JPH11212296A - 消去可能な画像形成材料および画像消去溶液 - Google Patents

消去可能な画像形成材料および画像消去溶液

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JPH11212296A
JPH11212296A JP1165498A JP1165498A JPH11212296A JP H11212296 A JPH11212296 A JP H11212296A JP 1165498 A JP1165498 A JP 1165498A JP 1165498 A JP1165498 A JP 1165498A JP H11212296 A JPH11212296 A JP H11212296A
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暁 高山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄された場合にも環境への影響が少ない、
消去可能な画像形成材料を提供する。 【構成】 呈色性化合物、顕色剤および消去剤を含有す
る画像形成材料であって、消去剤として、動物、植物ま
たは菌類から抽出される生分解可能なステロール化合物
および環式糖アルコールまたはその誘導体が含有されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消去可能な画像形成
材料およびこの画像形成材料を用いて形成された画像を
消去するために用いられる画像消去溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、OA化の普及により、各種情報の
データ量は拡大の一途をたどり、情報の出力もそれに合
わせて増加している。情報の出力は、ディスプレイ出
力、およびプリンターによる紙へのハードコピー出力に
代表される。しかし、ディスプレイ出力では、表示部に
大規模な回路基板が必要であるため、携帯性およびコス
トの観点から問題がある。また、ハードコピー出力で
は、情報が増加すると記録媒体としての紙を大量に使用
することになるので、資源保護の点で問題がある。しか
も、プリンターや複写機によって印刷された紙を再生す
るには、多量の漂白剤と水を必要とするため再生コスト
も高くなる。そこで、消去可能な画像形成材料を用いて
紙に情報を印刷し、この形成された画像を消去して白紙
状態に戻した紙を再使用( リユース)することにより実
質的な紙の使用量を減らすことが考えられている。
【0003】従来、熱を加えることにより消去可能な画
像形成材料は、例えば特開平7−81236号に開示さ
れている。この画像形成材料は、ロイコ染料などの呈色
性化合物と、顕色剤と、消去作用を有する有機リン酸化
合物とを含有するものである。
【0004】しかし、このような成分からなる画像形成
材料を用いた場合、消去が不十分で紙を白紙状態に戻す
ことが困難である。このため、消去可能な画像形成材料
は未だ実用化されていない。
【0005】そこで、本発明者らは加熱により良好な消
去状態が得られる新規な画像形成材料の開発を進めてい
るが、トナーのようにバインダーを含む画像形成材料を
使用する用途では、使用済みのトナーが廃棄物として排
出される場合に環境への悪影響が極力避けるように考慮
する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、廃棄
された場合にも環境への影響が少ない、消去可能な画像
形成材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成材料
は、呈色性化合物、顕色剤および消去剤を含有する画像
形成材料において、前記消去剤として、動物、植物また
は菌類から抽出される生分解可能なステロール化合物お
よび環式糖アルコールまたはその誘導体が含有されてい
ることを特徴とする。
【0008】本発明の画像消去溶液は、呈色性化合物お
よび顕色剤を含有する画像形成材料を用いて形成された
画像を消去するための、消去剤を含有する画像消去溶液
であって、前記消去剤として、動物、植物または菌類か
ら抽出される生分解可能なステロール化合物および環式
糖アルコールまたはその誘導体からなる群より選択され
る少なくとも1種が含有されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る画像形成材料は、呈
色性化合物と顕色剤と消去剤とを用いることにより画像
の形成・消去が可能になっている。まず、この消去可能
な画像形成材料を構成する基本的な成分の作用について
概略的に説明する。呈色性化合物とは文字や図形などの
発色画像を形成する色素の前駆体化合物であり、顕色剤
とは呈色性化合物との相互作用(主に電子またはプロト
ンの授受)により呈色性化合物を発色させる化合物であ
る。また、消去剤は、顕色剤および呈色性化合物のうち
一方に対して優先的に相溶性を示す化合物である。
【0010】これらの成分からなる画像形成材料の組成
系は、固化したときに以下に示す2つの状態を取り得
る。すなわち、(1)消去剤が平衡溶解度に相当するだ
けの量の呈色性化合物および顕色剤と混合し、消去剤へ
の平衡溶解度を超える余剰の呈色性化合物および顕色剤
が消去剤と相分離して、呈色性化合物と顕色剤とが相互
作用により発色した状態、および(2)消去剤が顕色剤
または呈色性化合物を平衡溶解度を超えて多量に取り込
み、呈色性化合物と顕色剤との相互作用が減少して消色
した状態、である。
【0011】この発色状態と消色状態との間の状態変化
は以下のような原理でなされる。ここでは、組成系が溶
融して流動状態にあるときに、消去剤が顕色剤を優先的
に溶解すると想定して説明する。室温においては、呈色
性化合物および顕色剤の相と消去剤の相とが相分離した
状態が平衡状態に近い。この場合、呈色性化合物と顕色
