JPH11216206A - ゴルフクラブ用シャフト及びその製造方法 - Google Patents
ゴルフクラブ用シャフト及びその製造方法Info
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- JPH11216206A JPH11216206A JP10333307A JP33330798A JPH11216206A JP H11216206 A JPH11216206 A JP H11216206A JP 10333307 A JP10333307 A JP 10333307A JP 33330798 A JP33330798 A JP 33330798A JP H11216206 A JPH11216206 A JP H11216206A
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Abstract
安価かつ容易に製造され得るゴルフクラブ用シャフト及
びそのシャフトの製造に特に適した製造方法。 【解決手段】 グリップ端部14に向けて拡径する傾斜
部16が形成され、傾斜部は、その傾斜勾配が15/1
000〜35/1000、長さが200〜350mmで
ある。グリップ端部の外径は18〜25mmである。傾
斜部よりも先端18側には、傾斜勾配が4/1000〜
13/1000の準傾斜部19が形成され、キックポイ
ントがシャフト長に対して細径端部から40〜46%の
位置にある。必要な部品数が少なく製造が容易でありな
がら、軽量かつ適度な硬度で手元部の剛性が高く、ま
た、強度バランスに優れ、打撃時に好印象が得られるも
のである。
Description
フトに関するもので、特に、その手元部の剛性を向上さ
せたものである。
ヘッドスピードの向上の為に、そのシャフトの軽量化が
求められているが、加えて、手元部の曲げ剛性を向上さ
せることで、打撃時の打感を向上させることも要求され
ている。そこで、実開昭63−133261号公報、実
開平4−44968号公報には、繊維強化樹脂製シャフ
トにおいて、繊維強化樹脂からなる部材を部分的に設け
て剛性を調整したものが開示されている。また、米国特
許第3614101号には、グリップ端部に向けて拡径
し、傾斜勾配が28/1000、長さが254mm、グ
リップ端部外径が20.57mmの傾斜部を有するゴル
フクラブ用シャフトが記載され、傾斜部よりも先端側
に、傾斜勾配が10.79/1000の準傾斜部を有す
るものが記載されている。また、特開平9−29952
4号公報には、勾配が2/1000〜10/1000、
長さが200〜600mmで、最大外径が18〜37m
mのグリップ側テーパ部とヘッド側小径部と中間テーパ
部とからなる繊維強化樹脂製ゴルフクラブ用シャフトが
記載されている。
開昭63−133261号公報、実開平4−44968
号公報におけるゴルフクラブ用シャフトでは、別部材を
備えさせることから、製造工程が複雑化してしまうもの
で、大幅なコスト増を伴うものであった。また、実用新
案登録公報第2529041号には、繊維強化樹脂製シ
ャフトにおいて、金属材層をグリップ部に設けて剛性を
調整したものが開示されている。しかしながら、このも
のであっても、金属材層を備えさせることから、製造工
程が複雑化し、大幅なコスト増を伴う他、繊維強化樹脂
と金属の接着性が高くないことから、耐久性の低いこと
が予期されるものであった。また、上記米国特許第36
14101号に記載のシャフトでは、傾斜部と準傾斜部
との間に、長さが150mm程度のストレート部が形成
されているため、1本のシャフトの中で曲げ剛性が大き
く変化する箇所が、ストレート部の両端に2箇所存在す
る。従って、ゴルファのスイング速度、スウィングの仕
方によりシャフトの撓み方が異なり、使い勝手が悪いも
のであった。また、上記特開平9−299524号公報
に記載のシャフトでは、先端部に長い等径部が形成され
ている為に、その部分の曲げ剛性が低くなり、キックポ
イントが高くなりすぎて、使い勝手が悪いものであっ
た。
たもので、適度に剛性が高く、適切な位置にキックポイ
ントが生じ、使用勝手が良好である上に、安価かつ容易
