JPH11217238A - ガラスペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル - Google Patents
ガラスペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルInfo
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- JPH11217238A JPH11217238A JP10035521A JP3552198A JPH11217238A JP H11217238 A JPH11217238 A JP H11217238A JP 10035521 A JP10035521 A JP 10035521A JP 3552198 A JP3552198 A JP 3552198A JP H11217238 A JPH11217238 A JP H11217238A
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Abstract
特性に優れたガラスペースト組成物、可撓性および転写
性に優れた転写フィルム並びに少ない工程数で製造で
き、寸法制度、透過率に優れた誘電体電極と、残さのな
い隔壁を有するプラズマディスプレイパネルを提供する
こと。 【解決手段】 ガラス粉末、結着樹脂および脂肪酸を含
有することを特徴とするガラスペースト組成物を提供す
る。
Description
物に関し、さらに詳しくは、プラズマディスプレイパネ
ルの誘電体層あるいは隔壁の形成のために好適に使用す
ることができるガラスペースト組成物に関する。
てプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流
型のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と
もいう。)の断面形状を示す模式図である。同図におい
て、1及び2は、対向配置されたガラス基板、3は隔壁
であり、ガラス基板1、ガラス基板2及び隔壁3により
セルが区画形成されている。4はガラス基板1に固定さ
れたバス電極、5はガラス基板2に固定されたアドレス
電極、6はセル内に保持された蛍光物質、7はバス電極
4を被覆するようガラス基板1の表面に形成された誘電
体層、8は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜であ
る。
末、エチルセルロース等の結着樹脂および溶剤を含有す
るガラスペースト組成物を調製し、このガラスペースト
組成物をスクリーン印刷法によってバス電極4が固定さ
れたガラス基板1の表面に塗布して乾燥することにより
膜形成材料層を形成し、次いでこの膜形成材料層を焼成
することにより有機物質を除去してガラス粉末を焼結さ
せる方法が知られている。
ガラスペースト組成物を用いてスクリーン印刷により基
板2の表面に隔壁を形成するスクリーン印刷法、(2)
感光性のガラスペースト組成物層を形成し、フォトマス
クを介して紫外線を照射した上で現像することにより基
板2の表面に隔壁を残存させるフォトリソグラフィー
法、(3)ガラスペースト組成物を用いてスクリーン印
刷等によりガラスペースト組成物の膜を形成し、その層
上にレジスト膜のパターンからなる現像用マスクを形成
後、研磨材粒子を吹き付けてガラスペースト組成物層を
エッチングするサンドブラスト法等が知られている。
および隔壁の形成方法(1)〜(3)は、どれもガラス
ペースト組成物の膜を基板上に形成する際にスクリーン
印刷等による多重印刷を行わなければならず、このよう
な多重印刷によって形成される塗膜は、十分な均一な膜
厚(例えば公差が5%以内)を有するものとはならな
い。そして、膜厚均一性が不十分な塗膜が形成される
と、誘電体層の場合は輝度ムラとなったり、隔壁の場合
は高さにバラツキが生じ、前面基板と背面基板とのギャ
ップが一定にならないため、隔壁の上面を研磨する工程
が必要となり、作業が煩雑になるという問題点があっ
た。さらに、スクリーン印刷法では、スクリーン版のメ
ッシュ形状が膜形成材料層の表面に転写されることがあ
り、このような膜形成材料層を焼成して形成される誘電
体層は、表面の平滑性に劣るものとなる。
組成物層を形成する場合における上記のような問題を解
決する手段として、本発明者らは、誘電体層形成の場
合、ガラスペースト組成物を支持フィルム上に塗布し、
塗膜を乾燥してガラスペースト層を形成し、支持フィル
ム上に形成されたガラスペースト組成物層を、電極が固
定されたガラス基板の表面に転写し、転写されたガラス
ペースト組成物層を焼成することにより、前記ガラス基
板の表面に誘電体層を形成する方法を提案している(特
開平9−102273号明細書参照)。一方、隔壁形成
の場合、レジスト膜とガラスペースト組成物層との積層
膜を支持フィルム上に形成し、支持フィルム上に形成さ
れた積層膜を基板上に転写し、当該積層膜を構成するレ
ジスト膜を露光処理してレジストパターンの潜像を形成
し、当該レジスト膜を現像処理してレジストパターンを
顕在化させ、ガラスペースト組成物層をエッチング処理
してレジストパターンに対応するガラスペースト組成物
層のパターンを形成し、当該パターンを焼成処理する工
程を含む方法により、前記基板の表面に隔壁を形成する
方法を提案している(特願平9−310837号明細書
参照)。このような方法によれば、膜厚の均一性および
表面の均一性に優れた誘電体層および隔壁を形成するこ
とができ、また、膜形成材料層が支持フィルム上に形成
されてなる複合フィルム(以下、「転写フィルム」とも
いう。)は、これをロール状に巻き取って保存すること
ができる点でも有利である。
着樹脂としては、(1)易燃焼性、(2)可撓性、
(3)転写性、(4)ガラス粉体との親和性、(5)ア
ルカリ可溶性(隔壁のようなアルカリ現像タイプの場合
のみ)等の性能を満たす必要があり、一般に、アクリル
樹脂が好適である。特に、結着樹脂にガラス粉体との親
和性を付与させることは、ガラス粉末の分散状態を安定
化させ、当該組成物中においてガラス粉末の凝集、沈
降、相分離および保存容器の底部にケーキ状の堆積物が
発生を抑制することができる。
脂にガラス粉体との親和性を付与させることは、以下の
問題点を誘発する場合がある。 (1)ガラスペースト組成物をペースト状態で保存中
に、結着樹脂とガラス粉体との間で徐々に吸着が進み、
粘度が上昇する。 (2)ガラスペースト組成物層をフィルム状態で保存
中、結着樹脂とガラス粉体との間で徐々に吸着が進み、
