JPH11202818A - 移動体用画像表示装置および方法 - Google Patents

移動体用画像表示装置および方法

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JPH11202818A
JPH11202818A JP10007030A JP703098A JPH11202818A JP H11202818 A JPH11202818 A JP H11202818A JP 10007030 A JP10007030 A JP 10007030A JP 703098 A JP703098 A JP 703098A JP H11202818 A JPH11202818 A JP H11202818A
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train
image display
image
moving body
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Satoru Shigetomi
哲 重富
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動体がシステム設置区間を通過する際の全
期間にわたり、移動体の速度に応じて安定した画像表示
を行うことができる移動体用画像表示装置および方法を
提供する。 【解決手段】 システム設置区間の両端にそれぞれ進入
側速度検出部12および退出側速度検出部13を設け、
列車15がシステム設置区間を通過している全期間にわ
たって列車15の走行速度を検出し、その検出速度に応
じて表示端末装置11−1〜11−nの表示タイミング
を制御する。列車15がシステム設置区間を通過中にそ
の走行速度が変化したとしても、それに伴って列車15
の乗客から見た画像が変動するということがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動体の走行方向に
沿って多数の静止画像を配列して移動体側から安定的に
視認できるようにした移動体用画像表示装置および方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄道や地下鉄等における駅構内
やトンネルの側壁等には、駅名表示パネルや各種の広告
等の表示物が設けられているが、これらの表示物は固設
されているため、レール上を走行している列車等の移動
体側の乗客からこれらを安定的に見ることはできない。
そこで、近年では、同一または少しずつ内容の異なる多
数の静止画像パネルを列車の走行方向に多数配列し、こ
れらの静止画像パネルを移動体の進行に合わせて間欠的
に一斉照明するようにした画像表示システムが提案され
ている。このシステムによれば、移動体側の乗客は、静
止画像パルスの配列を静止画像または動画像として安定
的に見ることが可能である。このようなシステムは、例
えば、特公平7−117654(特開平5−2719
7),特開平5−40448,特開平5−22461
7,特開平2−201489,特開平2−25609
0,特開平3−36515等の各公報に記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなシステムで
は、従来、システムを通過する際の移動体の走行速度が
予め定められた一定速度であるとの仮定の下に、あるい
はシステム構成の簡略化のために、移動体がシステム設
置区間に進入したことのみを検知し、移動体の速度検出
をすることは行われていなかった。ところが、この場合
には、移動体の速度が予め想定した速度から変化する
と、移動体側の乗客から見える画像表示位置が左右に変
動して不安定になる。
【0004】この問題点を解決する方法として、例え
ば、システム設置区間の一カ所(例えば、先頭部分)に
速度センサを設け、この速度センサから得られた速度情
報に基づいて各静止画像パネルの照明タイミングの間隔
をコントロールするようにすることが考えられる。この
方法では、移動体の速度を検出している限り、その速度
に応じた最適のタイミングで各静止画像パネルの照明の
点滅が行われるので、移動体側の乗客から見える画像表
示位置が安定する。
【0005】しかしながら、この方法では、移動体の最
後尾部分が速度センサを通過してからシステム設置区間
の後端部を通過するまでの間は、速度センサからの速度
情報を得ることができないので、この期間については、
速度センサから得られた最後の速度情報に基づいて動作
制御を行うこととなる。したがって、移動体の最後尾部
分が速度センサを通過してからシステム設置区間の後端
部を通過するまでの間に移動体の速度が変化するような
ことがあると、その速度変化に応じて静止画像パネルの
照明の点滅タイミングを変化させることができず、結
局、移動体側の乗客から見える画像表示位置が左右に変
動して不安定になる。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、移動体がシステム設置区間を通過す
る際の全期間にわたり、移動体の速度に応じて安定した
画像表示を行うことができる移動体用画像表示装置およ
び方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の移動体用画像表
示装置は、移動体の走行方向に沿って所定間隔で配列さ
れ、それぞれが静止画像の瞬間表示をなし得るように構
成された複数の画像表示手段と、画像表示手段の配列の
先頭部近傍に配置され、移動体の走行速度を検出する第
1の速度検出手段と、画像表示手段の配列の末尾部近傍
に配置され、移動体の走行速度を検出する第2の速度検
出手段と、第1の速度検出手段により得られた速度と第
2の速度検出手段により得られた速度とに基づいて、画
像表示手段による静止画像表示のタイミングを制御する
表示タイミング制御手段とを備えている。ここで、上記
の各画像表示手段が、時間と共に変化する連続動画像を
構成する各静止画像を瞬間表示可能なものであるように
することが可能である。また、上記の各画像表示手段
が、電気的な情報として与えられた画像情報を基に静止
画像を瞬間表示可能なものであるように構成することも
可能である。
【0008】本発明の移動体用画像表示方法は、移動体
の走行方向に沿って、それぞれが静止画像の瞬間表示を
なし得るように構成された複数の画像表示手段を所定間
隔で配列し、画像表示手段の配列の先頭部近傍に移動体
