の差を得るための差動アンプを設
け、二つのプローブのコイルの出力差を増幅させるアン
プをアンプ部1に含めて構成している。その差動アンプ
のパッド部3に同軸ケーブルを接続し、これを中心のプ
ローブに図9と同様に接続する。さらにアンプ部1の中
にAD変換部を含めている。上部および下部のプローブ
の出力の差のAD変換部の出力と中心のプローブのAD
変換部の出力をそれぞれ表示装置に表示させる。被検体
からの電磁ノイズを測定をしながら、位置決用め基準電
磁波を測定した出力の差を増幅することにより、微細な
位置決めを高精度で行える。なお、アンプ部1はインピ
ーダンス変換器部1としてもよく、その中にAD変換部
を含めてもよい。インピーダンス変換器部1によってS
/Nを向上させることができる。
【0011】
【実施例5】図11に本実施例のプローブ部の他の例を
示している。この例は実施例1のプローブ部を支持部材
の少なくとも2つ以上の面に張付けたものであり、面の
法線方向が一致しない面に張付けている。張付けたそれ
ぞれのプローブ部で多方面に向けて電磁界を検知するこ
とにより、高精度の位置決めに基づいて高精度で電磁ノ
イズを計測でき、かつ電磁ノイズの磁界のベクトルを検
知できる。
【0012】
【実施例6】図12に実施例3のプローブ部を複数配置
した例を示している。この例では、複数配置した各プロ
ーブ部で電磁界を計測することにより、一度に磁界分布
を計測することが可能であり、多数のコイルで位置決め
用電磁波を検知できるので、高い精度の位置決めに基づ
いて電磁ノイズを計測することができる。
【0013】
【実施例7】図13にプローブ部のさらに他の例を示し
ている。この例は実施例1で作製したプローブ部にアン
プ部2を接続し、増幅した出力をスペクトラムアナラィ
ザーに接続したものである。プローブ部からの信号を増
幅することにより、高精度の位置決めが可能で、かつ、
微小な電磁ノイズを検知できる。なお、アンプ部1はイ
ンピーダンス変換器部1と一体にしてもよく、その中に
AD変換部を含めてもよい。インピーダンス変換器部1
によってS/Nを向上させることができる。
【0014】
【実施例8】図14にプローブ部のさらに他の例を示し
ている。この例は実施例3で作製したプローブ部に、チ
ップ部品で構成されたアンプ部1を接続するパッドを設
けたものである。この例は実施例1と同様な機能をより
コンパクトな構成で実現でき、アンプ部により微小コイ
ルの近傍で増幅できるので、さらにS/N比を向上で
き、微小電磁ノイズを確実、正確に測定できる。なお、
アンプ部はインピーダンス変換器部1としてもよく、そ
の中にAD変換部を含めてもよい。インピーダンス変換
器によってS/Nを向上させることができる。また、図
示の「アンプ部1またはインピーダンス変換器部1のチ
ップ」は各パッドとバンプで接続されており、また、第
1、第2、第3の伝送路は紙面に垂直な方向に重なって
いる。
【0015】
【実施例9】図15にプローブ部のさらに他の例を示し
ている。この実施例は実施例3のプローブ部を、絶縁層
を形成したSi基板上に構成したものである。アンプ部
1はこのSi基板を用いて構成してあり、プローブ部と
アンプ部1とを通常の半導体プロセスにおける配線プロ
セスで接続している。なお、このものにおいては、パッ
ド部はスルーホールを介してSi基板に接続されてお
り、また、第1、第2、第3のコイルは紙面に垂直な方
向に重なっている。この実施例は実施例2と同様な機能
をさらにコンパクトな構成で実現でき、また、アンプ部
により信号源の近傍で増幅できるので、さらに、S/N
比を向上させることができるとともに、微小電磁ノイズ
を正確、確実に測定できる。なお、アンプ部1はインピ
ーダンス変換器部1と一体にしてもよく、その中にAD
変換部を含めてもよく、インピーダンス変換器によって
S/Nを向上できる。
【0015】
【実施例10】図16に本発明の他の実施例を示してい
る(ただし、高周波発振器部は省略)。 この実施例は
実施例1のプローブ部をXYZステージに接続し、かつ
信号出力をスペクトラムアナライザーに接続したもので
ある。目的の位置に3次元(1次元、2次元でも可)で
プローブを移動させて計測することにより、高精度で位
置決めでき、電磁ノイズの磁界分布を計測できる。
【0016】
【実施例11】図17に本発明のプローブ部の他の例を
示している。この例は実施例1のプローブ部において、
コイル寸法の異なる複数個のプローブを設けたものであ
る。高い精度で位置決めし、かつそれぞれのコイル寸法
に応じた空間分解能で電磁ノイズを計測することができ
る。以上の実施例ではプローブ部の検知部としてコイル
を用いているが、コイルに代えて、MR素子(磁気抵抗
効果素子)、GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)、ポ
ールホール素子等の微小な磁気センサーを用いることも
できる。
【0017】
【効果】本発明により、簡便な電磁ノイズ測定装置のコ
イルまたコイル以外の磁気センサーをで基準電磁波(基
準信号)と電磁ノイズ測定とを同時に検知し、予め登録
した基準値と比較することによって所定の測定位置に高
精度で位置決めでき、この高精度の位置決めに基づいて
電気部品の電磁ノイズを高精度で測定できる。また、電
磁ノイズの磁界のベクトルを検知すること、また、微小
磁界を検知すること、複数のコイル寸法で計測すること
が可能であり、さらに磁界分布の3次元計測が可能であ
る。したがって、プリント基板等の電気部品のEMC対
策上有用な情報をより高精度で得ることができ、EMC
対策がより容易となり、引いては製品開発期間を大きく
短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は導電性箔の平面図であり、
【図1】(b)は実施例1のプローブ部の平面図であ
り、
【図1】(c)は実施例1の測定概略図である。
【図2】(a)は実施例1の校正法を示す側面図であ
り、
【図2】(b)は実施例1の校正後の測定側面図であ
る。
【図3】は実施例1の他の測定概略図である。
【図4】(a)、
【図4】(b)、
【図4】(c)は実施例2におけるプローブ部製作手順
図であり、
【図4】(d)は実施例2におけるプローブ部の平面図
であり、
【図4】(e)は実施例2におけるプローブ部の側面図
であり、
【図4】(f)は実施例2の測定概略図である。
【図5】は実施例2の測定側面図である。
【図6】は実施例2の他の測定概略図である。
【図7】(a)、
【図7】(b)、
【図7】(c)、
【図7】(d)、図7(e)は実施例3におけるプロー
ブ部の一例の製作手順図である。
【図8】(a)、
