JPH1121491A - 筆記具用インキ組成物 - Google Patents
筆記具用インキ組成物Info
- Publication number
- JPH1121491A JPH1121491A JP17738497A JP17738497A JPH1121491A JP H1121491 A JPH1121491 A JP H1121491A JP 17738497 A JP17738497 A JP 17738497A JP 17738497 A JP17738497 A JP 17738497A JP H1121491 A JPH1121491 A JP H1121491A
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- resin
- solvent
- component
- ink
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 樹脂面、ガラス面、金属面などの様々な種類
の筆記面に対して筆記が可能で、非吸収表面に対する描
線固着性、耐水性、耐アルコール性に優れたマーキング
ペン、サインペン、ボールペン用等に好適な筆記具用イ
ンキ組成物 【解決手段】 SP値が5〜15であり、かつ、20℃
における蒸気圧が0.01mmHg〜45mmHgである有機溶
剤と、顔料からなる着色剤と、25℃における水及びエ
タノールへの溶解度が7%以下となる樹脂とを含有する
ことを特徴とする筆記具用インキ組成物。
の筆記面に対して筆記が可能で、非吸収表面に対する描
線固着性、耐水性、耐アルコール性に優れたマーキング
ペン、サインペン、ボールペン用等に好適な筆記具用イ
ンキ組成物 【解決手段】 SP値が5〜15であり、かつ、20℃
における蒸気圧が0.01mmHg〜45mmHgである有機溶
剤と、顔料からなる着色剤と、25℃における水及びエ
タノールへの溶解度が7%以下となる樹脂とを含有する
ことを特徴とする筆記具用インキ組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂面、ガラス
面、金属面などの様々な種類の筆記面に対して筆記が可
能で、非吸収表面に対する描線乾燥性、描線固着性(堅
牢性)、耐水性、耐アルコール性に優れたマーキングペ
ン、サインペン、ボールペン用等に好適な筆記具用イン
キ組成物に関する。
面、金属面などの様々な種類の筆記面に対して筆記が可
能で、非吸収表面に対する描線乾燥性、描線固着性(堅
牢性)、耐水性、耐アルコール性に優れたマーキングペ
ン、サインペン、ボールペン用等に好適な筆記具用イン
キ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油性サインペン等に用いられるイ
ンキは、主溶剤がキシレン、セロソルブ、ケトン系など
であったので、人体への悪影響が懸念され、また、耐ア
ルコール性が悪く、その描線はアルコール等で消去され
てしまうこともあるという課題がある。
ンキは、主溶剤がキシレン、セロソルブ、ケトン系など
であったので、人体への悪影響が懸念され、また、耐ア
ルコール性が悪く、その描線はアルコール等で消去され
てしまうこともあるという課題がある。
【0003】また、主溶剤をエタノールなどのアルコー
ル系のインキでは、非吸収面に対して堅牢性が無く、固
着性も低い点に課題があり、また、耐アルコール性も悪
く、その描線はアルコール等で簡単に消去されてしまう
という課題があり、しかも、樹脂面、ガラス面、金属面
などの筆記面に対しては筆記ができないなどの制約もあ
る。
ル系のインキでは、非吸収面に対して堅牢性が無く、固
着性も低い点に課題があり、また、耐アルコール性も悪
く、その描線はアルコール等で簡単に消去されてしまう
という課題があり、しかも、樹脂面、ガラス面、金属面
などの筆記面に対しては筆記ができないなどの制約もあ
る。
【0004】一方、特公平5−62630号公報には、
接着テープ、パラフィン紙、剥離紙等の撥水材などに筆
記ができ、かつ、プラスチック、陶磁器、金属等の非浸
透性面に筆記したときにも、レベルング性が良好となる
インキ組成物として、a.脂肪族炭化水素及び/又は脂
環族炭化水素系溶剤に可溶のアルキルフェノール樹脂、
フェノール変性キシレン樹脂およびフェノール・テルペ
ン樹脂よりなる群より選ばれた樹脂と、b.脂肪族炭化
水素及び/又は脂環族炭化水素系溶剤に可溶であり、2
5℃で不揮発性でかつ粘度が100〜1000000c
s.の中粘度及び/又は高粘度シリコーンオイルと、
c.顔料及び/又は油溶性染料と、d.脂肪族炭化水素
及び/又は脂環族炭化水素系溶剤と、e.沸点が80〜
160℃で且つ25℃での粘度が1.5以下の低粘度シ
リコーンオイルとよりなるインキ組成物が開示されてい
る。また、特公平7−91502号公報には、荷造り用
クラフトテープなどの表面張力が低く、濡れ性が悪い材
料の表面に対しても密着性の優れた油性インキとして、
着色剤と溶剤に造膜用樹脂としてレジン成分とオイル又
はガム成分からなるシリコーン系粘着剤のみを添加した
油性インキが開示されている。
接着テープ、パラフィン紙、剥離紙等の撥水材などに筆
記ができ、かつ、プラスチック、陶磁器、金属等の非浸
透性面に筆記したときにも、レベルング性が良好となる
インキ組成物として、a.脂肪族炭化水素及び/又は脂
環族炭化水素系溶剤に可溶のアルキルフェノール樹脂、
フェノール変性キシレン樹脂およびフェノール・テルペ
ン樹脂よりなる群より選ばれた樹脂と、b.脂肪族炭化
水素及び/又は脂環族炭化水素系溶剤に可溶であり、2
5℃で不揮発性でかつ粘度が100〜1000000c
s.の中粘度及び/又は高粘度シリコーンオイルと、
c.顔料及び/又は油溶性染料と、d.脂肪族炭化水素
及び/又は脂環族炭化水素系溶剤と、e.沸点が80〜
160℃で且つ25℃での粘度が1.5以下の低粘度シ
リコーンオイルとよりなるインキ組成物が開示されてい
る。また、特公平7−91502号公報には、荷造り用
クラフトテープなどの表面張力が低く、濡れ性が悪い材
料の表面に対しても密着性の優れた油性インキとして、
着色剤と溶剤に造膜用樹脂としてレジン成分とオイル又
はガム成分からなるシリコーン系粘着剤のみを添加した
油性インキが開示されている。
【0005】これらの公報に開示の筆記具用インキ組成
物は、従来の筆記具用インキ組成物に較べて、濡れ性が
悪い接着テープ、パラフィン紙などに筆記ができ、しか
も、プラスチック、陶磁器、金属等の非浸透性面に筆記
したときにも、レベルング性が良好となるものである
が、筆記描線の乾燥性、固着性が未だ充分でなく、しか
も、アルコール等の溶剤で容易に消去されてしまうなど
の課題がある。特に、重要書類等を筆記するものにあっ
ては、現状の筆記具用インキ組成物では筆記描線が改竄
されるおそれがあり、筆記描線が水やアルコール等で消
去されず、改竄されない筆記具用インキ組成物が望まれ
ている。
物は、従来の筆記具用インキ組成物に較べて、濡れ性が
悪い接着テープ、パラフィン紙などに筆記ができ、しか
も、プラスチック、陶磁器、金属等の非浸透性面に筆記
したときにも、レベルング性が良好となるものである
が、筆記描線の乾燥性、固着性が未だ充分でなく、しか
も、アルコール等の溶剤で容易に消去されてしまうなど
の課題がある。特に、重要書類等を筆記するものにあっ
ては、現状の筆記具用インキ組成物では筆記描線が改竄
されるおそれがあり、筆記描線が水やアルコール等で消
去されず、改竄されない筆記具用インキ組成物が望まれ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、
樹脂面、ガラス面、金属面などの様々な種類の筆記面に
対して筆記が可能で、非吸収表面に対する描線乾燥性、
描線固着性(堅牢性)、耐水性、耐アルコール性に優
れ、筆記描線が水やアルコール等で消去されず、改竄す
ることができない筆記具用インキ組成物を提供すること
にある。
術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、
樹脂面、ガラス面、金属面などの様々な種類の筆記面に
対して筆記が可能で、非吸収表面に対する描線乾燥性、
描線固着性(堅牢性)、耐水性、耐アルコール性に優
れ、筆記描線が水やアルコール等で消去されず、改竄す
ることができない筆記具用インキ組成物を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の課題について鋭意検討した結果、特定物性の溶剤