の走行速度を検出するための第1の速度検出手段を配置
すると共に、画像表示手段の配列の末尾部近傍に移動体
の走行速度を検出するための第2の速度検出手段を配置
し、第1の速度検出手段により得られた速度と第2の速
度検出手段により得られた速度とに基づいて、画像表示
手段による静止画像表示のタイミングを制御するように
したものである。
【0009】本発明の移動体用画像表示装置または方法
では、画像表示手段の配列の先頭部近傍に設けられた第
1の速度検出手段により得られた速度と画像表示手段の
配列の末尾部近傍に設けられた第2の速度検出手段によ
り得られた速度とに基づいて、画像表示手段による静止
画像表示のタイミングが制御される。これにより、移動
体が画像表示手段の配列区間を通過する際のほぼ全期間
にわたって、移動体の速度に応じた静止画像表示のタイ
ミング制御が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0011】図1は本発明の一実施の形態に係る移動体
用画像表示装置の概略構成を表すものである。本実施の
形態では、移動体用画像表示装置は例えば列車が通過す
るトンネル内に設置されるものであるとして説明する。
なお、本発明の実施の形態に係る移動体用画像表示方法
は、本実施の形態に係る移動体用画像表示装置によって
具現化されるので、以下、併せて説明する。この図に示
したように、移動体用画像表示装置1は、トンネル内の
側壁に列車15の走行方向に沿って所定間隔で配列され
た多数の表示端末装置11−1〜11−nと、本装置の
設置区間の先頭部分(列車がトンネルに進入する側)の
近傍に配設された進入側速度検出部12と、本装置の設
置区間の末尾部分(列車がトンネルから退出する側)の
近傍に配設された退出側速度検出部13と、本装置全体
を制御する主制御装置14とを備えている。本実施の形
態において、進入側速度検出部12と退出側速度検出部
13との距離(以下、システム全長Dと呼ぶ。)は列車
15の全長L以下の長さ(例えば100メートル程度)
に設定するものとする。ここで、表示端末装置11−1
〜11−nが本発明における「画像表示手段」に対応
し、進入側速度検出部12が本発明における「第1の速
度検出手段」に対応し、退出側速度検出部13が本発明
における「第2の速度検出手段」に対応する。
【0012】表示端末装置11−1〜11−nは、それ
ぞれ、後述する図2に示したように構成され、各種の静
止画像を瞬間表示できるようになっている。ここで、瞬
間表示とは、例えば1/30秒以下という極めて短い時
間だけ行われる表示をいう。表示端末装置11−1〜1
1−nは、データ・制御線21によって主制御装置14
と接続されており、このデータ・制御線21を介して主
制御装置14から各種の静止画像データの供給を受けた
り、主制御装置14からの各種制御を受ける。さらに、
表示端末装置11−1〜11−nには、進入側速度検出
部12から発光タイミングパルス24が入力されるよう
になっている。
【0013】主制御装置14は、後述する図3に示した
ように構成され、各種の静止画像データを蓄積すると共
に、必要に応じて、データ・制御線21を介して表示端
末装置11−1〜11−nに同一または互いに異なる静
止画像を供給できるようになっている。主制御装置14
はまた、進入側速度検出部12にも接続され、この進入
側速度検出部12の動作制御を行うようになっている。
【0014】進入側速度検出部12は、後述する図4に
示したように構成され、列車15の走行速度を連続的に
検出し、その検出速度に応じた周期の進入側速度検出パ
ルス22(図1では図示せず)を生成するようになって
いる。退出側速度検出部13は、列車15の走行速度を
連続的に検出し、その検出速度に応じた周期の退出側速
度検出パルス23を生成して進入側速度検出部12に送
出する。進入側速度検出部12は、後述するように、自
ら生成した進入側速度検出パルス22または退出側速度
検出部13から入力された退出側速度検出パルス23の
いずれか一方を選択し、これを発光タイミングパルス2
4として出力するようになっている。ここで、主として
進入側速度検出部12における上記選択処理を行う部分
と発光タイミングパルス24とが本発明における「表示
タイミング制御手段」に対応する。
【0015】図2は表示端末装置11−1〜11−nの
各構成を表すものである。この図は、i番目(i=1〜
n)の表示端末装置11−iの構成例を表しているが、
他の表示端末装置11−1〜11−nの構成も同様であ
る。この図に示したように、表示端末装置11−iは、
静止画像を表示可能な液晶表示パネル(以下、LCDパ
ネルという。)111と、このLCDパネルを照明する
ためのバックライト112と、バックライト112の発
光動作を制御するバックライト制御部113と、1フレ
ーム分の静止画像データを蓄積可能なフレームメモリ1
14と、データ・制御線21との間で静止画像データや
制御データのやりとりを行なうと共に発光タイミングパ
ルス24の入力処理を行う入出力インタフェイス(I/
F)部115と、この表示端末装置11−iの全体を制
御する中央処理ユニット(以下、CPUという。)11
6と、CPU116の動作を司るプログラムが格納され
たROM(Read Only Memory)やCPU116のワーク
メモリとして使用されるRAM(Random Access Memor
y)等からなるメモリ部117とを備えている。LCD
パネル111は、トンネル内の側壁における列車15の
窓に対応した高さ位置に配置されるようになっている。
【0016】このような構成の表示端末装置11−iで
は、主制御装置14からデータ・制御線21を介して送
られてきた1フレーム分の圧縮静止画像データは、入出
力I/F部115によって伸長処理等の信号処理が施さ
れてからフレームメモリ114に蓄積され、さらに、C
PU116の制御により、LCDパネル111に供給さ
れるようになっている。入出力I/F部115はまた、
進入側速度検出部12からの発光タイミングパルス24
を受け取って波形成形等の信号処理を行い、CPU11
6に供給する。CPU116は、入力された発光タイミ
ングパルス24に基づいてバックライト制御部113を
制御する。バックライト制御部113は、発光タイミン
グパルス24に同期してバックライト112の点滅制御
(間欠的な瞬間発光制御)を行う。これにより、LCD
パネル111には、フレームメモリ114から供給され
