JPH11209372A - アファノルフィン中間体 - Google Patents

アファノルフィン中間体

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JPH11209372A
JPH11209372A JP31079198A JP31079198A JPH11209372A JP H11209372 A JPH11209372 A JP H11209372A JP 31079198 A JP31079198 A JP 31079198A JP 31079198 A JP31079198 A JP 31079198A JP H11209372 A JPH11209372 A JP H11209372A
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Seiichi Takano
誠一 高野
Kuniro Ogasawara
国郎 小笠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アファノルフィンの中間体を提
供すること。 【解決手段】 一般式(I)および(II) で示されるア
ファノルフィン中間体。 【化6】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アファノルフィン
の中間体に関し、この中間体を出発物質として(+)−
アファノルフィンを製造することができる。
【0002】
【従来の技術】(+)−アファノルフィンは、麻酔薬で
あるモルフィンの類似体であるベンゾモルファン骨格を
有し、その生理活性は医薬品として有用と考えられてい
る(ケミカルレビュー(Chem. Rev.)77巻、1頁 (1977
年))。しかし、天然物としてのアファノルフィンの骨格
は知られているが (テトラヘドロン・レターズ(Tetrahe
dron Lett.) 29巻、4381頁(1988)) 、その絶対配置は決
定されておらず、全合成も未だ報告されていない。従っ
て、その薬理活性は十分解明されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
麻酔薬として有用なアファノルフィンについて、その絶
対配置を決定し、これを合成し、その薬理活性を解明す
ることが望まれ、その製造法の開発が強く望まれてい
た。本発明者らは、麻酔薬として有用なアファノルフィ
ンの絶対配置を定めると共に、(+)−アファノルフィ
ンのより効率的な製造法を見出し、特願平1−2464
51の明細書においてこれを明らかにした。
【0004】従って、本発明の化合物である(+)−ア
ファノルフィンは本発明者らによって初めて合成され、
その絶対配置が明らかになったもので、本発明の化合物
は新規化合物である。本発明は、アファノルフィンの中
間体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の一般式
(I)および(II)でそれぞれ示されるアファノルフィン
中間体である。
【0006】
【化3】 (RはC1〜C10のアルキル基を表す) 。前記一般式(I)
で示されるアファノルフィン中間体を出発物質として、
一般式(II)、(III)、(IV) で示される化合物を一種
以上経て一般式
【0007】
【化4】 (式中のRは水素原子またはC1〜C10のアルキル基を表
す)で示される(+)−アファノルフィンを製造するこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に前記の(+)−アファノルフ
ィンの製造方法の好適例について述べる。本発明の化合
物であるアファノルフィンの中間体(I)は、入手容易
な光学活性トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−3
−ヒドロキシジエンから容易に得ることができる次式で
示される(+)−ジエノン化合物(A)
【0009】
【化5】 から合成する(ジャーナル・オブ・ケミカルソサイアテ
ィー・ケミカル・コミュニケーション(J. Chem. Soc. C
hem. Comunn.) 1989年 271頁)。
【0010】化合物(A)をグリニヤール試薬と反応さ
せ、1, 4−付加体化合物(B)を得る。これを加熱す
ることにより逆ジールス・アルダー反応を起こし、エノ
ン化合物(I)(前記一般式(I)のRがC1で表される)
が得られる。次に、エノン化合物(I)の二重結合を過
