JPH1120314A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH1120314A
JPH1120314A JP9178140A JP17814097A JPH1120314A JP H1120314 A JPH1120314 A JP H1120314A JP 9178140 A JP9178140 A JP 9178140A JP 17814097 A JP17814097 A JP 17814097A JP H1120314 A JPH1120314 A JP H1120314A
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color
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JP9178140A
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Tomoaki Inoue
智明 井上
Yoshiharu Hizadate
祥治 膝舘
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】染料前駆体、顕色剤、消色剤の適切なる組み合
わせを見いだすことにより、消色性と画像の経時安定性
の両方に良好な特性を示す感熱記録材料を提供すること
にある。 【解決手段】電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色
剤、及びこの両者から成る発色体に対し有効な消色剤を
主として含有する感熱記録材料において、該顕色剤と該
消色剤の重量比が1対1の混合物を加熱溶融した時の重
量当たりの吸熱量が、該顕色剤と該染料前駆体の重量比
が1対1の混合物を加熱溶融した時の重量当たりの吸熱
量の50%以上になるように素材を選択して感熱記録材
料を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消色剤を含有する感
熱記録材料に関するものであり、さらに詳しくは消色性
と画像の経時安定性が共に良好な特性を示す感熱記録材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は特公昭43−4160
号、同45−14039号公報に開示されている如く、
支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆
体(以降単に染料前駆体という)と電子受容性の顕色剤
(以降単に顕色剤という)とを主成分とした単一または
複数の塗層(感熱発色層)を有し、熱ヘッド、熱ペン、
レーザー等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤
とが瞬時に反応し画像を形成する記録材料である。
【0003】このような感熱記録材料は安価であり、ま
た記録機器がコンパクトでかつその保守も容易であるた
め、ファクシミリ、コンピュータ等の記録媒体としての
みならず、幅広い分野において使用されている。
【0004】また、需要の多様化に伴って要求される性
能、品質も多様化してきており、記録媒体中に消色剤を
併用することにより、さらなる機能を付加したものも数
多く提案されてきている。例としては、それぞれ異なっ
た色調に発色する感熱発色層を2層以上設けて、一方の
感熱発色層を消色剤によって消去することによって多色
を得る多色感熱記録や、画像の形成されない部分を消色
剤によって消去して、さらなる画像形成を抑えることに
より画像の保存性を向上させ、かつ改竄を困難にした定
着型感熱記録等が挙げられる。
【0005】しかし、消色剤を使用した感熱記録材料
は、消色剤を使用しない通常の感熱記録材料よりも画像
の経時安定性や、得られる最大濃度が低下してしまい、
消色特性との両立は非常に困難である。画像の経時安定
性が低下するのは染料前駆体と顕色剤の発色体が保存中
に徐々に消色剤と融けあって混合融和していくためであ
り、これは消色剤が有効であるほどわずかな融和が大き
な影響を及ぼすことになる。
【0006】この対策として、感熱発色層に隣接して消
色剤を含有する層を設けて消色剤と発色体ができるだけ
分離して存在するようにすることが一般に行われてい
る。しかし、この方法でも印字によって層構造が崩れる
ことは避けられず、結果として発色体と消色剤の接触が
増えて、画像の経時安定性を低下させてしまう。
【0007】素材の組み合わせ方が適切であればこの欠
点は軽減されるが、その組み合わせは、これまでは試行
錯誤で見つけだす他無く、時間と手間が非常にかかる作
業である。
【0008】素材の熱的特性、例えば融点や融解熱はそ
の素材独自の定数として得られる。しかし、これらのデ
ータは感熱記録材料において重要ではあるが決定的な要
素というわけではない。これは、感熱記録材料における
発消色の挙動は素材同士が熱により融けて混じり合って
達成されるものであり、この時の温度や吸熱量を純物質
のデータから機械的に割り出す事は通常困難があるため
である。純物質の場合と異なり、混合物では融点の低い
物の(一般に吸熱反応である)融解とその融解物に融点
のより高い物の溶解(一般に発熱反応である)が同時に
進行するのが通常である。2つの反応が同時に進行する
ため、それが吸熱反応になるか発熱反応になるかは一概
には言えないが、一般には吸熱反応となることが多い。
また、融点も不純物の存在による融点降下により、より
低い融点になる。
【0009】溶解や融解に伴い出入りする熱量は、熱量
計によって測定できる。中でもDSC(示差走査熱量
計)は、試料の融点やガラス転移点、及びその時の吸熱
量や発熱量を100mg以下の少量の試料から簡便に測定
