JP4085344B2 - 移動体用画像表示装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は移動体の走行方向に沿って多数の静止画像を配列して移動体側から安定的に視認できるようにした移動体用画像表示装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄道や地下鉄等における駅構内やトンネルの側壁等には、駅名表示パネルや各種の広告等の表示物が設けられているが、これらの表示物は固設されているため、レール上を走行している列車等の移動体側の乗客からこれらを安定的に見ることはできない。そこで、近年では、同一または少しずつ内容の異なる多数の静止画像パネルを列車の走行方向に多数配列し、これらの静止画像パネルを移動体の進行に合わせて間欠的に一斉照明するようにした画像表示システムが提案されている。このシステムによれば、移動体側の乗客は、静止画像パルスの配列を静止画像または動画像として安定的に見ることが可能である。このようなシステムは、例えば、特公平7−117654(特開平5−27197),特開平5−40448,特開平5−224617,特開平2−201489,特開平2−256090,特開平3−36515等の各公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなシステムでは、従来、システムを通過する際の移動体の走行速度が予め定められた一定速度であるとの仮定の下に、あるいはシステム構成の簡略化のために、移動体がシステム設置区間に進入したことのみを検知し、移動体の速度検出をすることは行われていなかった。ところが、この場合には、移動体の速度が予め想定した速度から変化すると、移動体側の乗客から見える画像表示位置が左右に変動して不安定になる。
【0004】
この問題点を解決する方法として、例えば、システム設置区間の一カ所(例えば、先頭部分)に速度センサを設け、この速度センサから得られた速度情報に基づいて各静止画像パネルの照明タイミングの間隔をコントロールするようにすることが考えられる。この方法では、移動体の速度を検出している限り、その速度に応じた最適のタイミングで各静止画像パネルの照明の点滅が行われるので、移動体側の乗客から見える画像表示位置が安定する。
【0005】
しかしながら、この方法では、移動体の最後尾部分が速度センサを通過してからシステム設置区間の後端部を通過するまでの間は、速度センサからの速度情報を得ることができないので、この期間については、速度センサから得られた最後の速度情報に基づいて動作制御を行うこととなる。したがって、移動体の最後尾部分が速度センサを通過してからシステム設置区間の後端部を通過するまでの間に移動体の速度が変化するようなことがあると、その速度変化に応じて静止画像パネルの照明の点滅タイミングを変化させることができず、結局、移動体側の乗客から見える画像表示位置が左右に変動して不安定になる。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、移動体がシステム設置区間を通過する際の全期間にわたり、移動体の速度に応じて安定した画像表示を行うことができる移動体用画像表示装置および方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動体用画像表示装置は、移動体の走行方向に沿って所定間隔で配列され、それぞれが静止画像の瞬間表示をなし得るように構成された複数の画像表示手段と、画像表示手段の配列の先頭部近傍に配置され、移動体の走行速度を検出する第1の速度検出手段と、画像表示手段の配列の末尾部近傍に配置され、移動体の走行速度を検出する第2の速度検出手段と、移動体の進行に伴って第1の速度検出手段により得られた第1の速度情報と第2の速度検出手段により得られた第2の速度情報との差が所定の範囲内となったとき、出力の対象を第1の速度情報から第2の速度情報に切り替える切替手段と、この切替手段により切り替えられて出力された第1の速度情報または第2の速度情報に基づいて、画像表示手段による静止画像表示のタイミングを制御するための表示タイミング信号を生成して出力する表示タイミング信号出力手段とを備えている。ここで、このような構成の移動体用画像表示装置に対して、さらに、第1の速度検出手段および第2の速度検出手段から出力された速度情報に対しフィルタリングを行う速度範囲フィルタを設け、この速度範囲フィルタから出力された速度情報を切替手段に入力して切り替えを行うようにすることが可能である。また、上記の各画像表示手段が時間と共に変化する連続動画像を構成する各静止画像を瞬間表示可能なものであるようにすることも可能である。また、上記の各画像表示手段が電気的な情報として与えられた画像情報を基に静止画像を瞬間表示可能なものであるように構成することも可能である。
【0008】
本発明の移動体用画像表示方法は、移動体の走行方向に沿って、それぞれが静止画像の瞬間表示をなし得るように構成された複数の画像表示手段を所定間隔で配列し、画像表示手段の配列の先頭部近傍に移動体の走行速度を検出するための第1の速度検出手段を配置すると共に、画像表示手段の配列の末尾部近傍に移動体の走行速度を検出するための第2の速度検出手段を配置し、移動体の進行に伴って第1の速度検出手段により得られた第1の速度情報と第2の速度検出手段により得られた第2の速度情報との差が所定の範囲内となったとき、第1の速度情報から第2の速度情報に切り替えて出力し、出力された第1の速度情報または第2の速度情報に基づいて、画像表示手段による静止画像表示のタイミングを制御するための表示タイミング信号を生成して出力するようにしたものである。
【0009】
