JPH11219858A - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents
アルミニウム電解コンデンサInfo
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- JPH11219858A JPH11219858A JP1969898A JP1969898A JPH11219858A JP H11219858 A JPH11219858 A JP H11219858A JP 1969898 A JP1969898 A JP 1969898A JP 1969898 A JP1969898 A JP 1969898A JP H11219858 A JPH11219858 A JP H11219858A
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- aluminum
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- electrolytic capacitor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 陽極箔及び陰極箔の表面に形成される水和物
皮膜を充分に抑制し得るアルミニウム電解コンデンサを
提供する。 【解決手段】 エッチングが施されたアルミニウム箔の
表面が陽極酸化された陽極箔と、エッチングが施された
アルミニウム箔から成る陰極箔とを、両者の表面が隔離
紙を介して対向するように卷回して形成したコンデンサ
素子と電解液とがケース内に収容され、且つ前記コンデ
ンサ素子が挿入されたケースの開口部が弾性封口体で密
封されて成るアルミニウム電解コンデンサにおいて、該
隔離紙中のカルシウム元素の含有量が1000ppm以
下であることを特徴とする。
皮膜を充分に抑制し得るアルミニウム電解コンデンサを
提供する。 【解決手段】 エッチングが施されたアルミニウム箔の
表面が陽極酸化された陽極箔と、エッチングが施された
アルミニウム箔から成る陰極箔とを、両者の表面が隔離
紙を介して対向するように卷回して形成したコンデンサ
素子と電解液とがケース内に収容され、且つ前記コンデ
ンサ素子が挿入されたケースの開口部が弾性封口体で密
封されて成るアルミニウム電解コンデンサにおいて、該
隔離紙中のカルシウム元素の含有量が1000ppm以
下であることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム電解コ
ンデンサに関し、更に詳細には耐熱性に優れ、寿命特性
が良好なアルミニウム電解コンデンサに関する。
ンデンサに関し、更に詳細には耐熱性に優れ、寿命特性
が良好なアルミニウム電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウム電解コンデンサ
は、アルミニウム箔によって形成されているコンデンサ
素子と電解液とがアルミニウム製のケースに密封されて
収容されているものである。かかるコンデンサ素子は、
エッチングを施したアルミニウム箔の表面を更に陽極酸
化した陽極箔と、エッチングを施したアルミニウム箔か
ら成る陰極箔とを、両者の表面を隔離紙を介して互いに
対向させつつ卷回して形成したものであり、コンデンサ
素子を挿入したケースの開口部は弾性封口体で密封して
いる。
は、アルミニウム箔によって形成されているコンデンサ
素子と電解液とがアルミニウム製のケースに密封されて
収容されているものである。かかるコンデンサ素子は、
エッチングを施したアルミニウム箔の表面を更に陽極酸
化した陽極箔と、エッチングを施したアルミニウム箔か
ら成る陰極箔とを、両者の表面を隔離紙を介して互いに
対向させつつ卷回して形成したものであり、コンデンサ
素子を挿入したケースの開口部は弾性封口体で密封して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のアルミ
ニウム電解コンデンサにおいては、経時変化を調査する
経時変化試験において、陽極箔及び陰極箔の表面に水和
物皮膜が形成されることに起因し、コンデンサ容量が次
第に減少したり、その他コンデンサ特性の変化も大きく
なる現象が発生することがある。かかる水和物皮膜は、
陽極酸化が施されていない陰極箔の表面に、陽極酸化が