することができる優れた熱分析装置である。しかし、熱
量計の測定結果も、その試料の置かれる条件が感熱記録
材料上における状態とはかけ離れるため、熱量計から得
た知見と実際に製作した感熱記録材料の素材との対応が
良くない、または、素材の組み合わせや混合比の変化に
よって無数のデータが得られることから、どのような測
定データを感熱記録材料のどのような特性と対応させる
かを判断するのが困難であるといった問題点があった。
結果として、これまでは熱量計の測定データは感熱記録
材料作製のためのデータとしては重視されてこなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、染料
前駆体、顕色剤、消色剤の適切なる組み合わせを見いだ
すことにより、消色性と画像の経時安定性の両方に良好
な特性を示す感熱記録材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、消色性と
画像の経時安定性の両方に良好な特性を示す感熱記録材
料を得るべく、検討を行った。そして、画像の保存性低
下は前述のように発色体と消色剤が徐々に混合融和して
いくことにより発生するが、さらに詳細に検討した結
果、消色剤と顕色剤との相互作用が消色機構において重
要であることを見いだした。これより、顕色剤と消色剤
との混合物の吸熱量が大きいときは、この両者の融和が
容易には進行せず、画像の経時安定性が向上する傾向が
あることを見いだした。さらに、染料前駆体と顕色剤と
の混合物の吸熱量とも比較を行い、これが顕色剤と消色
剤との混合物の吸熱量と比較してあまり大きくなけれ
ば、染料前駆体と顕色剤との発色体の状態が容易に保持
されるため、たとえ顕色剤と消色剤との混合物の吸熱量
が小さくてもやはり画像の経時安定性が向上することを
見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】具体的には、感熱記録材料を作製するに当
たって、顕色剤と消色剤との重量比が1対1の混合物を
加熱溶融した時の重量当たりの吸熱量が、該顕色剤と消
色させる染料前駆体との重量比が1対1の混合物を加熱
溶融した時の重量当たりの吸熱量の50%以上であるよ
うな染料前駆体と顕色剤と消色剤を選択し、これらを使
用することによって画像の経時安定性を確保できる。
【0013】なお、ここで言う混合物とは素材の粉体同
士を常温下でよく混ぜ合わせたもので、両者が融けあっ
た混合融和の状態となる以前のものを指す。
【0014】
【発明の実施の形態】顕色剤と染料前駆体、及び顕色剤
と消色剤の混合物を加熱溶融した時の吸熱量は熱量計に
よって測定される。中でもDSCは優れた装置である。
この装置は試料と対照となる基準物質のそれぞれに、両
者の温度が互いに等しくなるようにしながら電気ヒータ
ーで加熱昇温していく。試料と基準物質の入力電流の差
より、試料の吸(発)熱量を算出する。DSCの測定結
果は通常横軸に試料の温度、縦軸に熱流量をとって表
す。吸(発)熱時は試料に入力されるエネルギーが減少
(増加)して、ピークが生じる。このピーク面積が試料
の吸(発)熱量であり、これを測定した試料の重量で割
れば単位重量当たりの吸(発)熱量になる。
【0015】2種類の有機物の混合物の試料が加熱によ
り溶融して均一な状態になる場合、通常は吸熱反応であ
る。この時の吸熱量は単に2つの化合物が溶融するのに
必要な熱量というばかりでなく、2つの化合物の混じり
易さを示す尺度でもあり、単位重量当たりの吸熱量が小
さいほど、小さいエネルギーで混じり合う、即ち混じり
易い。混合比を変化させると吸熱量は変わってくる。以
下、特に明示しない限り、混合物の吸熱量は重量比1対
1のものの単位重量当たりの吸熱量を指す。ここで得た
いのは2つの化合物の混じり易さを示す尺度としての吸
熱量であるので、吸熱量測定試料の混合比1対1という
のは、実際の感熱記録材料における配合比とは無関係で
ある。
【0016】消色剤の作用機構や感熱記録材料の素材同
士を加熱溶融した時の吸熱量と画像の経時保存性につい
て検討を行い、顕色剤が消色剤と反応することにより消
色が起こること、顕色剤と消色剤とが混じり易ければ経
時保存で消色が起こりやすいが、染料前駆体と顕色剤も
混じり易ければ画像の経時安定性が保持できることを見
いだした。即ち、顕色剤と消色剤を加熱溶融した時の吸
熱量が染料前駆体と顕色剤の場合の吸熱量と比べて著し
く小さければ、顕色剤と消色剤の反応が経時保存で一方
的に進行し、結果として画像濃度を低下させる。一方、
顕色剤と消色剤の吸熱量が顕色剤と染料前駆体の吸熱量
に対して、ある程度の比率をとれば、顕色剤と消色剤と
の反応が進行しても顕色剤と染料前駆体の反応も同時に
進行するため、画像濃度はより安定に保たれる。吸熱量
の比率は、顕色剤と消色剤との吸熱量が顕色剤と染料前
駆体との吸熱量の50%以上、好ましくは60%以上1
000%以下であれば画像濃度の経時での安定性は良好
に保たれる。
【0017】本発明は消色剤を用いた感熱記録材料に関
するものであり、より具体的な例としては多色感熱記録
や定着型感熱記録が挙げられる。多色感熱記録材料は、
ある温度で発色してより高い温度で消色する低温感熱発
色層と、色調が異なり、かつさらに高い温度で発色する
高温感熱発色層を組み合わせることにより2色感熱記録
材料が得られ、さらに様々な色調の低温感熱発色層を重
層していくことにより目的とする数の色調を有する多色
感熱記録材料が得られる。本発明の場合、請求項記載の
染料前駆体、顕色剤、消色剤が1体となって、少なくと
も一つの低温感熱発色層を形成するものである。色調の
異なる複数の感熱発色層を有しない場合でも、画像の記
録させない部分を含有する消色剤を染料前駆体と顕色剤
と反応させて、さらなる加熱による新たな画像形成を抑