と、特定のインキ成分などを含有させることにより、上
記目的の筆記具用インキ組成物を得ることに成功し、本
発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明の
筆記具用インキ組成物は、次の〜に存する。 SP値が5〜15であり、かつ、20℃における蒸
気圧が0.01mmHg〜45mmHgである有機溶剤と、顔料
及び/又は染料からなる着色剤と、25℃における水及
びエタノールへの溶解度が7%以下となる樹脂とを含有
することを特徴とする筆記具用インキ組成物。 前記有機溶剤がグリコールエーテル類、グリコール
エーテルアセテート類、エステル類及びこれらの誘導体
から選択される少なくとも1種である上記に記載の筆
記具用インキ組成物。 前記水及びエタノールへの溶解度が7%以下となる
樹脂は、ビニル樹脂及びその変性ビニル樹脂、アクリル
系樹脂、フッ素系樹脂から選択される少なくとも1種で
ある上記又はに記載の筆記具用インキ組成物。 インキの粘度が1〜60mPa・sである上記〜の
何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
技術の課題について鋭意検討した結果、特定物性の溶剤
と、特定のインキ成分などを含有させることにより、上
記目的の筆記具用インキ組成物を得ることに成功し、本
発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明の
筆記具用インキ組成物は、次の〜に存する。 SP値が5〜15であり、かつ、20℃における蒸
気圧が0.01mmHg〜45mmHgである有機溶剤と、顔料
及び/又は染料からなる着色剤と、25℃における水及
びエタノールへの溶解度が7%以下となる樹脂とを含有
することを特徴とする筆記具用インキ組成物。 前記有機溶剤がグリコールエーテル類、グリコール
エーテルアセテート類、エステル類及びこれらの誘導体
から選択される少なくとも1種である上記に記載の筆
記具用インキ組成物。 前記水及びエタノールへの溶解度が7%以下となる
樹脂は、ビニル樹脂及びその変性ビニル樹脂、アクリル
系樹脂、フッ素系樹脂から選択される少なくとも1種で
ある上記又はに記載の筆記具用インキ組成物。 インキの粘度が1〜60mPa・sである上記〜の
何れか一つに記載の筆記具用インキ組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。本発明の筆記具用インキ組成物は、SP
値が5〜15であり、かつ、20℃における蒸気圧が
0.01mmHg〜45mmHgである有機溶剤と、顔料及び/
又は染料からなる着色剤と、該着色剤が顔料の場合は2
5℃における水及びエタノールへの溶解度が7%以下と
なる分散樹脂を含むと共に、上記着色剤が染料の場合は
25℃における水及びエタノールへの溶解度が1%以下
となる固着樹脂とを含有することを特徴とするものであ
る。
細に説明する。本発明の筆記具用インキ組成物は、SP
値が5〜15であり、かつ、20℃における蒸気圧が
0.01mmHg〜45mmHgである有機溶剤と、顔料及び/
又は染料からなる着色剤と、該着色剤が顔料の場合は2
5℃における水及びエタノールへの溶解度が7%以下と
なる分散樹脂を含むと共に、上記着色剤が染料の場合は
25℃における水及びエタノールへの溶解度が1%以下
となる固着樹脂とを含有することを特徴とするものであ
る。
【0009】本発明に用いる有機溶剤は、SP値が5〜
15、好ましくは、7〜13であり、20℃における蒸
気圧が0.01mmHg〜45mmHg、好ましくは、0.05
mmHg〜20.0mmHgであることが必要である。有機溶剤
のSP(Solubility Parameter)値〔溶解パラメーター
(δ)〕は、インキ中に溶解させることができる材料の
面から限定したものであり、そのSP値が5未満である
と、インキ中に使用する溶剤及び樹脂の官能基が少なく
なり固着性が低下し、SP値が15を越えると、溶剤と
しての極性が高くなり、インキ中に使用するための樹脂
としてエタノールに溶解しやすい樹脂も含まれてしまう
ため、好ましくない。
15、好ましくは、7〜13であり、20℃における蒸
気圧が0.01mmHg〜45mmHg、好ましくは、0.05
mmHg〜20.0mmHgであることが必要である。有機溶剤
のSP(Solubility Parameter)値〔溶解パラメーター
(δ)〕は、インキ中に溶解させることができる材料の
面から限定したものであり、そのSP値が5未満である
と、インキ中に使用する溶剤及び樹脂の官能基が少なく
なり固着性が低下し、SP値が15を越えると、溶剤と
しての極性が高くなり、インキ中に使用するための樹脂
としてエタノールに溶解しやすい樹脂も含まれてしまう
ため、好ましくない。
【0010】なお、本発明で規定するSP値〔溶解パラ
メーター(δ)〕とは、混合溶解する際の各成分間の混
合性の尺度として表され、溶解を以下のように表現す
る。二つの成分、成分Iと成分IIが溶解する際、それぞ
れ分子間でI−1、II−IIの結合がI−IIに変わるもの
としてその熱収支を考えたとき、それぞれの分子をそれ
を囲む分子の分子間力から開放させるとは気化させるこ
とであるから、気化したものを混合し、そのまま凝集さ
せるときの内部エネルギーの変化は、次式で表される。 ΔE=ΔE1+ΔE2−2(ΔE1・ΔE2)0.5 ΔE=〔(ΔE1)0.5−(ΔE2)0.5〕2 〔ΔE1; 成分Iを気化させたときの内部エネルギー
変化、 ΔE2; 成分IIを気化させたときの内部エネルギー変
化、 (ΔE1・ΔE2)0.5; I、IIの間にできた結合エネ
ルギーで回収されるエネルギー〕 すなわち、(ΔE1)0.5−(ΔE2)0.5が小さいほど、
溶解のエンタルピー変化ΔHは、小さく溶解しやすい。
各成分の単位体積当たりのΔEを凝集エネルギーとよぶ
と、ΔEは、蒸発のエンタルピーΔHVとΔH=ΔE+
RTの関係にあるため、蒸気圧の温度依存性からCla
usius−Clapeyronの式によってΔHを求
め、ΔEを知ることができる。ここで、凝集エネルギー
密度の平方根を溶解パラメーターとよび、次式で表され
る。 δ=(ΔE/V)0.5 〔ΔE; 分子凝集エネルギー(cal/mol)、 V; 分子容(ml/mol)〕 その求め方は、いろいろであり、測定方法や計算方法に
よって多少異なった値が得られている。その具体例とし
ては、蒸発潜熱法(Hildebrand法)、蒸気圧法(Hoy
法)、溶解法、膨潤法、表面張力法、臨界圧法、熱膨張
係数法、分子引力定数法などが知られており、本発明で
は基本的には蒸発潜熱方法による数値を意味する。
メーター(δ)〕とは、混合溶解する際の各成分間の混
合性の尺度として表され、溶解を以下のように表現す
る。二つの成分、成分Iと成分IIが溶解する際、それぞ
れ分子間でI−1、II−IIの結合がI−IIに変わるもの
としてその熱収支を考えたとき、それぞれの分子をそれ
を囲む分子の分子間力から開放させるとは気化させるこ
とであるから、気化したものを混合し、そのまま凝集さ
せるときの内部エネルギーの変化は、次式で表される。 ΔE=ΔE1+ΔE2−2(ΔE1・ΔE2)0.5 ΔE=〔(ΔE1)0.5−(ΔE2)0.5〕2 〔ΔE1; 成分Iを気化させたときの内部エネルギー
変化、 ΔE2; 成分IIを気化させたときの内部エネルギー変
化、 (ΔE1・ΔE2)0.5; I、IIの間にできた結合エネ
ルギーで回収されるエネルギー〕 すなわち、(ΔE1)0.5−(ΔE2)0.5が小さいほど、
溶解のエンタルピー変化ΔHは、小さく溶解しやすい。
各成分の単位体積当たりのΔEを凝集エネルギーとよぶ
と、ΔEは、蒸発のエンタルピーΔHVとΔH=ΔE+
RTの関係にあるため、蒸気圧の温度依存性からCla
usius−Clapeyronの式によってΔHを求
め、ΔEを知ることができる。ここで、凝集エネルギー
密度の平方根を溶解パラメーターとよび、次式で表され
る。 δ=(ΔE/V)0.5 〔ΔE; 分子凝集エネルギー(cal/mol)、 V; 分子容(ml/mol)〕 その求め方は、いろいろであり、測定方法や計算方法に
よって多少異なった値が得られている。その具体例とし
ては、蒸発潜熱法(Hildebrand法)、蒸気圧法(Hoy
法)、溶解法、膨潤法、表面張力法、臨界圧法、熱膨張
係数法、分子引力定数法などが知られており、本発明で
は基本的には蒸発潜熱方法による数値を意味する。
【0011】また、有機溶剤の蒸気圧(20℃)が0.
