JPH11211306A - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫

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JPH11211306A
JPH11211306A JP1114198A JP1114198A JPH11211306A JP H11211306 A JPH11211306 A JP H11211306A JP 1114198 A JP1114198 A JP 1114198A JP 1114198 A JP1114198 A JP 1114198A JP H11211306 A JPH11211306 A JP H11211306A
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JP
Japan
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compressor
refrigerator
cooler
operation stop
stopped
Prior art date
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JP1114198A
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English (en)
Inventor
Kenji Imakubo
賢治 今久保
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンプレッサ運転停止時における振動を、迅
速にしかも良好に低減すると共に、コストの低廉も図
る。 【解決手段】 コンプレッサ運転停止指令が発生する
と、ファン装置のファンモータを所定時間停止する(ス
テップS1、S2)。この場合冷媒の流れは止められて
いない。ファン装置の運転停止により、冷却器に対する
熱交換量つまり熱負荷が低減され、冷却器の蒸発温度が
低下し、これにより、蒸発圧力が急激に低下する。この
結果、コンプレッサの吸入側の圧力が低下される。この
所定時間後に、コンプレッサのコンプレッサモータを断
電する(ステップS3)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクルにレ
シプロ形コンプレッサを備えた構成の冷蔵庫に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来より、冷蔵庫に
は、冷凍サイクルを、レシプロ形コンプレッサ、凝縮
器、減圧器及び冷却器から構成したものがある。そし
て、上記コンプレッサは、例えば冷凍室温度センサがコ
ンプレッサオン温度を検出したとき、換言すれば、コン
プレッサ運転指令が発生したときに駆動され、冷凍室温
度センサがコンプレッサオフ温度を検出したとき、換言
すれば、コンプレッサ運転停止指令が発生したときに停
止されるようになっている。上記冷凍サイクルにおいて
は、コンプレッサが運転されると、このコンプレッサに
より冷凍サイクル中の冷媒が高温高圧で吐出され、凝縮
器により凝縮され、減圧器により減圧され、そして、冷
却器で蒸発し、そして上記コンプレッサにより圧縮され
て高温高圧で吐出されることを繰り返す。
【0003】この場合、上記冷却器での蒸発作用によ
り、庫内空気が冷却され、この冷気は、庫内熱交換用の
ファン装置によって、冷凍室や仕様切換室(温度状態が
冷蔵室仕様や、チルド室仕様、冷蔵室仕様等に切り換え
られる構成の室)、さらには冷蔵室等に供給されるよう
になっている。そして、上記仕様切換室や冷蔵室は、冷
気流通調節用ダンパ装置の開閉制御によって所定の温度
状態に制御されるようになっている。
【0004】ところで、上記従来においては、コンプレ
ッサ運転停止指令が発生したとき、直ちにコンプレッサ
の運転を停止するようにしていたため、大きな振動が発
生する不具合があった。すなわち、レシプロ形コンプレ
ッサでは、コンプレッサモータの回転運動を、ピストン
の往復運動に変換することにより、冷媒を吸入し、圧縮
