JPH11219620A - 導電性ペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル - Google Patents

導電性ペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル

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JPH11219620A
JPH11219620A JP3552098A JP3552098A JPH11219620A JP H11219620 A JPH11219620 A JP H11219620A JP 3552098 A JP3552098 A JP 3552098A JP 3552098 A JP3552098 A JP 3552098A JP H11219620 A JPH11219620 A JP H11219620A
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英明 増子
Hiroaki Nemoto
宏明 根本
Nobuo Bessho
信夫 別所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速乾性、導電性粒子の分散性に優れた導電性
ペースト組成物、均一性に優れ、ブロッキング現象を生
じさせない転写フィルムおよび、少ない工程数および短
い製造時間で製造でき、寸法制度の高い電極を有するプ
ラズマディスプレイパネルを提供する。 【解決手段】 導電性粒子、結着樹脂、並びに特定の沸
点および蒸気圧を持った有機溶剤を含有する導電性ペー
スト組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ペースト組
成物に関し、さらに詳しくは、プラズマディスプレイパ
ネル等の電極を形成するために好適に使用することがで
きる導電性ペースト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近において、平板状の蛍光表示体とし
てプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流
型のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と
もいう。)の断面形状を示す模式図である。同図におい
て、1及び2は、対向配置されたガラス基板、3は隔壁
であり、ガラス基板1、ガラス基板2及び隔壁3により
セルが区画形成されている。4はガラス基板1に固定さ
れたバス電極、5はガラス基板2に固定されたアドレス
電極、6はセル内に保持された蛍光物質、7はバス電極
4を被覆するようガラス基板1の表面に形成された誘電
体層、8は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜であ
る。アドレス電極5は導電性粒子を主成分としたペース
トより形成され、その膜厚は例えば5〜20μmとされ
る。
【0003】アドレス電極5の形成方法としては、従
来、導電性粒子、結着樹脂および溶剤を含有するペース
ト状の組成物(非感光性導電性ペースト組成物)を直接
基板表面に電極パターンを形成する印刷法と、感放射線
性のペースト状組成物(感光性導電性ペースト組成物)
をガラス基板全面に塗布し、マスクを介して例えば紫外
線を露光したのち、現像することにより、基板表面に電
極パターンを設けるフォトリソグラフィー法とが知られ
ている。塗布方法としては、印刷法、フォトリソグラフ
ィー法ともに、通常、スクリーン印刷を用いて行う。そ
の際の乾燥条件としては100〜150℃で10〜15
分間行って膜形成材料層を形成し、次いでこの膜形成材
料層を400〜600℃で、10〜60分焼成すること
により有機物質を除去して導電性粒子を焼結させる方法
が知られている。
【0004】導電性ペースト組成物を構成する溶剤とし
ては、当該導電性ペースト組成物の好ましい粘性(スク
リーン版の目詰まりを発生させない粘性)を長期間にわ
たり発現させる観点から、比較的高沸点(例えば220
℃以上)の有機溶剤が使用されている。
【0005】しかしながら、前述の印刷法で直接ガラス
基板に電極パターンを形成する場合には、パターンを有
するスクリーンマスクと基板の間に数mmのギャップを
設け、スキージでスクリーンマスクにテンションを掛け
ながら印刷するため、版と実際の印刷パターンに寸法差
が発生したり、また、印刷回数が増えるにしたがって版
の寸法が変化する版伸びという問題が生じ、高精細のパ
ターン形成が困難であった。さらに、スクリーン印刷を
用いる塗布方法は、スクリーン版のメッシュ形状が膜形
成材料層の表面に転写されることがあり、このような膜
形成材料層を焼成して形成される電極は、表面の平滑性
に劣るものとなる。
【0006】スクリーン印刷によって膜形成材料層を形