た静止画像データに対応した静止画像が発光タイミング
パルス24に同期したタイミングで間欠的に瞬間表示さ
れるようになっている。
【0017】図3は主制御装置14の構成を表すもので
ある。この図に示したように、主制御装置14は、静止
画像データや動画像データを蓄積可能なハードディスク
ドライブ(HDD)141と、このHDD141に対す
るデータの記録および再生制御を行うHDD制御部14
2と、HDD141から再生された画像データまたはH
DD141に記録すべき画像データを一旦蓄積するバッ
ファメモリ143と、データ・制御線21との間で画像
データや制御データのやりとりを行なう入出力I/F部
144と、この主制御装置14の全体を制御するCPU
145と、CPU145の動作を司るプログラムが格納
されたROMやCPU145のワークメモリとして使用
されるRAM等からなるメモリ部146とを備えてい
る。
【0018】このような構成の主制御装置14では、図
示しない外部装置からデータ・制御線21を介して供給
された静止画像データや動画像データは、CPU145
の制御に基づいて入出力I/F144によって所定の信
号処理が施されてからバッファメモリ143に一旦蓄積
されたのち、CPU145の制御に基づいてHDD制御
部142によってHDD141に記録されるようになっ
ている。CPU145はまた、必要に応じ、HDD制御
部142によってHDD141から静止画像データを再
生させてバッファメモリ143に蓄積させたのち、これ
を入出力I/F部144からデータ・制御線21を介し
て各表示端末装置11−1〜11−nに送出させる制御
を行うようになっている。この場合において、列車15
内(図1)の乗客に対して静止画像を見せようとすると
きには、同一の静止画像データを表示端末装置11−1
〜11−nのすべてに送出するようにし、また、列車1
5内の乗客に対して動画像を見せようとするときには、
一連の動画像を構成するnフレーム分の互いに異なる静
止画像データを表示端末装置11−1〜11−nにそれ
ぞれ供給するようになっている。
【0019】図4は進入側速度検出部12の概略構成を
列車15と共に表すものである。この図に示したよう
に、進入側速度検出部12は、速度センサ部120と、
切替スイッチ125と、スイッチ制御部126とを備え
ている。速度センサ部120は、走行する列車15の窓
15aの映像を撮影するための2つのカメラ121a,
121bと、カメラ121a,121bから入力された
2つの撮像データに対して所定の画像処理を行なう画像
処理部122と、画像処理部122における処理結果に
基づいて列車15の走行速度を演算する速度演算部12
3と、速度演算部123における演算結果に対応した周
期の進入側速度検出パルス22を生成して出力するパル
ス発生部124とを有している。切替スイッチ125
は、速度センサ部120のパルス発生部124から出力
された進入側速度検出パルス22または退出側速度検出
部13(図1)から出力された退出側速度検出パルス2
3のいずれか一方を選択し、これを発光タイミングパル
ス24として出力するようになっている。スイッチ制御
部126は、退出側速度検出部13からの退出側速度検
出パルス23の入力開始タイミングを監視し、所定のパ
ルス数(例えば3パルス)の退出側速度検出パルス23
の入力を検知した時点で切替スイッチ125を制御して
側(進入側速度検出パルス22側)から側(退出側
速度検出パルス23側)に切り替えるようになってい
る。
【0020】カメラ121a,121bは、図示のよう
に、列車15の窓15aの幅よりも狭い間隔で配置さ
れ、走行する列車15の側面を連続的に撮影するように
なっている。これらのカメラで撮影された映像は画面処
理部122において互いに重ね合わされる。例えば、図
5に示したように、カメラ121aによる窓15aの撮
影映像128aとカメラ121bによる同一の窓15a
の撮影映像128bとが同じ撮像画面128に重ね合わ
される。画面処理部122は、これらの2つの映像間距
離dを検出する。速度演算部123は、検出された距離
dを基に、列車15の走行速度を演算する。パルス発生
部124は、この演算結果に対応した周期をもつ図6に
示したような進入側速度検出パルス22を生成して出力
するようになっている。なお、速度センサ部120は、
図示しない検知センサが列車15の存在を検知している
間だけカメラ121a,121bを動作させて撮影を行
い、速度検出を行うようになっているが、撮影を常時行
うようにしてもよい。
【0021】なお、退出側速度検出部13は、図4に示
した進入側速度検出部12の速度センサ部120と同様
の速度センサ部を有しており、列車15の走行速度を検
出すると共に、その検出速度に応じた周期の退出側速度
検出パルス23を出力して、進入側速度検出部12に送
出するようになっている。
【0022】ここで、図7を参照して、移動体用画像表
示装置1を実際に配置する場合に必要となる配置パラメ
ータについて具体的数値を挙げて説明する。一般に、い
わゆるNTSC(National Television System Commite
e) 方式のテレビジョン受像機で取り扱う動画像は1秒
間当たり30枚の静止画像で構成されている。これらの
静止画像の1枚1枚は、時間と共に変化する連続した動
画像の各瞬間の画像であり、それらを1秒間に30枚の
表示速度で観察すると、人間の眼にはその残像効果によ
り連続した動画像として認識される。本装置では、この
原理を利用し、例えば3秒間の動画像を90枚の静止画
像に分割してそれらを列車15の進入側の表示端末装置
11−1から順に各表示端末装置11−1〜11−nの
LCDパネル111に表示させると共に、列車15の速
度に合わせてバックライト112を間欠的に瞬間発光さ
せることにより、そこを通過する列車15内の乗客が窓
越しの所定の固定位置に3秒間の動画像を見ることがで
きるようにしている。
【0023】ここで、上記のように1秒間当たり30枚
の静止画像によって動画像を構成することを前提とし、
列車15の全長Lを例えば200メートルとすると、列
車の時速Aおよび秒速Bと、表示端末装置11−1〜1
1−nの配置間隔Cと、システム全長Dと、列車通過時
間Eとの関係は例えば図7のようになる。この図に示し
たように、表示端末装置11−1〜11−nの配置間隔
CはB/30により定まり、システム全長DはC×90
+5により定まり、列車がシステムを通過するのに要す
