JPH1126319A - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ

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JPH1126319A
JPH1126319A JP18747997A JP18747997A JPH1126319A JP H1126319 A JPH1126319 A JP H1126319A JP 18747997 A JP18747997 A JP 18747997A JP 18747997 A JP18747997 A JP 18747997A JP H1126319 A JPH1126319 A JP H1126319A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 環状アミジン化合物の四級塩を含む電解液を
用いたアルミニウム電解コンデンサの液出を防止する。 【解決手段】陰極電極箔3として、銅、鉄、マンガン、
スズを含むアルミニウム箔を使用し、また、陰極引出し
手段5の表面に陽極酸化による酸化アルミニウム層を形
成する。このことによって、陰極電極箔が陰極引出し手
段より貴になるので、液出が防止でき、さらにその効果
を長時間にわたって維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電解コンデンサ、
特に電解液として、イミダゾール環、ベンゾイミダゾー
ル化合物、2─イミダゾリン環、もしくはテトラヒドロ
ピリミジン環等を四級化したものをカチオン成分とした
環状アミジン化合物の四級塩を用いたアルミニウム電解
コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム電解コンデンサは、一般的
には図1、図2に示すような構造からなる。すなわち、
図2に示すように、帯状の高純度のアルミニウム箔に、
化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、
アルミニウム箔表面を拡大させるとともに、このアルミ
ニウム箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて
化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔
2と、エッチング処理のみを施した高純度のアルミニウ
ム箔からなる陰極電極箔3とを、マニラ紙等からなるセ
パレータ11を介して巻回してコンデンサ素子1を形成
する。
【0003】そして、図1に示すように、このコンデン
サ素子1はアルミニウム電解コンデンサ駆動用の電解液
を含浸した後、アルミニウム等からなる有底筒状の外装
ケース10に収納する。外装ケース10の開口部には弾
性ゴムからなる封口体9を装着し、絞り加工により外装
ケース10を密封している。
【0004】陽極電極箔2、陰極電極箔3には、図2に
示すように、それぞれ両極の電極を外部に引き出すのた
めの電極引出し手段であるリード線4、5がステッチ、
超音波溶接等の手段により接続されている。それぞれの
電極引出し手段であるリード線4、5は、アルミニウム
からなる丸棒部6と、両極電極箔2、3に当接する接続
部7と、さらに丸棒部6の先端に溶接等の手段で固着さ
れた半田付け可能な金属からなる外部接続部8とからな
る。
【0005】コンデンサ素子1に含浸されるアルミニウ
ム電解コンデンサ駆動用の電解液には、使用されるアル
ミニウム電解コンデンサの性能によって種々のものが知
られており、その中でγ−ブチロラクトンを主溶媒と
し、溶質として環状アミジン化合物の四級塩を溶解させ
たものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この環状アミジン化合
物の四級塩を用いた電解液は電気抵抗が低く、かつ熱安
定性が優れているが、封口体9の陰極引出し用のリード
線5のための貫通孔から電解液が液出しやすいという傾
向がある。そのため、環状アミジン化合物の四級塩を用
いた電解液自体の安定性は高いものの、電解液が液出す
るためにアルミニウム電解コンデンサの静電容量の低下
等の電気的特性の悪化を招き、結果としてアルミニウム
電解コンデンサとしての寿命が短いものとなってしまう
欠点があった。
【0007】最近の研究によれば、このような電解液の
液出は環状アミジン化合物の四級塩を用いた電解液の電
気化学的作用により起こることが判明している。一般的
なアルミニウム電解コンデンサでは、陽極電極箔2に形
成された酸化皮膜の損傷等により、直流電圧を印加した
際に陽極電極箔2と陰極電極箔3との間で漏れ電流が発
生する。このような漏れ電流の発生により陰極側で酸素
の還元反応が起こり、電解液中の水酸化物イオンの濃度
