JPH1121281A - 2,4−オキサゾリジンジオンの製造方法 - Google Patents

2,4−オキサゾリジンジオンの製造方法

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JPH1121281A
JPH1121281A JP17477297A JP17477297A JPH1121281A JP H1121281 A JPH1121281 A JP H1121281A JP 17477297 A JP17477297 A JP 17477297A JP 17477297 A JP17477297 A JP 17477297A JP H1121281 A JPH1121281 A JP H1121281A
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JP17477297A
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Masaharu Dotani
正晴 銅谷
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D263/00Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings
    • C07D263/02Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings not condensed with other rings
    • C07D263/30Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D263/34Heterocyclic compounds containing 1,3-oxazole or hydrogenated 1,3-oxazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D263/44Two oxygen atoms

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】精製2,4-オキサゾリジンジオンを、高価なアル
カリ金属化合物を使用することなく、簡単な精製法で容
易に高収率で製造する方法を提供する。 【解決手段】2-ヒドロキシカルボン酸エステルと尿素と
を反応させて2,4-オキサゾリジンジオンを合成し、得ら
れた反応生成液から蒸留により未反応2-ヒドロキシカル
ボン酸エステルおよび触媒を分離し、2,4-オキサゾリジ
ンジオンを主成分とする留分から水を用いた晶析または
抽出により精製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2,4-オキサゾリジ
ンジオンの製造方法に関する。更に詳しくは、2-ヒドロ
キシカルボン酸エステルと尿素とを原料とする精製2,4-
オキサゾリジンジオンを製造する方法に関する。2,4-オ
キサゾリジンジオンは、例えば、写真用黄色カプラーの
製造中間体として、あるいは医薬品の製造中間体として
重要な物質である。
【0002】
【従来技術】2-ヒドロキシカルボン酸エステルと尿素と
を原料とする精製2,4-オキサゾリジンジオンの製造方法
としては、従来、2-ヒドロキシカルボン酸エステルと尿
素とをエタノール中、当量のナトリウムエチラートの存
在下に加熱して2,4-オキサゾリジンジオン類のナトリウ
ム塩を得、これを水に溶解した後、酸で中和し、次いで
エーテルにて抽出後、蒸留により精製2,4-オキサゾリジ
ンジオンを得る方法〔ジヤーナル オブ アメリカン
ケミカル ソサィアティ (JACS) 63巻2376-2379 頁
(1941)〕が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の精製2,4-オキサ
ゾリジンジオンの製造方法は、高価なアルカリ金属化合
物を当量必要である。しかも、このために、反応で得ら
れる2,4-オキサゾリジンジオンはアルカリ金属塩であ
り、遊離の2,4-オキサゾリジンジオンを得るためには、
酸による中和、脱塩のための溶媒抽出、および蒸留等の
繁雑な精製操作が必要である。本発明の目的は、高価な
アルカリ金属化合物を使用することなく、しかも簡単な
精製法で容易に、精製2,4-オキサゾリジンジオンを高収
率で製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
課題を有する2,4-オキサゾリジンジオンの製造法につい
て鋭意検討を行った結果、先に2-ヒドロキシカルボン酸
エステルと尿素とを触媒の存在下100〜250℃の温
