JP4140795B2 - 映像表示装置、映像表示方法及び映像表示システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像表示装置、映像表示方法及び映像表示システムに関し、例えばトンネルの内側壁面に複数の端末表示手段を配置し、これら複数の端末表示手段によるコマ送り画像の映像を車両の搭乗者に提供する場合に適用することができる。本発明は、静止画像の点滅表示により移動体の搭乗者にコマ送りの映像を提供する映像表示装置において、入力された画像データのフォーマットを変換して各端末表示手段に供給することにより、これらの映像表示装置による映像を集中的に管理、更新する場合に、簡易にこれら映像を各映像表示装置に配給することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、映像表示システムとして、トンネル内を通過する車両の搭乗者に対して、車外よりコマ送りの映像を提供するようになされた映像表示装置が提案されている(特開平5−27197号、特開平5−40448号、特開平5−224617号等)。
【0003】
このような映像表示装置は、例えばトンネル内の壁面に所定間隔で端末の画像表示手段を配置し、各画像表示手段で動画を構成する各コマの静止画像を点滅表示させ、これにより移動する車両内の搭乗者(乗客のみならず乗員をも含む意である)にコマ送りの映像を提供することができるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの種の映像表示装置に適用される端末の画像表示手段を液晶表示パネルとストロボとで構成すれば、この液晶表示パネルで表示する静止画像を更新して、搭乗者に提供する映像を簡易に変更することができる。
【0005】
またこのような映像表示装置を路線の各所に配置し、これらの映像表示装置で表示する映像を集中的に管理、更新するように構成すれば、この種の映像表示装置により種々の情報を有機的に提供でき、便利であると考えられる。
【0006】
ところが液晶表示パネルにおいては、例えばVGA(Video Graphics Array)、SVGA(Super Video Graphics Array)、XGA(Extended Graphics Array )等の種々の解像度のものがあり、路線の各所に映像表示装置を配置する場合にあっては、映像表示装置間で液晶表示パネルの解像度が異なる場合も発生する。
【0007】
この場合に、これら映像表示装置による映像を集中的に管理、更新するホスト側より、各映像表示装置に対してそれぞれ対応する解像度により映像を提供すると、その分映像の管理が煩雑になる問題がある。またホストとこれら映像表示装置とを結ぶネットワーク上のデータ量が増大し、これにより例えば公衆回線である長距離データ回線を利用してネットワークを構成する場合にあっては、回線の使用料金も増大することになる。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、静止画像の点滅表示により移動体の搭乗者に映像を提供する映像表示装置に関して、この映像表示装置における映像を集中的に管理、更新する場合に、簡易に映像を各映像表示装置に配給することができる映像表示装置、映像表示方法及び映像表示システムを提案しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、映像表示装置又は映像表示方法に適用して、移動体の経路に沿って所定間隔で配置され、それぞれ対応する静止画像を点滅表示する複数の端末表示手段に対して、画像データ供給手段により、所定の映像配給装置より供給される画像データのフォーマットを端末表示手段に対応するフォーマットに変換して、静止画像の画像データを供給する。また車両の進入側端の端末表示手段より車両の進入側に設けられた進入側速度検出手段と、車両の退出側端の端末表示手段より車両の退出側であって、進入側速度検出手段までの距離が車両の長さより短い箇所に設けられた退出側速度検出手段とで検出される車両の速度とに基づいて、複数の端末表示手段の点滅表示の周期を制御する。
【0010】
また請求項10の発明は、それぞれ鉄道の車両の経路に沿って所定間隔で静止画像を点滅表示することにより、前記車両の搭乗者に対して前記静止画像によるコマ送りの映像を提供する複数の映像表示装置と、前記複数の映像表示装置に前記映像の画像データを供給する画像配給装置とを有する映像表示システムに適用して、前記画像配給装置は、前記複数の映像表示装置で共通のフォーマットで前記複数の映像表示装置に前記画像データを供給し、前記映像表示装置は、前記車両の経路に沿って所定間隔で配置され、それぞれ対応する前記静止画像を点滅表示する複数の端末表示手段と、前記画像配給装置より供給される前記画像データのフォーマットを前記端末表示手段に対応するフォーマットに変換し、前記端末表示手段に前記静止画像の画像データを供給する画像データ供給手段と、前記車両の進入側端の前記端末表示手段より前記車両の進入側に設けられ、前記車両の速度を検出する進入側速度検出手段と、前記車両の退出側端の前記端末表示手段より前記車両の退出側であって、前記進入側速度検出手段までの距離が前記車両の長さより短い箇所に設けられ、前記車両の速度を検出する退出側速度検出手段と、前記進入側速度検出手段で検出される前記車両の速度と、前記退出側速度検出手段で検出される前記車両の速度とに基づいて、前記複数の端末表示手段の点滅表示の周期を制御する制御手段とを有するようにする。
