JPH11211684A - マイグレーション検査装置 - Google Patents

マイグレーション検査装置

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JPH11211684A
JPH11211684A JP10023849A JP2384998A JPH11211684A JP H11211684 A JPH11211684 A JP H11211684A JP 10023849 A JP10023849 A JP 10023849A JP 2384998 A JP2384998 A JP 2384998A JP H11211684 A JPH11211684 A JP H11211684A
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voltage
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circuit patterns
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JP10023849A
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English (en)
Inventor
Shozo Yoda
正三 依田
Masayuki Fujisawa
政幸 藤沢
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Hioki EE Corp
Original Assignee
Hioki EE Corp
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Publication date
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイグレーションの発生を確実に検出するこ
とが可能なマイグレーション検査装置を提供する。 【解決手段】 検査対象の回路基板21に形成された2
つの回路パターン22a,22b間に直流電圧源2から
出力される直流電圧を印加しつつ回路パターン22a,
22b間における導通電流、回路パターン22a,22
b間電圧および絶縁抵抗の少なくとも1つを間欠的に測
定し、この測定値に基づいてマイグレーションの発生を
検出可能に構成されているマイグレーション検査装置1
において、直流電圧源2は、マイグレーション発生時に
おける導通電流を電流制限可能に高出力インピーダンス
で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板、I
Cパッケージ、ハイブリッド用基板、ベアチップおよび
MCM(Multi Chip Module )などの回路基板における
マイグレーション、特にデンドライトやCAFを生じさ
せるイオンマイグレーションの発生を検出するのに適し
たマイグレーション検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオンマイグレーションは、図7に示す
ように、プリント基板などにおいて2つの回路パターン
22a,22b間に直流電圧源52による直流電界が印
加されているときに発生する金属の析出現象である。す
なわち、プリント基板の表面や内部に水分や電解質が存
在すると、金属イオンが回路パターン22a,22bか
ら溶け出し、溶け出した金属イオンが直流電界によって
移行することにより、金属若しくはその酸化物などの化
合物が析出する現象である。この場合、析出した形態と
しては、同図に示すように、デンドライトとCAF(Co
nductive AnodicFilament)の2種類がある。デンドラ
イトは、陽極側の回路パターン22aから溶け出した金
属イオンが陰極側の回路パターン22bに到達して電子
を受け取ってプリント基板の表面に析出することにより
形成される。一方、CAFは、陽極側の回路パターン2
2aから溶け出した金属イオンがその回路パターン22
aの近傍に析出することにより形成される。実際の発生
順序としては、陽極側の回路パターン22aから溶け出
した金属イオンが対向電極である陰極側の回路パターン
22bに到達するのには時間がかかるため、初めにCA
Fが形成される。次いで、CAFから金属イオンが溶け
出し、溶け出した金属イオンが回路パターン22bに到
達してデンドライトが形成される。これらのデンドライ
トおよびCAFはいずれも成長すると、両回路パターン
22a,22bを短絡させたり、絶縁抵抗を低下させた
りする原因となる。したがって、イオンマイグレーショ
ンの発生は、特に回路パターンが高密度化された電子機