制することによって定着型感熱記録材料が得られる。
【0018】本発明に用いる染料前駆体の具体例を次に
挙げる。
【0019】(1)トリアリールメタン系化合物及びイ
ンドリルフタリド系化合物 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクト
ン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フ
タリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、
3−(p−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3−(2−メチル−4−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−
3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバ
ゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−
5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノ
フェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6
−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メ
チルインドール−3−イル)−3−(4−ジメチルアミ
ノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3
−(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−7
−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド
ール−3−イル)−3−(4−ジメチルアミノ−2−エ
トキシフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3,3−
ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エ
トキシフェニル)−3−(4−N−フェニル−N−エチ
ルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド
等。
【0020】(2)ジフェニルメタン系化合物 4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒド
リルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオー
ラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオ
ーラミン等。
【0021】(3)2−アニリノフルオラン(又は7−
アニリノフルオラン)系化合物 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(4
−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−(4−n−ブチルアニリノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(4−エト
キシアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチ
ル−7−(4−メチルアニリノ)フルオラン、3−ピロ
リジノ−6−メチル−7−(4−n−ブチルアニリノ)
フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−(4−
エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−プロピル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−プロ
ピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N
−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−(N−エチル−N−イソブチル)アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチ
ル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒド
ロフラン−2−イルメチル)アミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒ
ドロフリルメチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒドロフラ
ン−2−イル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−メチル−N−エチル)アミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−イソペンチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチ
ルアミノ−6−メチル−7−(2−フルオロアニリノ)
フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メトキシ−7−
アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−
メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、3−(N−エチル−N−3−エトキシプロピル)ア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−メチル−N−3−エトキシプロピル)アミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−(3−クロロアニリノ)フルオラン、3
−ジ−n−ブチルアミノ−7−(3−クロロアニリノ)
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−フルオロ
アニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2
−メトキシアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7
−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ
−7−(3−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリ
ジノ−7−(2−メトキシアニリノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(2−イソペンチルオキシカルボ
ニルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p
−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン。
【0022】(4)その他のフルオラン系化合物やキサ
ンテン系化合物 3−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−クロ
ロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジ
クロロアニリノ)フルオラン、3−エチルアミノ−6−
クロロフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−ク
ロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジル
アミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−
(2−クロロベンジルアミノ)フルオラン、ローダミン
Bアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリ
ノラクタム。
【0023】(5)スピロ系化合物等 3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジ
ナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラ
ン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナ
フト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロ
ピルスピロベンゾピラン等のスピロピラン系化合物、
3′,6′−ビスジエチルアミノ−5−ジエチルアミノ
スピロ(イソベンゾフラン−1,9′−フルオレン)−
3−オン、3′,6′−ビスジメチルアミノ−5−ジメ
チルアミノスピロ(イソベンゾフラン−1,9′−フル
オレン)−3−オン等のフルオレン骨格を持つ化合物。
3,3−ビス[2−(4−メトキシフェニル)−2−
(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド等のビニロガストリアリ
ールメタン系化合物等。
【0024】これらは単独、又は2種以上併用して使用
してもよい。
【0025】一方、本発明に用いられる顕色剤としては
染料前駆体の共存下の加熱により色調変化を生じるもの
であれば特に限定されない。また、複数の感熱発色層を
持つ場合、それぞれの感熱発色層に用いられる顕色剤は
同じでも異なっていてもよい。
【0026】具体的には以下に示すようなフェノール系
化合物、酸性物質およびそれらの誘導体が挙げられる。
【0027】1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
2−エチルヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(これはビスフェノールAとも呼ばれ
る。)、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−
フェニルプロパン、2−(3−ヒドロキシフェニル)−
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス〔1−
(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベン
ゼン、1,3−ビス〔1−(3,4−ジヒドロキシフェ
ニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,4−ビス
〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチ
ル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)酢酸エチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−tert−
ブチル−5−メチルフェノール)、p−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル、p−ヒドロキシベンゾフェノン、p−ヒ