本発明の移動体用画像表示装置または方法では、画像表示手段の配列の先頭部近傍に設けられた第1の速度検出手段により得られた第1の速度情報と、画像表示手段の配列の末尾部近傍に設けられた第2の速度検出手段により得られた第2の速度情報との差が所定の範囲内となったとき、第1の速度情報から第2の速度情報への切り替えが行われて出力される。そして、出力された第1の速度情報または第2の速度情報に基づいて、画像表示手段による静止画像表示のタイミングを制御するための表示タイミング信号が生成され出力される。すなわち、速度情報の段階で切り替えが行われ、その切り替え後の速度情報から表示タイミング信号が生成される。したがって、この表示タイミング信号によって指示される表示タイミングの間隔が上記の情報切り替えの前後で変化することがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施の形態に係る移動体用画像表示装置の概略構成を表すものである。本実施の形態では、移動体用画像表示装置は例えば列車が通過するトンネル内に設置されるものであるとして説明する。なお、本発明の実施の形態に係る移動体用画像表示方法は、本実施の形態に係る移動体用画像表示装置によって具現化されるので、以下、併せて説明する。この図に示したように、移動体用画像表示装置1は、トンネル内の側壁に列車15の走行方向に沿って所定間隔で配列された多数の表示端末装置11−1〜11−nと、本装置の設置区間の先頭部分(列車がトンネルに進入する側)の近傍に配設された進入側速度検出部32と、本装置の設置区間の末尾部分(列車がトンネルから退出する側)の近傍に配設された退出側速度検出部33と、本装置全体を制御する主制御装置14とを備えている。本実施の形態において、進入側速度検出部32と退出側速度検出部33との距離(以下、システム全長Dと呼ぶ。)は列車15の全長L以下の長さ(例えば100メートル程度)に設定するものとする。ここで、表示端末装置11−1〜11−nが本発明における「画像表示手段」に対応し、進入側速度検出部12が本発明における「第1の速度検出手段」に対応し、退出側速度検出部13が本発明における「第2の速度検出手段」に対応する。
【0012】
表示端末装置11−1〜11−nは、それぞれ、後述する図2に示したように構成され、各種の静止画像を瞬間表示できるようになっている。ここで、瞬間表示とは、例えば1/30秒以下という極めて短い時間だけ行われる表示をいう。表示端末装置11−1〜11−nは、データ・制御線21によって主制御装置14と接続されており、このデータ・制御線21を介して主制御装置14から各種の静止画像データの供給を受けたり、主制御装置14からの各種制御を受ける。さらに、表示端末装置11−1〜11−nには、進入側速度検出部32から発光タイミングパルス24が入力されるようになっている。
【0013】
主制御装置14は、後述する図3に示したように構成され、各種の静止画像データを蓄積すると共に、必要に応じて、データ・制御線21を介して表示端末装置11−1〜11−nに同一または互いに異なる静止画像を供給できるようになっている。主制御装置14はまた、進入側速度検出部32にも接続され、この進入側速度検出部32の動作制御を行うようになっている。
【0014】
進入側速度検出部32は、後述する図4に示したように構成され、列車15の走行速度を連続的に検出し、進入側速度データ42(図1では図示せず)を生成するようになっている。退出側速度検出部33は、列車15の走行速度を連続的に検出し、退出側速度データ43を生成して進入側速度検出部32に送出する。進入側速度検出部32はまた、後述するように、自らが生成した進入側速度データ42または退出側速度検出部33から入力された退出側速度データ43のいずれか一方を選択し、この選択した速度データを基に発光タイミングパルス24を生成して出力するようになっている。
【0015】
図2は表示端末装置11−1〜11−nの各構成を表すものである。この図は、i番目(i=1〜n)の表示端末装置11−iの構成例を表しているが、他の表示端末装置11−1〜11−nの構成も同様である。この図に示したように、表示端末装置11−iは、静止画像を表示可能な液晶表示パネル(以下、LCDパネルという。)111と、このLCDパネルを照明するためのバックライト112と、バックライト112の発光動作を制御するバックライト制御部113と、1フレーム分の静止画像データを蓄積可能なフレームメモリ114と、データ・制御線21との間で静止画像データや制御データのやりとりを行なうと共に発光タイミングパルス24の入力処理を行う入出力インタフェイス(I/F)部115と、この表示端末装置11−iの全体を制御する中央処理ユニット(以下、CPUという。)116と、CPU116の動作を司るプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)やCPU116のワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)等からなるメモリ部117とを備えている。LCDパネル111は、トンネル内の側壁における列車15の窓に対応した高さ位置に配置されるようになっている。
【0016】
このような構成の表示端末装置11−iでは、主制御装置14からデータ・制御線21を介して送られてきた1フレーム分の圧縮静止画像データは、入出力I/F部115によって伸長処理等の信号処理が施されてからフレームメモリ114に蓄積され、さらに、CPU116の制御により、LCDパネル111に供給されるようになっている。入出力I/F部115はまた、進入側速度検出部12からの発光タイミングパルス24を受け取って波形成形等の信号処理を行い、CPU116に供給する。CPU116は、入力された発光タイミングパルス24に基づいてバックライト制御部113を制御する。バックライト制御部113は、発光タイミングパルス24に同期してバックライト112の点滅制御(間欠的な瞬間発光制御)を行う。これにより、LCDパネル111には、フレームメモリ114から供給された静止画像データに対応した静止画像が発光タイミングパルス24に同期したタイミングで間欠的に瞬間表示されるようになっている。
