JPH11217464A - 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体 - Google Patents
水硬化性エラストマー組成物及びその成形体Info
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- JPH11217464A JPH11217464A JP34783897A JP34783897A JPH11217464A JP H11217464 A JPH11217464 A JP H11217464A JP 34783897 A JP34783897 A JP 34783897A JP 34783897 A JP34783897 A JP 34783897A JP H11217464 A JPH11217464 A JP H11217464A
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Abstract
硫ゴム並のゴム弾性および耐油性を有しつつ、良好な成
形加工性をもたせるといった相反する特性を併せ持つエ
ラストマー組成物を得る。 【解決手段】 オレフィン系樹脂中に架橋したゴムが分
散し、該ゴム及び該オレフィン系樹脂が加水分解性シラ
ン基を含有してなる水硬化性エラストマー組成物を成形
した後、好ましくはシラノール縮合触媒の存在下に水分
と接触させて、加水分解性シラン基を有するゴム、オレ
フィン系樹脂を架橋させる。
Description
熱可塑性を有し、成形後に水架橋させることによって成
形加工性と低温領域から高温領域に至るまで加硫ゴム並
みのゴム弾性を合わせ持つ水硬化性エラストマー組成物
及びその成形体に関するものである。
必要とせず、しかも熱可塑性樹脂と同様の優れた成形加
工性を備えたエラストマーとして、熱可塑性エラストマ
ーが自動車部品、家電部品、電線被覆材、医療部品、雑
貨、履物等の分野に用いられている。特にポリプロピレ
ンのようなオレフィン系樹脂成分中で、EPDMゴムを
選択的に架橋させた完全架橋型オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーは、ゴム弾性、耐熱変形性、耐候性の点で加
硫ゴムに近い性能を示す。例えば、特公昭58−461
38号公報、米国特許第4803244号等には、それ
ぞれ、熱反応性アルキルフェノール樹脂、オルガノシロ
キサン化合物を架橋剤として用いた完全架橋型オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーに関する製法が開示されてい
る。しかしながら、ゴム特性、耐油性は加硫ゴムに比較
するとまだ不充分である。
開平1−236250号公報、特開平7−330971
号公報等にはオレフィン系熱可塑性エラストマーにシラ
ングラフト化オレフィン系樹脂を混合した組成物が記載
されている。これらの組成物はいずれも、加硫ゴムに比
べると耐熱変形性、低温時のゴム特性が不足している。
性エラストマー組成物では困難であった高温から低温ま
での広い温度域にわたって加硫ゴム並のゴム弾性を有
し、優れた耐油性を持ちつつ、良好な成形加工性を発現
させるといった相反する特性を両立させるべくなされた
ものである。
及び耐油性を有しつつ、良好な成形加工性も有するとい
うこの困難な課題を達成するために種々検討を進めた結
果、オレフィン系樹脂中に架橋したゴムが分散し、ゴム
及びオレフィン系樹脂が加水分解性シラン基を含有して
なる構造をもつ水硬化性エラストマー組成物を成形後に
水蒸気下での処理等を行うことにより、課題を達成でき
るという知見を見いだし本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明はオレフィン系樹脂中に架橋したゴムが分
散し、該ゴム及び該オレフィン系樹脂が加水分解性シラ
ン基を含有してなる水硬化性のエラストマー組成物であ
る。また、本発明は前記の水硬化性エラストマーを成形
した後、好ましくはシラノール縮合触媒の存在下に水分
と接触させて、加水分解性シラン基を有するゴム、オレ
フィン系樹脂を架橋させてなることを特徴とする水硬化
性エラストマー組成物の成形体である。
定されるものではなく、架橋可能な合成ゴム及び天然ゴ
ム全般を指す。例を挙げるとすれば、エチレン−α・オ
レフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−α・
オレフィン共重合体ゴム、ブチルゴム、ポリブタジエン
ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重
合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム等があげられる。そしてこ
れらのゴムに含まれる脂肪族不飽和2重結合を(部分的
に)水素添加してもよい。これらのゴムは1種又は2種
以上のブレンド物で用いてもよい。特にオレフィン系樹
脂との相溶性の観点で好ましいのはエチレン−α・オレ
フィン−非共役ジエン共重合体ゴムである。
役ジエン共重合体ゴムは、エチレン、α・オレフィン及
び非共役ジエンからなるものであり、α・オレフィンは
炭素数3〜15のものが適している。非共役ジエンはジ
シクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデ
ンノルボルネン、及びメチレンノルボルネン等が使用で
きる。本発明においては、入手の容易さ、耐衝撃性改良
の観点からα・オレフィンにはプロピレンが適してお
り、従ってEPDMが好適である。共重合体ゴムのエチ
レン/α・オレフィン比は重量比で50/50〜90/
10、さらに好適には60/40〜80/20が適して
いる。
L1+4(125℃)は10〜120、好ましくは40〜
100である。このムーニ粘度はゴムの分子量と加工特
性の指標となっている。ここで、ゴム自身のムーニ粘度
10未満のものはゴム分子量が非常に小さいことを意味
しており、架橋ゴムの分子量が小さくなり、圧縮永久歪
みが大きくなる傾向がある。逆に、120を超えたもの
は成形加工性が著しく悪化するが、前記のゴムにパラフ
ィン系オイルを予め溶融混練(油展)し、見掛けのムー
ニ粘度を120以下に調整を施したものが市販されてお
り、これを用いることもできる。また、ゴムのヨウ素価
は反応性の指標となっており値が大きいほど高活性を意
味するが、本発明で用いられるゴム種では10〜30、
特に15〜30の高活性種が好ましい。
プロピレン等の樹脂が挙げられる。ポリエチレンとして
は高密度タイプ(HDPE)、中密度タイプ(MDPE)、
低密度タイプ(LDPE)、直鎖状中低密度タイプ(L−
LDPE)等が挙げられる。ポリエチレンのMFRは好
ましくは0.1〜50g/10min、さらに好ましく
は0.5〜20g/10minである。ポリエチレンの
MFRが前記の下限値より小さいと押出加工性が悪くな
る傾向にあり、上限値を越えると架橋度の低下を引き起
こす傾向にある。また、ポリエチレンの密度が前記の下
限値より小さいと加熱変形等の耐熱性の低下を引き起こ
す傾向にあり、上限値を越えるとL−LDPEの場合は
押出加工性が悪くなる傾向にある。
チックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピ
レンやプロピレンと他の少量のα−オレフィンのランダ
ムまたは及びブロック共重合体、具体的にはプロピレン
−エチレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合
体、及びポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリブテン−
1等をあげることができる。アイソタクチックポリプロ
ピレンまたはその共重合体を用いる場合のMFRは0.
1〜50g/10min特に0.5〜30g/10mi
nの範囲のものが好適に使用できる。上記オレフィン系
樹脂を2種以上組み合わせて用いることは何ら差し支え
なく、シラングラフト化のしやすさの観点からはポリエ
チレンを10%以上含むことが好ましい。
成分を架橋し、ゴム弾性を発現させるために添加する。
通常、架橋触媒とともに添加される。ここで、架橋触媒
というのは、架橋剤が架橋反応を起こすために用いられ
る触媒、あるいは架橋反応を助けるような架橋助剤のこ
とを意味している。架橋触媒を用いることにより、実用
的な速度で架橋剤が架橋反応を起こすことができる。架
橋剤、架橋触媒については特に制限なく、通常のジエン
含有ゴムの加硫剤たる化合物、組成物から選ぶことがで
きる。例えば、イオウ系架橋剤、過酸化物系架橋剤、熱
反応性フェノール樹脂、オキシム系架橋剤、SiH基含
有化合物等があげられる。耐候変色性の観点からは、架