01mmHg未満であると、インキとして描線を筆記した
際、乾燥性が悪くなり、好ましくなく、また、蒸気圧
(20℃)が45mmHg超過であると、製品性能上、ペン
先でのドライアップ(乾燥)が激しく筆記性能に大きく
影響するため、好ましくない。上記SP値(δ)の範囲
内である有機溶剤を用いることにより、目的の顔料の分
散や描線固着性(堅牢性)を発揮でき、また、上記蒸気
圧(20℃)〔p〕の範囲内である有機溶剤を用いるこ
とにより、優れた速乾性を発揮できることとなり、濡れ
性が悪い接着テープ、パラフィン紙、プラスチック、陶
磁器、金属等の非浸透性面等に筆記した描線も素早く固
着することとなる。
01mmHg未満であると、インキとして描線を筆記した
際、乾燥性が悪くなり、好ましくなく、また、蒸気圧
(20℃)が45mmHg超過であると、製品性能上、ペン
先でのドライアップ(乾燥)が激しく筆記性能に大きく
影響するため、好ましくない。上記SP値(δ)の範囲
内である有機溶剤を用いることにより、目的の顔料の分
散や描線固着性(堅牢性)を発揮でき、また、上記蒸気
圧(20℃)〔p〕の範囲内である有機溶剤を用いるこ
とにより、優れた速乾性を発揮できることとなり、濡れ
性が悪い接着テープ、パラフィン紙、プラスチック、陶
磁器、金属等の非浸透性面等に筆記した描線も素早く固
着することとなる。
【0012】本発明に用いる有機溶剤は、上記SP値及
び蒸気圧(20℃)の範囲内である有機溶剤であれば、
特に限定されるものではないが、コスト、安全性、取り
扱い性等の面から、グリコールエーテル類、グリコール
エーテルアセテート類類、エステル類及びこれらの誘導
体から選択される少なくとも1種であることが望まし
い。グリコールエーテル類及びその誘導体としては、例
えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、
エチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、
トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチ
レングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェ
ニルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエー
テル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレング
リコールモノ−2−エチルブチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、3−メチルー3−メト
キシー1−ブタノール、ジエチレングリコールメチルエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルヘキシルエーテ
ル等が挙げられる。
び蒸気圧(20℃)の範囲内である有機溶剤であれば、
特に限定されるものではないが、コスト、安全性、取り
扱い性等の面から、グリコールエーテル類、グリコール
エーテルアセテート類類、エステル類及びこれらの誘導
体から選択される少なくとも1種であることが望まし
い。グリコールエーテル類及びその誘導体としては、例
えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、
エチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、
トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチ
レングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェ
ニルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエー
テル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレング
リコールモノ−2−エチルブチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、3−メチルー3−メト
キシー1−ブタノール、ジエチレングリコールメチルエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルヘキシルエーテ
ル等が挙げられる。
【0013】また、グリコールエーテルアセテート類及
びその誘導体としては、例えば、エチレングリコールメ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル
アセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチ
レングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルジアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート、3−メチルー3−メトキシブチルアセテ
-ト、プロピレングリコールエチルエーテルアセテー
ト、酢酸−3メトキシブチル等が挙げられる。
びその誘導体としては、例えば、エチレングリコールメ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル
アセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチ
レングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルジアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート、3−メチルー3−メトキシブチルアセテ
-ト、プロピレングリコールエチルエーテルアセテー
ト、酢酸−3メトキシブチル等が挙げられる。
【0014】エステル類としては、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロプル、酢酸−n
−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−アミル、酢酸イ
ソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸−2−メチルペンチル、
酢酸−1−メチルアミル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチ
ル、酢酸−2−エチルヘキシル、酢酸ノニル、酢酸デシ
ル、n−酢酸メチル、イソ酪酸イソブチル、カプロン酸
メチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、乳酸エ
チル、乳酸−n−ブチル、コハク酸ジエチル、3−トキ
シプロピオン酸エチル等が挙げられる。
ル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロプル、酢酸−n
−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−アミル、酢酸イ
ソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸−2−メチルペンチル、
酢酸−1−メチルアミル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチ
ル、酢酸−2−エチルヘキシル、酢酸ノニル、酢酸デシ
ル、n−酢酸メチル、イソ酪酸イソブチル、カプロン酸
メチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、乳酸エ
チル、乳酸−n−ブチル、コハク酸ジエチル、3−トキ
シプロピオン酸エチル等が挙げられる。
【0015】これらの有機溶剤は、単独で又は2種以上
混合して使用するこができ、安全性及び経口毒性等の点
から、更に、好ましくは、エチレングリコール誘導体等
以外の有機溶剤を使用した方が望ましい。
混合して使用するこができ、安全性及び経口毒性等の点
から、更に、好ましくは、エチレングリコール誘導体等
以外の有機溶剤を使用した方が望ましい。
【0016】また、本発明に用いる上記条件を満足する
有機溶剤の配合量は、有機溶剤の使用態様、すなわち、
単独使用の場合又は2種以上を混合して使用する場合に
より、その配合量は変動するものであり、インキ組成物
全量に対し、20〜97重量%、好ましくは、30〜9
3重量%である。有機溶剤の配合量が20重量%未満で
あると、インキとしての流動性が乏しくなり、97重量
%を越えると、着色剤や樹脂及びその他の添加剤の割合
が少なくなり、製品の品質に大きく影響を及ぼすことと
なるので、好ましくない。
有機溶剤の配合量は、有機溶剤の使用態様、すなわち、
単独使用の場合又は2種以上を混合して使用する場合に
より、その配合量は変動するものであり、インキ組成物
全量に対し、20〜97重量%、好ましくは、30〜9
3重量%である。有機溶剤の配合量が20重量%未満で
あると、インキとしての流動性が乏しくなり、97重量
%を越えると、着色剤や樹脂及びその他の添加剤の割合
が少なくなり、製品の品質に大きく影響を及ぼすことと
なるので、好ましくない。
【0017】本発明に用いる着色剤としては、顔料及び
/又は染料が挙げられる。染料としては、好ましくは、
水及びエタノールへの溶解度が低い染料であることが望
ましい。顔料としては、有機顔料、無機顔料が使用で
き、用いる有機溶剤に溶解しにくいものが好ましい。有
機顔料の場合は、分散後の平均粒径が30nm〜700nm
となるものが好ましく、無機顔料の場合は、分散後の平
均粒径が30nm〜10μmとなるものが好ましい。染料
としては、上記水及びエタノールへの溶解度が低いもの
であれば特に限定されるものではないが、その溶解度は
常温で10%以下のもので、主溶剤には常温で3%以上
溶解するものが挙げられる。また、特に、顔料沈降や粘