【0017】
図3は主制御装置14の構成を表すものである。この図に示したように、主制御装置14は、静止画像データや動画像データを蓄積可能なハードディスクドライブ(HDD)141と、このHDD141に対するデータの記録および再生制御を行うHDD制御部142と、HDD141から再生された画像データまたはHDD141に記録すべき画像データを一旦蓄積するバッファメモリ143と、データ・制御線21との間で画像データや制御データのやりとりを行なう入出力I/F部144と、この主制御装置14の全体を制御するCPU145と、CPU145の動作を司るプログラムが格納されたROMやCPU145のワークメモリとして使用されるRAM等からなるメモリ部146とを備えている。
【0018】
このような構成の主制御装置14では、図示しない外部装置からデータ・制御線21を介して供給された静止画像データや動画像データは、CPU145の制御に基づいて入出力I/F144によって所定の信号処理が施されてからバッファメモリ143に一旦蓄積されたのち、CPU145の制御に基づいてHDD制御部142によってHDD141に記録されるようになっている。CPU145はまた、必要に応じ、HDD制御部142によってHDD141から静止画像データを再生させてバッファメモリ143に蓄積させたのち、これを入出力I/F部144からデータ・制御線21を介して各表示端末装置11−1〜11−nに送出させる制御を行うようになっている。この場合において、列車15内(図1)の乗客に対して静止画像を見せようとするときには、同一の静止画像データを表示端末装置11−1〜11−nのすべてに送出するようにし、また、列車15内の乗客に対して動画像を見せようとするときには、一連の動画像を構成するnフレーム分の互いに異なる静止画像データを表示端末装置11−1〜11−nにそれぞれ供給するようになっている。
【0019】
図4は進入側速度検出部32の概略構成を列車15と共に表すものである。この図に示したように、本実施の形態における進入側速度検出部32は、速度センサ部320と、2つの速度範囲フィルタ325,326と、切替スイッチ327と、比較器328と、パルス発生部329とを備えている。速度センサ部320は、走行する列車15の窓15aの映像を撮影するための2つのカメラ321a,321bと、カメラ321a,321bから入力された2つの撮像データに対して所定の画像処理を行なう画像処理部322と、画像処理部322における処理結果に基づいて列車15の走行速度を演算し、進入側速度データ42として出力する速度演算部323とを有している。
【0020】
カメラ321a,321bは、図示のように、列車15の窓15aの幅よりも狭い間隔で配置され、走行する列車15の側面を連続的に撮影するようになっている。これらのカメラで撮影された映像は画面処理部322において互いに重ね合わされる。例えば、図5に示したように、カメラ321aによる窓15aの撮影映像128aとカメラ321bによる同一の窓15aの撮影映像128bとが同じ撮像画面128に重ね合わされる。画像処理部322は、これらの2つの映像間距離dを検出する。速度演算部323は、検出された距離dを基に、列車15の走行速度を演算し、進入側速度データ42として出力する。なお、速度センサ部320は、図示しない検知センサが列車15の存在を検知している間だけカメラ321a,321bを動作させて撮影を行い、速度を検出するようになっているが、撮影を常時行うようにしてもよい。
【0021】
速度範囲フィルタ325は、速度センサ部320から出力された進入側速度データ42の値が所定の範囲にある場合にのみその進入側速度データ42をそのまま出力し、所定の範囲外のときには“0”を出力するものである。また、速度範囲フィルタ326は、退出側速度検出部33から出力された退出側速度データ43の値が所定の範囲にある場合にのみその退出側速度データ43をそのまま出力し、所定の範囲外のときには“0”を出力するものである。なお、所定の範囲とは、例えば30〜100km程度に設定される。これらの速度範囲フィルタ325,326を設けたのは、ノイズ等による誤動作を防止するために、有意性のあるデータのみを採用するためである。なお、有意性のあるデータとは、ノイズ等に起因した無意味なデータではなく、1つのデータとして意味をもつデータをいう。ここで、速度範囲フィルタ325,326が本発明における「有意性判定手段」に対応する。
【0022】
切替スイッチ327は、速度センサ部320から出力され速度範囲フィルタ325を介して▲1▼側に入力される進入側速度データ42、または退出側速度検出部33(図1)から出力され速度範囲フィルタ326を介して▲2▼側に入力される退出側速度データ43のいずれか一方を選択し、これをパルス発生部329に供給するようになっている。
【0023】
比較器328は、速度範囲フィルタ325を通過した進入側速度データ42の値と速度範囲フィルタ326を通過した退出側速度データ43の値とを比較して、両者の差が所定の範囲内になったときに、切替スイッチ327を制御して▲1▼側(進入側速度データ42側)から▲2▼側(退出側速度データ43側)に切り替えるようになっている。ここで、主として進入側速度検出部32における切替スイッチ327および比較器328が本発明における「切替手段」に対応する。
【0024】