【0011】
請求項1、請求項6又は請求項10の構成により、それぞれ対応する静止画像を点滅表示する複数の端末表示手段に対して、画像データのフォーマットを端末表示手段に対応するフォーマットに変換して供給すれば、例えば一定の解像度による画像データの配給を受け、この画像データを端末表示手段の表示に対応した解像度により供給することができる。従って一定の解像度により映像の配給を受ける分、この映像を集中的に管理、更新する場合に、簡易に映像を各映像表示装置に配給することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0014】
(1)システムの全体構成
図2は、本発明の実施の形態に係る映像配給システムを示す略線図である。この映像配給システム1において、画像データ配信システム2は、動画による映像を記録するサーバーであり、このネットワークに接続された映像表示装置であるトンネル内システムで表示する動画映像を蓄積保持する。画像データ配信システム2は、各映像の画像データをそれぞれMPEG(Moving Picture Experts Group)2のフォーマットによりデータ圧縮してファイル形式により保持し、各鉄道会社に配置された管理システム(以下鉄道会社システムと呼ぶ)3A〜3Eのリクエストによりこれら保持したファイルFを例えば公衆回線により鉄道会社システム3A〜3Eに送出する。これによりこの映像配給システム1においては、共通のフォーマットにより各トンネル内システムで表示する動画のデータを管理、配給するようになされている。
【0015】
各鉄道会社システム3A〜3Eは、このようにして転送されたファイルFを保持するサーバーであり、各鉄道会社の管理するトンネル内システムについて、これらトンネル内システムで表示する動画のファイルFを蓄積保持する。さらに各鉄道会社システム3A〜3Eは、所定のスケジュールに従ってこの保持した動画のファイルFを路線別管理システム4A〜4Dに伝送する。これにより鉄道会社システム3A〜3Eにおいても、共通のフォーマットにより各トンネル内システムで表示する動画のデータを管理、配送するようになされている。
【0016】
ここでスケジュールは、各鉄道会社の管理する路線毎に、各路線に配置された各トンネル内システム5A〜5Nで表示する映像を管理するものである。鉄道会社システム3A〜3Eは、このスケジュールに従って、例えば各トンネル内システム5A〜5Nで翌日表示する動画のファイルFを、そのスケジュールと共に必要に応じて対応する線路別管理システム4A〜4Dに伝送する。
【0017】
路線別管理システム4A〜4Dは、このようにして鉄道会社システム3A〜3Eより伝送された動画のファイルF、スケジュールを保持するサーバーであり、各鉄道会社の管理する路線毎に配置されて、各路線毎にこれら動画のファイルF、スケジュールを保持する。さらに路線別管理システム4A〜4Dは、このようにして保持した動画のファイルF、スケジュールを対応するトンネル内システム5A〜5Nに送出する。これにより路線別管理システム4A〜4Dにおいても、共通のフォーマットにより各トンネル内システムで表示する動画のデータを管理、配送するようになされている。
【0018】
(2)トンネル内システム
図3は、トンネル内システム5A〜5Nを示すブロック図である。ここでトンネル内システム5A〜5Nは、図3において示すように、液晶表示パネルの解像度が異なる点、この解像度に対応する構成が異なる点を除いて、同一に構成されることにより、ここではトンネル内システム5Aについて説明し、他のトンネル内システムについては説明を省略する。なおこの実施の形態では、各トンネル内システム5A、5B、5Nにおいては、それぞれ一定の解像度により静止画像を点滅表示するようになされ、この解像度がトンネル内システム5A、5B、5NでそれぞれVGA、SVGA、XGAの解像度に設定されるようになされている。
【0019】
トンネル内システム5Aは、車両の経路に沿って所定間隔で静止画像を点滅表示することにより、車両の搭乗者に対して静止画像によるコマ送りの映像を提供する。トンネル内システム5Aは、動画の各コマを構成する静止画像を90台の端末装置11A〜11Nでそれぞれ表示し、この端末装置11A〜11Nが、トンネル内に所定の間隔で配置される。なおこの実施の形態では、トンネル内システム5Aは、この90台の端末装置11A〜11Nにより形成される静止画像により約3秒間の動画を提供するようになされている。
