JPH11214296A - 回路パターン製造方法および装置 - Google Patents

回路パターン製造方法および装置

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JPH11214296A
JPH11214296A JP10026596A JP2659698A JPH11214296A JP H11214296 A JPH11214296 A JP H11214296A JP 10026596 A JP10026596 A JP 10026596A JP 2659698 A JP2659698 A JP 2659698A JP H11214296 A JPH11214296 A JP H11214296A
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JP
Japan
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exposure
reticle
circuit pattern
wafer
processing
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JP10026596A
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Seiji Miyazaki
聖二 宮崎
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Original Assignee
Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、半導体装置あるいは液晶表示装置等
を製造する際のフォトリソグラフィ工程で用いられる回
路パターン製造方法および装置に関し、工程の切り替え
毎に行われるセットアップ処理に要するセットアップ時
間を短縮させて、露光装置のスループットを向上させる
ことができる回路パターン製造方法および装置露光を提
供することを目的とする。 【解決手段】複数の露光装置72を制御してレチクルR
のパターンの像をウェハWに露光する回路パターン製造
方法において、露光に必要な複数の露光データのうち、
それぞれの露光装置固有の露光データを計測するステッ
プS6と、複数の露光データのうち、複数の露光装置間
で共用できる露光データを識別するステップS3とを含
んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置あるい
は液晶表示装置等を製造する際のフォトリソグラフィ工
程で用いられる回路パターン製造方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置や液晶表示装置等の製造工程
におけるフォトリソグラフィ工程では、レチクルあるい
は、マスク(以下、レチクルという)に形成された回路
パターンを投影光学系を介して半導体ウェハやガラスプ
レート(以下、ウェハという)上に投影露光する投影露
光装置が用いられている。この投影露光装置としては種
々の方式のものがあるが、例えば半導体装置の製造の場
合、レチクルの回路パターン全体を内包し得るイメージ
フィールドを持つ投影光学系を介してウェハをステップ
・アンド・リピート方式で露光する投影露光装置と、レ
チクルを1次元に走査しつつ、ウェハをそれと同期した
速度で1次元に走査させる、いわゆるステップ・アンド
・スキャン方式の投影露光装置とがある。
【0003】これらの投影露光装置により露光処理を行
うには、当該露光処理に付随して種々の情報(以下、処
理情報という)を取得して、適切な露光動作を投影露光
装置に行わせる必要がある。露光処理に必要とされる処
理情報の代表的なものとしては、露光レイアウト情報や
露光条件情報がある。露光レイアウト情報は、レチクル
上に描画された回路パターンを、感光材の塗布されたウ
ェハにどのような配置で転写するかを指定するための情
報である。露光条件情報は、パターンを転写する際の光
源の光量(照度)とその転写時間の積で表される露光エ
ネルギ量や、前工程でウェハ上に形成されたパターン層
と露光処理でのレチクルのパターンの像とを高精度に重
ね合わせて転写するためのレチクルとウェハの位置合わ
せ(アライメント)処理を指示するアライメント実行指
定、あるいはアライメントを行う際のアライメントマー
クの位置情報などを含んでいる。
【0004】ところで、半導体装置や液晶表示装置の高
集積化および低コスト化の要求に伴い、投影露光装置に
は、さらなる露光精度の向上およびスループット(単位
時間当たりの基板処理能力)の向上が要求されている。
このため、投影露光装置を構成する各要素、例えば投影
光学系やアライメントセンサをはじめとするハードウェ
ア面の性能を向上させると共に、例えばパターンの転写
後の位置合わせ誤差を補正するための補正情報等を処理
情報に追加するなどしてソフトウェア面での改良もなさ
れてきた。
【0005】具体的には、露光処理においては精度およ
びスループット向上として、露光対象のウェハを保持し
て露光位置に搬送するステージの搬送速度の向上や、露
光時間を短縮するための光源の照度向上などが挙げら
れ、これら露光処理において直接的に使用される構成要
素の構造や制御方法を改良することにより露光処理時間
を短縮するようにしている。
【0006】また、ソフトウェア的なシーケンスの改良
による非生産時間の短縮として工程切替え時間の短縮が
挙げられる。例えば、生産対象のデバイスの変更等によ
る工程の切替えの際に行うセットアップ処理において、
使用済のレチクルを所定の収納用ケース内に回収し、次
の工程で使用するレチクルを露光処理を行うための所定
の位置に設置する等の処理方法を改良して、ウェハへの
露光動作を行っていない時間を短縮させることにより、
全体としてのスループットを向上させるようにしてい
る。
【0007】ここで、従来の露光処理の手順を図5に示
すフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS
100においてセットアップ処理が行われる。オペレー
タにより、予め補助記憶装置内等に格納された「処理条
件」のファイルが指定され、メインコントローラは当該
