JPH11222723A - 抗菌性繊維 - Google Patents

抗菌性繊維

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JPH11222723A
JPH11222723A JP10205168A JP20516898A JPH11222723A JP H11222723 A JPH11222723 A JP H11222723A JP 10205168 A JP10205168 A JP 10205168A JP 20516898 A JP20516898 A JP 20516898A JP H11222723 A JPH11222723 A JP H11222723A
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JP
Japan
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group
antibacterial
dicarboxylic acid
component
phosphonium salt
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JP10205168A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Oka
哲史 岡
Juji Konagaya
重次 小長谷
Hideto Ohashi
英人 大橋
Satoshi Hayakawa
聡 早川
Kenji Yoshino
賢二 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた抗菌性を有し、かつ高強力で着色がな
く洗濯等に対する耐久性のある抗菌性繊維を提供する。 【解決手段】 ホスホニウム塩基を主鎖および/または
側鎖に結合した高分子物質からなり、ホスホニウム塩と
結合するアルキル基のうちの少なくとも1個が炭素数6
以上20以下であることを特徴とする抗菌性繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホスホニウム塩基を
有する高分子物質からなる耐久性に優れた抗菌性繊維に
関する。
【0002】
【従来の技術】繊維製品は,衣料分野,寝装分野,イン
テリア分野,資材分野等広く用いられているが,消費者
ニーズの高度化に伴い,種々の機能が要求されている
が、近年、直接・間接を含めた菌の感染による弊害を防
御する目的で抗菌性能が注目されている。
【0003】従来、抗菌剤は,工業用、農業等、食品関
係の分野で多くのものが用いられているが,現在使用さ
れている抗菌剤としてはキチン、キトサン等の天然品、
酸化亜鉛超微粒子、銀含有ゼオライト等の無機品、及び
種種の合成品が挙げられる。これらの天然品及び無機品
は毒性の面で安全であることから最近注目を集めてい
る。
【0004】他方、合成品は抗菌能が天然品、無機品よ
り優れるのが一般的だが、抗菌性付与法として表面処理
加工が採用されているため、抗菌剤が揮発、分離しやす
く、その毒性のためにかえって敬遠されがちである。こ
れは抗菌剤が水や有機溶媒等に溶解しやすいためで、最
近では不溶性で毒性を示さない固定化抗菌剤が開発され
ている。この改善法として以下の開示例がある。
【0005】特開昭54−86584号公報には、カル
ボキシル基やスルホン酸基等の酸性基とイオン結合して
いる4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤成分を含有す
る高分子物質を主体とした抗菌性材料が記載されてい
る。特開昭61−245378号公報には、アミジン基
などの塩基性基や4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤
成分を含有したポリエステル共重合体からなる繊維が記
載されている。また、特開昭57−204286号公
報、特開昭63−609030号公報、特開昭62−1
14903号公報、特開平1−93596号公報、特開
平2−240090号公報によれば種種の含窒素化合物
と同様、ホスホニウム塩化合物は細菌類に対して広い活
性スペクトルを持った生物学的活性化学物質として知ら
れている。
【0006】上記のホスホニウム塩を高分子物質に固定
化し用途の拡大を試みた発明が開示されている。特開平
4−266912号公報にはホスホニウム塩系ビニル重
合体の抗菌剤について、特開平4−814365号公報
にはビニルベンジルホスホニウム塩系ビニル重合体の抗
菌剤について開示されている。
【0007】さらには、特開平5−310820号公報
には、酸性基およびこの酸性基とイオン結合したホスホ
ニウム塩基を有する抗菌成分を含有する高分子物質を主
体とした抗菌性材料が記載されている。その実施例中で