【0020】
さらにトンネル内システム5Aは、車両が接近する側(以下進入側と呼ぶ)の末端に配置された端末装置11Aより所定距離だけ車両の進入側に、進入側速度検出部14が配置され、これとは逆に車両が遠ざかる側(以下退出側と呼ぶ)の末端に配置された端末装置11Nより所定距離だけ退出側に、退出側速度検出部15が配置される。
【0021】
ここで進入側速度検出部14と退出側速度検出部15は、車両が通過する際に、最後尾の車両が進入側速度検出部14の前を通過する前に、先頭車両が退出側速度検出部15の前を通過するように、進入側速度検出部14と退出側速度検出部15との距離がこのトンネルを通過する車両の長さに比して短くなるように配置されるようになされている。これによりこのトンネル内システム5Aにおいては、進入側速度検出部14と退出側速度検出部15により通過する車両の速度を検出する際に、車両の速度を継続して検出できるようになされている。
【0022】
退出側速度検出部15は、線路に近接して2台のテレビジョンカメラによる退出速度検出センサーが配置される。退出側速度検出部15は、この2台のテレビジョンカメラより得られる撮像結果を所定の信号処理回路で比較処理することにより、例えば車両の窓を基準にして車両の通過を検出し、さらには車両の通過速度を検出する。退出側速度検出部15は、この検出結果を速度検出データDSIとして進入側速度検出部14に出力する。
【0023】
進入側速度検出部14は、同様に、線路に近接して2台のテレビジョンカメラによる進入速度検出センサーが配置され、この2台のテレビジョンカメラより得られる撮像結果を所定の信号処理回路で比較処理することにより、車両の通過を検出し、さらには車両の通過速度を検出する。
【0024】
さらに進入側速度検出部14は、この進入側の通過速度と、速度検出データDSIより得られる退出側の通過速度より、車両が端末機器11A〜11Nの前を通過している期間の間、この車両の通過速度に対応した周期により間欠的に信号レベルが立ち上がる発光パルスPを端末装置11A〜11Nに出力する。
【0025】
端末装置11A〜11Nは、ホスト装置12より伝送された静止画像を表示する画像表示装置17と、この画像表示装置17を照明して画像表示装置17の画像を目視できるようにする点滅照明装置18とにより構成される。端末装置11A〜11Nは、このように点滅照明装置18により照明されて目視可能となる画像表示装置17の静止画像が車両の搭乗者より容易に視聴できるように、ほぼ車両の窓の高さに画像表示装置17、点滅照明装置18が配置されるようになされている。
【0026】
このうち画像表示装置17は、各トンネル内システム5A〜5Nでそれぞれ一定の解像度による透過型液晶表示パネルと、この液晶表示パネルを駆動する表示回路、画像データD1を入力するインターフェース等により構成される。画像表示装置17は、液晶表示パネルの解像度に対応したビットマップ形式の画像データD1により、各端末装置11A〜11Nにそれぞれ割り当てられた静止画像をホスト装置12より入力する。
【0027】
点滅照明装置18は、画像表示装置17における液晶表示パネルの背面に配置されたバックライト装置であり、液晶表示パネルに照明光を供給する。この照明光の供給において、点滅照明装置18は、発光パルスPLに同期して動作することにより、車両が端末装置11A〜11Nの前を通過する間、車両の通過速度に対応した周期により液晶表示パネルに間欠的に照明光を供給し、液晶表示パネルによる静止画像を点滅表示する。
【0028】
これによりトンネル内システム5Aにおいては、端末装置11A〜11Nの前を通過する車両の搭乗者に対して、各端末装置11A〜11Nの静止画像によるコマ送りの映像を窓越しに提供するようになされている。さらにこのとき車両の速度に応じた周期によりこれら静止画を点滅表示することにより、これら静止画による映像が車両の搭乗者より静止して観察されるようになされている。
【0029】
ホスト装置12は、これら端末装置11A〜11Nの最寄り駅構内に配置され、線路別管理システム4Aより伝送された動画のファイルF、スケジュールを保持する。さらにホスト装置12は、この保持したスケジュールに応じて動画のファイルFを処理し、動画を構成する各フレームの画像データを対応する端末装置11A〜11Nに順次伝送する。これによりホスト装置12は、各端末装置11A〜11Nにおいて表示する静止画像の画像データD1を各端末装置11A〜11Nに供給する。
【0030】