施されている陽極箔の表面に比較して形成され易いこと
から、陽極箔及び陰極箔を形成するアルミニウムが活性
な金属であることに因るものと考えられる。このため、
従来、かかる水和物皮膜の形成を抑制する抑制剤を、陽
極箔及び陰極箔に直接接触する電解液中に添加すること
が行われているが、その抑制効果にはバラツキがあり満
足し得るものではなかった。そこで、本発明の課題は、
陽極箔及び陰極箔の表面に形成される水和物皮膜を充分
に抑制し得るアルミニウム電解コンデンサを提供するこ
とにある。
ニウム電解コンデンサにおいては、経時変化を調査する
経時変化試験において、陽極箔及び陰極箔の表面に水和
物皮膜が形成されることに起因し、コンデンサ容量が次
第に減少したり、その他コンデンサ特性の変化も大きく
なる現象が発生することがある。かかる水和物皮膜は、
陽極酸化が施されていない陰極箔の表面に、陽極酸化が
施されている陽極箔の表面に比較して形成され易いこと
から、陽極箔及び陰極箔を形成するアルミニウムが活性
な金属であることに因るものと考えられる。このため、
従来、かかる水和物皮膜の形成を抑制する抑制剤を、陽
極箔及び陰極箔に直接接触する電解液中に添加すること
が行われているが、その抑制効果にはバラツキがあり満
足し得るものではなかった。そこで、本発明の課題は、
陽極箔及び陰極箔の表面に形成される水和物皮膜を充分
に抑制し得るアルミニウム電解コンデンサを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく検討したところ、陽極箔と陰極箔との間に介
在する隔離紙には、大量のカルシウム元素が含有されて
おり、カルシウム元素がアルミニウム箔の表面における
水和物皮膜の形成を助長させ易いという知見を得た。本
発明者は、この知見に基づいて更に検討を重ねた結果、
隔離紙に含有されているカルシウム元素を所定値以下に
減少させることによって、経時変化試験において、コン
デンサ容量が次第に減少したり、その他のコンデンサ特
性の変化も大きくなる現象の発生を防止できることを知
り、本発明に到達した。すなわち、本発明は、エッチン
グが施されたアルミニウム箔の表面が陽極酸化された陽
極箔と、エッチングが施されたアルミニウム箔から成る
陰極箔とを、両者の表面が隔離紙を介して対向するよう
に卷回して形成したコンデンサ素子と電解液とがケース
内に収容され、且つ前記コンデンサ素子が挿入されたケ
ースの開口部が弾性封口体で密封されて成るアルミニウ
ム電解コンデンサにおいて、該隔離紙中のカルシウム元
素の含有量が1000ppm以下であることを特徴とす
るアルミニウム電解コンデンサにある。
解決すべく検討したところ、陽極箔と陰極箔との間に介
在する隔離紙には、大量のカルシウム元素が含有されて
おり、カルシウム元素がアルミニウム箔の表面における
水和物皮膜の形成を助長させ易いという知見を得た。本
発明者は、この知見に基づいて更に検討を重ねた結果、
隔離紙に含有されているカルシウム元素を所定値以下に
減少させることによって、経時変化試験において、コン
デンサ容量が次第に減少したり、その他のコンデンサ特
性の変化も大きくなる現象の発生を防止できることを知
り、本発明に到達した。すなわち、本発明は、エッチン
グが施されたアルミニウム箔の表面が陽極酸化された陽
極箔と、エッチングが施されたアルミニウム箔から成る
陰極箔とを、両者の表面が隔離紙を介して対向するよう
に卷回して形成したコンデンサ素子と電解液とがケース
内に収容され、且つ前記コンデンサ素子が挿入されたケ
ースの開口部が弾性封口体で密封されて成るアルミニウ
ム電解コンデンサにおいて、該隔離紙中のカルシウム元
素の含有量が1000ppm以下であることを特徴とす
るアルミニウム電解コンデンサにある。
【0005】従来、隔離紙には、原料としては草木のパ
ルプを用い、このパルプを除塵工程、洗浄工程、叩解工
程、及び抄紙工程を順次通過させて得た紙を用いてい
る。この隔離紙中には、αセルロースを除く不純物の総
含有量は10000ppmにも達し、カルシウム元素の
含有量は3000ppmを越える。かかる不純物は電解
液中に徐々に抽出されるが、電解液中に抽出されたカル
シウム元素は、通常、電解液中にカチオンで存在し、ア
ルミニウムとゲル状の水和物を形成し易い。このため、
アルミニウムから成る陽極箔及び陰極箔、特に陽極酸化