度増加等の安定性が悪くなければ、染料及び顔料の併用
もかまわない。顔料の配合量は、インキ組成物全量に対
し、0.5〜25重量%、好ましくは、0.5〜20重
量%、染料としては、0.1〜35重量%、好ましくは
0.5〜20重量%までの範囲で必要に応じて配合する
ことができる。使用できる無機顔料としては、例えば、
カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんが
ら、酸化チタン、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、
酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウ
ムエロー、朱、ガドミウムレッド、黄鉛、モリブデード
オレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメー
ト、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性
硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺
青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等
の無機顔料が挙げられる。
/又は染料が挙げられる。染料としては、好ましくは、
水及びエタノールへの溶解度が低い染料であることが望
ましい。顔料としては、有機顔料、無機顔料が使用で
き、用いる有機溶剤に溶解しにくいものが好ましい。有
機顔料の場合は、分散後の平均粒径が30nm〜700nm
となるものが好ましく、無機顔料の場合は、分散後の平
均粒径が30nm〜10μmとなるものが好ましい。染料
としては、上記水及びエタノールへの溶解度が低いもの
であれば特に限定されるものではないが、その溶解度は
常温で10%以下のもので、主溶剤には常温で3%以上
溶解するものが挙げられる。また、特に、顔料沈降や粘
度増加等の安定性が悪くなければ、染料及び顔料の併用
もかまわない。顔料の配合量は、インキ組成物全量に対
し、0.5〜25重量%、好ましくは、0.5〜20重
量%、染料としては、0.1〜35重量%、好ましくは
0.5〜20重量%までの範囲で必要に応じて配合する
ことができる。使用できる無機顔料としては、例えば、
カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんが
ら、酸化チタン、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、
酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウ
ムエロー、朱、ガドミウムレッド、黄鉛、モリブデード
オレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメー
ト、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性
硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺
青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等
の無機顔料が挙げられる。
【0018】また、使用できる有機顔料としては、アニ
リン系、シアニン系、アゾ系(モノアゾ系、ジスアゾ
系)、フタロシアニン系、アジン系などが挙げられ、こ
れらを単独又は2種以上の混合で使用することができ
る。典型的な具体例を挙げれば、ハンザイエロー、ベン
ジジンイエローなどの黄色有機顔料、ベンジジンオレン
ジ、パーマネントオレンジなどの橙色有機顔料、レーキ
レッド、パーマネントカーミンなどの赤色有機顔料、キ
ナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレットな
どの紫色有機顔料、フタロシアニンブルー、ファストス
カイブルーなどの青色有機顔料、フタロシアニングリー
ン、パーマネントブラウンーなどの緑色有機顔料等であ
る。更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アクリ
ルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られる
樹脂エマルションや、インキ中では膨潤して不定形とな
る中空樹脂エマルション、または、これらのエマルショ
ン自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からな
る有機多色顔料等が挙げられる。
リン系、シアニン系、アゾ系(モノアゾ系、ジスアゾ
系)、フタロシアニン系、アジン系などが挙げられ、こ
れらを単独又は2種以上の混合で使用することができ
る。典型的な具体例を挙げれば、ハンザイエロー、ベン
ジジンイエローなどの黄色有機顔料、ベンジジンオレン
ジ、パーマネントオレンジなどの橙色有機顔料、レーキ
レッド、パーマネントカーミンなどの赤色有機顔料、キ
ナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレットな
どの紫色有機顔料、フタロシアニンブルー、ファストス
カイブルーなどの青色有機顔料、フタロシアニングリー
ン、パーマネントブラウンーなどの緑色有機顔料等であ
る。更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アクリ
ルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られる
樹脂エマルションや、インキ中では膨潤して不定形とな
る中空樹脂エマルション、または、これらのエマルショ
ン自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からな
る有機多色顔料等が挙げられる。
【0019】上記有機溶剤に可溶で、かつ、本発明に適
した染料としては、例えば、C.I.solvent
black 3、C.I.solvent black
5、C.I.solvent black 7、C.
I.solvent black 27、C.I.so
lvent black 29、C.I.solvent
black 34、C.I.solvent yell
ow 2、C.I.solvent yellow 1
4、C.I.solvent yellow16、C.
I.solvent yellow 29、C.I.s
olventyellow 33 C.I.solve
nt yellow 56、C.I.solvent
yellow 77、C.I.solvent yel
low 79、C.I.solvent yellow
82、C.I.solvent yellow 9
3、C.I.solvent red 1、C.I.s
olvent red 3、C.I.solvent
red 4、C.I.solvent red 8、
C.I.solvent red 18、C.I.so
lvent red 24、C.I.solvent
red 27、C.I.solvent red 4
9、C.I.solvent red 111、C.
I.solvent red 132、C.I.sol
vent red135、C.I.solvent r
ed 179、C.I.solventred 21
8、C.I.solvent blue 14、C.
I.solvent blue 25、C.I.sol
vent blue 35、C.I.solvent
blue 70、C.I.solvent blue
94、Basic blue 7、C.I.solve
nt orange 45、C.I.solvent
orange 60、C.I.solvent ora
nge 62、C.I.solvent green
3、C.I.solvent violet 8、C.
I.solvent violet 13、C.I.s
olvent violet 14、C.I.solv
ent brown 5等が挙げられ、その他、これら
の誘導体や耐水性のある染料の造塩体等が挙げられる。
した染料としては、例えば、C.I.solvent
black 3、C.I.solvent black
5、C.I.solvent black 7、C.
I.solvent black 27、C.I.so
lvent black 29、C.I.solvent
black 34、C.I.solvent yell
ow 2、C.I.solvent yellow 1
4、C.I.solvent yellow16、C.
I.solvent yellow 29、C.I.s
olventyellow 33 C.I.solve
nt yellow 56、C.I.solvent
yellow 77、C.I.solvent yel
low 79、C.I.solvent yellow
82、C.I.solvent yellow 9
3、C.I.solvent red 1、C.I.s
olvent red 3、C.I.solvent
red 4、C.I.solvent red 8、
C.I.solvent red 18、C.I.so
lvent red 24、C.I.solvent
red 27、C.I.solvent red 4
9、C.I.solvent red 111、C.
I.solvent red 132、C.I.sol
vent red135、C.I.solvent r
ed 179、C.I.solventred 21
8、C.I.solvent blue 14、C.
I.solvent blue 25、C.I.sol
vent blue 35、C.I.solvent
blue 70、C.I.solvent blue
94、Basic blue 7、C.I.solve
nt orange 45、C.I.solvent
orange 60、C.I.solvent ora
nge 62、C.I.solvent green
3、C.I.solvent violet 8、C.