成する場合における上記のような問題を解決する手段と
して、本発明者らは、レジスト膜と導電性ペースト層と
の積層膜を支持フィルム上に形成し、支持フィルム上に
形成された積層膜を基板上に転写し、当該積層膜を構成
するレジスト膜を露光処理してレジストパターンの潜像
を形成し、当該レジスト膜を現像処理してレジストパタ
ーンを顕在化させ、導電性ペースト層をエッチング処理
してレジストパターンに対応する導電性ペースト層のパ
ターンを形成し、当該パターンを焼成処理する工程を含
む方法により、前記基板の表面に電極を形成する工程を
含むPDPの製造方法を提案している(特願平9−34
0514号明細書参照)。このような製造方法によれ
ば、高精細パターンの形成が可能で表面の均一性に優れ
た電極を形成することができ、また、膜形成材料層が支
持フィルム上に形成されてなる複合フィルム(以下、
「転写フィルム」ともいう。)は、これをロール状に巻
き取って保存することができる点でも有利である。ここ
に、支持フィルム上に塗布した塗膜(導電性ペースト組
成物およびレジスト組成物)の乾燥条件としては、支持
フィルムの耐熱性および製造効率の観点から、110℃
以下で、10分以内に制約される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような低温・短時間の乾燥条件では、通常220℃以上
の沸点を有する有機溶剤を十分に除去することができ
ず、支持フィルム上に形成される膜形成材料層には、相
当量(例えば5〜15重量%)の有機溶剤が残留してし
まう。そして、このような膜形成材料層を備えてなる転
写フィルムをロール状に巻き取って保存すると、転写フ
ィルム同士(膜形成材料層と支持体裏面)が固着してし
まい(このような現象を、以下「ブロッキング現象」と
いう。)、ロールから転写フィルムを引き出すことがで
きなくなる、という新たな問題が生じた。
【0008】このような問題を回避するために、低沸点
の有機溶剤を使用して導電性ペースト組成物を調製する
ことにより、膜形成材料層中における溶剤の残留量を可
及的に少なくすることも考えられる。しかしながら、低
沸点の有機溶剤は、概して、導電性粒子との親和性に劣
るものであり、このような有機溶剤を含有する導電性ペ
ーストには、導電性粒子の凝集物が発生しやすい。そし
て、導電性粒子の凝集物を含む導電性ペースト組成物を
支持フィルム上に塗布して形成される膜形成材料層に
は、前記凝集物に起因する筋状の塗装跡、クレーター、
ピンホールなどの膜欠陥が発生してしまう。
【0009】本発明は以上のような事情に基づいてなさ
れたものであって、本発明の第1の目的は、低温・短時
間の乾燥条件(例えば50〜110℃で1〜10分間)
により、含有している溶剤の殆どを除去すること(例え
ば、乾燥後における溶剤の含有率が0〜1重量%となる
こと)ができる、速乾性に優れた導電性ペースト組成物
を提供することにある。本発明の第2の目的は、導電性
粒子の凝集物を含まない導電性ペースト組成物を提供す
ることにある。本発明の第3の目的は、塗膜を乾燥して
形成される膜形成材料層に、筋状の塗装跡、クレータ
ー、ピンホールなどの膜欠陥を発生させない導電性ペー
スト組成物および転写フィルムを提供することにある。
本発明の第4の目的は、得られる膜形成材料層を焼成す
ることにより、表面の均一性に優れた電極パターンを形
成することができる導電性ペースト組成物および転写フ
ィルムを提供することにある。本発明の第5の目的は、
ール状に巻き取って保存する際、ブロッキング現象を生
じさせない転写フィルムを提供することにある。本発明
の第6の目的は、少ない工程数で製造でき、製造時間が
短く、寸法制度の高い電極を有するプラズマディスプレ
イパネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性ペースト
組成物は、(A)導電性粒子、(B)結着樹脂、並びに
(C)下記の条件(1)および(2)を満足する少なく
とも1種の有機溶剤(以下、「特定溶剤」ともいう。)
を含有することを特徴とする。また、上記特定溶剤は、
下記の条件(3)を併せて満足することが好ましい。 条件(1):標準沸点が100〜200℃であること。 条件(2):20℃における蒸気圧が0.5〜50mm
Hgであること。 条件(3):20℃における表面張力が25dyn/c
m以上であること。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の導電性ペースト組
成物について詳細に説明する。本発明の導電性ペースト
組成物は、導電性粒子、結着樹脂および溶剤を必須成分
として含有する。 <導電性粒子>本発明の組成物を構成する導電性粒子と
しては、Ag、Au、Al、Ni、Ag-Pd合金、Cu、Crなどを挙
げることができる。また、導電性粒子の平均粒径として
は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.