パルス発生部329は、切替スイッチ327から入力された進入側速度データ42または退出側速度データ43を基に、これらの速度データに対応した周期の発光タイミングパルス24(図6)を生成して出力するようになっている。ここで、パルス発生部329が本発明における「表示タイミング信号出力手段」に対応する。
【0025】
なお、退出側速度検出部33(図1)は、図4に示した進入側速度検出部32の速度センサ部320と同様の速度センサ部を有しており、列車15の走行速度を検出し、これを退出側速度データ43として出力し、進入側速度検出部32に送出するようになっている。
【0026】
ここで、図7を参照して、移動体用画像表示装置1を実際に配置する場合に必要となる配置パラメータについて具体的数値を挙げて説明する。一般に、いわゆるNTSC(National Television System Commitee) 方式のテレビジョン受像機で取り扱う動画像は1秒間当たり30枚の静止画像で構成されている。これらの静止画像の1枚1枚は、時間と共に変化する連続した動画像の各瞬間の画像であり、それらを1秒間に30枚の表示速度で観察すると、人間の眼にはその残像効果により連続した動画像として認識される。本装置では、この原理を利用し、例えば3秒間の動画像を90枚の静止画像に分割してそれらを列車15の進入側の表示端末装置11−1から順に各表示端末装置11−1〜11−nのLCDパネル111に表示させると共に、列車15の速度に合わせてバックライト112を間欠的に瞬間発光させることにより、そこを通過する列車15内の乗客が窓越しの所定の固定位置に3秒間の動画像を見ることができるようにしている。
【0027】
ここで、上記のように1秒間当たり30枚の静止画像によって動画像を構成することを前提とし、列車15の全長Lを例えば200メートルとすると、列車の時速Aおよび秒速Bと、表示端末装置11−1〜11−nの配置間隔Cと、システム全長Dと、列車通過時間Eとの関係は例えば図7のようになる。この図に示したように、表示端末装置11−1〜11−nの配置間隔CはB/30により定まり、システム全長DはC×90+5により定まり、列車がシステムを通過するのに要する列車通過時間Eは(D+列車長)/Bにより定まる。例えば、列車速度が時速60kmの場合には、配置間隔Cは55.6cmとなり、システム全長Dは55mとなり、列車通過時間Eは15.3秒となる。
【0028】
次に、図8〜図11を参照して、以上のような構成の移動体用画像表示装置の動作を説明する。ここで、図8は列車15がシステム設置区間を通過する様子を表し、図9は図4に示した進入側速度検出部32の動作を表し、図10は列車15の通過に伴う切替スイッチ327(図4)の動作を具体的に表し、図11は列車15内の乗客によって動画像が観察される様子を表すものである。なお、ここでは、表示端末装置11−1〜11−nは、既に主制御装置14から各静止画像データの配信を受けて、これをそれぞれのフレームメモリ114(図2)に保持しているものとして説明する。
【0029】
まず、図8を参照して、列車15がシステム設置区間を通過する様子を説明する。図8において、列車15は図の左側からシステム設置区間に進入し、右側へ通り抜ける。(a)の位置では列車15はまだシステム設置区間に差しかかっておらず、進入側速度検出部32は列車15を検知していない。列車15が(b)の位置に来ると、進入側速度検出部32は列車15の進入を検知してその走行速度の検出を開始する。列車15がさらに進行して(c)を経て(d)の位置まで来ると、退出側速度検出部33は列車15を検知してその走行速度の検出を開始する。列車15がさらに進行して(e)を経て(f)の位置まで来ると、進入側速度検出部32は列車15の走行速度の検出を終了し、それ以降は退出側速度検出部33のみによって速度検出が行われる。したがって、(d)から(f)までの期間においては、進入側速度検出部32および退出側速度検出部33の双方によって列車15の走行速度が検出されることとなる。列車15がさらに進行して(g)を経て(h)の位置まで来ると、退出側速度検出部33は列車15の走行速度の検出を終了する。そして、(i)に示したように、列車15はシステム設置区間から遠ざかる。
【0030】
次に、図9を参照して、図4に示した進入側速度検出部32の動作を説明する。列車15が図8(b)の位置に差しかかると、進入側速度検出部32の速度センサ部320は速度検出動作を開始する。まず、画像処理部322はカメラ321a,321bからの各撮影映像に対して画像処理を行い、図5に示した距離dを求める。速度演算部323は画像処理部322で得られた距離dから列車15の走行速度を演算し、進入側速度データ42として出力する。
【0031】
速度範囲フィルタ325は、入力された進入側速度データ42の値が上記の所定範囲にあるか否かを判定し、所定範囲内にあるときは(図9ステップS101;Y)、その値をそのまま出力し、所定範囲外のときは“0”を出力する。初期状態において進入側速度検出部32の切替スイッチ327は▲1▼側に設定されているので、速度センサ部320から出力されて速度範囲フィルタ325を通過した進入側速度データ42は、切替スイッチ327を経てパルス発生部329に入力される。
【0032】
パルス発生部329は、入力された進入側速度データ42に基づいて、表示端末装置11−1〜11−nにおける画像表示のタイミング間隔(間欠表示周期)を求め(ステップS102)、そのタイミング間隔をパルス間隔とする発光タイミングパルス24の出力を開始する(ステップS103)。このとき、パルス発生部329は、列車15の速度が基準速度(予め想定された速度)よりも大きいときはパルス間隔を上記の基準速度に対応した長さよりも短く設定し、列車15の速度が基準速度よりも小さいときはパルス間隔を上記の基準速度に対応した長さよりも長く設定する。