度で反応させることにより、高価なアルカリ金属化合物
を使用することなく、2,4-オキサゾリジンジオンを高収
率で容易に得られることを見出し、特許出願を行った
(特開平9−48769号)。本発明者は、更に検討を
重ねた結果、上記で得られた反応生成液中には副生物と
して2-ヒドロキシカルボン酸アミドおよびカルバミン酸
エステルが存在すること、この中の2-ヒドロキシカルボ
ン酸アミドは2,4-オキサゾリジンジオンとの分離が困難
であること、反応生成液から蒸留により未反応2-ヒドロ
キシカルボン酸エステルおよび触媒を分離した後、水を
用いて晶析あるいは抽出により精製することにより精製
2,4-オキサゾリジンジオンが容易に得られることを見出
し本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、2-ヒドロキシカルボン
酸エステルと尿素とから精製2,4-オキサゾリジンジオン
を製造するに際し、[A] 一般式(1)で表される2-
ヒドロキシカルボン酸エステルと尿素とを、触媒の存在
下100〜250℃の温度で反応させて、一般式(2)
で表される2,4-オキサゾリジンジオンを合成する工程、
[B] 工程[A]で得られた反応生成液から蒸留によ
り未反応2-ヒドロキシカルボン酸エステルを主成分とす
る低沸点留分、2,4-オキサゾリジンジオンを主成分とす
る留分および触媒含有高沸成分に分離する工程、[C]
工程[B]で得られた2,4-オキサゾリジンジオンを主
成分とする留分から水を用いて精製することにより精製
2,4-オキサゾリジンジオンを得る工程の3工程からなる
ことを特徴とする2,4-オキサゾリジンジオンの製造方法
である。
【化3】
【化4】 (式中、R1 ,R2 はそれぞれ独立に、水素原子、低級
アルキル基、フェニル基、ベンジル基または複素環基で
あり、R3 は低級アルキル基である。)
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の工程[A]の反応は、2-
ヒドロキシカルボン酸エステルと尿素の混合液に触媒を
添加し、次いで加熱することにより行われる。原料に用
いられる2-ヒドロキシカルボン酸エステルとしては、例
えば、グリコール酸、乳酸、2-ヒドロキシ酪酸、2-ヒド
ロキシイソ酪酸、2-ヒドロキシ吉草酸、2-ヒドロキシヘ
キサン酸、マンデル酸、2-ヒドロキシ-3- フェニルプロ
ピオン酸、2-(2- チエニル)グリコール酸、などの2-ヒ
ドロキシカルボン酸類の低級アルキルエステルが挙げら
れる。原料の2-ヒドロキシカルボン酸エステルと尿素と
の比率は、尿素1モルに対して2-ヒドロキシカルボン酸
エステルを1〜5モルの範囲とすることが望ましい。尿
素に対する2-ヒドロキシカルボン酸エステルのモル比が
1未満の場合には、尿素自身の副反応により2,4-オキサ
ゾリジンジオンの選択率が低下する。また尿素に対する
2-ヒドロキシカルボン酸エステルのモル比が5より大き
い場合には、回収循環される2-ヒドロキシカルボン酸エ
ステルが多くなるため、経済的に好ましくない。
【0007】工程[A]の反応は、反応温度を100℃
以上にすることにより触媒を用いなくとも進行するが、
触媒を用いる方がより好適である。触媒は、銅、ベリリ
ウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、アル
ミニウム、チタン、錫、鉛、バナジウム、アンチモン、
ビスマス、クロム、モリブデン、テルル、マンガンおよ
び鉄から選ばれた一種以上の金属単体または化合物が好
適であり、一般に、これらの金属粉、金属板、酸化物、
水酸化物、無機塩、炭酸塩、塩基性炭酸塩、有機酸塩等
が用いられる。また、これらの触媒が反応系中に存在す
る有機化合物、例えば、2-ヒドロキシカルボン酸エステ
ル、2,4-オキサゾリジンジオン、尿素、アンモニア等と
反応したものも用いられる。これらの触媒は1種類でも
良いし、2種類以上と混合して用いることもできる。ま
た、反応に不活性な化合物や担体と混合したり、あるい
はこれらに担持させて使用することもできる。触媒の使
用量は特に制限されないが、通常、尿素1モルに対し
て、これらの金属化合物が0.0001〜10モル、好
ましくは0.001〜1モルの範囲となる量が用いられ
る。
【0008】工程[A]の反応は、2-ヒドロキシカルボ
ン酸エステル、尿素および触媒の混合物を反応温度に保
持し、同時に反応混合物から生成したアンモニアを除去
することにより行われる。アンモニアを除去するため
に、反応の間、反応条件下で不活性なガスを反応液中へ
導入する方法も効果的であるが、不活性ガスに代えて、
原料あるいは溶媒の還流下で反応を行う方法がより効果
的である。原料あるいは溶媒が高沸点の場合には減圧下