器については、その信頼性を低下させる要因となる。こ
のため、一般的には、高温度および高湿度の環境条件下
で加速試験を行うことによりイオンマイグレーションの
発生時期を把握し、その発生時期に基づいてプリント基
板の信頼性設計を行う必要がある。
【0003】このようなイオンマイグレーションの発生
を検出する装置として、図4に示す検査装置51が従来
から知られている。
【0004】同図に示すように、検査装置51は、検査
対象物であるプリント基板21に形成された2つの回路
パターン22a,22b間に直流定電圧を印加するため
の直流電圧源52と、両回路パターン22a,22b間
を導通する電流IP を測定するための電流計53と、両
回路パターン22a,22b間の電圧VP を測定するた
めの電圧計54とを備え、電流計53および電圧計54
によって測定された測定値の変化に基づいてマイグレー
ションの発生が検出可能に構成されている。
【0005】次に、検査装置51を用いたマイグレーシ
ョン発生の検出方法について、図5を参照して説明す
る。
【0006】まず、マイグレーションの進展を加速させ
て短期間で検査するために、高温・高湿に維持された恒
温恒湿槽31内にプリント基板21を設置する。次い
で、プリント基板21の回路パターン22a,22bに
プローブ41a,41bを接続した後に、回路パターン
22a,22b間に直流電圧源52の出力電圧を印加す
る。次いで、電流計53によって電流IP を測定すると
共に、電圧計54によって電圧VP を測定する。この場
合、同図(a)に示すように、電圧VP は一定電圧値の
まま推移するのに対し、電流IP は、同図(b)に示す
ように、マイグレーションの進行に応じて回路パターン
22a,22b間の絶縁抵抗が低下するため、プリント
基板21全体においてマイグレーションがある程度進行
した時間t12の時以降徐々に上昇する。この場合、検査
装置51は、同図(d)に示すように、予め設定したサ
ンプリング時間(例えば1秒)毎に、電流計53および
電圧計54による測定値に基づいて、回路パターン22
a,22b間の抵抗値RP を演算すると共にその演算結
果を記録する。したがって、同図(c)に示すように、
時間t13の時における抵抗値RP が、予め設定されたし
きい値RPTH を初めて下回る。このため、検査装置51
は、時間t13の時をマイグレーションの発生時点として
検出する。一方、検査終了後には、検査を開始してから
時間t13の時までの時間、恒温恒湿槽31内の環境条
件、および直流電圧源52の出力電圧値などに基づい
て、プリント基板21の実使用環境における耐用寿命を
推定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の検査
装置51には、以下の問題点がある。すなわち、図5
(b)に示すように、時間t11の時にマイグレーション
の発生に起因する短絡電流が流れた場合、短絡の起因と
なったデンドライトやCAFは、ヒューズが溶断するの
と同じようにして、短絡電流によって一瞬に消失(蒸
発)する。この結果、絶縁抵抗は、ある程度の抵抗値に
回復する。この場合、しきい値を超える短絡電流が瞬間
的に流れるだけであるので、その短絡電流が流れた瞬間
とサンプリングのタイミングとが時間的に重なり合わな
かったときには、もはやマイグレーションの発生を検出
できないという問題点がある。したがって、時間t11の
時から時間t13の時までの間が長期に亘ると、プリント
基板21の耐マイグレーション性を不当に良好と誤評価
してしまうことになる結果、プリント基板21の耐用寿
命を、実際の寿命よりも長寿命であると誤って推定して
しまう。
【0008】この場合、高いサンプリング周波数を用い
てサンプリングタイミングの間隔を狭めることも可能で
ある。かかる場合には、短絡電流が流れた際の電流IP
をサンプリングすることができる可能性を高められる。
具体的には、図6(b)に示すように、サンプリング周
期を0.01秒に設定して電圧VP および電流IP をサ
ンプリングすれば、1秒毎にサンプリングするのと比較
して100倍の精度で短絡電流を検出することが可能と
なり、この結果、マイグレーション発生を高精度で検出
することができる。
【0009】しかし、かかる場合であっても、実際に
は、マイグレーション発生を確実に検出するのは困難で
ある。つまり、同図(a)に示すように、時間t31およ
び時間t34の時にそれぞれ短絡電流が流れ始め、かつ時
間t33および時間t36の時にはそれぞれ短絡電流が流れ
終わったとすれば、両回路パターン22a,22b間の
抵抗値RP は、時間t31および時間t34の時に低下し始
め、かつ時間t33および時間t36の時に元の抵抗値に復