【0033】
この発光タイミングパルス24は各表示端末装置11−1〜11−n(図1)に供給される。各表示端末装置11−1〜11−nでは、発光タイミングパルス24に同期してバックライト112が一斉に点滅を開始する。これにより、すべての表示端末装置11−1〜11−nにおいて一斉に間欠的な瞬間表示が開始される。
【0034】
その後、列車15が図8(d)の位置まで進むと、退出側速度検出部33の速度センサ部(図示せず)もまた、速度検出動作を開始し、退出側速度データ43を出力する。その速度検出動作は、上記の進入側速度検出部32における速度センサ部320の動作と同様であり、説明を省略する。退出側速度検出部33から出力された退出側速度データ43は、進入側速度検出部32(図4)に送られ、そこの速度範囲フィルタ326に入力される。
【0035】
速度範囲フィルタ326は、入力された退出側速度データ43の値が上記の所定範囲にあるか否かを判定し、所定範囲内にあるときは(ステップS104;Y)、その値をそのまま出力し、所定範囲外のときは“0”を出力する。
【0036】
比較器328は、速度範囲フィルタ325から出力されている進入側速度データ42と速度範囲フィルタ326から出力されている退出側速度データ43とを比較し(ステップS105)、両者の差が所定範囲(例えば、プラスマイナス1km/時)内になったときに(ステップS106;Y)、切替スイッチ327に対して切替信号330を送る。この切替信号330を受けた切替スイッチ327は、入力を▲1▼側から▲2▼側に切り替え(ステップS107)、それ以降は、退出側速度データ43に基づいて発光タイミングパルス24を生成して出力する。したがって、これ以降は、退出側速度検出部33によって検出された退出側速度データ43に基づいて生成された発光タイミングパルス24が各表示端末装置11−1〜11−n(図1)に供給され、この発光タイミングパルス24に従ってすべての表示端末装置11−1〜11−nにおいて一斉に間欠的な瞬間表示が行われることとなる。
【0037】
比較器328は、進入側速度データ42の入力が終了した後も引き続き退出側速度データ43の入力状態を監視し(ステップS108)、その入力の終了を検知すると(ステップS108;Y)、発光タイミングパルス24の出力を終了し(ステップS109)、切替信号330を出力して切替スイッチ327を元の▲1▼側に戻す(ステップS110)。
【0038】
このようにして、列車15の進行に伴って進入側速度データ42から退出側速度データ43へと切り替えが行われると共に、切り替えられた速度データを基に発光タイミングパルス24が生成されて各表示端末装置11−1〜11−nに供給され、これに基づいて表示タイミング制御が行われる。
【0039】
次に、図10を参照して、列車15の通過に伴う切替スイッチ327(図4)の動作を具体的に説明する。ここでは、列車15の通過速度を時速60kmに想定して説明する。この図に示したように、進入側速度データ42は列車15が状態(b)となったところで“0km”から“60km”に変化し、状態(f)となったところで“60km”から“0km”に変化する。一方、退出側速度データ43は列車15が状態(d)となったところで“0km”から“60km”に変化し、状態(h)となったところで“60km”から“0km”に変化する。ここで、切替スイッチ327は、状態(a)〜(c)においては▲1▼側にあって進入側速度データ42を出力しているが、状態(d)〜(f)の区間におけるいずれかの時点で▲1▼側から▲2▼側へと切り替わると、その出力は進入側速度データ42から退出側速度データ43とへ変化する。この結果、図示のように、切替スイッチ327の出力は状態(d)〜(f)の区間において常に“60km”となる。また、状態(g)〜(h)の区間では、切替スイッチ327は▲2▼側を維持して退出側速度データ43を出力するが、列車15がシステム設置区間を完全に通過した後の状態(i)において、切替スイッチ327は再び▲2▼側から▲1▼側へと切り替わる。
【0040】
次に、図11を参照して、列車15内の乗客によって動画像が観察される様子を説明する。この図で、横方向は表示端末装置11−iの配列を表し、縦方向は図6に示した発光タイミングパルス24の各立ち上がりタイミング(瞬間表示タイミング)tj を表し(jは整数)、縦横の交差部分は、各タイミングにおいてLCDパネル111(図2)に表示される静止画像Pi を表すものである。この図に示したように、i番目の表示端末装置11−iのLCDパネル111は、各タイミングtj ,tj+1 ,tj+2 …において毎回同じ静止画像Pi を瞬間表示する。この表示タイミングは列車15の走行速度に対応したものなので、列車15内の乗客にとっては、常に自分から見て窓越しの同じ位置に連続した静止画像〔P1〕,〔P2〕,〔P3〕,…が表示されることとなり、眼の残像効果によりこれらの静止画像が一連の動画像として観察される。この場合、列車15の後尾部分が進入側速度検出部32の前を通過した後においても退出側速度検出部33によって列車15の速度検出が行われるので、列車15の後尾部分が進入側速度検出部32の前を通過した後に列車速度変化が生じたとしても、各表示端末装置11−1〜11−nにおける表示タイミングはその速度変化に追随して変化することとなり、乗客から見て、動画像が左右に変動するという不都合が生じない。なお、図11において静止画像Pi の内容をすべて同一とすれば、列車15内の乗客から観察される画像を静止画像とすることができる。
【0041】