ファイルの内容に基づき、露光装置本体内に載置されて
いるレチクルが当該処理条件に合致するか否かを判定
し、合致しない場合には、その交換を制御ユニットに要
求する。制御ユニットは、メインコントローラからの指
示に基づき、不要となったレチクルを収納用のケースに
回収し、新たに指定されたレチクルを露光処理で使用す
る装置内の所定位置に載置する。以上説明したような処
理と共に、例えばアライメント計測用センサの校正等を
含む一連の処理がこのステップS100でのセットアッ
プ処理で行われる。
【0008】所定のセットアップ処理が実行された後、
メインコントローラは、制御ユニットに対して、露光す
べきウェハを露光装置本体内部に搬入するよう指令する
(ステップS101)。次に、ステップS102におい
て、ウェハに形成されたアライメントマークを用いてア
ライメントを行った後、レチクルのパターンの像をウェ
ハ上に露光する露光動作を行う。その後、露光の終了し
たウェハを搬出し、未露光のウェハが残っていればステ
ップS101に戻り、未処理のウェハがなくなるまで、
ステップS101、S102を順に繰り返す(ステップ
S103)。
【0009】この図5を用いて説明した露光処理手順に
おいて、ステップS100のセットアップ処理に要する
時間(以下、セットアップ時間と呼ぶ。)は、装置のス
ループットを評価する上で従来はそれほど問題とならな
いものであった。これは、従来、露光装置で製造される
半導体装置が、同一仕様で連続して大量生産する量産品
であったため、品種の切替え毎に生じるセットアップ処
理の頻度が極端に少なかったためである。
【0010】ところが、近年、少量多品種、つまり、A
SlC等に代表されるような、特殊なデバイスを受注量
に応じて生産する傾向が主流になってきており、このよ
うな生産においては、相対的にセットアップ処理の頻度
が増大してセットアップ時間の累計が増加し、全体的な
スループットを低下させる要因として無視できないもの
になってくる。そこで、このセットアップ時間を短縮さ
せるための対策として幾つかの方法が講じられている。
その方法の一つとして、例えば、露光処理の実行開始時
点の露光装置を取り巻く周辺環境に左右される補正用の
パラメータを露光動作に先立って予め計測し、得られた
結果を環境条件で正規化した値に変換して記憶媒体に格
納しておく。ウェハの露光処理の際には、記憶媒体から
当該正規化された値を取り出して、環境条件に応じた所
定の変換を加えてから補正パラメータとして使用する。
こうすることにより、補正パラメータを入手するための
計測動作自体を省略させることができ、セットアップ時
間を短縮することができるようになる。例えば、大気圧
や温度に左右されることが明白な補正パラメータについ
ては、計測時点の条件で正規化しておき、ウェハを露光
する時点でこの正規化された値を変換して補正パラメー
タを演算するようにすれば、計測時間を不要として演算
時間だけで適正な補正パラメータを得ることが可能にな
る。
【0011】ここで、従来のセットアップ処理を短縮さ
せる動作について図6に示すフローチャートを用いて説
明する。図6(a)は、セットアップ処理のうち、補正
用の処理パラメータを計測するための計測専用プログラ
ムの動作手順を示している。まず、オペレータは所定の
露光処理において必要な測定項目を指定して、入力装置
から処理装置に指示を与える(ステップS200)。処
理装置は指示された測定項目に沿って計測処理を開始す
る(ステップS201)。得られた測定項目毎の計測結
果(処理パラメータ)は記憶装置内に保存される(ステ
ップS202)。
【0012】図6(b)は、露光処理を示す手順であ
り、セットアップ処理内の手順を除き図5の手順と同様
である。図6(b)のフローチャートにおいて、破線の
ブロック内がセットアップ処理である。なお、セットア
ップ処理以降のステップS303〜S305は、図5の
ステップS101〜S103と同一であるので説明は省
略する。図6(b)に示すセットアップ処理において
は、まず、図6(a)で示した手順により得られた処理
パラメータを読み出して(ステップS301)、読み出
した処理パラメータに基づいてセットアップ処理を実行
する(ステップS302)。
【0013】以上説明したような手順に基づき、セット
アップ処理における計測処理を省賂してこれに要する時
間を短縮し、総合的な処理能力の向上を図るようにして
いる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、露光精度お
よびスループットの向上のためのソフトウェア面での改
良は、結果として、ウェハの露光に先立って予め設定す
べき処理情報の数を増加させることになり、この膨大な
数の処理情報に対する十分な知識とスキルの取得をオペ
レータに課することになってしまっている。
【0015】すなわち、従来の上述の方法では、オペレ
ータはステップS200で示したような、計測専用プロ
グラムの処理内容とその使用法を理解した上で必要な処
理項目を指定する必要がある。従って、新たな工程を開
始するような場合には、ウェハの露光処理を中断させ
て、適切な処理項目を指定して処理パラメータを取得す
るための計測動作を行うことになるが、これはオペレー
タに対して、計測専用プログラムの処理内容とその使用
法の十分な理解を強要するものとなり、オペレータの負
担を増加させ、且つ不的確なパラメータの設定や、設定
漏れ等の誤った操作による不良品の発生など、動作不良
の危険性を生じさせてしまう問題を有している。
【0016】また、従来の露光方法においては、この正
規化した補正パラメータを得るための計測専用プログラ
ムは、通常の生産で使用するプログラムとは別の「計測
・結果格納専用プログラム」として提供されているた
め、オペレータは、新しい露光工程を追加する毎にこの
「計測専用プログラム」を起動させる必要があり、その
ため、露光プログラムを一時中断させる手間がかかって
しまうと共に、「専用プログラム」の操作法も別に習得
しておかなければならないという負担をオペレータに強
いることになっていた。
【0017】また、これらの補正パラメータの中には、
装置個々に異なる性能上の「特性」や各部位の「調整状
態」に左右され、複数の装置間で計測結果を共用できな
い項目も混在しているため、補正パラメータ個々に、内