帰する。このため、サンプリングのタイミングによって
は、時間t32の時にしたサンプリングに係る抵抗値RP
は、しきい値RPTH を下回らず、時間t35の時にしたサ
ンプリングに係る抵抗値RP が、しきい値RPTH を初め
て下回るという事態が生じる。このため、時間t35の時
に初めてマイグレーションが発生したと誤って判別して
しまうことになる結果、サンプリングタイミングの間隔
を狭めたとしても、最初に発生したマイグレーションを
必ずしも検出することはできない。また、たとえ、最初
に発生したマイグレーションを検出できたとしても、デ
ンドライトやCAFが消失しまうため、マイグレーショ
ンが発生した回路パターンを特定することができない結
果、検査結果を回路基板の改良設計に反映することがで
きないという問題点がある。
【0010】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、マイグレーションの発生を確実に検出する
ことが可能なマイグレーション検査装置を提供すること
を主目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1記載のマイグレーション検査装置は、検査対象
の回路基板に形成された2つの回路パターン間に直流電
圧源から出力される直流電圧を印加しつつ両回路パター
ン間における導通電流、回路パターン間電圧および絶縁
抵抗の少なくとも1つを間欠的に測定し、この測定値に
基づいてマイグレーションの発生を検出可能に構成され
ているマイグレーション検査装置において、直流電圧源
は、マイグレーションが発生時における導通電流を電流
制限可能に高出力インピーダンスで構成されていること
を特徴とする。
【0012】請求項2記載のマイグレーション検査装置
は、検査対象の回路基板に形成された2つの回路パター
ン間に直流電圧源から出力される直流電圧を印加しつつ
両回路パターン間における導通電流、回路パターン間電
圧および絶縁抵抗の少なくとも1つを間欠的に測定し、
測定値に基づいてマイグレーションの発生を検出可能に
構成されているマイグレーション検査装置において、マ
イグレーション発生時における導通電流を電流制限する
ための電流制限抵抗を備えていることを特徴とする。
【0013】請求項1または2記載のマイグレーション
検査装置では、直流電源の出力インピーダンスが等価的
に高出力インピーダンスになっている。したがって、マ
イグレーションが発生して2つの回路パターン間に導通
電流が導通する際に、その導通電流の電流値が電流制限
される。このため、両回路パターン間に大電流の短絡電
流が流れるのを阻止できる結果、両回路パターン間に
は、電流制限された導通電流が、継続して流れ続ける。
このため、マイグレーションによる生成物としての導電
物質(デンドライトやCAF)の消失が防止されて、マ
イグレーションの進行状態がそのまま維持される。した
がって、2つの回路パターン間の導通電流などを間欠的
に測定したとしても、マイグレーションの最初の発生時
期を確実に検出することできる結果、検査対象回路基板
の耐マイグレーション性を正確に評価することが可能と
なる。さらに、デンドライトやCAFの発生箇所や進行
状態を確認することができるため、回路基板の改良設計
に反映することが可能となる。
【0014】請求項3記載のマイグレーション検査装置
は、請求項1記載のマイグレーション検査装置におい
て、直流電圧源における出力抵抗値および起電力の電圧
値、並びに回路パターン間電圧の電圧値に基づいて絶縁
抵抗を算出することを特徴とする。
【0015】請求項4記載のマイグレーション検査装置
は、請求項2記載のマイグレーション検査装置におい
て、直流電圧源における出力電圧の電圧値、電流制限抵
抗の抵抗値、および回路パターン間電圧の電圧値に基づ
いて絶縁抵抗を算出することを特徴とする。
【0016】検査対象の両回路パターン間における絶縁
抵抗は、両回路パターン間を流れる電流値に基づいて算
出してもよいが、流れる電流値が小さいときには、絶縁
抵抗の算出が不正確になるおそれがある。この請求項3
および4記載のマイグレーション検査装置では、所定の
演算式に従い、回路パターン間電圧の電圧値と、直流電
圧源の出力抵抗または電流制限抵抗の抵抗値とに基づい
て絶縁抵抗を算出する。この場合、回路パターン間電圧
については、両回路パターン間を流れる電流の測定とは
異なり、正確に測定することが可能である。このため、
絶縁抵抗を正確に測定することが可能となる。
【0017】請求項5記載のマイグレーション検査装置
は、請求項1から4のいずれかに記載のマイグレーショ
ン検査装置において、所定時間毎における測定値の最大
値、最小値および平均値の少なくとも1つを記録手段に