その結果、フィルムの可撓性が徐々に失われ、フィルム
として脆い材料になったり、転写性が減少したりする。
また、誘電体層の形成においては、所定の焼成条件で完
全に有機物質を分解除去できず、透過率が下がるという
問題が生じる。一方、隔壁の形成においては、所定の現
像時間で未露光部分の現像が終了せず、現像残さとなっ
て残存するという問題が生じる。
結着樹脂がガラス粉体の表面に徐々に吸着する現象を未
然に防ぐ方法として、脂肪酸を含有するガラスペースト
組成物を調製することで、ペースト状態やフィルム状態
で安定した性能を発現することを見出した。すなわち、
本発明の第1の目的は、ガラス粉体の分散安定性に優れ
たガラスペースト組成物を提供することにある。本発明
の第2の目的は、ガラス粉体の凝集物を含有せず、当該
凝集物を経時的にも発生させないガラスペースト組成物
を提供することにある。本発明の第3の目的は、保存容
器の底部において、ケーキ状の堆積物を発生させない保
存安定性に優れたガラスペースト組成物を提供すること
にある。本発明の第4の目的は、塗膜を乾燥して形成さ
れる膜形成材料層に、筋状の塗装跡、クレーター、ピン
ホールなどの膜欠陥を発生させないガラスペースト組成
物および転写フィルムを提供することにある。本発明の
第5の目的は、経時的に可撓性が変化しない膜形成材料
層を備えた転写フィルムを提供することにある。本発明
の第6の目的は、経時的に膜形成材料層の転写性(ガラ
ス基板に対する膜形成材料層の加熱接着性)が変化しな
い転写フィルムを提供することにある。本発明の第7の
目的は、少ない工程数で製造でき、寸法精度が高く透過
率が優れた誘電体を有するプラズマディスプレイパネル
を提供することにある。本発明の第8の目的は、寸法精
度が高く、現像残さのない隔壁を有するプラズマディス
プレイパネルを提供することにある。
組成物は、(A)ガラス粉体、(B)結着樹脂および
(C)脂肪酸を含有することを特徴とする。本発明の転
写フィルムは、本発明のガラスペースト組成物からなる
膜形成材料層が支持フィルム上に形成されていることを
特徴とする。また、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルは、誘電体層および/または隔壁が、本発明のガラス
ペースト組成物を用いて形成されることを特徴とする。
する。本発明のガラスペースト組成物は、ガラス粉体、
結着樹脂および脂肪酸を必須成分として含有する。
ガラス粉体としては、その軟化点が400〜600℃の
範囲内にあるものが好ましい。ガラス粉末の軟化点が4
00℃未満である場合には、当該組成物による膜形成材
料層の焼成工程において、結着樹脂などの有機物質が完
全に分解除去されない段階でガラス粉末が溶融してしま
うため、形成される誘電体層中に有機物質の一部が残留
し、この結果、誘電体層の光透過率が低下する傾向があ
る。一方、ガラス粉末の軟化点が600℃を超える場合
には、600℃より高温で焼成する必要があるために、
ガラス基板に歪みなどが発生しやすい。好適なガラス粉
末の具体例としては、 酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケ
イ素(PbO−B2 O3 −SiO2 系)の混合物、
酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(ZnO−B2 O3
−SiO2 系)の混合物、 酸化鉛、酸化ホウ素、酸
化ケイ素、酸化アルミニウム(PbO−B2 O3 −Si
O2 −Al2 O3 系)の混合物、 酸化鉛、酸化亜
鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(PbO−ZnO−B2 O
3 −SiO2 系)の混合物、 酸化鉛、酸化ホウ素、
酸化ケイ素、酸化カルシウム(PbO−B2 O3 −Si
O2 −CaO系)の混合物などを例示することができ
る。また、隔壁用ガラスペースト組成物の場合、通常、
形状保持のためにアルミナ等の無機フィラーを上記ガラ
ス粉末に添加して用いる。無機フィラーの添加量は、ガ
ラス粉末100重量部に対して、通常、1〜50重量
部、好ましくは、5〜40重量部)である。
がアクリル樹脂であることが好ましい。結着樹脂として
アクリル樹脂が含有されていることにより、形成される
膜形成材料層には、ガラス基板に対する優れた(加熱)
接着性が発揮される。従って、本発明の組成物を支持フ
ィルム上に塗布して転写フィルムを製造する場合におい
て、得られる転写フィルムは、膜形成材料層の転写性
(ガラス基板への転写性)に優れたものとなる。
適なアクリル樹脂としては、適度な粘着性を有してガラ
ス粉末を結着させることができ、膜形成材料の焼成処理
温度(400℃〜600℃)によって完全に酸化除去さ
れる(共)重合体の中から選択される。かかるアクリル
樹脂には、例えば、下記一般式(1)で表される(メ
タ)アクリレート化合物の単独重合体、下記一般式
(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の2種以
上の共重合体、および下記一般式(1)で表される(メ
タ)アクリレート化合物と共重合性単量体との共重合体
が含まれる。
示し、R2 は1価の有機機を示す。〕
リレート化合物の具体例としては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペン
チル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレー
ト、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オ
クチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノ
ニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレー
ト、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどの
アルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メ
タ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2
−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル
(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メ