で還流を行わせることが望ましい。原料あるいは溶媒の
還流量は生成するアンモニア1モルに対して1〜100
モルとする。
【0009】反応温度は100〜250℃の範囲であ
り、120〜200℃が好適である。反応温度が低すぎ
る場合には反応速度が遅く、高すぎる場合には副反応量
が増大する。反応時間は、原料の2-ヒドロキシカルボン
酸エステルの種類、触媒の種類および量、反応温度によ
り異なるが、通常は0.5〜20時間である。
【0010】工程[B]の反応生成液から蒸留により未
反応2-ヒドロキシカルボン酸エステルおよび触媒を分離
する工程は、通常の蒸留工程であり、先ず2,4-オキサゾ
リジンジオンより低沸点物質である未反応2-ヒドロキシ
カルボン酸エステルを主成分とする低沸点留分を分離
し、次いで2,4-オキサゾリジンジオンを主成分とする留
分を得る。回収された未反応2-ヒドロキシカルボン酸エ
ステルを主成分とする低沸点留分および触媒含有高沸成
分(釜残)は反応系へ循環し再使用される。工程[B]
で得られる2,4-オキサゾリジンジオンを主成分とする留
分中には、反応で副生する2-ヒドロキシカルボン酸アミ
ドおよびカルバミン酸エステル等が含有されるが、これ
ら副生物は次の工程[C]で分離精製される。蒸留条件
は、常圧でも減圧でも良く、原料2-ヒドロキシカルボン
酸エステルおよび生成2,4-オキサゾリジンジオンの種類
により異なる。
【0011】本発明の工程[C]では、工程[B]で得
られた2,4-オキサゾリジンジオンを主成分とする留分か
ら水を用いて晶析法あるいは抽出法により精製すること
により精製2,4-オキサゾリジンジオンが得られる。
【0012】晶析法の場合には、工程[B]で得られた
2,4-オキサゾリジンジオンを主成分とする留分へ水を添
加し、溶解後、晶析により精製2,4-オキサゾリジンジオ
ンが得られる。水の添加量は、多いと精製2,4-オキサゾ
リジンジオンの結晶取得率が低下することから、原料の
2,4-オキサゾリジンジオンを主成分とする留分に対して
重量比で2以下が好ましい。なお水の添加量が少すぎる
と精製2,4-オキサゾリジンジオンの純度が低下する。水
を添加した後の溶解温度は、2,4-オキサゾリジンジオン
および含有される副生物の種類により異なり一概に言え
ないが、通常は常圧下に於ける水の沸点である100℃
以下である。
【0013】2,4-オキサゾリジンジオンの結晶を析出さ
せる方法は、通常の冷却法で良い。この際の冷却温度は
高い結晶取得率を得るために出来るだけ低温が望まし
い。冷却後の濾過で得られた2,4-オキサゾリジンジオン
の1次結晶中には副生物を溶解した濾液が少量含有され
る。従って高純度の2,4-オキサゾリジンジオンを得るた
めには、少量の水にて結晶を洗浄することが効果的であ
る。結晶の洗浄に使用する水の量は2,4-オキサゾリジン
ジオンの種類により一概に言えないが、通常は2,4-オキ
サゾリジンジオンの1次結晶に対して重量比で1以下が
用いられる。また使用する水の温度は、2,4-オキサゾリ
ジンジオン結晶の水への溶解損失を少なくするために、
出来るだけ低温が望ましい。このようにして得られた2,
4-オキサゾリジンジオンの結晶中には、洗浄で使用した
水が少量含有されるので、乾燥または蒸留により除去し
て精製2,4-オキサゾリジンジオンを得られる。
【0014】晶析で分離された濾液中には、2,4-オキサ
ゾリジンジオンおよび反応副生物である2-ヒドロキシカ
ルボン酸アミド、カルバミン酸エステル等が溶解してい
る。この濾液から溶媒抽出により2,4-オキサゾリジンジ
オンを回収することにより、あるいは該濾液を蒸留によ
り水を分離した後、反応系へ循環するか、尿素または炭
酸ジエステルと反応させることにより、精製2,4-オキサ
ゾリジンジオンの収率を向上させることが出来る。ま
た、1次結晶の洗浄により得られた洗液は、晶析の最初
の添加水として使用することにより、洗液中に溶解して
いる2,4-オキサゾリジンジオンが全量回収され、精製2,
4-オキサゾリジンジオンの収率を向上させることが出来
る。
【0015】抽出法の場合には、工程[B]で得られた
2,4-オキサゾリジンジオンを主成分とする留分へ水を添
加して溶解後、有機溶媒を用いて2,4-オキサゾリジンジ
オンを抽出させるか、あるいは該留分へ有機溶媒を添加
して溶解後、水を用いて反応副生物である2-ヒドロキシ
カルボン酸アミドおよびカルバミン酸エステルを抽出す
ることにより、2,4-オキサゾリジンジオン抽出液を得
る。水および有機溶媒の使用量は多いと経済的ではない
ことから、原料の2,4-オキサゾリジンジオンを主成分と
する留分に対して重量比でそれぞれ0.1〜100、好
ましくは0.2〜10の範囲となる量が用いられる。
【0016】使用する有機溶媒の種類は、2,4-オキサゾ