る列車通過時間Eは(D+列車長)/Bにより定まる。
例えば、列車速度が時速60kmの場合には、配置間隔
Cは55.6cmとなり、システム全長Dは55mとな
り、列車通過時間Eは15.3秒となる。
【0024】次に、図8〜図10参照して、以上のよう
な構成の移動体用画像表示装置の動作を説明する。ここ
で、図8は列車15がシステム設置区間を通過する様子
を表し、図9は図4に示した進入側速度検出部12の動
作を表し、図10は列車15内の乗客によって動画像が
観察される様子を表すものである。なお、ここでは、表
示端末装置11−1〜11−nは、既に主制御装置14
から各静止画像データの配信を受けて、これをそれぞれ
のフレームメモリ114に保持しているものとして説明
する。
【0025】まず、図8を参照して、列車15がシステ
ム設置区間を通過する様子を説明する。図8において、
列車15は図の左側からシステム設置区間に進入し、右
側へ通り抜ける。(a)の位置では列車15はまだシス
テム設置区間に差しかかっておらず、進入側速度検出部
12は列車15を検知していない。列車15が(b)の
位置に来ると、進入側速度検出部12は列車15の進入
を検知してその走行速度の検出を開始する。列車15が
さらに進行して(c)を経て(d)の位置まで来ると、
退出側速度検出部13は列車15を検知してその走行速
度の検出を開始する。列車15がさらに進行して(e)
を経て(f)の位置まで来ると、進入側速度検出部12
は列車15の走行速度の検出を終了し、それ以降は退出
側速度検出部13のみによって速度検出が行われる。し
たがって、(d)から(f)までの期間においては、進
入側速度検出部12および退出側速度検出部13の双方
によって列車15の走行速度が検出されることとなる。
列車15がさらに進行して(g)を経て(h)の位置ま
で来ると、退出側速度検出部13は列車15の走行速度
の検出を終了する。そして、(i)に示したように、列
車15はシステム設置区間から遠ざかる。
【0026】次に、図9を参照して、進入側速度検出部
12における主な動作を説明する。列車15が図8
(b)の位置に差しかかると、進入側速度検出部12の
速度センサ部120は速度検出動作を開始する。まず、
画像処理部122はカメラ121a,121bからの撮
影映像に対して画像処理を行い、図5に示した距離dを
求める。速度演算部123は画像処理部122で得られ
た距離dから列車15の走行速度を演算し、パルス発生
部124に送る。パルス発生部124は、得られた速度
データに基づいて、表示端末装置11−1〜11−nに
おける画像表示のタイミング間隔(間欠表示の周期)を
求め、そのタイミング間隔をパルス間隔(パルス周期)
とする進入側速度検出パルス22を出力する。このと
き、パルス発生部124は、列車15の速度が基準速度
(予め想定された速度)よりも大きいときは、パルス間
隔を上記の基準速度に対応した長さよりも短く設定し、
列車15の速度が基準速度よりも小さいときは、パルス
間隔を上記の基準速度に対応した長さよりも長く設定す
る。
【0027】初期状態において、図4の進入側速度検出
部12の切替スイッチ125は側に設定されている。
したがって、速度センサ部120から列車15の走行速
度に応じた周期(パルス間隔)の進入側速度検出パルス
22が出力されて切替スイッチ125に入力されると
(図9ステップS101;Y)、切替スイッチ125
は、この進入側速度検出パルス22をそのまま発光タイ
ミングパルス24として出力する動作を開始する(ステ
ップS102)。
【0028】この発光タイミングパルス24は各表示端
末装置11−1〜11−n(図1)に供給される。各表
示端末装置11−1〜11−nでは、発光タイミングパ
ルス24に同期してバックライト112が一斉に点滅す
る。これにより、すべての表示端末装置11−1〜11
−nにおいて一斉に間欠的な瞬間表示が開始される。
【0029】その後、列車15が図8(d)の位置まで
進むと、退出側速度検出部13の速度センサ部(図示せ
ず)は速度検出動作を開始し、列車15の走行速度に応
じたパルス間隔の退出側速度検出パルス23を出力す
る。その速度検出動作は、上記の進入側速度検出部12
における速度センサ部120の動作と同様であり、説明
を省略する。退出側速度検出部13から出力された退出
側速度検出パルス23は、進入側速度検出部12(図
4)に送られ、スイッチ制御部126および切替スイッ
チ125に入力される。
【0030】退出側速度検出部13のスイッチ制御部1
26は、退出側速度検出パルス23の入力の有無を監視
し(ステップS103)、その入力を検知すると(ステ
ップS103;Y)、さらに、入力パルス数が所定数に
達するまで待つ(ステップS104;N)。そして、入
力パルス数が所定数(例えば3パルス)に達したところ
で(ステップS104;Y)、切替スイッチ125に対
して切替信号127を送る。この切替信号127を受け
た切替スイッチ125は、入力を側から側に切り替
え(ステップS105)、それ以降は、退出側速度検出
パルス23をそのまま発光タイミングパルス24として
出力する。したがって、これ以降は、退出側速度検出部
13によって検出された速度に基づいて生成された発光
タイミングパルス24が各表示端末装置11−1〜11
−n(図1)に供給され、この発光タイミングパルス2
4に従ってすべての表示端末装置11−1〜11−nに
おいて一斉に間欠的な瞬間表示が行われることとなる。
【0031】スイッチ制御部126は、その後も引き続
き退出側速度検出パルス23の入力状態を監視し(ステ
ップS106)、その入力の終了を検知すると(ステッ
プS106;Y)、スイッチ切替信号127を出力して
切替スイッチ125を元の側に戻す(ステップS10
7)。
【0032】このようにして、列車15の進行に伴って
進入側速度検出部12および退出側速度検出部13から
出力される速度検出パルス22,23を順次切り替えて
発光タイミングパルス24として用い、各表示端末装置
11−1〜11−nにおける表示タイミング制御が行わ
れる。
【0033】次に、図10を参照して、列車15内の乗
客によって動画像が観察される様子を説明する。この図
で、横方向は表示端末装置11−iの配列を表し、縦方
向は図6に示した発光タイミングパルス24の各立ち上
がりタイミング(瞬間表示タイミング)tj を表し(j
は整数)、縦横の交差部分は、各タイミングにおいてL
CDパネル111(図2)に表示される静止画像Pi