して吐出するものであるが、コンプレッサが停止される
と、惰性によりしばらくはロータが回転しピストンが往
復運動しようとする。この場合ピストンが圧縮する行程
においては、吸入された冷媒の圧縮時の圧力による反力
を受けて、衝撃的に停止し、大きな振動が発生するもの
である。なお、図14の特性線J1においては、振動値
の変化を示しており、同図から判るように、コンプレッ
サの停止時にかなり大きな振動が発生していることが判
る。
【0005】この対策として、冷凍サイクルの所定部位
に冷媒流通停止用の弁を設け、コンプレッサ運転指令が
発生したときにこの弁を所定時間閉鎖して、コンプレッ
サ吸入側への冷媒の流れを停止し、コンプレッサを所定
時間運転することにより、コンプレッサの吸入側の冷媒
圧力を低下させるポンプダウン運転を行なうようにした
ものがあるが、この場合図15の特性線J2で示すよう
に、振動低減に時間がかかり、また、上述したように弁
が必要であるコスト高を来す欠点があった。
【0006】また、別の対策としてコンプレッサにバラ
ンスウエイトを取付けて振動の低減を図ることも考えら
れるが、コンプレッサ始動からコンプレッサ運転安定時
及び停止時を通して全体的に振動の低減を図り得るが、
停止時には依然として大きな振動が発生する問題があっ
た。
【0007】本発明は、上述の事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、コンプレッサ運転停止時におけ
る振動を、迅速にしかも良好に低減できると共に、コス
トの低廉も図ることができる冷蔵庫を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、レシ
プロ形コンプレッサ、凝縮器、減圧器及び冷却器を含ん
で構成された冷凍サイクルと、コンプレッサ運転停止指
令が発生したときに、前記冷却器の蒸発温度を低下させ
て前記コンプレッサの吸入側の圧力を低下させる圧力低
下運転を所定時間行ない、この後前記コンプレッサの運
転を停止させるように制御するコンプレッサ運転停止制
御手段とを含んで構成される。
【0009】この構成においては、冷却器の蒸発温度を
低下させてコンプレッサの吸入側の圧力を低下させる。
そして、この後、コンプレッサの運転を停止させたとき
には、コンプレッサ内に吸入された冷媒の圧力が十分に
低下しており、もって、ピストンが圧縮する行程におい
て吸入された冷媒の圧力による反力を受けることが少な
く、振動が低減される。
【0010】請求項2の発明は、レシプロ形コンプレッ
サ、凝縮器、減圧器及び冷却器を含んで構成された冷凍
サイクルと、庫内熱交換用のファン装置と、コンプレッ
サ運転停止指令が発生したときに、前記庫内熱交換用の
ファン装置の運転を所定時間停止させた後、前記コンプ
レッサの運転を停止させるように制御するコンプレッサ
運転停止制御手段とを含んで構成される。
【0011】この構成においては、コンプレッサ運転停
止指令が発生した時には、冷媒の流れは停止させずに、
庫内熱交換用のファン装置の運転を停止することによ
り、冷却器に対する熱交換量つまり熱負荷が低減され、
冷却器の蒸発温度が低下し、これにより、蒸発圧力が低
下する。この結果、コンプレッサの吸入側の圧力が低下
される。従って、この後コンプレッサが停止されると、
前述同様に、振動が低減される。
【0012】請求項3の発明は、レシプロ形コンプレッ
サ、凝縮器、減圧器及び冷却器を含んで構成された冷凍
サイクルと、庫内熱交換用のファン装置と、コンプレッ
サ運転停止指令が発生したときに、前記庫内熱交換用の
ファン装置の回転数を所定時間低下させた後、前記コン
プレッサの運転を停止させるように制御するコンプレッ
サ運転停止制御手段とを含んで構成される。
【0013】この構成においては、コンプレッサ運転停
止指令が発生した時には、冷媒の流れは停止させずに、
庫内熱交換用のファン装置の回転数を低下させることに
より、冷却器に対する熱交換量つまり熱負荷が低減さ
れ、冷却器の蒸発温度が低下し、これにより、蒸発圧力
が低下する。従って、この後コンプレッサが停止される
と、前述同様に、振動が低減される。