このときホスト装置12は、静止画の画像データを端末装置11A〜11Nの解像度に対応するビットマップ形式により出力する。これによりホスト装置12は、共通のフォーマットにより伝送された動画のデータより各トンネル内システムの解像度に対応する静止画の画像データを生成し、この静止画の画像データを伝送するようになされている。
【0031】
(3)ホスト装置の詳細構成
図1は、このホスト装置12の構成を示すブロック図である。このホスト装置12において、ネットワークインターフェース(1/F)21は、路線別管理システム4Aより伝送される動画のファイルF、スケジュールを入力する。
【0032】
ハードディスク装置(HDD)22は、このネットワークインターフェース21を介して入力される動画のファイルF、スケジュールを記録する。またハードディスク装置22は、このようにして伝送されたスケジュールに従った図示しないシステムコントローラのスケジュール管理により、例えば1時間周期で、このシステムコントローラにより指定されるファイルFを再生して出力する。
【0033】
データ伸長回路23は、このファイルFによる動画の画像データをデータ伸長して出力する。これによりデータ伸長回路23は、MPEGのフォーマットに対応する輝度信号、色差信号による画像データを出力する。
【0034】
データフォーマット変換回路24は、このデータ伸長回路23より出力される画像データを補間演算処理、間引き処理することにより、映像配給システム1から共通のフォーマットで伝送された動画のデータより各トンネル内システムの解像度に対応する画像データを生成する。さらにデータフォーマット変換回路24は、このようにして解像度を変換してなる画像データをマトリックス演算処理することにより、液晶表示パネルの駆動に対応する赤色、青色、緑色による画像データに変換し、さらに液晶表示パネルの画素配列に対応する順序により出力する。さらにデータフォーマット変換回路24は、このようにして生成した順次フレームが連続してなる画像データを1フレーム単位で区切って出力する。これによりデータフォーマット変換回路24は、MPEG2のフォーマットによりファイル形式で伝送された動画の画像データを、このトンネル内システムにおける液晶表示パネルの解像度に対応したビットマップ形式による静止画像の画像データD1に変換して出力する。
【0035】
データダウンロード変換回路25は、このようにしてフレームを単位にした静止画像の画像データD1を受け、この画像データD1をそれぞれ対応する端末装置11A〜11Nに順次送出する。
【0036】
(5)実施の形態の動作
以上の構成において、各トンネル内システム5A〜5Nにおいては(図3及び図4)、図4に示すように、車両Tが接近して先頭車両が進入側速度検出部14の前を通過すると(図4(B))、ここで車両Tの通過が検出され、通過速度の検出が開始される。さらに車両Tが順次走行により移動して退出側速度検出部15の前を先頭車両が通過すると(図4(D))、退出側速度検出部15でこの車両Tの通過、通過速度が検出される。
【0037】
さらに車両Tが走行して最後尾の車両が進入側速度検出部14の前を通過すると(図4(F))、この進入側速度検出部14により車両Tの通過が検出され、さらに通過速度の検出が終了する。その後この最後尾の車両が退出側速度検出部15の前を通過すると(図4(H))、この退出側速度検出部15においても車両Tの通過が検出され、また通過速度の検出が終了する。
【0038】
トンネル内システム5A〜5Nにおいては、このようにして先頭車両の通過が進入側速度検出部14で検出されると、最後尾の車両が退出側速度検出部15を通過するまでの間、通過速度に応じて信号レベルが立ち上がる発光パルスPLが出力され、この発光パルスPLを基準にして点滅照明装置18が液晶表示パネルによる画像表示装置17に照明光を間欠的に供給することにより、車両の移動速度に応じてトンネル内に所定間隔で配置された端末装置11A〜11Nにより静止画像が点滅表示される。
【0039】
トンネル内システム5A〜5Nにおいては、これにより各端末装置11A〜11Nの静止画像によるコマ送りの映像が車両の搭乗者に提供される。
【0040】
このようなトンネル内システム5A〜5Nに映像を提供する映像配給システム1においては(図2)、画像配信センター2に保持された動画のファイルFが各鉄道会社の各鉄道会社システム3A〜3Eの要求によりこれら各鉄道会社システム3A〜3Eに配給された後、各鉄道会社の路線を管理する路線別管理システム4A〜4Dを介して各トンネル内システム5A〜5Nに提供される。
【0041】
このときこのファイルFは、この映像配給システム1で共通のフォーマットにより管理されて配給され、これにより動画の管理、配給を簡略化することができ、さらには配給に要するデータ量も低減することが可能となる。
【0042】
さらにこのファイルFは、MPEG2によりデータ圧縮されて画像配信センター2に保持され、トンネル内システム5A〜5Nまで伝送されることにより、その分さらに一段と配給に要するデータ量が低減されることになる。