リジンジオンを溶解し水と分離するものであれば特に限
定されるものではないが、通常は、エーテル類、ハロゲ
ン化アルキル類、例えば、エチルエーテル、プロピルエ
ーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチ
ル-t- ブチルエーテル、エチル-t- ブチルエーテル、ジ
クロロメタン、クロロホルム、等が用いられる。
【0017】抽出の際、有機溶媒相へ副生物である2-ヒ
ドロキシカルボン酸アミドおよびカルバミン酸エステル
が一部溶解、あるいは水相へ2,4-オキサゾリジンジオン
が一部溶解するが、これらはそれぞれ水あるいは有機溶
媒にて逆抽出を行うことにより分離回収することが出来
る。また回収液は抽出の最初の仕込に使用される。この
ようにして得られた2,4-オキサゾリジンジオンを抽出液
から蒸留により溶媒を留去することにより精製2,4-オキ
サゾリジンジオンを得られる。
【0018】なお本発明の工程[A]から[C]で示さ
れる各工程は回分式、連続式のいずれの方法でも行うこ
とができる。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明をより具体的に説明
する。ただし本発明はこれらの実施例により制限される
ものではない。
【0020】実施例1 (工程[A])撹拌機、還流冷却器、および温度計を付
した500mlの三ツ口フラスコに、2-ヒドロキシイソ酪
酸メチル236.3g(2.00モル)、尿素60.1
g(1.00モル)および酸化鉛1.5gを入れ、70
0Torr、撹拌下140℃に加熱還流した。3時間反
応後、反応液温は170℃に達した。反応液を冷却して
247.7gの反応生成液を得た。反応液組成を液体ク
ロマトグラフィーで分析したところ、未反応2-ヒドロキ
シイソ酪酸メチル104.3g、生成した5,5-ジメチル
-2,4- オキサゾリジンジオン121.9g、副生2-ヒド
ロキシイソ酪酸アミド11.8g、副生カルバミン酸メ
チル3.1gであった。この結果は、2-ヒドロキシイソ
酪酸メチルの転化率は理論値50.0%に対して55.
8%であり、反応した2-ヒドロキシイソ酪酸メチル基準
の5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジオンの収率は8
4.7%である。
【0021】(工程[B])300ml蒸留フラスコに工
程[A]で得られた反応生成液の全量を入れ減圧蒸留を
行い、2-ヒドロキシイソ酪酸メチルを主成分とする低沸
点留分(〜20 Torr,50℃)104.8g、5,5-ジメチ
ル-2,4- オキサゾリジンジオンを主成分とする留分(〜
12Torr, 154℃)118.7g、触媒含有高沸成分
(釜残)20.5gを得た。各留分および釜残組成を液
体クロマトグラフィーで分析したところ、低沸点留分中
の2-ヒドロキシイソ酪酸メチル103.1g、主留分中
の5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジオン104.4
g、2-ヒドロキシイソ酪酸アミド9.7g、カルバミン
酸メチル1.3g、釜残中の5,5-ジメチル-2,4- オキサ
ゾリジンジオン17.4gであった。
【0022】(工程[C])300mlビーカーに工程
[B]で得られた5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジ
オンを主成分とする留分の全量と水70gを入れ、50
℃に加温して均一に溶解後、5℃に冷却した。析出した
結晶を濾過し濾液を分離した後、得られた1次結晶を5
℃の冷水50gで洗浄後乾燥し精製5,5-ジメチル-2,4-
オキサゾリジンジオン85.2gを得た。回収濾液は7
0.9g、回収洗液は72.8gであった。得られた精
製5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジオンの純度、濾
液及び洗液の組成を液体クロマトグラフィーで分析した
ところ、精製5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジオン
純度の99.3%、濾液中の5,5-ジメチル-2,4- オキサ
ゾリジンジオン11.2g、2-ヒドロキシイソ酪酸アミ
ド7.7g、カルバミン酸メチル1.0g、洗液中の5,
5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジオン8.1g、2-ヒ
ドロキシイソ酪酸アミド1.7g、カルバミン酸メチル
0.2gであった。仕込み尿素基準での精製5,5-ジメチ
ル-2,4- オキサゾリジンジオンに純度を加味した5,5-ジ
メチル-2,4- オキサゾリジンジオンの正味収率は65.