が施されていない陰極箔の表面にゲル状の水和物皮膜を
形成し易い。この点、本発明では、カルシウム元素が所
定値以下に減少された隔離紙を用いることによって、陽
極箔及び陰極箔の表面に形成されるゲル状の水和物皮膜
の形成を充分に抑制できる結果、アルミニウム電解コン
デンサの経時変化試験において、コンデンサ容量の低下
等が惹起される事態を防止できる。
ルプを用い、このパルプを除塵工程、洗浄工程、叩解工
程、及び抄紙工程を順次通過させて得た紙を用いてい
る。この隔離紙中には、αセルロースを除く不純物の総
含有量は10000ppmにも達し、カルシウム元素の
含有量は3000ppmを越える。かかる不純物は電解
液中に徐々に抽出されるが、電解液中に抽出されたカル
シウム元素は、通常、電解液中にカチオンで存在し、ア
ルミニウムとゲル状の水和物を形成し易い。このため、
アルミニウムから成る陽極箔及び陰極箔、特に陽極酸化
が施されていない陰極箔の表面にゲル状の水和物皮膜を
形成し易い。この点、本発明では、カルシウム元素が所
定値以下に減少された隔離紙を用いることによって、陽
極箔及び陰極箔の表面に形成されるゲル状の水和物皮膜
の形成を充分に抑制できる結果、アルミニウム電解コン
デンサの経時変化試験において、コンデンサ容量の低下
等が惹起される事態を防止できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において使用するアルミニ
ウム箔は、純度99%以上の高純度のアルミニウム箔を
用いる。かかるアルミニウム箔を用いたコンデンサ素子
は、陽極箔と陰極箔とが用いられている。この陽極箔
は、アルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理した
後、アジピン酸塩等の中性〜弱酸性の水溶液中にて陽極
酸化して表面に酸化皮膜を形成し、次いで、電極引き出
し用リードタブを取り付けて形成する。また、陰極箔
は、アルミニウム箔にエッチング処理を施した後、電極
引き出し用リードタブを取り付けて形成する。この陰極
箔には、陽極酸化を施さない。かかる陽極箔と陰極箔と
を、両者の表面を隔離紙を介して対向させつつ卷回する
ことによって、コンデンサ素子を得ることができる。得
られたコンデンサ素子を、電解液と共にアルミニウム製
等の有底ケースの開口部から挿入し収容した後、陽極箔
と陰極箔とから引き出されたリードをケースから突出し
つつ、ケースの開口部を弾性封口体で密封してアルミニ
ウム電解コンデンサを得ることができる。
ウム箔は、純度99%以上の高純度のアルミニウム箔を
用いる。かかるアルミニウム箔を用いたコンデンサ素子
は、陽極箔と陰極箔とが用いられている。この陽極箔
は、アルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理した
後、アジピン酸塩等の中性〜弱酸性の水溶液中にて陽極
酸化して表面に酸化皮膜を形成し、次いで、電極引き出
し用リードタブを取り付けて形成する。また、陰極箔
は、アルミニウム箔にエッチング処理を施した後、電極
引き出し用リードタブを取り付けて形成する。この陰極
箔には、陽極酸化を施さない。かかる陽極箔と陰極箔と
を、両者の表面を隔離紙を介して対向させつつ卷回する
ことによって、コンデンサ素子を得ることができる。得
られたコンデンサ素子を、電解液と共にアルミニウム製
等の有底ケースの開口部から挿入し収容した後、陽極箔
と陰極箔とから引き出されたリードをケースから突出し
つつ、ケースの開口部を弾性封口体で密封してアルミニ
ウム電解コンデンサを得ることができる。
【0007】本発明においては、陽極箔と陰極箔との間
に挟み両者を隔離する隔離紙に含有されているカルシウ
ム元素を1000ppm以下とすることが大切である。
ここで、1000ppmを越えるカルシウム元素を含有
する隔離紙を用いると、隔離紙から電解液に抽出された
カルシウムによって陽極箔と陰極箔との表面にゲル状の
水和物皮膜が形成される。このため、アルミニウム電解
コンデンサの使用中に容量の低下等が発生し易い。本発
明で用いる隔離紙、すなわちカルシウム元素の含有量が
1000ppm以下の隔離紙は、紙製造工程(除塵工
程、洗浄工程、叩解工程、及び抄紙工程)の洗浄工程に
おいて、洗浄を強化することによって得ることができ
る。尚、本発明で用いる電解液や弾性封口体等は、従来