酸化水素で酸化してオキシラン化合物(C)にした。ヒ
ドラジンで処理したのち、水酸基をクロム酸ピリジン塩
酸塩で酸化してケトンとし、二重結合をパラジウム−カ
ーボンで還元すると、2−(m−メトキシフェニル)−
2−メチルシクロペンタノン(D)が得られる。
【0011】この化合物(D)を水素化ナトリウム、蟻
酸エチルを用いてα−ホルミル化し、1, 3−プロパン
ジチオールジトシレートを反応させて、中間体(II)(前
記一般式(II)のRがC1で表される) が得られる。得ら
れたアファノルフィンの中間体(II)は、水酸化カリウ
ム−t−ブチルアルコール溶液中で攪拌することにより
開環してカルボン酸になる。これをジアゾメタンで処理
しエステル化合物(E)とする。
【0012】エステル化合物(E)をメタクロロ過安息
香酸などの酸化剤によって酸化しスルホキシドとした
後、さらにトリフルオロ酢酸を加え室温で攪拌し、加熱
還流することにより中間体(III)( 前記一般式(III)の
RがC1で表される) に変換することができる。次に中間
体(III)のエステルを水素化リチウムアルミニウムなど
の還元剤を用いて、アルコール化合物(F)に変換す
る。
【0013】アルコール化合物(F)とフタルイミドを
ミツノブ反応で縮合し、さらにヒドラジンと反応させ、
アミン化合物を得る。四酢酸鉛、無水炭酸カリウム存在
下でアミン化合物を加熱還流し、アジリジン誘導体(I
V)(前記一般式(IV)のRがC1で表される) を得る。こ
のアジリジン誘導体(IV) を素早くメチルフルオロスル
ホネートと反応させ、アンモニウム塩に導き、水素化リ
チウムアルミニウムで処理することにより、前記一般式
(V) で示される(+)−アファノルフィン(式中のR
は水素原子である) が得られる。
【0014】以上述べて来た合成法の各々の反応におけ
る反応温度、反応時間、反応溶媒などは、取扱い量など
によって当然異なるが、一般式(I)、(II)、(III)、
(IV)で示される中間体のいずれか、あるいはすべてを
経由させて(+)−アファノルフィンを製造することが
できる。従ってこれらの中間体のいずれかを経由するの
であれば、その製造法は本発明に関連するものであり、
反応温度、反応時間、反応溶媒などの効果は、当業者の
容易に類推する範囲で変化させることができる。
【0015】また、出発原料のジシクロペンタジエンの
鏡像異性体を出発原料として用いれば、(−)−アファ
ノルフィンが得られる。
【0016】
【発明の効果】本発明の中間体を用いた製造法により、
医薬品(麻酔薬)として極めて有望な化合物であるアフ
ァノルフィンを、効率よく得ることができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、各々の反応における反応温度、反応時間、反
応溶媒などは、取扱い量などによって当然異なるので、
本発明は実施例のみによって制限されるものではない。 実施例1 (+)−ジエノン化合物(A)から4−(m−メトキシ
フェニル) −4−メチル−シクロペント−2−エノン
(I)の調製 マグネシウム片2.37g (97.5 mmol) のテトラヒドロフラ
ン80ml懸濁液に、m−ブロモアニソール8.0ml (63.7 mm
ol) をゆっくり滴下した後、反応液を1時間加熱還流し
た。反応液を室温に戻し、CuBr・SMe2 385mg (1.88 mmo
l)およびヘキサメチルホスホルアミド7.18ml (41.3 mmo
l)を加えた後、−70℃に冷却した。10分間攪拌後、化合
物(A)3.0g (18.7 mmol)とトリメチルクロロシラン4.
8ml(37.5mmol)の混合テトラヒドロフラン溶液を1時間
かけて滴下した。同温で2時間攪拌後、室温まで昇温
し、トリエチルアミン4.5ml およびn−ヘキサン54mlを
加え、セライトを用いて濾過した。有機層を水で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を除去し
た。残渣をメタノール100ml に溶かし、フッ化カリウム
1.09g (8.8 mmol)を室温にて加えた。5分間攪拌後、水
を加えジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残渣をシリカ
ゲル80gを用いてカラムクロマトグラフィーに付し、エ
チルエーテル−n−ヘキサン(1:15v/v)の流分より淡黄
色油状の1,4−付加体化合物(B)(5−(m−メト
キシフェニル)−5−メチル−トリシクロ〔5.4.