【図8】(b)、
【図8】(c)は実施例3におけるプローブ部の他の例
の製作手順図であり、
【図8】(d)は実施例3のプローブの平面図であり、
【図8】(e)は同プローブの断面図であり、
【図8】(f)は実施例3の測定概略図である。
【図9】は実施例2のプローブ部をシステム化した実施
例4の平面図である。
【図10】は実施例3のプローブ部をシステム化した実
施例4の平面図である。
【図11】は実施例5の側面図である。
【図10】は実施例4のシステム化したプローブ部の平
面図である。
【図12】は実施例6の測定概略図である。
【図13】は実施例7の側面図である。
【図14】は実施例8の平面図である。
【図15】(a)、
【図15】(b)、
【図15】(c)、
【図15】(d)は実施例9のプローブ部の作成手順図
である。
【図16】は実施例10の測定概念図である。
【図17】は実施例11におけるプローブ部の平面図で
ある。
【図18】は従来例の斜視図である。
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 近磁界プローブによる電磁ノイズ
測定装置。
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PCB(プリント配線
基板)またはこれと同等の電気部品から発生する電磁ノ
イズを計測するための近磁界プローブ(電流を検知する
もの)に関するものであり、検査対象である電気部品に
対するプローブの位置決めを簡単容易かつ正確に行うこ
とができ、これによって電磁ノイズを能率的かつ高精度
に計測することができるものである。
【0002】
【従来の技術】電子式複写機、FAX、印刷機、パソコ
ン等の事務機器、家庭用電気機器、産業機器等、各種電
気機器等にPCB(プリント配線基板)またはこれと同
等の電気部品が多数使用されているが、これらの電気機
器から発せられる電磁ノイズは一定の限度内になければ
ならない(EMC)ように規制されている。従来、EM
C対策には、法的規制で定めているオープンサイトや電
波暗室内で10m、30m等の遠方での電磁波を定めら
れたアンテナを用いて計測した結果に基づいて対策を講
じるやり方があり、またこれとは別にこのような認証サ
イト等での計測に供される前に近接させたプローブで検
査対象である電気部品からの電磁界を検知し、これに基
づいて対策を講じるやり方がある。そのために従来技術
として、XYZテーブルに検査対象とするPCBをセッ
トし、センサーで走査して不要輻射を測定してデータを
格納して後、PCBを裏返して再度測定し、両測定結果
を比較するもの(3次元妨害測定装置)があり(特開平
6−58969号公報)、また、アレー状センサーテー
ブルとセンサー移動手段とを併用し、上記3次元妨害測
定装置におけるような裏返操作を不要にしたもの(両面
妨害測定装置)があり(特開平6−58970号公
報)、さらに、対称なループコイルとそれに続くシール
ドボックス内の回路で磁界のみにより生じた信号を検出
する構成としたもの(磁界測定プローブ)がある(特開
昭62−106379号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば上記特開平6−
58970号公報に記載されているものは、図27に示
す機構を有するものであり、アレー状にセンサーを形成
した妨害測定用アンテナ5に載せたプリント配線基板3
に対する近磁界プローブ1の測定位置をXYZ直交型ロ
ボット4によって3次元的に位置決めし、多数の測定点
での測定データを子細に得ることができるものである。
しかしこのものは、測定点にプローブを位置決めするた
めの機構がロボットであり、また、微弱な電磁波を高精
度で正確に測定するためには、電気部品に対するプロー
ブのセンサーの位置決めが一層精密であることが求めら
れる。また、上記特開昭62−106379号公報に記
載されている従来技術はプローブを手持ちで操作してセ
ンサーの位置決めを行うものである。このものは、プロ
ーブのコイルをPCB基板上に構成しており、1mm角
以下の微小なコイル寸法を構成することは難しいので、
比較的大きな部分の検知には適するとしても、精密な位
置決めが求められるような電子部品等についての妨害電
磁波の測定には適しない。また、電磁ノイズ測定装置
は、測定作業の能率性確保の観点から正確な位置決めが
簡単、容易に行えるものであることが必要である。本発
明は電磁ノイズ測定の対象とする電気部品に対する近磁
界プローブの位置決め精度を高めるとともに、その位置
決めを簡単な機構で、簡単、容易に行えるように、近磁
界プローブ装置の機構構造及びその位置決め法を工夫す
ることをその課題とするものである。
【0004】
【課題解決のために講じた手段】ループコイルを検知部
として持つ近磁界プローブ部による、電気部品に対する
電磁ノイズ測定装置を前提として、上記課題解決のため
の本発明の解決手段の基本は、導電性薄膜または導電性
金属箔で近磁界プローブ部のループコイル部を構成し、
位置決めのための基準となる磁界信号を、電気部品固定
用台に固定した基準磁界信号発信部から発信させ、当該
基準磁界信号を近磁界プローブ部のループコイル部によ
って検知し、これに基づいてプローブを所定の測定位置
に位置決めすることである。
【0005】
【作用】電気部品固定用台上の所定の測定位置における
上記基準磁界信号を、導電性薄膜または導電性金属箔で
ループコイル部を構成した小型の近磁界プローブ部を備
えたプローブ装置によって測定して、各測定点における
当該測定値を基準値としてメモリに記憶させておく。電
気部品固定用台上に固定した電気部品に上記プローブ装
置に近接させて上記基準磁界信号を測定し、その測定値
をメモリに記憶させた上記基準値と照合させ、両値が一
致した点を測定点とてこの点にプローブ装置を位置決め
し、その測定点で電気部品からの電磁ノイズを測定す
る。基準磁界信号発信部から発信される基準電磁波の既
知の強さ、各測定点における基準値と、電気部品からの
電磁ノイズの測定値とから、当該測定点における電磁ノ
イズの強さを計測することができる。複数のループコイ
ルを併用することによって、上記の位置決め精度および
電磁波の測定精度が一層向上する。また、基準電磁波の
測定と電気部品からの電磁ノイズの測定とを同時に行う
ことができるから、電磁ノイズの測定を簡単、容易かつ
迅速に行うことができる。基準磁界信号発信部から発信
された基準電磁波を基準にして所定の測定点にプローブ
を位置決めするものであるから、位置決めのための機構
は極めて簡単であり、また、プローブ部のループコイル
を導電性薄膜または導電性金属箔で構成したものである