剤とが互いに相互作用して発色状態になっている。この
状態から、組成系を融点以上に加熱すると、顕色剤が流
動状態の消去剤に優先的に溶解し、呈色性化合物との相
互作用を失うため消色状態になる。溶融状態にある組成
系を冷却することによって強制的に固化すると、消去剤
は平衡溶解度を越えた量の顕色剤を取り込んで非晶質化
し、室温で無色になる。非晶質の組成系は、相対的には
非平衡な状態にあるが、ガラス転移点Tg以下の温度で
は十分長寿命であり、Tgが室温以上であるならば非晶
質状態から容易に平衡状態に移ることはない。
【0012】次に、本発明の画像形成材料の成分として
用いることができる具体的な化合物について説明する。
本発明で用いられる呈色性化合物としては、ロイコオー
ラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビ
ノール類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン
類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピ
ラン類、フルオラン類などの電子供与性有機物が挙げら
れる。
【0013】具体的な呈色性化合物として、クリスタル
バイオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーン
ラクトン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピルア
ミノ)フルオラン、3−[4−(4−フェニルアミノフ
ェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7−ク
ロロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N
−イソブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−ア
ニリノ−6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラ
ン、3−クロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオ
ラン、2−クロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラ
ン、7−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N
−ジエチルアミノ)フルオラン、3,6−ビス(ジエチ
ルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロアニリノ)
ラクタム、3−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−キシリジノフルオラ
ン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−
ベンゾフルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2
−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ジ
メチルエトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メトキシ−7−アミノフルオラン、DEPM、ATP、
ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチル
アミノフルオラン、クリスタルバイオレットカルビノー
ル、マラカイトグリーンカルビノール、N−(2,3−
ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイル
オーラミン、ローダミンBラクタム、N−アセチルオー
ラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニルイミ
ノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、
N,3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラ
ン、8’−メトキシ−N,3,3−トリメチルインドリ
ノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−6−メチ
ル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジ
ルオキシフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、3,6−ジ−p−トルイジノ−4,5
−ジメチルフルオラン、フェニルヒドラジド−γ−ラク
タム、3−アミノ−5−メチルフルオランなどが挙げら
れる。これらは単独で、または2種以上を混合して用い
ることができる。呈色性化合物を適宜選択すれば多様な
色の発色状態が得られることから、マルチカラー対応が
可能である。
【0014】本発明で用いられる顕色剤としては、フェ
ノール、フェノール金属塩、カルボン酸金属塩、ベンゾ
フェノン、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸、リン酸
金属塩、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属
塩、亜リン酸、亜リン酸金属塩などの酸性化合物が挙げ
られる。これらは単独で、または2種以上を混合して用
いることができる。
【0015】本発明で用いられる消去剤は、非晶質状態
にあるときに無色性が良好であることが望ましい。消去
剤が非晶質状態で無色透明であるほど、インクの色を消
去した時に紙を元の白紙に近い状態に戻すことができ