1.0.2,6〕デカ−3−オン−7−エン)の混合物4.6
8gを得た。これは完全には精製できなかったので、そ
のまま次の反応に用いた。
【0018】化合物(B)の混合物4.68gのo−ジクロ
ロベンゼン90ml溶液を12時間、加熱還流した。反応液を
シリカゲル100gを用いてカラムクロマトグラフィーに付
し、エチルエーテル−n−ヘキサン(1:10 v/v) の流分
より、淡黄色油状物(I)(4−(m−メトキシフェニ
ル) −4−メチル−シクロペント−2−エノン)3.29g
(化合物(A)からの総収率87%) を得た。 IRνneat maxcm-1:1720;1 H-NMR (CDCl3)δ:1.61 (S,3H), 2.47 (d,1H, J=18.
6Hz), 2.70 (d,1H,J=18.6Hz), 3.80(S,3H), 5.19 (d,
1H,J= 5.6Hz), 6.7-7.4 (m,4H),7.67 (d,1H,J=5.6H
z); MS (m/z):204 (M++2), 203 (M++1), 202 (M+), 202
(M+), 187 (100%); 分析値、計算値 C13H14O2 :C, 77.20 ;H, 6.98 実測値 C, 77.20 ; H, 6.86 〔α〕29 D −105.2°(c1.38, CHCl3)
【0019】実施例2 エノン化合物(I)から5−(m−メトキシフェニル)
−5−メチル−2,2−(プロパン−1,3−ジチオ)
−シクロペンタノン(II)の調製化合物(I)3.29g (1
6.3 mmol) のメタノール60ml溶液に氷冷下に30%過酸化
水素水溶液 5.5ml(48.9 mmol) 、5%水酸化ナトリウム
水溶液 6.5ml (8.14mmol) を順次加え、15分間攪拌後、
室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、水層をエチ
ルエーテルで抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム
水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシ
リカゲル60gを用いてカラムクロマトグラフィーに付
し、エチルエーテル−n−ヘキサン(1:7 v/v) の流分
より黄色油状物のオキシラン化合物(C)(4−(m−
メトキシフェニル) −4−メチル−2,3−エポキシ−
シクロペンタノン)2.64g(収率74%) を、ジアステレオ
マー混合物 (5:3)として得た。
【0020】IRν neat maxcm-1:1755;1 H-NMR (CDCl3)δ:1.39 (S,9/8H), 1.68 (S,15/8H),
2.19 (d,3/8H,J=17.1Hz), 2.28 (d,5/8H,J=17.6H
z), 2.50 (d,5/8H,J=17.6Hz), 2.69 (d,3/8H,J=17.
1Hz),3.48 (d,3/8H, J=2.7Hz), 3.51 (d,5/8H, J=
2.2Hz), 3.80(S,15/8H),3.83 (S,9/8H), 3.84 (d,5/8H,
J=2.2Hz), 4.03(d,3/8H,J=2.7Hz), 6.7-7.4(m,4H); MS (m/z):220 (M++2), 219 (M++1), 218 (M+) 分析値、計算値 C13H14O3:C, 77.20 ; H, 6.74 実測値 C, 71.55 ; H, 6.40
【0021】オキシラン化合物(C)100mg (0.46 mmo
l) のメタノール3ml溶液に、氷冷下ヒドラジン一水塩
0.11ml (2.3 mmol) および酢酸26μl (0.46 mmol) を加
え、10分間攪拌後、12時間加熱還流した。反応液にエチ
ルエーテルを加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥し減圧下に溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲル10gを用いてカラムクロマトグラ
フィーに付し、エチルエーテル−n−ヘキサン(1:8 v
/v) の流分から淡黄色油状物(5−(m−メトキシフェ
ニル)−5−メチルシクロペント−2−エノールを含
む)32mg (収率34%) をジアステレオマー混合物(5:
3)として得た。
【0022】IRνneat maxcm-1:3400;1 H-NMR (CDCl3)δ:1.32 (S,3H), 1.95(br.s,1H), 2.2-
3.2 (m,2H), 3.79 (S,15/8H), 3.80 (S,9/8H),4.50 (m,