が高くなる。これは陰極電極箔3と陰極引出し用のリー
ド線5の両方で発生しており、特に陰極引出し用のリー
ド線5の近傍での水酸化物イオン濃度の上昇、すなわち
塩基性度の上昇が見られる。そして、このような塩基性
度の上昇に伴ってリード線5と接触している封口体9の
破損が進み、リード線5と封口体9との密着性が損なわ
れることから、強塩基性の水酸化物溶液が外部に漏れ出
しているものと考えられている。
【0008】この現象を図3(a)を用いて説明する。
この図はリード線(接続部)及び陰極電極箔がカソード
分極した場合の、分極電位と分極電流を表している。図
に示すように、通常は、陰極引出し用のリード線5の自
然電位E1 の方が陰極電極箔3の自然電位E2 よりも貴
な電位を示すので、直流負荷状態となって陰極側がカソ
ード分極するとき、まず、リード線5に電流が流れ、酸
素の還元反応が発生する。そして、このリード線5上で
の酸素の還元反応では処理できなくなる電流が陰極電極
箔3に流れ、陰極電極箔3上での酸素の還元反応が発生
する。ここで、陽極電極箔2に形成された酸化皮膜の損
傷等により発生するアルミニウム電解コンデンサの漏れ
電流は、陰極部においては、陰極電極箔3に流れる電流
2 と陰極引出し用のリード線5に流れる電流I1 の和
となっている。
【0009】そして、図に示すように、コンデンサの漏
れ電流が定格値IT となる電位ETにおいては、陰極電
極箔3の活表面積はリード線5の活表面積に比べ大きく
陰極電極箔3の分極抵抗はリード線5の分極抵抗よりも
小さくなるので、この電解陰極電極箔3に流れる電流I
2 の方がリード線5に流れる電流I1 よりも大きくはな
るが、リード線5でもかなりの電流I1 が流れている状
態となる。そのため、直流負荷状態では陰極引出し用の
リード線5にも電流が流れる状態が続き、リード線5の
表面において常に還元反応が生じ、塩基性水酸化物が生
成することになる。
【0010】さらに、通常、アルミニウム電解コンデン
サにおいては、負荷、無負荷にかかわらず、経時変化が
おこる。つまり、陰極電極箔の酸化反応の進行などによ
って、図3(a)のAに示すように陰極電極箔の自然電
位E2 はE2 ’へと卑にシフトする。また、分極抵抗が
大きくなる、つまり、分極曲線は上方へ曲折する。この
ことによって、アルミニウム電解コンデンサの漏れ電流
の定格値IT となる電位ET はさらにET ’へと、卑の
方向にシフトし、その結果、陰極引出し手段に流れる電
流I1 はI1 ’のように、さらに大きくなって、塩基性
水酸化物の生成は増大することになる。
【0011】このような電極箔およびリード線の界面に
おける電解液の挙動は、環状アミジン化合物の四級塩を
含まない電解液においても同様に起こり得るが、例えば
第三級アンモニウム塩を用いた場合は、塩基性塩の生成
自体がないか、あるいは生成されたカチオンの揮発性が
高いことから液出などの不都合が生じていないものと考
えられる。
【0012】以上のような知見に基づき種々の研究を行
なった結果、陰極電極箔及び陰極引出し手段の電気化学
的特性を制御することにより、環状アミジン化合物の四
級塩を用いた電解液であっても、液出を防止し得ること
が見出された。この発明の目的は、環状アミジン化合物
の四級塩を含む電解液を用いたアルミニウム電解コンデ
ンサの液出を防止することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、陽極引出し
手段を備えた陽極電極箔と、純度99.9%以上のアル
ミニウムからなる陰極引出し手段を備えた、銅、鉄、マ
ンガン、スズのうち一または二以上を含む純度99.9
%未満のアルミニウムからなる陰極電極箔とを、セパレ
ータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコ
ンデンサ素子に環状アミジン化合物の四級塩を含む電解
液を含浸して外装ケースに収納したことを特徴としてい
る。
【0014】また、陰極引出し手段の表面の一部又は全
部に陽極酸化によって形成した酸化アルミニウム層を形
成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】アルミニウム電解コンデンサの構
造は図1、図2に示すように、従来と同じ構造をとって
いる。コンデンサ素子1は陽極電極箔2と陰極電極箔3
をセパレータ11を介して巻回して形成する。また図2
に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には陽極引出
し用のリード線4、陰極引出し用のリード線5がそれぞ
れ接続されている。これらのリード線4、5は、電極箔
に当接する接続部7とこの接続部7と一体に形成した丸
棒部6、および丸棒部6の先端に固着した外部接続部8
からなる。また、接続部7および丸棒部6は純度99.