タ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプ
ロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポ
リプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニル
フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレ
ートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレ
ート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチ
ルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
タニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)ア
クリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボル
ニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メ
タ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリ
レート;ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレートなどを挙げることがで
きる。これらのうち、上記一般式(1)中、R2 で示さ
れる基が、アルキル基またはオキシアルキル基を含有す
る基であることが好ましく、特に好ましい(メタ)アク
リレート化合物として、メチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデ
シル(メタ)アクリレートおよび2−エトキシエチル
(メタ)アクリレートを挙げることができる。他の共重
合性単量体としては、上記(メタ)アクリレート化合物
と共重合可能な化合物ならば特に制限はないが、例え
ば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マイレン
酸、ビニルフタル酸などの不飽和カルボン酸類;ビニル
ベンジルメチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、
スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレ
ンなどのビニル基含有ラジカル重合性化合物が挙げられ
る。
好適なアクリル樹脂は、誘電体層形成用ガラスペースト
組成物に求められる上述の条件を満たすことの他に、ア
ルカリ可溶性樹脂を含有するバインダーであることが好
ましい。ここに、「アルカリ可溶性」とは、後述するア
ルカリ現像液によって溶解し、目的とする現像処理が遂
行される程度に溶解性を有する性質をいう。このような
アルカリ可溶性樹脂のうち、特に好ましいものとして
は、下記の(a)及び(b)のモノマーの共重合体、又
は(a)、(b)及び(c)のモノマーの共重合体等を
挙げることができる。
類:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン
酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基含有モノマー類;上記
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基含
有モノマー類; (b)(a)以外の重合性モノマー類:上記一般式
(1)で表される化合物のうち、(a)以外の(メタ)
アクリレート化合物; (c)マクロモノマー類:ポリメチル(メタ)アクリレ
ート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリベンジル
(メタ)アクリレート等のポリマー鎖の一方の末端に、
例えば(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基を有
するマクロモノマー。 これらのうち、好ましいアクリル樹脂としては、(メ
タ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸/ブチル(メタ)アクリレート等を挙げ
ることができる。
分子量としては、GPCによるポリスチレン換算の重量
平均分子量として4,000〜300,000であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは10,000〜20
0,000とされる。本発明の組成物における結着樹脂
の含有割合としては、ガラス粉末100重量部に対し
て、5〜40重量部であることが好ましく、さらに好ま
しくは10〜30重量部とされる。結着樹脂の割合が過
小である場合には、ガラス粉末を確実に結着保持するこ
とができず、一方、この割合が過大である場合には、焼
成工程に長い時間を要したりする。
ラス粉末の分散剤として脂肪酸が含有されている点に特
徴を有している。該脂肪酸を用いることにより、ガラス
粉末の分散安定性に優れたガラスペースト組成物を得る
ことができる。本発明に用いられる脂肪酸の炭素数は、
8〜30であることが好ましい。炭素数が8未満である
脂肪酸を含有させた場合、得られる導電性ペースト組成
物により形成される膜形成材料層において十分な可撓性
が発現されにくい。一方、炭素数が30を越える脂肪酸
は分解しにくくなり、膜形成材料層の焼成工程におい
て、有機物質が完全に分解除去されない段階でガラス粉
末が焼結してしまうことがあり、形成される誘電体層中
および隔壁中に有機物質の一部が残留し、透過率の低下
や発光効率の低下の原因となる場合がある。
クタン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、アラキ
ン酸等の飽和脂肪酸;エライジン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸を
挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を
組み合わせて使用することができる。
としては、ガラス粒子100重量部に対して、0.00
1〜10重量部であることが好ましく、さらに好ましく
は0.01〜5重量部とされる。脂肪酸の割合が過小で