3/8H), 4.92 (m,5/8H), 5.1-6.2 (m,2H), 6.7-7.4 (m,4
H); MS (m/z), 207 (M++3), 206 (M++2), 205 (M+ +1),
204 (M+, 100%) 得られた5−(m−メトキシフェニル)−5−メチルシ
クロペント−2−エノール 141mg (0.69mmol) のジクロ
ロメタン5ml溶液に氷冷下に、クロム酸ピリジン塩酸塩
223ml (1.04mmol) を加え10分間攪拌後、室温で4時間
攪拌した。反応液をフロリジルを用いて濾過し、濾液を
減圧下に溶媒留去し、粗エノン化合物(5−(m−メト
キシフェニル)−5−メチル−シクロペント−2−エノ
ン)145mg を得た。これを精製することなく次の反応に
用いた。
【0023】粗エノン化合物 145mgのエタノール5ml溶
液に10%パラジウム−カーボン20mgを加え、水素気流下
に室温で8時間攪拌した。反応液をセライトを用いて濾
過し、濾液を減圧下に溶媒留去した。残渣をシリカゲル
10gを用いて、カラムクロマトグラフィーに付し、エチ
ルエーテル−n−ヘキサン(1:10 v/v) の流分より黄
色油状物(D)(2−(m−メトキシフェニル)−2−メ
チル−シクロペンタノン 103mg(ヒドラジン処理化合物
からの総収率71%) を得た。 IRν neat maxcm-1:1750;1 H-NMR (CDCl3)δ: 1.37 (S,3H), 1.7-2.2 (m,6H) 3.79
(S,3H), 6.7-7.4 (m,4H); MS (m/z): 205 (M++1), 204 (M+),148 (100%); 高分解能質量分析法(exact mass) 計算値, C13H16O2: 204.2682 (M+) 実測値 204.1157 (M+)
【0024】水素化ナトリウム(60% w/w in oil) 39m
g (0.98 mmol) のベンゼン1ml懸濁液に、氷冷下に油状
物(D) 100mg (0.49 mmol) とギ酸エチル80μl (0.98
mmol) の混合ベンゼン溶液を滴下し、室温で3時間攪拌
した。水を加え、2Nの硫酸水溶液で酸性とした後、エ
チルエーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで
乾燥後、減圧下に溶媒除去し、粗α−ホルミル体 120mg
を得た。次に得られた粗α−ホルミル体 120mgのエタノ
ール溶液に1, 3−プロパンジチオールジトシレート26
5mg (0.64 mmol) および酢酸カリウム 351mg(3.58mmol)
を加え、3時間加熱還流した。反応液を減圧下に溶媒留
去した後、水を加えエチルエーテルで抽出し、飽和塩化
ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧下に溶媒留去した。得られた残渣をシ
リカゲル10gを用いてカラムクロマトグラフィーに付
し、エチルエーテル−n−ヘキサン(1:10 v/v) の流分
より白色油状物(II)(5−(m−メトキシフェニル) −
5−メチル−2,2−(プロパン−1,3−ジチオ)−
シクロペンタノン) 80mg(収率53%)を得た。 IRν neat maxcm-1:1725;1 H-NMR (CDCl3)δ: 1.55 (S,3H), 1.9−2.7 (m, 10H),
3.78 (S,3H), 6.7−7.41(m,4H); MS (m/z): 308 (M+), 132 (100%);
【0025】実施例3 1−メトキシカルボニル−7−メトキシ−1−メチル−
1,2−ジヒドロナフタレン(III)の調製 化合物 (II) 3.60g (11.7 mmol) のt−ブチルアルコー
ル90ml溶液を60℃に保ち、粉末の水酸化カリウム2.71g
(46.7 mmol) を加え、そのまま13時間攪拌した。水を加
え、冷濃塩酸で酸性にし、エチルエーテルで抽出し、有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得
られた粗カルボン酸をエーテル溶液とし、ジアゾメタン
/エチルエーテルを加えた。溶媒留去後、シリカゲルカ
ラマトグラフィーに付し、エステル化合物(E)(2−
(m−メトキシフェニル)−2−メチル−5,5−(プ
ロパン−1,3−ジチオ)−ペンタン酸メチルエステ
ル)3.13g (82%) を得た。 IRνneat maxcm-1:1730;1 H-NMR (CDCl3)δ: 1.54 (S,3H), 1.6-23 (m,6H), 2.8
(m,4H), 3.66 (S,3H), 3.80 (S,3H)、3.97(t,1H J=6.