に製造され得るゴルフクラブ用シャフト及びそのシャフ
トの製造に特に適した製造方法の提供を目的とするもの
である。
シャフトは、グリップ端部に向けて拡径する傾斜部が形
成され、該傾斜部は、その傾斜勾配が15/1000〜
35/1000、長さが200〜350mmであり、グ
リップ端部の外径が18〜25mmであり、前記傾斜部
よりも先端側に、傾斜勾配が4/1000〜13/10
00の準傾斜部が形成されており、キックポイントがシ
ャフト全長に対して細径端部から40〜46%の位置に
あることを特徴とするものである。また、準傾斜部の長
さはシャフト長の50〜80%であることが望ましく、
さらに、先端部には、長さが40〜125mmの等径部
が形成されていることが望ましい。
製造方法は、一端部に向けて拡径した傾斜部が形成され
たマンドレルに繊維強化樹脂材を巻き付け、傾斜部に非
加圧領域を設けながら傾斜部以外の箇所を加圧した後
に、前記非加圧領域を加圧し、その後、加熱・硬化処理
を施すことを特徴とするものである。請求項5記載のゴ
ルフクラブ用シャフトの製造方法は、一端部に向けて拡
径した傾斜部が形成されたマンドレルに繊維強化樹脂材
をその繊維方向がマンドレルの長手方向に対して20〜
70゜の角度を有するように巻き付け、該マンドレルを
30〜40℃のローリング台上を転回させて繊維強化樹
脂材をマンドレルに密着させる内層ローリング工程と、
該繊維強化樹脂材の巻き付けられたマンドレル上に、繊
維強化樹脂材をその繊維方向がマンドレルの長手方向と
平行になるようにさらに巻き付け、該マンドレルを20
〜25℃のローリング台上を転回させて該繊維強化材を
密着させる外層ローリング工程と、これを加熱する加熱
・硬化処理工程とを有し、前記内層ローリング工程及び
外層ローリング工程の際、傾斜部に非加圧領域を設けな
がら傾斜部以外の箇所を加圧した後に、前記非加圧領域
を加圧することを特徴とするものである。
においては、図1に示すように、グリップ部12にグリ
ップ端部14に向けて拡径する傾斜部16が形成されて
おり、傾斜部16とその傾斜部16よりも先端18側と
の間に傾斜勾配が変化する屈曲部20が形成され、連続
して準傾斜部19が形成されている。本発明において、
この傾斜部16の傾斜勾配は15〜35/1000であ
る。20〜30/1000であればより好ましい。本発
明においてはこの傾斜部16が形成されていることで、
シャフトの剛性が向上するもので、傾斜勾配が15/1
000未満であると、十分な剛性が得られにくく、35
/1000よりも大きいと硬くなり過ぎてゴルフクラブ
用シャフトとして不適当になってしまう。この傾斜部の
長さLは200〜350mmであることが必要である。
長さLが200mm未満であると剛性向上効果が小さ
く、350mmよりも長いとゴルフクラブ用シャフトと
して硬くなり過ぎるからである。240〜300mmで
あればより好ましい。
ップ端部14は、その外径が18〜25mmであること
が必要である。18mmよりも細いと剛性向上効果が小
さく、25mmよりも太いとゴルフクラブ用シャフトと
して硬くなり過ぎる上に、握りにくくなるからである。
20〜23mmであればより好ましい。また、傾斜部1
6よりも先端側に、傾斜勾配が4/1000〜13/1
000の準傾斜部19が形成されていることが必要であ
る。この準傾斜部19の傾斜勾配は、7〜10/100
0であればさらに好ましい。傾斜勾配が、4/1000
未満であると準傾斜部の剛性が極めて低くなり、キック
ポイントが高くなり過ぎてゴルフクラブ用シャフトとし
て好ましくない。また、傾斜勾配が、13/1000よ
りも大きいと、屈曲部20近傍部の剛性が高くなり過ぎ
てゴルフクラブ用シャフトとして好ましくない。さら
に、この準傾斜部の長さは、シャフト全長に対して50
〜80%であることが望ましく、60〜75%であれば
より好ましい。50%未満であると準傾斜部の細径側若
しくは太径側に等径部を形成することになり、細径側に
等径部を形成する場合は、先端部に長く等径部が形成さ
れるために、その部分の曲げ剛性が低くなってキックポ
イントが高くなりすぎてゴルフクラブ用シャフトとして
好ましくなく、太径側に形成する場合は、シャフトに曲