容を正確に理解し、装置個々に計測する必要があるかと
いうことについてまでも、オペレータが判断しなければ
ならなかった。
【0018】この結果、補正パラメータを取得するため
の準備期間の増加や、誤った補正パラメータの設定によ
る装置トラブルの発生など、目的とは逆に運用効率の低
下という弊害を招いていた。
【0019】本発明の目的は、工程の切り替え毎に行わ
れるセットアップ処理に要するセットアップ時間を短縮
させて、露光装置のスループットを向上させることがで
きる回路パターン製造方法および装置を提供することに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の一実施の形態を
表す図1乃至図4に対応付けて説明すると、上記目的
は、複数の露光装置(72)を制御してレチクル(R)
のパターンの像を基板(W)に露光する回路パターン製
造方法において、露光に必要な複数の露光データのう
ち、それぞれの露光装置固有の露光データを計測するス
テップ(S6)と、複数の露光データのうち、複数の露
光装置間で共用できる露光データを識別するステップ
(S3)とを含むことを特徴とする回路パターン製造方
法によって達成される。この回路パターン製造方法にお
いて、露光装置固有の露光データは、レチクルを載置す
るレチクルステージ上でのレチクルの載置位置に関する
データであることを特徴とする。また、この回路パター
ン製造方法において、複数の露光装置間で共用できる露
光データは、基板上に形成されたアライメントマークを
検出する際の検出系に関するデータであることを特徴と
する。
【0021】また、上記目的は、複数の露光装置(7
2)を制御してレチクル(R)のパターンの像を基板
(W)に露光する回路パターン製造装置において、露光
に際し、複数の露光データを計測する計測装置(3,
5,6,22等)と、複数の露光データのうち、複数の
露光装置間で共用できる露光データと、露光装置固有の
露光データとを記憶する記憶部(74)とを設けたこと
を特徴とする回路パターン製造装置によって達成され
る。そして、この回路パターン製造装置において、記憶
部(74)は、レチクル(R)を載置するレチクルステ
ージ(RST)上でのレチクル(R)の載置位置に関す
るデータを露光装置固有の露光データとして記憶してい
ることを特徴とする。また、この回路パターン製造装置
において、記憶部(74)は、基板(W)上に形成され
たアライメントマークを検出する際の検出系(22)に
関するデータを複数の露光装置間で共用できる露光デー
タとして記憶していることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態による回路
パターン製造方法および装置を図1乃至図4を用いて説
明する。まず、本実施の形態による回路パターン製造方
法で使用される露光装置の概略の構成を図1を用いて説
明する。露光用の照明光(水銀ランプからのg線、i
線、あるいはエキシマレーザ光源からの紫外線パルス
光、YAGレーザ、F2レーザの高調波)ILはフライ
アイレンズFLを通った後、コンデンサーレンズCLに
入射する。コンデンサレンズCLの後側焦点面には、複
数の可動ブレード(BL1、BL2等)を有するレチク
ルブラインド機構28が配置されている。複数のブレー
ドBLは、それぞれ駆動系38によって独立に移動でき
るようになっている。また、複数のブレードBLの各エ
ッジで規定された開口APの形状は、投影光学系PLの
投影フィールド内に含まれるように定められる。
【0023】コンデンサレンズCLを通過した照明光
は、レチクルブラインド機構28の開口APを通過し、
ミラーMを介してレチクルRのパターン領域PAを均一
な照度で照射する。これにより、ブラインド機構28の
複数のブレードBLで規定された開口APの像がレチク
ルR下面のパターン面に結像される。
【0024】パターン領域PAを通過した照明光ILは
投影光学系(図においては両側テレセントリックである
が片側テレセントリックでもよい)PLを介してウェハ
ステージST上に載置されているウェハW上に達する。
ウェハステージSTはXYステージST1とZステージ
ST2とから構成されている。そして、XYステージS
T1はXY駆動系1によって投影光学系PLの光軸AX
に垂直な方向(XY方向)に移動可能であり、Zステー
ジST2はZ駆動系2によって投影光学系PLの光軸A
X方向(Z軸方向)に移動可能である。XYステージS
T1の位置(XY座標値)は、ステージ干渉計3により
逐次計測される。ZステージST2のZ軸方向における
位置(Z座標値)は、Zステージ駆動系2内に設けられ
ているエンコーダによって求められる。ウェハステージ
コントローラWSCはステージ干渉計3からのXY座標
値、Z駆動系2からのZ座標値、および主制御系MCS
からの指令等に基づいて、XY駆動系1とZ駆動系2を
介してXYステージST1とZステージST2の移動や
位置決めを制御する。
【0025】レチクルRはレチクルホルダーRHによっ
て保持されており、このレチクルホルダーRHはレチク
ルステージRST上に設けられている。レチクルステー
ジRSTはレチクル駆動系4によってXY方向に移動可
能であり、レチクルRの座標値はレチクル干渉計5によ
って逐次計測されている。レチクルステージコントロー
ラRSCはレチクル干渉計5からの座標値や主制御系M
CSからの指令等に基づいて、レチクル駆動系4を介し
てレチクルステージRSTの移動や位置決めを制御す
る。
【0026】レチクルR内部の回路パターン領域PAに
は半導体素子製造用の回路パターンが形成されている。
パターン領域PAはほぼ正方形であり、この正方形のと
なりあう2辺の外側(パターン領域の外側)にはパター
ン領域PAに隣接して夫々アライメントマークRMx、
RMyが設けられている。このアライメントマークRM
x、RMyはレチクルRの位置を計測するときに用いら
れるものである。またレチクルRには、レチクルRの外
周(正方形)の向かい合う2辺に隣接してレチクルマー
クRMa、RMbが設けられている。レチクルマークR
Ma、RMbは夫々X方向とY方向とに延びる十字の形
状をしたマーク部を有し、夫々のマーク部の中心点は、
レチクルRの中心点RCを通りY方向に延びる直線上に
夫々存在する。このレチクルマークRMa、RMbはレ