【0043】
各トンネル内システム5A〜5Nにおいては(図1)、このようにして伝送されたファイルFが、一旦ハードディスク装置22に保持され、所定の時間になると、ハードディスク装置22より読み出されてデータ伸長回路23に入力され、ここでデータ伸長されて輝度信号、色差信号による画像データに変換される。さらに続くデータフォーマット変換回路24における補間演算処理、間引き処理により、端末装置11A〜11Nにおける液晶表示パネルの解像度に対応する解像度に変換され、さらに液晶表示パネルの駆動に適した配列であり、かつ色信号による画像データD1に変換される。
【0044】
これによりトンネル内システム5A〜5N間で液晶表示パネルの解像度が異なる場合でも、トンネル内システム5A〜5Nで提供する動画を共通のフォーマットにより集中して管理、配給することが可能となる。従ってネットワークを拡張する場合等にあっても、簡易に拡張することができる。
【0045】
かくしてトンネル内システム5A〜5Nにおいては、このようして解像度が変換されてなる画像データD1がビットマップ形式によりフレーム単位で各端末装置11A〜11Nに伝送され、これにより搭乗者に提供する映像が更新される。
【0046】
(6)実施の形態の効果
以上の構成によれば、静止画像を点滅表示して移動体の搭乗者にコマ送りの映像を提供するトンネル内システムである映像表示装置において、入力された画像データのフォーマットを変換して各端末装置である画像表示手段に供給することにより、これらの動画を共通のフォーマットにより集中的に管理、更新することができる。これにより簡易にこれらの動画を各画像表示装置に配給することができる。
【0047】
またこのときフォーマットだけでなく解像度も変換することにより、映像表示装置5A〜5N間で解像度が異なる場合でも、管易に映像を集中的に管理、更新することができる。
【0048】
さらにこのとき動画の形式で画像データを伝送した後、静止画像のファイルに変換したことにより、この映像配給システムに映像を供給する際に、例えばテレビ放送のを介して提供される映像と共通した処理により映像を提供することができ、その分この種の映像配給システムの使い勝手を向上することができる。
【0049】
またこのときデータ圧縮して映像を配給することにより、その分少ないデータ量により映像を管理、配給することができ、これによっても映像の管理、配給を簡略化することができる。
【0050】
(7)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、MPEGにより動画をデータ圧縮して配給する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の手法によりデータ圧縮して動画を伝送して、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
また上述の実施の形態においては、ファイル形式による動画の画像データを各トンネル内システムに伝送した後、各トンネル内システムで静止画像の画像データを生成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group )によりデータ圧縮した静止画の画像データをサーバーに蓄積し、これを配給するようにしてもよい。
【0052】
また上述の実施の形態においては、MPEGにより動画をデータ圧縮して伝送することにより輝度信号及び色差信号により画像データを配給する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、色信号の形式により画像データを配給してもよく、このときデータ圧縮して配給してもよい。
【0053】
また上述の実施の形態においては、各トンネル内システムにおいては、一定の解像度により静止画像を表示する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上十分に違和感なく映像を表示できる場合、各トンネル内システムにおいて、解像度の異なる静止画像を表示するようにしてもよい。なおこの場合、データフォーマット変換回路24における解像度の変換処理を切り換えることにより、またこの解像度の異なる端末装置に対応するように別途データフォーマット変換回路を配置することにより対応することができる。
【0054】
さらに上述の実施の形態においては、トンネル内システムのホスト装置において、画像データの解像度を変換する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各端末装置側で解像度を変換してもよい。
【0055】