【0014】請求項4の発明は、レシプロ形コンプレッ
サ、凝縮器、減圧器及び冷却器を含んで構成された冷凍
サイクルと、庫内熱交換用のファン装置と、冷気流通調
節用ダンパ装置と、コンプレッサ運転停止指令が発生し
たときに、前記冷気流通調節用ダンパ装置を所定時間閉
鎖させた後、前記コンプレッサの運転を停止させるよう
に制御するコンプレッサ運転停止制御手段とを含んで構
成される。
【0015】この構成においては、コンプレッサ運転停
止指令が発生した時には、冷媒の流れは停止させずに、
冷気流通調節用ダンパ装置を閉鎖させることにより、冷
却器に対する熱交換量つまり熱負荷が低減され、冷却器
の蒸発温度が低下し、これにより、蒸発圧力が低下す
る。従って、コンプレッサが停止されると、前述同様
に、振動が低減される。
【0016】請求項5の発明は、回転数可変形のコンプ
レッサモータにより駆動されるレシプロ形コンプレッ
サ、凝縮器、減圧器及び冷却器を含んで構成された冷凍
サイクルと、コンプレッサ運転停止指令が発生したとき
に、前記コンプレッサモータの回転数を所定時間高めた
後、前記コンプレッサの運転を停止させるように制御す
るコンプレッサ運転停止制御手段とを含んで構成され
る。
【0017】この構成においては、コンプレッサ運転停
止指令が発生した時には、冷媒の流れは停止させずに、
コンプレッサモータの回転数を所定時間高めることによ
り、冷却器の蒸発温度が低下し、これにより、蒸発圧力
が急激に低下する。従って、前述同様に、振動が短時間
のうちに低減される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例につ
き図1ないし図10を参照しながら説明する。まず、冷
蔵庫の構成を示す図2ないし図5において、冷蔵庫本体
1は、鉄板製の外箱2と、この外箱2内に収納されたプ
ラスチック製の内箱3と、これら外箱2と内箱3との間
に充填された発泡性断熱材4とから構成されている。こ
の冷蔵庫本体1の内部には、貯蔵室として上段から順
に、冷蔵室5、左右に並ぶ製氷室6及び仕様切替室7、
冷凍室8、野菜室9が設けられている。これら各室5〜
9は、扉10〜14によって開閉されるように構成され
ている。
【0019】また、冷蔵室5内の下部には、ケース15
を引き出し可能に収納したチルド室16が設けられてい
る。仕様切替室7は、その室内の温度(冷却温度)を広
い範囲で切り替えることができるように構成されてい
る。この切り替えにより、仕様切替室7は、冷凍室、パ
ーシャルフリージング室、チルド室、冷蔵室または野菜
室のいずれかとして使用することが可能である。
【0020】さて、製氷室6と冷凍室8とは温度帯が同
一であることから、両室6,8は互いに連通されてい
る。そして、これら製氷室6及び冷凍室8内の後部に
は、冷蔵庫本体1の左右方向中心から左側に偏らせて冷
却器室17が形成されており、この冷却器室17内の冷
凍室8側の部分に冷却器18が配置されている。上記冷
却器室17は、製氷室6及び冷凍室8内の後部に、仕切
部材19を配設することにより形成されている。
【0021】また、冷却器室17内には、冷凍室8と製
氷室6との境界部分に対応するように熱交換用のファン
装置20が配設されている。このファン装置20は、フ
ァン20a及びファンモータ20bから構成されてい
る。
【0022】上記仕切部材19には、図5に示すよう
に、製氷室6及び冷凍室8内に開口する吹出口21が上
下に複数形成されている。この場合、ファン装置20が
通電駆動されると、冷却器室17内の冷気がファン20
aにより吸引されて送り出され、この送り出された冷気
の一部は吹出口21から製氷室6及び冷凍室8内に吹き
出される。そして、残りの冷気は、上記仕様切替室7の
後側に設けられたダンパ装置22側へ吹き出されるよう
に構成されている。
【0023】このダンパ装置22は、図4に示すよう
に、仕様切替室7の背板としても機能する取付板23
と、この取付板23の後側に配置されるダンパ主部24
と、このダンパ主部24を包み込むようにして仕様切替
室7に取り付けられる箱状カバー25とを備えている。
上記箱状カバー25の左側面には、図5に示すように、