I.solvent violet 13、C.I.s
olvent violet 14、C.I.solv
ent brown 5等が挙げられ、その他、これら
の誘導体や耐水性のある染料の造塩体等が挙げられる。
【0020】本発明に用いる樹脂は、使用する着色剤に
より、樹脂の特性が異なり、着色剤に顔料を用いた場合
は、分散剤又は分散剤兼固着剤となりうるものであり、
上記有機溶剤に溶解し、顔料を分散するものであればよ
く、また、着色剤に染料を用いた場合は、固着剤として
配合するものとなる。本発明において、着色剤が顔料単
独の場合は、25℃における水及びエタノールへの溶解
度が7%以下となる分散樹脂又は分散兼固着樹脂の1種
又は2種以上使用され、インキの性能に応じて固着樹脂
を更に添加することもできる。また、着色剤が染料単独
の場合は、25℃における水及びエタノールへの溶解度
が1%以下となる固着樹脂が使用され、更に、着色剤が
顔料及び染料の併用使用の場合は、25℃における水及
びエタノールへの溶解度が7%以下となる分散樹脂又は
分散兼固着樹脂の1種又は2種以上使用され、インキの
性能に応じて固着樹脂が使用される。これらの条件の樹
脂を使用することにより、インキの安定性、描線の耐水
性及び耐アルコール性、描線の固着性(堅牢性)を発揮
することができる。25℃における水及びエタノールへ
の溶解度が7%を越える分散樹脂及び溶解度が1%を越
える固着樹脂であると、描線の耐水性及び耐アルコール
性が悪くなり、水及びアルコールに対して着色剤の濃度
が低下したり、消えてしまったりするので、好ましくな
い。
より、樹脂の特性が異なり、着色剤に顔料を用いた場合
は、分散剤又は分散剤兼固着剤となりうるものであり、
上記有機溶剤に溶解し、顔料を分散するものであればよ
く、また、着色剤に染料を用いた場合は、固着剤として
配合するものとなる。本発明において、着色剤が顔料単
独の場合は、25℃における水及びエタノールへの溶解
度が7%以下となる分散樹脂又は分散兼固着樹脂の1種
又は2種以上使用され、インキの性能に応じて固着樹脂
を更に添加することもできる。また、着色剤が染料単独
の場合は、25℃における水及びエタノールへの溶解度
が1%以下となる固着樹脂が使用され、更に、着色剤が
顔料及び染料の併用使用の場合は、25℃における水及
びエタノールへの溶解度が7%以下となる分散樹脂又は
分散兼固着樹脂の1種又は2種以上使用され、インキの
性能に応じて固着樹脂が使用される。これらの条件の樹
脂を使用することにより、インキの安定性、描線の耐水
性及び耐アルコール性、描線の固着性(堅牢性)を発揮
することができる。25℃における水及びエタノールへ
の溶解度が7%を越える分散樹脂及び溶解度が1%を越
える固着樹脂であると、描線の耐水性及び耐アルコール
性が悪くなり、水及びアルコールに対して着色剤の濃度
が低下したり、消えてしまったりするので、好ましくな
い。
【0021】本発明に用いる分散樹脂は、25℃におけ
る水及びエタノールへの溶解度が7%以下となることが
必要であり、好ましくは、3%以下、さらに好ましく
は、1%以下となる樹脂であれば、特に限定されるもの
でなく、また、固着樹脂は、25℃における水及びエタ
ノールへの溶解度が1%以下となることが必要である。
これらの物性を満足する樹脂としては、例えば、塩化ビ
ニル・酢酸ビニルコポリマー、ヒドロキシル変性塩化ビ
ニル・酢酸ビニルコポリマー、カルボキシル変性塩化ビ
ニル・酢酸ビニルコポリマー等の等のビニル樹脂及びそ
の変性ビニル樹脂、メタクリル酸およびアクリル酸のエ
ステルの単独および共重合体を主成分としたアクリル系
樹脂あるいはそれらの誘導体を用いた特殊なアクリル系
モノマーを使用した重合体等のアクリル系樹脂、フルオ
ロオレフィンと複数のアルキルビニルエーテルとからな
る共重合樹脂のフッ素系樹脂〔例えば、商品名「ルミフ
ロン」(旭硝子社製)、商品名「フルオネート K−7
02,K−705」(大日本インキ化学工業社製)〕、
その他の合成樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹
脂、ロジン変性フェノール樹脂等も酸価が低ければ使用
可能である〔例えば、商品名「ベッカサイト」(大日本
インキ化学社製)〕。また、その他の樹脂として本発明
に用いる樹脂として溶解度の範囲に属するものとして
は、例えば、商品名「ソルスパース24,000S
C」、「ソルスパース24,000GR」、「ソルスパ
ース26,000」、「ソルスパース28,000」等
〔ゼネカ社製、(旧 ICI社製)〕が挙げられる。更
に、これら以外の樹脂でも、上記物性の範囲内にあり、
インキの安定性に悪影響を及ぼさないものであれば、特
に限定されずに使用可能である。これらの樹脂の配合量
としては、少なくとも1重量%以上、好ましくは、1〜
15重量%までの範囲で配合することができる。なお、
上記の樹脂において、溶液重合法にて製造された樹脂、
例えば、アクリル系樹脂やルミフロン等は、30〜70
%有機溶剤(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエ
ン等)に溶解されたものとなっているので、これらの樹
脂については、一度、固形分を不溶化させ、乾燥した
後、エタノール及び水への溶解度を確認した上で使用し
た。
る水及びエタノールへの溶解度が7%以下となることが
必要であり、好ましくは、3%以下、さらに好ましく
は、1%以下となる樹脂であれば、特に限定されるもの
でなく、また、固着樹脂は、25℃における水及びエタ
ノールへの溶解度が1%以下となることが必要である。
これらの物性を満足する樹脂としては、例えば、塩化ビ
ニル・酢酸ビニルコポリマー、ヒドロキシル変性塩化ビ
ニル・酢酸ビニルコポリマー、カルボキシル変性塩化ビ
ニル・酢酸ビニルコポリマー等の等のビニル樹脂及びそ
の変性ビニル樹脂、メタクリル酸およびアクリル酸のエ
ステルの単独および共重合体を主成分としたアクリル系
樹脂あるいはそれらの誘導体を用いた特殊なアクリル系
モノマーを使用した重合体等のアクリル系樹脂、フルオ
ロオレフィンと複数のアルキルビニルエーテルとからな
る共重合樹脂のフッ素系樹脂〔例えば、商品名「ルミフ
ロン」(旭硝子社製)、商品名「フルオネート K−7
02,K−705」(大日本インキ化学工業社製)〕、
その他の合成樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹
脂、ロジン変性フェノール樹脂等も酸価が低ければ使用
可能である〔例えば、商品名「ベッカサイト」(大日本
インキ化学社製)〕。また、その他の樹脂として本発明
に用いる樹脂として溶解度の範囲に属するものとして
は、例えば、商品名「ソルスパース24,000S
C」、「ソルスパース24,000GR」、「ソルスパ
ース26,000」、「ソルスパース28,000」等
〔ゼネカ社製、(旧 ICI社製)〕が挙げられる。更
に、これら以外の樹脂でも、上記物性の範囲内にあり、
インキの安定性に悪影響を及ぼさないものであれば、特
に限定されずに使用可能である。これらの樹脂の配合量
としては、少なくとも1重量%以上、好ましくは、1〜
15重量%までの範囲で配合することができる。なお、
上記の樹脂において、溶液重合法にて製造された樹脂、
例えば、アクリル系樹脂やルミフロン等は、30〜70
%有機溶剤(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエ
ン等)に溶解されたものとなっているので、これらの樹
脂については、一度、固形分を不溶化させ、乾燥した
後、エタノール及び水への溶解度を確認した上で使用し
た。
【0022】更に、本発明では、必要に応じて、更に、
その他の分散剤、分散補助剤やインキに悪影響を及ぼさ
ず相溶することができる防腐剤、防黴剤、界面活性剤、
潤滑剤及び湿潤剤等を配合することができ、更に、イン
キの安定性を損なうものでなければ、製品性能上補助溶
剤も配合することができる。また、乾燥抑制用補助溶剤
として、製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤
に相溶する不揮発性溶剤(例えば、ヒマシ油変成物)を
配合することもできる。防腐剤若しくは防黴剤として
は、例えば、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタ
クロロフェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチア
ゾリン3−ワン、2,3,5,6−テトラクロロ−4
(メチルスルフォニル)ピリジン、安息香酸ナトリウム
など安息香酸やソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金
属塩、ベンズイミダゾール系化合物等が挙げられる。防
錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ジシクロ
ヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルア
ンモニウムナイトライト、トリルトリアゾール等が挙げ
られる。潤滑剤及び湿潤剤としては、例えば、ジメチル
ポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物などの
ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。また、こ
れら以外の添加剤も目的のインキ組成物に悪影響を及ぼ
さない範囲内で配合することができる。
その他の分散剤、分散補助剤やインキに悪影響を及ぼさ
ず相溶することができる防腐剤、防黴剤、界面活性剤、
潤滑剤及び湿潤剤等を配合することができ、更に、イン
キの安定性を損なうものでなければ、製品性能上補助溶
剤も配合することができる。また、乾燥抑制用補助溶剤