る。このような性質が要求されるので、消去剤は、分子
量が大きく、かつ重量当りの結晶融解エンタルピー変化
ΔHが小さく、最大結晶成長速度MCVの小さい化合物
であることが好ましい。消去剤の結晶の融解エンタルピ
ー変化ΔHが小さいと、その結晶の融解に要する熱エネ
ルギー量が少量となるので、省エネルギーの点でも好ま
しい。なお、消去剤の融点は50℃以上であることが好
ましい。また、消去剤は顕色剤との親和性が高いことが
好ましく、例えばアルコール性ヒドロキシル基を有する
化合物が好適である。
【0016】本発明においては、環境への影響を考慮し
て、消去剤として動物、植物または菌類から抽出される
生分解可能なステロール化合物、および環式糖アルコー
ルまたはその誘導体が用いられる。
【0017】消去剤のうち、動物、植物または菌類から
抽出される生分解可能なステロール化合物としては、各
種の動物ステリン、植物ステリン、菌類ステリンが用い
られる。具体的には、動物ステリンとしては、コレステ
ロール、ラノステロール、ラノスタジエール、アグノス
テロール、コレスタノール、コプロスタノール、オスト
レアステロール、アクチニアステロール、スポンゴステ
ロール、クリオナステロールなどが挙げられる。胆汁酸
としては、コラン酸、コール酸、ヒオデオキシコール
酸、リトコール酸などがある。植物ステリンとしては、
ステグマステロール、α−シトステロール、β−シトス
テロール、γ−シトステロール、ブラシカステロール、
ビタミンDなどが挙げられる。菌類ステリンとしては、
エルゴステロールなどが挙げられる。これらのうち1種
または2種以上を用いることができる。また、ラノリン
アルコールのように本来的に混合物である材料を用いて
もよい。
【0018】一方、生物ステロールであっても、ジキラ
ニド、ジゴキシゲニン、ジギトキシン、ジギトキシゲニ
ン、ブフォタリン、ブフォトキシン、ストロファンチ
ン、ストロファンチジン、シラレンのように毒性の強い
材料を使用するのは不適当である。
【0019】消去剤のうち、環式糖アルコールおよびそ
の誘導体は、組成系の相分離を抑制する作用を有する。
環式糖アルコールおよびその誘導体としては、D−グル
コース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−フル
クトース、L−ソルボース、L−ラムノース、L−フコ
ース、D−リボデソース、α−D−グルコース=ペンタ
アセテート、アセトグルコース、ジアセトン−D−グル
コース、D−グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−
グルコサミン、D−フルクトサミン、D−イソ糖酸、ビ
タミンC、エルトルビン酸、トレハロース、サッカロー
ス、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラ
クトース、メリビオース、ラフィノース、ゲンチアノー
ス、メレジトース、スタキオース、メチル=α−グルコ
ピラノシド、サリシン、アミグダリン、オイキサンチン
酸、1,2:5,6−ジイソプロピリデン−D−マンニ
トールなどが挙げられる。これらのうち1種または2種
以上を用いることができる。
【0020】本発明の画像形成材料中の呈色性化合物、
顕色剤および消去剤の好ましい配合比は以下の通りであ
る。顕色剤の配合比は、呈色性化合物1重量部に対して
0.1〜10重量部、さらには1〜2重量部に設定する
ことが好ましい。顕色剤が0.1重量部未満の場合に
は、呈色性化合物と顕色剤との相互作用による画像形成
材料の発色が不十分になる。顕色剤が10重量部を超え
る場合には両者の相互作用を十分に減少させることが困
難となる。消去剤の配合比は、呈色性化合物1重量部に
対し1〜200重量部、さらには10〜100重量部に
設定することが好ましい。消去剤が1重量部未満では、
画像形成材料の発色状態と消色状態との間の状態変化を
起こさせることが困難になる。消去剤が200重量部を
超えると、画像形成材料の発色が不十分になる。
【0021】本発明に係る画像形成材料は様々な形態で
使用することができる。たとえば、サーマルプリンター
のインク;インクジェットプリンターのインク;コピー
機(PPC)、レーザービームプリンター、ファックス
などのトナー;スクリーン印刷や活字印刷などの印刷イ
ンク;ボールペンや万年筆などの筆記用具のインクとし
て用いることができる。サーマルプリンターのインク
は、呈色性化合物、顕色剤、消去剤、ワックスなどを混
合してプラスチックシートに塗布して使用される。イン
クジェットプリンターのインクは、呈色性化合物、顕色
剤、消去剤などを溶媒に分散させて使用される。トナー
は、呈色性化合物、顕色剤、消去剤、バインダーなどを
含む組成物を粉砕することにより調製される。この場
合、代表的なバインダーとしては、ポリスチレン、スチ
レン−アクリル系共重合体、ポリエステル、エポキシ樹
脂などが挙げられる。
【0022】バインダーを含む画像形成材料では、バイ
ンダーの平均分子量に応じて画像形成材料中の含有量を
適宜調整することが好ましい。これは、溶媒を使用して
画像を消去する場合に、バインダーの平均分子量が大き
いほど、溶媒とバインダーとの親和性が低下するためで
ある。
【0023】ポリスチレンをバインダーとして用いる場
合、平均分子量に応じて画像形成材料中の含有量を以下
のように調整することが好ましい。平均分子量10,0
0〜200,000の場合、30〜90wt%。平均分
子量200,000〜600,000の場合、30〜8
0wt%。平均分子量600,000〜1000,00
0の場合、30〜70wt%。
【0024】スチレン−アクリル系共重合体を構成する
アクリル系モノマーとしては、n−ブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、エチルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチ
ルアミノプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、ブチルアクリレート−N−(エトキシメチ
ル)アクリルアミド、エチレングリコールメタクリレー
ト、4−ヘキサフルオロブチルメタクリレートなどが挙
げられる。これらのアクリレートモノマーは1種または
2種以上用いることができる。また、スチレンおよびア
クリル系モノマーのほかに、ブタジエン、マレイン酸エ
ステル、クロロプレンなどを共重合させてもよいが、こ
れらの成分は10wt%以下とすることが好ましい。バ
インダー中のスチレンの割合は50wt%以上であるこ
とが好ましい。スチレン−アクリル系共重合体をバイン
ダーとして用いる場合、平均分子量に応じて画像形成材
料中の含有量を以下のように調整することが好ましい。
平均分子量10,00〜200,000の場合、30〜
95wt%。平均分子量200,000〜400,00
0の場合、30〜85wt%。平均分子量400,00
0〜1000,000の場合、30〜75wt%。
【0025】ポリスチレンとアクリル樹脂とのブレンド
ポリマーをバインダーとして用いてもよい。アクリル樹
脂は1種または2種以上用いることができる。なお、ブ
タジエン、マレイン酸エステル、クロロプレンなどを1
0%以下の割合で含有する共重合体を用いてもよい。バ
インダー中のポリスチレンの割合は50wt%以上であ
ることが好ましい。ポリスチレンとアクリル樹脂とのブ
レンドポリマーをバインダーとして用いる場合、平均分
子量に応じて画像形成材料中の含有量を以下のように調
整することが好ましい。平均分子量10,00〜20
0,000の場合、30〜95wt%。平均分子量20
0,000〜400,000の場合、30〜85wt
%。平均分子量400,000〜1000,000の場
合、30〜75wt%。
【0026】ポリエステルの原料であるカルボン酸と多
価アルコールは特に限定されない。カルボン酸として
は、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、こはく酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ピロメリット
酸、シトラコン酸、グルタコン酸、メサコン酸、イタコ
ン酸、テラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘミメリ
ト酸、メロファン酸、トリメシン酸、プレーニト酸、ト
リメリット酸、などが挙げられる。これらのうち1種ま
たは2種以上を用いることができる。多価アルコールと
しては、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ネオペンチルジオール、ヘキサメチレンジオー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ペンタグリ
セロール、ペンタエリトリトール、シクロヘキサンジオ
ール、シクロペンタンジオール、ピナコール、グリセリ
ン、エーテル化ジフェノール、カテコール、レゾルシノ
ール、ピロガロール、ベンゼントリオール、フロログル
シノール、ベンゼンテトラオールなどが挙げられる。こ
れらのうち1種または2種以上を用いることができる。
また、2種類以上のポリエステルのブレンドポリマーを
用いてもよい。ポリエステルをトナーのバインダーとし
て用いる場合、平均分子量に応じて画像形成材料中の含
有量を以下のように調整することが好ましい。平均分子
量10,00〜50,00の場合、30〜95wt% 平均分子量5,000〜10,000の場合、30〜9
0wt% 平均分子量10,000〜20,000の場合、30〜
87wt% 平均分子量20,000〜100,000の場合、30
〜85wt% 平均分子量100,000〜1000,000の場合、
30〜80wt% ポリエステルを熱転写インクのバインダーとして用いる
場合には、ワックス成分としてパラフィンが用いられる
ので、ポリエステルの含有量は2〜50wt%とするこ
とが好ましい。
【0027】エポキシ樹脂は原料としてエピクロルヒド
リンと多価のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合
物を用いて合成される。多価フェノール系化合物として
は、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフ
ェノールS、エーテル化ジフェノール、カテコール、レ
ゾルシン、ピロガロール、ベンゼントリオール、フロロ
グルシノール、ベンゼンテトラオールなどが挙げられ
る。これらのうち1種または2種以上が用いられる。ま
た、エポキシ樹脂に対して、フェノール樹脂、尿素樹
脂、メラニン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリウレタンなどを15wt
%以下の割合でブレンドしてもよい。
【0028】エポキシ樹脂をトナーのバインダーとして
用いる場合、平均分子量に応じて画像形成材料中の含有
量を以下のように調整することが好ましい。平均分子量
10,00〜50,00の場合、30〜95wt% 平均分子量5,0000〜10,000の場合、30〜
90wt% 平均分子量10,000〜20,000の場合、30〜
87wt% 平均分子量20,000〜100,000の場合、30
〜85wt% 平均分子量100,000〜1000,000の場合、
30〜80wt% エポキシ樹脂を熱転写インクのバインダーとして用いる
場合には、ワックス成分としてパラフィンが用いられる
ので、ポリエステルの含有量は2〜50wt%とするこ
とが好ましい。
【0029】また、環境への影響を考慮すれば、バイン
ダーとして、生分解性のある天然高分子材料、例えばで
んぷん、ゼラチン、セルロース・キトサン系ポリマー、