また上述の実施の形態においては、透過型液晶表示パネルを車両の窓の高さに配置して静止画像を点滅表示する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば液晶表示パネルによる静止画像をトンネル内の壁面等に投影して静止画像を点滅表示する場合、さらにはダイオードアレイにより静止画像を点滅表示する場合等、種々の表示手法を広く適用することができる。
【0056】
また上述の実施の形態においては、車両の長さに比して進入側端及び退出側端の端末装置間の距離が短くなるようにトンネル内システムを構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これとは逆に進入側端及び退出側端の端末装置間の距離が車両の長さより長くなるようにしてもよい。
【0057】
さらに上述の実施の形態においては、搭乗者より見て静止画像による映像が停止して見えるように、車両の速度に応じて静止画像を点滅表示する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば搭乗者より見て静止画像による映像がゆっくりと移動するように表示する場合等にも広く適用することができる。
【0058】
また上述の実施の形態においては、静止画の点滅表示により動画の映像を表示する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、同一の静止画像を点滅表示することにより搭乗者、運転手が容易に認識可能に、標識、広告等の静止画の映像を表示してもよい。
【0059】
さらに上述の実施の形態においては、トンネル内にて静止画像の点滅表示によりコマ送りの映像を車両の搭乗者に提供する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、自動車のトンネル内にて自動車の搭乗者にコマ送りの映像を提供する場合、さらには夜間の道路脇、線路脇にてコマ送りの映像を提供する場合、遊園地等において乗物の乗客にコマ送りの映像を提供する場合等、種々の移動体の搭乗者に対してコマ送りによる映像を提供する場合に広く適用することができる。
【0060】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、静止画像の点滅表示により移動体の搭乗者に映像を提供する映像表示装置において、入力された画像データのフォーマットを変換して各端末の画像表示手段に供給することにより、これらの画像表示装置による映像を集中的に管理、更新する場合に、簡易にこれら映像を各画像表示装置に配給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るトンネル内システムのホスト装置を示すブロック図である。
【図2】図1のホスト装置によるトンネル内システムを適用した映像配給システムを示すブロック図である。
【図3】図1のホスト装置によるトンネル内システムを示すブロック図である。
【図4】図3のトンネル内システムの動作の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1……映像配給システム、2……画像データ配給センター、3A〜3E……鉄道会社システム、4A〜4D……路線別管理システム、5A〜5N……トンネル内システム、11A〜11N……端末装置、12……ホスト装置、17……画像表示装置、18……点滅表示装置、23……データ伸長回路、24……データフォーマット変換回路
Claims (11)
- 鉄道の車両の経路に沿って所定間隔で静止画像を点滅表示することにより、前記車両の搭乗者に対して前記静止画像によるコマ送りの映像を提供する映像表示装置であって、
前記車両の経路に沿って所定間隔で配置され、それぞれ対応する前記静止画像を点滅表示する複数の端末表示手段と、
所定の画像配給装置より供給される画像データのフォーマットを前記端末表示手段に対応するフォーマットに変換し、前記端末表示手段に前記静止画像の画像データを供給する画像データ供給手段と、
前記車両の進入側端の前記端末表示手段より前記車両の進入側に設けられ、前記車両の速度を検出する進入側速度検出手段と、
前記車両の退出側端の前記端末表示手段より前記車両の退出側であって、前記進入側速度検出手段までの距離が前記車両の長さより短い箇所に設けられ、前記車両の速度を検出する退出側速度検出手段と、
前記進入側速度検出手段で検出される前記車両の速度と、前記退出側速度検出手段で検出される前記車両の速度とに基づいて、前記複数の端末表示手段の点滅表示の周期を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする映像表示装置。 - 前記画像データ供給手段は、
前記画像配給装置より供給される前記画像データの解像度を前記端末表示手段の解像度に変換することにより、前記画像データのフォーマットを変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。 - 前記画像配給装置より供給される前記画像データがデータ圧縮された画像データであり、