として、製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤
に相溶する不揮発性溶剤(例えば、ヒマシ油変成物)を
配合することもできる。防腐剤若しくは防黴剤として
は、例えば、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタ
クロロフェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチア
ゾリン3−ワン、2,3,5,6−テトラクロロ−4
(メチルスルフォニル)ピリジン、安息香酸ナトリウム
など安息香酸やソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金
属塩、ベンズイミダゾール系化合物等が挙げられる。防
錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ジシクロ
ヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルア
ンモニウムナイトライト、トリルトリアゾール等が挙げ
られる。潤滑剤及び湿潤剤としては、例えば、ジメチル
ポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物などの
ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。また、こ
れら以外の添加剤も目的のインキ組成物に悪影響を及ぼ
さない範囲内で配合することができる。
【0023】本発明の筆記具用インキ組成物のインキ粘
度は、1〜60mPa・sであることが必要であり、筆記具
の用途により上記粘度範囲内で適宜調整される。例え
ば、インキ吸蔵体として、中綿などを使用するペン体形
状の筆記具としては、3〜10mPa・s、中綿などを使用
しないポンピングタイプのバルブによる調節体を備えた
ペン体形状の筆記具では、10〜35mPa・s、ボディー
押し出し式の特殊なバルブ形状の筆記具では、10〜5
5mPa・sとすることができる。上記粘度範囲とすること
により、筆記具として筆記面に対してインキを転写する
ことができ、粘度が1mPa・s未満であると、インキの流
出量を調節することができず、過剰なインキによる筆記
描線に悪影響を及ぼすこととなり、粘度が60mPa・sを
越えると、インキの流出量が少なく、筆記描線の鮮明性
に欠けるため、好ましくない。また、本発明の筆記具用
インキ組成物は、インキの表面張力が15〜40dyn/c
m、好ましくは、15〜37dyn/cmであることが望まし
い。インキの表面張力が15dyn/cm未満であると、製品
性能としての滲みや、流出機構部(ペン芯等)からの直
流(インキの垂れ)などが問題となり、表面張力が40
dyn/cmを越えると、インキ組成材料を溶解しない範囲の
溶剤となり、好ましくない。
度は、1〜60mPa・sであることが必要であり、筆記具
の用途により上記粘度範囲内で適宜調整される。例え
ば、インキ吸蔵体として、中綿などを使用するペン体形
状の筆記具としては、3〜10mPa・s、中綿などを使用
しないポンピングタイプのバルブによる調節体を備えた
ペン体形状の筆記具では、10〜35mPa・s、ボディー
押し出し式の特殊なバルブ形状の筆記具では、10〜5
5mPa・sとすることができる。上記粘度範囲とすること
により、筆記具として筆記面に対してインキを転写する
ことができ、粘度が1mPa・s未満であると、インキの流
出量を調節することができず、過剰なインキによる筆記
描線に悪影響を及ぼすこととなり、粘度が60mPa・sを
越えると、インキの流出量が少なく、筆記描線の鮮明性
に欠けるため、好ましくない。また、本発明の筆記具用
インキ組成物は、インキの表面張力が15〜40dyn/c
m、好ましくは、15〜37dyn/cmであることが望まし
い。インキの表面張力が15dyn/cm未満であると、製品
性能としての滲みや、流出機構部(ペン芯等)からの直
流(インキの垂れ)などが問題となり、表面張力が40
dyn/cmを越えると、インキ組成材料を溶解しない範囲の
溶剤となり、好ましくない。
【0024】本発明の筆記具用インキ組成物を製造する
には、従来から公知の種々の方法が採用できる。例え
ば、上記各成分を配合し、ディゾルバー等の撹拌機によ
り、混合撹拌することによって、又、ボールミルや三本
ロール、ビーズミル、サンドミル等によって混合粉砕し
た後、遠心分離や濾過によって、顔料粒子や酸化チタン
粒子の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除く
ことによって容易に得ることができる。
には、従来から公知の種々の方法が採用できる。例え
ば、上記各成分を配合し、ディゾルバー等の撹拌機によ
り、混合撹拌することによって、又、ボールミルや三本
ロール、ビーズミル、サンドミル等によって混合粉砕し
た後、遠心分離や濾過によって、顔料粒子や酸化チタン
粒子の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除く
ことによって容易に得ることができる。
【0025】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものでない。
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものでない。
【0026】(実施例1〜14及び比較例1〜9)下記
表1及び表2に記載される物性の有機溶剤及び樹脂を使
用して、以下の各配合内容(組成成分)を撹拌後濾過し
て、筆記具用インキ組成物を調製した。なお、以下にお
いて、「%」は重量%を意味し、また、塩化ビニル・酢
酸ビニルコポリマーを「塩酢ビ」と略する。着色剤とし
て使用した不溶性アゾ顔料は、下記の製品(共に大日本
インキ化学社製)を使用した。 不溶性アゾ顔料(I) : Symuler Fast Red-4127 不溶性アゾ顔料(II) : Symuler Fast Red-40152 不溶性アゾ顔料(III): Symuler Fast Red-4081 不溶性アゾ顔料(IV) : Fastogen Red YE
表1及び表2に記載される物性の有機溶剤及び樹脂を使
用して、以下の各配合内容(組成成分)を撹拌後濾過し
て、筆記具用インキ組成物を調製した。なお、以下にお
いて、「%」は重量%を意味し、また、塩化ビニル・酢
酸ビニルコポリマーを「塩酢ビ」と略する。着色剤とし
て使用した不溶性アゾ顔料は、下記の製品(共に大日本
インキ化学社製)を使用した。 不溶性アゾ顔料(I) : Symuler Fast Red-4127 不溶性アゾ顔料(II) : Symuler Fast Red-40152 不溶性アゾ顔料(III): Symuler Fast Red-4081 不溶性アゾ顔料(IV) : Fastogen Red YE
【0027】 (実施例1) 溶 剤;プロピレングリコールエチルエーテルアセテート 90.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(I) 5.0% 樹 脂;ヒドロキシ変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VROH 5.0%
【0028】 (実施例2) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 94.0% 着色剤; カーボンブラック〔三菱化成製〕 #44 3.0% 樹 脂;カルボキシル変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VMCH 3.0%
【0029】 (実施例3) 溶 剤;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 25.0% 3−メチル−3−メトキシブチルアセテート 60.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(I) 10.0% 樹 脂;ヒドロキシ変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VROH 5.0%
【0030】 (実施例4) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 93.0% 着色剤; フタロシアニン顔料 〔大日本インキ化学社製〕 Fastogen Blue NK 4.0% 樹 脂;ヒドロキシ変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VYES 3.0%
【0031】 (実施例5) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 60.0% プロピレングリコールモノブチルエーテル 34.5% 着色剤; フタロシアニン顔料 〔大日本インキ化学社製〕 Fastogen Blue NK 3.0% 着色剤; 染料 〔保土ヶ谷化学工業社製〕 Spilon Blue #2BNH 1.0% 樹 脂;ヒドロキシ変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VYES 1.5%
【0032】 (実施例6) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 93.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(II) 4.0% 樹 脂;カルボキシル変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VMCH 3.0%
