JPH11217302A - 切り花の鮮度保持剤及びその調製方法、切り花の鮮度保持方法及び該方法で処理する切り花 - Google Patents
切り花の鮮度保持剤及びその調製方法、切り花の鮮度保持方法及び該方法で処理する切り花Info
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Abstract
る切り花の鮮度保持剤及びその調製方法、切り花の鮮度
保持方法及び該方法で処理する切り花の提供。 【解決手段】 一般式(I)の構造を有し硫黄原子を介
して銀と水溶性の錯体を形成する有機化合物、銀化合物
及びポリカチオンを含むことを特徴とする切り花の鮮度
保持剤。 一般式(I) R1−S−R2(R1、R2は1価の有機基を表す)
Description
剤及びその調製方法、切り花の鮮度保持方法及び該方法
で処理する切り花に関する。
れてきており、これに応じて切り花の鮮度を保持し花持
ちを延長したいという要望が強くなっている。従来よ
り、切り花の花持ちを延長するためには、様々な方法が
提案されている。たとえば、水を頻繁に取り替えたり、
茎を水中で切ったり、切り口を焼いたりする方法があ
り、また、切り花の切り口をある種の薬剤を含む液中に
浸漬する方法がある。浸漬する溶液としては、8−ヒド
ロキシキノリンやしょ糖を含有する水溶液、チオ硫酸銀
錯体を含有する水溶液などが知られている。
れも満足すべきものとはいえない。
あり、たとえばチオ硫酸銀錯体はカーネーション、スイ
トピー、カスミ草などエチレン感受性の高い花に対して
は有効があるが、バラやキクなどエチレン感受性の低い
花に対しては効果が見られない。バラ切り花に対して
は、銀化合物とアミノ酸の混合物や反応生成物(特開平
6−321701号)や銀化合物と第一級アミン及び/
又は核酸関連物質との混合物や反応生成物(WO93/
08,685)が報告されているが、いまだ満足な効果
を得ることはできていない。
は、切り花の花持ちを著しく延長することができる切り
花の鮮度保持剤及びその調製方法、切り花の鮮度保持方
法及び該方法で処理する切り花を提供することにある。
の構成により達成される。
子を介して銀と水溶性の錯体を形成する有機化合物、銀
化合物及びポリカチオンを含むことを特徴とする切り花
の鮮度保持剤。
と水溶性の錯体を形成する有機化合物、銀化合物及びポ
リカチオンを含む水溶液に切り花の切り口を浸漬するこ
とを特徴とする切り花の鮮度保持方法。
は前記2に記載の鮮度保持方法で処理されることを特徴
とする切り花。
子を介して銀と水溶性の錯体を形成する有機化合物、銀
化合物及びポリカチオンとを混合することを特徴とする
切り花の鮮度保持剤の調製方法。
合物について説明する。
有機基を表し、一般式(I)の構造を有し硫黄原子を介
して銀と水溶性の錯体を形成する有機化合物の例として
は、例えばスルフィドやチオカルボン酸やチオ炭酸のS
−エステルが挙げられる。特に好ましいのはスルフィド
である。
えば2,2′−チオジグリコール酸、2,2′−チオジ
エタノール、3,3′−チオジプロピオン酸などのチオ
ジ化合物や、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオー
ルなどのポリアルキレンチオグリコール等が挙げられ
る。
例えばカルボチオ酸S−エステル、カルボジチオ酸エス
テルやチオ炭酸のS−エステル、例えばチオ炭酸S−エ
ステル、ジチオ炭酸S−エステル、トリチオ炭酸エステ
ルなどが挙げられる。
物が挙げられ、銀塩が好ましく、それらの例としては、
硝酸銀、炭酸銀、酢酸銀、硫酸銀、塩化銀、臭化銀など
が挙げられる。
度保持剤ともいう)は、前記一般式(I)の構造を有し
硫黄原子を介して銀と水溶性の錯体を形成する有機化合
物、銀化合物及びポリカチオンから調製することができ
る。
ず、溶液状、固体状、粉体であってもよいが好ましい形
態は水溶液であり、さらに好ましい形態は濃縮水溶液で
ある。
キレンイミンが挙げられる。具体的には、例えばエチレ
ンイミンのオリゴマーであるジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミンやさらに分子量の大きなポリエチ
レンイミンが挙げられる。これらの分子量は特に限定さ
れないが、1000以下が好ましい。
般式(I)の構造を有し硫黄原子を介して銀と水溶性の
錯体を形成する有機化合物の水溶液、銀化合物の水溶液
及びポリカチオンを混合することにより調製される。
持剤中の銀の濃度は、特に限定されないが、0.001
mM〜5mMであることが好ましく、特に0.005m
M〜1mMが好ましい。銀と前記一般式(I)の構造を
有し硫黄原子を介して銀と水溶性の錯体を形成する有機
化合物のモル比は、1/100〜1000が好ましく、
1〜30が特に好ましい。
チオンの濃度は、カチオン単位と銀とのモル比が0.1
〜10が好ましく、0.3〜3が特に好ましい。
ましい。本発明の鮮度保持剤にはpHを調整するため、
必要に応じて緩衝剤や酸やアルカリを含有することもで
きる。1価の酸が好ましく、酢酸、グリコール酸、グル
コン酸などが例として挙げられる。
ょ糖やグルコースのような糖類、8−ヒドロキシキノリ
ンのような抗菌剤、界面活性剤などを含有することもで
きる。また、亜硫酸塩の様な安定化剤も含有できる。
を延長させるには、切り花の切り口を鮮度保持剤の溶液
に浸漬させればよい。その際鮮度保持剤が濃縮液の場合
は、上記の適当な銀濃度になるように水等の溶液で希釈
すればよい。
が、例えば前処理剤として使用する場合は、20〜25
℃の室温であれば1〜12時間、2〜10℃の冷蔵下で
あれば4〜48時間が望ましい。
採花後に出荷に先立ち水揚げも兼ねて使用する前処理剤
としても使用できるし、市場や花屋などの流通機関や一
般消費者が切り花を浸漬する後処理剤としても使用でき
る。
ついては、特に限定されないが、たとえば、バラ、キ
ク、カーネーション、ブバルディア、カスミソウ、スイ
トピー、などに有効である。特に、バラに有効である。
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもでは
ない。
%(W/V)の水溶液を調製した。この水溶液と10m
Mの硝酸銀水溶液とを純水に適当量混和した後、ポリカ
チオンを混和し、酢酸にてpHを5.0に調整すること
で、本発明の鮮度保持剤の試験液を調製した。なお、各
鮮度保持剤の2,2′−チオジグリコール酸の最終濃度
は0.01%(W/V)、銀の最終濃度は0.03mM