表すものである。この図に示したように、i番目の表示
端末装置11−iのLCDパネル111は、各タイミン
グtj ,tj+1 ,tj+2 …において毎回同じ静止画像P
i を瞬間表示する。この表示タイミングは列車15の走
行速度に対応したものなので、列車15内の乗客にとっ
ては、常に自分から見て窓越しの同じ位置に連続した静
止画像〔P1〕,〔P2〕,〔P3〕,…が表示される
こととなり、眼の残像効果によりこれらの静止画像が一
連の動画像として観察される。この場合、列車15の後
尾部分が進入側速度検出部12の前を通過した後におい
ても退出側速度検出部13によって列車15の速度検出
が行われるので、列車15の後尾部分が進入側速度検出
部12の前を通過した後に列車速度変化が生じたとして
も、各表示端末装置11−1〜11−nにおける表示タ
イミングはその速度変化に追随して変化することとな
り、乗客から見て、動画像が左右に変動するという不都
合が生じない。なお、図10において静止画像Pi の内
容をすべて同一とすれば、列車15内の乗客から観察さ
れる画像を静止画像とすることができる。
【0034】このように、本実施の形態の移動体用画像
表示装置によれば、システム設置区間の両端にそれぞれ
進入側速度検出部12および退出側速度検出部13を設
け、列車15がシステム設置区間を通過している全期間
にわたって列車15の走行速度を検出し、その検出速度
に応じて表示端末装置11−1〜11−nの表示タイミ
ングを制御するようにしたので、列車15がシステム設
置区間を通過中にその走行速度が変化したとしても、そ
れに伴って列車15の乗客から観察される画像が変動す
ることがない。すなわち、列車15がシステム設置区間
を通過している全期間にわたって列車15の走行速度に
応じて安定した位置に画像表示を行うことができる。例
えば、CM放送のような高品質が要求される映像表示と
して利用する場合に、電車内の乗客から見て安定した位
置に映像を表示できるようになるので、そのような用途
に好適である。
【0035】〔第2の実施の形態〕次に、本発明の他の
実施の形態を説明する。図11は本発明の他の実施の形
態に係る移動体用画像表示装置における進入側速度検出
部32の概略構成を列車15と共に表すものである。こ
の図に示したように、本実施の形態における進入側速度
検出部32は、速度センサ部320と、2つの速度範囲
フィルタ325,326と、切替スイッチ327と、比
較器328と、パルス発生部329とを備えている。速
度センサ部320は、パルス発生部124がない点を除
いて図4の速度センサ部120と同様の構成であり、走
行する列車15の窓15aの映像を撮影するための2つ
のカメラ321a,321bと、カメラ321a,32
1bから入力された2つの撮像データに対して所定の画
像処理を行なう画像処理部322と、画像処理部322
における処理結果に基づいて列車15の走行速度を演算
し、進入側速度データ42として出力する速度演算部3
23とを有している。
【0036】速度範囲フィルタ325は、速度センサ部
320から出力された進入側速度データ42の値が所定
の範囲にある場合にのみその進入側速度データ42をそ
のまま出力し、所定の範囲外のときには“0”を出力す
るものである。また、速度範囲フィルタ326は、退出
側速度検出部33から出力された退出側速度データ43
の値が所定の範囲にある場合にのみその退出側速度デー
タ43をそのまま出力し、所定の範囲外のときには
“0”を出力するものである。これらの速度範囲フィル
タ325,326を設けたのは、ノイズ等による誤動作
を防止するためである。なお、ここで所定の範囲とは、
例えば30〜100km程度に設定される。
【0037】切替スイッチ327は、速度センサ部32
0から出力され速度範囲フィルタ325を介して側に
入力される進入側速度データ42、または退出側速度検
出部33(図1)から出力され速度範囲フィルタ326
を介して側に入力される退出側速度データ43のいず
れか一方を選択し、これをパルス発生部329に供給す
るようになっている。
【0038】パルス発生部329は、切替スイッチ32
7から入力された速度データに対応した周期の発光タイ
ミングパルス24を生成して出力するようになってい
る。
【0039】比較器328は、速度範囲フィルタ325
を通過した進入側速度データ42の値と速度範囲フィル
タ326を通過した退出側速度データ43の値とを比較
して、両者の差が所定の範囲内になったときに、切替ス
イッチ327を制御して側(進入側速度データ42
側)から側(退出側速度データ43側)に切り替える
ようになっている。
【0040】カメラ321a,321bの配置関係や、
画像処理部322および速度演算部323における各処
理内容は上記実施の形態(図4)の場合と同様であるの
で、ここでは説明を省略する。
【0041】本実施の形態に係る移動体用画像表示装置
の全体構成は、図1において、進入側速度検出部12に
代えて進入側速度検出部32とし、退出側速度検出部1
3に代えて退出側速度検出部33とし、退出側速度検出
パルス23に代えて退出側速度データ43とする点を除
き、上記実施の形態の場合と同様である。なお、本実施
の形態において、上記実施の形態と同一構成要素には同
一符号を付すものとする。
【0042】なお、退出側速度検出部33(図1)は、
図11に示した進入側速度検出部32の速度センサ部3
20と同様の速度センサ部を有しており、列車15の走
行速度を検出し、これを退出側速度データ43として出
力するようになっている。この退出側速度データ43
は、進入側速度検出部32の速度範囲フィルタ326に
入力される。
【0043】次に、図12を参照して、図11に示した
進入側速度検出部32における主な動作を説明する。列
車15が図8(b)の位置に差しかかると、進入側速度
検出部32の速度センサ部320は速度検出動作を開始
する。まず、画像処理部322はカメラ321a,32
1bからの各撮影映像に対して画像処理を行い、図5に
示した距離dを求める。速度演算部323は画像処理部
322で得られた距離dから列車15の走行速度を演算
し、進入側速度データ42として出力する。
【0044】速度範囲フィルタ325は、入力された進
入側速度データ42の値が上記の所定範囲にあるか否か
を判定し、所定範囲内にあるときは(図12ステップS
201;Y)、その値をそのまま出力する。初期状態に
おいて進入側速度検出部32の切替スイッチ327は