2〜5μmである。導電性粒子の平均粒径が0.1μm
未満の場合、導電性粒子の比表面積が大きくなることか
ら導電性ペースト中で粒子の凝集が発生しやすくなり、
安定した分散状態を得るのが難しくなる。一方、導電性
粒子の平均粒径が10μm以上の場合、高精細の電極パ
ターンを得るのが難しくなる。
【0012】<結着樹脂>本発明の導電性ペースト組成
物に使用されるバインダーとしては、種々の樹脂を用い
ることができるが、アルカリ可溶性樹脂を30〜100
重量%の割合で含有するバインダーを用いることが特に
好ましい。ここに、「アルカリ可溶性」とは、アルカリ
性のエッチング液によって溶解し、目的とするエッチン
グ処理が遂行される程度に溶解性を有する性質をいう。
かかるアルカリ可溶性樹脂の具体例としては、例えば
(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノ
ボラック樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることがで
きる。このようなアルカリ可溶性樹脂のうち、特に好ま
しいものとしては、下記のモノマー(イ)とモノマー
(ロ)との共重合体、又はモノマー(イ)と、モノマー
(ロ)とモノマー(ハ)との共重合体を挙げることがで
きる。
【0013】モノマー(イ):アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、
シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸などのカルボキシ
ル基含有モノマー類;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの
水酸基含有モノマー類;o−ヒドロキシスチレン、m−
ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどのフ
ェノール性水酸基含有モノマー類などに代表されるアル
カリ可溶性官能基含有モノマー類。 モノマー(ロ):(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの
モノマー(イ)以外の(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モ
ノマー類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類
などに代表されるモノマー(イ)と共重合可能なモノマ
ー類。 モノマー(ハ):ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル
酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の末端
に、(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基を有
するマクロモノマーなどに代表されるマクロモノマー
類:
【0014】本発明の組成物を構成するアルカリ可溶性
樹脂の分子量としては、GPCによるポリスチレン換算
の重量平均分子量として4,000〜300,000で
あることが好ましく、さらに好ましくは10,000〜
200,000とされる。また、本発明の組成物におけ
るバインダーの含有割合としては、導電性粒子100重
量部に対して、通常1〜50重量部とされ、好ましくは
1〜40重量部とされる。
【0015】<溶剤>本発明においては、組成物を構成
する溶剤として特定溶剤を含有する点に特徴を有してい
る。 (1)特定溶剤の標準沸点(1気圧における沸点)は1
00〜200℃とされ、好ましくは110〜180℃と
される。標準沸点が200℃を超える場合には、含有さ
れる溶剤全体の沸点が高くなりすぎて、そのような溶剤
を含有してなる導電性ペースト組成物を塗布して転写フ
ィルムを製造するときに、得られる転写フィルムの膜形
成材料層中に相当量の有機溶剤が残留し、当該転写フィ
ルムをロール状に巻き取って保存する際にブロッキング
現象が発生しやすくなる。一方、標準沸点が100℃未
満である場合には、溶剤全体の沸点が低くなりすぎて、
そのような溶剤を含有してなる導電性ペースト組成物中
において、導電性粒子の凝集物が発生しやすくなり、当
該組成物を塗布して形成される膜形成材料層に、筋状の
塗装跡、クレーター、ピンホールなどの膜欠陥が発生し
やすくなる。
【0016】(2)特定溶剤の20℃における蒸気圧は
0.5〜50mmHgとされ、好ましくは0.7〜30
mmHgとされる。蒸気圧が0.5mmHg未満である
場合には、含有される溶剤全体の蒸気圧が低くなりすぎ
て、そのような溶剤を含有してなる導電性ペースト組成
物を塗布して転写フィルムを製造するときに、得られる
転写フィルムの膜形成材料層中に相当量の有機溶剤が残
留し、当該転写フィルムをロール状に巻き取って保存す
る際にブロッキング現象が発生しやすくなる。一方、蒸
気圧が50mmHgを超える場合には、溶剤全体の蒸気
圧が高くなりすぎて、そのような溶剤を含有してなる導
電性ペースト組成物が速乾性を有し、塗布時のレベリン
グ性が不足して、膜厚均一性が悪くなりやすい。
【0017】(3)特定溶剤の20℃における表面張力
は25dyn/cm以上であることが好ましい。表面張
力が25dyn/cm未満である場合には、含有される
溶剤全体の表面張力が低くなり、そのような溶剤を含有
してなる導電性ペースト組成物を塗布して膜形成材料層
を形成するときに、当該膜形成材料層を焼成して形成さ
れる焼結体(電極)が気泡を多く含んだポーラスな構造
となり、安定した低抵抗値を有する電極とならない場合
がある。
【0018】本発明の組成物を構成する特定溶剤は、上
記の条件(1)および(2)を満足し、好ましくは上記