このように、本実施の形態の移動体用画像表示装置によれば、システム設置区間の両端にそれぞれ進入側速度検出部32および退出側速度検出部33を設け、列車15がシステム設置区間を通過している全期間にわたって列車15の走行速度を検出し、その検出速度に応じて表示端末装置11−1〜11−nの表示タイミングを制御するようにしたので、列車15がシステム設置区間を通過中にその走行速度が変化したとしても、それに伴って列車15の乗客から観察される画像が変動することがない。すなわち、列車15がシステム設置区間を通過している全期間にわたり、列車15の走行速度に応じて安定した位置に画像表示を行うことができる。
【0042】
また、本実施の形態の移動体用画像表示装置では、後述する比較例の場合のようにパルスの切り替えを行なうのではなく、速度センサ部320等から出力された速度データの段階(すなわち、進入側速度データ42および退出側速度データ43の段階)で切り替えを行なってから発光タイミングパルス24を生成するようにしているので、切り替えの前後でパルスの位相が変化するという事態が生じることがない。このため、列車15内の乗客にとって、ある時点で突然画像の表示位置が右または左に移動するように見えることがなく、より安定した画像表示が可能となる。したがって、例えば、CM放送のような高品質が要求される映像表示として利用する場合に、電車内の乗客から見て安定した位置に映像を表示できるようになるので、そのような用途に好適である。
【0043】
ここで、比較例について説明する。
【0044】
図12は本実施の形態の移動体用画像表示装置に対する比較例としての移動体用画像表示装置における進入側速度検出部12の概略構成を列車15と共に表すものである。この図に示したように、進入側速度検出部12は、速度センサ部120と、切替スイッチ125と、スイッチ制御部126とを備えている。
【0045】
なお、この比較例に係る移動体用画像表示装置の全体構成は、図1において、進入側速度検出部32に代えて進入側速度検出部12とし、退出側速度検出部33に代えて退出側速度検出部13とし、退出側速度データ43に代えて退出側速度検出パルス23とする点を除き、上記実施の形態の場合と同様である。なお、本比較例において、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付すものとする。
【0046】
速度センサ部120は、走行する列車15の窓15aの映像を撮影するための2つのカメラ121a,121bと、カメラ121a,121bから入力された2つの撮像データに対して所定の画像処理を行なう画像処理部122と、画像処理部122における処理結果に基づいて列車15の走行速度を演算する速度演算部123と、速度演算部123における演算結果に対応した周期の進入側速度検出パルス22を生成して出力するパルス発生部124とを有している。カメラ121a,121bの配置関係や、画像処理部122および速度演算部123における各処理内容は上記実施の形態(図4)の場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0047】
切替スイッチ125は、速度センサ部120のパルス発生部124から出力された進入側速度検出パルス22または退出側速度検出部13(図1)から出力された退出側速度検出パルス23のいずれか一方を選択し、これを発光タイミングパルス24として出力するようになっている。スイッチ制御部126は、退出側速度検出部13からの退出側速度検出パルス23の入力開始タイミングを監視し、所定のパルス数(例えば3パルス)の退出側速度検出パルス23の入力を検知した時点で切替スイッチ125を制御して▲1▼側(進入側速度検出パルス22側)から▲2▼側(退出側速度検出パルス23側)に切り替えるようになっている。
【0048】
なお、退出側速度検出部13(図1)は、図12に示した進入側速度検出部12の速度センサ部120と同様の速度センサ部を有しており、この速度センサ部によって列車15の走行速度を検出し、この検出速度に対応したパルス間隔の退出側速度検出パルス23を出力するようになっている。この退出側速度検出パルス23は、進入側速度検出部12の切替スイッチ125およびスイッチ制御部126に入力される。
【0049】
図12に比較例として示した移動体用画像表示装置では、進入側速度検出部12の速度センサ部120から出力された進入側速度検出パルス22と退出側速度検出部13の速度センサ部から出力された退出側速度検出パルス23とを、切替スイッチ125によって直接切り替えて発光タイミングパルス24として出力するようにしているので、例えば図13に示したように、切替タイミングtc の前後でパルスの位相が変化する場合がある。たとえ、両方のパルスの周期が等しくても、パルスの位相まで等しいとは限らないからである。なお、図13において(a)は進入側速度検出パルス22、(b)は退出側速度検出パルス23、(c)は発光タイミングパルス24を表している。
【0050】
進入側速度検出パルス22から退出側速度検出パルス23への切替タイミングtc の前後でパルス位相が変化すると、そこで表示端末装置11−1〜11−nにおける表示タイミングが変化する。したがって、例えば図14に示したように、列車15内の乗客にとっては、ある時点(切替タイミングtc )において突然画像の表示位置が右または左に移動するように見えることとなる。この図14に示したように、乗客Aは、時間の経過と共に、各表示タイミングtj ,tj+1 ,tj+2 ,tj+3 …において図の上方から下方に向かう順序で各静止画像Pi-1 ,Pi ,Pi+1 ,Pi+2 …を順次観察することとなるが、切替タイミングtc のすぐ後の表示タイミングtj+2 は本来の(切り替え前の)表示タイミングよりも早く到来しているので、この表示タイミングtj+2 における静止画像Pi+1 の表示位置が図の右方にシフトしたように観察されることになるからである。
【0051】