スルホイソフタル酸のホスホニウム塩を用いたポリエス
テルが開示されている。
【0008】そこで、特開平4−266912号公報、
特開平4−814365号公報、特開平5−31082
0号公報で開示された技術を鋭意検討し、ホスホニウム
塩基含有ビニル重合体及び共重合ポリエステルを合成
し、繊維やフィルム等の構造体を形成したり、またそれ
を構造形成体上に塗布し、それらの抗菌性を検討した
が、抗菌活性は不十分であることが分かった。
【0009】また,繊維への抗菌性付与に関して,抗菌
剤として銀イオンや銅イオンを繊維に結合させる方法が
特開昭52−92000号公報等にて開示されている。
また,繊維表面を化学的に改質し特定の金属を結合させ
る方法として,例えば繊維表面をヒドロキシルアミンで
改質した後,銅やアルミニウム等の金属と化学結合させ
る方法が特開平3−213652号公報等で開示されて
いる。
【0010】低分子の有機抗菌剤を繊維に付着させる方
法において,抗菌剤として,2,4,4‘−トリクロロ
−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルを用いること
が特開昭69−144678号公報,特開昭59−23
0588号公報等で,3,4,4‘−トリクロロカルバ
ニリドを用いることが特開平1−266277号公報,
特開平2−112474号公報で開示されている。
【0011】しかしながら,これらの方法のうち,金属
を結合させる方法は,金属によっては金属固有の色が顕
出し,繊維製品としての品質を損ね,また繊維製品の用
途が限定される。また,低分子の有機抗菌剤を用いる方
法は,抗菌剤が化学結合ではなく,物理的結合により保
持されているため,晒し,染色,洗濯等にで脱落し、耐
久性の点で満足できるものではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の欠点を根本的に解決しようとするものであり、そ
の目的は優れた抗菌性を有し,さらに着色が無く洗濯等
に対する耐久性のある抗菌性繊維を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は、ホスホニウム塩基を主鎖および
/または側鎖に結合した高分子物質からなり、ホスホニ
ウム塩と結合するアルキル基のうちの少なくとも1個が
炭素数6以上20以下であることを特徴とする抗菌性繊
維により達成される。例えば、酸性基及び酸性基とイオ
ン結合しているホスホニウム塩基を含む高分子物質、さ
らに具体的には、ジカルボン酸成分及びグリコール成分
を主成分とし、下記一般式で表されるスルホン酸基含有
芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩を繊維中の全ジカ
ルボン酸成分含有量に対して、共重合成分として0.0
1モル%以上50モル%以下共重合した共重合ポリエス
テル (式中、Aは芳香族基、X1 、X2 はエステル形成性官
能基、R1 、R2 、R3、R4 はアルキル基でそのうち
の少なくとも1個は炭素数6以上20以下のアルキル
基)を用いた抗菌性繊維により本発明の目的は顕著に達
成される。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳しく説明する。本
発明でいう高分子物質とは主鎖および/または側鎖にホ
スホニウム塩基を結合していれば、いかなる高分子化合
物でもよい。以下にその具体例について代表例を示す
が、これに限定されることはない。
【0015】高分子物質(A)の一例は,ジカルボン酸
成分及びグリコール成分を主成分とし、下記一般式で表
されるスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニ
ウム塩を繊維中の全ジカルボン酸成分含有量に対して、
共重合成分として0.01モル%以上50モル%以下含
有したポリエステルである。 (式中、Aは芳香族基、X1 、X2 はエステル形成性官
能基、R1 、R2 、R3、R4 はアルキル基でそのうち
の少なくとも1個は炭素数6以上20以下のアルキル
基)
【0016】繊維中の全ジカルボン酸成分含有量に対す
る共重合成分が50モル%を越えるとガラス転移点の低
下が大きいため繊維としての力学特性が劣り、実用に耐
えない。また、共重合成分が0.01モル%より少ない
と、充分な抗菌性を示さなくなってしまう。力学特性、
抗菌性能のバランスからは、共重合成分が0.1モル%
以上10モル%以下が好ましい。また、高分子物質は、
共重合体のみからなるものであっても、共重合体のマス
ターレジンをチップブレンドにより希釈して用いたもの
であっても、繊維中の全ジカルボン酸成分含有量に対す
るホスホニウム塩の共重合成分量が同じであれば、同等
の効果が得られる。
【0017】該共重合ポリエステルにおいては、ホスホ
ニウム塩と結合するアルキル基のうち少なくとも一個が