の条件(3)を満足する有機溶剤であって、好ましくは
ケトン類、アルコール類またはエステル類である。
【0019】特定溶剤の好ましい具体例としては、ジエ
チルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、
シクロヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、
4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、
ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系ア
ルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和
脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチ
ル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセ
ロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エ
チル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エ
ステル類などを例示することができ、これらのうち、メ
チルブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアル
コール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、エ
チル−3−エトキシプロピオネートなどが好ましい。こ
れらの特定溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。
【0020】本発明の組成物に含有されることがある特
定溶剤以外の溶剤としては、 導電性粒子との親和性(分散性)、結着樹脂の溶解
性、特定溶剤との相溶性が良好で、 特定溶剤と共に、導電性ペースト組成物に適度な粘
性を付与することができ、 乾燥されることによって容易に蒸発除去できるもの
の中から選択することができる。かかる溶剤の具体例と
しては、テレビン油、エチルセロソルブ、メチルセロソ
ルブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテー
ト、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、ベ
ンジルアルコール、N−メチル−2−ピロリドンなどを
挙げることができる。
【0021】本発明の組成物において、全溶剤に対する
特定溶剤の含有割合としては、通常50重量%以上とさ
れ、好ましくは70重量%以上とされる。また、本発明
の組成物における溶剤(特定溶剤およびその他の溶剤)
の含有割合としては、組成物の粘度を好適な範囲に維持
する観点から、ガラス粉末100重量部に対して、5〜
50重量部であることが好ましく、さらに好ましくは1
0〜40重量部とされる。
【0022】本発明の導電性ペースト組成物には、上記
の必須成分のほかに、低融点ガラス、分散剤、粘着性付
与剤、可塑剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤などの
各種添加剤が任意成分として含有されていてもよい。好
ましい導電性ペースト組成物の一例を示せば、導電性粒
子として、銀粒子100重量部と、ブチルメタクリレー
ト/メタクリル酸共重合体10〜30重量部と、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル(特定溶剤)10〜
50重量部とを必須成分として含有する組成物を挙げる
ことができる。
【0023】本発明の組成物は、上記導電性粒子、結着
樹脂および溶剤並びに任意成分を、ロール混練機、ミキ
サー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミルなどの混
練機を用いて混練することにより調製することができ
る。上記のようにして調製される本発明の組成物は、塗
布に適した流動性を有するペースト状の組成物であり、
その粘度は、通常1,000〜30,000cpとさ
れ、好ましくは3,000〜10,000cpとされ
る。
【0024】本発明の導電性ペースト組成物は、支持フ
ィルム上に膜形成材料層を形成して転写フィルムを製造
する際に好適に使用することができるが、これらの用途
に限定されるものではなく、従来において公知の膜形成
材料層の形成方法、すなわち、スクリーン印刷法などに
よって当該組成物をガラス基板の表面に直接塗布し、塗
膜を乾燥することにより膜形成材料層を形成する方法に
も好適に使用することができる。
【0025】<転写フィルム>本発明の転写フィルム
は、支持フィルムと、この支持フィルム上に形成された
膜形成材料層とにより構成され、ドライフィルム法に適
用される複合材料である。転写フィルムを構成する支持
フィルムは、耐熱性及び耐溶剤性を有するとともに可撓
性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フ
ィルムが可撓性を有することにより、ロールコーター、
ブレードコーターなどによって本発明の組成物を塗布す
ることができ、膜形成材料層をロール状に巻回した状態
で保存し、供給することができる。支持フィルムを形成
する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ
塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、
ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。支持
フィルムの厚さとしては、例えば20〜100μmとさ
れる。
【0026】転写フィルムを構成する膜形成材料層は、
本発明の導電性ペースト組成物を前記支持フィルム上に
塗布し、塗膜を乾燥して溶剤の一部又は全部を除去する
こと(例えば、溶剤の含有率が0〜1.0重量%となる
まで除去すること)により形成することができる。
【0027】本発明の導電性ペースト組成物を支持フィ
ルム上に塗布する方法としては、膜厚の均一性に優れた
膜厚の大きい(例えば10μm以上)塗膜を効率よく形
成することができるものであることが好ましく、具体的
には、ロールコーターによる塗布方法、ブレードコータ
ーによる塗布方法、カーテンコーターによる塗布方法、
ワイヤーコーターによる塗布方法などを好ましいものと
して挙げることができる。なお、本発明の導電性ペース
ト組成物が塗布される支持フィルムの表面には離型処理
が施されていることが好ましい。これにより、ガラス基
板への転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容
易に行うことができる。また、本発明の転写フィルムに
は、膜形成材料層の表面に保護フィルム層が設けられて
もよい。このような保護フィルム層としては、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、
ポリビニルアルコール系フィルムなどを挙げることがで
きる。本発明の転写フィルムにおける膜形成材料層(転
写フィルムを構成する膜形成材料層)は、優れた柔軟性
(ロール加工性)、およびガラス基板に対する優れた密
着性を有するものとなる。
【0028】本発明の転写フィルムは、支持フィルム上
にレジスト層と膜形成材料層との積層膜が形成されたも
のであってもよい。ガラス基板に当該積層膜を転写する
ことにより、膜形成材料層上にレジスト膜が形成された
積層膜を得ることができる。レジスト膜を形成するため
に使用するレジスト組成物としては、アルカリ現像型感
放射線性レジスト組成物、有機溶剤現像型感放射線性レ
ジスト組成物、水性現像型感放射線性レジスト組成物な
どを例示することができるが、好ましくはアルカリ現像
型感放射線性レジスト組成物が用いられる。
【0029】アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物
は、アルカリ可溶性樹脂と感放射線性成分を必須成分と
して含有してなる。アルカリ現像型感放射線性レジスト
組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂としては、隔壁形
成用のガラスペースト組成物を構成するものとして例示
したアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。アルカ
リ現像型感放射線性レジスト組成物を構成する感放射線
性成分としては、例えば、(イ)多官能性モノマーと光
重合開始剤との組み合わせ、(ロ)メラミン樹脂と放射
線照射により酸を形成する光酸発生剤との組み合わせな
どを好ましいものとして例示することができ、上記
(イ)の組み合わせのうち、多官能性(メタ)アクリレ
ートと光重合開始剤との組み合わせが特に好ましい。
【0030】感放射線性成分を構成する多官能性(メ
タ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどのアルキレングリコール
のジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキ
シポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、
両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒド
ロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;グリセ
リン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロール
アルカン、テトラメチロールアルカン、ジペンタエリス
リトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メ
タ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリ
アルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレー
ト類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベン
ゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)ア
クリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコー
ン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)ア
クリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙
げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み
合わせて使用することができる。
【0031】また、感放射線性成分を構成する光重合開
始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾ
フェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−