チクルRを所定の位置に位置決めする際に、後述するレ
チクルアライメント系によって読み取られるものであ
る。
【0027】さて、図1においてレチクルRの上部には
マーク検出系6、ミラー7から成るレチクルアライメン
ト系(6、7)が設けられている。このレチクルアライ
メント系(6、7)は、レチクルマークRMbを検出す
る。また、本実施の形態の投影露光装置には、レチクル
アライメント系(6、7)と同一の構成からなり、レチ
クルマークRMaを検出するアライメント系が設けられ
ている(不図示)。レチクルアライメント系(6、7)
は例えばHe−Neレーザ等のレーザビームをレチクル
マークRMb上に照射して、その反射光を検出する。主
制御系MCSはレチクルマークRMbの像がマーク検出
系6内の指標に合うようにレチクルステージコントロー
ラRSCを介してレチクルRの位置を制御する。レチク
ルマークRMaも不図示のアライメント系によって同様
に検出され、これらのレチクルアライメント系によって
レチクルRはその中心点RCが光軸AXと一致するよう
に位置決めされる。
【0028】さらに、ZステージST2上には基準板F
Mが設けられている。この基準板FMの表面とウェハW
の表面とはほぼ同一平面内にある。基準板FM上にはX
方向、およびY方向を長手方向とする光透過性の発光マ
ーク31と、ベースライン計測用のマークとが形成され
ている。そして、これらのマークは、夫々基準板FM上
の予め決められた位置に配置されており、主制御系MC
Sは夫々のマーク間の距離(マークの中心点の間隔)を
予め記憶している。
【0029】次にこの基準板FMに関して投影光学系P
Lと反対側(図1における下側)から、基準板FMに設
けられた発光マーク31に対して光を照射する照明系、
および発光マーク31を透過した光を受光する受光系に
ついて説明する。この照明系と受光系とからなる検出系
はレチクルRの位置を計測するためのものである。構成
の詳細については、例えば特開昭64−10105号公
報に開示されているため、ここでは簡単に説明する。
【0030】図1において光源8は露光用の照明光IL
の波長と同一か、またはその近傍の波長の照明光IEを
射出する。この照明光IEはレンズ9、ファイバー10
を介してステージST内部から基準板FMの下方に送ら
れる。ファイバー10を射出した照明光IEはレンズ1
1によって集光され、ミラー12を介して発光マーク3
1を下側から照射する。発光マーク31の像はレチクル
Rに設けられたアライメントマークRMy上で結像す
る。このとき、主制御系MCSはXYステージST1を
Y方向に走査することによって、アライメントマークR
Myと発光マーク31とを相対走査させる。アライメン
トマークRMyを透過した光はミラーM、コンデンサー
レンズCL、ビームスプリッタ13等を介して光電検出
器14に受光される。ここで、発光マーク31の像がア
ライメントマークRMyのマーク部と重なったとき、光
電検出器14は照明光IEをほとんど受光しないため、
光電信号のレベルはボトムとなる。信号処理装置101
はステージ干渉計3からの信号S2に基づいてこのボト
ムの中心位置Yrmを検出する。
【0031】これと同様に主制御系MCSは、レチクル
Rのパターン面上に結像される発光マーク31の像をア
ライメントマークRMx上で走査させる。そして、信号
処理装置101はこのとき光電検出器14から得られる
検出信号がボトムとなる位置Xrmを検出する。そして
主制御系MCSはこれらの計測値(Xrm、Yrm)を
信号処理装置101から入力する。
【0032】主制御系MCSは予めアライメントマーク
RMx、RMyとレチクルRの中心点RCとの位置関係
を記憶しているため、上述した2つの計測値(Xrm、
Yrm)に基づいて、レチクルRの中心点RCの位置を
検出することができる。次に、本装置に組み込まれてい
る焦点検出系の構成について説明する。本実施の形態に
おける焦点検出系は、送光系(15、16、17)と受
光系(19、20、21)とから構成される。
【0033】投光器15はウェハWに塗布されている感
光剤を感光させない波長の光(例えば赤外光等)を射出
する。この投光器15中には送光用のスリット板が設け
られているため、このスリット板を透過した光が投光器
15から射出する。そしてこの光は平行平板ガラス(プ
レーンパラレルガラス)16、集光レンズ17を通っ
て、ウェハW上にスリット像SPとなって照射される。
このスリット像SPの中心点は、投影光学系PLの結像
面と投影光学系PLの光軸AXとが交差する点に位置す
る。また、平行平板ガラス16は送光用のスリット板の
近傍に配置されている。さらに平行平板ガラス16は図
1の紙面と垂直な方向(X方向)、および紙面に平行な
方向に回転軸を有し、これらの回転軸を中心に微小量回
転することができる。駆動部18aは平行平板ガラス1
6を夫々の回転軸の回りに所定の角度範囲内で回転させ
る。この回転によってスリット像SPの結像位置はウェ
ハWの表面とほぼ平行な方向(XY方向)に変位する。
また、駆動部18cは、レンズ17を送光系の光軸方向
に移動させることによって、ウェハWの表面上における
スリット像の合焦状態を調整する。
【0034】ウェハWで反射した光束(反射光)はレン
ズ19、平行平板ガラス20を通って受光器21に受光
される。この受光器21中には受光用のスリット板が設
けられており、この受光用スリット板を通過した光を光
電検出する。また平行平板ガラス20もX方向に回転軸
を有する。駆動部18bは、所定の角度範囲内で平行平
板ガラス20を回転させることにより、受光器21中に
配置されているスリット板に対する反射光の照射位置を
調整する。受光器21からの検出信号Saは信号処理装
置103に出力される。信号処理装置103は、ウェハ
Wの表面と焦点検出系によって規定されている基準面と
の光軸AX方向の偏差量を検出する。この偏差量は主制
御系MCSに出力される。なお、本実施の形態において
焦点検出系の基準面は投影光学系PLの結像面と一致す
るようにキャリブレーションされている。
【0035】ZステージST2上には、焦点検出系から
のスリット像を受光するエリアセンサ201が配置され
ている。このとき、エリアセンサ201は、その中心点
が投影光学系の光軸AXと一致するように配置される。
このエリアセンサ201は、エリアセンサ201の受光