から、ループコイルを微小にすることができ、したがっ
て多数のループコイルを密集させて併用することがで
き、また、微小なループコイルによって上記の基準電磁
信号及び電磁ノイズを検知するものである。したがって
上記のとおり位置決め精度および電磁波の測定精度を一
層向上させることができる。また、微小なループコイル
によって基準電磁波を検知するとともに電磁ノイズを検
知するものであるから、位置決め精度が極めて高くかつ
至近距離で被検体からの電磁ノイズを検知できるので、
微弱な電磁ノイズでも高精度で測定することができる。
【0006】
【実施態様1】上記解決手段において、基準信号をアン
プ部またはインピーダンス変換器部に導き、これを表示
器に表示させること。
【実施態様2】上記解決手段において、複数の面を持つ
支持部材の少なくとも2つ以上の面に上記プローブ部を
張付けたプローブ装置を用いること。
【作用】複数面にそれぞれ張付けたプローブ部からの信
号を分析し、組み合わせることによって、磁界のベクト
ルを検知することが可能であり、また微小な信号を高精
度で検知することが可能である。
【実施態様3】上記解決手段における近磁界プローブ部
を複数のプローブ部としたこと。
【実施態様4】実施態様2において、上記複数面にそれ
ぞれ複数のプローブ部を設けたこと。
【作用】多面的に、かつ各面において複数のプローブ部
によって計測することができるから、これによって被検
体の磁界分布を3次元的に計測することができる。
【実施態様5】上記解決手段におけるループコイルを導
電性金属箔または導電性薄膜で構成し、このループコイ
ルを複数設けて、解決手段における近磁界プローブ部を
ユニット化し、または実施態様3の複数のプローブ部を
ユニット化したこと。
【実施態様6】実施態様4の複数のループコイルをアレ
イ化してユニット化したこと。
【実施態様7】上記解決手段におけるループコイル部を
導電性金属箔または導電性薄膜で構成し、これを概略同
一位置で、絶縁性箔または薄膜を介して積層してプロー
ブ部をユニット化したこと。
【実施態様8】上記解決手段におけるプローブ部を複数
設ける場合に、その複数個のプローブ部のループコイル
の大きさを互いに異ならせたこと。
【作用】大きさが異なるループコイルによって、それぞ
れ磁界を検知することにより、磁界分解能を向上させる
ことができる。
【実施態様9】実施態様1におけるアンプ部またはイン
ピーダンス変換器部を、プローブ部を作製する基板上に
パッドを設けてチップ部品で構成したこと。
【実施態様10】上記実施態様9において表示部をも基
板上に設けたこと。
【実施態様11】実施態様1におけるアンプ部またはイ
ンピーダンス変換器部を、プローブ部を作製する基板上
にコイル、伝送路とともに半導体プロセスで構成したこ
と。
【実施態様12】上記解決手段におけるプローブ部(ま
たはプローブユニット部)を3次元に移動させる3次元
移動手段と、プローブ部(またはプローブユニット部)
で得られた信号を検知する計測部とを有し、外部より与
えられた位置決めのための磁界信号を検知し、これに基
づいて近磁界プローブの位置決め行うようにした計測シ
ステム。
【作用】プローブの位置決めを簡単、容易に3次元的に
行うことができるので、プローブの位置決めが一層高精
度になり、計測結果の信頼度を向上させることができ
る。
【実施態様13】上記解決手段および実施態様1乃至実
施態様12におけるループコイルに代えて検知部をMR
素子、GMR素子またはホール素子で構成したこと。
【0007】
【実施例】次いで図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【実施例1】図1に示すものは本発明のプローブの実施
例である。この実施例のプローブは、そのコイル、伝送
路、接続用パッド部を導電性箔(図1(a))により作
製したものである。コイルおよび平行線路部、パッド接
続部の作製は一枚のシートを目的の形に切断し(図1
(b))、その後、パッド接続部に同軸ケーブル等の接
続用ケーブルを接続し、さらに、スペクトラムアナライ
ザー等の計測器に接続する(図2)。PCB固定用台の
縁にマイクロストリップラインを高周波の基準磁界発生
源として固定し、基準磁界発生源からの基準電磁波を多
数の所定測定位置における電磁波の強さをプローブ部で
予め測定して、これを基準値としてメモリに記憶(ない
しは登録)しておく。PCB固定用台に測定対象である
PCBを所定の位置に固定し、基準磁界発生源から基準
電磁波を発信させながらPCB通電して電磁ノイズを発
生させる。この状態で、登録されている基準値と基準電
磁波の測定値とが一致する位置にプローブ部を位置決め
し、この位置での電磁ノイズを計測する。このように登
録されている基準値と基準電磁波の測定値とが一致する
ようにプローブ部を位置決めしているので、位置決めさ
れた位置での支持機構として、バランスアームやスペー
サ等の簡便な支持機構によることができ、ロボットやX
YZテーブルのような特に精密な機構を必要としない。
なお、高周波の基準磁界発生源はコプレーナ線路、ある
いはコイル等でもよい。上記の基準値の登録はこの電磁
ノイズ測定装置を製品として出荷する前に行うこともで
きるが、プローブを複数用意しその各プローブの使用に
先立つて登録することもできる。上記の基準値の設定法
の概略を図3(a)に示している(ただし高周波発振器
部は省略)。また、この基準値は次のとおりである。標
準測定位置にプローブを固定し、その時の磁界発生源か
らの磁界信号強度を、予め接続しておいたスペクトラム
アナライザーで検知する。出荷前に予め位置と検知した
信号強度およびプローブの感度の関係を得ているとき
は、プローブの感度補正を行うとともに、位置の校正を
行うことができる。これを複数点で行うことでさらに校
正精度を高めることができる。また、より高精度に位置
決めを行う際には、位置決め信号の発信源を複数用意
し、この強度の比較で位置決めを行うようにすればよ
い。図4に2個の発信源を持つ構成を示している。プロ
ーブと発信源Aからの所定の測定位置での基準電磁波の
強度を検知し、その後、発信源Bからの所定の測定位置
での基準電磁波の強度を検知する。発振源Aと発振源B
を交互に発振させることで、発振源A、発振源Bからの
信号を容易に区別できる。登録された基準値と、その位
置での測定対象物からの電磁ノイズの測定データとを一
緒にメモリに記憶させることにより、簡単に測定対象物
からの放射磁界強度が計測することができ、またその電
磁ノイズの発生源の特定に役立てることもできる。上記
の各基準電磁波発振源の周波数をいくつか用意すること
で、位置決め及び電磁ノイズ計測のための信号処理を容