9%以上のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキ
を施した銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5
は、接続部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等
の手段により両極電極箔2、3に電気的に接続されてい
る。
【0016】陽極電極箔2は、アルミニウム箔を酸性溶
液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面
処理した後、ホウ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム
あるいはアジピン酸アンモニウム等の水溶液中で化成処
理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを
用いる。
【0017】上記のように構成したコンデンサ素子1
に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解液を含
浸する。電解液としてはγ−ブチロラクトンやエチレン
グレコールを主溶媒とし、酸の共役塩基をアニオン成分
とし、環状アミジン化合物を四級化したカチオンをカチ
オン成分とする塩を溶解した電解液を用いた。
【0018】アニオン成分となる酸としては、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、安息香
酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸等を挙げること
ができる。
【0019】また、環状アミジン化合物を四級化したカ
チオンとは、N,N,N’−置換アミジン基をもつ環状
化合物を四級化したカチオンであり、N,N,N’−置
換アミジン基をもつ環状化合物としては、以下の化合物
が挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1
─メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾー
ル、1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─
フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メ
チル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2
−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導
体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,
2−ジメチル−4(5)−ニトロイミダゾール等のニト
ロおよびアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メ
チルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベ
ンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化
合物(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミ
ダゾリン、1,2,3−トリメチルイミダゾリン、1,
2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−
2−エチルイミダゾリン、2,3−ジメチル−1−エチ
ルイミダゾリン、1,2,3,4−テトラメチルイミダ
ゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリン等)、
テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(1,2,3
−トリメチルテトラヒドロピリミジン、1−メチル−
1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジ
メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、
1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−
7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−
エン、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.
0〕ノン−5−エン等)等である。
【0020】また、リード線4、5の、少なくとも丸棒
部6の表面には、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸ア
ンモニウム水溶液あるいはアジピン酸アンモニウム水溶
液等による陽極酸化処理によって形成した酸化アルミニ
ウム層を形成することができる。
【0021】以上のような電解液を含浸したコンデンサ
素子1を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース
10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装
着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施
して外装ケース10を密封する。封口体9は例えばブチ
ルゴム等の弾性ゴムからなり、リード線4、5をそれぞ
れ導出する貫通孔を備えている。
【0022】前述のように、環状アミジン化合物の四級