記録する記録制御手段を備えていることを特徴とする。
【0018】一般的な回路基板では、加速試験によって
検査する場合であっても、マイグレーションが発生する
まで数千時間を必要とする。このため、たとえ間欠的に
測定データを記録したとしても、すべての測定データを
記録する場合には、膨大な記憶容量を有する記録手段を
用いる必要がある。一方、このマイグレーション検査装
置では、記録制御手段が、所定時間毎における測定値の
最大値、最小値および平均値の少なくとも1つを記録手
段に記録する。このため、その所定時間について少なく
とも1つの測定値を記録手段に記録させればよいため、
極めて小容量タイプのRAMなどで記録手段を構成する
ことができ、これにより、マイグレーション検査装置の
製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るマイグレーション検査装置の好適な実施の形態
について説明する。
【0020】図1に示すように、検査装置1は、プリン
ト基板21内の2つの回路パターン22a,22b間に
直流定電圧を印加するための直流電圧源2と、両回路パ
ターン22a,22b間を導通する電流IP を測定する
ための電流計3と、回路パターン22a,22b間の電
圧VP を測定するための電圧計4と、周期TS のクロッ
ク信号CLおよび現在時刻に相当する時刻信号ST を出
力するタイマ5と、本発明における記録制御手段に相当
し、電流計3および電圧計4から出力される電流波形お
よび電圧波形をクロック信号CLに同期してサンプリン
グすることにより、電流IP の電流値および電圧VP の
電圧値を測定すると共に、その測定値に基づいて両回路
パターン22a,22b間の抵抗値RP を演算するCP
U6と、CPU6によって演算された抵抗値RP を表示
する表示部7と、本発明における記録手段に相当しCP
U6によって演算された抵抗値RP を記録するメモリ8
と、測定開始スイッチや測定終了スイッチなどから構成
される操作部9とを備えている。ここで、直流電圧源2
は、等価的には、本発明における起電力を発生し出力イ
ンピーダンスが0Ωの起電力部2aと、本発明における
出力抵抗に相当しCPU6によって抵抗値が可変可能な
可変抵抗2bとを備えて構成されている。
【0021】次いで、図2を参照して、検査装置1によ
るマイグレーションの検査方法について説明する。
【0022】最初に、検査対象物であるプリント基板2
1を恒温恒湿槽31に設置する。次いで、操作部9を操
作することにより、プリント基板21の材質や直流電圧
源2の電圧値などに応じて可変抵抗2bの抵抗値を設定
する。この場合、可変抵抗2bの抵抗値は、数百kΩ〜
数MΩの間に設定する。次に、両回路パターン22a,
22bにプローブ41a,41bをそれぞれ接続する。
この状態で、操作部9の測定開始スイッチを操作する。
これにより、両回路パターン22a,22b間に直流電
圧が印加される。これ以後、同図(d)に示すように、
CPU6は、サンプリング時間TS 毎に出力されるクロ
ック信号CLに同期して、電流計3および電圧計4から
それぞれ出力される電流波形および電圧波形をサンプリ
ングすることにより電圧VP の電圧値および電流IP の
電流値を測定すると共に、その測定値に基づいて抵抗値
RP を演算する。また、CPU6は、測定した電圧値、
電流値および演算した抵抗値RP をメモリ8に記録す
る。
【0023】次いで、予め設定したインターバル時間、
例えば、連続する24時間が経過すると、CPU6は、
メモリ8に記録した電圧VP の電圧値、電流IP の電流
値、および抵抗値RP に基づいて、電圧値の最低値、電
流値の最大値、抵抗値の最小値、およびインターバル終
了時における抵抗値を検索し、検索した値を、その時刻
に対応させてメモリ8に記録する。これ以後、CPU6
は、インターバル時間毎に上記の処理を繰り返す。この
結果、メモリ8は、24時間についての各測定値および
抵抗値RP と、各24時間毎の4つの検索値とを記憶す
るだけの記録容量があればよく、極めて少容量タイプの
RAMで構成することができる。また、インターバル時
間終了時における抵抗値RP をプロットしたグラフを表
示部7に表示させることにより、抵抗値RP の推移を容
易に理解させることができる。
【0024】やがて、マイグレーションが進行すると、
両回路パターン22a,22b間の絶縁抵抗値が低下
し、サンプリングの時間t1および時間t3の間の時間
t2の時に絶縁抵抗の抵抗値がしきい値RPTH よりも低
下する。この時間t2の時にはサンプリングが行われな
いため、次のサンプリングタイミングである時間t3の
時にしたサンプリングに係る抵抗値RP が初めてしきい
値RPTH を下回る。この状態では、同図(b)に示すよ