易にすることができる。その場合、基準電磁波の周波数
を測定対象からの電磁ノイズの周波数帯域と異なる値に
設定することが望ましい。発信源を2個以上にすればよ
り測定精度が一層向上することはいうまでもない。以上
のように比較的簡便な構成の電磁ノイズ測定装置で高精
度な位置決めが可能であり、ひいては高精度で電磁ノイ
ズを測定することができる。なお、導電性箔は銅、A
l、Ag、Au、Pt等の金属材料やその他の導電性材
料でもよい。また、絶縁性基板としてはポリエチレンテ
レフタレートやポリイミドなどのフレキシブル基板やガ
ラスや石英等の絶縁基板でもよく、接着材はエポキシ系
接着剤等でよい。また、Al箔等を予め形成した絶縁性
基板でも同様にして構成することができる。基準電磁波
発振源としては市販の標準信号発生器でもよく、専用の
発振器でもよい。
【0008】
【実施例2】図5に他の実施例を示している。この実施
例はコイルを2個備えているものである。作製方法の例
としては、まず、プローブのコイルを2個、それぞれの
伝送路である平行線路部、接続用パッド部を導電性箔に
より作製する。コイルおよび平行線路部、パッド接続部
の作製は絶縁シートに導電性箔を接着し、その後コイ
ル、平行線路部、パッド接続部をエッチングで形成す
る。他の作製法として、絶縁シートと導電性箔一枚を目
的の形に切断し、その後で支持部材に固定する構成も採
れる。その後、それぞれのパッド接続部に同軸ケーブル
等の接続用ケーブルを接続し、さらに切り替えスイッチ
部に接続し、スペクトラムアナライザー等の計測器に接
続する。測定をPCB等の平面性の高いものとする場合
には、PCBの固定用台の上にマイクロストリップ線路
を高周波磁界発生源として用意し、これからの電磁波を
所定の測定点で予め測定してこれをメモリに登録し、こ
れを電磁ノイズ測定のためのプローブ部の位置決めの基
準とする。この場合、二つの検出コイルを切り替えるこ
とが可能である。二つのコイルは高周波磁界発生源に対
して微小に異なる位置関係を有し、したがって計測され
る基準磁界の値には微小な差異を生じる。電磁ノイズ測
定においては、それぞれのコイルを基準磁界検知に用
い、二つのコイルのそれぞれに対する基準値とそれぞれ
の測定値との一致をもってプローブ部の測定位置の判別
基準とする。これはいわば位置決め条件を二つの基準値
によるAND条件とするものであるから、プローブ部の
位置決めがより高精度でかつ確実になされることにな
る。なお、高周波磁界発生源としてはコプレーナ線路、
あるいはコイル等でもよく、また、発信部としては市販
の標準信号発生器を用いることもでき、専用の発振器を
用いることもできる。図8にその使用例を示している
(ただし、図示のプローブ部は紙面に垂直な方向に2個
重なっている。また高周波発振器部は省略)。二つのコ
イルを位置決め信号検出に同時に用い、二つのコイルの
うちの1個を被検体からの電磁ノイズ測定用に用いる。
この場合、位置決め用高周波磁界発生源からの基準磁界
がコイルに鎖交して発生する電圧を、平行線路部を介し
てパッド部の両端で検出できる。接続用導線をパッド部
に接続して切り替えスイッチおよびオシロスープへ接続
する。1個の位置決め用高周波磁界発生源からの基準磁
界を接近した微小な二つのコイルで計測できるので、位
置決め精度がさらに上がることは上記のとおりである。
この例では、二つの微小コイルのうちの1つを被検体か
らの磁界ノイズの計測に用いたが、2つのコイルを共に
用いてもよい。2つのコイルを共に被検体からの磁界ノ
イズの計測に用いることにより、測定の高速化が計られ
る。また、コイルの数をさらに増やすことで、位置決め
用高周波磁界発生源が1個でも位置決め精度をさらに高
めることができ、測定の精度を向上させることができ
る。また、位置決め法としては、位置決め用の高周波磁
界発生源からの基準電磁波の強度をそのまま使うという
やり方の外に、二つのコイルによる基準電磁波の測定値
の差をとって、これを電磁ノイズ測定における位置決め
基準値とすることもでき、この方が位置決め操作が容易
になる。図9に示すようにPCB(プリント基板)の配
線を電磁ノイズ測定の対象とする場合には、予めプロー
ブの前面に設けたスペーサで所定の間隔を保ちながらプ
ローブを2次元で移動させるとよい。また、プローブ内
に差動検知部を設け、これを表示し、あるいは外部にデ
ータとして出力する。そのとき同時に配線からの磁界信
号と検知したデータを表示し、あるいは外部出力するこ
とで、プローブ部の所定測定点への位置決めを容易にす
ることができる。
【0009】
【実施例3】図10乃至図12に他の実施例を示してい
る。この実施例はプローブ部にコイルを3個備えた例で
ある(ただし、図示のコイル1、2、3は紙面に垂直な
方向に3個重なっている)。このプローブ部の作製方法
として次ぎのような方法を採用する。まず、石英基板上
に、第1のコイルおよび伝送路およびパッド部を形成す
るため、パッタ法によりAl薄膜(導電性薄)の成膜を
行い、その後、一般的なフオトリソグラフィ技術とウエ
ットエッチングにより引出し線の第1のコイルおよび第
1の伝送路および第1のパッド部を形成し、次にスパッ
タ法によるSiO膜の成膜と一般的なフォトリソグラ
フィ技術とRIE(リアクティブ イオン エッチン
により、第1のコイル、第1の伝送路および第1の
絶縁層を形成する(図10(d)参照)。第1の導電性
薄膜と同様に、第1の絶縁層の上にA1で第2の導電性
薄膜を成膜し、同様に一般的なフォトリソグラフィ技術
とウェットエッチングにより第2のコイルおよび第2の
伝送路および第2のパッド部を形成し、さらに第1の絶
縁層と同様に第2の絶縁層をSiOで成膜して、第2
の絶縁層を第2のコイルおよび第2の伝送路の上に設け
る。次に第1、第2の導電性薄膜と同様に第2の絶縁層
の上にA1成膜で第3の導電性薄膜を形成し、一般的な
フォトリソグラフィ技術とウエットエッチングにより第
3のコイルおよび第3の伝送路および第3のパッド部を
形成する。なお、必要に応じて、絶縁層とコイル、伝送
路、パッド部を形成する。これにより小さな寸法でコイ
ルを形成でき、絶縁層も薄く形成できるため、より狭い
間隔で微小コイルを積層できるから、この実施例は実施
例1、実施例2と同様により高い精度で位置決めを行う
ことができる。プローブのコイルの直径をPCBの配線
の最小ピッチ程度にするか、あるいはそれ以下にし、さ
らに、プローブ間の厚みをPCBの配線のピッチよりも
小さくすれば、被検体であるPCBの配線からの電磁ノ
イズを測定しながら、PCBの配線ピッチレベルでの極
めて高い精度での位置決めを容易に実現することができ
る。また、このものにおいては、各パッド部上も含めて