塩を含む電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサに
おいては、陰極引出し用のリード線5の自然電位が陰極
電極箔3の自然電位より貴であるため、直流負荷時には
リード線5にかなりのカソード電流が流れて、リード線
5の表面において常に還元反応がおこり、そのことによ
って、塩基性水酸化物が生成される。これに対して本願
発明では、アルミニウムより貴である、銅、鉄、マンガ
ン、スズのうち一または二以上を含む純度99.9%未
満のアルミニウムからなる陰極電極箔を用いているた
め、陰極箔の自然電位を、純度99.9%以上のアルミ
ニウムからなる陰極引出し手段より貴にすることができ
る。つまり、図3(b)に示すように、陰極電極箔の自
然電位E2が、陰極引出し手段であるリード線(接続
部)の自然電位E1 よりも貴な電位を示すようになり、
陰極電極箔と陰極引出し手段との電位を逆転させること
ができる。
【0023】すなわち、本願発明において直流が負荷さ
れると、図に示すように、まず最初に陰極電極箔に電流
が流れて陰極電極箔上で還元反応が発生する。そして、
活表面積が陰極引出し手段よりも大きい陰極電極箔の分
極抵抗は陰極引出し手段の分極抵抗よりも小さいので、
陰極電極箔に流れる電流は大きくなり、アルミニウム電
解コンデンサの漏れ電流の定格値IT となる電位E
T は、従来の電位ET に比べて著しく貴の方向にシフト
することになる。したがって、陰極引出し手段に流れる
電流I1 は著しく小さくなり、陰極引出し手段の近傍に
おける塩基性水酸化物の生成を抑制することができ、封
口体等への悪影響を低減することができるようになる。
【0024】また、詳細は不明であるが、本願発明の、
銅、鉄、マンガン、スズのうち一または二以上を含む純
度99.9%未満のアルミニウムからなる陰極電極箔を
用いると、経時的な陰極電極箔の自然電位E2 の卑への
シフトと、分極抵抗の上昇を抑制することができること
が判明した。そのことによって、アルミニウム電解コン
デンサの漏れ電流の定格値IT となる電位ET の卑の方
向へのシフトを抑制し、経時的にも、陰極引出し手段に
流れる電流I1 を小さく維持することができる。
【0025】さらに、リード線4、5の、少なくとも丸
棒部6の表面に、陽極酸化によって酸化アルミニウム層
を形成することができる。これによって図3(b)のB
に示すように陰極引出し手段の分極抵抗を大きくする、
すなわち、分極曲線の傾きを小さくすることができ、こ
の分極抵抗は経時的に小さくなることはないので、経時
的にも陰極引出し手段に流れる電流I1 を小さく保つこ
とに寄与することになる。このように、これらの手段に
よって、経時的にも陰極引出し手段に流れる電流I1
小さく維持され、したがって、長時間にわたって塩基性
水酸化物の生成を抑制することができる。
【0026】
【実施例】次にこの発明について実施例を示して説明す
る。図1に示すように、コンデンサ素子1は陽極電極箔
2と陰極電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形
成する。また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極
箔3には陽極引出し用のリード線4、陰極引出し用のリ
ード線5がそれぞれ接続されている。
【0027】これらのリード線4、5は、電極箔に当接
する接続部7とこの接続部7と一体に形成した丸棒部
6、および丸棒部6の先端に固着した外部接続部8から
なる。また、接続部7および丸棒部6は純度99.9%
のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキを施した
銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5は、接続
部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段に
より両極電極箔2、3に電気的に接続されている。
【0028】陽極電極箔2は、純度99.9%のアルミ
ニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエ
ッチングして拡面処理した後、アジピン酸アンモニウム
の水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜
層を形成したものを用いる。また、陰極電極箔3は、純
度99.7%のアルミニウム箔をエッチングしたものを
用いる。
【0029】そして、上記のように構成したコンデンサ
素子1に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解
液を含浸する。電解液としてはγ−ブチロラクトン(7
5部)を溶媒とし、溶質としてフタル酸テトラメチルイ
ミダゾリン(25部)を溶解したものを用いた。
【0030】以上のような電解液を含浸したコンデンサ
素子1を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース
10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装
着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施
して外装ケース10を密封する。封口体9は例えばブチ
ルゴム等の弾性ゴムからなり、リード線4、5をそれぞ
れ導出する貫通孔を備えている。
【0031】(実施例1)実施例1においては、陰極電
極箔3として純度99.7%のアルミニウム箔をエッチ
ングしたもののかわりに、0.3%銅含有の純度99.
6%アルミニウム合金箔をエッチングしたものを用い
た。
【0032】(実施例2)実施例2においては、陰極電
極箔3として純度99.7%のアルミニウム箔をエッチ
ングしたもののかわりに、0.4%鉄含有の純度99.