冷気導入路26が左方に突出するように形成されてい
る。この場合、上述したようにファン装置20により送
り出された冷気の残りは、上記冷気導入路26を通って
ダンパ装置22内に導入されるように構成されている。
【0024】そして、ダンパ主部24の内部には、図3
及び図4に示すように、上記冷気導入路26内に流入し
た冷気を案内する冷気通路27が形成されている。この
冷気通路27の出口側は二分岐されており、一方の分岐
路27a(図4参照)は取付板23に形成された第1の
吹出口28に連通され、他方の分岐路27b(図3参
照)は箱状カバー25の背面に上向きに形成された第2
の吹出口29に連通されている。
【0025】上記第1の吹出口28は、図4に示すよう
に、仕様切替室7の内部上面に取り付けられたダクト3
0に接続されており、該第1の吹出口28から吐出され
た冷気は、このダクト30から仕様切替室7内に吹き出
される構成となっている。また、第2の吹出口29は、
図3に示すように、冷蔵室5の背部に設けられたダクト
31に接続されており、該第2の吹出口29から吐出さ
れた冷気は、このダクト31を通ってチルド室16内及
び冷蔵室5内に吹き出されるように構成されている。
【0026】一方、製氷室6及び冷凍室8、仕様切替室
7に供給された冷気は、それら各室を冷却した後、冷却
器室17に戻される。また、冷蔵室5とチルド室16に
供給された冷気は、その後、野菜室9に供給されて該野
菜室9を冷却し、最終的に冷却器室17に戻されるよう
になっている。そして、冷却器室17に戻された空気
は、再び冷却器18により冷却されてから、上記各室5
〜9、16に供給されるように循環する構成となってい
る。
【0027】さて、冷蔵室5(チルド室16)及び仕様
切替室7の各室内の温度(冷却温度)は、第1の吹出口
28及び第2の吹出口29から吹き出される冷気供給量
を調整することにより制御されている。これら第1の吹
出口28及び第2の吹出口29からの冷気吹き出し量を
制御するために、ダンパ主部24には、その分岐路27
a及び27bを開閉するダンパ32及び33が設けられ
ている。
【0028】これらダンパ32、33は、1台のダンパ
モータ22aにより図示しないカム機構を介して開閉駆
動されるように構成されている。上記2個のダンパ3
2、33の開閉モードとしては、両方とも開、両方とも
閉、一方のダンパ32が開で他方のダンパ33が閉、一
方のダンパ32が閉で他方のダンパ33が開の4モード
が用意されており、カム軸の90度ごとの回転で上記4
つのモードを得ることが可能なように構成されている。
【0029】この構成の場合、分岐路27aが仕様切替
室7内へ冷気を供給する仕様切替室用の冷気供給通路を
構成し、ダンパ32が上記仕様切替室用の冷気供給通路
を開閉するダンパ(仕様切替室用のダンパ)を構成して
いる。また、分岐路27bが冷蔵室5内へ冷気を供給す
る冷蔵室用の冷気供給通路を構成し、ダンパ33が上記
冷蔵室用の冷気供給通路を開閉するダンパ(冷蔵室用の
ダンパ)を構成している。
【0030】また、冷蔵室5、冷凍室8及び仕様切替室
7には、それぞれ冷蔵室用温度センサ34(図8参
照)、冷凍室用温度センサ35(図8参照)及び仕様切
替室用温度センサ36(図8参照)が設けられている。
また、冷蔵庫本体1の下部の機械室37(図3参照)内
には、コンプレッサ38が設けられている。このコンプ
レッサ38は、図7に示すようにレシプロ形をなすもの
であり、シリンダ38aを往復運動するピストン38b
は、コンプレッサモータ38cにより駆動されるように
なっている。
【0031】次に図6には、冷凍サイクル39を示して
おり、前述のコンプレッサ38の吐出口38Aと吸入口
38Bとの間に凝縮器40、減圧器41及び前記冷却器
18とを順に接続して構成されており、この冷凍サイク
ル39中には冷媒が封入されている。
【0032】さて、図8は上記した構成の冷蔵庫の電気
的構成を示す図である。この図8において、制御回路4
2は、マイクロコンピュータ等から構成されており、冷
蔵庫の運転全般を制御する機能(制御プログラム)を有
しており、その機能には、コンプレッサ運転停止制御手