からアルミニウム電解コンデンサに用いられているもの
を使用できる。
に挟み両者を隔離する隔離紙に含有されているカルシウ
ム元素を1000ppm以下とすることが大切である。
ここで、1000ppmを越えるカルシウム元素を含有
する隔離紙を用いると、隔離紙から電解液に抽出された
カルシウムによって陽極箔と陰極箔との表面にゲル状の
水和物皮膜が形成される。このため、アルミニウム電解
コンデンサの使用中に容量の低下等が発生し易い。本発
明で用いる隔離紙、すなわちカルシウム元素の含有量が
1000ppm以下の隔離紙は、紙製造工程(除塵工
程、洗浄工程、叩解工程、及び抄紙工程)の洗浄工程に
おいて、洗浄を強化することによって得ることができ
る。尚、本発明で用いる電解液や弾性封口体等は、従来
からアルミニウム電解コンデンサに用いられているもの
を使用できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明について実施例によって更に詳
細に説明する。 実施例1 純度99%以上の高純度のアルミニウム箔を電気化学的
にエッチング処理した後、アジピン酸塩等の中性〜弱酸
性の水溶液中にて陽極酸化して表面に酸化皮膜を形成
し、次いで、電極引き出し用リードタブを取り付けて形
成した陽極箔と、アルミニウム箔にエッチング処理を施
した後、陽極酸化を施すことなく電極引き出し用リード
タブを取り付けて形成した陰極箔とを、両者の表面を隔
離紙を介して対向させつつ卷回してコンデンサ素子を得
た。次いで、このコンデンサ素子を、電解液と共にアル
ミニウム製等の有底ケースの開口部から挿入し収容した
後、陽極箔と陰極箔とから引き出したリードをケースか
ら突出しつつ、ケースの開口部を弾性封口体で密封して
アルミニウム電解コンデンサとした。かかるアルミニウ
ム電解コンデンサは、電解液として、エチレングリコー
ル80%、純水10%、アジピン酸アンモニウム10%
から成る電解液を用い、定格35V、1000μFの電
解コンデンサとした。尚、隔離紙に使用量はコンデンサ
素子一個当たり400mgとなるように調整し、電解液
の使用量も電解コンデンサ一個当たり1000mgとな
るように調整した。
細に説明する。 実施例1 純度99%以上の高純度のアルミニウム箔を電気化学的
にエッチング処理した後、アジピン酸塩等の中性〜弱酸
性の水溶液中にて陽極酸化して表面に酸化皮膜を形成
し、次いで、電極引き出し用リードタブを取り付けて形
成した陽極箔と、アルミニウム箔にエッチング処理を施
した後、陽極酸化を施すことなく電極引き出し用リード
タブを取り付けて形成した陰極箔とを、両者の表面を隔
離紙を介して対向させつつ卷回してコンデンサ素子を得
た。次いで、このコンデンサ素子を、電解液と共にアル
ミニウム製等の有底ケースの開口部から挿入し収容した
後、陽極箔と陰極箔とから引き出したリードをケースか
ら突出しつつ、ケースの開口部を弾性封口体で密封して
アルミニウム電解コンデンサとした。かかるアルミニウ
ム電解コンデンサは、電解液として、エチレングリコー
ル80%、純水10%、アジピン酸アンモニウム10%
から成る電解液を用い、定格35V、1000μFの電
解コンデンサとした。尚、隔離紙に使用量はコンデンサ
素子一個当たり400mgとなるように調整し、電解液
の使用量も電解コンデンサ一個当たり1000mgとな
るように調整した。
【0009】この電解コンデンサでは、隔離紙として、
下記〔表1〕に示すカルシウム元素の含有量が異なる種
々の隔離紙を用いた。
下記〔表1〕に示すカルシウム元素の含有量が異なる種
々の隔離紙を用いた。
【表1】 隔離紙A及び隔離紙Bは従来から用いられてきた隔離紙
であり、隔離紙C及び隔離紙Dは紙製造工程の洗浄工程
における洗浄を強化し紙中のカルシウム元素を低減させ
た隔離紙である。尚、カルシウム元素の分析は、隔離紙
を絶乾して得た試料を、るつぼ中で灰化した後、硝酸水
溶液で溶解して原子吸光分析によって分析した。
であり、隔離紙C及び隔離紙Dは紙製造工程の洗浄工程
における洗浄を強化し紙中のカルシウム元素を低減させ
た隔離紙である。尚、カルシウム元素の分析は、隔離紙
を絶乾して得た試料を、るつぼ中で灰化した後、硝酸水
溶液で溶解して原子吸光分析によって分析した。
【0010】〔表1〕に示す隔離紙A〜隔離紙Dを用い
た各電解コンデンサに経時変化試験を施した。この経時