ドロキシ安息香酸p−クロロベンジル、4−ヒドロキシ
−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロ
キシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスル
ホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ
−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、没食子酸ベンジル、サリチルアニリド、5−ク
ロロサリチルアニリド、4−ヒドロキシフタル酸ジメチ
ル、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸
オクタデシル、没食子酸ステアリル、サリチル酸亜鉛、
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸又はその亜鉛塩、
4−ヘキサデカノイルアミノサリチル酸又はその亜鉛
塩、4−デカノイルアミノサリチル酸又はその亜鉛塩、
3,5−ジ−α−フェネチルサリチル酸又はその亜鉛
塩、塩化アルミニウム、酸性白土等。これらは単独、又
は2種以上併用して使用してもよい。以上の物質の中で
も、特に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンを使用することが好ましい。
【0028】本発明の感熱記録材料において感熱発色層
中の染料前駆体と顕色剤の使用比率は、染料前駆体、顕
色剤の種類に応じて適宜選択するもので、特に限定する
ものではないが、例えば染料前駆体1重量部に対して1
〜50重量部、好ましくは1〜10重量部の顕色剤が使
用される。
【0029】本発明に用いられる消色剤は、染料前駆体
と顕色剤の発色体を随時、無色にするものであれば特に
限定されない。
【0030】消色剤の具体例として、ビスフェノール類
の酸化アルキレン付加物、テレフタル酸の酸化エチレン
付加物、長鎖1,2−グリコール、グリセリン脂肪酸エ
ステル、尿素誘導体、直鎖グリコールの酸化アルキレン
付加物、モルホリン誘導体、固形アルコール、ポリエー
テル又はポリエチレングリコール誘導体、含窒素結晶性
有機化合物、グアニジン誘導体、アミン又は第四級アン
モニウム塩等が挙げられる。これらは単独、又は2種以
上併用して使用してもよい。特に下記一般式(2)で表
されるビスウレア化合物を用いるのが好ましい。
【0031】
【化2】
【0032】式(2)中、R1およびR2は同じでも異な
っても良く、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、
複素環残基からなる群より選ばれる1価の基であり(各
基は1個以上の置換基を有していてもよい)、またR1
およびR2は互いに連結して5員環または6員環の含窒
素複素環を形成していてもよく、また、R3は2価の連
結基を示す。
【0033】本発明の感熱記録材料において、消色剤の
使用比率は染料前駆体、顕色剤の種類に応じて適宜選択
するもので、特に限定するものではないが、例えば染料
前駆体1重量部に対して1〜50重量部、好ましくは1
〜10重量部の消色剤が使用される。
【0034】染料前駆体と顕色剤と消色剤を感熱発色層
に含有させるための塗液は、各々の化合物を単独で溶媒
に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各
々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散
媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化し
た後冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法
等があるが、特に限定されない。また、分散の際に必要
なら分散助剤を使用してもよい。分散媒として水を使う
ときの分散助剤としては、ポリビニルアルコール等の水
溶性高分子や各種の界面活性剤が挙げられる。また、エ
タノール等の水溶性有機溶媒を混合してもよい。また、
炭化水素類に代表される有機溶媒を分散媒として使う場
合は、レシチンや燐酸エステル類等を分散助剤に用いて
もよい。
【0035】また、塗層の強度を向上する等の目的でバ
インダーを塗層中に添加することも可能である。具体的
には、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチ
ン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド
/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/ア
クリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレ
ン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/
無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分
子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エ
ステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジ
エン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/
塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテ
ックス等が挙げられるが特にこれらに限定されるもので
はない。また、これらは単独、又は2種以上併用して使
用してもよい。
【0036】また、感度を調節するための添加剤とし
て、増感剤を塗層中に含有させることもできる。これら
の化合物は60℃〜200℃の融点を有するものが好ま
しく、特に80℃〜180℃の融点の化合物が良い結果
を与える。この他に一般の感熱記録材料に用いられてい
る増感剤を使用することもできる。これらの化合物とし
ては、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ベヘ
ン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド
等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナ
フトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリル
オキシビフェニル等のビフェニル誘導体、炭酸ジフェニ
ル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベ
ンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘
導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、
2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエ
ーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポ
リエーテル化合物等が挙げられ、これらは2種以上併用
して添加することもできる。
【0037】本発明の感熱記録材料の支持体としては、
紙、各種不織布、織布、ポリエチレンテレフタレートや
ポリプロピレン等の合成樹脂フィルム、ポリエチレン、
ポリプロピレン等の合成樹脂をラミネートした紙、合成
紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた
複合シートを目的に応じて任意に用いることができる
が、これらに限定されず、不透明、半透明あるいは透明
の指示体なら利用できる。地肌を白色その他の特定の色
に見せるために、白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体
中又は表面に含有させても良い。特にフィルム類等の支
持体に水性の液を塗布する場合において、支持体の親水
性が小さく、塗液の塗布が困難な場合は、コロナ放電等
による表面の親水化処理や、バインダーに用いるのと同
様の水溶性高分子類を支持体表面に塗布する等の処理も
効果がある。
【0038】さらに、本発明の感熱記録材料では必要に
応じて、感熱発色層上に保護層や、感熱発色層と支持体
の間に水溶性高分子や白色ないし有色染顔料や中空粒子
のいずれか一つ以上を含む中間層を設けることもでき
る。この場合、保護層及び/または中間層は2層ないし
は3層以上の複数の層で構成されていてもよい。感熱発
色層も各成分を一層ずつに含有させたり層別に配合比率
を変化させたりして2層以上の多層にしてもよい。更
に、感熱発色層中及び/または他の層及び/または感熱
発色層が設けられている面と反対側の面に、電気的、光
学的、磁気的に情報が記録可能な材料を含んでも良い。
また、感熱発色層が設けられている面と反対側の面にブ
ロッキング防止、カール防止、帯電防止を目的としてバ
ックコート層を設けることもできる。
【0039】本発明における各層を支持体上に積層し、
本発明の感熱記録材料を形成する方法は特に制限される
ものではなく、従来の方法により形成することができ
る。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコータ
ー、バーコーター、カーテンコーター等の塗抹装置、平
版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホ
ットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることも
できる。さらに通常の乾燥工程の他、UV照射・EB照
射により各層を保持させることができる。
【0040】塗層は、各成分を微粉砕して得られる各々
の分散液を混合し、支持体上に塗布乾燥する方法、各成
分を溶媒に溶解して得られる各々の溶液を混合し、支持
体上に塗布乾燥する方法等により得ることができる。乾
燥条件は水等の分散媒ないし溶媒によっても異なる。こ
の他に各成分を混合し加熱して可融分を溶融し熱時塗布
する方法もある。
【0041】また、感熱発色層及び/または保護層及び
/または中間層には、ケイソウ土、タルク、カオリン、
焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウ
ム、尿素−ホルマリン樹脂等の顔料、その他に、ヘッド
摩耗防止、スティッキング防止等の目的でステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、
パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリ
エチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等の
ワックス類を、また、ジオクチルスルホこはく酸ナトリ
ウム等の分散剤、さらに界面活性剤、蛍光染料等を含有
させることもできる。
【0042】本発明の感熱記録材料は、染料前駆体と顕
色剤を主として含有する感熱発色層に対して消色作用を
し得る位置に特定の消色剤を含有させるものであるが、