うに、可変抵抗2bが両回路パターン22a,22b間
の導通電流の電流値を一定値IP1に電流制限する。この
ため、マイグレーションによって生成されたデンドライ
トやCAFは、蒸発することなく、そのままの状態を維
持するか、さらに進行する。この状態では、両回路パタ
ーン22a,22aには、一定値IP1に電流制限された
電流IP が継続して導通する。一方、電圧VP は、同図
(a)に示すように、時間t3の時に一定値VP1まで低
下し、これ以後は、一定値VP1に維持される。この際に
は、CPU6は、時間t3の時にタイマ5から出力され
た時刻信号ST に基づいて、時間t3をメモリ8に記録
すると共に、時間t3の時にマイグレーションが発生し
た旨を表示部7に表示させる。
【0025】このように、この検査装置1によれば、可
変抵抗2bが、両回路パターン22a,22b間の導通
電流を電流制限することにより、マイグレーションに起
因して生じたデンドライトやCAFの消失を防止するた
め、マイグレーションの進行に応じたデンドライトやC
AFがそのままの状態で維持される。したがって、CP
U6が、両回路パターン22a,22b間の電圧VP お
よび電流IP を間欠的に測定したとしても、マイグレー
ションの最初の発生時期を少なくともサンプリングの周
期TS 以内の誤差で検出することできる。この結果、検
査対象のプリント基板21の耐マイグレーション性を正
確に評価することができる。さらに、デンドライトやC
AFの発生箇所や進行状態を確認することができるた
め、プリント基板21の改良設計に反映することができ
る。
【0026】なお、本発明は、上記した実施の形態に限
定されない。例えば、本発明の実施の形態では、両回路
パターン22a,22b間の抵抗値RP を算出するの
に、両回路パターン22a,22b間を導通する電流I
P および両回路パターン間の電圧VP を測定し、その測
定値に基づいて算出しているが、電圧VP のみを測定す
ることにより、抵抗値RP を算出することもできる。具
体的には、図3に示すように、直流電圧源2の起電力部
2aの電圧値VO および可変抵抗2bの抵抗値RO が求
まれば、可変抵抗2bを流れる電流と両回路パターン2
2a,22b間を導通する電流とが等しいため、下記の
式で表される関係式が成り立つ。さらに、式を変形
すれば、下記の式が得られる。この式によれば、電
圧値VO 、抵抗値RO および電圧VP の測定値に基づい
て抵抗値RP を算出することができる。この場合、電流
IP の電流値が小さくても電圧VP を正確に測定するこ
とができるため、抵抗値RP を正確に算出することがで
きる。 (VO −VP )/RO =VP /RP ・・・式 RP =RO ×VP /(VO −VP )・・・式
【0027】また、本発明は、上記した実施の形態に限
定されず、その構成を適宜変更することができる。例え
ば、本発明の実施形態では、高出力インピーダンスの直
流電圧源2を用いた例について説明したが、本発明は、
これに限定されず、低出力インピーダンスの直流電圧源
の外部に電流制限用の高抵抗を設けてもよい。また、本
発明における電流制限抵抗は可変抵抗でなく、固定抵抗
であってもよい。
【0028】さらに、本発明の実施形態では、両回路パ
ターン22a,22b間の抵抗値RP を演算し、その抵
抗値RP に基づいてマイグレーション発生を検出してい
るが、本発明は、これに限定されず、電流IP および電
圧VP のいずれか一方のみを測定し、その測定値に基づ
いてマイグレーションの発生を検出することができる。
具体的には、電流IP の電流値または電圧VP の電圧値
が予め規定したしきい値よりも上昇または低下した時点
でマイグレーションが発生したと判別すればよい。
【0029】
【発明の効果】以上のように、請求項1および2記載の
マイグレーション検査装置によれば、等価的に高出力イ
ンピーダンスの直流電源によって、2つの回路パターン
間の導通電流の電流値が制限されるため、マイグレーシ
ョンによる生成物である導電物質の消失を防止すること
ができる結果、マイグレーションの最初の発生時期を確
実に検出することができる。これにより、回路基板の耐
マイグレーション性を正確に評価することができる。さ
らに、マイグレーションによって生じた導電物質の発生
箇所や進行状態を確認することができるため、回路基板
の改良設計に反映することができる。
【0030】また、請求項3および4記載のマイグレー
ション検査装置によれば、所定の演算式に従い、回路パ
ターン間電圧の電圧値と直流電圧源の出力抵抗または電
流制限抵抗の抵抗値とに基づいて絶縁抵抗を算出するこ
とにより、絶縁抵抗を正確に測定することができる。
【0031】さらに、請求項5記載のマイグレーション