(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プ
ロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなど
のカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−ア
ジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド
化合物;メルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合
物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tret−ブチルパ
ーオキシド、tret−ブチルハイドロパーオキシド、
クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパー
オキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリ
クロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチ
レニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,
3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’
−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テ
トラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾ
ール二量体などを挙げることができ、これらは単独でま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0032】このアルカリ現像型感放射線性レジスト組
成物における感放射線性成分の含有割合としては、アル
カリ可溶性樹脂100重量部当たり、通常1〜300重
量部とされ、好ましくは10〜200重量部である。ま
た、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物について
は、良好な膜形成性付与するために、適宜有機溶剤が含
有される。かかる有機溶剤としては、導電性ペースト組
成物を構成するものとして例示した溶剤を挙げることが
できる。
【0033】<プラズマディスプレイパネル>本発明の
プラズマディスプレイパネルは、電極が、本発明の導電
性ペースト組成物を用いて形成されることを特徴とす
る。電極の形成方法としては、基板上に導電性ペースト
層を設け、該導電性ペースト層上にレジスト膜を設け、
レジスト膜を、通常、露光マスクを介して露光、現像
し、ガラスペースト層をエッチングした後、該ガラスペ
ースト層を焼成する方法が挙げられる。導電性ペースト
組成物の塗布方法としては、上記転写フィルムの形成に
おいて、支持フィルム上に導電性ペースト組成物を塗布
する方法に準ずることができる。また、本発明の転写フ
ィルムを用いた転写は、必要に応じて使用される転写フ
ィルムの保護フィルム層を剥離した後、基板の表面に、
導電性ペースト層の表面が当接されるように転写フィル
ムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどに
より熱圧着した後、導電性ペースト層から支持フィルム
を剥離除去する、という手順で行われる。これにより、
基板の表面に導電性ペースト層が転写されて密着した状
態となる。ここで、転写条件としては、例えば、加熱ロ
ーラの表面温度が80〜140℃、加熱ローラによるロ
ール圧が1〜5kg/cm2 、加熱ローラの移動速度が
0.1〜10.0m/分を示すことができる。また、基
板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば4
0〜100℃とすることができる。
【0034】導電性ペースト層上にレジスト膜を設ける
方法としては、レジスト組成物を導電性ペースト層上に
塗布または転写する方法と、レジスト膜と導電性ペース
ト層との積層膜を有する本発明の転写フィルムを用い
て、基板上に積層膜を転写する方法とが挙げられる。レ
ジスト膜の露光、現像は、公知の方法を用いることがで
きる。まず、露光用マスクを介して紫外線などの放射線
を選択的照射(露光)してレジストパターンの潜像を形
成し、これを、アルカリ性現像液などで現像し、レジス
トパターンを形成する。該レジストパターンは、導電性
ペースト層のエッチング工程におけるエッチングマスク
として作用する。導電性ペースト層のエッチングは、例
えばアルカリ性溶液などのエッチング液を用いて行わ
れ、この際、レジスト残留部は除去される。導電性ペー
スト層の焼成温度としては、導電性ペースト層中の有機
物質が焼失される温度であることが必要であり、通常、
400〜600℃とされる。また、焼成時間は、通常、
10〜90分間である。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下において「部」は「重量部」を示す。また、重
量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製ゲルパーミ
ィエーションクロマトグラフィー(GPC)(商品名H
LC−802A)により測定したポリスチレン換算の平
均分子量である。
【0036】<実施例1> (1)導電性ペースト組成物の調製:プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル200部、n−ブチルメタクリ
レート70部、メタクリル酸30部、アゾビスイソブチ