橋剤が分子内にSiH基を2つ以上持つシリコン化合
物、架橋触媒がハイドロシリル化触媒の組み合わせが好
ましい。
ン系化合物とハイドロシリル化触媒による架橋とは、S
iH基による、ゴム成分中の不飽和炭化水素への選択的
な付加反応(ハイドロシリル化)を用いたものである。こ
こで用いられる架橋剤は、2分子以上のゴムに対して付
加するため、架橋剤1分子中に2つ以上のSiH基を有
する必要がある。このようなシリコン系架橋剤の好まし
い例としては、下記の、線状オルガノハイドロジェンシ
ロキサンなどのオルガノシロキサン構造を有する化合物
及びこれらより誘導された化合物が挙げられる。ゴムの
架橋密度を上げるにはシリコン系架橋剤のSiH基が多
いほど好ましい。SiH基を10個以上有する線状ポリ
オルガノハイドロジェンシロキサンが好ましく、より好
ましくは15個以上である。さらに、好ましい架橋剤と
しては、下記の、のようなSiH基を含有するユニ
ットのみで構成されている線状オルガノハイドロジェン
シロキサンが挙げられる。
24のアルキル基及びアルコキシル基;フェニル基、ア
リール基並びにアリールオキシ基の中から選ばれた1種
または2種以上の置換基であり、好ましくはメチル基で
ある。nは2から100、好ましくは5から80、mは
1から100である。各々の置換基のRは同じものであ
っても異なっていてもよい。]
シリコン系架橋剤の配合量は、ゴム成分100重量部に
対して0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量
部、さらに好ましくは3〜7重量部である。架橋剤の配
合量がこれより少ないと、充分な架橋が得られずエラス
トマーのゴム特性が充分でない場合がある。一方、架橋
剤の配合量がこれより多くてもその効果は殆ど増加せず
架橋剤のブリードが生ずる場合がある。
触媒)は、前記のシリコン系化合物によるハイドロシリ
ル化反応を促進する触媒であり、ハイドロシリル化反応
において触媒作用を示すものであれば特に制限はない
が、好ましくは白金のビニルシロキサン錯体(カールス
テッド触媒)や塩化白金酸などの白金化合物や錯体など
を挙げることができる。この中でも、白金/ジビニルテ
トラメチルジシロキサン錯体などの白金とビニル基含有
のシロキサン化合物との錯体が最も好ましい。これらハ
イドロシリル化触媒は、材料中に高分散させるため、単
体もしくは液体に溶解した組成物をあらかじめ樹脂に練
り込んでマスターバッチとして用いる方法、あるいは無
機フィラーなどの固体成分に担持させて用いる方法が好
ましい。練り込む樹脂としては、オレフィン系樹脂が好
ましく、特にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−α・オレフィン共重合体が好ましい。
れるゴムの動架橋工程とは、オレフィン系樹脂の存在下
で、ゴムを動的に架橋させることを意味する。水架橋を
行う前の成形可能なエラストマー1gを沸騰キシレンを
用いてソックスレー抽出器で10時間リフラックスし、
残留物を80メッシュの金網で濾過し、(メッシュ上に
残留した不溶物乾燥重量(g))/(組成物1g中に含
まれるゴム成分の重量(g))の百分率で示されるゲル
含有率が少なくとも30%、好ましくは50%以上(た
だし、無機充填物等の不溶成分はこれに含まない)とな
るように架橋したものであり、かつ該架橋がエラストマ
ーの溶融混練中に行われることを特徴とする。
ングラフト化工程について説明する。シラングラフト化
工程は、ゴム及び/又はオレフィン系樹脂をシラングラ
フト化する工程であり、有機不飽和シラン及び遊離ラジ
カル発生剤から構成されるシラングラフト化剤を用い
る。その構成成分の有機不飽和シランとしては、一般式
RR’SiY2(Rは1価のオレフィン性不飽和炭化水
素基、Yは加水分解しうる有機基、R’は脂肪族不飽和
炭化水素基以外の1価の炭化水素基あるいはYとおなじ
もの)で表せる化合物が使用される。R’がYと同一で
一般式RSiY3で表せられる有機シランを利用するこ
とが好適であり、例えばビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン
等があげられる。
ン系樹脂]100重量部に対して好ましくは0.1〜1
0重量部である。0.1重量部未満であると十分なグラ
フト化が起こらず、又10重量部を上回ると経済的でな
