JP3959560B2 - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電解コンデンサ、特に電解液として、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール化合物、2─イミダゾリン環、もしくはテトラヒドロピリミジン環等を四級化したものをカチオン成分とした環状アミジン化合物の四級塩を用いたアルミニウム電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム電解コンデンサは、一般的には図1、図2に示すような構造からなる。すなわち、図2に示すように、帯状の高純度のアルミニウム箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、アルミニウム箔表面を拡大させるとともに、このアルミニウム箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔2と、エッチング処理のみを施した高純度のアルミニウム箔からなる陰極電極箔3とを、マニラ紙等からなるセパレータ11を介して巻回してコンデンサ素子1を形成する。
【0003】
そして、図1に示すように、このコンデンサ素子1はアルミニウム電解コンデンサ駆動用の電解液を含浸した後、アルミニウム等からなる有底筒状の外装ケース10に収納する。外装ケース10の開口部には弾性ゴムからなる封口体9を装着し、絞り加工により外装ケース10を密封している。
【0004】
陽極電極箔2、陰極電極箔3には、図2に示すように、それぞれ両極の電極を外部に引き出すのための電極引出し手段であるリード線4、5がステッチ、超音波溶接等の手段により接続されている。それぞれの電極引出し手段であるリード線4、5は、アルミニウムからなる丸棒部6と、両極電極箔2、3に当接する接続部7と、さらに丸棒部6の先端に溶接等の手段で固着された半田付け可能な金属からなる外部接続部8とからなる。
【0005】
コンデンサ素子1に含浸されるアルミニウム電解コンデンサ駆動用の電解液には、使用されるアルミニウム電解コンデンサの性能によって種々のものが知られており、その中でγ−ブチロラクトンを主溶媒とし、溶質として環状アミジン化合物の四級塩を溶解させたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この環状アミジン化合物の四級塩を用いた電解液は電気抵抗が低く、かつ熱安定性が優れているが、封口体9の陰極引出し用のリード線5のための貫通孔から電解液が液出しやすいという傾向がある。そのため、環状アミジン化合物の四級塩を用いた電解液自体の安定性は高いものの、電解液が液出するためにアルミニウム電解コンデンサの静電容量の低下等の電気的特性の悪化を招き、結果としてアルミニウム電解コンデンサとしての寿命が短いものとなってしまう欠点があった。
【0007】
最近の研究によれば、このような電解液の液出は環状アミジン化合物の四級塩を用いた電解液の電気化学的作用により起こることが判明している。一般的なアルミニウム電解コンデンサでは、陽極電極箔2に形成された酸化皮膜の損傷等により、直流電圧を印加した際に陽極電極箔2と陰極電極箔3との間で漏れ電流が発生する。このような漏れ電流の発生により陰極側で酸素の還元反応が起こり、電解液中の水酸化物イオンの濃度が高くなる。これは陰極電極箔3と陰極引出し用のリード線5の両方で発生しており、特に陰極引出し用のリード線5の近傍での水酸化物イオン濃度の上昇、すなわち塩基性度の上昇が見られる。そして、このような塩基性度の上昇に伴ってリード線5と接触している封口体9の破損が進み、リード線5と封口体9との密着性が損なわれることから、強塩基性の水酸化物溶液が外部に漏れ出しているものと考えられている。
【0008】
この現象を図3(a)を用いて説明する。この図はリード線(接続部)及び陰極電極箔がカソード分極した場合の、分極電位と分極電流を表している。図に示すように、通常は、陰極引出し用のリード線5の自然電位E1 の方が陰極電極箔3の自然電位E2 よりも貴な電位を示すので、直流負荷状態となって陰極側がカソード分極するとき、まず、リード線5に電流が流れ、酸素の還元反応が発生する。そして、このリード線5上での酸素の還元反応では処理できなくなる電流が陰極電極箔3に流れ、陰極電極箔3上での酸素の還元反応が発生する。ここで、陽極電極箔2に形成された酸化皮膜の損傷等により発生するアルミニウム電解コンデンサの漏れ電流は、陰極部においては、陰極電極箔3に流れる電流I2 と陰極引出し用のリード線5に流れる電流I1 の和となっている。
【0009】
そして、図に示すように、コンデンサの漏れ電流が定格値IT となる電位ET においては、陰極電極箔3の活表面積はリード線5の活表面積に比べ大きく陰極電極箔3の分極抵抗はリード線5の分極抵抗よりも小さくなるので、この電解陰極電極箔3に流れる電流I2 の方がリード線5に流れる電流I1 よりも大きくはなるが、リード線5でもかなりの電流I1 が流れている状態となる。そのため、直流負荷状態では陰極引出し用のリード線5にも電流が流れる状態が続き、リード線5の表面において常に還元反応が生じ、塩基性水酸化物が生成することになる。
【0010】