ロニトリル1部からなる単量体組成物を、攪拌機付きオ
ートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、室温で
均一になるまで攪拌した後、80℃で3時間重合させ、
さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後室温ま
で冷却してポリマー溶液を得た。ここに、重合率は98
%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体〔以
下、「ポリマー(A)」という。〕の重量平均分子量
(Mw)は、60,000であった。
【0037】次いで、導電性粒子として平均粒径1.0
μmの銀粉末750部、アルカリ可溶性樹脂としてポリ
マー(A)150部、可塑剤としてポリプロピレングリ
コール〔分子量400、和光純薬(株)製〕20部、お
よび特定溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル300部を混練りすることにより、電極形成用の
導電性ペースト組成物を調整した。
【0038】(2)感放射線性レジスト組成物の調製:
3−エトキシプロピオン酸エチル200部、n−ブチル
メタクリレート85部、メタクリル酸15部、アゾビス
イソブチロニトリル1部からなる単量体組成物をオート
クレーブに仕込んだこと以外はポリマーAと同様にして
ポリマー溶液を得た。ここに、重合率は98%であり、
このポリマー溶液から析出した共重合体〔以下、「ポリ
マー(B)」という。〕の重量平均分子量(Mw)は、
50,000であった。
【0039】次いで、アルカリ可溶性樹脂としてポリマ
ー(B)50部、多官能性モノマー(感放射線性成分)
としてペンタエリスリトールテトラアクリレート40
部、光重合開始剤(感放射線性成分)として2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ
ニル)−ブタン−1−オン5部、および溶剤として3−
エトキシプロピオン酸エチル150部を混練りすること
により、ペースト状のアルカリ現像型感放射線性レジス
ト組成物〔以下、「レジスト組成物」という。〕を調製
した。
【0040】(3)転写フィルムの製造:下記(イ)〜
(ロ)の操作により、導電性ペースト層と、レジスト膜
との積層膜が支持フィルム上に形成されてなる本発明の
転写フィルムを作製した。 (イ)レジスト組成物を予め離型処理したPETフィル
ムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、
厚さ38μm)上にロールコータを用いて塗布し、塗膜
を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ
5μmのレジスト膜〔以下、「レジスト膜」という。〕
を支持フィルム上に形成した。 (ロ)上記(1)で得られた導電性ペースト組成物をレ
ジスト膜上にロールコータを用いて塗布し、塗膜を10
0℃で5分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ20μmの導
電性ペースト層をレジスト膜上に形成した。
【0041】(4)転写フィルムの評価:上記(3)で
製造した本発明の転写フィルムについて、膜形成材料層
に残留している溶剤(プロピレングリコールモノメチル
エーテル)の含有率をガスクロマトグラフィーにより定
量したところ、1重量%以下であり、この膜形成材料層
の表面においてベタツキは認められなかった。また、こ
の膜形成材料層の表面状態を顕微鏡を用いて観察したと
ころ、導電性粒子の凝集物、筋状の塗装跡、クレータ
ー、ピンホールなどの膜欠陥は全く認められなかった。
さらに、この転写フィルムを10cm×10cmの大き
さに裁断して試験片を10枚作製し、これらを重ね合わ
せて積層体を作製し、この積層体の両面に圧縮荷重(2
0gf/cm2)を架けた状態で、恒温恒湿環境下(温
度40℃,相対湿度60%)に24時間放置した後、積
層体から試験片を1枚ずつ剥がしてみたところ、容易に
剥がすことができ、ブロッキング現象は認められなかっ
た。
【0042】(5)積層膜の転写工程:6インチパネル
用のガラス基板の表面に、導電性ペースト層の表面が当
接されるよう転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィ
ルムを加熱ローラに熱圧着した。ここで、圧着条件とし
ては、加熱ローラの表面温度を120℃、ロール圧を4
kg/cm2 、加熱ローラの移動速度を0.5m/分と
した。熱圧着処理の終了後、積層膜〔レジスト膜の表
面〕から支持フィルムを剥離除去した。これにより、ガ
ラス基板の表面に積層膜が転写されて密着した状態とな
った。この積層膜〔導電性ペースト層とレジスト膜との
積層膜〕について膜厚を測定したところ、25μm±2
μmの範囲にあった。
【0043】(6)レジスト膜の露光工程・現像工程:
導電性ペースト層の積層体上に形成されたレジスト膜に
対して、露光用マスク(50μm幅のストライプパター
ン)を介して、超高圧水銀灯により、i線(波長365
nmの紫外線)を照射した。照射量は400mJ/cm
2とした。次いで、露光処理されたレジスト膜に対し
て、0.2重量%の水酸化カリウム水溶液(25℃)を
現像液とするシャワー法による現像処理を20秒かけて
行った。次いで超純水による水洗処理を行い、これによ
り、紫外線が照射されていない未硬化のレジストを除去
し、レジストパターンを形成した。
【0044】(7)導電性ペースト層のエッチング工
程:上記の工程に連続して、0.2重量%の水酸化カリ
ウム水溶液(25℃)をエッチング液とするシャワー法
によるエッチング処理を2分間行った。次いで、超純水