炭素数6以上20以下でなければならない。原因は、不
明であるがアルキル基の炭素数が全て6未満であった
り、20より大きい場合は、抗菌性能が殆ど発現しな
い。また、さらに有用な効果としてアルキル基のうちの
少なくとも一個が炭素数6以上20以下である場合、溶
融重合におけるホスホニウム塩の凝集が殆ど生じないこ
とから、重合度の高いポリマーを容易に得ることがで
き、繊維としては、非常に高強力となることも見出し
た。力学特性、抗菌性能のバランスから、ホスホニウム
塩と結合するアルキル基のうち少なくとも一個が炭素数
10以上18以下であることが、より好ましい。
【0018】該共重合ポリエステルのジカルボン酸成分
としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、
脂肪族ジカルボン酸、複素環式ジカルボン酸などが挙げ
られる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、4,4−ジカルボキシルベンゾフェノン、ビス
(4−カルボキシルフェニル)エタン及びそれらの誘導
体などがあり、脂環式ジカルボン酸はシクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸及びその誘導体などがあり、脂肪
族ジカルボン酸としてはアジピン酸、セバシン酸、ドデ
カンジオン酸、エイコサンジオン酸、ダイマー酸及びそ
れらの誘導体などがあり、複素環式ジカルボン酸として
はピリジンカルボン酸及びその誘導体が挙げられる。
【0019】このようなジカルボン酸成分以外にp−オ
キシ安息香酸などのオキシカルボン酸類、トリメリット
酸、ピロメリット酸及びその誘導体等の多官能酸を含む
ことも可能である。グリコール成分としては、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリ
テトラメチレングリコール等が挙げられる。このほか少
量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボ
ネート結合等を含有する化合物を含んでいてもよい。
【0020】スルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホ
スホニウム塩としては、スルホイソフタル酸トリ−n−
ブチルデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ
−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、スルホイソ
フタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム
塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシル
ホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチル
ドデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n
−ブチルデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸ト
リ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、スルホテ
レフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム
塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシル
ホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチル
ドデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2、
7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルデシルホスホニウム
塩、4−スルホナフタレン−2、7−ジカルボン酸トリ
−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、4−スルホ
ナフタレン−2、7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルヘ
キサデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−
2、7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルテトラデシルホ
スホニウム塩、4−スルホナフタレン−2、7−ジカル
ボン酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、等が