4%アルミニウム合金箔をエッチングしたものを用い
た。
【0033】(実施例3)実施例3においては、陰極電
極箔3として純度99.7%のアルミニウム箔をエッチ
ングしたもののかわりに、0.3%銅含有の純度99.
6%アルミニウム合金箔をエッチングしたものを用い
た。また、リード線4、5の、少なくとも丸棒部6の表
面には、リン酸アンモニウム水溶液による陽極酸化処理
により酸化アルミニウム層を形成した。
【0034】(従来例)従来例においては、以上のよう
な、手段を講じなかった。
【0035】以上のように構成したアルミニウム電解コ
ンデンサを、各試料25個に105°Cの下で定格電圧
を印加し、2000時間及び5000時間経過後の液出
の有無について目視で観測した。その結果は表1のとお
りである。
【0036】
【表1】
【0037】これらの結果からも明らかなように、電解
液として環状アミジン化合物の四級塩を用いた場合で
も、銅合金箔や鉄合金箔を用いることによって、液出は
抑制され、経時的にも、従来例にくらべて効果が持続し
ている。さらに、リード線に陽極酸化によって酸化アル
ミニウム層を形成することによって、その効果は向上し
ている。
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、環状アミジン化合物
の四級塩を電解液の溶質に用いたアルミニウム電解コン
デンサにおいて、陰極引出し手段に純度99.9%以上
のアルミニウムを用い、陰極箔に、銅、鉄、マンガン、
スズのうち一または二以上を含む純度99.9%未満の
アルミニウムを用いているので、陰極電極箔と陰極引出
し手段との電位を逆転させることができる。そのことに
よって、陰極引出し手段に流れる電流を抑制し、環状ア
ミジン化合物の四級塩を電解液の溶質に用いたアルミニ
ウム電解コンデンサでの陰極電極引出し手段からの液出
を防止することができ、電解液の減少に伴う静電容量の
低下が防止され、アルミニウム電解コンデンサの長寿命
化、高信頼性化を図ることができる。
【0039】また、経時的におきる陰極電極箔の自然電
位E2 の卑へのシフトと分極抵抗の上昇による、アルミ
ニウム電解コンデンサの漏れ電流の定格値IT となる電
位ET の卑の方向へのシフトが抑制される。そのことに
よって、陰極引出し手段に流れる電流を経時的に抑制
し、陰極引出し手段からの液出防止効果を長時間にわた
って維持することができる。
【0040】さらに、陰極引出し手段の表面の一部又は
全部に陽極酸化によって形成された酸化アルミニウム層
を形成することによって、陰極電極箔の分極抵抗を大き
くすることができ、この分極抵抗は経時的に大きくなる
ことはないので、経時的に陰極引出し手段に流れる電流
を抑制し、その結果、陰極引出し手段からの液出防止効
果を長時間にわたって維持するに寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム電解コンデンサの構造を示す内部
断面図である。
【図2】コンデンサ素子の構造を示す分解斜視図であ
る。
【図3】アルミニウム電解コンデンサの陰極部でのカソ
ード分極抵抗を示すグラフである。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 2 陽極電極箔 3 陰極電極箔 4 陽極引出し用のリード線 5 陰極引出し用のリード線 6 丸棒部 7 接続部 8 外部接続部 9 封口体 10 外装ケース 11 セパレータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極引出し手段を備えた陽極電極箔と、
    純度99.9%以上のアルミニウムからなる陰極引出し
    手段を備えた、銅、鉄、マンガン、スズのうち一または
    二以上をを含む純度99.9%未満のアルミニウムから
    なる陰極電極箔とを、セパレータを介して巻回してコン
    デンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に環状アミジ
    ン化合物の四級塩を含む電解液を含浸してなるアルミニ
    ウム電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の、陰極引出し手段の表面
    の一部又は全部に、陽極酸化によって形成された酸化ア
    ルミニウム層を形成したアルミニウム電解コンデンサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002203751A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ
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