さらに、通常、アルミニウム電解コンデンサにおいては、負荷、無負荷にかかわらず、経時変化がおこる。つまり、陰極電極箔の酸化反応の進行などによって、図3(a)のAに示すように陰極電極箔の自然電位E2 はE2 ’へと卑にシフトする。また、分極抵抗が大きくなる、つまり、分極曲線は上方へ曲折する。このことによって、アルミニウム電解コンデンサの漏れ電流の定格値IT となる電位ET はさらにET ’へと、卑の方向にシフトし、その結果、陰極引出し手段に流れる電流I1 はI1 ’のように、さらに大きくなって、塩基性水酸化物の生成は増大することになる。
【0011】
このような電極箔およびリード線の界面における電解液の挙動は、環状アミジン化合物の四級塩を含まない電解液においても同様に起こり得るが、例えば第三級アンモニウム塩を用いた場合は、塩基性塩の生成自体がないか、あるいは生成されたカチオンの揮発性が高いことから液出などの不都合が生じていないものと考えられる。
【0012】
以上のような知見に基づき種々の研究を行なった結果、陰極電極箔及び陰極引出し手段の電気化学的特性を制御することにより、環状アミジン化合物の四級塩を用いた電解液であっても、液出を防止し得ることが見出された。この発明の目的は、環状アミジン化合物の四級塩を含む電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサの液出を防止することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、陽極引出し手段を備えた陽極電極箔と、純度99.9%以上のアルミニウムからなる陰極引出し手段を備えた、銅、鉄スズのうち一または二以上を含む純度99.9%未満のアルミニウムからなる陰極電極箔とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に環状アミジン化合物の四級塩を含む電解液を含浸して外装ケースに収納したことを特徴としている。
【0014】
また、陰極引出し手段の表面の一部又は全部に陽極酸化によって形成した酸化アルミニウム層を形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
アルミニウム電解コンデンサの構造は図1、図2に示すように、従来と同じ構造をとっている。コンデンサ素子1は陽極電極箔2と陰極電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形成する。また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には陽極引出し用のリード線4、陰極引出し用のリード線5がそれぞれ接続されている。これらのリード線4、5は、電極箔に当接する接続部7とこの接続部7と一体に形成した丸棒部6、および丸棒部6の先端に固着した外部接続部8からなる。また、接続部7および丸棒部6は純度99.9%以上のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキを施した銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5は、接続部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により両極電極箔2、3に電気的に接続されている。
【0016】
陽極電極箔2は、アルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、ホウ酸アンモニウム、リン酸アンモニウムあるいはアジピン酸アンモニウム等の水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。
【0017】
上記のように構成したコンデンサ素子1に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。電解液としてはγ−ブチロラクトンやエチレングレコールを主溶媒とし、酸の共役塩基をアニオン成分とし、環状アミジン化合物を四級化したカチオンをカチオン成分とする塩を溶解した電解液を用いた。
【0018】
アニオン成分となる酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸等を挙げることができる。
【0019】
また、環状アミジン化合物を四級化したカチオンとは、N,N,N’−置換アミジン基をもつ環状化合物を四級化したカチオンであり、N,N,N’−置換アミジン基をもつ環状化合物としては、以下の化合物が挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1─メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−4(5)−ニトロイミダゾール等のニトロおよびアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,3−トリメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、2,3−ジメチル−1−エチルイミダゾリン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジン、1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン等)等である。