側に設定されているので、速度センサ部320から出力
されて速度範囲フィルタ325を通過した進入側速度デ
ータ42は、切替スイッチ327を経てパルス発生部3
29に入力される。
【0045】パルス発生部329は、入力された進入側
速度データ42に基づいて、表示端末装置11−1〜1
1−nにおける画像表示のタイミング間隔(間欠表示周
期)を求め(ステップS202)、そのタイミング間隔
をパルス間隔とする発光タイミングパルス24の出力を
開始する(ステップS203)。このとき、パルス発生
部329は、上記実施の形態の場合と同様に、列車15
の速度が基準速度(予め想定された速度)よりも大きい
ときは、パルス間隔を上記の基準速度に対応した長さよ
りも短く設定し、列車15の速度が基準速度よりも小さ
いときは、パルス間隔を上記の基準速度に対応した長さ
よりも長く設定する。
【0046】この発光タイミングパルス24は各表示端
末装置11−1〜11−n(図1)に供給される。各表
示端末装置11−1〜11−nでは、発光タイミングパ
ルス24に同期してバックライト112が一斉に点滅を
開始する。これにより、すべての表示端末装置11−1
〜11−nにおいて一斉に間欠的な瞬間表示が開始され
る。
【0047】その後、列車15が図8(d)の位置まで
進むと、退出側速度検出部33の速度センサ部(図示せ
ず)もまた、速度検出動作を開始し、退出側速度データ
43を出力する。その速度検出動作は、上記の進入側速
度検出部32における速度センサ部320の動作と同様
であり、説明を省略する。退出側速度検出部33から出
力された退出側速度データ43は、進入側速度検出部3
2(図11)に送られ、そこの速度範囲フィルタ326
に入力される。
【0048】速度範囲フィルタ326は、入力された退
出側速度データ43の値が上記の所定範囲にあるか否か
を判定し、所定範囲内にあるときは(ステップS20
4;Y)、その値をそのまま出力する。
【0049】比較器328は、速度範囲フィルタ325
から出力されている進入側速度データ42と速度範囲フ
ィルタ326から出力されている退出側速度データ43
とを比較し(ステップS205)、両者の差が所定範囲
(例えば、プラスマイナス1km/時)内になったとき
に(ステップS206;Y)、切替スイッチ327に対
して切替信号330を送る。この切替信号330を受け
た切替スイッチ327は、入力を側から側に切り替
え(ステップS207)、それ以降は、退出側速度デー
タ43に基づいて発光タイミングパルス24を生成して
出力する。したがって、これ以降は、退出側速度検出部
33によって検出された退出側速度データ43に基づい
て生成された発光タイミングパルス24が各表示端末装
置11−1〜11−n(図1)に供給され、この発光タ
イミングパルス24に従ってすべての表示端末装置11
−1〜11−nにおいて一斉に間欠的な瞬間表示が行わ
れることとなる。
【0050】比較器328は、進入側速度データ42の
入力が終了した後も引き続き退出側速度データ43の入
力状態を監視し(ステップS208)、その入力の終了
を検知すると(ステップS208;Y)、発光タイミン
グパルス24の出力を終了し(ステップS209)、切
替信号330を出力して切替スイッチ327を元の側
に戻す(ステップS210)。
【0051】このようにして、列車15の進行に伴って
進入側速度データ42から退出側速度データ43へと切
り替えが行われると共に、切り替えられた速度データを
基に発光タイミングパルス24が生成されて各表示端末
装置11−1〜11−nに供給され、これに基づいて表
示タイミング制御が行われる。
【0052】図13は列車15の通過に伴う切替スイッ
チ327(図11)の動作を具体的に表すものである。
ここでは、列車15の通過速度を時速60kmに想定し
て説明する。この図に示したように、進入側速度データ
42は列車15が状態(b)となったところで“0k
m”から“60km”に変化し、状態(f)となったと
ころで“60km”から“0km”に変化する。一方、
退出側速度データ43は列車15が状態(d)となった
ところで“0km”から“60km”に変化し、状態
(h)となったところで“60km”から“0km”に
変化する。ここで、切替スイッチ327は、状態(a)
〜(c)においては側にあって進入側速度データ42
を出力しているが、状態(d)〜(f)の区間における
いずれかの時点で側から側へと切り替わると、その
出力は進入側速度データ42から退出側速度データ43
とへ変化する。この結果、図示のように、切替スイッチ
327の出力は状態(d)〜(f)の区間において常に
“60km”となる。また、状態(g)〜(h)の区間
では、切替スイッチ327は側を維持して退出側速度
データ43を出力するが、列車15がシステム設置区間
を完全に通過した後の状態(i)において、切替スイッ
チ327は再び側から側へと切り替わる。
【0053】このように、本実施の形態の移動体用画像
表示装置によれば、上記第1の実施の形態の場合と同様
に、システム設置区間の両端にそれぞれ進入側速度検出
部32および退出側速度検出部33を設け、列車15が
システム設置区間を通過している全期間にわたって列車
15の走行速度を検出し、その検出速度に応じて表示端
末装置11−1〜11−nの表示タイミングを制御する
ようにしたので、列車15がシステム設置区間を通過中
にその走行速度が変化したとしても、それに伴って列車
15の乗客から観察される画像が変動することがない。
すなわち、列車15がシステム設置区間を通過している
全期間にわたり、列車15の走行速度に応じて安定した
位置に画像表示を行うことができる。
【0054】また、上記第1の実施の形態に係る移動体
用画像表示装置では、進入側速度検出部12から出力さ
れた進入側速度検出パルス22と退出側速度検出部13
から出力された退出側速度検出パルス23とを直接切り
替えて発光タイミングパルス24として出力するように
したので、その切り替えの前後でパルスの位相が変化す
る場合がある。たとえ、両方のパルスの周期が等しくて
も、パルスの位相まで等しいとは限らないからである。
切り替えの前後でパルスの位相が変化すると、切り替え
の瞬間において表示端末装置11−1〜11−nにおけ
る表示タイミングが変化する。したがって、列車15内
の乗客にとっては、ある時点において突然画像の表示位
置が右または左に移動するように見えることとなる。こ