これに対して本実施の形態の移動体用画像表示装置では、上記の比較例の移動体用画像表示装置のようにパルスの切り替えを行なうのではなく、速度センサ部320等から出力された速度データの段階(すなわち、進入側速度データ42および退出側速度データ43の段階)で切り替えを行なってから発光タイミングパルス24を生成するようにしているので、切り替えの前後でパルスの位相が変化するという事態が生じることがない。このため、本実施の形態の移動体用画像表示装置によれば、上記の比較例の場合のように列車15内の乗客にとってある時点で突然画像の表示位置が右または左に移動するように見えるという不都合がなく、より安定した画像表示が可能となるのである。
【0052】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、画像表示手段として、LCDパネルを用いて構成した表示端末装置11−1〜11−nを配列することとしたが、これに限らず、LED(発光ダイオード)を多数用いて構成したLEDパネル等を用いるようにしてもよい。さらに、そのような電気的な画像情報に基づいて表示を行う電子表示デバイスではなく、例えば紙やフィルム等の記録媒体に印刷された絵や写真等の静止画像と、これを照明するための照明装置とによって画像表示手段を構成するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施の形態では、切替スイッチ327および比較器328を進入側速度検出部32に内蔵させるように構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの切替スイッチ等を主制御装置14に内蔵させ、ここから発光タイミングパルス24を出力するようにしてもよい。
【0054】
また、上記各実施の形態では、2台のテレビカメラを速度センサ部に用いる構成としたが、他のセンサ、例えば透過型光センサ、反射型光センサ、あるいはドップラー効果を用いた超音波センサ等を用いることも可能である。
【0055】
図15は、2組の透過型光センサを用いて進入側速度検出部の速度センサ部420を構成した場合の一例を表すものである。この図で、速度センサ部420は、列車15の通過領域を挟むようにして配置された発光部421aおよび受光部421bからなる第1の透過型光センサと、この第1の透過型光センサから所定の間隔をおいて同様に配置された発光部421cおよび受光部421dからなる第2の透過型光センサと、受光部421b,421dからそれぞれ出力される検出信号425a,425bに対して所定の信号処理を施す信号処理部422と、信号処理部422の出力を基に列車15の速度を演算する速度演算部423とを備える。この場合、2つの透過型光センサは、それぞれ、列車15におけるある1組の車輪156a,156bが光路中を横切って光を遮断したときに、図16(a),(b)に示したようなパルス状の検出信号425a,425bを出力する。信号処理部422は、同一組の車輪の通過によって生じた検出信号425a,425bのパルス間隔τ(図16)を検出する。速度演算部423は、このパルス間隔τを基に列車15の走行速度を演算して求め、これを進入側速度データ52として出力する。そして、この進入側速度データ52を切替スイッチ327(図4)に入力すればよい。なお、図15では、切替スイッチ327および比較器328の図示を省略している。退出側速度検出部の速度センサ部も同様に構成すればよい。このような構成とした場合には、高価なテレビカメラや複雑な画像処理が不要となって、コスト的に有利である。
【0056】
なお、上記実施の形態の移動体用画像表示装置では、システム全長よりも列車長が短い場合は、進入側速度検出部32および退出側速度検出部33のいずれからも速度データが出力されない速度不検知期間が生ずるが、システム全長と列車長との差がわずかであれば、そのような速度不検知期間は短く、この間に速度変化が起こる可能性は低くなる。したがって、そのような速度不検知期間においては、進入側速度検出部32から最後に出力された速度データを使用して表示タイミング制御を行うようにしても大きな問題はない。
【0057】
また、例えば長いトンネルを通過する場合のように、長時間にわたって乗客に動画像等を見せようとする場合には、図1に示した移動体用画像表示装置を1ユニットとしてこれを複数ユニットつなぎ合わせるようにすればよい。
【0058】
また、上記各実施の形態では、移動体用画像表示装置をトンネル内に設置して使用するものとして説明したが、その他の場所に設置することも可能である。例えば、夜間であれば、移動体用画像表示装置を鉄道沿線の任意の場所に設置して使用することもできる。さらに、鉄道や地下鉄等に限らず、乗客を乗せて走行するものであれば、他の種類の乗り物にも適用可能である。例えば移動体用画像表示装置を遊園地等におけるアトラクションとしての乗り物等に適用すれば、乗客にファッタジックあるいはスリリングな仮想体験を与えるシステムを構築することも可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の移動体用画像表示装置、または請求項5記載の移動体用画像表示方法によれば、画像表示手段の配列の先頭部近傍に設けられた第1の速度検出手段により得られた第1の速度情報と、画像表示手段の配列の末尾部近傍に設けられた第2の速度検出手段により得られた第2の速度情報との差が所定の範囲内となったとき、第1の速度情報から第2の速度情報に切り替えて出力し、この出力された速度情報に基づいて、画像表示手段による静止画像表示のタイミングを制御するための表示タイミング信号を生成して出力するようにしたので、この表示タイミング信号によって指示される表示タイミングの間隔が切り替えの前後で変化するということがなく、円滑な切り替えが可能である。したがって、移動体側から観察される画像位置がある時点で突然横方向にシフトするというような不都合がなく、移動体が画像表示手段の配列区間を通過する際のほぼ全期間にわたって、移動体側の乗客に対して安定した画像表示を提供することができるという効果がある。