段としての機能も含まれている。この制御回路42は、
仕様切替室用温度センサ36、冷蔵室用温度センサ3
4、冷凍室用温度センサ35から出力される各信号を入
力するように構成されている。そして、制御回路58
は、コンプレッサ38、ダンパモータ22a、ファンモ
ータ20bをそれぞれ駆動回路43を介して通電制御す
るように構成されている。
【0033】次に、上記構成の作用、特には、コンプレ
ッサ38の運転及び停止制御に関連する運転制御の動作
について、説明する。すなわち、制御回路42は、前記
温度センサ35からの信号(温度検出信号)がオン設定
温度に達したか否かを判断していると共に、オフ設定温
度に達したか否かを判断しており、オン設定温度に達し
たことを判断すると、コンプレッサ運転開始指令を発生
し、コンプレッサ38のコンプレッサモータ38cとフ
ァン装置20のファンモータ20bとを通電駆動する。
これにより、製氷室6及び冷凍室8内の温度が所定の冷
凍温度(例えば−18℃)に等しくなるように制御され
るようになっている。そして、冷凍室用温度センサ35
からの信号がオフ設定温度に達したことを判断すると、
コンプレッサ運転停止指令を発生し、図1に示す制御を
実行する。すなわち、コンプレッサ運転停止指令が発生
すると(この発生時点を図9に符号t1にて示す)、ス
テップS1、ステップS2に示すように、ファン装置2
0のファンモータ20bを所定時間停止する。この場合
冷媒の流れは止められていない。しかして、ファン装置
20の運転停止により、冷却器18に対する熱交換量つ
まり熱負荷が低減され、冷却器18の蒸発温度が低下
し、これにより、蒸発圧力が低下する。この結果、コン
プレッサ38の吸入側の圧力が低下される。ここで、上
記所定時間(図9の符号t1からt2までの時間)は、
コンプレッサ38の吸入側の圧力が十分に低下する時間
に設定されている。
【0034】この所定時間後(t2時点)に、ステップ
S3で示すようにコンプレッサ38のコンプレッサモー
タ38cを断電してコンプレッサ38の運転を停止す
る。この断電後、しばらくは惰性によりロータが回転し
ピストンが往復運動しようとする。この場合ピストンが
圧縮する行程においては、吸入された冷媒の圧縮時に圧
力による反力を受けて、衝撃的に停止することが予想さ
れるが、しかし、本実施例によれば、吸入された冷媒の
圧力が既に低下されているので、その反力を受けること
が少なく、振動が低減される。なお、上述したコンプレ
ッサ38の運転・停止制御により製氷室6及び冷凍室8
内の温度が所定の冷凍温度(例えば−18℃)に等しく
なるように制御されるものである。
【0035】また、制御回路42は、仕様切替室用温度
センサ36からの信号がオン設定温度に達したか否かを
判断していると共に、オフ設定温度に達したか否かを判
断しており、オン設定温度に達したことを判断すると、
ダンパ32を開放動作して、仕様切替室7内に冷気を供
給し、オフ設定温度に達したことを判断すると、ダンパ
32が閉塞動作されて仕様切替室7内への冷気供給を停
止する。これにより、仕様切替室7内の温度制御が行わ
れる。更に、冷蔵室5についても同様に、冷蔵室用温度
センサ34がオン設定温度に達したことを判断すると、
ダンパ33を開放動作して冷蔵室5内に冷気を供給し、
オフ設定温度に達したことを判断すると、ダンパ33を
閉塞動作して冷蔵室5内への冷気供給を停止する。これ
により、冷蔵室5内の温度制御が行われる。
【0036】このような実施例によれば、コンプレッサ
運転停止指令が発生した時には、弁により冷凍サイクル
を閉じるということはせずに(冷媒の流れは停止せず
に)、庫内熱交換用のファン装置20の運転を所定時間
停止させるから、冷却器18に対する熱交換量つまり熱
負荷が低減され、冷却器18の蒸発温度が低下し、これ
により、蒸発圧力が低下する。この結果、コンプレッサ
38の吸入側の圧力が低下される。この後、コンプレッ
サ38を停止(断電)すると、本実施例の振動値の変化
の様子を示す図10の特性線Hと、既述した図15の特
性線J2との比較から明らかなように、その断電時点t
2からの振動低減時間が短い。また、ポンプダウン制御