ある場合には、ガラス粉末の分散安定性の向上効果、形
成される膜形成材料層における可撓性の向上効果を十分
に発揮させることができない場合がある。一方、この割
合が過大である場合には、得られるガラスペースト組成
物を保存する際に粘度が経時的に上昇したり、焼成時に
十分に燃焼せず、有機物残さとして残存する原因となっ
たりする場合がある。
が含有される。上記溶剤としては、ガラス粉末との親和
性、結着樹脂の溶解性が良好で、ガラスペースト組成物
に適度な粘性を付与することができ、乾燥されることに
よって容易に蒸発除去できるものであることが好まし
い。かかる溶剤の具体例としては、ジエチルケトン、メ
チルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノ
ンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メチル−2
−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアル
コールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;
酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカ
ルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−
ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテ
ート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エト
キシプロピオネートなどのエーテル系エステル類などを
例示することができ、これらは、単独でまたは2種以上
を組み合わせて使用することができる。本発明の組成物
における溶剤の含有割合としては、組成物の粘度を好適
な範囲に維持する観点から、ガラス粉末100重量部に
対して、5〜50重量部であることが好ましく、さらに
好ましくは10〜40重量部とされる。
の必須成分のほかに、粘着性付与剤、可塑剤、表面張力
調整剤、安定剤、消泡剤、その他の分散剤などの各種添
加剤が任意成分として含有されていてもよい。
ラス粉末、結着樹脂、脂肪酸および必要に応じて任意成
分を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサー、ボール
ミル、ビーズミルなどの混練機を用いて混練することに
より調製することができる。上記のようにして調製され
る本発明の組成物は、塗布に適した流動性を有するペー
スト状の組成物であり、その粘度は、通常1,000〜
30,000cpとされ、好ましくは3,000〜1
0,000cpとされる。
ィルム上に膜形成材料層を形成して転写フィルムを製造
する際に特に好適に使用することができるが、これらの
用途に限定されるものではなく、従来において公知の膜
形成材料層の形成方法、すなわち、スクリーン印刷法な
どによって当該組成物をガラス基板の表面に直接塗布
し、塗膜を乾燥することにより膜形成材料層を形成する
方法にも好適に使用することができる。
は、支持フィルムと、この支持フィルム上に形成され
た、本発明の上記ガラスペースト組成物から得られる膜
形成材料層とにより構成され、ドライフィルム法による
誘電体層の形成工程に使用される複合材料である。
耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する
樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可
撓性を有することにより、ロールコーター、ブレードコ
ーターなどによって本発明の組成物を塗布することがで
き、膜形成材料層をロール状に巻回した状態で保存し、
供給することができる。支持フィルムを形成する樹脂と
しては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、
ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セ
ルロースなどを挙げることができる。支持フィルムの厚
さとしては、例えば20〜100μmとされる。
料層は、本発明のガラスペースト組成物を上記支持フィ
ルム上に塗布し、塗膜を乾燥して溶剤の一部又は全部を
除去することにより形成することができる。ガラスペー
スト組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、
膜厚の均一性に優れた膜厚の大きい(例えば20μm以
上)塗膜を効率よく形成することができるものであるこ
とが好ましく、具体的には、ロールコーターによる塗布
方法、ブレードコーターによる塗布方法、カーテンコー
ターによる塗布方法、ワイヤーコーターによる塗布方法
などを好ましいものとして挙げることができる。なお、
本発明の組成物が塗布される支持フィルムの表面には離
型処理が施されていることが好ましい。これにより、ガ
ラス基板への転写工程において、支持フィルムの剥離操
作を容易に行うことができる。また、本発明の転写フィ
ルムには、膜形成材料層の表面に保護フィルム層が設け
られてもよい。このような保護フィルム層としては、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィ
ルム、ポリビニルアルコール系フィルムなどを挙げるこ
とができる。
にレジスト層と膜形成材料層との積層膜が形成されたも
のであってもよい。ガラス基板に当該積層膜を転写する
ことにより、膜形成材料層上にレジスト膜が形成された
複合膜を得ることができる。レジスト膜を形成するため
に使用するレジスト組成物としては、アルカリ現像型感
放射線性レジスト組成物、有機溶剤現像型感放射線性レ
ジスト組成物、水性現像型感放射線性レジスト組成物な
どを例示することができるが、好ましくはアルカリ現像
型感放射線性レジスト組成物が用いられる。
は、アルカリ可溶性樹脂と感放射線性成分を必須成分と
して含有してなる。アルカリ現像型感放射線性レジスト
組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂としては、隔壁形
成用のガラスペースト組成物を構成するものとして例示
したアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。アルカ
リ現像型感放射線性レジスト組成物を構成する感放射線
性成分としては、例えば、(イ)多官能性モノマーと光