いばかりか成形加工性が低下する傾向がある。また、シ
ラングラフト化剤のもう1つの構成成分である遊離ラジ
カル発生剤は、シラングラフト化反応の開始剤として用
いられ、重合開始作用の強い種々の有機過酸化物が例示
される。これらの添加量は、[ゴム+オレフィン系樹
脂]100重量部に対して0.01〜0.5重量部が好
ましい。0.01重量部未満では十分なシラングラフト
化反応が進行せず、また0.5重量部を上回ると樹脂の
分解のような副反応のため、押出加工性が低下し成形物
外観が悪くなる傾向にある。
制限はなく、各構成成分を別々に添加してもよいが、好
ましくは有機シランが液状の場合には、先に遊離ラジカ
ル発生剤を有機シランに溶解させた後に、添加する方法
が用いられる。また、シラングラフト化剤を樹脂に練り
込んだマスターバッチを用いて、添加する方法も好適で
ある。
ン系樹脂、シラングラフト化剤を所定量混合し、遊離ラ
ジカルの分解温度以上で溶融混練する。前述したゴムの
動架橋工程、シラングラフト化工程の順序は制限は全く
ないが、工程管理の容易さの観点からは、ゴム、オレフ
ィン系樹脂、ゴム架橋剤を混合したものを溶融混練[ゴ
ムの動架橋工程]して得られた組成物に、シラングラフ
ト化剤を添加し溶融混練[シラングラフト化工程]をする
のが好ましい。
ルを説明する。この成分は得られる成形物の硬度を調整
し、柔軟性を与えるために必要に応じて添加することが
出来る。一般にゴムの軟化、増容、加工性向上に用いら
れるプロセスオイルまたはエクステンダーオイルとよば
れる鉱物油系ゴム用軟化剤は芳香族環、ナフテン環、パ
ラフィン鎖の3者を組みあわせた混合物であり、パラフ
ィン鎖の炭素数が全炭素数の50%以上占めるものがパ
ラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30から45
%のものがナフテン系、芳香環炭素数が30%を越える
ものが芳香族系とされる。本発明で用いられるオイルは
上記区分でパラフィン系のものが好ましい。パラフィン
系ゴム用軟化剤の性状は37.8℃における動粘度が2
0〜500cst、流動点が−10〜−15℃および引
火点が170〜300℃を示す。
ては前記のゴム100重量部に対して10〜200重量
部であり、さらに好ましくは10〜150重量部であ
る。150重量部をこえた配合のものは、軟化剤のブリ
ードアウトを生じやすく、最終製品に粘着性を生じる恐
れがあり、機械的性質を低下させる傾向がある。また、
10重量部未満だと添加する意味がない。また、パラフ
ィンオイルの添加方法は何ら制限が無くシラングラフト
化工程及びゴムの動架橋の工程と同時に行ってもよく、
また、シラノール縮合触媒を添加した後に添加しても良
い。
ルシウム、カーボンブラック、タルク、水酸化マグネシ
ウム、マイカ、硫酸バリウム、天然ケイ酸、合成けい酸
(ホワイトカーボン)、酸化チタン等の無機充填剤や各
種添加剤を添加することができる。添加剤の例をあげる
と、造核剤、外滑剤、内滑剤、ヒンダードアミン系光安
定剤、リン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤、着色剤、難燃剤、シリコン系オイル(オルガノシ
ロキサン、シランカップリング剤等)が該当する。ま
た、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ウレタン
樹脂のような他の熱可塑性樹脂、各種の相溶化剤をブレ
ンドすることもできる。
ゴム組成物の製造に用いられる一般的な全ての方法を採
用できる。基本的には機械的溶融混練方法であり、これ
らには単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、
各種ニーダー、ブラベンダー、ロール等が用いられる。
また、この際溶融混練する温度は160℃〜230℃、
剪断速度は100〜1000/secの中から好適に選
ぶことが出来る。シラノール縮合触媒は、加水分解性シ
ランを含有するゴムとオレフィン樹脂を実用的な速度で
水架橋させるために用いられる。シラノール縮合触媒の
具体例としては、ジブチル錫ジラウリレート等が挙げら
れる。これらの添加量は前記の[ゴム+オレフィン系樹
脂]100重量部に対して0.001〜3重量部であ
る。
組成物は、十分にドライブレンドをした後に、公知の熱
可塑性樹脂成形機を用いて所望の形状に賦形することが