変化試験は、試験電解コンデンサに、105℃に保持さ
れた恒温槽中にて定格直流電圧を5000時間連続印加
し、コンデンサ特性の経時変化を調査したものである。
電気特性は、120Hzにおける容量、Tanδ及び定
格直流電圧を1分間印加後にコンデンサを流れる電流
(漏れ電流)を20℃で測定した。その結果を下記〔表
2〕に示す。
た各電解コンデンサに経時変化試験を施した。この経時
変化試験は、試験電解コンデンサに、105℃に保持さ
れた恒温槽中にて定格直流電圧を5000時間連続印加
し、コンデンサ特性の経時変化を調査したものである。
電気特性は、120Hzにおける容量、Tanδ及び定
格直流電圧を1分間印加後にコンデンサを流れる電流
(漏れ電流)を20℃で測定した。その結果を下記〔表
2〕に示す。
【表2】 〔表2〕から明らかな様に、カルシウム元素の含有量が
1000ppmを越える隔離紙A及び隔離紙Bを用いた
電解コンデンサでは、カルシウム元素の含有量が100
0ppm以下の隔離紙C及び隔離紙Dを用いた電解コン
デンサに比較して、初期値は両者間に大差はないが、経
時試験後では、コンデンサの特性変化が大きい。また、
経時変化試験を施した電解コンデンサを分解し、陽極箔
及び陰極箔の表面を顕微鏡観察等を行ったところ、隔離
紙A及び隔離紙Bを用いた電解コンデンサでは、陽極箔
及び陰極箔の表面にゲル状皮膜が認められ、特に陰極箔
の表面には、陽極箔の表面よりもゲル状皮膜が顕著に認
められた。一方、隔離紙C及び隔離Dを用いた電解コン
デンサでは、陽極箔及び陰極箔の表面にゲル状皮膜は認
められなかった。
1000ppmを越える隔離紙A及び隔離紙Bを用いた
電解コンデンサでは、カルシウム元素の含有量が100
0ppm以下の隔離紙C及び隔離紙Dを用いた電解コン
デンサに比較して、初期値は両者間に大差はないが、経
時試験後では、コンデンサの特性変化が大きい。また、
経時変化試験を施した電解コンデンサを分解し、陽極箔
及び陰極箔の表面を顕微鏡観察等を行ったところ、隔離
紙A及び隔離紙Bを用いた電解コンデンサでは、陽極箔
及び陰極箔の表面にゲル状皮膜が認められ、特に陰極箔
の表面には、陽極箔の表面よりもゲル状皮膜が顕著に認
められた。一方、隔離紙C及び隔離Dを用いた電解コン
デンサでは、陽極箔及び陰極箔の表面にゲル状皮膜は認
められなかった。
【0011】実施例2 隔離紙に含有されているカルシウム元素の全てが電解液
中に抽出されるものと仮定し、〔表1〕の隔離紙Dを用
いて実施例1と同様にして電解コンデンサを形成した。
この際に、電解液に水酸化カルシウムを添加し、隔離紙
に含有されるカルシウム元素量の許容値について検討を
行った。電解液に添加した水酸化カルシウム量、及び添
加した水酸化カルシウムのカルシウム元素も隔離紙中に
含有されているものとして換算した隔離紙中のカルシウ
ム換算量を下記〔表3〕に示した。
中に抽出されるものと仮定し、〔表1〕の隔離紙Dを用
いて実施例1と同様にして電解コンデンサを形成した。
この際に、電解液に水酸化カルシウムを添加し、隔離紙
に含有されるカルシウム元素量の許容値について検討を
行った。電解液に添加した水酸化カルシウム量、及び添
加した水酸化カルシウムのカルシウム元素も隔離紙中に
含有されているものとして換算した隔離紙中のカルシウ
ム換算量を下記〔表3〕に示した。
【表3】
【0012】次いで、〔表3〕の各水準の電解コンデン
サについて、実施例1と同様にして経時試験を施し、そ
の結果を〔表4〕に示した。
サについて、実施例1と同様にして経時試験を施し、そ
の結果を〔表4〕に示した。
【表4】 〔表4〕において、換算Ca量が1000ppmを越え
る試料No.4〜7は、換算Ca量が1000ppm以
下の試料No.1〜3に比較して、初期値は両者間に大
差はないが、経時試験後では、コンデンサの特性変化が
大きい。また、経時変化試験を施した電解コンデンサを
分解し、陽極箔及び陰極箔の表面を顕微鏡観察等を行っ
たところ、試料No.4〜7の電解コンデンサでは、陽
極箔及び陰極箔の表面にゲル状皮膜が認められ、特に陰
極箔の表面には、陽極箔の表面よりもゲル状皮膜が顕著
に認められた。一方、試料No.1〜3の電解コンデン
サでは、陽極箔及び陰極箔の表面にゲル状皮膜は認めら
れなかった。
る試料No.4〜7は、換算Ca量が1000ppm以
下の試料No.1〜3に比較して、初期値は両者間に大