あげられ、抗菌活性の点ではスルホイソフタル酸トリ−
n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホイソフ
タル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、
スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニ
ウム塩が特に好ましい。
【0021】上記芳香族ジカルボン酸ホスホニウム塩は
芳香族ジカルボン酸またはそのナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等に、トリ−n−ブチルヘキサデシ
ルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルテトラデ
シルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルドデシ
ルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩を反応さ
せることにより得られる。反応溶媒は特に限定しない
が、水が最も好ましい。
【0022】該共重合ポリエステルには着色度及びゲル
発生等の耐熱性の改善の目的で、酢酸マグネシウム、塩
化マグネシウム等のマグネシウム塩、酢酸カルシウム、
塩化カルシウム等のカルシウム塩、酢酸マンガン、塩化
マンガン等のマンガン塩を各々金属イオンとして20p
pm以上300ppm以下、リン酸またはリン酸トリメ
チルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸エ
ステル誘導体をPとして20ppm以上200ppm以
下添加することも可能である。上記金属イオンが300
ppmを越えるとポリマーの着色が顕著になる。また2
0ppm未満ではポリマーの耐熱性の向上が見られな
い。
【0023】また、耐熱性等の点で、Pと金属イオンと
のモル比は0.4〜1.0であることが好ましい。
【数1】 上記モル比が0.4未満または1.0を越える場合に
は、ポリマーの着色、粗大粒子発生が顕著となり、繊維
への適用が困難となる。
【0024】該ポリエステルの製造法としては、芳香族
ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる、いわゆ
る直接重合法、芳香族ジカルボン酸のジメチルエステル
とグリコールとをエステル交換反応させる、いわゆるエ
ステル交換法など任意の製造法を適用することができ
る。上記金属イオン及びリン酸及びその誘導体の添加時
期は特に限定しないが、金属イオンは原料仕込み時に、
リン酸類の添加は重合反応前に添加するのが好ましい。
本発明の抗菌性材料を製造する方法は、特に限定されず
高分子物質の製造方法、特性により任意の方法を採用で
きる。
【0025】本発明の抗菌性材料には、さらなる抗菌活
性の向上を目的として、他の有機系の抗菌剤、または銀
/ゼオライト粒子、銀/リン酸ジルコニウム粒子、酸化
亜鉛微粒子、光酸化触媒機能を有した酸化チタン微粒子
等の無機系の抗菌剤を添加することも可能である。ま
た、用いるポリマー中には、必要に応じて、カーボンブ
ラック、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、
酸化カルシウム、マイカ、金属微細粉、有機顔料、無機
顔料、抗酸化剤、蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤、撥
水剤、吸湿剤、吸水剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤な
ど、通常用いられる添加剤を配合しても良い。
【0026】本発明の抗菌性材料は、従来の溶融紡糸・
延伸法により繊維とすることができる。溶融紡糸後の延
伸方法は、溶融紡糸により得られた未延伸糸を一旦巻き
取った後、延伸工程を経て完成糸を得る方法や、未延伸
糸を巻き取らずに直接熱延伸する方法が採用される。ま
た、多段階延伸方法、スチームジェット延伸方法でも良
く、さらに必要に応じて本発明の抗菌性材料の他に別の
樹脂を複合して溶融紡糸する複合紡糸方法でも良い。
【0027】このようにして得られた繊維は、織編み
物、不織布、スパンボンド、フェルト、合成紙の中間製
品やさらに加工された衣服(外衣、作業服、下着、靴
下、帽子等)、衣料用編み物、産業用縫製品、紐、テー
プ、ロープ、リボン、等にすることができ、繊維製品と
して生活用品、スポーツレジャー品、建築土木資材、農
林漁業用資材、産業用資材、等種々の用途に利用され
る。
【0028】
【実施例】次に実施例及び比較例を用いて本発明を更に
詳しく説明するが、以下の実施例に限定されるものでは
ない。以下に実施例および比較例で得られた繊維の物性