げ剛性の大きく変化する箇所が多くなってボールを打ち
づらいシャフトとなる傾向にある。80%よりも長い場
合は、十分な長さの傾斜部が形成できなくなることもあ
る。
対して細径端部から40〜46%の位置にあることが必
要である。41〜45%であればより好ましい。40%
未満の場合は、細径部の曲げ剛性が低くなりすぎて強度
が低下する。46%を超える場合は、高い弾道のボール
を打てず、長い飛距離が得られにくい。本発明のゴルフ
クラブ用シャフトにおいては、ゴルフクラブヘッドの取
り付けられる先端部に、太さが一定の等径部22が形成
されていることが望ましい。この先端部をゴルフクラブ
ヘッドのホーゼル部に挿入してゴルフクラブヘッドを取
り付ける為である。取付けは、等径部22を適宜切断処
理して行なうので、その処理に対処する為、等径部22
の長さSは40〜125mmであることが望ましい。
般に用いられているものを適用でき、金属材料や複合材
料からなるものが望ましい。金属材料としては、超強靭
鋼、マルテンサイト鋼、中炭素5%Cr鋼、α+β形チ
タン合金、β形チタン合金等が挙げられる。複合材料と
しては、各種の繊維強化金属や繊維強化樹脂などの繊維
強化材が挙げられる。そのような繊維強化材の繊維とし
ては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、無機質繊
維等が挙げられ、繊維の形態としては、一方向材、織
物、不織布が挙げられ、単一材料のみならず、2種以上
の交織材料であっても良い。繊維強化金属のマトリクス
としては、アルミニウムや鉄が挙げられ、繊維強化樹脂
のマトリクスとしては不飽和ポリエステル樹脂や、ビニ
ルエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、ア
クリル樹脂やポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げら
れる。これらの繊維強化材のなかでも、炭素繊維強化エ
ポキシ樹脂材が軽量かつ強度が高いので好ましい。
に繊維強化樹脂材を用いる場合には、複数層構成のもの
とすることが望ましい。繊維強化樹脂材からなる複数層
構成の場合、その内の少なくとも1つの層の繊維方向を
シャフトの長手方向に対して平行とし、他の層の繊維方
向をシャフトの長手方向に対して20〜70゜の角度を
有するものとすることが望ましい。このように、繊維の
配向方向の異なる複数層構成の繊維強化樹脂製のシャフ
トとすることにより、スイング時のシャフトの剛性をよ
り高めることができる。
的には、通常一般の種々の方法により製造することがで
きる。例えば、次の方法が望ましい。まず、一端部に向
けて拡径した傾斜部が形成された所定形状、大きさのマ
ンドレルに、シャフト材料、例えば、所定寸法に切断し
た繊維強化樹脂材(例えば、図6に示される形状の繊維
強化樹脂材38)を沿わせて巻き付け、これをローリン
グ台上を転がして、繊維強化樹脂材の締付けを向上させ
る。シャフト形状はマンドレルの外形に応じて決まり、
シャフトの傾斜部の傾斜勾配を15〜35/1000と
するためには、対応して傾斜勾配が10〜40/100
0の傾斜部の形成されたマンドレルを用いる。同様に、
準傾斜部の傾斜勾配を4〜13/1000とするために
は、対応して傾斜勾配が4〜16/1000の傾斜部の
形成されたマンドレルを用いる。そして、炉落ち防止用
のガラスクロスプリプレグをグリップ部に巻き付けた
後、加熱炉内に吊るして繊維強化樹脂材を加熱硬化させ
る。その後、マンドレルを抜き取り、必要に応じて研磨
および塗装を施して、繊維強化樹脂製のゴルフクラブ用
シャフトが製造される。また、先端部の外径は、マンド
レルに巻き付ける繊維強化樹脂材の層数ないし厚みを調
整することにより、等径にすることができる。例えば、
図7に示されるような三角形状の繊維強化樹脂材40を
先端部に巻き付けることで、先端につれて層数が多くな
るようにして、太さを一定にすることができる。得られ
たゴルフクラブ用シャフトにゴルフクラブヘッドとグリ
ップを取り付ければゴルフクラブが製造される。
グ工程において、本発明の屈曲部を有するゴルフクラブ
用シャフトにおいては、図2,3に示すように、ローリ