差はないが、経時試験後では、コンデンサの特性変化が
大きい。また、経時変化試験を施した電解コンデンサを
分解し、陽極箔及び陰極箔の表面を顕微鏡観察等を行っ
たところ、試料No.4〜7の電解コンデンサでは、陽
極箔及び陰極箔の表面にゲル状皮膜が認められ、特に陰
極箔の表面には、陽極箔の表面よりもゲル状皮膜が顕著
に認められた。一方、試料No.1〜3の電解コンデン
サでは、陽極箔及び陰極箔の表面にゲル状皮膜は認めら
れなかった。
【0013】
【発明の効果】本発明のアルミニウム電解コンデンサに
よれば、電解コンデンサの陽極箔及び陰極箔の表面に、
剥離紙中に含有されているカルシウム成分に起因するゲ
ル状の水和物皮膜の形成を抑制できる。このため、本発
明のアルミニウム電解コンデンサは、長期間に亘って良
好な特性を維持でき、信頼性の高いものである。
よれば、電解コンデンサの陽極箔及び陰極箔の表面に、
剥離紙中に含有されているカルシウム成分に起因するゲ
ル状の水和物皮膜の形成を抑制できる。このため、本発
明のアルミニウム電解コンデンサは、長期間に亘って良
好な特性を維持でき、信頼性の高いものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 エッチングが施されたアルミニウム箔の
表面が陽極酸化された陽極箔と、エッチングが施された
アルミニウム箔から成る陰極箔とを、両者の表面が隔離
紙を介して対向するように卷回して形成したコンデンサ
素子と電解液とがケース内に収容され、且つ前記コンデ
ンサ素子が挿入されたケースの開口部が弾性封口体で密
封されて成るアルミニウム電解コンデンサにおいて、 該隔離紙中のカルシウム元素の含有量が1000ppm
以下であることを特徴とするアルミニウム電解コンデン
サ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1969898A JPH11219858A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | アルミニウム電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1969898A JPH11219858A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | アルミニウム電解コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11219858A true JPH11219858A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12006497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1969898A Pending JPH11219858A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | アルミニウム電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11219858A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003068581A (ja) * | 2001-08-23 | 2003-03-07 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
-
1998
- 1998-01-30 JP JP1969898A patent/JPH11219858A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003068581A (ja) * | 2001-08-23 | 2003-03-07 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
JP4653356B2 (ja) * | 2001-08-23 | 2011-03-16 | ニチコン株式会社 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
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