第1、第2の絶縁層を形成して後、第1、第2の絶縁層
にスルーホールを設け、各パッド部に導通させるように
することもできる。コイル、引出し線、パッド部を形成
する材料としてはAg、Au、Pt等の金属材料が望ま
しいが、その他の導電性材料でもよい。また、基板とし
ては石英が望ましいが、石英以外の絶縁基板でもよく、
またポリエチレンテレフタレートやポリイミドなどのフ
レキシブル絶縁基板でもよい。Alの成膜法は蒸着法な
どの他の成膜方法でもよく、またAlのエッチング法は
RlE等のドライエッチング法でもよい。また、SiO
の成膜はEB蒸着法やCVD法など他の成膜方法でも
よく、絶縁層材料はSiなどの他の絶縁材料でも
よい。さらに、絶縁層のエッチングとしてウエットエッ
チングでもよいが、エッチング剤で基板もエッチングさ
れる場合は基板の裏面をレジストなどで保護する必要が
ある。導電性箔によるプローブ部の作製方法としては、
図13乃至図15に示す作製法を採用できる。この製作
法においては、導電性箔を絶縁シートを介して積層して
後、コイルおよび平行線路部、パッド接続部をまとめた
形に切断する。積層においては、パッド接続部を除い
て、エポキシ系接着剤によって接着し、プローブ部を実
施例1、実施例2と同様の測定系に組み込む(図16参
照)。
【0010】
【実施例4】プローブ部の他の例を図17に示してい
る。この例においては実施例2の第1のプローブ部のパ
ッド部1に同軸ケーブルの内部導体部を接続し、同様に
パッド部2に同軸ケーブルの外部導体部を接続し。これ
をさらにアンプ部1に接続する。このアンプ部1の中に
AD変換部が含まれており、AD変換部の出力がスイッ
チを介して表示装置に表示されるようにしている。アン
プ部1を設けてプローブからの信号を増幅し、AD変換
することにより微小な信号が検知される。このため、実
施例2に示した機能を簡便なプローブ部だけで実現で
き、可搬性に優れ、操作性に富むシステムとなる。プロ
ーブ部のパッド部1とアンプ部の接続は、通常のケーブ
ル等でもでき、表示装置としては通常の液晶パネルを採
用でき、また、各プローブ部の切り替えは表示装置の
前、あるいはアンプ部1の前で行うようにすればよい。
被検体からの電磁ノイズを測定をしながら、位置決め用
基準電磁波の測定値の差を増幅することで、位置決めを
容易に行うことができる。本発明のプローブ部のさらに
他の例を図18に示している。この例では図17に示す
ものと同様に3個のプローブ部で構成し、それぞれのプ
ローブのパッド部1に同軸ケーブルの内部導体部を接続
し、同様にパッド部2に同軸ケーブルの外部導体部を接
続する(ただし、図示の第1、第2、第3の伝送路は紙
面に垂直な方向に重なっている)。アンプ部1には上部
および下部のプローブの出力の差を得るための差動アン
プを設け、二つのプローブのコイルの出力差を増幅させ
るアンプをアンプ部1に含めて構成している。その差動
アンプのパッド部3に同軸ケーブルを接続し、これを中
心のプローブに図17と同様に接続する。さらにアンプ
部1の中にAD変換部を含めている。上部および下部の
プローブの出力の差のAD変換部の出力と中心のプロー
ブのAD変換部の出力をそれぞれ表示装置に表示させ
る。被検体からの電磁ノイズを測定をしながら、位置決
用め基準電磁波を測定した出力の差を増幅することによ
り、微細な位置決めを高精度で行える。なお、アンプ部
1はインピーダンス変換器部1としてもよく、その中に
AD変換部を含めてもよい。インピーダンス変換器部1
によってS/Nを向上させることができる。
【0011】
【実施例5】図19に本実施例のプローブ部の他の例を
示している。この例は実施例1のプローブ部を支持部材
の少なくとも2つ以上の面に張付けたものであり、面の
法線方向が一致しない面に張付けている。張付けたそれ
ぞれのプローブ部で多方面に向けて電磁界を検知するこ
とにより、高精度の位置決めに基づいて高精度で電磁ノ
イズを計測でき、かつ電磁ノイズの磁界のベクトルを検
知できる。
【0012】
【実施例6】図20に実施例3のプローブ部を複数配置
した例を示している。この例では、複数配置した各プロ
ーブ部で電磁界を計測することにより、一度に磁界分布
を計測することが可能であり、多数のコイルで位置決め
用電磁波を検知できるので、高い精度の位置決めに基づ
いて電磁ノイズを計測することができる。
【0013】
【実施例7】図21にプローブ部のさらに他の例を示し
ている。この例は実施例1で作製したプローブ部にアン
プ部2を接続し、増幅した出力をスペクトラムアナラィ
ザーに接続したものである。プローブ部からの信号を増
幅することにより、高精度の位置決めが可能で、かつ、
微小な電磁ノイズを検知できる。なお、アンプ部1はイ
ンピーダンス変換器部1と一体にしてもよく、その中に
AD変換部を含めてもよい。インピーダンス変換器部1
によってS/Nを向上させることができる。
【0014】
【実施例8】図22にプローブ部のさらに他の例を示し
ている。この例は実施例3で作製したプローブ部に、チ
ップ部品で構成されたアンプ部1を接続するパッドを設
けたものである。この例は実施例1と同様な機能をより
コンパクトな構成で実現でき、アンプ部により微小コイ
ルの近傍で増幅できるので、さらにS/N比を向上で
き、微小電磁ノイズを確実、正確に測定できる。なお、
アンプ部はインピーダンス変換器部1としてもよく、そ
の中にAD変換部を含めてもよい。インピーダンス変換
器によってS/Nを向上させることができる。また、図
示の「アンプ部1またはインピーダンス変換器部1のチ
ップ」は各パッドとバンプで接続されており、また、第
1、第2、第3の伝送路は紙面に垂直な方向に重なって
いる。
【0015】
【実施例9】図23及び図24にプローブ部のさらに他
の例を示している。この実施例は実施例3のプローブ部
を、絶縁層を形成したSi基板上に構成したものであ
る。アンプ部1はこのSi基板を用いて構成してあり、
プローブ部とアンプ部1とを通常の半導体プロセスにお
ける配線プロセスで接続している。なお、このものにお
いては、パッド部はスルーホールを介してSi基板に接
続されており、また、第1、第2、第3のコイルは紙面
に垂直な方向に重なっている。この実施例は実施例2と
同様な機能をさらにコンパクトな構成で実現でき、ま
た、アンプ部により信号源の近傍で増幅できるので、さ
らに、S/N比を向上させることができるとともに、微
小電磁ノイズを正確、確実に測定できる。なお、アンプ
部1はインピーダンス変換器部1と一体にしてもよく、
その中にAD変換部を含めてもよく、インピーダンス変
換器によってS/Nを向上できる。
【0015】
【実施例10】図25に本発明の他の実施例を示してい