面上に照射されたスリット像SPを撮像するとともに、
その画像信号を画像処理装置202に出力する。画像処
理装置202は、エリアセンサ201からの信号に基づ
いて、スリット像SPの位置、及びスリット像の結像状
態を検出する。
【0036】さて、本装置にはウェハW上のマークを検
出するためにオフ・アクシス方式のアライメント系が備
えられている。このアライメント系の詳細な構成につい
ては特開昭62−171125号公報に開示されている
のでここでは簡単に説明する。図1においてアライメン
ト光学系22の光軸AXlは投影光学系PLの光軸AX
から距離lだけY方向に離れている。そしてアライメン
ト光学系22は照明光としてある帯域幅をもつブロード
な波長分布の光をウェハW上に照射する。そしてアライ
メント光学系22のウェハW上における検出中心P2は
ステージ干渉計3の測定軸上に一致するように定められ
る。
【0037】ウェハW上のマークからの反射光は再びア
ライメント光学系22に入射し、そのマークの像はアラ
イメント光学系22中に設けられている指標板の下面に
結像する。そしてウェハW上のマークの像は、指標板に
形成された指標マークの像とともに撮像管23の撮像面
に結像する。撮像管23による画像信号は信号処理装置
102に出力される。信号処理装置102は指標板によ
って規定される検出中心点P2に対するウェハW上のマ
ークの位置ずれ量(Δx、Δy)を検出する。
【0038】また、図1において、主制御系MCSは信
号処理装置101〜103からの信号に基づいてウェハ
ステージコントローラーWSCやレチクルステージコン
トローラーRSCに制御信号S1を出力する他、本装置
全体を統括制御する。この主制御系MCSにおける各種
制御について簡単に説明する。図示しないホストコンピ
ュータは、通信用バスを通じて主制御系MCSの各制御
用ユニットと通信を行い、制御ユニットに制御プログラ
ムを送信して装置を制御する。ホストコンピュータには
制御用プログラムがインストールされており、これを実
行することにより装置制御が可能となる。
【0039】制御ユニットは、レチクルRの位置合わせ
を行う際等にレチクルステージRSTを所定量移動させ
るためのレチクルステージコントローラRSCに指令を
与えるようになっている。また制御ユニットは、ウェハ
ステージコントローラWSCに指令を与えて、ステージ
干渉計3からのXY座標値、Z駆動系2からのZ座標値
等に基づいて、XY駆動系1とZ駆動系2を介してXY
ステージST1とZステージST2の移動や位置決めを
制御し、例えばウェハWとレチクルRとの位置関係を正
確に測定し、ずれ量を補正するウェハアライメント時の
ウェハ位置微調制御を行うようになっている。また、投
影光学系PLの焦点合わせ(Auto Focus)を
行う際には、送光系(15、16、17)と受光系(1
9、20、21)の制御およびZステージST2のZ方
向への移動の制御も行う。
【0040】さらに制御ユニットは、オフ・アクシス方
式のアライメント光学系22により、ウェハW上に形成
されたアライメント用のマークを観察し、ウェハWの位
置を算出する位置合わせの際にアライメント光学系22
等を制御する。またさらに、制御ユニットは、駆動系3
8に指令を与えてブレードBLを移動させて所定の開口
APを形成するようにレチクルブラインド機構28を制
御する。このように各制御ユニットは制御用コンピュー
タから種々の制御プログラムを受け取り、所定のハード
ウエアに対して制御を行って所定の動作、処理を行わせ
るようになっている。
【0041】また、主制御系MCSは図示を省略した入
力装置や表示装置を有しており、オペレータからの要求
は、これらの入出力装置を操作することにより行われ
る。この主制御系MCSは、具体的にはパーソナル・コ
ンピュータ、エンジニアリング・ワークステーション、
あるいはミニコンピュータ等をベースとして構成されて
いる。この主制御系MCSは、CPU(中央演算装置)
や主記憶(メモリ)を有し、また、オペレータとのイン
ターフェースを取る入出力装置としては、CRTモニ
タ、入力用機器(マウス、キーボード)が接続され、さ
らに、各種プログラムやオペレータの作成した「処理情
報」をファイル形式で格納する補助記憶装置(ディス
ク)を備えている。
【0042】また、これらの一般的な構成に加えて、露
光装置の制御ユニットと接続するための通信手段(GP
−IBやSCSI等のバスの形態や、TCP/IPプロ
トコルによるLAN接続の形態をとる)も構成要素の一
つとして接続されている。以上の構成の主制御系MCS
は、オペレータの要求を受けて、予め補助記憶内に格納
されている「処理条件ファイル」から露光処理で参照す
るパラメータ群を入力し、その内容に沿って制御ユニッ
トに実行指示を与えるようになっている。
【0043】次に、本実施の形態による回路パターン製
造装置の概略の構成を図2を用いて説明する。図2に示
すように、回路パターン製造装置は、複数の露光装置7
2を有し、それらは、LAN等の通信手段によりホスト
コンピュータ70に接続されている。また、ホストコン
ピュータ70には、補助記憶装置からなる記憶部74が
接続されており、種々のデータを加工して通信手段を介
して複数の露光装置72の主制御系MCSに送出するこ
とができるようになっている。
【0044】次に、本実施の形態における回路パターン
製造装置の記憶部74に格納され、本実施の形態による
回路パターン製造方法で用いられる露光処理パラメータ
ファイルの構成を図3を用いて説明する。露光処理パラ
メータファイルには、処理情報として、ファイル管理情
報、レチクル情報、露光レイアウト情報、露光条件情
報、アライメント(計測)情報等と共に、本実施の形態
で特有の事前計測情報が格納されている。この事前計測
情報は図3に示すようにテーブル形式で構成されてい
る。
【0045】本例における事前計測情報テーブルには、
図中テーブルの最左端に番号で示した測定項目毎に、事
前計測した計測結果に適正な変換を加えた「補正パラメ
ータ(図中、最右端の欄)」が格納されている。そして
さらに、この補正パラメータが計測済みで有効であるか
否かを示す「計測状態判定用識別子」と、この測定項目
が複数の露光装置個々に管理すべき装置固有のデータで
あるか、あるいは、露光装置間で共通して使用できる共