5%である。
【0023】実施例2 (工程[A])実施例1と同様な装置に、2-ヒドロキシ
イソ酪酸メチル130.0g(1.10モル)、尿素6
0.1g(1.00モル)、および実施例1の工程
[B]で回収された2-ヒドロキシイソ酪酸メチルを主成
分とする低沸点留分および触媒含有高沸成分(釜残)の
全量を入れ、実施例1と同様にして3時間反応を行っ
た。反応液を冷却して269.0gの反応生成液を得
た。反応液組成を液体クロマトグラフィーで分析したと
ころ、未反応2-ヒドロキシイソ酪酸メチル109.0
g、生成した5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジオン
130.5g、副生2-ヒドロキシイソ酪酸アミド14.
5g、副生カルバミン酸メチル5.5gであった。この
結果は、2-ヒドロキシイソ酪酸メチルの転化率は理論値
50.0%に対して53.2%であり、反応した2-ヒド
ロキシイソ酪酸メチル基準の新たに生成した5,5-ジメチ
ル-2,4- オキサゾリジンジオンの収率は83.4%であ
る。
【0024】(工程[B])300ml蒸留フラスコに工
程[A]で得られた反応生成液の全量を入れ、減圧蒸留
を行い、2-ヒドロキシイソ酪酸メチルを主成分とする低
沸点留分(〜20 Torr,120℃)107.2g、5,5-ジ
メチル-2,4- オキサゾリジンジオンを主成分とする留分
(〜12 Torr,154℃)133.6g、触媒含有高沸分
(釜残)23.5gを得た。各留分および釜残組成を液
体クロマトグラフィーで分析したところ、低沸点留分中
の2-ヒドロキシイソ酪酸メチル105.0g、主留分中
の5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジオン114.8
g、2-ヒドロキシイソ酪酸アミド12.2g、カルバミ
ン酸メチル3.2g、釜残中の5,5-ジメチル-2,4- オキ
サゾリジンジオン19.7gであった。
【0025】(工程[C])300mlビーカーに工程
[B]で得られた5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジ
オンを主成分とする留分の全量と実施例1の工程[C]
で回収された洗液の全量を入れ、50℃に加温して均一
に溶解後、5℃に冷却した。析出した結晶を濾過し濾液
を分離した後、得られた1次結晶を5℃の冷水50gで
洗浄後乾燥し精製5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジ
オン97.3gを得た。回収濾液は82.4g、回収洗
液は55.7gであった。得られた精製5,5-ジメチル-
2,4- オキサゾリジンジオンの純度、回収濾液及び回収
洗液の組成を液体クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、精製5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリジンジオンの純
度99.2%、濾液中の5,5-ジメチル-2,4- オキサゾリ
ジンジオン15.7g、2-ヒドロキシイソ酪酸アミド1
2.1g、カルバミン酸メチル2.9g、洗液中の5,5-
ジメチル-2,4- オキサゾリジンジオン9.8g、2-ヒド
ロキシイソ酪酸アミド1.8g、カルバミン酸メチル
0.5gであった。仕込み尿素基準での5,5-ジメチル-
2,4- オキサゾリジンジオンの正味収率は74.8%で
ある。
【0026】実施例3 実施例2工程[C]で回収された晶出分離後の濾液の全
量にジイソプロピルエーテル50mlを添加し、5,5-ジメ
チル-2,4- オキサゾリジンジオンを抽出した。抽出操作
は2回行い、得られた抽出液の濃縮により5,5-ジメチル
-2,4- オキサゾリジンジオン14.9gを回収した。実
施例2の工程[C]で得られた精製5,5-ジメチル-2,4-
オキサゾリジンジオンと合わせると112.2gであ
り、仕込み尿素基準での収率は86.3%である。