【0060】
特に、請求項2記載の移動体用画像表示装置によれば、さらに、第1の速度検出手段および第2の速度検出手段から出力された速度情報に対しフィルタリングを行う速度範囲フィルタを設け、この速度範囲フィルタから出力された速度情報を切替手段に入力して切り替えを行うようにしたので、ノイズ等による誤動作を防止することができる。したがって、さらに、動作の信頼性を高めることができるという効果がある。
【0061】
また、請求項3記載の移動体用画像表示装置によれば、各画像表示手段を、連続動画像の個々の静止画像をそれぞれ瞬間表示できるものとして構成したので、移動体側から安定した動画像を観察することが可能になるという効果がある。
【0062】
また、請求項4記載の移動体用画像表示装置によれば、各画像表示手段を、電気的な情報として与えられた画像情報を基に静止画像を瞬間表示できるものとして構成したので、さらに、表示対象の画像を簡単に入れ替えることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る移動体用画像表示装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】 図1における各表示端末装置の要部構成を表すブロック図である。
【図3】 図1における主制御装置の要部構成を表すブロック図である。
【図4】 図1における進入側速度検出部の要部構成を表すブロック図である。
【図5】 進入側速度検出部における速度検出原理を説明するための図である。
【図6】 進入側速度検出部から出力される発光タイミングパルスを表す図である。
【図7】 図1の移動体用画像表示装置を実際に配置する場合に必要となる配置パラメータについて具体的数値を挙げて説明した説明図である。
【図8】 列車がシステム設置区間を通過する様子を表す図である。
【図9】 図4に示した進入側速度検出部の動作を説明するための流れ図である。
【図10】 列車の通過に伴う進入側速度検出部の切替スイッチの動作を具体的に表す図である。
【図11】 列車内の乗客によって観察される動画像の様子を表す図である。
【図12】 本発明の実施の形態に対する比較例としての移動体用画像表示装置における進入側速度検出部の要部構成を表すブロック図である。
【図13】 図12に示した比較例における問題点を説明するための図である。
【図14】 図12に示した比較例における問題点を説明するための他の図である。
【図15】 本発明の実施の形態に係る移動体用画像表示装置における進入側速度検出部の速度センサ部の変形例を表すブロック図である。
【図16】 図15に示した速度センサ部の2つの受光部から出力される検出信号を表す図である。
Claims (5)
- 移動体の走行方向に沿って所定間隔で配列され、それぞれが静止画像の瞬間表示をなし得るように構成された複数の画像表示手段と、
前記画像表示手段の配列の先頭部近傍に配置され、前記移動体の走行速度を検出する第1の速度検出手段と、
前記画像表示手段の配列の末尾部近傍に配置され、前記移動体の走行速度を検出する第2の速度検出手段と、
前記移動体の進行に伴って前記第1の速度検出手段により得られた第1の速度情報と前記第2の速度検出手段により得られた第2の速度情報との差が所定の範囲内となったとき、出力の対象を、前記第1の速度情報から前記第2の速度情報に切り替える切替手段と、
前記切替手段により切り替えられて出力された前記第1の速度情報または前記第2の速度情報に基づいて、前記画像表示手段による静止画像表示のタイミングを制御するための表示タイミング信号を生成して出力する表示タイミング信号出力手段と
を備えたことを特徴とする移動体用画像表示装置。 - さらに、
前記第1の速度検出手段および前記第2の速度検出手段から出力された速度情報に対しフィルタリングを行う速度範囲フィルタを備え、
前記速度範囲フィルタから出力された速度情報を前記切替手段に入力して切り替えを行うことを特徴とする請求項1記載の移動体用画像表示装置。 - 前記複数の画像表示手段は、それぞれ、時間と共に変化する連続動画像を構成する各静止画像を瞬間表示可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の移動体用画像表示装置。
- 前記複数の画像表示手段は、それぞれ、電気的な情報として与えられた画像情報を基に静止画像を瞬間表示可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の移動体用画像表示装置。
- 移動体の走行方向に沿って、それぞれが静止画像の瞬間表示をなし得るように構成された複数の画像表示手段を所定間隔で配列し、
前記画像表示手段の配列の先頭部近傍に前記移動体の走行速度を検出するための第1の速度検出手段を配置すると共に、前記画像表示手段の配列の末尾部近傍に前記移動体の走行速度を検出するための第2の速度検出手段を配置し、
前記移動体の進行に伴って前記第1の速度検出手段により得られた第1の速度情報と前記第2の速度検出手段により得られた第2の速度情報との差が所定の範囲内となったとき、前記第1の速度情報から前記第2の速度情報に切り替えて出力し、
出力された前記第1の速度情報または前記第2の速度情報に基づいて、前記画像表示手段による静止画像表示のタイミングを制御するための表示タイミング信号を生成して出力する
ことを特徴とする移動体用画像表示方法。
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