可能である。即ち、射出成形、押出成形、カレンダー成
形、ブロー成形等の各種の成形方法が適用可能である。
こうして得られた組成物を水分と接触させることによっ
て前記エラストマー組成物中に含まれる加水分解性シラ
ン基を含有する熱可塑性樹脂を水架橋させることができ
る。ここで、水架橋の条件としては、60℃の温水中に
24時間浸漬させる方法や、100℃の沸騰水中で2時
間浸漬させる方法や、さらには水蒸気の充満した部屋の
中に2時間放置する方法等を任意に選ぶことができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
た各成分は次の通りである。 <成分a(1):EPDM> エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム 出光DSM(株)製ケルタンK712[プロピレン含量:
40重量%,ムーニ粘度 ML1+4(125℃):6
3,ヨウ素価:16]
[MFR(190℃)=5.0g/10分] <成分b(2):LDPE> 日本ユニカー(株)製NUC8009[MFR(190
℃)=9.0g/10分] <成分b(3):PP> ポリプロピレン樹脂、住友化学工業(株)W501[MF
R(230℃)=3.1g/10分]
低密度ポリエチレン樹脂、日本ユニカー(株)製NUC8
009[MFR(190℃)=9.0g/10分]10
0重量部に対して、ビニルトリエトキシシラン2重量
部、ジクミルパーオキサイド0.15重量部をよく混和
し、押出機を用いて、押出温度200〜250℃で混練
し、ストランドカットを行いシラングラフトマーのペレ
ットを得た。 <成分c(1):架橋剤> 日本ユニカー(株)製
−チウラムジサルファイド100部に対して硫黄26部
の混合物からなる硫黄系架橋剤(特開平1−23625
0号公報に記載) <成分d(1):白金錯体MB>ポリジメチルシロキサ
ン中に溶解した白金/ビニルシロキサン錯体(白金含量
2%)5gを高密度ポリエチレン(比重:0.95)9
5g中に溶融混練することにより白金マスターバッチ
(MB)を調製した。 <成分d(2):ロジウム触媒>ビス−シクロオクタジ
エンロジウム塩1gを低密度ポリエチレン(比重0.9
23)500g中に溶融混練することにより調製した。
状のビニルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)20
gに、粉末状のジクミルパーオキサイド1gを溶かして
調製した。 <成分f(1):縮合触媒> ジブチル錫ジラウリレート <成分g(1):オイル>出光興産(株)製ダイアナプロ
セスオイルPW−380[パラフィン系プロセスオイ
ル、動粘度:381.6cst(40℃)、30.1(1
00℃)、平均分子量746、環分析値:CA=0%、
CN=27%、CP=73%]
ブレンドした後、同方向型二軸混練機(日本製鋼所製T
EX44)を使用して、800/secの剪断速度で樹
脂温160〜180℃になるように混練して、ゴムの動
架橋工程をおこない、組成物を得た。次にこの組成物に
成分eを添加し、ドライブレンドした後、同方向型二軸
混練機(日本製鋼所製TEX44)を使用して、800
/secの剪断速度で樹脂温160〜180℃になるよ
うに混練して、シラングラフト化工程を実施し、ギアポ
ンプを用いて成分gを添加して水硬化性エラストマー組
成物を得た。しかる後、シラノール縮合触媒を添加し、
この組成物を用いて射出成形を行った。得られた成形品
を80℃の温水中にて3時間処理して架橋を促進して下
記(1)〜(4)に示す諸物性の評価を行った。一方、シラ
ノール縮合触媒を加えて押出成形し、80℃の温水中に
て3時間処理して下記(5)により成形性を評価した。
第4803244号に記載されているポリプロピレン樹
脂を用いて実施例に準じて熱可塑性エラストマーを製造
した。(シラングラフト化工程は無く、水架橋は行えな
い。) 比較例2では、特開平1−236250号公報に記載さ
れているシラングラフト化PEを用いた場合において、
実施例1〜4で記述したのと同様の方法により混練、成
形を行った例を記載した。比較例3では、特開平1−2
36250号公報に記載されているシラングラフト化P
Eを用いた場合において、実施例1〜4で記述したのと
同様の方法により混練、成形を行った例を記載した。得
られた各エラストマー組成物の評価項目を以下に示す。