れに対し、本実施の形態の移動体用画像表示装置では、
パルスの切り替えを行なうのではなく、速度センサ部3
20等から出力された速度データの段階(すなわち、進
入側速度データ42および退出側速度データ43の段
階)で切り替えを行なってから発光タイミングパルス2
4を生成するようにしているので、切り替えの前後でパ
ルスの位相が変化するという事態が生じることがない。
このため、上記第1の実施の形態の場合のように、列車
15内の乗客にとって、ある時点で突然画像の表示位置
が右または左に移動するように見えることがなく、より
安定した画像表示が可能となる。
【0055】以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発
明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定さ
れず、種々変更可能である。例えば、上記各実施の形態
では、画像表示手段として、LCDパネルを用いて構成
した表示端末装置11−1〜11−nを配列することと
したが、これに限らず、LED(発光ダイオード)を多
数用いて構成したLEDパネル等を用いるようにしても
よい。さらに、そのような電気的な画像情報に基づいて
表示を行う電子表示デバイスではなく、例えば紙やフィ
ルム等の記録媒体に印刷された絵や写真等の静止画像
と、これを照明するための照明装置とによって画像表示
手段を構成するようにしてもよい。
【0056】また、上記各実施の形態では、切替スイッ
チ125およびスイッチ制御部126(または、切替ス
イッチ327および比較器328)を、進入側速度検出
部12(または、進入側速度検出部32)に内蔵させる
ように構成したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、これらの切替スイッチ等を主制御装置14に内蔵
させ、ここから発光タイミングパルス24を出力するよ
うにしてもよい。
【0057】また、上記各実施の形態では、2台のテレ
ビカメラを速度センサ部に用いる構成としたが、他のセ
ンサ、例えば透過型光センサ、反射型光センサ、あるい
はドップラー効果を用いた超音波センサ等を用いること
も可能である。
【0058】図14は、2組の透過型光センサを用いて
進入側速度検出部の速度センサ部420を構成した場合
の一例を表すものである。この図で、速度センサ部42
0は、列車15の通過領域を挟むようにして配置された
発光部421aおよび受光部421bからなる第1の透
過型光センサと、この第1の透過型光センサから所定の
間隔をおいて同様に配置された発光部421cおよび受
光部421dからなる第2の透過型光センサと、受光部
421b,421dからそれぞれ出力される検出信号4
25a,425bに対して所定の信号処理を施す信号処
理部422と、信号処理部422の出力を基に列車15
の速度を演算する速度演算部423と、速度演算部42
3の出力を基に進入側速度検出パルス52を生成するパ
ルス発生部424とを備える。この場合、2つの透過型
光センサは、それぞれ、列車15におけるある1組の車
輪156a,156bが光路中を横切って光を遮断した
ときに、図15(a),(b)に示したようなパルス状
の検出信号425a,425bを出力する。信号処理部
422は、同一組の車輪の通過によって生じた検出信号
425a,425bのパルス間隔τ(図15)を検出す
る。速度演算部423は、このパルス間隔τを基に列車
15の走行速度を演算して求める。そして、得られた走
行速度に基づいてパルス発生部424によって進入側速
度検出パルス52を生成して切替スイッチ125(図
4)に入力すればよい。なお、図14では、切替スイッ
チ125およびスイッチ制御部126の図示を省略して
いる。退出側速度検出部の速度センサ部も同様に構成す
ればよい。このような構成とした場合には、高価なテレ
ビカメラや複雑な画像処理が不要となって、コスト的に
有利である。なお、この場合においても、上記第2の実
施の形態(図11)の場合と同様に、速度検出部420
からパルス発生部424を除き、速度データの段階で切
り替えを行ってから発光タイミングパルス24を生成す
るようにしてもよい。
【0059】なお、上記各実施の形態の移動体用画像表
示装置では、システム全長よりも列車長が短い場合は、
進入側速度検出部12(または32)および退出側速度
検出部13(または33)のいずれからも速度検出パル
ス(または速度データ)が出力されない速度不検知期間
が生ずるが、システム全長と列車長との差がわずかであ
れば、そのような速度不検知期間は短く、この間に速度
変化が起こる可能性は低くなる。したがって、そのよう
な速度不検知期間においては、進入側速度検出部12
(または32)から最後に出力された速度検出パルス
(または速度データ)を使用して表示タイミング制御を
行うようにしても大きな問題はない。
【0060】また、例えば長いトンネルを通過する場合
のように、長時間にわたって乗客に動画像等を見せよう
とする場合には、図1に示した移動体用画像表示装置を
1ユニットとしてこれを複数ユニットつなぎ合わせるよ
うにすればよい。
【0061】また、上記各実施の形態では、移動体用画
像表示装置をトンネル内に設置して使用するものとして
説明したが、その他の場所に設置することも可能であ
る。例えば、夜間であれば、移動体用画像表示装置を鉄
道沿線の任意の場所に設置して使用することもできる。
さらに、鉄道や地下鉄等に限らず、乗客を乗せて走行す
るものであれば、他の種類の乗り物にも適用可能であ
る。例えば移動体用画像表示装置を遊園地等におけるア
トラクションとしての乗り物等に適用すれば、乗客にフ
ァッタジックあるいはスリリングな仮想体験を与えるシ
ステムを構築することも可能である。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項4のいずれかに記載の移動体用画像表示装置、または
請求項5記載の移動体用画像表示方法によれば、画像表
示手段の配列の先頭部近傍に設けた第1の速度検出手段
から得た速度と画像表示手段の配列の末尾部近傍に設け
た第2の速度検出手段から得た速度とに基づいて、画像
表示手段による静止画像表示のタイミングを制御するよ
うにしたので、移動体が画像表示手段の配列区間を通過
する際のほぼ全期間にわたって、移動体の速度に応じた
静止画像表示のタイミング制御が可能となる。このた
め、移動体が画像表示手段の配列区間を通過する途中で