【0033】 (実施例7) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 95.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(III) 3.0% 樹 脂;アクリル系樹脂 〔藤倉化成製〕 MM-404-1 2.0%
【0034】 (実施例8) 溶 剤;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 90.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(IV) 5.0% 樹 脂;フッ素系樹脂 〔旭硝子社製〕ルミフロン(LM-400) 5.0%
【0035】 (実施例9) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 69.0% 3−メチル−3−メトキシブチルアセテート 10.0% 着色剤; キナクリドン顔料 〔大日本インキ化学社製〕 Fastogen Super Magenta RTS 11.5% 樹 脂;〔ICI社製〕 ソルスパース 2,4000SC 9.0%
【0036】 (実施例10) 溶 剤;プロピレングリコールモノフェニルエーテル 30.0% プロピレングリコールモノブチルエーテル 40.0% プロピレングリコールモノメチルエーテル 24.0% 着色剤; 染料 〔保土ヶ谷化学工業社製〕 Spilon Blue #2BNH 3.0% 樹 脂;〔大日本インキ化学社製〕 ベッカサイトF-6302 3.0%
【0037】 (実施例11) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 93.5% 着色剤; 染料〔オリエント化学工業社製〕Valifast Blue 2606 2.5% 樹 脂;〔大日本インキ化学社製〕 ベッカサイト1120 2.0% 樹 脂;〔大日本インキ化学社製〕 ベッカサイト1120HV 2.0%
【0038】 (実施例12) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 94.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(III) 2.5% 樹 脂;〔ICI社製〕 ソルスパース 2,8000 1.5% 〔大日本インキ化学社製〕 ベッカサイト1120 2.0%
【0039】 (実施例13) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 70.0% ジプロピレングリコールモノブチルエーテル 21.0% 着色剤; キナクリドン顔料 〔大日本インキ化学社製〕Fastogen Super Magenta RTS3.0% 樹 脂;〔ICI社製〕 ソルスパース 2,4000GR 3.0% 添加剤; 〔住友3M社製〕 フロラードFC-430 3.0%
【0040】 (実施例14) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 93.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(I) 2.5% 樹 脂;カルボキシル変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VMCH 1.5% 補助溶剤;〔伊藤製油社製〕 CO-FA-ブチル(ヒマシ油変性物) 3.0%
【0041】 (比較例1) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 66.5% ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル 30.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(I) 2.0% 樹 脂;ヒドロキシ変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VROH 1.5%
【0042】 (比較例2) 溶 剤;プロパノール 95.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(II) 3.0% 樹 脂;ヒドロキシ変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VROH 2.0%
【0043】 (比較例3) 溶 剤;プロパノール 94.5% 着色剤; キナクリドン顔料 〔大日本インキ化学社製〕Fastogen Super Magenta RTS4.0% 樹 脂;〔積水化学社製〕 エスレック B BM-1 1.5%
【0044】 (比較例4) 溶 剤;ジプロピレングリコール 70.0% ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 24.5% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(III) 4.0% 樹 脂;ヒドロキシ変性塩酢ビ〔UCC社製〕 VROH 1.5%
【0045】 (比較例5) 溶 剤;ジプロピレングリコール 70.0% ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 23.0% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(I) 3.0% 樹 脂;〔積水化学社製〕エスレック B BM-1 1.0%
【0046】 (比較例6) 溶 剤;ジプロピレングリコールモノブチルエーテル 95.0% 着色剤; 染料〔オリエント化学工業社製〕Valifast Blue 2606 2.0% 樹 脂;〔日立化成社製〕 ハイラック 110H 3.0%
【0047】 (比較例7) 溶 剤;ジプロピレングリコールモノブチルエーテル 94.0% 着色剤; 染料〔オリエント化学工業社製〕Valifast Blue 2606 3.0% 樹 脂;〔荒川化学社製〕 マルキードNo.31 3.0%
【0048】 (比較例8) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 81.5% 着色剤; 不溶性アゾ顔料(III) 4.0% 樹 脂;アクリル系樹脂 〔藤倉化成製〕 MM-404-1 4.5% アクリル系樹脂 〔藤倉化成製〕 MM-2002-1 10.0%
【0049】 (比較例9) 溶 剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 63.5% 着色剤; キナクリドン顔料 〔大日本インキ化学社製〕Fastogen Super Magenta RTS 26.0% 樹 脂;ソルスパース 2,8000 10.5%
【0050】上記実施例1〜14及び比較例1〜9で得
られたインキについて下記の試験方法でインキの表面張
力、粘度、分散後の平均粒径(顔料を使用した場合)等
の物性値を測定した。また、調製したインキのペン体と
しての評価方法として、数種筆記面に対する描線乾燥性
及び堅牢性、耐水性、耐アルコール性の評価試験を行っ
た。これらの結果を下記表1及び表2に示す。
られたインキについて下記の試験方法でインキの表面張
力、粘度、分散後の平均粒径(顔料を使用した場合)等
の物性値を測定した。また、調製したインキのペン体と
しての評価方法として、数種筆記面に対する描線乾燥性
及び堅牢性、耐水性、耐アルコール性の評価試験を行っ
た。これらの結果を下記表1及び表2に示す。
【0051】(インキの表面張力の測定)インキ調製
後、25℃条件下にてCBVP式表面張力計(協和界面
科学社製)を使用することによって測定した。〔3回の
平均値を使用〕
後、25℃条件下にてCBVP式表面張力計(協和界面
科学社製)を使用することによって測定した。〔3回の
平均値を使用〕
【0052】(インキの粘度の測定)インキ調製後、E
型回転粘度計(TOKIMEC社製)を使用し、25℃
での20rpmの粘度値を測定した。
型回転粘度計(TOKIMEC社製)を使用し、25℃
での20rpmの粘度値を測定した。
【0053】(顔料インキの平均粒子径の測定)インキ
調製後、Submicron Particle Sizer(コールター製)を
使用し、平均粒径を測定した。〔3回の平均値を使用〕
調製後、Submicron Particle Sizer(コールター製)を
使用し、平均粒径を測定した。〔3回の平均値を使用〕
【0054】〔描線乾燥性の測定〕…官能試験 描線乾燥性の評価は、下記の各種筆記面に対して描線筆
記3分後にPPC用紙をのせ、その上に500gの荷重
をかけPPC用紙に転写されたインキの汚れ度合いによ
り評価した。 筆記面;PPC用紙、プラスチック面(PS、アクリ
ル、PET、ABS)、金属面(銅板、アルミ板、真鍮
板、ステンレス板)、ガラス面 ◎;全く汚れなかったもの ○;部分的にほんの少し汚れがあるが、目立たないもの △;部分的にほんの少し汚れがあり、目立つもの ×;ほとんどの部分が汚れてしまったもの
記3分後にPPC用紙をのせ、その上に500gの荷重
をかけPPC用紙に転写されたインキの汚れ度合いによ
り評価した。 筆記面;PPC用紙、プラスチック面(PS、アクリ
ル、PET、ABS)、金属面(銅板、アルミ板、真鍮
板、ステンレス板)、ガラス面 ◎;全く汚れなかったもの ○;部分的にほんの少し汚れがあるが、目立たないもの △;部分的にほんの少し汚れがあり、目立つもの ×;ほとんどの部分が汚れてしまったもの
【0055】〔描線堅牢性の測定〕…官能試験 描線堅牢性の評価は、下記の各種筆記面に対して描線筆
記1時間後に綿棒擦過を行い、その擦過度合いにより評
価した。(擦過条件は、連続10回擦る) 筆記面;PPC用紙、プラスチック面(PS、アクリ
ル、PET、ABS)、金属面(銅板、アルミ板、真鍮