【0027】実施例4 (工程[A])実施例1と同様な装置に、乳酸エチル3
54.4g(3.00モル)、尿素60.1g(1.0
0モル)および酸化亜鉛3.0gを入れ、常圧、撹拌下
155℃に加熱還流した。2時間反応後、反応液温は1
65℃に達した。反応液を冷却して348.6gの反応
生成液を得た。反応液組成を液体クロマトグラフィーで
分析したところ、未反応乳酸エチル226.8g、生成
した5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオン106.5
g、副生乳酸アミド6.7g、副生カルバミン酸エチル
2.9gであった。この結果は、乳酸エチルの転化率は
理論値33.3%に対して36.0%であり、反応した
乳酸エチル基準の5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオン
の収率は85.7%である。
【0028】(工程[B])500ml蒸留フラスコに工
程[A]で得られた反応生成液の全量を入れ、減圧蒸留
を行い、乳酸エチルを主成分とする低沸点留分(〜20 T
orr,120℃)228.9g、5-メチル-2,4- オキサゾ
リジンジオンを主成分とする留分(〜5 Torr,140
℃)100.4g、触媒含有高沸成分(釜残)16.8
gを得た。各留分および釜残組成を液体クロマトグラフ
ィーで分析したところ、低沸点留分中乳酸エチル22
5.8g、主留分中の5-メチル-2,4- オキサゾリジンジ
オン94.3g、乳酸アミド5.7g、カルバミン酸エ
チル0.9g、釜残中の5-メチル-2,4- オキサゾリジン
ジオン12.4gであった。
【0029】(工程[C])500ml分液ロートに工程
[B]で得られた5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオン
を主成分とする留分の全量と、メチル-t- ブチルエーテ
ル200gおよび水100gを入れ、振とう・分液を行
った。得られた上層の有機相を、更に水100g/回に
て2回洗浄後、蒸留にてメチル-t- ブチルエーテルを留
去し、精製5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオン64.
2gを得た。また、下層の水相を合わせた後、メチル-t
- ブチルエーテル70g/回にて3回抽出を行い、水相
中の5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオンを回収した。
得られた精製5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオンおよ
びおよび水相の抽出で回収された5-メチル-2,4- オキサ
ゾリジンジオン溶解メチル-t- ブチルエーテル溶液の組
成を液体クロマトグラフィーで分析したところ、精製5-
メチル-2,4- オキサゾリジンジオンの純度99.6%、
回収5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオン溶解メチル-t
- ブチルエーテル溶液中の5-メチル-2,4- オキサゾリジ
ンジオン28.7g、乳酸アミド0.5g、カルバミン
酸エチル0.2gであった。仕込み尿素基準での5-メチ
ル-2,4- オキサゾリジンジオンの正味収率は55.6%
である。
【0030】実施例5 (工程[A])実施例1と同様な装置に、乳酸エチル1
28.6g(1.09モル)、尿素60.1g(1.0
0モル)、実施例4の工程[B]で回収された乳酸エチ
ルを主成分とする低沸点留分および触媒含有高沸点釜残
の全量を加え、実施例1と同様にして2時間反応を行っ
た。反応液を冷却して368.8gの反応生成液を得
た。反応液組成を液体クロマトグラフィーで分析したと
ころ、未反応乳酸エチル228.9g、生成した5-メチ
ル-2,4- オキサゾリジンジオン115.9g、副生乳酸
アミド7.8g、副生カルバミン酸エチル3.3gであ
った。この結果は、乳酸エチルの転化率は理論値33.