とした。比較として2,2′−チオジグリコール酸及び
/又は銀を含まないもの、ポリカチオンを含まないもの
及び純水のみの試験液を調製した。
に長さを40cmに切り、10本を1群として、1)で
調製した試験液に切り口を浸漬した。20℃で4時間処
理した後、試験液より取り出し新聞紙に包んで20℃で
24時間保存した。その後、水道水に移し換え、以後2
0℃で毎日花の状態を観察した。
おれ、首折れ、露芯で鑑賞価値を失った日までの日数の
平均である。また、開花率は、鑑賞価値を失うことなく
完全に開花に至った花の数の百分率である。
解し、0.1%(W/V)の水溶液を調製した。この水
溶液と、10mMの硝酸銀水溶液を純水に適当量混和し
た後、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを
加え、次いでポリカチオンを混和し、グルコン酸にてp
Hを5.0に調整することで、本発明の鮮度保持剤の試
験液を調製した。なお、各鮮度保持剤の3,6−ジチア
−1,8−オクタンジオールの最終濃度は0.018%
(W/V)、銀の最終濃度は0.06mM、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノラウレートの最終濃度は0.0
01%(W/V)とした。比較として3,6−ジチア−
1,8−オクタンジオール及び銀を含まないもの、ポリ
カチオンを含まないもの及び純水のみの試験液を調製し
た。
物の0.5%(W/V)水溶液と、10mMの硝酸銀水
溶液及びポリカチオンを純水に適当量混和し、グリコー
ル酸にてpHを5.0に調整することで、有機化合物の
濃度が0.06(W/V)%、銀の濃度が0.2mMと
なる本発明の鮮度保持剤の試験液を調製した。なお、比
較として、ポリカチオンを含まないもの及び純水のみを
調製した。
cmに切り、5本を1群として、試験液に切り口を浸漬
した。20℃で4時間処理した後、水道水に移し換え以
後20℃で毎日花の状態を観察した。
弁の萎縮、しおれ、首折れで鑑賞価値を失った日までの
日数の平均である。
り花の鮮度保持剤及びその調製方法、切り花の鮮度保持
方法及び該方法で処理する切り花は、切り花の花持ちを
著しく延長することができ優れた効果を有する。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(I)の構造を有し硫黄原子
を介して銀と水溶性の錯体を形成する有機化合物、銀化
合物及びポリカチオンを含むことを特徴とする切り花の
鮮度保持剤。 一般式(I) R1−S−R2(R1、R2は1価の有機基を表す) - 【請求項2】 前記一般式(I)の構造を有し硫黄原子
を介して銀と水溶性の錯体を形成する有機化合物、銀化
合物及びポリカチオンを含む水溶液に切り花の切り口を
浸漬することを特徴とする切り花の鮮度保持方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の切り花の鮮度保持剤
又は請求項2に記載の鮮度保持方法で処理されることを
特徴とする切り花。 - 【請求項4】 前記一般式(I)の構造を有し硫黄原子
を介して銀と水溶性の錯体を形成する有機化合物、銀化
合物及びポリカチオンとを混合することを特徴とする切
り花の鮮度保持剤の調製方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1571398A JPH11217302A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | 切り花の鮮度保持剤及びその調製方法、切り花の鮮度保持方法及び該方法で処理する切り花 |
US09/094,033 US6399106B1 (en) | 1997-06-13 | 1998-06-09 | Method for maintaining freshness of cut flower |
EP98110725A EP0883990A1 (en) | 1997-06-13 | 1998-06-10 | Method for maintaining freshness of cut flower |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1571398A JPH11217302A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | 切り花の鮮度保持剤及びその調製方法、切り花の鮮度保持方法及び該方法で処理する切り花 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11217302A true JPH11217302A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=11896414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1571398A Pending JPH11217302A (ja) | 1997-06-13 | 1998-01-28 | 切り花の鮮度保持剤及びその調製方法、切り花の鮮度保持方法及び該方法で処理する切り花 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11217302A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005336480A (ja) * | 2004-04-30 | 2005-12-08 | Canon Finetech Inc | 高分子化合物、高分子酸化防止剤およびそれらを適用した被記録媒体 |
-
1998
- 1998-01-28 JP JP1571398A patent/JPH11217302A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005336480A (ja) * | 2004-04-30 | 2005-12-08 | Canon Finetech Inc | 高分子化合物、高分子酸化防止剤およびそれらを適用した被記録媒体 |
JP4642540B2 (ja) * | 2004-04-30 | 2011-03-02 | キヤノンファインテック株式会社 | 高分子化合物、高分子酸化防止剤およびそれらを適用した被記録媒体 |
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