通データとして管理するかを示す「装置固有パラメータ
判定用識別子」を有している。さらに、装置固有データ
として個々に管理する場合については、その計測を行っ
た露光装置を特定するための情報として、例えば、個々
の露光装置に付された装置番号等を記録する「装置情報
(装置特定用識別子)」を備えている。
【0046】この事前計測情報テーブル内のデータを追
加、変更する際には所定の編集プログラムが起動され
て、例えば、計測状態判定用識別子が「未計測(図で
は”0”と表示)」であったものが、計測が終了すると
「計測済(図では”1”と表示)」と設定される。ま
た、補正パラメータおよび装置情報については、初期値
(通常、”0”が設定されている)に対して、計測後は
その結果の値が設定されるようになっている。装置固有
パラメータ判定用識別子については、予め測定項目毎に
決めておいた「固有(図では”1”と表示)」もしくは
「共有(図では”0”と表示)」が設定される。なお、
これらの項目のうち、「装置固有パラメータ判定用識別
子」については、編集プログラムが自動的に設定するよ
うにしているため、オペレータが変更することはできな
い。
【0047】次に、本実施の形態による回路パターン製
造方法を図4に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、本回路パターン製造方法においては、従来の方法
と比較して、処理条件に記録する補正パラメータに関す
る情報を追加し、且つ、従来の「計測専用プログラム」
に代わって「露光プログラム」側に計測機能を持たせて
いる点に特徴を有している。
【0048】所定の露光装置についてオペレータからの
要求により露光処理が開始されると、主制御系MCSは
まず初めにセットアップ処理を行う。図4中破線で示し
たブロック内がセットアップ処理の流れを示している。
主制御系MCSは、通信手段で接続されたホストコンピ
ュータ70を介して記憶部74の補助記憶装置中に格納
された露光処理パラメータファイル(図4参照)を主記
憶に読み込む(ステップS1)。主制御系MCSは、読
み込んだ露光処理パラメータファイルの事前計測情報内
の「計測状態判定用識別子」から、当該露光装置が対象
とする補正パラメータが計測済みであるか否かを判断す
る(ステップS2)。そしてステップS2において、補
正パラメータが計測済みであると判断されたらステップ
S3に移行し、補正パラメータが未だ計測されていない
と判断されたらステップS6に移行する。
【0049】補正パラメータが計測済みであれば、次
に、当該補正パラメータが装置個々に管理すべきパラメ
ータであるか否かを「装置固有パラメータ判定用識別
子」を用いて判定する(ステップS3)。
【0050】ここで、装置個々に管理すべきパラメータ
と、装置間で共有できるパラメータを以下の例を挙げて
説明する。まず、個々の装置毎に管理すべき(装置固
有)パラメータとしては、レチクル計測開始位置補正値
がある。これは、レチクルRを保持するレチクルステー
ジRSTにレチクルRを載置する際、レチクルステージ
RST上でのレチクルRの載置位置の計測に要する時間
を短縮するために用いられるパラメータである。
【0051】レチクルR載置直後のステージ座標と、レ
チクルR上のアライメントマークRMbの計測完了時の
ステージ座標との差をレチクル計測開始位置補正値とし
て記録しておき、次にレチクルRをレチクルステージR
STに載置する都度、この補正値量だけレチクルステー
ジRSTを移動した後でアライメントマークRMbの計
測動作を行わせることにより、アライメントマークRM
bの位置を検出するための時間を短縮させることが可能
になる。
【0052】例えば、異なる工程のウェハWを処理する
ため、露光処理パラメータが変更されると、レチクルR
は搬送機構によりケースから搬送されレチクルステージ
RSTに載置される。この直後、露光装置72は、位置
計測手段(レチクルアライメント系6、7)によりレチ
クルR位置を計測し、露光に適した位置(露光位置)ま
で、レチクルRを移動させる。レチクルRには、その位
置を計測するための専用マーク(アライメントマーク)
が描画されており、このマークを計測することにより、
レチクルRの位置(マークを検出した時のステージ座
標)を認識することが可能である。
【0053】従来では、レチクルR載置直後のレチクル
ステージRST位置においてレチクル位置計測が失敗し
た揚合(例えば、載置位置が不適当で、レチクルアライ
メント系6、7の検出範囲にアライメントマークが入ら
なかった場合)、主制御系MCSは、レチクルアライメ
ント系6、7の検出範囲分隣接した領域へレチクルステ
ージRSTを移動させ、改めて計測動作を行うが、この
一連の動作を計測が成功するまで繰り返し行う。レチク
ル計測開始位置補正値は、この一連の動作に要する時間
を短縮させることを目的として用いられている。
【0054】このレチクル計測開始位置補正値を用いた
補正は、レチクルステージRSTによりレチクル載置位
置の再現性が確保されることを条件にその動作が保証さ
れる。従って、複数の露光装置72間でレチクル計測開
始位置補正値を共用するには、レチクル搬送系からレチ
クルステージRSTヘ搬送されたレチクルRの載置誤差
が各露光装置で同一(±300ミクロン程度以内)であ
る必要があるが、現状、レチクル搬送系とレチクルステ
ージRSTの位置関係の調整量がこの範囲に無いため、
共用することができない。
【0055】次に、複数の装置間で共有可能な(装置間
共通)パラメータとして、ウェハマーク位置計測処理用
初期パラメータを例に挙げて説明する。ウェハマーク位
置計測処理用初期パラメータは、ウェハW上に形成され
た位置計測用マークの位置検出の際の信号処理で使用す
る。このパラメータは、前回の工程で転写したパターン
に重ねて露光する、いわゆるセカンド露光の際に行うア
ライメント動作において、検出したアライメントマーク
の信号波形の処理パラメータを最適化して、これに要す
る時間を短縮するために用いられる。
【0056】前回のウェハアライメント動作での処理情
報(信号出力を増幅するためのゲインと、出力の振幅の
中心出力値を調整するオフセット)を記録しておき、ウ
ェハアライメント動作を行う都度、処理情報からウェハ
マーク位置計測処理用初期パラメータを用いることによ