板、ステンレス板)、ガラス面 ◎;全く剥離しなかったもの ○;部分的にほんの少し剥離したが、目立たないもの △;部分的にほんの少し剥離して目立つもの ×;ほとんどの部分が剥離してしまったもの
記1時間後に綿棒擦過を行い、その擦過度合いにより評
価した。(擦過条件は、連続10回擦る) 筆記面;PPC用紙、プラスチック面(PS、アクリ
ル、PET、ABS)、金属面(銅板、アルミ板、真鍮
板、ステンレス板)、ガラス面 ◎;全く剥離しなかったもの ○;部分的にほんの少し剥離したが、目立たないもの △;部分的にほんの少し剥離して目立つもの ×;ほとんどの部分が剥離してしまったもの
【0056】〔耐水性の測定〕…官能試験 耐水性の評価は、PPC用紙及びコート紙に筆記した描
線を3時間後に水中に漬け、1日後の変化を漬けていな
いものと比較し、その程度により評価した。 ◎;全く滲まず、描線の濃度が低下しなかったもの ○;ほんの少し滲んだが、濃度の低下が少ないもの △;ほんの少し滲んだが、濃度の低下が目立つもの ×;非常に滲んだもの。あるいは濃度低下が激しかった
もの
線を3時間後に水中に漬け、1日後の変化を漬けていな
いものと比較し、その程度により評価した。 ◎;全く滲まず、描線の濃度が低下しなかったもの ○;ほんの少し滲んだが、濃度の低下が少ないもの △;ほんの少し滲んだが、濃度の低下が目立つもの ×;非常に滲んだもの。あるいは濃度低下が激しかった
もの
【0057】〔耐アルコール性の測定〕…官能試験 耐アルコール性の評価は、PPC用紙及びコート紙に筆
記した描線を3時間後にエタノールを染み込ませた布に
て拭くことにより、その変化の状態を拭いていないもの
と比較し、その程度により評価した。 ◎;全く滲まず、描線の濃度が低下しなかったもの ○;ほんの少し滲んだが、濃度の低下が少ないもの △;ほんの少し滲んだが、濃度の低下が目立つもの ×;非常に滲んだもの。あるいは濃度低下が激しかった
もの
記した描線を3時間後にエタノールを染み込ませた布に
て拭くことにより、その変化の状態を拭いていないもの
と比較し、その程度により評価した。 ◎;全く滲まず、描線の濃度が低下しなかったもの ○;ほんの少し滲んだが、濃度の低下が少ないもの △;ほんの少し滲んだが、濃度の低下が目立つもの ×;非常に滲んだもの。あるいは濃度低下が激しかった
もの
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】(表1及び表2の考察)上記表1及び表2
の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1
〜14のインキ組成物は、本発明範囲外となる比較例1
〜9のインキ組成物に較べて乾燥性や堅牢性を含む筆記
性能や耐水性、耐アルコール性の点で非常に優れている
ことが判明した。
の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1
〜14のインキ組成物は、本発明範囲外となる比較例1
〜9のインキ組成物に較べて乾燥性や堅牢性を含む筆記
性能や耐水性、耐アルコール性の点で非常に優れている
ことが判明した。
【0061】個別的にみると、色材を問わず蒸気圧が高
い溶剤を使用している実施例1〜14は、描線乾燥性の
点で有利になる。また、描線堅牢性に関しては、特に樹
脂の種類が左右し、描線塗膜を強固に形成し、筆記面に
対する密着性の良好な樹脂ほど優れていることが判明し
た。更に、耐水性や耐アルコール性に関しては、樹脂の
溶解度はもちろんのこと色材が顔料であるほど良好で、
染料であると溶解性が悪いとはいえアルコール中に色材
が拡散していくことも確認できた。これらの優れた性能
を発揮できるのは、本発明の範囲内となる実施例1〜1
4のインキ組成物であり、比較例1〜9の範囲では、顔
料分散不良、ペン体としての性能、耐水性、耐アルコー
ル性等の点で劣ってしまうことが判明した。
い溶剤を使用している実施例1〜14は、描線乾燥性の
点で有利になる。また、描線堅牢性に関しては、特に樹
脂の種類が左右し、描線塗膜を強固に形成し、筆記面に
対する密着性の良好な樹脂ほど優れていることが判明し
た。更に、耐水性や耐アルコール性に関しては、樹脂の
溶解度はもちろんのこと色材が顔料であるほど良好で、
染料であると溶解性が悪いとはいえアルコール中に色材
が拡散していくことも確認できた。これらの優れた性能
を発揮できるのは、本発明の範囲内となる実施例1〜1
4のインキ組成物であり、比較例1〜9の範囲では、顔
料分散不良、ペン体としての性能、耐水性、耐アルコー
ル性等の点で劣ってしまうことが判明した。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂面、ガラス面、金
属面などの様々な種類の筆記面に対して筆記が可能で、
非吸収表面に対する描線乾燥性、描線固着性、耐水性、
耐アルコール性に優れ、筆記描線が溶剤等で消去され
ず、改竄することができない筆記具用インキ組成物が提
供される。
属面などの様々な種類の筆記面に対して筆記が可能で、
非吸収表面に対する描線乾燥性、描線固着性、耐水性、
耐アルコール性に優れ、筆記描線が溶剤等で消去され
ず、改竄することができない筆記具用インキ組成物が提
供される。
Claims (4)
- 【請求項1】 SP値が5〜15であり、かつ、20℃
における蒸気圧が0.01mmHg〜45mmHgである有機溶
剤と、顔料及び/又は染料からなる着色剤と、25℃に
おける水及びエタノールへの溶解度が7%以下となる樹
脂とを含有することを特徴とする筆記具用インキ組成
物。 - 【請求項2】 前記有機溶剤がグリコールエーテル類、
グリコールエーテルアセテート類、エステル類及びこれ
らの誘導体から選択される少なくとも1種である請求項
1に記載の筆記具用インキ組成物。 - 【請求項3】 前記水及びエタノールへの溶解度が7%
以下となる樹脂は、ビニル樹脂及びその変性ビニル樹
脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂から選択される少な
くとも1種である請求項1又は2に記載の筆記具用イン
キ組成物。 - 【請求項4】 インキの粘度が1〜60mPa・sである請
求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具用インキ組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17738497A JPH1121491A (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | 筆記具用インキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17738497A JPH1121491A (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | 筆記具用インキ組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1121491A true JPH1121491A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16030007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17738497A Withdrawn JPH1121491A (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | 筆記具用インキ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1121491A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001123101A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-05-08 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 筆記具用インク組成物及びそれを用いる筆記具 |
WO2004072195A1 (ja) * | 2003-02-17 | 2004-08-26 | Kabushiki Kaisha Pilot Corporation | 油性ボールペン用インキ組成物 |
JP2006104364A (ja) * | 2004-10-07 | 2006-04-20 | Pilot Ink Co Ltd | 油付着金属面用マーキングインキ組成物 |
-
1997
- 1997-07-02 JP JP17738497A patent/JPH1121491A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001123101A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-05-08 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 筆記具用インク組成物及びそれを用いる筆記具 |
WO2004072195A1 (ja) * | 2003-02-17 | 2004-08-26 | Kabushiki Kaisha Pilot Corporation | 油性ボールペン用インキ組成物 |
JP2006104364A (ja) * | 2004-10-07 | 2006-04-20 | Pilot Ink Co Ltd | 油付着金属面用マーキングインキ組成物 |
JP4699000B2 (ja) * | 2004-10-07 | 2011-06-08 | パイロットインキ株式会社 | 油付着金属面用マーキングインキ組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040907 |