ング台32上にブチルゴムなどからなる弾性受台24を
載置し、これにマンドレル30を転回させながら押し付
け、先端18と屈曲部20の間ないし傾斜部16の屈曲
部20近傍を加圧し、傾斜部16に非加圧領域34を設
けながら加圧する細径部加圧処理を施し、続いて、図
2,4に示すように、ローリング台32上に載置した弾
性受台26,28にマンドレル30を転回させながら押
し付け、傾斜部16と、屈曲部20の近傍と、先端18
近傍を加圧し、少なくとも細径部加圧処理にて加圧処理
を施していない非加圧領域34を加圧する傾斜部加圧処
理を施すことが望ましい。このように、傾斜部以外の箇
所を先に加圧した後に、傾斜部を加圧することにより、
シャフト全体に対する占める割合の多い部分がまず強固
に巻き付けられ、しかも、その際に生じた歪を傾斜部の
加圧時に除去することができ、皺の発生を抑えつつ、繊
維強化樹脂材36の締付けを全体的に向上させて屈曲部
を有するシャフトを製造することができる。尚、図3は
マンドレル30を図2中のA点まで転回させたときの側
断面図であり、図4はマンドレル30を図2中のB点ま
で転回させたときの側断面図である。
層の少なくとも2層の構成の繊維強化樹脂製のシャフト
を製造する場合には、まず、内層ローリング工程とし
て、マンドレルに繊維強化樹脂材をその繊維方向がマン
ドレルの長手方向に対して20〜70゜の角度を有する
ように巻き付け、そのマンドレルを30〜40℃のロー
リング台上を転回させる。次に、外層ローリング工程と
して、内層形成工程で繊維強化樹脂材の巻き付けられた
マンドレルに、繊維強化樹脂材をその繊維方向がマンド
レルの長手方向と平行になるようにさらに巻き付け、そ
のマンドレルを20〜25℃のローリング台上を転回さ
せることが望ましい。ここで、繊維方向がマンドレルの
長手方向に対して20〜70゜の角度を有する繊維強化
樹脂材のローリング工程においては、その配向方向に起
因して大きな抵抗が生じるが、ローリング台の温度を3
0〜40℃とすることにより、繊維強化樹脂材をより柔
軟にし、マンドレルの形状に沿い易くすることができ
る。また、繊維方向がマンドレルの長手方向に対して平
行な繊維強化樹脂材のローリング工程においては、ロー
リング台の温度を20〜25℃とすることにより、繊維
強化樹脂材の表面タックを少なくし、空気の抱込みを削
減し、ボイドの発生を抑制することができる。尚、上記
説明のように、繊維方向がマンドレルの長手方向に対し
て角度を有する繊維強化樹脂材を内層とし、繊維方向が
マンドレルの長手方向と平行になる繊維強化樹脂材を外
層とすることの他、繊維方向がマンドレルの長手方向と
平行になる繊維強化樹脂材を内層とし、繊維方向がマン
ドレルの長手方向に対して角度を有する繊維強化樹脂材
を外層とすることもできるが、繊維方向がマンドレルの
長手方向と平行になる繊維強化樹脂材を外層とする方
が、シャフトの曲げ剛性を高めることができる。
は次にようにして測定した。図10に示すように、サン
プルとなるシャフト42に対して、その細径端部44と
太径端部46からシャフト42の軸方向に沿って圧縮力
を加えて撓ませ、細径端部44と太径端部46の距離が
短縮した長さ(x)が20mmとなった時に、最も変位
した位置に印(M)をマーキングした後、加えていた力
を解除して回復させる。そして、細径端部44から印
(M)までの長さ(K)を計測し、シャフト長(N)で
除して割合を求めて、キックポイントの位置とした。
用シャフトを製造した。製造には、一端(細端)の外径
が5.3mm、他端(太端)の外径が21.5mmの屈曲
点を有し傾斜部の形成されたマンドレルを用いた。その
屈曲点と太端の間は、傾斜勾配が21/1000、屈曲
点と細端との間は、傾斜勾配が10/1000のもので
ある。このマンドレルに離型剤を塗布した後、エポキシ
樹脂に炭素繊維を含浸させた繊維強化樹脂(繊維目付:
125g/m2)を所定寸法に切断した繊維強化樹脂材
をその炭素繊維の繊維方向がマンドレルの長手方向に対
し+45゜と−45゜になるように貼り合わせたものを
マンドレルに巻き付けた。そして、炉落ち防止用のガラ
ス繊維クロスプリプレグをマンドレルに30mmはみ出