前記画像データ供給手段は、
前記データ圧縮された画像データをデータ伸長するデータ伸長手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。 - 前記端末表示手段は、
前記静止画像を形成する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに間欠的に照明光を供給する照明光供給手段とを有し、
前記端末表示手段の解像度が、前記液晶表示パネルの解像度である
ことを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。 - 鉄道の車両の経路に沿って所定間隔で静止画像を点滅表示することにより、前記車両の搭乗者に対して前記静止画像によるコマ送りの映像を提供する映像表示方法において、
前記車両の経路に沿って所定間隔で配置された複数の端末表示手段により、それぞれ対応する前記静止画像を点滅表示する点滅表示ステップと、
画像データ供給手段により、所定の画像配給装置より供給される画像データのフォーマットを前記端末表示手段に対応するフォーマットに変換して、事前に、前記点滅表示ステップで点滅表示する前記静止画像の画像データを前記複数の端末表示手段に供給する画像データ供給ステップと、
前記車両の進入側端の前記端末表示手段より前記車両の進入側に設けられた進入側速度検出手段と、前記車両の退出側端の前記端末表示手段より前記車両の退出側であって、前記進入側速度検出手段までの距離が前記車両の長さより短い箇所に設けられた退出側速度検出手段とで、前記車両の速度を検出する速度検出ステップと、
前記速度検出ステップで検出した前記車両の速度に基づいて、前記点滅表示ステップにおける点滅表示の周期を制御手段で制御する制御ステップとを有する
ことを特徴とする映像表示方法。 - 前記画像データ供給ステップは、
前記画像データ供給手段により、前記画像配給装置より供給される画像データの解像度を前記端末表示手段の解像度に変換することにより、前記画像データのフォーマットを変換する
ことを特徴とする請求項5に記載の映像表示方法。 - 前記画像配給装置より供給される前記画像データがデータ圧縮された画像データであり、
前記画像データ供給ステップは、
前記画像データ供給手段により、該データ圧縮された画像データをデータ伸長した後、解像度を変換する
ことを特徴とする請求項6に記載の映像表示方法。 - 前記端末表示手段は、
前記静止画像を形成する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに間欠的に照明光を供給する照明光供給手段とを有し、
前記端末表示手段の解像度が、前記液晶表示パネルの解像度である
ことを特徴とする請求項6に記載の映像表示方法。 - それぞれ鉄道の車両の経路に沿って所定間隔で静止画像を点滅表示することにより、前記車両の搭乗者に対して前記静止画像によるコマ送りの映像を提供する複数の映像表示装置と、前記複数の映像表示装置に前記映像の画像データを供給する画像配給装置とを有する映像表示システムであって、
前記画像配給装置は、
前記複数の映像表示装置で共通のフォーマットで前記複数の映像表示装置に前記画像データを供給し、
前記映像表示装置は、
前記車両の経路に沿って所定間隔で配置され、それぞれ対応する前記静止画像を点滅表示する複数の端末表示手段と、
前記画像配給装置より供給される前記画像データのフォーマットを前記端末表示手段に対応するフォーマットに変換し、前記端末表示手段に前記静止画像の画像データを供給する画像データ供給手段と、
前記車両の進入側端の前記端末表示手段より前記車両の進入側に設けられ、前記車両の速度を検出する進入側速度検出手段と、
前記車両の退出側端の前記端末表示手段より前記車両の退出側であって、前記進入側速度検出手段までの距離が前記車両の長さより短い箇所に設けられ、前記車両の速度を検出する退出側速度検出手段と、
前記進入側速度検出手段で検出される前記車両の速度と、前記退出側速度検出手段で検出される前記車両の速度とに基づいて、前記複数の端末表示手段の点滅表示の周期を制御する制御手段とを有する
ことを特徴とする映像表示システム。 - 前記画像データ供給手段によるフォーマットの変換が、前記画像配給装置より供給される前記画像データの解像度を、前記端末表示手段の解像度に変換する処理である
ことを特徴とする請求項9に記載の映像表示システム。 - 前記画像配給装置は、
前記画像データをデータ圧縮して前記複数の映像表示装置に供給する。
ことを特徴とする請求項9に記載の映像表示システム。
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