を行なう場合(図15の特性線J2参照)に比して弁が
不要で、コストの低廉化も図ることができる。なお、本
実施例においては、前記特性線J2に比して一時的に振
動レベルが若干上昇するが、振動発生期間が大幅に短縮
されていることにより、全体的な振動低減に大いに寄与
できるものである。
【0037】図11は本発明の第2の実施例を示してお
り、この実施例においては、次の点が第1の実施例と異
なる。すなわち、コンプレッサ運転停止指令が発生した
時には、ステップG1、ステップG2に示すように、冷
媒の流れは停止させずに、ファン装置20のファンモー
タ20bの回転数を低下させることを所定時間行なう。
このファン装置20の回転数減少により、冷却器18に
対する熱交換量つまり熱負荷が低減され、冷却器18の
蒸発温度が低下し、これにより、蒸発圧力が低下する。
この結果、コンプレッサ38の吸入側の圧力が低下され
る。ここで、上記所定時間は、コンプレッサ38の吸入
側の圧力が十分に低下する時間に設定されている。
【0038】この所定時間後に、ステップG3で示すよ
うにコンプレッサ38のコンプレッサモータ38cを停
止(断電)する。この断電時において、吸入側の冷媒圧
力が既に低下されているので、振動が低減される。従っ
て、この第2の実施例においても、上述の第1の実施例
と同様の効果を得ることができる。
【0039】図12は本発明の第3の実施例を示し、こ
の実施例においては次の点が第1の実施例と異なる。す
なわち、コンプレッサ運転停止指令が発生した時には、
ステップP1及びステップP2に示すように、所定時
間、ダンパ32、33を閉鎖させるようにダンパ装置2
2を制御する。これにより、冷却器18に対する熱交換
量つまり熱負荷が低減され、冷却器18の蒸発温度が低
下し、これにより、蒸発圧力が低下する。この後、ステ
ップP3にてコンプレッサ38を断電する。この第3の
実施例においても、上述の第1の実施例と同様の効果を
得ることができるものである。
【0040】図13は本発明の第4の実施例を示し、こ
の実施例においては次の点が第1の実施例と異なる。す
なわち、この場合、コンプレッサモータ38cは、例え
ばインバータ装置等により可変速可能となっており、コ
ンプレッサ運転停止指令が発生した時には、ステップQ
1で示すように、ファン装置20の運転を停止した上
で、ステップQ2及びステップQ3に示すように、冷媒
の流れは停止させずに、所定時間、コンプレッサモータ
38cの回転数を高める。これにより、冷却器18の蒸
発温度が低下し、もって、蒸発圧力が急激に低下する。
この後、ステップQ4にてコンプレッサ38を停止(断
電)する。この第4の実施例においては振動が短時間の
うちに低減される。
【0041】なお、上記ステップQ1では、ファン装置
20を停止させるようにしたが、これに代えてダンパ3
2、33を停止させるようにしても良い。また、バラン
スウエイト付コンプレッサを備えた冷蔵庫に本発明を適
用すれば、さらに振動低減効果が大きくなるものであ
る。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、次の効果を得ることができる。請求項1の発明によ
れば、コンプレッサ運転停止指令が発生すると、冷却器
の蒸発温度を低下させてコンプレッサの吸入側の圧力を
低下させることを所定時間行ない、その後コンプレッサ
の運転を停止させるから、コンプレッサ運転停止時にお
ける振動を良好に低減できると共に、コストの低廉も図
ることができる。
【0043】請求項2の発明によれば、コンプレッサ運
転停止指令が発生した時には、冷媒の流れは停止させず
に、庫内熱交換用のファン装置の運転を所定時間停止
し、その後コンプレッサの運転を停止するから、上記同
様の効果を得ることができる。請求項3の発明によれ
ば、コンプレッサ運転停止指令が発生した時には、冷媒
の流れは停止させずに、庫内熱交換用のファン装置の回
転数を低下させることをを所定時間行ない、その後コン
プレッサの運転を停止するから、上記同様の効果を得る
ことができる。
【0044】請求項4の発明によれば、コンプレッサ運
転停止指令が発生した時には、冷媒の流れは停止させず