重合開始剤との組み合わせ、(ロ)メラミン樹脂と放射
線照射により酸を形成する光酸発生剤との組み合わせな
どを好ましいものとして例示することができ、上記
(イ)の組み合わせのうち、多官能性(メタ)アクリレ
ートと光重合開始剤との組み合わせが特に好ましい。
タ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどのアルキレングリコール
のジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキ
シポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、
両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒド
ロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;グリセ
リン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロール
アルカン、テトラメチロールアルカン、ジペンタエリス
リトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メ
タ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリ
アルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレー
ト類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベン
ゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)ア
クリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコー
ン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)ア
クリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙
げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み
合わせて使用することができる。
始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾ
フェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−
(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プ
ロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなど
のカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−ア
ジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド
化合物;メルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合
物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tret−ブチルパ
ーオキシド、tret−ブチルハイドロパーオキシド、
クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパー
オキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリ
クロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチ
レニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,
3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’
−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テ
トラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾ
ール二量体などを挙げることができ、これらは単独でま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。
成物における感放射線性成分の含有割合としては、アル
カリ可溶性樹脂100重量部当たり、通常1〜300重
量部とされ、好ましくは10〜200重量部である。ま
た、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物について
は、良好な膜形成性付与するために、適宜有機溶剤が含
有される。かかる有機溶剤としては、ガラスペースト組
成物を構成するものとして例示した溶剤を挙げることが
できる。
プラズマディスプレイパネルは、誘電体層および/また
は隔壁が、本発明のガラスペースト組成物を用いて形成
されることを特徴とする。誘電体層は、基板上にガラス
ペースト層を設け、該ガラスペースト層を焼成すること
により形成される。基板上にガラスペースト層を設ける
方法としては、本発明のガラスペースト組成物を基板上
に塗布する方法と、本発明の転写フィルムを用いて膜形
成材料層を基板上に転写する方法とが挙げられる。ガラ
スペースト組成物の塗布方法としては、上記転写フィル
ムの形成において、支持フィルム上にガラスペースト組
成物を塗布する方法に準ずることができる。また、本発
明の転写フィルムを用いた転写は、必要に応じて使用さ
れる転写フィルムの保護フィルム層を剥離した後、基板
の表面に、ガラスペースト層の表面が当接されるように
転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ロ
ーラなどにより熱圧着した後、ガラスペースト層から支
持フィルムを剥離除去する、という手順で行われる。こ
れにより、基板の表面にガラスペースト層が転写されて
密着した状態となる。ここで、転写条件としては、例え
ば、加熱ローラの表面温度が80〜140℃、加熱ロー
ラによるロール圧が1〜5kg/cm2 、加熱ローラの
移動速度が0.1〜10.0m/分を示すことができ
る。また、基板は予熱されていてもよく、予熱温度とし
ては例えば40〜100℃とすることができる。ガラス