る(ただし、高周波発振器部は省略)。この実施例は実
施例1のプローブ部をXYZステージに接続し、かつ信
号出力をスペクトラムアナライザーに接続したものであ
る。目的の位置に3次元(1次元、2次元でも可)でプ
ローブを移動させて計測することにより、高精度で位置
決めでき、電磁ノイズの磁界分布を計測できる。
【0016】
【実施例11】図26に本発明のプローブ部の他の例を
示している。この例は実施例1のプローブ部において、
コイル寸法の異なる複数個のプローブを設けたものであ
る。高い精度で位置決めし、かつそれぞれのコイル寸法
に応じた空間分解能で電磁ノイズを計測することができ
る。以上の実施例ではプローブ部の検知部としてコイル
を用いているが、コイルに代えて、MR素子(磁気抵抗
効果素子)、GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)、ポ
ールホール素子等の微小な磁気センサーを用いることも
できる。
【0017】
【効果】本発明により、簡便な電磁ノイズ測定装置のコ
イルまたコイル以外の磁気センサーをで基準電磁波(基
準信号)と電磁ノイズ測定とを同時に検知し、予め登録
した基準値と比較することによって所定の測定位置に高
精度で位置決めでき、この高精度の位置決めに基づいて
電気部品の電磁ノイズを高精度で測定できる。また、電
磁ノイズの磁界のベクトルを検知すること、また、微小
磁界を検知すること、複数のコイル寸法で計測すること
が可能であり、さらに磁界分布の3次元計測が可能であ
る。したがって、プリント基板等の電気部品のEMC対
策上有用な情報をより高精度で得ることができ、EMC
対策がより容易となり、引いては製品開発期間を大きく
短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は導電性箔の平面図、(b)は実施例1
のプローブ部の平面図。
【図2】は実施例1の測定概略図。
【図3】(a)は実施例1の校正法を示す側面図、
(b)は実施例1の校正後の測定側面図。
【図4】は実施例1の他の測定概略図。
【図5】(a)は実施例2におけるプローブ部製作手順
1の平面図、(b)は実施例2におけるプローブ部製作
手順2の平面図、(c)は実施例2におけるプローブ部
製作手順3の平面図。
【図6】(a)は実施例2におけるプローブ部の平面
図、(b)は実施例2におけるプローブ部の側面図。
【図7】は実施例2の測定概略図。
【図8】は実施例2の測定側面図。
【図9】は実施例2の他の測定概略図。
【図10】(a)は実施例3におけるプローブ部の一例
の製作手順1の平面図、(b)は(a)のa−a断面
図、(c)は実施例3におけるプローブ部の一例の製作
手順2の平面図、(d)は(c)のb−b断面図。
【図11】(a)は実施例3におけるプローブ部の一例
の製作手順3の平面図、(b)は(a)のc−c断面
図、(c)は実施例3におけるプローブ部の一例の製作
手順4の平面図、(d)は(c)のd−d断面図。
【図12】(a)は実施例3の平面図、(b)は(a)
のe−e断面図。
【図13】は実施例3におけるプローブ部の他の例の製
作手順1の平面図。
【図14】(a)は実施例3におけるプローブ部の他の
例の製作手順2の平面図、(b)は実施例3におけるプ
ローブ部の他の例の製作手順3の平面図。
【図15】(a)は実施例3のプローブの平面図、
(b)は実施例3のプローブの側面図。
【図16】は実施例3の測定概略図。
【図17】(a)は実施例2のプローブ部をシステム化
した実施例4の平面図、(b)は(a)の一部正面図。
【図18】は実施例3のプローブ部をシステム化した実
施例4の平面図。
【図19】は実施例5の側面図。
【図20】は実施例6の測定概略図。
【図21】は実施例7の側面図。
【図22】は実施例8の平面図。
【図23】(a)は実施例9のプローブ部の作成手順1
の平面図、(b)は(b)のf−f断面図、(c)は実
施例9のプローブ部の作成手順2の平面図、(d)は
(c)のg−g断面図。
【図24】(a)は実施例9のプローブ部の作成手順3
の平面図、(b)は(a)のh−h断面図、(c)は実
施例9のプローブ部の作成手順4の平面図、(d)は
(c)のi−i断面図。
【図25】は実施例10の測定概念図。
【図26】は実施例11におけるプローブ部の平面図。
【図27】は従来例の斜視図。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図27】
【図2】
【図13】
【図15】
【図3】
【図19】
【図4】
【図18】
【図5】
【図6】
【図26】
【図7】
【図21】
【図8】
【図12】
【図9】
【図22】
【図10】
【図11】
【図14】
【図16】
【図17】
【図20】
【図25】
【図23】
【図24】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ループコイルを検知部として持つ近磁界プ
    ローブ部による、電気部品に対する電磁ノイズ測定装置
    において、 導電性薄膜または導電性金属箔で近磁界プローブ部のル
    ープコイル部を構成し、位置決めのための基準となる磁
    界信号を、電気部品固定用台に固定した基準磁界信号発
    信部から発信させ、当該基準磁界信号を近磁界プローブ
    部のループコイル部によって検知し、これに基づいてプ
    ローブを所定の測定位置に位置決めすることを特徴とす
    る近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置。
  2. 【請求項2】上記基準信号をアンプ部またはインピーダ
    ンス変換器部に導き、これを表示器に表示させるように
    した請求項1の近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装
    置。
  3. 【請求項3】複数の面を持つ支持部材の少なくとも2つ
    以上の面に上記プローブ部を張付けた近磁界プローブ装
    置を用いた請求項1の電磁ノイズ測定装置。
  4. 【請求項4】近磁界プローブ部を複数のプローブ部とし
    た請求項1の近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装
    置。
  5. 【請求項5】上記複数面にそれぞれ複数のプローブ部を
    設けた請求項3の近磁界プローブによる電磁ノイズ測定
    装置。
  6. 【請求項6】請求項1におけるループコイルを導電性金
    属箔または導電性薄膜で構成し、このループコイルを複