り、アライメントマークの処理パラメータを最適化する
ための時間を短縮することが可能になる。
【0057】例えば、アライメント方法としてLSA
(レーザ・ステップ・アライメント)方式を用いた場
合、ウェハステージSTを移動させてウェハW上の回折
格子状のマークをレーザビームに対して走査させる動作
が行われる。この走査においてレーザビーム位置に対す
る回折光の輝度のデータを処理することにより、回折格
子状のマーク位置の検出が行われる。この場合、回折光
の輝度信号の振幅と中心出力値を制御するための回路が
用意されており、回折格子状のマークの状態に応じて信
号出力を最適化することができるようになっている。し
かしながら、この回折光の輝度信号の振幅と中心出力値
を変更した場合には、再度、信号採取のためにレーザビ
ームに対してウェハステージSTを走査させる動作が必
要となる。この動作は1走査当たり1秒程度かかるため
処理時間が増加することになる。
【0058】本パラメータは、この最適化に要する処理
時間を短縮あるいは削除するために利用するもので、前
回の計測動作の際に最適化して決定した「ゲイン、オフ
セット」を記録しておき、次回の同一レイヤの処理の際
に、予め本パラメータの値を設定しておくことにより、
最適化のための複数回数のウェハステージSTの走査処
理を省略させることができる。
【0059】このウェハマーク位置計測処理用初期パラ
メータは複数の露光装置72間のアライメントセンサの
わずかな感度バラツキと比較して、ウェハW上のマーク
プロファイル等、回折光の出力に影響する要因が充分に
安定しているため、複数の露光装置間で共用することが
可能である。
【0060】さて図4に戻って、ステップS3での処理
を説明する。補正パラメータが装置個々に管理すべきパ
ラメータであるか否かを「装置固有パラメータ判定用識
別子」を用いて判断し、補正パラメータが「固有」と判
断された場合には、この補正パラメータが当該露光装置
に適合しているかを「装置情報」に基づいて判定する
(ステップS4)。
【0061】「装置情報」が適合する場合、あるいはス
テップS3での判断結果が「共有」であった場合には、
ステップS5に移行して、事前に設定された「補正パラ
メータ」に所定の変換(演算)を加えて得た補正値に基
づいて補正動作を実行し、セットアップ処理を終了す
る。
【0062】一方、ステップS2における判定結果が
「未計測」であった場合、あるいはステップS4での判
定結果が「不適合」の場合には、当該露光装置に適合す
る補正パラメータの計測が行われていないと判断して、
ステップS6に移行して補正パラメータの計測処理を実
行する。なお、ここで行う計測処理は、従来の「計測専
用プログラム」で行っていた処理と同一である。
【0063】ステップS6での計測が終了すると、得ら
れた結果に対して所定の変換を加えて正規化した「補正
パラメータ」および「計測状態判定用識別子」を「計測
済」に変更し、変更されたテーブルを記憶部74に格納
する(ステップS7)。
【0064】さらに、この補正パラメータの分類(「固
有」あるいは「共有」)を、「装置固有パラメータ判定
用識別子」により判定し(ステップS8)、「固有」で
ある場合に限って、当該露光装置(計測を行った露光装
置)の「装置情報」も併せて変更したテーブルを記憶部
74に格納する(ステップS9)。記憶部74に記憶さ
れたテーブルは、その後の処理条件による露光実行の
際、計測処理の省略のために有効に活用される。次に、
ステップS10にて計測した結果に基づいた補正動作を
実行し、セットアップ処理を終了する。
【0065】ステップS5あるいはステップS10でセ
ットアップ処理が終了したら、主制御系MCSは、各制
御ユニットに対して、露光すべきウェハWを露光装置本
体内部に搬入するよう指令する(ステップS11)。次
に、ステップS12において、ウェハWに形成されたア
ライメントマークを用いてアライメントを行った後、レ
チクルRのパターンの像をウェハW上に露光する露光動
作を行う。その後、露光の終了したウェハWを搬出し、
未露光のウェハWが残っていればステップS11に戻
り、未処理のウェハWがなくなるまで、ステップS1
1、S12を順に繰り返す(ステップS13)。
【0066】以上説明した本実施の形態での効果を従来
の露光方法と対比して述べれば以下のようになる。補助
記憶装置内に格納された従来の処理条件ファイルでは、
予め計測した補正パラメータを保存するだけの領域だけ
が用意されていた。この領域は、新い処理条件が定義さ
れた際に初期化され、「計測専用プログラム」を実行す
ることにより適正な補正パラメータが求められて格納さ
れる。露光処理がオペレータにより指示されると、「露
光プログラム」は当該露光装置に関する補正パラメータ
を補助記憶装置の中から取得し、この値に基づいて所定
の補正動作を行っていた。この一連の処理において、オ
ペレータの操作ミスや計測漏れ等が生じてしまうと、有
効な補正パラメータが設定されず最適な補正を行うこと
はできない。
【0067】これに対し、本実施の形態では、予め計測
して補助記憶内に格納しておくことによりセットアップ
処理での計測動作を省略できる補正パラメータに関し
て、その「設定状態(補正パラメータの値が有効か無効
か)」と「正規化した計測結果(補正パラメータ)」と
を格納するようにしている。また、装置固有の状態に左
右される項目については、これを示す「判定用情報(装
置固有パラメータ判定用識別子)」と、補正パラメータ
を計測した装置を識別するための「装置情報(装置番号
等)」も記憶媒体に格納するようにしている。
【0068】そして、「計測専用プログラム」を別個に
起動させる代わりに、オペレータが習熟している「生産
(露光)用プログラム」でのセットアップ処理の中に
「計測処理」を加えるようにした。そのため、従来、オ
ペレータ自身で判断して手動で行っていた計測項目の判
断とその処理実行、および記憶媒体への記録という一連
の処理を自動化することができた。本実施の形態によ
り、ウェハ露光のために利用する「露光プログラム」を
実行するだけで、補正パラメータの計測に関する一連の
「判断」と計測の「実行」、および結果の「記録」を容
易に行うことができるようになる。
【0069】従って、本実施の形態による露光方法によ
れば、工程の切り替え毎に行われるセットアップ処理に