6Hz), 6.7-7.3 (m,4H)
【0026】エステル化合物(E)2.13g (6.26 mmol)
のジクロロメタン30ml溶液に重炭酸ナトリウム 1.57g(1
8 mmol) を加え、氷冷下にメタクロロ過安息香酸 1.19g
(6.89 mmol)を加えた。5分間攪拌後、水を加え、ジク
ロロメタンで抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗
浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、粗モ
ノスルホキシド化合物を得た。次にこれをトルエン40ml
溶液と共に冷却下、トリフルオロ酢酸を滴下した。室温
で20分間攪拌後、130 ℃で5分間還流し、空冷後、飽和
重炭酸ナトリウム水溶液を加え、有機層を分取後、硫酸
マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物
(III)(1−メトキシカルボニル−7−メトキシ−1−
メチル−1,2−ジヒドロナフタレン) 804mg (収率55
%、3.46 mmol)を得た。 IRνneat maxcm-1:1730;1 H-NMR (CDCl3)δ: 1.51 (S,3H), 2.22 (m,1H), 2.95
(m,1H), 3.66 (S,3H), 3.78 (S,3H), 5.83 (m,1H), 6.4
0 (d,1H, J=9.5Hz, 6.7-7.1(m,3H)
【0027】実施例4 アジリジン誘導体(IV)の調製 水素化リチウムアルミニウム 132mg(3.46mmol)のテトラ
ヒドロフラン10ml懸濁液に氷冷下、実施例3で得られた
化合物(III)804mg (3.46 mmol) のテトラヒドロフラン
5ml溶液を滴下し、室温で1時間攪拌し、氷冷下に濃ア
ンモニア水を加え、そのまましばらく攪拌した後、セラ
イトでろ過し、エチルエーテルで抽出し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、溶媒を留去し、粗アルコール(F)の1
−ヒドロキシメチル−7−メトキシ−1−メチル−1,
2−ジヒドロナフタレンを得た。一部、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付して精製し、次のデータを得
た。 IRνneat maxcm-1:3400;1 H-NMR (CDCl3)δ: 1.19 (S,3H), 1.58 (S,1H,D2O で交
換可能), 1.9-2.5 (m,2H), 3.43 (S,2H), 3.70 (S,3H),
5.68 (dt,1H, J=9.8, 4.1Hz, 6.28 (d,1H, J=9.8H
z), 6.55-6.95 (m,3H) 〔α〕27 D −13.0°(c0.23, CHCl3)
【0028】粗アルコール(F) 280mg (1.37 mmol) 、
フタルイミド363mg (2.47 mmol) およびトリフェニルホ
スフィン647mg (2.47 mmol) の混合テトラヒドロフラン
溶液に、氷冷下ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
0.49ml (2.47 mmol)を滴下し、室温で15時間攪拌した。
溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、縮合物の7−メトキシ−1−メチル−1−フ
タルイミジルメチル−1, 2−ジヒドロナフタレン 300
mg(収率65.7%) を得た。 IRνneat maxcm-1:1600,1710;1 H-NMR (CDCl3)δ:1.38 (S,3H), 2.22-2.29 (m, 2H),
3.73 (S,2H), 3.76 (S,3H), 5.88 (dt,1H, J=9.5, 4.
4Hz, 6.46 (d,1H, J=9.5Hz, 6.7-7.1 (m,3H), 7.6-7.