ペースト層の焼成温度としては、ガラスペースト層中の
有機物質が焼失される温度であることが必要であり、通
常、400〜600℃とされる。また、焼成時間は、通
常、10〜90分間である。
ペースト層を設け、該ガラスペースト層上にレジスト膜
を設け、レジスト膜を、通常、露光マスクを介して露
光、現像し、ガラスペースト層をエッチングした後、該
ガラスペースト層を焼成する方法が挙げられる。基板上
にガラスペースト層を設ける方法と、ガラスペースト層
の焼成条件とは誘電体層の形成方法に準ずる。ガラスペ
ースト層上にレジスト膜を設ける方法としては、レジス
ト組成物をガラスペースト層上に塗布または転写する方
法と、レジスト膜と膜形成材料層との積層膜を有する本
発明の転写フィルムを用いて、基板上に積層膜を転写す
る方法とが挙げられる。レジスト膜の露光、現像は、公
知の方法を用いることができる。まず、露光用マスクを
介して紫外線などの放射線を選択的照射(露光)してレ
ジストパターンの潜像を形成し、これを、アルカリ性現
像液などで現像し、レジストパターンを形成する。該レ
ジストパターンは、ガラスペースト層のエッチング工程
におけるエッチングマスクとして作用する。ガラスペー
スト層のエッチングは、例えばアルカリ性溶液などのエ
ッチング液を用いて行われ、この際、レジスト残留部は
除去される。
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下において「部」は「重量部」を示す。また、重
量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製ゲルパーミ
ィエーションクロマトグラフィー(GPC)(商品名H
LC−802A)により測定したポリスチレン換算の平
均分子量である。
ラス粉末として、酸化鉛70重量%、酸化ホウ素10重
量%、酸化ケイ素20重量%の組成を有するPbO−B
2 O3 −SiO2 系ガラス(軟化点500℃)100
部、結着樹脂として、ブチルメタクリレート(50重量
%)とメチルメタクリレート(30重量%)と2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート(20重量%)を共重合
させて得られたアクリル樹脂(GPCによるポリスチレ
ン換算の重量平均分子量:90,000)20部、脂肪
酸としてステアリン酸1部、および溶剤としてプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル20部を分散機を用い
て混練することにより、粘度が3,000cpである本
発明のガラスペースト組成物を調製した。 (2)ガラスペースト組成物の保存安定性評価:上記
(1)で調製した本発明のガラスペースト組成物を容器
内に収容し、当該容器を25℃の恒温槽中において30
日間放置した。次いで、当該容器の底部を観察したとこ
ろ、ケーキ状の堆積物などは全く認められず、粘度も
3,100cpであり、この組成物は保存安定性に優れ
ているものであった。
調製した本発明のガラスペースト組成物を、予め離型処
理したポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる
支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μ
m)上にブレードコーターを用いて塗布し、形成された
塗膜を100℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去
し、これにより、厚さ50μmの膜形成材料層が支持フ
ィルム上に形成されてなる、本発明の転写フィルムを製
造した。 (4)転写フィルムの評価:上記(3)で製造した本発
明の転写フィルムについて、膜形成材料層の表面状態を
顕微鏡を用いて観察したところ、ガラス粉末の凝集物、
筋状の塗装跡、クレーター、ピンホールなどの膜欠陥は
認められなかった。また、上記転写フィルムを折り曲げ
ても、膜形成材料層の表面にひび割れ(屈曲亀裂)が発
生することはなく、当該膜形成材料層は良好な可撓性を
有するものであった。
ル用のガラス基板の表面(バス電極の固定面)に、膜形
成材料層の表面が当接されるよう、上記(3)で製造し
た本発明の転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィル
ムを加熱ロールにより熱圧着した。ここで、圧着条件と
しては、加熱ロールの表面温度を110℃、ロール圧を
3kg/cm2 、加熱ロールの移動速度を1m/分とし
た。熱圧着処理の終了後、膜形成材料層から支持フィル
ムを剥離除去した。これにより、ガラス基板の表面に膜
形成材料層が転写されて密着した状態となった。 (6)膜形成材料層の焼成(誘電体層の形成):上記
(5)により膜形成材料層を転写形成したガラス基板を
焼成炉内に配置し、炉内の温度を、常温から10℃/分
の昇温速度で580℃まで昇温し、580℃の温度雰囲
気下30分間にわたって焼成処理することにより、ガラ
ス基板の表面に、ガラス焼結体よりなる誘電体層を形成
した。
厚(平均膜厚および公差)を測定したところ、30μm
±0.5μmの範囲にあり、膜厚の均一性に優れている
ものであった。また、このようにして、誘電体層を有す
るガラス基板よりなるパネル材料を5台分作製し、形成
された誘電体層の光透過率(測定波長600nm)を測
定したところ、光透過率は全ての材料において90%で
あり、良好な透明性を有するものであることが認められ
た。 (8)転写フィルムの保存安定性評価:上記(3)で製
造した本発明の転写フィルムを25℃の恒温槽中におい
て30日間放置した。次いで、この転写フィルムを用い
て上記(4)〜(7)と同じ操作を行ったところ、転写
フィルムの可撓性、転写性、焼成後の透過率ともに問題
のないレベルであり、この転写フィルムは保存安定性に
優れるものであった。以上の結果を表1にまとめて示
す。
以外は実施例1と同様にして、比較用のガラスペースト
組成物を調製し、当該組成物を使用して転写フィルムを
製造し、当該転写フィルムを使用して膜形成材料層の転
写およびその焼成処理を行うことにより、6インチパネ
ル用のガラス基板の表面に誘電体層(厚さ30μm±
1.5μm)を形成した。比較例1に係る組成物につい
て、実施例1と同様にして、組成物の保存安定性を評価
したところ、保存容器の底部においてケーキ状で硬い堆
積物が認められ、ペースト粘度も4,000cpから1
0,000cpに上昇し、この組成物は保存安定性に劣
るものであった。また、当該組成物により形成された膜