に、冷気流通調節用ダンパ装置を所定時間閉鎖させた
後、コンプレッサの運転を停止させるから、上記同様の
効果を得ることができる。請求項5の発明によれば、コ
ンプレッサ運転停止指令が発生した時には、冷媒の流れ
は停止させずに、コンプレッサモータの回転数を所定時
間高めた後、コンプレッサの運転を停止させるから、さ
らに優れた振動低減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示し、コンプレッサ運
転停止制御のフローチャート
【図2】冷蔵庫の正面図
【図3】冷蔵庫の縦断側面図
【図4】ダンパ装置部分の縦断側面図
【図5】扉を省略して示す冷蔵庫の正面図
【図6】冷凍サイクルを示す図
【図7】コンプレッサの縦断側面図
【図8】電気的構成のブロック図
【図9】コンプレッサ運転停止制御に関連するタイムチ
ャート
【図10】振動値の変化の様子を示す図
【図11】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図12】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図13】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図14】従来における振動値の変化の様子を示す図
【図15】異なる従来における振動値の変化の様子を示
す図
【符号の説明】
1は冷蔵庫本体、18は冷却器、20はファン装置、2
0aはファン、20bはファンモータ、22はダンパ装
置、32、33はダンパ、38はコンプレッサ、40は
凝縮器、41は減圧器、42は制御回路(コンプレッサ
運転停止制御手段)を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レシプロ形コンプレッサ、凝縮器、減圧
    器及び冷却器を含んで構成された冷凍サイクルと、 コンプレッサ運転停止指令が発生したときに、前記冷却
    器の蒸発温度を低下させて前記コンプレッサの吸入側の
    圧力を低下させることを所定時間行ない、この後前記コ
    ンプレッサの運転を停止させるように制御するコンプレ
    ッサ運転停止制御手段とを備えてなる冷蔵庫。
  2. 【請求項2】 レシプロ形コンプレッサ、凝縮器、減圧
    器及び冷却器を含んで構成された冷凍サイクルと、 庫内熱交換用のファン装置と、 コンプレッサ運転停止指令が発生したときに、前記庫内
    熱交換用のファン装置の運転を所定時間停止させた後、
    前記コンプレッサの運転を停止させるように制御するコ
    ンプレッサ運転停止制御手段とを備えてなる冷蔵庫。
  3. 【請求項3】 レシプロ形コンプレッサ、凝縮器、減圧
    器及び冷却器を含んで構成された冷凍サイクルと、 庫内熱交換用のファン装置と、 コンプレッサ運転停止指令が発生したときに、前記庫内
    熱交換用のファン装置の回転数を所定時間低下させた
    後、前記コンプレッサの運転を停止させるように制御す
    るコンプレッサ運転停止制御手段とを備えてなる冷蔵
    庫。
  4. 【請求項4】 レシプロ形コンプレッサ、凝縮器、減圧
    器及び冷却器を含んで構成された冷凍サイクルと、 庫内熱交換用のファン装置と、 冷気流通調節用ダンパ装置と、 コンプレッサ運転停止指令が発生したときに、前記冷気
    流通調節用ダンパ装置を所定時間閉鎖させた後、前記コ
    ンプレッサの運転を停止させるように制御するコンプレ
    ッサ運転停止制御手段とを備えてなる冷蔵庫。
  5. 【請求項5】 回転数可変形のコンプレッサモータによ
    り駆動されるレシプロ形コンプレッサ、凝縮器、減圧器
    及び冷却器を含んで構成された冷凍サイクルと、 コンプレッサ運転停止指令が発生したときに、前記コン
    プレッサモータの回転数を所定時間高めた後、前記コン
    プレッサの運転を停止させるように制御するコンプレッ
    サ運転停止制御手段とを備えてなる冷蔵庫。
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