例えば該発色系を含有する発色層に含有させる場合に
は、発色層を形成する塗液中に消色剤を添加すればよ
い。また、例えば該発色系を含有する感熱発色層に隣接
する保護層、中間層あるいは下塗り層に含有させる場合
には、保護層、中間層あるいは下塗り層を構成する塗液
中に消色剤を添加すればよい。もちろん、消色剤を主体
とした塗層を消色剤層として形成することも可能であ
る。
【0043】また、本発明の感熱記録材料の塗層を構成
する材料については目的とする色調などに応じて適宜選
択し得るものである。
【0044】
【実施例】以下に、DSCにより染料前駆体と顕色剤と
消色剤の組み合わせの評価を行い、それを基に低温で発
色して高温で消色する低温感熱発色層と高温で発色する
高温感熱発色層から成る2色感熱材料を作製した例を実
施例として、本発明の方法を更に詳しく説明する。実施
例中の部数や百分率は重量基準である。なお、本発明は
実施例に限定されるものではない。
【0045】試験1(吸熱量比の測定) 表1に示した消色剤である例示化合物(1)〜(9)と
顕色剤である1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン(又は3,3′−ジアリル−4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン)を重量比が1対1の
割合に混合し、乳鉢を用いてよく混合・粉砕した。こう
して得た混合物を加熱溶融した時の吸熱量を、Perk
in Elmer社製熱分析装置DSC7により測定し
た。測定は数mgの試料を正確に量り取り、これをアルミ
パン中に封じ、1分間に10℃の割合で昇温して行っ
た。得られた測定結果から、混合試料の吸熱量を求め
た。同様に、染料前駆体である3−ジ−n−ブチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオランと1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(又は
3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン)を重量比が1対1の割合に混合し、乳鉢を
用いてよく混合・粉砕したものの吸熱量を求めた。こう
して得られた染料前駆体と顕色剤との混合物の吸熱量に
対する例示化合物と該顕色剤との混合物の吸熱量の比率
を%で計算した。
【0046】この結果、表2に示したように例示化合物
(1)から(6)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン及び例示化合物(1)と3,3′
−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン)の吸熱量が3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオランとそれぞれの顕色剤の吸熱量
に対し50%以上の値になった。そこで、これらの組み
合わせで実施例1〜7を作製した。これに対し、例示化
合物(7)から(9)と1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサンの吸熱量は染料前駆体と該顕
色剤との吸熱量に対し50%未満であったので、これら
の組み合わせで比較例1〜3を作製した。
【0047】実施例1 (A)高温感熱発色層用塗液の調製 染料前駆体である3−ジエチルアミノ−7−クロロフル
オラン340部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液
660部と共にペイントコンディショナーで粉砕し、染
料前駆体分散液1000部を得た。次いでビス(4−
(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸)
亜鉛2水和物270部を2.5%ポリビニルアルコール
水溶液730部と共にペイントコンディショナーで粉砕
し、顕色剤分散液1000部を得た。さらに2−ベンジ
ルオキシナフタレン150部を2.5%ポリビニルアル
コール水溶液350部と共にペイントコンディショナー
で粉砕し、増感剤分散液500部を得た。
【0048】上記3種の分散液を混合した後、攪拌下に
10%ポリビニルアルコール水溶液500部と水100
0部を添加、よく混合し、高温感熱発色層用塗液を作製
した。
【0049】(B)低温感熱発色層用塗液の調製 染料前駆体である3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン600部を2.5%ポリビ
ニルアルコール水溶液1400部と共にペイントコンデ
ィショナーで粉砕し、染料前駆体分散液2000部を得
た。次いで1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン600部を2.5%ポリビニルアルコール
水溶液1400部と共にペイントコンディショナーで粉
砕し、顕色剤分散液2000部を得た。さらに2−ベン
ジルオキシナフタレン900部を2.5%ポリビニルア
ルコール水溶液2100部と共にペイントコンディショ
ナーで粉砕し、増感剤分散液3000部を得た。
【0050】上記2種の分散液を混合した後、攪拌下に
水酸化アルミニウム30%分散液4000部、ステアリ
ン酸亜鉛40%分散液800部、10%ポリビニルアル
コール水溶液1200部、水2000部を添加、よく混
合し、低温感熱発色層用塗液を作製した。
【0051】(C)消色剤層用塗液の調製 消色剤として例示化合物(1)300部を2.5%ポリ
ビニルアルコール水溶液700部と共にペイントコンデ
ィショナーで粉砕し、消色剤分散液1000部を得た。
これに攪拌下に10%ポリビニルアルコール水溶液20