形成材料層の表面状態を顕微鏡を用いて観察したとこ
ろ、20〜100μm程度のガラス粉末の凝集物および
当該凝集物を核とするクレーターが多数認められた。さ
らに、この転写フィルムは初期の柔軟性は十分あった
が、25℃30日間経過した当該転写フィルムは、柔軟
性に乏しく、またこの転写フィルムを折り曲げたとこ
ろ、膜形成材料層の表面にひび割れ(屈曲亀裂)が発生
し、当該膜形成材料層は良好な可撓性を有するものでは
なかった。なお、比較例1に係る転写フィルムによれ
ば、これを構成する膜形成材料層をガラス基板の表面に
転写することができ、当該膜形成材料層の焼成処理を経
て形成された誘電体層の光透過率は初期値が90%であ
った。一方30日経過したものは転写性が劣り、光透過
率も70%と低かった。以上の結果を表1にまとめて示
す。
粉末として、酸化鉛70重量%、酸化ホウ素10重量
%、酸化ケイ素20重量%の組成を有するPbO−B2
O3 −SiO2 系の混合物(軟化点500℃)100
部、結着樹脂として、ブチルメタクリレート(50重量
%)とメチルメタクリレート(30重量%)とメタクリ
ル酸(20重量%)を共重合させて得られたアクリル樹
脂(GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量:
100,000)20部、脂肪酸としてステアリン酸1
部、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチル
エーテル15部を分散機を用いて混練することにより、
粘度が5,000cpである本発明のガラスペースト組
成物を調製した。 (2)組成物の保存安定性の評価:上記(1)で調製し
た本発明のガラスペースト組成物を容器内に収容し、当
該容器を25℃の恒温槽中において30日間放置した。
次いで、当該容器の底部を観察したところ、ケーキ状の
堆積物などは全く認められず、粘度も5,200cpで
あり、この組成物は保存安定性に優れていた。
3−エトキシエチルプロピオネート200部、n−ブチ
ルメタクリレート85部、メタクリル酸15部およびア
ゾビスイソブチロニトリル1部からなる単量体組成物
を、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下
において、室温で均一になるまで攪拌した後、80℃で
3時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継
続させた後室温まで冷却してポリマー溶液を得た。ここ
に、重合率は98%であり、このポリマー溶液から析出
した共重合体の重量平均分子量(Mw)は、50,00
0であった。次いで、アルカリ可溶性樹脂として上記共
重合体50部、多官能性モノマー(感放射線性成分)と
してペンタエリスリトールテトラアクリレート40部、
光重合開始剤(感放射線性成分)として2−ベンジル−
2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタン−1−オン5部、および溶剤として3−エ
トキシプロピオン酸エチル150部を混練りすることに
より、ペースト状のアルカリ現像型感放射線性レジスト
組成物〔以下、「レジスト組成物」という。〕を調製し
た。
(ロ)の操作により、膜形成材料層(ガラスペースト
層)と、レジスト層との積層膜が支持フィルム上に形成
されてなる、本発明の転写フィルムを作製した。 (イ)上記レジスト組成物を予め離型処理したPETフ
ィルムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30
m、厚さ38μm)上にロールコータを用いて塗布し、
塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去し、
厚さ5μmのレジスト膜〔以下、「レジスト膜」とい
う。〕を支持フィルム上に形成した。 (ロ)上記(1)で調製したガラスペースト組成物をレ
ジスト膜上にロールコータを用いて塗布し、塗膜を10
0℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ120
μmのガラスペースト層をレジスト膜上に形成した。
製造した本発明の転写フィルムについて、ガラスペース
ト層の表面状態を顕微鏡を用いて観察したところ、導電
性粒子の凝集物、筋状の塗装跡、クレーター、ピンホー
ルなどの膜欠陥は認められなかった。また、転写フィル
ムを折り曲げても、ガラスペースト層の表面にひび割れ
(屈曲亀裂)が発生することなく、当該ガラスペースト
層は良好な可撓性を有するものであった。
用のガラス基板の表面に、ガラスペースト層の表面が当
接されるよう転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィ
ルムを加熱ローラに熱圧着した。ここで、圧着条件とし
ては、加熱ローラの表面温度を120℃、ロール圧を4
kg/cm2 、加熱ローラの移動速度を0.5m/分と
した。熱圧着処理の終了後、積層膜〔レジスト膜の表
面〕から支持フィルムを剥離除去した。これにより、ガ
ラス基板の表面に積層膜が転写されて密着した状態とな
った。この積層膜〔ガラスペースト層とレジスト膜との
積層膜〕ついて膜厚を測定したところ125μm±3μ
mの範囲にあった。
ガラスペースト層の上に形成されたレジスト膜に対し
て、露光用マスク(80μm幅のストライプパターン)
を介して、超高圧水銀灯により、i線(波長365nm
の紫外線)を照射した。ここに、照射量は400mJ/
cm2とした。次いで、露光処理されたレジスト膜に対
して、0.2重量%の水酸化カリウム水溶液(25℃)
を現像液とするシャワー法による現像処理を20秒かけ
て行った。次いで超純水による水洗処理を行い、これに
より、紫外線が照射されていない未硬化のレジストを除
去し、レジストパターンを形成した。
程:上記の工程に連続して、0.2重量%の水酸化カリ
ウム水溶液(25℃)をエッチング液とするシャワー法
によるエッチング処理を5分かけて行った。次いで、超
純水による水洗処理および乾燥処理を行った。、これに
より、材料層残留部と、材料層除去部とから構成される
ガラスペースト層のパターンを形成した。
性ペースト層のパターンが形成されたガラス基板を焼成
炉内で520℃の温度雰囲気下で30分間にわたり焼成
処理を行った。これにより、ガラス基板の表面に隔壁が
形成されてなるパネル材料が得られた。
ル材料における電極の断面形状を走査型電子顕微鏡によ
り観察し、当該断面形状の底面の幅および高さを測定し
