JPH11209528A - カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物Info
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- JPH11209528A JPH11209528A JP1112198A JP1112198A JPH11209528A JP H11209528 A JPH11209528 A JP H11209528A JP 1112198 A JP1112198 A JP 1112198A JP 1112198 A JP1112198 A JP 1112198A JP H11209528 A JPH11209528 A JP H11209528A
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Abstract
ロールからの剥離性に優れ、ブリードが無く、表面性が
良好なカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物を
提供すること。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂(A)100重量
部に対して、粒子径10μm以下のポリテトラフルオロ
エチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフル
オロエチレン含有混合粉体(B)が、ポリテトラフルオ
ロエチレン成分が0.0001〜20重量部になるよう
に配合されたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組
成物。
Description
ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
られている。このうち、カレンダー成形法は押出成形法
より高能率の成形法であり広く行われている。
よる弾性の変化が大きいため、カレンダー成形により良
好な成形品が得られる最適な成形温度幅が非常に狭く、
従来の汎用成形機では成形不良率が高く工程管理が非常
に困難である。特開平7−292170号公報にはポリ
オレフィン樹脂に対してガラスビーズを添加することに
よりカレンダー加工温度範囲を広げる提案がなされてい
る。しかしながら、この方法ではガラスビーズの分散不
良により表面性が低下する恐れがある上に、ポリオレフ
ィン樹脂が本来有する軽量性、柔軟性、靭性などの優れ
た性能を損なうという欠点があった。
成形に用いると、カレンダーロールに粘着するため成形
が著しく困難であることが知られている。特公平2−3
7942号公報には、油展したオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーを用い、これに高級脂肪酸アミドを添加して
カレンダーロールへの粘着を改良することが提案されて
いる。また、特開平7−26077号公報には、ポリオ
レフィン系樹脂に対して特定量の金属石鹸を添加してカ
レンダーロールへの粘着を改良することが提案されてい
る。しかしながら、これらの方法では少なからず添加物
のブリードや溶出が生じ、良好な表面を有する成形品が
得られないという欠点があった。
ずかな応力で繊維化する性質を有しており、熱可塑性樹
脂に配合した場合成形加工性、機械的性質などが改良さ
れることが知られている。特開平5−214184号公
報や特開平6−306212号公報には、ポリテトラフ
ルオロエチレンをポリオレフィンに配合してなる樹脂組
成物が開示されている。しかしながら、これらの方法で
はいずれもポリテトラフルオロエチレンの分散性に問題
があり、ポリオレフィン系シートの表面性が不良となる
という欠点があった。
ンダー成形する際の加工温度幅が広く、ロールからの剥
離性に優れ、ブリードが無く、表面性が良好なカレンダ
ー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物を提供することに
ある。
に、鋭意検討した結果、粒子径10μm以下のポリテト
ラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリ
テトラフルオロエチレン含有混合粉体をポリオレフィン
系樹脂に添加することにより、カレンダー成形性が向上
し、表面性の優れた成形品を得られることを見出し本発
明に到達した。
系樹脂(A)100重量部に対して、粒子径10μm以
下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体と
からなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体
(B)が、ポリテトラフルオロエチレン成分が0.00
01〜20重量部になるように配合されたカレンダー成
形用ポリオレフィン系樹脂組成物、および粒子径10μ
m以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合
体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体
(B)と一部のポリオレフィン系樹脂(A)からなるマ
スターペレットが、残りのポリオレフィン系樹脂(A)
にポリテトラフルオロエチレン成分がポリオレフィン系
樹脂(A)の総量100重量部に対して0.0001〜
20重量部になるように配合されたカレンダー成形用ポ
リオレフィン系樹脂組成物にある。
ン系樹脂(A)は、前記樹脂組成物において基材樹脂と
して用いられる成分であり、たとえばポリプロピレン、
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、
プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあ
らゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合
体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジ
エン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン
−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペ
ンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共
重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロ
ピレンと50重量%以下のたとえば酢酸ビニル、メタク
リル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステ
ル、芳香族ビニルなどのビニル化合物などとのランダム
共重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体な
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合し
て用いることができる。
系樹脂(A)としては、プロピレンを50重量%以上含
有する単量体成分を重合させて得られたプロピレン系ポ
リオレフィン、および該プロピレン系ポリオレフィン1
00重量部に対して、エチレンを50重量%以上含有す
る単量体成分を重合させて得られたエチレン系ポリオレ
フィン0.1〜100重量部を混合したものが、入手し
やすく、安価であるという点で好ましい。
としては、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンラン
ダム共重合体およびエチレン−プロピレンブロック共重
合体から選ばれた少なくとも1種が、汎用しやすく、安
価であるという点で好ましく、また前記エチレン系ポリ
オレフィンとしては、低密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンから選ばれた少
なくとも1種が、同様に、汎用しやすく、安価であると
いう点で好ましい。
は、メルトフローレートが10g/10分以下、好まし
くは5g/10分以下のものが、ポリテトラフルオロエ
チレン含有混合粉体(B)を配合した際に、加工性にす
ぐれるなどの効果が充分に発現されることから好まし
い。なお、かかるメルトフローレートは、JIS K6
758に準じて荷重2.16kgで測定されたもので、
たとえばプロピレン系ポリオレフィンでは230℃での
値であり、エチレン系ポリオレフィンでは190℃での
値である。
ン含有混合粉体(B)は粒子径10μm以下のポリテト
ラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなリ、粉
体中でポリテトラフルオロエチレンが10μm以上の凝
集体となっていないことが必要である。このようなポリ
テトラフルオロエチレン含有混合粉体(B)としては、
粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチ
レン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを
混合して凝固またはスプレードライにより粉体化して得
られるもの、あるいは粒子径0.05〜1.0μmのポ
リテトラフルオロエチレン粒子水性分散液存在下で有機
系重合体を構成する単量体を重合した後、凝固またはス
プレードライにより粉体化して得られるもの、あるいは
粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチ
レン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを
混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単
量体を乳化重合した後、凝固またはスプレードライによ
り粉体化して得られるものが好ましい。本発明に用いる
ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(B)を得る
ために用いる、粒子径0.05〜1.0μmポリテトラ
フルオロエチレン粒子水性分散液は、含フッ素界面活性
剤を用いる乳化重合でテトラフルオロエチレンモノマー
を重合させることにより得られる。
合の際、ポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわな
い範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエ
チレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フ
ッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アク
リレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを
用いることができる。共重合成分の含量は、テトラフル
オロエチレンに対して10重量%以下であることが好ま
しい。
市販原料としては、旭ICIフロロポリマー社製のフル
オンAD−1,AD−936、ダイキン工業社製のポリ
フロンD−1,D−2、三井デュポンフロロケミカル社
製のテフロン30J等を代表例として挙げることができ
る。
ン含有混合粉体(B)を構成する有機系重合体としては
特に制限されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂
(A)に配合する際の分散性の観点からプロピレン系樹
脂との親和性が高いものであることが好ましい。
体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレ
ン、p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のス
チレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アク
リル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ト
リデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタ
デシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル
系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニ
ル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等の
オレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチ
ルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができ
る。これらの単量体は、単独であるいは2種以上混合し
て用いることができる。
脂(A)との親和性の観点から好ましいものとして、ス
チレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体、オレフィン系単量体を挙げることができる。特に好
ましいものとして炭素数12個以上の長鎖アルキル(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン、オレフィ
ン系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体を
20重量%以上含有する単量体を挙げることができる。
ン含有混合粉体(B)中に占めるポリテトラフルオロエ
チレンの含有割合は、0.1重量%〜90重量%である
ことが好ましい。
ン含有混合粉体(B)は、その水性分散液を、塩化カル
シウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中
に投入し、塩析、凝固した後に乾燥するか、スプレード
ライにより粉体化することができる。
ンパウダーは、粒子分散液の状態から粉体として回収す
る工程で100μm以上の凝集体となってしまうために
熱可塑性樹脂に均一に分散させることが困難であるのに
対して、本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含
有混合粉体(B)は、ポリテトラフルオロエチレンが単
独で粒子径10μmを超えるドメインを形成していない
ためにポリオレフィン系樹脂に対する分散性がきわめて
優れている。この結果、本発明のカレンダー成形用ポリ
オレフィン系樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレ
ンがポリオレフィン系樹脂(A)中で効率よく繊維化し
ており、成形温度幅が広く、ロールからの剥離性に優れ
る上、表面性にも優れるものとなる。
ン系樹脂(A)100重量部に対して前記ポリテトラフ
ルオロエチレン含有混合粉体(B)がポリテトラフルオ
ロエチレン成分が0.0001〜20重量部になるよう
に配合されたものである。0.0001重量部未満では
加工性の改良効果が乏しく、また、20重量部を超える
と溶融粘度が低下する。
さらに造核剤、安定剤、滑剤、無機充填剤などの添加剤
を添加することができる。
ジウムベンゾエート、ビスベンジリデンソルビトール、
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス
(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ソジウム−
2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、タルク、酸化チタン、アルミニウム
ヒドロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエートなどがあ
げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。造核剤の配合量は、あまりにも少ない
ばあいには、かかる造核剤を用いることによる透明性や
表面性の改良効果が充分に発現されなくなる傾向がある
ので、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し
て0.001重量部以上、さらには0.01重量部以上
であることが好ましく、またあまりにも多いばあいに
は、樹脂組成物から形成される熱成形用ポリオレフィン
シートの透明性がかえって低下するようになる傾向があ
るので、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対
して2重量部以下、さらには1.5重量部以下であるこ
とが好ましい。
ンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]などのフェノール系安定剤、トリス(モノノ
ニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系安定
剤、ジラウリルチオジプロピオネートなどのイオウ系安
定剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。またかかる安定剤の配合
量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し
て通常0.01〜3重量部、さらには0.05〜2重量
部であることが好ましい。
リル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸など
の飽和または不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウム、
マグネシウム塩などがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。またかかる滑
剤の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量
部に対して通常0.1〜3重量部、さらには0.1〜2
重量部であることが好ましい。
ば炭酸カルシウム、タルク、ガラス繊維、炭酸マグネシ