プルラン・キトサン系ポリマー、アラビノグラクタンな
どを添加してもよい。
【0030】上述した画像形成材料を用いて紙の上に形
成された画像を消去するには、画像形成材料を消去剤の
融点を超える温度に加熱する方法、または画像形成材料
を溶媒に接触させる方法が用いられる。
【0031】画像形成材料を加熱する方法では、上述し
たような原理で消去がなされる。加熱により画像を消去
する手段としては、ヒートローラー、サーマルプリンタ
ーヘッド(TPH)、サーマルバー、ホットスタンプ、
赤外線ランプ、熱風などを用いることができる。
【0032】画像形成材料を溶媒に接触させる方法で
も、加熱による方法とほぼ同様に以下のような原理で消
去がなされる。すなわち、紙上の発色状態にある画像形
成材料を溶媒に接触させると、溶媒によりバインダーが
膨潤または一部溶解する。この結果、顕色剤および消去
剤が比較的自由に動ける状態になり、顕色剤が消去剤と
混合し、顕色剤と呈色性化合物との相互作用が失われて
画像形成材料は消色する。そして、紙から溶媒を除去す
ると、消去剤が平衡溶解度を超えた量の顕色剤を取り込
んだ状態で非晶質化するため、画像形成材料の消去状態
が固定される。この消去状態は、室温において非常に安
定である。
【0033】溶媒による消去方法を用いる場合、溶媒に
消去剤を添加してもよい。たとえば、以下のような方法
で画像の形成および消去を行うことができる。 (1)呈色性化合物、顕色材およびステロール化合物を
含有する画像形成材料で画像を形成し、発色状態にある
画像形成材料を環式糖アルコールを含有する溶媒に接触
させて消去する。
【0034】(2)呈色性化合物、顕色材および環式糖
アルコールを含有する画像形成材料で画像を形成し、発
色状態にある画像形成材料をステロール化合物を含有す
る溶媒に接触させて消去する。
【0035】(3)呈色性化合物および顕色材を含有す
る画像形成材料で画像を形成し、発色状態にある画像形
成材料をステロール化合物および環式糖アルコールを含
有する溶媒に接触させて消去する。
【0036】溶媒により画像を消去した場合、消去状態
の紙の品質が向上する。この理由は以下の通りである。
すなわち、溶媒との接触により画像形成材料が消去され
た後に、バインダーに含まれたいた溶媒が気化すると、
バインダーが多孔質化し、その表面で光が散乱するため
反射が減少する。また、バインダーが広がるとともに画
像形成材料も広がるので、画像形成材料のある部分とな
い部分との境界が不明確になる。したがって、肉眼でも
手触りでも画像形成材料が残留していることがわからな
くなる。
【0037】溶媒との接触による消去方法に用いられる
画像消去装置は、呈色性化合物、顕色剤および消去剤を
含有し紙上で発色した画像形成材料を顕色剤および消去
剤を溶解する溶媒に接触させる手段と、紙から溶媒を除
去する手段とを有するか、または呈色性化合物および顕
色剤を含有し紙上で発色した画像形成材料を消去剤を含
有し顕色剤を溶解する溶媒に接触させる手段と、紙から
溶媒を除去する手段とを有する。
【0038】紙上で発色した画像形成材料を溶媒に接触
させる手段としては、容器に収容した溶媒に紙を浸漬す
るローラー、紙に溶媒を噴霧するスプレーノズル、紙に
溶媒を滴下するノズル、溶媒を紙に供給するグラビアロ
ーラーなどが用いられる。紙から溶媒を除去する手段と
しては、熱風、赤外線ランプ、ヒートローラー、ホット
プレス、サーマルプリンターヘッド(TPH)、サーマ
ルバーなどが用いられる。なお、気化しやすい溶媒を用
いた場合には、自然乾燥させてもよい。また、本発明の
装置には使用した溶媒を回収する手段を設けることが好
ましい。溶媒を用いる画像消去装置の具体例を図1〜図
5に示す。
【0039】図1の画像消去装置の下部には、溶媒容器
101およびこの溶媒容器101に溶媒102を供給す
る溶媒タンク103が設けられている。紙は画像が形成
された面を下にして一枚ずつ搬入ローラー104により
装置内へ搬入され、キャリヤーローラーにより搬送され
る。紙は浸漬ローラー105と対向ローラー106との
間を搬送される間に溶媒容器101に収容された溶媒1
02に浸漬され、画像が消去される。その後、紙はキャ
リヤーローラーにより搬送され、装置上部で後述する電
子冷却器の放熱器から発生する温風が当てられて乾燥さ
れた後、ヒートローラー107により加熱されるととも
にしわが伸ばされる。こうして溶媒が除去された紙は、
搬出ローラー108により装置外へ搬出され、ストッカ
ーに収容される。
【0040】この装置には、溶媒の回収機構が設けられ
ている。この回収機構は、吸着剤110および電子冷却
器111を封入した回収器と、循環ポンプ114とを主
要な構成要素としている。使用済みの溶媒は、溶媒容器
101から回収溶媒容器109に貯蔵される。回収溶媒
容器109で気化した溶媒は、電子冷却器(たとえばペ
ルチェ素子)111により冷却された吸着剤110で吸
着される。電子冷却器111の温度は、溶媒の蒸気圧が
100ppm以下になるように設定される。吸着剤11
0で吸着された溶媒は、循環ポンプ114で引かれ、吸
収フィルター113で吸収される。循環ポンプ114の
前段に吸収フィルター113を設けることにより、ポン
プ材質が溶媒におかされるのを防止することができる。
大気中の水分の混入を防ぐために、除湿機を設置しても
よい。電子冷却器111の放熱器112から発生する温
風は、上述したように溶媒に浸漬された後の紙を乾燥す
るために利用される。
【0041】図2の画像消去装置は、紙上の画像形成材
料に溶媒を接触させる手段としてグラビアローラー12
1を用いている以外は図1の装置とほぼ同様の構成を有
する。グラビアローラー121は回転して溶媒容器10
1の溶媒102に浸漬された後にブレード123により
その表面に付着する溶媒量が調整される。装置内に搬入
された紙がグラビアローラー121と対向ローラー12
2との間を通過する間に、グラビアローラー121によ