による水洗処理および乾燥処理を行った。、これによ
り、材料層残留部と、材料層除去部とから構成される導
電性ペースト層のパターンを形成した。
【0045】(8)導電性ペースト層の焼成工程:導電
性ペースト層のパターンが形成されたガラス基板を焼成
炉内で600℃の温度雰囲気下で30分間にわたり焼成
処理を行った。これにより、ガラス基板の表面に電極が
形成されてなるパネル材料が得られた。
【0046】(9)電極パターンの評価:得られたパネ
ル材料における電極の断面形状を走査型電子顕微鏡によ
り観察し、当該断面形状の底面の幅および高さを測定し
たところ、底面の幅が50μm±2μm、高さが10μ
m±1μmであり、寸法精度がきわめて高いものであっ
た。
【0047】<実施例2〜4>表1に示す処方に従って
溶剤の組成を変更したこと以外は実施例1と同様にし
て、本発明の導電性ペースト組成物を調製した。次い
で、得られた導電性ペースト組成物の各々を使用したこ
と以外は実施例1と同様にして、本発明の転写フィルム
を製造した。その後、得られた転写フィルムの各々を使
用したこと以外は実施例1と同様にして、膜形成材料層
の転写および膜形成材料層の焼成処理を行って、ガラス
基板の表面に(厚さ10μm±1.0μm)を形成し
た。転写フィルムの評価結果(膜形成材料層中における
溶剤の含有率・膜形成材料層表面におけるベタツキ・転
写フィルムのブロッキング現象・膜形成材料層における
膜欠陥の有無)並びに形成された誘電体層の光透過率を
表1に示す。
【0048】<比較例1>プロピレングリコールモノメ
チルエーテル(特定溶剤)に代えてイソプロピルアルコ
ール300部を使用したこと以外は実施例1と同様にし
て、比較用のガラスペースト組成物を調製し、当該ガラ
スペースト組成物を使用して転写フィルムを製造した。
得られた転写フィルムについて、膜形成材料層における
溶剤(イソプロピルアルコール)の含有率は1重量%以
下であり、この膜形成材料層の表面にベタツキは認めら
れなかった。また、当該転写フィルムの積層体におい
て、ブロッキング現象は認められなかった。しかしなが
ら、膜形成材料層の表面には、20〜40μm程度の導
電性粒子の凝集物が多数認められ、当該凝集物を核に発
生している筋状の塗装跡およびクレーターも認められ
た。以上の結果を表1にまとめて示す。
【0049】<比較例2>メチルブチルケトン(特定溶
剤)に代えてジエチレングリコールモノブチルエーテル
300部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、
比較用のガラスペースト組成物を調製し、当該ガラスペ
ースト組成物を使用して転写フィルムを製造した。得ら
れた転写フィルムについて、膜形成材料層の表面状態を
観察したところ、導電性粒子の凝集物、筋状の塗装跡、
クレーター、ピンホールなどの膜欠陥は認められなかっ
た。しかしながら、当該膜形成材料層における溶剤(ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル)の含有率は8
重量%と高く、この膜形成材料層の表面全体にベタツキ
が認められた。また、ブロッキング現象の有無を確認す
るために作製した当該転写フィルムの積層体において、
試験片を剥離することができなかった。以上の結果を表
1にまとめて示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の組成物によれば下記のような効
果が奏される。 (1)低温・短時間の乾燥によって、溶剤含有率の低い
膜形成材料層を形成することができる。 (2)導電性粒子との親和性に優れる特定溶剤が含有さ
れているので、組成物中において導電性粒子の凝集物が
生成することはない。 (3)膜欠陥のない均質性に優れた膜形成材料層を形成
することができる。 (4)柔軟性に優れた膜形成材料層を形成することがで
きる。 (5)ガラス基板との接着性に優れた膜形成材料層を形
成することができる。 (6)転写フィルムの製造に好適に使用することができ
る。 (7)耐ブロッキング性に優れた転写フィルムを製造す
ることができる。 (8)ロール加工性に優れた転写フィルムを製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】交流型のプラズマディスプレイパネルの断面形
状を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ガラス基板 3 隔壁 4 バス電極 5 アドレス電極 6 蛍光物質 7 誘電体層 8 保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)導電性粒子、(B)結着樹脂、並
    びに(C)下記の条件(1)および(2)を満足する少
    なくとも1種の有機溶剤を含有することを特徴とする導
    電性ペースト組成物。 条件(1):標準沸点が100〜200℃であること。 条件(2):20℃における蒸気圧が0.5〜50mm
    Hgであること。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の導電性ペースト組成物か
    らなる膜形成材料層が支持フィルム上に形成されている
    ことを特徴とする、電極形成用転写フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の導電性ペースト組成物を
    用いて形成する電極を構成要素に含むことを特徴とす
    る、プラズマディスプレイパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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