5%圧縮 70℃×100HR、25℃×100HR、
−40℃×100HR) (3) 低温耐衝撃性 75×75×t1の試験片を−60℃のドライアイス−メタノ
ール溶液中に10分間浸漬後、デュポン式落球衝撃試験
を5回実施した。5回の試験のうち、試験後亀裂が生じ
なかった回数を表中に記載した。[試験条件 錘重量:
500g先端球R:3/16 落下高さ:1m] (4) 耐油性[%](JIS K6301、No3試験油
(潤滑油)を使用し、70℃で2時間、50×50×t
2の試験片を浸漬し、浸漬前後の重量変化(%)を求め
た。)
/D=20のスクリュー、100mm×t0.5のダイ
スを用いてC/R=3.0、混練温度200℃、回転数
100rpmにて、150×500mmのテープを作成
し、目視にて表面を観察し、直径100ミクロン以上の
ブツを10つ以上観察した場合は×、2〜9つ観察した
場合は△、1つ以下のブツしか観察しなかった場合は○
とした。) 下記の表1〜4より明らかなように本発明のエラストマ
ー組成物は、高温時及び低温時のゴム弾性、低温耐衝撃
性及び耐油性に優れると共に優れた成形性を有する。こ
の理由としては、上記の工程により得られるエラストマ
ー組成物は、海成分と島成分との間でもシラングラフト
化水架橋を媒介とした共架橋が存在しているためと考え
ている。
水架橋処理を施す前は熱可塑性樹脂の成形方法を実施で
き、水架橋処理を施すことによって高温下でも低温下で
も加硫ゴム並のゴム弾性を持つ。即ち、該エラストマー
組成物は溶融混練させて所望の形状に容易に成形するこ
とができ、柔軟性、耐熱クリープ性能、耐油性に優れ、
高温から低温までの広い温度範囲にわたって加硫ゴム同
等以上のゴム弾性を発現できるため、自動車部品や、建
築用材料、家電部品、各種電線被覆(絶縁、シース)及
び各種工業部品に好適に成形し用いることができる。特
にこれまで加硫ゴムしか用いることができなかったパッ
キン、シール、ホース、チューブにも適用が可能であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 オレフィン系樹脂中に架橋したゴムが分
散し、該ゴム及び該オレフィン系樹脂が加水分解性シラ
ン基を含有してなる水硬化性エラストマー組成物。 - 【請求項2】 ゴム、オレフィン系樹脂、ゴム架橋剤、
加水分解性シラン、遊離ラジカル発生剤を原料とし、ゴ
ムの動架橋及びシラングラフト化によって製造された水
硬化性エラストマー組成物。 - 【請求項3】 ゴム100重量部に対してパラフィン系
オイルを10〜300重量部含んでいる請求項1又は2
記載の水硬化性エラストマー組成物。 - 【請求項4】 ゴムがエチレン−α・オレフィン−非共
役ジエン共重合体ゴムであり、ゴム架橋剤が分子内にS
iH基を2つ以上有するシリコン系化合物である1、2
又は3記載の水硬化性エラストマー組成物。 - 【請求項5】 上記組成物の製造方法が、エチレン−α
・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、オレフィン
系樹脂、分子内にSiH基を2つ以上有するシリコーン
系架橋剤、ハイドロシリル化触媒を動的に熱処理して熱
可塑性エラストマー組成物を得る工程と、さらに加水分
解性シラン化合物をグラフト化する工程からなる請求項
4記載の水硬化性エラストマー組成物。 - 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5の水硬化性
エラストマーを成形した後、水分と接触させて、加水分
解性シラン基を有するゴム及びオレフィン系樹脂を架橋
させてなることを特徴とする水硬化性エラストマー組成
物の成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34783897A JP4011170B2 (ja) | 1996-12-24 | 1997-12-17 | 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34402196 | 1996-12-24 | ||
JP9-325558 | 1997-11-27 | ||
JP8-344021 | 1997-11-27 | ||
JP32555897 | 1997-11-27 | ||
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