り紙に溶媒が供給され、画像が消去される。
【0042】図3の画像消去装置は、紙上の画像形成材
料に溶媒を接触させる手段としてポンプ131およびス
プレーノズル132を用い、溶媒を除去するためにラン
プヒーター133を用いている以外は図1の装置とほぼ
同様の構成を有する。装置内に搬入された紙に、溶媒容
器101から溶媒102をポンプ131でくみ上げてノ
ズル132からスプレーすることにより、画像が消去さ
れる。その後、搬送された紙は温風で乾燥されるととも
に、ランプヒーター133で加熱され、溶媒が除去され
る。
【0043】図4(A)〜(C)に溶媒を用いるバッチ
式の画像消去装置の例を示す。(A)は平面図、(B)
および(C)は側面図である。この装置の下部には、溶
媒タンク201が設けられ、溶媒202が収容されてい
る。この装置の上部には溶媒浸漬槽203が設けられて
いる。溶媒タンク201と溶媒浸漬槽203との間に
は、ケミカルポンプ204とこれに接続された液送パイ
プ205が設けられている。溶媒浸漬槽203の下部に
は、電子冷却器(たとえばペルチェ素子)206が放熱
面を上にして設けられている。電子冷却器206には電
源207から電力が供給される。
【0044】この装置を用い、以下のようにして画像の
消去が行われる。溶媒浸漬槽203の蓋を開いてその中
に100枚程度の紙の束を入れる。ケミカルポンプ20
4により溶媒タンク201から溶媒浸漬槽203へ溶媒
202を供給し、紙を溶媒に浸漬して画像を消去する。
その後、ケミカルポンプ204により溶媒タンク201
から溶媒浸漬槽203へ溶媒を排出する。さらに、電子
冷却器206の放熱を利用して紙から溶媒を除去する。
また、気化した溶媒を電子冷却器206により冷却して
回収することができる。
【0045】図5に溶媒を用いるインライン式の大型プ
ラントの例を示す。この装置では、以下のようにして画
像の消去が行なわれる。紙の束301をコンベア302
により溶媒処理槽303に入れて溶媒304に浸漬して
画像を消去する。溶媒処理槽303内の紙の束301は
コンベア305により取り出され、一次乾燥場に送られ
る。一次乾燥場でヒーター306とファン307により
熱風が供給されることにより、紙はバラバラになって乾
燥され、さらに二次乾燥場へと送られる。二次乾燥場で
は紙はコンベア308により搬送されている間に赤外線
ヒーター309により完全に乾燥される。乾燥した紙
は、収納庫310に貯蔵される。
【0046】本発明において用いられる溶媒は、(A)
顕色剤と消去剤との間の水素結合の形成を助ける性質を
有することが好ましく、さらに(B)バインダーとの親
和性が高く画像形成材料の内部にまで浸透しやすい性質
を有することが好ましい。上記の(A)の性質を満たす
溶媒は単独で使用することができる。また、2種以上の
溶媒を混合して上記の2つの性質を満たすようにしても
よい。
【0047】上記の(A)および(B)の両方の性質を
有する溶媒としては、エーテル、ケトン、エステルなど
が挙げられる。具体例は、飽和エーテル、たとえばエチ
ルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロ
ピルエーテル、イソペンチルメチルエーテル、ブチルエ
チルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、エチルイソペンチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ
ヘキシルエーテル;不飽和エーテル、たとえばエチルビ
ニルエーテル、アリルエチルエーテル、ジアリルエーテ
ル、エチルプロパルギルエーテル;二価アルコールのエ
ーテル、たとえば2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジメ
トキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジ
ブトキシエタン;環状エーテル、たとえばオキセタン、
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキソラ
ン、ジオキサン、トリオキサン;飽和ケトン、たとえば
アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケト
ン、ジエチルケトン、イソプロピルメチルケトン、ブチ
ルメチルケトン、エチルプロピルケトン、イソブチルメ
チルケトン、ピナコロン、メチルペンチルケトン、ブチ
ルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケ
トン、ヘキシルメチルケトン、イソヘキシルメチルケト
ン、へプチルメチルケトン、ジブチルケトン;不飽和ケ
トン、たとえばエチリデンアセトン、アリルアセトン、
メシチルオキシド;環状ケトン、たとえばシクロペンタ
ノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオ
クタノン;エステル、たとえばギ酸エチル、ギ酸プロピ
ル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸
イソペンチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、
酢酸イソペンチル、酢酸sec−アミル、酢酸ヘキシ
ル、酢酸アリル、2−メトキシエチルアセテート、2−
エトキシエチルアセテート、1,2−ジアセトキシエタ
ン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピ
オン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオ
ン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸イソ
ペンチル、プロピオン酸sec−アミル、2−メトキシ
プロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテー
ト、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソ
プロピル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪酸イソペンチ
ル、酪酸sec−アミル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エ
チル、イソ酪酸プロピル、イソ酪酸イソプロピル、イソ
酪酸ブチル、イソ酪酸ペンチル、イソ酪酸イソペンチ
ル、イソ酪酸sec−アミル、吉草酸メチル、吉草酸エ
チル、吉草酸プロピル、吉草酸イソプロピル、吉草酸ブ
チル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、
吉草酸イソプロピル、吉草酸ブチル、ヘキサン酸メチ
ル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、ヘキサン
酸イソプロピルなどである。上記以外の溶媒として、塩
化メチレン、γ−ブチロラクトン、β−プロピオラクト
ン、n−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセタミド、ジメチルスルホキシドなどがあ
る。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用い
てもよい。混合溶媒を用いる場合、混合比は任意に設定
できる。
【0048】上記(A)の性質を有するが、バインダー
との親和性が低い溶媒は、たとえば水、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール、
3−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、1
−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノー
ル、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、グリセリンなどである。
【0049】上記(A)の性質を持たないが、バインダ
ーとの親和性が高い溶媒は、たとえばトルエン、エチル
ベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼ
ン、イソブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、ペ
ンチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレン、キシ
レン、クレゾール、エチルフェノール、ジメトキシベン
ゼン、ジメトキシトルエン、ベンジルアルコール、トリ
ルカルビノール、クミルアルコール、アセトフェノン、
プロピオフェノン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オ
クタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプ
タン、シクロオクタン、石油留分(石油エーテル、ベン
ジンなど)である。
【0050】上述したように第一群の溶媒は単独で良好
に使用することができる。第二群の溶媒は、単独でも使
用できるが、第一群の溶媒と混合してもよい。この場
合、どちらの群の溶媒も消去能を持っているので任意の
混合比で使用することができる。第二群の溶媒と第三群
の溶媒との混合溶媒を用いる場合、十分な消去能が得ら
れれば両者の混合比は特に限定されないが、第三群の溶
媒を20〜80wt%とすることが好ましい。第三群の
溶媒は第一群の溶媒と混合して用いてもよい。この場
合、第三群の溶媒を90wt%以下とすればよい。ま
た、第一群から第三群の溶媒を混合して用いてもよい。
この場合、第三群の溶媒を80wt%以下とすることが
好ましい。画像形成材料を効率的に消色するためには溶
媒を予め加熱しておいてもよい。この場合、溶媒の温度
は40〜150℃の範囲とすることが好ましい。
【0051】また、溶媒としてエチルブチレート(パイ
ナップルオイル)などの天然材料を用いれば、溶媒が残
留したとしても環境への影響は少ない。本発明の画像形
成材料を用いた場合、たとえば図4または図5の画像消
去装置において溶媒を回収した際に残る汚泥の乾燥物は
紙に付着していたトナーを主成分とするものである。こ
の残留物は、バインダーのほかに多量の生分解可能なス
テロール化合物と環式糖アルコールを含んでいる。した
がって、この残留物を排気したとしても、環境への影響
は少ない。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下の実
施例では、画像を形成する紙としてヨーロッパにおいて
標準的に使用されているNeusiedler製の中性
紙を用いた。この紙の反射濃度は0.07である。
【0053】実施例1 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、消去剤としてコレステロール10重量部および
D−グルコース10重量部、ワックスとして1−ドコサ
ノール1重量部、バインダーとしてポリスチレン(三洋
化成製、ST−130)72重量部、帯電制御剤として
LR−147(日本カーリット社製)1重量部を混合
し、ニーダーを用いて十分に混練した。この混練物を粉
砕機により粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。こ
の粉体100wt%に対して1wt%の疎水性シリカを
添加して水色のトナーを調製した。得られたトナーをコ
ピー機(東芝製、プリマージュ38)のトナーカートリ
ッジに入れ、画像を紙に転写した。