検査装置によれば、記録制御手段が、所定時間毎におけ
る測定値の最大値、最小値および平均値の少なくとも1
つを記録手段に記録することにより、極めて小容量タイ
プのRAMなどで記録手段を構成することができ、これ
により、マイグレーション検査装置の製造コストを低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る検査装置による検査
系を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る検査装置の動作を説
明するための図であって、(a)は、回路パターン間の
電圧VP の推移を示す電圧推移図、(b)は、回路パタ
ーン間を導通する電流IP の推移を示す導通電流推移
図、(c)は、演算された回路パターン間の抵抗値RP
の推移を示す絶縁抵抗推移図、(d)は、回路パターン
間の電圧および回路パターン間の導通電流をサンプリン
グするタイミングを示すサンプリングタイミング図であ
る。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る検査装置による
回路パターン間における抵抗値RP の算出方法を説明す
るための検査系の等価回路図である。
【図4】従来の検査装置による検査系を示すブロック図
である。
【図5】従来の検査装置の動作を説明するための図であ
って、(a)は、回路パターン間の電圧VP の推移を示
す電圧推移図、(b)は、回路パターン間を導通する電
流IP の推移を示す導通電流推移図、(c)は、演算さ
れた回路パターン間の抵抗値RP の推移を示す絶縁抵抗
推移図、(d)は、回路パターン間の電圧および回路パ
ターン間の導通電流をサンプリングするタイミングを示
すサンプリングタイミング図である。
【図6】従来の他の検査方法を説明するための図であっ
て、(a)は、回路パターン間の抵抗値RP の推移を示
す絶縁抵抗推移図、(b)は、回路パターン間の電圧お
よび回路パターン間の導通電流をサンプリングするタイ
ミングを示すサンプリングタイミング図である。
【図7】マイグレーション発生の原理を説明するための
マイグレーション発生状態を示す状態図である。
【符号の説明】
1 検査装置 2 直流電圧源 2a 起電力部 2b 可変抵抗 3 電流計 4 電圧計 6 CPU 8 メモリ 21 プリント基板 21a 回路パターン 21b 回路パターン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象の回路基板に形成された2つの
    回路パターン間に直流電圧源から出力される直流電圧を
    印加しつつ当該両回路パターン間における導通電流、回
    路パターン間電圧および絶縁抵抗の少なくとも1つを間
    欠的に測定し、当該測定値に基づいてマイグレーション
    の発生を検出可能に構成されているマイグレーション検
    査装置において、 前記直流電圧源は、前記マイグレーション発生時におけ
    る前記導通電流を電流制限可能に高出力インピーダンス
    で構成されていることを特徴とするマイグレーション検
    査装置。
  2. 【請求項2】 検査対象の回路基板に形成された2つの
    回路パターン間に直流電圧源から出力される直流電圧を
    印加しつつ当該両回路パターン間における導通電流、回
    路パターン間電圧および絶縁抵抗の少なくとも1つを間
    欠的に測定し、当該測定値に基づいてマイグレーション
    の発生を検出可能に構成されているマイグレーション検
    査装置において、 前記マイグレーション発生時における前記導通電流を電
    流制限するための電流制限抵抗を備えていることを特徴
    とするマイグレーション検査装置。
  3. 【請求項3】 前記直流電圧源における出力抵抗値およ
    び起電力の電圧値、並びに前記回路パターン間電圧の電
    圧値に基づいて前記絶縁抵抗を算出することを特徴とす
    る請求項1記載のマイグレーション検査装置。
  4. 【請求項4】 前記直流電圧源における出力電圧の電圧
    値、前記電流制限抵抗の抵抗値、および前記回路パター
    ン間電圧の電圧値に基づいて前記絶縁抵抗を算出するこ
    とを特徴とする請求項2記載のマイグレーション検査装
    置。
  5. 【請求項5】 所定時間毎における前記測定値の最大
    値、最小値および平均値の少なくとも1つを記録手段に
    記録する記録制御手段を備えていることを特徴とする請
    求項1から4のいずれかに記載のマイグレーション検査
    装置。
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