移動体の速度が変化しても、それに対応したタイミング
で各画像表示手段における画像表示を行うことができ、
移動体側の乗客から観察される画像を安定化することが
できるという効果がある。
【0063】特に、請求項2記載の移動体用画像表示装
置によれば、第1の速度検出手段の配設位置と第2の速
度検出手段の配設位置との距離を移動体の長さよりも短
くするようにしたので、移動体が画像表示手段の配列区
間を通過する際に移動体の速度が検出されない期間をな
くすことができる。このため、移動体が画像表示手段の
配列区間を通過する際の全期間にわたって、移動体側の
乗客から観察される画像を安定化することができるとい
う効果がある。
【0064】また、請求項3記載の移動体用画像表示装
置によれば、各画像表示手段を、連続動画像の個々の静
止画像をそれぞれ瞬間表示できるものとして構成したの
で、移動体側から安定した動画像を観察することが可能
になるという効果がある。
【0065】また、請求項4記載の移動体用画像表示装
置によれば、各画像表示手段を、電気的な情報として与
えられた画像情報を基に静止画像を瞬間表示できるもの
として構成したので、さらに、表示対象の画像を簡単に
入れ替えることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る移動体用画像表示
装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】図1における各表示端末装置の要部構成を表す
ブロック図である。
【図3】図1における主制御装置の要部構成を表すブロ
ック図である。
【図4】図1における進入側速度検出部の要部構成を表
すブロック図である。
【図5】進入側速度検出部における速度検出原理を説明
するための図である。
【図6】進入側速度検出部から出力される進入側速度検
出パルスを表す図である。
【図7】図1の移動体用画像表示装置を実際に配置する
場合に必要となる配置パラメータについて具体的数値を
挙げて説明した説明図である。
【図8】列車がシステム設置区間を通過する様子を表す
図である。
【図9】図4に示した進入側速度検出部の動作を説明す
るための流れ図である。
【図10】列車内の乗客によって観察される動画像の様
子を表す図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る移動体用画像
表示装置における進入側速度検出部の要部構成を表すブ
ロック図である。
【図12】図11に示した進入側速度検出部の動作を説
明するための流れ図である。
【図13】列車の通過に伴う進入側速度検出部の切替ス
イッチの動作を具体的に表す図である。
【図14】本発明のさらに他の実施の形態に係る移動体
用画像表示装置における進入側速度検出部の速度センサ
部の構成を表すブロック図である。
【図15】図14に示した速度センサ部の2つの受光部
から出力される検出信号を表す図である。
【符号の説明】
1…移動体用画像表示装置、11−1〜11−n…表示
端末装置、12,32…進入側速度検出部、13,33
…退出側速度検出部、15…列車、22,52…進入側
速度検出パルス、23…退出側速度検出パルス、24…
発光タイミングパルス、42…進入側速度データ、43
…退出側速度データ、111…LCDパネル、112…
バックライト、116…CPU、120,320,42
0…速度センサ部、125,327…切替スイッチ、1
26…スイッチ制御部、325,326…速度範囲フィ
ルタ、328…比較器、329…パルス発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09G 5/00 510 G09G 5/00 510V 550 550C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体の走行方向に沿って所定間隔で配
    列され、それぞれが静止画像の瞬間表示をなし得るよう
    に構成された複数の画像表示手段と、 前記画像表示手段の配列の先頭部近傍に配置され、前記
    移動体の走行速度を検出する第1の速度検出手段と、 前記画像表示手段の配列の末尾部近傍に配置され、前記
    移動体の走行速度を検出する第2の速度検出手段と、 前記第1の速度検出手段により得られた速度と前記第2
    の速度検出手段により得られた速度とに基づいて、前記
    画像表示手段による静止画像表示のタイミングを制御す
    る表示タイミング制御手段とを備えたことを特徴とする
    移動体用画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の速度検出手段の配設位置と前
    記第2の速度検出手段の配設位置との距離は前記移動体
    の長さよりも短いことを特徴とする請求項1記載の移動
    体用画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の画像表示手段は、それぞれ、
    時間と共に変化する連続動画像を構成する各静止画像を
    瞬間表示可能であるように構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の移動体用画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の画像表示手段は、それぞれ、
    電気的な情報として与えられた画像情報を基に静止画像
    を瞬間表示可能であるように構成されていることを特徴
    とする請求項1記載の移動体用画像表示装置。
  5. 【請求項5】 移動体の走行方向に沿って、それぞれが
    静止画像の瞬間表示をなし得るように構成された複数の
    画像表示手段を所定間隔で配列し、 前記画像表示手段の配列の先頭部近傍に前記移動体の走
    行速度を検出するための第1の速度検出手段を配置する
    と共に、前記画像表示手段の配列の末尾部近傍に前記移
    動体の走行速度を検出するための第2の速度検出手段を
    配置し、 前記第1の速度検出手段により得られた速度と前記第2
    の速度検出手段により得られた速度とに基づいて、前記
    画像表示手段による静止画像表示のタイミングを制御す
    るようにしたことを特徴とする移動体用画像表示方法。
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