【0054】図4の画像消去装置に溶媒として2−ブタ
ノンを入れ、1回に紙を100枚づつ入れてバッチ処理
で画像を消去した。50回の画像消去処理を行った後、
溶媒を蒸留して回収したところ、約40gの蒸留残留物
が得られた。この残留物の95%がトナー成分であり、
ポリスチレン68%、コレステロール11%、D−グル
コース8%が含まれていた。これらのほかに、紙繊維や
炭酸カルシウムなどが検出された。
【0055】実施例2 呈色性化合物としてPSD−184(日本ソーダ製)3
重量部、顕色剤として没食子酸プロピル3重量部、消去
剤としてコレステロール6重量部、ラノリンアルコール
16重量部、およびD−フルクトース18重量部、バイ
ンダーとしてポリスチレン(三洋化成製、ST−15
0)43重量部、帯電制御剤1重量部を混合し、ニーダ
ーを用いて十分に混練した。この混練物を粉砕機により
粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。この粉体10
0wt%に対して1wt%の疎水性シリカを添加して黒
色のトナーを調製した。得られたトナーをコピー機のト
ナーカートリッジに入れ、画像を紙に転写した。
【0056】図4の画像消去装置に溶媒として2−ブタ
ノンを入れ、1回に紙を100枚づつ入れてバッチ処理
で画像を消去した。50回の画像消去処理を行った後、
溶媒を蒸留して回収したところ、約70gの蒸留残留物
が得られた。この残留物の95%がトナー成分であり、
ポリスチレン40%、ステロール類15%、D−フルク
トース16%が含まれていた。これらのほかに、紙繊維
や炭酸カルシウムなどが検出された。
【0057】実施例3 呈色性化合物としてGreen−DCF(保土谷化学
製)3重量部、顕色剤として没食子酸プロピル3重量
部、消去剤としてD−ラクトース20重量部、バインダ
ーとしてポリスチレン(三洋化成製、ST−130)7
3重量部、帯電制御剤1重量部を混合し、ニーダーを用
いて十分に混練した。この混練物を粉砕機により粉砕し
て平均粒径10μmの粉体を得た。この粉体100wt
%に対して1wt%の疎水性シリカを添加して緑色のト
ナーを調製した。得られたトナーをコピー機のトナーカ
ートリッジに入れ、画像を紙に転写した。
【0058】図4の画像消去装置に溶媒として2−ブタ
ノン/トルエン(2:1)に消去剤として5%のβ−シ
トステロールを溶解したものを入れ、1回に紙を100
枚づつ入れてバッチ処理で画像を消去した。50回の画
像消去処理を行った後、溶媒を蒸留して回収したとこ
ろ、約110gの蒸留残留物が得られた。この残留物は
に、β−シトステロール75%、トナー成分22%、D
−ラクトース3%が含まれていた。これらのほかに、紙
繊維や炭酸カルシウムなどが検出された。
【0059】以上の実施例1〜3の残留物を溶融して厚
さ50μmのフィルムに成形し、フィルムを約25℃の
土壌中に10週間放置して外観から生分解性を評価し
た。実施例1および2の残留物からなるフィルムはかな
り分解が進んでおり、ボロボロの状態であった。実施例
3の残留物からなるフィルムはさらに分解が進んで元の
形がフィルムであることがわからない状態であった。こ
れらの結果から、消去剤として生分解性のステロール化
合物および環式糖アルコールを用いることにより、生分
解性が向上することが確認できた。
【0060】
【発明の効果】以上記述したように本発明の画像形成材
料からなるトナーを用いれば、画像を良好に消去するこ
とができ、しかも紙を再生する際に発生する不要なトナ
ー残留物は生分解されやすいので、これを廃棄したとし
ても環境への影響が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶媒方式の画像消去装置を示す
図。
【図2】本発明に係る溶媒方式の画像消去装置を示す
図。
【図3】本発明に係る溶媒方式の画像消去装置を示す
図。
【図4】本発明に係る溶媒方式の画像消去装置を示す
図。
【図5】本発明に係る溶媒方式の画像消去装置を示す
図。
【符号の説明】
101…溶媒容器 102…溶媒 103…溶媒タンク 104…搬入ローラー 105…浸漬ローラー 106…対向ローラー 107…ヒートローラー 108…搬出ローラー 109…回収溶媒容器 110…吸着剤 111…電子冷却器 112…放熱器 113…吸収フィルター 114…循環ポンプ 121…グラビアローラー 122…対向ローラー 123…ブレード 131…ポンプ 132…スプレーノズル 133…ランプヒーター 201…溶媒タンク 202…溶媒 203…溶媒浸漬槽 204…ケミカルポンプ 205…液送パイプ 206…電子冷却器 207…電源 301…紙の束 302、305、308…コンベア 303…溶媒処理槽 304…溶媒 306…ヒーター 307…ファン 309…赤外線ヒーター 310…収納庫

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呈色性化合物、顕色剤および消去剤を含
    有する画像形成材料において、前記消去剤として、動
    物、植物または菌類から抽出される生分解可能なステロ
    ール化合物および環式糖アルコールまたはその誘導体が
    含有されていることを特徴とする画像形成材料。
  2. 【請求項2】 呈色性化合物および顕色剤を含有する画
    像形成材料を用いて形成された画像を消去するための、
    消去剤を含有する画像消去溶液であって、前記消去剤と
    して、動物、植物または菌類から抽出される生分解可能
    なステロール化合物および環式糖アルコールまたはその
    誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が含有
    されていることを特徴とする画像消去溶液。
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