るようにグリップ部に巻き付けた。
リング台を利用して、繊維強化樹脂材をマンドレルに押
し付けた。この際、図2,3に示すように、ローリング
台32上に載置したブチルゴム製の弾性受台24にマン
ドレル30を転回させながら押し付け、傾斜部16に非
加圧領域34を設けながら先端18と屈曲部20の間な
いし傾斜部16の屈曲部20近傍を加圧し、繊維強化樹
脂材36の締付けを向上させた。続いて、図2,4に示
すように、ローリング台32上に載置したブチルゴム製
の弾性受台26,28にマンドレル30を転回させなが
ら押し付け、非加圧領域34を含む傾斜部16と、屈曲
部20の近傍と、先端18近傍を加圧し、繊維強化樹脂
材36の締付けを向上させた。尚、弾性受台26は厚さ
3mmの平板であり、弾性受台24,28は厚さ3mm
の平板を2枚重ね合わせたものであり、図2中、長さa
=250、b=200、c=200、d=250、e=
30、f=200mmである。
たマンドレル上に、エポキシ樹脂に炭素繊維を含浸させ
た繊維強化樹脂(繊維目付:150g/m2)を所定寸
法に切断した繊維強化樹脂材をその炭素繊維の繊維方向
がマンドレルの長手方向と平行になるように巻き付け
た。そして、表面温度を22℃に設定したローリング台
を利用して、上記同様に繊維強化樹脂材をマンドレルに
押し付けた。さらに、図7に示す三角形状の繊維強化樹
脂材40を先端につれて巻き付け量が増加するように先
端部にさらに巻き付けて、先端部の外径が一定になるよ
うに調整した。さらに、これらの上に、形状を維持する
為のポリプロピレンテープをピッチ2.5mmで巻き付
け、140℃の加熱炉内に120分間吊るし、繊維強化
樹脂材を加熱硬化した。その後、ポリプロピレンテープ
を剥ぎ取り、マンドレルを抜き取った。そして、所要の
切断、研磨処理を施して、炭素繊維強化樹脂製の2層構
成のゴルフクラブ用シャフトを製造した。
に示すようなもので、全長(S+M+L)が1145m
m、傾斜部16の長さLが245mm、等径部22の長
さSが75mm、先端18から屈曲部20までの長さ
(S+M)が900mm、準傾斜部19の長さmが82
5mm(シャフト全長に対して72%)、グリップ端部
14の外径が20mm、傾斜部16の傾斜勾配が21/
1000、準傾斜部19の傾斜勾配が10/1000の
ものであった。また、キックポイントは、細径端部から
42%の位置であった。このシャフトにゴルフクラブヘ
ッドとグリップを取り付けてゴルフクラブを製造した。
このゴルフクラブを用いて試打を行なったところ、非常
に剛性感のある良好な評価が得られた。
て、先端(チップ)からの距離毎に剛性値を求めた。結
果を図5に示す。図5から明らかなように、傾斜部の曲
げ剛性がきわめて高いことがわかる。このような剛性分
布をもつゴルフクラブ用シャフトは、使用勝手のきわめ
て良好なものとなる。
端)の外径が4.6mm、他端(太端)の外径が13.5
mm、屈曲点と太端の間は、傾斜勾配が5/1000、
屈曲点と細端との間は、傾斜勾配が8/1000のもの
を用い、上記実施例と同様にしてゴルフクラブ用シャフ
トを製造した。得られたゴルフクラブ用シャフトは、グ
リップ端部14の外径が15.3mm、傾斜部16の長
さが265mm、傾斜部16の傾斜勾配が5/100
0、等径部22の長さが75mm、準傾斜部19におけ
る傾斜勾配が8/1000のものであった。キックポイ
ントは、細径端部から43%の位置にあった。この傾斜
部の傾斜勾配が小さいシャフトにゴルフクラブヘッドと
グリップを取り付けてゴルフクラブを製造した。このゴ
ルフクラブを用いて試打を行なったところ、軟弱な印象
の好まざる評価が得られた。
端)の外径が4.8mm、その細端から700mmの位
置での外径が6.2mm、その位置から234mm(細
端から934mm)の位置での外径が21.5mm、そ
の位置から400mmの位置(太端)の外径が22.8
mmであるものを用いて、上記実施例と同様にしてゴル
フクラブ用シャフトを製造した。得られたゴルフクラブ
用シャフトは、グリップ端部14の外径が25mm 、
グリップ端部から300mmの位置での外径が24m
m、グリップ端部から543mmの位置での外径が8.