【0020】
また、リード線4、5の、少なくとも丸棒部6の表面には、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液あるいはアジピン酸アンモニウム水溶液等による陽極酸化処理によって形成した酸化アルミニウム層を形成することができる。
【0021】
以上のような電解液を含浸したコンデンサ素子1を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施して外装ケース10を密封する。封口体9は例えばブチルゴム等の弾性ゴムからなり、リード線4、5をそれぞれ導出する貫通孔を備えている。
【0022】
前述のように、環状アミジン化合物の四級塩を含む電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサにおいては、陰極引出し用のリード線5の自然電位が陰極電極箔3の自然電位より貴であるため、直流負荷時にはリード線5にかなりのカソード電流が流れて、リード線5の表面において常に還元反応がおこり、そのことによって、塩基性水酸化物が生成される。これに対して本願発明では、アルミニウムより貴である、銅、鉄スズのうち一または二以上を含む純度99.9%未満のアルミニウムからなる陰極電極箔を用いているため、陰極箔の自然電位を、純度99.9%以上のアルミニウムからなる陰極引出し手段より貴にすることができる。つまり、
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(b)に示すように、陰極電極箔の自然電位E2が、陰極引出し手段であるリード線(接続部)の自然電位E1 よりも貴な電位を示すようになり、陰極電極箔と陰極引出し手段との電位を逆転させることができる。
【0023】
すなわち、本願発明において直流が負荷されると、図に示すように、まず最初に陰極電極箔に電流が流れて陰極電極箔上で還元反応が発生する。そして、活表面積が陰極引出し手段よりも大きい陰極電極箔の分極抵抗は陰極引出し手段の分極抵抗よりも小さいので、陰極電極箔に流れる電流は大きくなり、アルミニウム電解コンデンサの漏れ電流の定格値IT となる電位ET は、従来の電位ET に比べて著しく貴の方向にシフトすることになる。したがって、陰極引出し手段に流れる電流I1 は著しく小さくなり、陰極引出し手段の近傍における塩基性水酸化物の生成を抑制することができ、封口体等への悪影響を低減することができるようになる。
【0024】
また、詳細は不明であるが、本願発明の、銅、鉄スズのうち一または二以上を含む純度99.9%未満のアルミニウムからなる陰極電極箔を用いると、経時的な陰極電極箔の自然電位E2 の卑へのシフトと、分極抵抗の上昇を抑制することができることが判明した。そのことによって、アルミニウム電解コンデンサの漏れ電流の定格値IT となる電位ET の卑の方向へのシフトを抑制し、経時的にも、陰極引出し手段に流れる電流I1 を小さく維持することができる。
【0025】
さらに、リード線4、5の、少なくとも丸棒部6の表面に、陽極酸化によって酸化アルミニウム層を形成することができる。これによって図3(b)のBに示すように陰極引出し手段の分極抵抗を大きくする、すなわち、分極曲線の傾きを小さくすることができ、この分極抵抗は経時的に小さくなることはないので、経時的にも陰極引出し手段に流れる電流I1 を小さく保つことに寄与することになる。このように、これらの手段によって、経時的にも陰極引出し手段に流れる電流I1 は小さく維持され、したがって、長時間にわたって塩基性水酸化物の生成を抑制することができる。
【0026】
【実施例】
次にこの発明について実施例を示して説明する。図1に示すように、コンデンサ素子1は陽極電極箔2と陰極電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形成する。また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には陽極引出し用のリード線4、陰極引出し用のリード線5がそれぞれ接続されている。
【0027】
これらのリード線4、5は、電極箔に当接する接続部7とこの接続部7と一体に形成した丸棒部6、および丸棒部6の先端に固着した外部接続部8からなる。また、接続部7および丸棒部6は純度99.9%のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキを施した銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5は、接続部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により両極電極箔2、3に電気的に接続されている。
【0028】
陽極電極箔2は、純度99.9%のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、アジピン酸アンモニウムの水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。また、陰極電極箔3は、純度99.7%のアルミニウム箔をエッチングしたものを用いる。