ウム、マイカ、カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、チタンホワイト、ホワイトカーボン、カーボンブラ
ック、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、シリカ、クレー、ゼオライトなどがあげ
られ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いる
ことができる。これらの平均粒径は1〜70μmである
ことが好ましい。またかかる無機充填剤の配合量は、前
記ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対して通
常0.001〜100重量部、さらには0.005〜5
0重量部であることが好ましい。このような無機物を多
量に含有させた場合、得られる成形体は耐熱性が向上す
るとともに焼却処理の際の燃焼カロリーを低下させるこ
とが可能となる。
任意成分の各成分を所定量配合し、ロール、バンバリー
ミキサー、単軸押出機、2軸押出機等の通常の混練機で
混練して組成物を調製するが、通常はペレット状にする
のが好ましい。また、ポリテトラフルオロエチレン含有
混合粉体(B)を高濃度に含むマスターバッチをポリオ
レフィン系樹脂(A)で希釈して本発明の組成物として
も良い。
混合粉体(B)のポリテトラフルオロエチレン成分量
は、ポリオレフィン系樹脂(A)の総量100重量部に
対して、0.0001〜20重量部の範囲が好ましい。
ダー成形法によってカレンダーシートやフィルムに成形
され、車両用、殊に自動車用の床材、天井材、インスト
ルメントパネル、ドアトリム、内装シート等の自動車用
内外装材の外、レジャー用シート、ガスケット、防水シ
ート、バッグ類、ノートカバー、手帳カバー、ベルト等
に使用される。また、樹脂シートまたはフィルムは食品
容器、各種工業部品等にも使用が可能である。
発明はこれらに限定されるものではない。
を示し、諸物性の測定は下記の方法による。
で30分乾燥して求めた。
分散液を水で希釈したものを試料液として、動的光散乱
法(大塚電子(株)製ELS800、温度25℃、散乱
角90度)により測定した。
mol/lのNaCl水溶液で希釈したものを試料液と
して、電気泳動法(大塚電子(株)製ELS800、温
度25℃、散乱角10度)により測定した。
210に記載の方法により荷重2.16kgにて測定し
た。測定温度はプロピレン系ポリオレフィンの場合は2
30℃、エチレン系ポリオレフィンの場合は190℃と
した。
4cmの2本ロール(カレンダーロール)を用い、ロー
ル表面温度160〜230℃の範囲で、ロール速度10
m/分(ロール速度比1対1.1)、ロール間隔0.3mm
の条件で、試料100gを5分間ロールに巻付けてシー
トを取り出す操作を行い、良好なシートが得られる温度
範囲幅を求めた。
載のカレンダー成形において、ロールからの剥離性、表
面性の評価を行なった。評価基準は表1の通りである。
トを用いて1mmプレスシートを作成し、60℃熱オー
ブン中に1週間静置した後、シート表面のブリードの程
度を評価した。評価基準は表1の通りである。
有粉体(B−1)の製造> 攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えたセ
パラブルフラスコに蒸留水190部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム1.5部、スチレン100部、ク
メンヒドロパーオキシド0.5部を仕込み、窒素気流下
に40℃に昇温した。次いで、硫酸鉄(II)0.001
部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.003
部、ロンガリット塩0.24部、蒸留水10部の混合液
を加えラジカル重合を開始させた。発熱が終了した後、
系内の温度を40℃で1時間保持して重合を完了させ、
スチレン重合体粒子分散液(以下P−1と称する)を得
た。
径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は96n
m、表面電位は−32mVであった。
分散液として旭ICIフロロポリマーズ社製フルオンA
D936を用いた。AD936の固形分濃度は63.0
%であり、ポリテトラフルオロエチレン100部に対し
て5部のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
を含むものである。AD936の粒子径分布は単一のピ
ークを示し、重量平均粒子径は290nm、表面電位は
−20mVであった。
を添加し、固形分濃度26.2%のポリテトラフルオロ
エチレン粒子分散液F−1を得た。F−1は25%のポ
リテトラフルオロエチレン粒子と1.2%のポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテルを含むものである。
チレン40部)と181.8部のP−1(ポリスチレン
60部)とを攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒素導入
口を備えたセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下に
室温で1時間攪拌した。その後系内を80℃に昇温し、
1時間保持した。一連の操作を通じて固形物の分離は見
られず、均一な粒子分散液を得た。粒子分散液の固形分
濃度は29.3%、粒子径分布は比較的ブロードで重量
平均粒子径は168nmであった。
ウム5部を含む85℃の熱水700部に投入し、固形物
を分離させ、濾過、乾燥してポリテトラフルオロエチレ
ン含有混合粉体(B−1)98部を得た。
冊状に賦形した後、ミクロトームで超薄切片としたもの
を無染色のまま透過型電子顕微鏡で観察した。ポリテト
ラフルオロエチレンは暗部として観察されるが、10μ
mを超える凝集体は観察されなかった。
有混合粉体(B−2)の製造> 攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒素導入口、滴下ロー