5mm、細径先端部の外径が8.5mmであり、グリッ
プ端から細径先端部に向かって300mmまでの間の部
分の傾斜勾配が3.3/1000であり、そのグリップ
端から300mmの位置から細径先端部に向かって23
4mmの位置迄の間の部分の傾斜勾配が63.8/10
00であり、細径先端側の等径部の長さが600mmで
あった。キックポイントは、細径端部から47%の位置
にあった。このシャフトの剛性分布を図8に示す。この
シャフトにゴルフクラブヘッドとグリップを取り付けて
ゴルフクラブを製造した。このゴルフクラブを用いて試
打を行なったところ、グリップ部における傾斜勾配が小
さく、グリップ部に外径の太い部分が長く存在すること
から、グリップ部の剛性が高くなりすぎ、また、細径側
の等径部が長すぎる為に細径部の剛性が低く、全体とし
ても剛性バランスが悪く、打球時にボールを上手く打つ
ことができなかった。
端)の外径が5.6mm、細端から775mmの位置の
外径が13.9mm、細端から950mmの位置での外
径が13.9mm、細端から1250mmの所(太端)
の外径が21.7mmであるものを用いて、上記実施例
と同様にしてゴルフクラブ用シャフトを製造した。得ら
れたゴルフクラブ用シャフトは、グリップ端部14の外
径が21mm 、グリップ端部から235mmの位置で
の外径が15mm、グリップ端部から410mmの位置
での外径が15mm、細径先端部の外径が8.5mmで
あり、グリップ端から細径端部に向かって235mmま
での間の部分の傾斜勾配が25.5/1000であり、
そのグリップ端から235mmの位置から細径端部に向
かって175mm迄の間が等径部であり、そのグリップ
端から410mmの位置から細径端部に向かって695
mm迄の間の部分の傾斜勾配が9.4/1000であ
り、細径側の等径部の長さが40mmであった。キック
ポイントは細径端部から41%の位置にあった。このシ
ャフトの剛性分布を図9に示す。このシャフトにゴルフ
クラブヘッドとグリップを取り付けてゴルフクラブを製
造した。このゴルフクラブを用いて試打を行なったとこ
ろ、スイング時の力の僅かな入れ具合によりシャフトの
撓み具合が大きく異なるため、弾道の安定しない使いづ
らいクラブであるとの評価が得られた。
されたゴルフクラブ用シャフトであると、必要な部品数
が少なく製造が容易でありながら、軽量かつ適度な硬度
で手元部の剛性が高く、また、強度バランスに優れ、そ
して、適切な位置にキックポイントが生じ、打撃時に好
印象が得られるものである。また、グリップ部の外径が
大きくなることにより、スイング時に手首の不要な動き
が抑制され、打球の方向性が向上する。特に、傾斜部の
長さが200〜350mm、及び、グリップ端部の外径
が18〜25mmであることにより、これらの性能が向
上する。さらに、傾斜部よりも先端側に、傾斜勾配が4
/1000〜13/1000の準傾斜部が形成されてい
ることで、剛性を適度により高めることができる。ま
た、先端部に、長さが40〜125mmの等径部が形成
されていることにより、ゴルフクラブヘッドの取付けが
容易になる。
は、一端部に向けて拡径した傾斜部が形成されたマンド
レルに繊維強化樹脂材を巻き付け、傾斜部に非加圧領域
を設けながら傾斜部以外の箇所を加圧した後に、前記非
加圧領域を加圧し、その後、加熱・硬化処理を施す製造
過程を経る方法により容易かつ確実に製造することがで
きる。また、複数層構成のゴルフクラブ用シャフトの場