の測定方法を示す。
【0029】(1)抗菌性試験法 繊維製品機能評価協議会が制定した、繊維製品の定量的
抗菌性試験法(統一試験法)マニュアルに準拠した。す
なわち、滅菌した1/20濃度ニュ−トリエントブロス
に下記試験菌を1±0.3×105個/ml含有する試
験菌縣濁液0.2mlを0.4gの試料に均一に接種
し、37℃で18時間培養する。培養終了後、試験菌を
洗い出した希釈液で混釈平板寒天培地を作成し、37℃
で24〜48時間培養することによって、接種した生菌
数を測定する。抗菌性は下記式による静菌活性値で評価
する。数値の高いものほど抗菌性に優れている。
【0030】 試験菌 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538P) 肺炎かん菌(Klebsiella pneumoniae ATCC 4352) 静菌活性値 LogB−LogC 但し、試験成立条件(LogB−LogA)>1.5を
満たす。 A;未加工標準布の接種直後に回収した菌数の平均値 B;未加工標準布の18時間培養直後回収した菌数の平
均値 C;加工布の18時間培養後回収した菌数の平均値
【0031】(2)洗濯、乾燥方法 (A) 家庭洗濯:上記、繊維製品新機能評価協議会(SE
K)が制定している、SEKマーク製品の前処理(洗
濯)方法マニュアルに準拠した。すなわち、JISL0
217の洗い方103に規定する家庭電気洗濯機を使用
し、40℃の水30lに対しJAFET標準洗剤を40
ml溶解し洗濯液とし、この洗濯液に浴比が1:30と
なるように試料を入れる。5分間洗濯、脱水、2分間濯
ぎ洗い、脱水、2分間濯ぎ洗いの1サイクルを1回分の
洗濯回数とし、10回の洗濯を行った。乾燥に際して
は、タンブラーを用いて80℃で30分間の乾燥を行っ
た。 (B) 高温洗濯:JAFET標準洗剤(家庭洗濯機及びワ
ッシャー洗濯機用液体合成洗剤〈中性〉)を用い、厚生
省令第13号に準ずる洗濯法により,80℃,50回数
の洗濯を行った。
【0032】実施例1 テレフタル酸ジメチルエステル9モル、5−スルホイソ
フタル酸ジメチルエステルのトリ−n−ブチルドデシル
ホスホニウム塩1モル、エチレングリコール22モル、
共重合ポリエステル理論生成量に対して酢酸亜鉛を亜鉛
(Zn)として200ppm加え、140℃から220
℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去しなが
らエステル交換反応を行った。エステル交換反応終了
後、250℃にて共重合ポリエステル理論量に対して酸
化アンチモンをアンチモン(Sb)として250pp
m、トリメチルホスフェートをP量として80ppm加
え15分攪拌した。260℃、真空下で30分間重縮合
反応を行い、極限粘度η=0.70(測定溶媒:フェノ
ール/テトラクロロエタン=60/40、測定温度:3
0℃)の共重合ポリエステル樹脂を得た。
【0033】得られた樹脂を用い、220℃で溶融し
て、孔径0.3mmの紡糸孔を24個備えた紡糸口金よ
り吐出し、巻取り速度1300m/minで紡糸した
後、2.5倍に延伸し、50デニール/24フィラメン
トの繊維を得た。得られた繊維は、筒編み・精錬した
後、上述の抗菌性試験を行った。
【0034】実施例2 テレフタル酸ジメチルエステル9.98モル、5−スル
ホイソフタル酸ジメチルエステルのトリ−n−ブチルド
デシルホスホニウム塩0.02モル、エチレングリコー
ル22モル、共重合ポリエステル理論生成量に対して酢
酸亜鉛を亜鉛(Zn)として200ppm加え、140
℃から220℃まで昇温して生成するメタノールを系外
に留去しながらエステル交換反応を行った。エステル交
換反応終了後、250℃にて共重合ポリエステル理論量
に対して酸化アンチモンをアンチモン(Sb)として2
50ppm、トリメチルホスフェートをP量として80
ppm加え15分攪拌した。260℃、真空下で30分
間重縮合反応を行い、極限粘度η=0.65(測定溶
媒:フェノール/テトラクロロエタン=6/4(v/
v),30℃)の共重合ポリエステル樹脂を得た。
【0035】得られた樹脂を用い、270℃で溶融し
て、孔径0.3mmの紡糸孔を24個備えた紡糸口金よ
り吐出し、巻取り速度1300m/minで紡糸した
後、2.8倍に延伸し、50デニール/24フィラメン
トの繊維を得た。得られた繊維は、筒編み・精錬した
後、上述の抗菌性試験を行った。
【0036】実施例3 テレフタル酸ジメチルエステル9.5モル、5−スルホ
イソフタル酸ジメチルエステルのトリ−n−ブチルドデ
シルホスホニウム塩0.5モル、エチレングリコール2
2モル、共重合ポリエステル理論生成量に対して酢酸亜
鉛を亜鉛(Zn)として200ppm加え、140℃か
ら220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留
去しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反
応終了後、250℃にて共重合ポリエステル理論量に対
して酸化アンチモンをアンチモン(Sb)として250
ppm、トリメチルホスフェートをP量として80pp
m加え15分攪拌した。260℃、真空下で30分間重
縮合反応を行い、極限粘度η=0.65(測定溶媒:フ
ェノール/テトラクロロエタン=6/4(v/v),3
0℃)の共重合ポリエステル樹脂を得た。
【0037】得られた共重合体をポリエチレンテレフタ
レート(極限粘度0.63:フェノール/テトラクロロ
エタン=6/4(v/v),30℃)と,共重合体:ポ
リエチレンテレフタレート=1:25の割合でチップヴ
レンドし,270℃で溶融して、孔径0.3mmの紡糸
孔を24個備えた紡糸口金より吐出し、巻取り速度13
00m/minで紡糸した後、2.8倍に延伸し、50
デニール/24フィラメントの繊維を得た。得られた繊
維は、筒編み・精錬した後、上述の抗菌性試験を行っ
た。
【0038】比較例1 本発明との比較のために、実施例1において、テレフタ
ル酸ジメチルエステル9モル、5−スルホイソフタル酸
ジメチルエステルのトリ−n−ブチルドデシルホスホニ
ウム塩1モルの代わりに、テレフタル酸ジメチルエステ
ル10モルを用い、溶融紡糸時の吐出温度を220℃と
する以外は、実施例1と同様の試験実験を行った。
【0039】比較例2 ポリエチレンテレフタレート100%の編み物に、下記
処方1の処理液を含浸し、マングルで絞り率60%にて
圧搾後、100℃で2分間乾燥を行い、次いで150℃
で3分間の熱処理を行い、比較例2の加工布を得た。
【0040】処方1 ニッカノン RB 20g/l (第4級アンモニウム塩系抗菌、日華化学株式会社製)
【0041】比較例3 ポリエチレンテレフタレート100%の編み物に、下記
処方2の処理液を用いる他は比較例2と同一の方法によ
り比較例3の加工布を得た。
【0042】処方2 ニッカノン RB 20g/l (第4級アンモニウム塩系抗菌剤、日華化学株式会社
製) Sumitetex Resin M-3 5g/l (メラミン樹脂、住友化学工業株式会社製) Sumitetex Accelerator ACX 3g/l (触媒、住友化学工業株式会社製)
【0043】実施例1,2および比較例1〜3の結果を
表1、2に示した。尚、未加工標準布の18時間培養直
後に回収した菌数の平均値は、黄色ブドウ球菌の場合、
6.68×106、肺炎かん菌では、2.05×107
であった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の抗菌性繊維は、特定のアルキル
鎖長を有するホスホニウム塩基を主鎖および/又は側鎖
に結合した高分子物質を用いることにより、優れた抗菌
性を有し、かつ高強力で着色がなく洗濯等に対する耐久
性のある抗菌性繊維が得られるため、繊維製品として生
活用品、スポーツレジャー品、建築土木資材、農林漁業
用資材、産業用資材、等種々の用途に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 聡 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 吉野 賢二 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホスホニウム塩基を主鎖および/または側
    鎖に結合した高分子物質からなり、ホスホニウム塩と結
    合するアルキル基のうちの少なくとも1個が炭素数6以
    上20以下であることを特徴とする抗菌性繊維。
  2. 【請求項2】高分子物質が酸性基及び酸性基とイオン結
    合しているホスホニウム塩基を含むことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の抗菌性繊維。
  3. 【請求項3】高分子物質がジカルボン酸成分及びグリコ
    ール成分を主成分とし、下記一般式で表されるスルホン
    酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩を繊維中
    の全ジカルボン酸成分含有量に対して,共重合成分とし
    て0.01モル%以上50モル%以下含有した共重合ポ
    リエステルであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項、第2項記載の抗菌性繊維。 (式中、Aは芳香族基、X1 、X2 はエステル形成性官
    能基、R1 、R2 、R3、R4 はアルキル基でそのうち
    の少なくとも1個は炭素数6以上20以下のアルキル
    基)
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