要するセットアップ時間を短縮させて、露光装置のスル
ープットを向上させることができるようになる。
【0070】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の
変形が可能である。露光装置としては、レチクルRとウ
ェハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光
し、ウェハWを順序ステップ移動させるステップ・アン
ド・リピート型の露光装置でも、レチクルRとウェハW
とを同期移動してレチクルRのパターンを露光する走査
型の露光装置にも適用することができる。
【0071】また、露光光としてKrFエキシマレーザ
(248nm)、ArFエキシマレーザ(193n
m)、F2レーザ(157nm)のみならず、X線や電
子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、
電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型の
ランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用
いることができる。
【0072】投影光学系PLの倍率は縮小系のみならず
等倍および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系
PLとしては、エキシマレーザを用いる場合は硝材とし
て石英や蛍石を用い、X線を用いる場合は反射屈折系の
光学系にし(レチクルも反射型タイプのものを用い
る)、また、電子線を用いる場合には光学系として電子
レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよ
い。なお、電子線が通過する光路は真空状態にすること
はいうまでもない。
【0073】また、投影光学系PLを用いることなくレ
チクルRとウェハWとを密接させてレチクルRのパター
ンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用すること
ができる。
【0074】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、工程の切
り替え毎に行われるセットアップ処理に要するセットア
ップ時間を短縮させて、露光装置のスループットを向上
させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による回路パターン製造
装置で用いられる露光装置の概略の構成を示す図であ
る。
【図2】本発明の一実施の形態による回路パターン製造
装置の概略の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態による回路パターン製造
方法で用いられるテーブルの構成を説明する図である。
【図4】本発明の一実施の形態による回路パターン製造
方法を説明するフローチャートを示す図である。
【図5】一般的な露光動作フローを示す図である。
【図6】従来のセットアップ処理の手順を説明する図で
ある。
【符号の説明】
R レチクル PL 投影光学系 W ウェハ FM 基準板 MCS 主制御系 WSC ウェハステージコントローラ RSC レチクルステージコントローラ ST1 XYステージ ST2 Zステージ SP スリット像 15 投光器 16、20 平行平板ガラス 18a、18b 駆動部 21 受光器 32 オートフォーカスセンサ検出部 101、102、103 信号処理装置 202 画像処理装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の露光装置を制御してレチクルのパタ
    ーンの像を基板に露光する回路パターン製造方法におい
    て、 露光に必要な複数の露光データのうち、それぞれの露光
    装置固有の露光データを計測するステップと、 前記複数の露光データのうち、前記複数の露光装置間で
    共用できる露光データを識別するステップとを含むこと
    を特徴とする回路パターン製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の回路パターン製造方法にお
    いて、 前記露光装置固有の露光データは、前記レチクルを載置
    するレチクルステージ上での前記レチクルの載置位置に
    関するデータであることを特徴とする回路パターン製造
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の回路パターン製
    造方法において、 前記複数の露光装置間で共用できる露光データは、前記
    基板上に形成されたアライメントマークを検出する際の
    検出系に関するデータであることを特徴とする回路パタ
    ーン製造方法。
  4. 【請求項4】複数の露光装置を制御してレチクルのパタ
    ーンの像を基板に露光する回路パターン製造装置におい
    て、 前記露光に際し、複数の露光データを計測する計測装置
    と、 前記複数の露光データのうち、前記複数の露光装置間で
    共用できる露光データと、前記露光装置固有の露光デー
    タとを記憶する記憶部とを設けたことを特徴とする回路
    パターン製造装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の回路パターン製造装置にお
    いて、 前記記憶部は、前記レチクルを載置するレチクルステー
    ジ上での前記レチクルの載置位置に関するデータを前記
    露光装置固有の露光データとして記憶していることを特
    徴とする回路パターン製造装置。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載の回路パターン製
    造装置において、 前記記憶部は、前記基板上に形成されたアライメントマ
    ークを検出する際の検出系に関するデータを前記複数の
    露光装置間で共用できる露光データとして記憶している
    ことを特徴とする回路パターン製造装置。
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