トを備えたセパラブルフラスコに参考例1で使用したF
−1を160部(ポリテトラフルオロエチレン40
部)、ドデシルベンゼンスルホン酸1.0部、蒸留水7
0部を仕込み、窒素気流下に80℃に昇温した。次い
で、硫酸鉄(II)0.001部、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム0.003部、ロンガリット塩0.24
部、蒸留水10部の混合液を加えた後、n−ブチルアク
リレート20部、スチレン40部、ターシャリーブチル
ペルオキシド0.3部の混合液を滴下ロートより90分
間で滴下し、ラジカル重合を進行させ、滴下終了後、内
温を80℃で1時間保持した。一連の操作を通じて固形
物の分離は見られず、均一な粒子分散液を得た。粒子分
散液の固形分濃度は33.2%、粒子径分布は比較的ブ
ロードで重量平均粒子径は248nmであった。
ウム5部を含む85℃の熱水700重量部に投入し、固
形物を分離させ、濾過、乾燥してポリテトラフルオロエ
チレン含有混合粉体(B−2)98部を得た。
冊状に賦形した後、ミクロトームで超薄切片としたもの
を無染色のまま透過型電子顕微鏡で観察した。ポリテト
ラフルオロエチレンは暗部として観察されるが、10μ
mを超える凝集体は観察されなかった。
有混合粉体(B−3)の製造> ドデシルメタクリレート75部とメチルメタクリレート
25部の混合液にアゾビスジメチルバレロニトリル0.
1部を溶解させた。これにドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム2.0部と蒸留水300部の混合液を添加
し、ホモミキサーにて10000rpmで4分間攪拌し
た後、ホモジナイザーに30MPaの圧力で2回通し、
安定なドデシルメタクリレート/メチルメタクリレート
予備分散液を得た。これを、攪拌翼、コンデンサー、熱
電対、窒素導入口を備えたセパラブルフラスコに仕込
み、窒素気流下で内温を80℃に昇温して3時間攪拌し
てラジカル重合させ、ドデシルメタクリレート/メチル
メタクリレート共重合体粒子分散液(以下P−2と称す
る)を得た。
径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は198
nm、表面電位は−39mVであった。
テトラフルオロエチレン40部)と159.4部のP−
2(ドデシルメタクリレート/メチルメタクリレート共
重合体40部)とを攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒
素導入口、滴下ロートを備えたセパラブルフラスコに仕
込み窒素気流下に室温で1時間攪拌した。その後系内を
80℃に昇温し、硫酸鉄(II)0.001部、エチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、ロンガリッ
ト塩0.24部、蒸留水10部の混合液を加えた後、メ
チルメタクリレート20部とターシャリーブチルペルオ
キシド0.1部の混合液を30分かけて滴下し、滴下終
了後内温を80℃で1時間保持してラジカル重合を完了
させた。一連の操作を通じて固形物の分離は見られず、
均一な粒子分散液を得た。粒子分散液の固形分濃度は2
8.5%で、粒子径分布は比較的ブロードで重量平均粒
子径は248nmであった。
ウム5部を含む75℃の熱水600部に投入し、固形物
を分離させ、濾過、乾燥してポリテトラフルオロエチレ
ン含有混合粉体(B−3)97部を得た。
により短冊状に賦形した後、ミクロトームで超薄切片と
したものを無染色のまま透過型電子顕微鏡で観察した。
ポリテトラフルオロエチレンは暗部として観察される
が、10μmを超える凝集体は観察されなかった。
有混合粉体のマスターペレット(M−1)の製造> 直鎖状ホモポリプロピレンペレット(日本ポリケム社製
EA7:メルトフローレート1.2g/10分)75部
に対して参考例3で得たテトラフルオロエチレン含有混
合粉体B−3を25部配合してハンドブレンドした後、
二軸押出機(WERNER&PFLEIDERER社製
ZSK30)を用いて、バレル温度200℃、スクリュ
ー回転数200rpmにて溶融混練しペレット状に賦形
し、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体のマスタ
ーペレット(以下M−1と称する)を得た。
製、EA9:メルトフローレート0.5g/10分)1
00重量部に対して、各参考例で得たポリテトラフルオ
ロエチレン含有混合粉体(B−1〜3)またはマスター
ペレット(M−1)を表3に示す割合で配合し、押出機
により230℃で押し出し、ペレットを調整した。この
ペレットを用いてカレンダー成形し、カレンダー成形温
度幅、カレンダー成形性、シートのブリード性を評価し
た。結果を表3に示す。
ロエチレン含有混合粉体のポリテトラフルオロエチレン
成分量は、プロピレン系樹脂100部に対して、0.1
部である。
含有混合粉体を添加せずに押し出したもの(比較例
1)、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダー
(旭ICI社製CD123)を添加したもの(比較例
2,3)、ガラスビーズ(東芝バロティーニ社製GB7
31MC)を添加したもの(比較例4)、金属石鹸(ス
テアリン酸リチウム)を添加したもの(比較例5)を同
様に評価した。結果を表3に示す。
製、EA9:メルトフローレート0.5g/10分)1
00部に代えて表2に示す樹脂100部を用いた以外は
実施例3と同様にしてペレットを調整し、同様に評価し
た。結果を表3に示す。
ン系樹脂組成物は、カレンダー成形する際の成形温度幅
が広く、カレンダーロールへの粘着がないことからカレ
ンダー成形性に優れ、得られるシートの表面性にも優れ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂(A)100重量
部に対して、粒子径10μm以下のポリテトラフルオロ
エチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフル
オロエチレン含有混合粉体(B)が、ポリテトラフルオ
ロエチレン成分が0.0001〜20重量部になるよう
に配合されたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組
成物。 - 【請求項2】 粒子径10μm以下のポリテトラフルオ
ロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフ
ルオロエチレン含有混合粉体(B)と一部のポリオレフ
ィン系樹脂(A)からなるマスターペレットが、残りの
ポリオレフィン系樹脂(A)にポリテトラフルオロエチ
レン成分がポリオレフィン系樹脂(A)の総量100重
量部に対して0.0001〜20重量部になるように配
合されたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成
物。 - 【請求項3】 ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉
体(B)が、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラ
フルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水
性分散液とを混合して凝固またはスプレードライにより
粉体化して得られるものである請求項1又は2記載のカ
レンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉
体(B)が、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラ
フルオロエチレン粒子水性分散液存在下で有機系重合体
を構成する単量体を重合した後、凝固またはスプレード
ライにより粉体化して得られるものである請求項1又は
2記載のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成
物。 - 【請求項5】 ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉
体(B)が、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラ
フルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水
性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結
合を有する単量体を乳化重合した後、凝固またはスプレ
ードライにより粉体化して得られるものである請求項1
又は2記載のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組
成物。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1112198A JP3209955B2 (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物 |
US09/463,996 US6344493B2 (en) | 1997-08-22 | 1998-08-21 | Melt tension improver for polyolefin resins and process for producing the same |
KR10-2000-7001717A KR100526961B1 (ko) | 1997-08-22 | 1998-08-21 | 폴리올레핀 수지용 용융 장력 향상제 및 그 제조방법 |
PCT/JP1998/003718 WO1999010431A1 (fr) | 1997-08-22 | 1998-08-21 | Ameliorant de la tension de fusion de resines de polyolefines et son procede de preparation |
CNB98809360XA CN1168775C (zh) | 1997-08-22 | 1998-08-21 | 聚烯烃树脂的熔体张力增强剂及其制备方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1112198A JP3209955B2 (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11209528A true JPH11209528A (ja) | 1999-08-03 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1112198A Expired - Lifetime JP3209955B2 (ja) | 1997-08-22 | 1998-01-23 | カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3209955B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11323031A (ja) * | 1998-05-20 | 1999-11-26 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物 |
-
1998
- 1998-01-23 JP JP1112198A patent/JP3209955B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11323031A (ja) * | 1998-05-20 | 1999-11-26 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物 |
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JP3209955B2 (ja) | 2001-09-17 |
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