合には、一端部に向けて拡径した傾斜部が形成されたマ
ンドレルに繊維強化樹脂材をその繊維方向がマンドレル
の長手方向に対して20〜70゜の角度を有するように
巻き付け、該マンドレルを30〜40℃のローリング台
上を転回させて繊維強化樹脂材をマンドレルに密着させ
る内層ローリング工程と、その繊維強化樹脂材の巻き付
けられたマンドレル上に、繊維強化樹脂材をその繊維方
向がマンドレルの長手方向と平行になるようにさらに巻
き付け、該マンドレルを20〜25℃のローリング台上
を転回させて該繊維強化材を密着させる外層ローリング
工程と、これを加熱する加熱・硬化処理工程とを有し、
内層ローリング工程及び外層ローリング工程の際、傾斜
部に非加圧領域を設けながら傾斜部以外の箇所を加圧し
た後に、前記非加圧領域を加圧する製造過程を経る方法
により剛性の高いゴルフクラブ用シャフトを容易かつ確
実に製造することができる。
す側面図である。
を示す平面図である。
を示す側断面図である。
を示す側断面図である。
位置毎の強度変化を示すグラフである。
位置毎の剛性を示すグラフである。
位置毎の剛性を示すグラフである。
側面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 グリップ端部に向けて拡径する傾斜部が
形成され、該傾斜部は、その傾斜勾配が15/1000
〜35/1000、長さが200〜350mmであり、
グリップ端部の外径は18〜25mmであり、前記傾斜
部よりも先端側に、傾斜勾配が4/1000〜13/1
000の準傾斜部が形成され、キックポイントがシャフ
ト長に対して細径端部から40〜46%の位置にあるこ
とを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。 - 【請求項2】 前記準傾斜部の長さがシャフト長の50
〜80%であることを特徴とする請求項1記載のゴルフ
クラブ用シャフト。 - 【請求項3】 先端部に、長さが40〜125mmの等
径部が形成されていることを特徴とする請求項1または
2記載のゴルフクラブ用シャフト。 - 【請求項4】 一端部に向けて拡径した傾斜部が形成さ
れたマンドレルに繊維強化樹脂材を巻き付け、傾斜部に
非加圧領域を設けながら傾斜部以外の箇所を加圧した後
に、前記非加圧領域を加圧し、その後、加熱・硬化処理
を施すことを特徴とするゴルフクラブ用シャフトの製造
方法。 - 【請求項5】 一端部に向けて拡径した傾斜部が形成さ
れたマンドレルに繊維強化樹脂材をその繊維方向がマン
ドレルの長手方向に対して20〜70゜の角度を有する
ように巻き付け、該マンドレルを30〜40℃のローリ
ング台上を転回させて繊維強化樹脂材をマンドレルに密
着させる内層ローリング工程と、 該繊維強化樹脂材の巻き付けられたマンドレル上に、繊
維強化樹脂材をその繊維方向がマンドレルの長手方向と
平行になるようにさらに巻き付け、該マンドレルを20
〜25℃のローリング台上を転回させて該繊維強化材を
密着させる外層ローリング工程と、 これを加熱する加熱・硬化処理工程とを有し、 前記内層ローリング工程及び外層ローリング工程の際、
傾斜部に非加圧領域を設けながら傾斜部以外の箇所を加
圧した後に、前記非加圧領域を加圧することを特徴とす
るゴルフクラブ用シャフトの製造方法。
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