    数設けて、請求項1における近磁界プローブ部をユニッ
    ト化し、または請求項4における複数のプローブ部をユ
    ニット化した、請求項1または請求項4の近磁界プロー
    ブによる電磁ノイズ測定装置。
  7. 【請求項7】複数のループコイルをアレイ化してユニッ
    ト化した請求項5の電磁ノイズ測定装置。
  8. 【請求項8】ループコイル部を導電性金属箔または導電
    性薄膜で構成し、これを概略同一位置で、絶縁性箔また
    は薄膜を介して積層してプローブ部をユニット化した請
    求項1の近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置。
  9. 【請求項9】プローブ部を複数設け、その複数個のプロ
    ーブ部のループコイルの大きさを互いに異ならせた請求
    項1の電磁ノイズ測定装置。
  10. 【請求項10】請求項2におけるアンプ部またはインピ
    一ダンス変換器部を、プローブ部を作製する基板上にパ
    ッドを設けてチップ部品で構成した請求項2の近磁界プ
    ローブによる電磁ノイズ測定装置。
  11. 【請求項11】表示部をも基板上に設けた請求項10の
    電磁ノイズ測定装置。
  12. 【請求項12】請求項2におけるアンプ部またはインピ
    ーダンス変換器部を、プローブ部を作製する基板上にコ
    イル、伝送路とともに半導体プロセスで構成した請求項
    2の近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置。
  13. 【請求項13】請求項1におけるプローブ部またはプロ
    ーブユニット部を3次元に移動させる3次元移動手段
    と、プローブ部またはプローブユニット部で得られた信
    号を検知する計測部とを有し、外部より与えた位置決め
    のための磁界信号を検知し、これに基づいて近磁界プロ
    ーブの位置決め行うようにした近磁界プローブによる電
    磁ノイズ計測装置。
  14. 【請求項14】ループコイルに代えて検知部をMR素
    子、GMR素子またはホール素子で構成した、請求項1
    乃至請求項13の電磁ノイズ計測装置。
JP03979798A 1998-02-06 1998-02-06 近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置及び電磁ノイズ測定方法 Expired - Fee Related JP3559158B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03979798A JP3559158B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置及び電磁ノイズ測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03979798A JP3559158B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置及び電磁ノイズ測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11223647A true JPH11223647A (ja) 1999-08-17
JP3559158B2 JP3559158B2 (ja) 2004-08-25

Family

ID=12562956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03979798A Expired - Fee Related JP3559158B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置及び電磁ノイズ測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3559158B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1630565A1 (en) * 2004-08-23 2006-03-01 Xerox Corporation A method of detecting an arcing event and a printing machine using said method
CN100381829C (zh) * 2005-06-22 2008-04-16 湖南科技大学 车辆内部电磁兼容性诊断测试的电磁探测器
JP2009174945A (ja) * 2008-01-23 2009-08-06 Fujitsu Ltd 電磁界分布計測方法、走査型電磁界センサユニット、および走査型電磁界計測装置
WO2010047149A1 (ja) * 2008-10-24 2010-04-29 株式会社日立製作所 ノイズ評価装置
JP2012237601A (ja) * 2011-05-10 2012-12-06 Tdk Corp 磁場検出装置及び方法
JP2013539195A (ja) * 2010-04-29 2013-10-17 フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ 磁界センサから励磁コンダクタ間隔を決定するための方法、磁界センサを校正するための方法、校正可能な磁界センサ、および励磁コンダクタ間隔を決定するための励磁コンダクタ構造の使用法
JP2014066681A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Daihen Corp 高周波検出装置、および、当該高周波検出装置を備えた高周波測定装置
WO2016170589A1 (ja) * 2015-04-21 2016-10-27 株式会社日立製作所 表面電流ベクトル測定システムおよびこれを用いた故障診断システム
WO2021053033A1 (fr) * 2019-09-19 2021-03-25 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Empilement magnétorésistif sans champ rayonné, capteur et système de cartographie magnétique comprenant un tel empilement