3%に対して35.4%であり、反応した乳酸エチル基
準の新たに生成した5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオ
ンの収率は84.7%である。
【0031】(工程[B])500ml蒸留フラスコに工
程[A]で得られた反応生成液の全量を入れ減圧蒸留を
行い、乳酸エチルを主成分とする低沸点留分(〜20Tor
r, 120℃)229.3g、5-メチル-2,4- オキサゾ
リジンジオンを主成分とする留分(〜5Torr,140℃)
118.7g、触媒含有高沸成分(釜残)18.8gを
得た。各留分および釜残組成を液体クロマトグラフィー
で分析したところ、低沸点留分中乳酸エチル226.2
g、主留分中の5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオン1
06.4g、乳酸アミド6.6g、カルバミン酸エチル
1.2g、釜残中の5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオ
ン10.1gであった。
【0032】(工程[C])500ml分液ロートに工程
[B]で得られた5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオン
を主成分とする留分の全量に、実施例4の工程[C]で
回収された5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオン溶解メ
チル-t- ブチルエーテル溶液の全量および水100gを
加え、振とう・分液を行った。得られた上層の有機相
を、更に水100g/回にて2回洗浄後、蒸留にてメチ
ル-t- ブチルエーテルを留去し、精製5-メチル-2,4- オ
キサゾリジンジオン93.7gを得た。また、下層の水
相を合わせた後、メチル-t- ブチルエーテル100g/
回にて2回抽出を行い、水相中の5-メチル-2,4- オキサ
ゾリジンジオンを回収した。得られた精製5-メチル-2,4
- オキサゾリジンジオンおよび水相の抽出で回収された
5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオン溶解メチル-t- ブ
チルエーテル溶液の組成を液体クロマトグラフィーで分
析したところ、精製5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオ
ンの純度99.4%、回収5-メチル-2,4- オキサゾリジ
ンジオン溶解メチル-t- ブチルエーテル溶液中の5-メチ
ル-2,4- オキサゾリジンジオン39.5g、乳酸アミド
0.7g、カルバミン酸エチル0.3gであった。仕込
み尿素基準での5-メチル-2,4- オキサゾリジンジオンの
正味収率は80.9%である。
【0033】
【発明の効果】本発明の方法によれば、2-ヒドロキシカ
ルボン酸エステル類と尿素から精製2,4-オキサゾリジン
ジオンが、高価なアルカリ金属化合物を使用することな
く、しかも簡単な精製法で容易に高収率で製造できる。
従って本発明により、写真用黄色カプラーの製造中間体
として、あるいは医薬品の製造中間体として重要な精製
2,4-オキサゾリジンジオンが工業的に有利に得られるよ
うになり、本発明の工業的意義は大きい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2-ヒドロキシカルボン酸エステルと尿素と
    から精製2,4-オキサゾリジンジオンを製造するに際し、
    [A] 一般式(1)で表される2-ヒドロキシカルボン
    酸エステルと尿素とを、触媒の存在下100〜250℃
    の温度で反応させて、一般式(2)で表される2,4-オキ
    サゾリジンジオンを合成する工程、[B] 工程[A]
    で得られた反応生成液から蒸留により未反応2-ヒドロキ
    シカルボン酸エステルを主成分とする低沸点留分、2,4-
    オキサゾリジンジオンを主成分とする留分および触媒含
    有高沸成分に分離する工程、[C] 工程[B]で得ら
    れた2,4-オキサゾリジンジオンを主成分とする留分から
    水を用いて精製することにより精製2,4-オキサゾリジン
    ジオンを得る工程、の3工程からなることを特徴とする
    2,4-オキサゾリジンジオンの製造方法。 【化1】 【化2】 (式中、R1 ,R2 はそれぞれ独立に、水素原子、低級
    アルキル基、フェニル基、ベンジル基または複素環基で
    あり、R3 は低級アルキル基である。)
  2. 【請求項2】工程[A]で用いる触媒が、銅、ベリリウ
    ム、カルシウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、アルミ
    ニウム、チタン、錫、鉛、バナジウム、アンチモン、ビ
    スマス、クロム、モリブデン、テルル、マンガンおよび
    鉄から選ばれた一種以上の金属単体または化合物である
    請求項1記載の2,4-オキサゾリジンジオンの製造方法。
  3. 【請求項3】工程[B]で分離された未反応2-ヒドロキ
    シカルボン酸エステルを主成分とする低沸点留分および
    触媒含有高沸成分を工程[A]に循環使用する請求項1
    記載の2,4-オキサゾリジンジオンの製造方法。
  4. 【請求項4】工程[C]において、2,4-オキサゾリジン
    ジオンを主成分とする留分を水に溶解した後、晶析法に
    より精製する請求項1記載の2,4-オキサゾリジンジオン
    の製造方法。
  5. 【請求項5】工程[C]において、2,4-オキサゾリジン
    ジオンを主成分とする留分を水に溶解した後、有機溶媒
    を用いた抽出法により精製する請求項1記載の2,4-オキ
    サゾリジンジオンの製造方法。
  6. 【請求項6】工程[C]において、2,4-オキサゾリジン
    ジオンを主成分とする留分を有機溶媒に溶解した後、水
    を用いた抽出法により精製する請求項1記載の2,4-オキ
    サゾリジンジオンの製造方法。
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