【0029】
そして、上記のように構成したコンデンサ素子1に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。電解液としてはγ−ブチロラクトン(75部)を溶媒とし、溶質としてフタル酸テトラメチルイミダゾリン(25部)を溶解したものを用いた。
【0030】
以上のような電解液を含浸したコンデンサ素子1を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施して外装ケース10を密封する。封口体9は例えばブチルゴム等の弾性ゴムからなり、リード線4、5をそれぞれ導出する貫通孔を備えている。
【0031】(実施例1)
実施例1においては、陰極電極箔3として純度99.7%のアルミニウム箔をエッチングしたもののかわりに、0.3%銅含有の純度99.6%アルミニウム合金箔をエッチングしたものを用いた。
【0032】(実施例2)
実施例2においては、陰極電極箔3として純度99.7%のアルミニウム箔をエッチングしたもののかわりに、0.4%鉄含有の純度99.4%アルミニウム合金箔をエッチングしたものを用いた。
【0033】(実施例3)
実施例3においては、陰極電極箔3として純度99.7%のアルミニウム箔をエッチングしたもののかわりに、0.3%銅含有の純度99.6%アルミニウム合金箔をエッチングしたものを用いた。また、リード線4、5の、少なくとも丸棒部6の表面には、リン酸アンモニウム水溶液による陽極酸化処理により酸化アルミニウム層を形成した。
【0034】(従来例)
従来例においては、以上のような、手段を講じなかった。
【0035】
以上のように構成したアルミニウム電解コンデンサを、各試料25個に105°Cの下で定格電圧を印加し、2000時間及び5000時間経過後の液出の有無について目視で観測した。その結果は表1のとおりである。
【0036】
【表1】
Figure 0003959560
【0037】
これらの結果からも明らかなように、電解液として環状アミジン化合物の四級塩を用いた場合でも、銅合金箔や鉄合金箔を用いることによって、液出は抑制され、経時的にも、従来例にくらべて効果が持続している。さらに、リード線に陽極酸化によって酸化アルミニウム層を形成することによって、その効果は向上している。
【0038】
【発明の効果】
この発明によれば、環状アミジン化合物の四級塩を電解液の溶質に用いたアルミニウム電解コンデンサにおいて、陰極引出し手段に純度99.9%以上のアルミニウムを用い、陰極箔に、銅、鉄スズのうち一または二以上を含む純度99.9%未満のアルミニウムを用いているので、陰極電極箔と陰極引出し手段との電位を逆転させることができる。そのことによって、陰極引出し手段に流れる電流を抑制し、環状アミジン化合物の四級塩を電解液の溶質に用いたアルミニウム電解コンデンサでの陰極電極引出し手段からの液出を防止することができ、電解液の減少に伴う静電容量の低下が防止され、アルミニウム電解コンデンサの長寿命化、高信頼性化を図ることができる。
【0039】
また、経時的におきる陰極電極箔の自然電位E2 の卑へのシフトと分極抵抗の上昇による、アルミニウム電解コンデンサの漏れ電流の定格値IT となる電位ET の卑の方向へのシフトが抑制される。そのことによって、陰極引出し手段に流れる電流を経時的に抑制し、陰極引出し手段からの液出防止効果を長時間にわたって維持することができる。
【0040】
さらに、陰極引出し手段の表面の一部又は全部に陽極酸化によって形成された酸化アルミニウム層を形成することによって、陰極電極箔の分極抵抗を大きくすることができ、この分極抵抗は経時的に大きくなることはないので、経時的に陰極引出し手段に流れる電流を抑制し、その結果、陰極引出し手段からの液出防止効果を長時間にわたって維持するに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム電解コンデンサの構造を示す内部断面図である。
【図2】コンデンサ素子の構造を示す分解斜視図である。
【図3】アルミニウム電解コンデンサの陰極部でのカソード分極抵抗を示すグラフである。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子
2 陽極電極箔
3 陰極電極箔
4 陽極引出し用のリード線
5 陰極引出し用のリード線
6 丸棒部
7 接続部
8 外部接続部
9 封口体
10 外装ケース
11 セパレータ

Claims (2)

  1. 陽極引出し手段を備えた陽極電極箔と、純度99.9%以上のアルミニウムからなる陰極引出し手段を備えた、銅、鉄スズのうち一または二以上をを含む純度99.9%未満のアルミニウムからなる陰極電極箔とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に環状アミジン化合物の四級塩を含む電解液を含浸してなるアルミニウム電解コンデンサ。
  2. 請求項1記載の、陰極引出し手段の表面の一部又は全部に、陽極酸化によって形成された酸化アルミニウム層を形成したアルミニウム電解コンデンサ。
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