0部を添加、よく混合し、消色剤層用塗液を作製した。
【0052】(D)感熱記録材料の作製 (A)で作製した高温感熱発色層用塗液を坪量63.5
g/m2の原紙上に塗抹し、乾燥してカレンダー処理し
た。高温感熱発色層の固形分塗抹量が1.0g/m2
なる様にした。その上に、(C)で調製した消色剤層用
塗液を塗抹し、乾燥してカレンダー処理した。消色剤層
の固形分塗抹量が3.5g/m2となる様にした。その
上に、(B)で作製した低温感熱発色層用塗液を塗抹、
乾燥しカレンダー処理した。低温感熱発色層の固形分塗
抹量が0.75g/m2となる様にした。以上のように
して2色感熱記録材料を作製した。
【0053】実施例2 実施例1の(C)消色剤層用塗液の調製で用いた例示化
合物(1)を例示化合物(2)に替えた以外は実施例1
と同様にして感熱記録材料を得た。
【0054】実施例3 実施例1の(C)消色剤層用塗液の調製で用いた例示化
合物(1)を例示化合物(3)に替えた以外は実施例1
と同様にして感熱記録材料を得た。
【0055】実施例4 実施例1の(C)消色剤層用塗液の調製で用いた例示化
合物(1)を例示化合物(4)に替えた以外は実施例1
と同様にして感熱記録材料を得た。
【0056】実施例5 実施例1の(C)消色剤層用塗液の調製で用いた例示化
合物(1)を例示化合物(5)に替えた以外は実施例1
と同様にして感熱記録材料を得た。
【0057】実施例6 実施例1の(C)消色剤層用塗液の調製で用いた例示化
合物(1)を例示化合物(6)に替えた以外は実施例1
と同様にして感熱記録材料を得た。
【0058】実施例7 実施例1の(B)低温感熱発色層用塗液の調製で用いた
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ンを3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホンに替えた以外は実施例1と同様にして感
熱記録材料を得た。
【0059】比較例1 実施例1の(C)消色剤層用塗液の調製で用いた例示化
合物(1)を例示化合物(7)に替えた以外は実施例1
と同様にして感熱記録材料を得た。
【0060】比較例2 実施例1の(C)消色剤層用塗液の調製で用いた例示化
合物(1)を例示化合物(8)に替えた以外は実施例1
と同様にして感熱記録材料を得た。
【0061】比較例3 実施例1の(C)消色剤層用塗液の調製で用いた例示化
合物(1)を例示化合物(9)に替えた以外は実施例1
と同様にして感熱記録材料を得た。
【0062】試験2(画像部保存性試験) 実施例1〜8及び比較例1〜3で得た感熱記録材料の低
温発色画像を得るため、TDK製印字ヘッドLH440
9付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−P
MDを用いてパルス幅0.5ミリ秒、電圧20ボルトの
条件で印字した。この印字試験での印字エネルギーは3
5mJ/mm2である。得られた発色画像の濃度を濃度
計マクベスRD918を用いて測定した。光学濃度測定
時、低温発色画像(黒色)はビジュアルフィルターを使
用した。このようにして得た感熱記録材料における画像
部を、60℃に保った恒温槽、又は40℃で相対湿度を
90%に保った恒温恒湿槽に24時間放置した後、画像
濃度を測定した。放置前の画像濃度に対する放置後の画
像濃度を画像濃度保存率として%で表し、その結果を表
2に示した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、消色剤を利用した
感熱記録材料において、消色剤で消色させたい染料前駆
体と顕色剤の重量比が1対1の混合物を加熱溶融した時
の重量当たりの吸熱量に対して、消色剤と顕色剤の同様
の条件における吸熱量が50%以上になるように染料前
駆体、顕色剤、消色剤を選択して感熱記録材料を作るこ
とにより、消色可能な画像の経時安定性にすぐれた感熱
記録材料を得ることができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色
    剤、及びこの両者から成る発色体に対し有効な消色剤を
    主として含有する感熱記録材料において、該顕色剤と該
    消色剤の重量比が1対1の混合物を加熱溶融した時の重
    量当たりの吸熱量が、該顕色剤と該染料前駆体の重量比
    が1対1の混合物を加熱溶融した時の重量当たりの吸熱
    量の50%以上であることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 該消色剤が、下記一般式(1)で表され
    る化合物であることを特徴とする請求項1記載の感熱記
    録材料。 【化1】 式(1)中、R1およびR2は同じでも異なっても良く、
    それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロ
    アルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環残基か
    らなる群より選ばれる1価の基であり(各基は1個以上
    の置換基を有していてもよい)、またR1およびR2は互
    いに連結して5員環または6員環の含窒素複素環を形成
    していてもよく、また、R3は2価の連結基を示す。
  3. 【請求項3】 該顕色剤が、1,1−ビス(4−ヒドロ
    キシフェニル)シクロヘキサンであることを特徴とする
    請求項1、もしくは2記載の感熱記録材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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