9 (m,4H)
【0029】得られた縮合物 40mg (0.12 mmol) のエタ
ノール3ml溶液にヒドラジン一水塩17μl (0.36 mmol)
を加え、40分間加熱還流した。空冷後、減圧下に溶媒を
留去し、ジクロロメタンを加え、セライトを用いて濾過
した。減圧下に溶媒を留去し、粗アミン化合物の1−ア
ミノメチル−1−メチル−7−メトキシ−1, 2−ジヒ
ドロナフタレン20mgを得た。 IRνneat maxcm-1:3300;1 H-NMR (CDCl3)δ: 1.16 (S,3H), 1.42 (br.s,2H, D2O
で交換可能), 2.19 (m,2H), 2.65 (S,2H), 3.73 (S,3
H), 5.70 (dt,1H, J=9.6, 4.6Hz) 6.29 (d,1H,J=9.
6Hz) 6.5-7.0 (m,3H) 四酢酸鉛 (90%) 194mg (0.394 mmol)と無水炭酸カリウ
ム 211mg (1.53 mmol)の無水ベンゼン3ml溶液を60℃に
保ち、前記工程で得られた粗アミン化合物 20mg のベン
ゼン溶液をすばやく加え、20分間還流し、空冷後、10%
水酸化ナトリウム水溶液を加え、エチルエーテルで抽出
し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、粗ア
ジリジン誘導体 (IV) を得た。
【0030】実施例5 (+)−アファノルフィンメチルエーテル(V)の調製 実施例4で得られた粗アジリジン誘導体 (IV) をできる
だけ素早くジクロロメタン2ml溶液とし、氷冷下にメチ
ルフルオロスルホネート19.4μl を滴下し、5分間攪拌
後、溶媒留去し、粗アンモニウム塩を得た。さらにこれ
をテトラヒドロフラン1ml溶液とし、氷冷下に水素化リ
チウムアルミニウム 9.4mgのテトラヒドロフラン液1ml
懸濁液を滴下し、室温で30分間攪拌した。濃アンモニア
水を加え、しばらく攪拌後、セライトで濾過後、溶媒を
留去した。さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、
ジクロロメタンで抽出した。炭酸カリウムで乾燥後、溶
媒を留去し、得られた残渣をプレパラティブ薄層クロマ
トグラフィーに付し(+)−アファノルフィンメチルエ
ーテル((V)式中のRがメチル基)13mg (収率24.4
%) を得た。1 H-NMR (CDCl3)δ: 1.48 (S,3H), 1.86 (d,1H,J=11.0
Hz, 2.01-2.05 (m,1H),2.49 (S,3H), 2.77 (d,1H,J=
9.15Hz), 2.83-2.89 (m,2H), 3.03 (d,1H, J=17.1H
z), 3.43 (m,1H), 3.78 (S,3H), 6.69 (dd,1H,J=8.2
4, 3.05Hz), 6.78(d,1H,J=2.45Hz), 7.02 (d,1H,J=
8.55Hz MS (m/z):218 (M++1), 217 (M+), 202 (100%); 〔α〕27 D −7.40°(c0.35, CHCl3)
【0031】実施例6 (+)−アファノルフィン(V)の調製 実施例5で得られた(+)−アファノルフィンメチルエ
ーテル13mg (0.06 mmol)のジクロロメタン溶液を−80℃
に冷却し、三臭化ホウ素の 1.0M ジクロロメタン溶液
0.2ml (0.2mmol)を加えた後、3時間で−10℃まで昇温
した。反応液に飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、ジ
クロロメタンで抽出した。合わせたジクロロメタン層を
炭酸カリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をプレパ
ラティブ薄層クロマトグラフィーに付し、 (+) −アフ
ァノルフィン((V)式中のRが水素原子である)18mg
(収率71%) を得た; m.p. 204-205℃ 〔α〕27 D +40.1°(c0.12, 塩酸塩, H2O) 諸スペクトルデータは文献値(Tetrahedron Lett., 29,
4381 (1988))と完全に一致した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (RはC1〜C10のアルキル基を表す) で示されるアファノ
    ルフィン中間体。
  2. 【請求項2】一般式 【化2】 (RはC1〜C10のアルキル基を表す) で示されるアファノ
    ルフィン中間体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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