たところ、底面の幅が70μm±3μm、高さが100
μm±3μmであり、寸法精度がきわめて高いものであ
った。
恒温槽中において30日間放置した。次いで、この転写
フィルム用いて上記(4)〜(9)と同じ操作を行った
ところ、転写フィルムの可撓性、転写性、現像性、寸法
精度ともに問題のないレベルであり、この転写フィルム
は保存安定性に優れるものであった。以上の結果を表2
にまとめて示す。
以外は実施例2と同様にして、比較用のガラスペースト
組成物を調製し、当該組成物を使用して転写フィルムを
製造し、当該転写フィルムを使用して膜形成材料層の転
写、露光、現像およびその焼成処理を行うことにより、
6インチパネル用のガラス基板の表面に隔壁を形成し
た。比較例2に係る組成物について、実施例2と同様に
して、組成物の保存安定性を評価したところ、保存容器
の底部においてケーキ状で硬い堆積物が認められ、ペー
スト粘度も6,000cpから20,000cpに上昇
しており、この組成物は保存安定性に劣るものであっ
た。また、当該組成物により形成された膜形成材料層の
表面状態を顕微鏡を用いて観察したところ、20〜10
0μm程度のガラス粉末の凝集物および当該凝集物を核
とするクレーターが多数認められた。さらに、この転写
フィルムは初期の柔軟性は十分あったが、25℃30日
間経過した当該転写フィルムは、柔軟性に乏しく、また
この転写フィルムを折り曲げたところ、膜形成材料層の
表面にひび割れ(屈曲亀裂)が発生し、当該膜形成材料
層は良好な可撓性を有するものではなかった。なお、比
較例2に係る転写フィルムによれば、これを構成する膜
形成材料層をガラス基板の表面に転写することができ、
露光後現像すると現像時間が6分であった。一方30日
経過したものは転写性が劣り、現像時間も20分と長く
なっていた。以上の結果を表2にまとめて示す。
果が奏される。 (1)本発明のガラスペースト組成物は、ガラス粉体の
分散安定性に優れており、ガラス粉体の凝集物が生成す
ることはない。 (2)本発明のガラスペースト組成物は保存安定性に優
れており、長期間保存しても、ガラス粉体が沈降して容
器の底部に堆積したり、粘度が上昇するようなことはな
い。 (3)本発明のガラスペースト組成物は、転写フィルム
の製造に好適に使用することができる。 (4)本発明のガラスペースト組成物および転写フィル
ムを用いると、膜欠陥のない均質な膜形成材料層を形成
することができる。 (5)本発明のガラスペースト組成物および転写フィル
ムを用いると、ガラス基板との接着性に優れた膜形成材
料層を形成することができる。 (6)本発明の転写フィルムは、膜形成材料層の可撓性
および転写性(ガラス基板への転写性)に優れる。 (8)本発明の転写フィルムは、長期保存しても、誘電
体層の透過率が経時的に下がったり、隔壁形成時の現像
性が経時的に劣ることがない。
状を示す模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)ガラス粉末、(B)結着樹脂およ
び(C)脂肪酸を含有することを特徴とするガラスペー
スト組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載のガラスペースト組成物か
らなる膜形成材料層が支持フィルム上に形成されている
ことを特徴とする、転写フィルム。 - 【請求項3】 誘電体層および/または隔壁が、請求項
1記載のガラスペースト組成物を用いて形成されること
を特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10035521A JPH11217238A (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | ガラスペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10035521A JPH11217238A (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | ガラスペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11217238A true JPH11217238A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12444064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10035521A Pending JPH11217238A (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | ガラスペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11217238A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100408026B1 (ko) * | 2001-05-24 | 2003-12-03 | 엘지전자 주식회사 | 플라즈마 표시장치의 유전막 형성방법 |
WO2004012854A3 (en) * | 2002-08-02 | 2008-03-13 | Ultra Plasma Display Corp | Method for preparing photosensitive barrier rib paste composition for fabricating plasma display pannel |
-
1998
- 1998-02-02 JP JP10035521A patent/JPH11217238A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100408026B1 (ko) * | 2001-05-24 | 2003-12-03 | 엘지전자 주식회사 | 플라즈마 표시장치의 유전막 형성방법 |
WO2004012854A3 (en) * | 2002-08-02 | 2008-03-13 | Ultra Plasma Display Corp | Method for preparing photosensitive barrier rib paste composition for fabricating plasma display pannel |
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