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1630565A1 (en) * 2004-08-23 2006-03-01 Xerox Corporation A method of detecting an arcing event and a printing machine using said method
CN100381829C (zh) * 2005-06-22 2008-04-16 湖南科技大学 车辆内部电磁兼容性诊断测试的电磁探测器
JP2009174945A (ja) * 2008-01-23 2009-08-06 Fujitsu Ltd 電磁界分布計測方法、走査型電磁界センサユニット、および走査型電磁界計測装置
WO2010047149A1 (ja) * 2008-10-24 2010-04-29 株式会社日立製作所 ノイズ評価装置
JP2010101760A (ja) * 2008-10-24 2010-05-06 Hitachi Ltd ノイズ評価装置
JP2013539195A (ja) * 2010-04-29 2013-10-17 フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ 磁界センサから励磁コンダクタ間隔を決定するための方法、磁界センサを校正するための方法、校正可能な磁界センサ、および励磁コンダクタ間隔を決定するための励磁コンダクタ構造の使用法
US9000754B2 (en) 2010-04-29 2015-04-07 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Method for determining an exciter conductor spacing from a magnetic field sensor, method for calibrating the magnetic field sensor as well as calibratable magnetic field sensor and usage of an exciter conductor structure for determining an exciter conductor spacing
JP2012237601A (ja) * 2011-05-10 2012-12-06 Tdk Corp 磁場検出装置及び方法
JP2014066681A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Daihen Corp 高周波検出装置、および、当該高周波検出装置を備えた高周波測定装置
WO2016170589A1 (ja) * 2015-04-21 2016-10-27 株式会社日立製作所 表面電流ベクトル測定システムおよびこれを用いた故障診断システム
WO2021053033A1 (fr) * 2019-09-19 2021-03-25 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Empilement magnétorésistif sans champ rayonné, capteur et système de cartographie magnétique comprenant un tel empilement

Also Published As

Publication number Publication date
JP3559158B2 (ja) 2004-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5151032B2 (ja) 磁界プローブ装置及び磁界プローブ素子
US7298140B2 (en) Three-dimensional magnetic direction sensor, and magneto-impedance sensor element
JP3521132B2 (ja) 相対変位検出ユニット及び相対変位検出装置
JP3559158B2 (ja) 近磁界プローブによる電磁ノイズ測定装置及び電磁ノイズ測定方法
US6696834B2 (en) Magnetic field probe having a shielding layer to protect lead wires with an isolating layer
JP2001094408A (ja) 静電容量型センサ、静電容量型センサ部品および物体搭載体
JP3583276B2 (ja) 近磁界プローブ及び近磁界プローブユニット及び近磁界プローブアレー及び磁界計測システム
JPH08248080A (ja) 電磁雑音測定用磁界プローブ、電磁雑音測定用電界プローブ、及び電磁雑音測定装置
JP5418424B2 (ja) 電磁界プローブ
JP2001091205A (ja) 物体搭載装置
JP3506896B2 (ja) 近磁界プローブ及び近磁界プローブユニット及び近磁界プローブアレー及び磁界計測システム
JP2010088011A (ja) 方向性結合器
JP3337013B2 (ja) 大規模集積回路の非接触計測装置
JP2943793B1 (ja) 磁界検出装置および磁界分布測定装置
JP2000121683A (ja) 積分による出力信号処理システムを有する近磁界プローブ
JP2011024168A (ja) ループアンテナおよび磁界プローブ
CN110907683B (zh) 一种用于pcb电流测量的谐振式电流传感器
JP5139822B2 (ja) 磁界プローブ
Xu et al. Experimental validation of multiferroic antennas in GHz frequency range
JP3606546B2 (ja) 高空間分解能の近磁界プローブまたは近磁界プローブシステム
JP2003121483A (ja) 電界磁界検出素子及び電界磁界計測装置並びに電界磁界計測方法
JPH11103018A (ja) 半導体装置
JP3423498B2 (ja) Emc用近磁界プローブ及びその作製方法
JP2000266784A (ja) 同相ノイズ検出用プローブ
JP2000314755A (ja) 近傍電磁界検知プローブシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20031215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040506

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080528

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees