JPH1120263A - インクジェット記録装置及び記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及び記録方法

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JPH1120263A
JPH1120263A JP10118846A JP11884698A JPH1120263A JP H1120263 A JPH1120263 A JP H1120263A JP 10118846 A JP10118846 A JP 10118846A JP 11884698 A JP11884698 A JP 11884698A JP H1120263 A JPH1120263 A JP H1120263A
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JP
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head
main scanning
dot
ink jet
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Application number
JP10118846A
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English (en)
Inventor
Atsushi Takaura
淳 高浦
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
  • Common Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステッピングモータによるヘッドの送り量誤
差に起因するドット位置ずれを比較的低いコストで補正
する機構を提案する。 【解決手段】 キャリッジ11は、記録ヘッド12、イ
ンクカートリッジ15等を搭載しており、主走査軸14
に沿って主走査方向(X方向)に移動し、その間に、記
録ヘッド12よりインク滴を噴射して記録紙10に記録
を行う。記録ヘッド12のノズルフェース面13と記録
媒体10の記録面との距離dは、記録ヘッド12の主走
査開始端と終了端の間で連続的に減少しており、この減
少量により記録ヘッド12の送り量誤差に起因するドッ
ト位置ずれを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置及び記録方法、より詳細には、インクジェットプ
リンタなどの液滴噴射によってパターンを形成する液滴
噴射型走査記録装置及び該記録装置を用いた記録方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写装置や、ワードプロセッサ、コンピ
ュータ等の情報処理機構、さらには通信機構の普及に伴
い、それらの機器の画像形成記録装置の一つとして、イ
ンクジェット方式による記録ヘッドを用いてデジタル画
像記録を行うものが急速に普及している。
【0003】このようなインクジェット記録装置におい
ては、記録速度の向上のため、複数の記録素子を集積配
列して成る記録ヘッド(以下、これをマルチヘッドとい
う)として、インク吐出口および液路を複数集積したも
のを用い、さらに複数個の上記マルチヘッドを備えてカ
ラー対応したものが一般的に知られている。
【0004】図14は、上記マルチヘッドで記録面上に
画像を形成する際のプリンタ部の主要構成を示す図で、
同図において、1はキャリッジ、2はインクカートリッ
ジ、3はマルチヘッドで、インクカートリッジ2は、4
色のカラーインク(ブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ロー)がそれぞれ詰め込まれたインクタンクにより構成
されている。
【0005】図15は、前記マルチヘッド3上に配列す
るマルチノズルをZ方向から示したものであり、7はマ
ルチヘッド3上に配列するマルチノズル、8は該マルチ
ノズルに形成されたノズルで、マルチノズル7はY軸に
沿って平行に配置されている。
【0006】図14において、4aは記録媒体送りロー
ラであり、補助ローラ4bとともに記録媒体10を抑え
ながら図の矢印の方向に回転し、記録媒体10をY方向
に随時搬送する。また、5a,5bは給紙ローラであ
り、記録媒体10の供給を行うとともに、ローラ4a,
4bと同様、記録媒体10を抑える役割も果たす。1は
4つのインクカートリッジを支持し、X方向に移動させ
るキャリッジで、このキャリッジ1は記録を行っていな
いときあるいはマルチヘッドの回復作業などを行うとき
にはホームポジションに待機している。
【0007】記録開始前、ホームポジションにあるキャ
リッジ1は、記録開始命令によってX方向に移動しなが
ら、マルチヘッド3上のn個のマルチノズル7により、
記録面上に幅Dのドット画像を形成する。記録媒体の終
端部までデータの記録が終了するとキャリッジ1は元の
ホームポジションに戻り、再びX方向への記録を行う。
あるいは、双方向記録の場合は、−X方向に移動しなが
ら記録を行う。
【0008】ここまでの一連の記録工程と、次の記録工
程開始の間に、ローラ4a,4bの回転によって、幅D
だけY方向に記録媒体10が搬送される。このようにし
てキャリッジの1スキャン毎にマルチヘッドの幅D分だ
けの記録と記録媒体の搬送の繰り返しによって、一記録
面上のデータ記録が完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成及び動作に
代表されるインクジェットプリンタにおいて、記録形成
される画質を良好にするためには、ドットを所定の位置
に精度よく形成することが基本的に重要である。しか
し、実際の装置において、ドットを連続的もしくは断続
的に形成させる場合には、諸般の要因が変動し、ドット
の位置ずれが発生する可能性がある。ドットの位置ずれ
要因には、ヘッドのインク滴噴射特性に絡む要因系、記
録媒体に絡む要因系、キャリッジの走査駆動に絡む要因
系などがあげられ、それらはプリンタを構成する部分の
材質および記録媒体の環境・経時変化による影響を受け
る場合もある。
【0010】これらの要因系によるドット位置ずれ量を
補正するため、以下のような技術が開示されている。特
開平6−15879号公報の発明では、ヘッドの搬送駆
動用モータが、モータの回転速度を制御するモータ回転
速度制御手段と、ヘッドへの印加電圧を検出するヘッド
電圧検出手段を有し、電圧検出手段により検出された電
位に対応して搬送駆動用モータの回転速度を可変制御
し、ヘッドの搬送速度を可変に構成している。また、モ
ータ速度制御手段はヘッドの印加電圧とモータの回転速
度とを対応させる記憶手段を有する構成とし、電源電圧
の変化に対してワイヤの飛行時間と搬送駆動用モータの
変化特性を一致させるというものである。
【0011】特開平3−153358号公報の発明で
は、少なくとも1つ以上の印字ヘッドを有するシリアル
タイプのインクジェットプリンタの印字制御方式におい
て、印字トリガ信号が、遅延手段によって遅延を与えら
れた信号であることを特徴としている。これにより、ホ
ームポジション検出信号に対する印字トリガ信号との間
に遅延を与え、また、ホームポジション検出信号に遅延
を与えることにより、実質的に印字トリガ信号に遅延を
与えて、印字パターンの位置を調整でき、位置ずれのな
い双方向印字が実現できるというものである。
【0012】特開昭56−148571号公報、特開昭
58−87064号公報の発明では、ヘッドの走行伝達
機構上の遊隙などに起因する走査方向へのドット位置ず
れを補正する方法として、記録ヘッドの走行位置に係る
信号とインク噴射に係る印加信号との間に、位置ずれを
補正するためのタイミング遅れを設ける方法が開示され
ており、このタイミング遅れには、シフトレジスタを用
いた遅延回路に基づく方式がとられている。この方法で
は、遅延回路が必要であり、かつ細かい位置補正に対し
てはインク噴射タイミングより高速なクロック信号を必
要とする。また、遅延回路は各ノズルに対してそれぞれ
設ける必要があり、回路的、動作的に複雑な構成とな
る。また、遅延回路を構成しても、温度変化や経年変化
によって誤差が生じ、再補正が困難になる。
【0013】ところが、上記の開示技術は、以下の問題
を解決することが難しい。その問題とは、ヘッドのy方
向への主走査を行うための駆動力発生装置としてステッ
ピングモータを用いる際に、該モータを用いてヘッドを
走査して行くとヘッドの送り量誤差が累積し、一回の走
査終了時には1ドット以上の位置ずれが起こるという問
題である。主方向のドット間ピッチをLd、1パルス当
たりのヘッド送り量をLpとするとき、LdがLpの整
数倍でない場合には最小1パルス分の送り量誤差が発生
する。主走査方向に連続的にドットを形成していくと、
前記の誤差が累積していき、ドット列のパターンによっ
ては最終ドットの位置ずれが無視できない量になる可能
性がある。
【0014】上記の原因によるドット位置ずれを補正す
る方法としては、噴射のタイミングをずらす方式が提案
されている。例えば、特開平4−282255号公報の
発明では、ヘッドの各ノズルチャネル毎に噴射のタイミ
ングを調整制御する回路を付加して、各ノズル毎に噴射
のタイミングを制御する方式が開示されている。これ
は、複数個のチャネルの噴射タイミングを独立に制御す
る方式であるために高価な制御回路を別途搭載する必要
がある。また、以下のような問題もある。
【0015】主走査方向にドットを連続的に形成して線
画像を形成させる場合に、各ドット間のピッチが均等で
あるほど、スムーズな線画像が得られる。また、同様に
線画像を副走査方向に連続して形成することでベタ画像
を形成する場合においても、主方向のドット間ピッチが
均等であるほど、色むらの少ない画像が得られる。
【0016】このような場合において、ドット間距離の
均一化を達成するために要するドット位置の補正量はき
わめて小さい。たとえば、インク噴射の駆動周波数を1
0KHz、キャリッジの走査速度を0.5m/secとし
て、ドットを主走査方向に連続して形成する場合、ヘッ
ドも送り量誤差によって一走査の最終ドットが丁度1ド
ット分ずれるとすると、ドット間距離の平均的なずれ量
は0.0125μmとなり、この量はドット間距離50
μmの0.025%に相当することから、噴射のタイミ
ング制御方法によって、このような位置ずれを補正する
場合、40MHz程度の高周波駆動制御が必要になり、
回路系が複雑高価になることが予想できる。
【0017】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、その主たる目的は、ステッピングモータに
よるヘッドの送り量誤差に起因するドット位置ずれを比
較的低いコストで補正する機構方式及び方法を提供する
ことにある。
【0018】請求項1乃至4,請求項7乃至9の発明
は、ドット位置ずれを補正すること、請求項5乃至6の
発明は、復方向記録時にもドット位置ずれ補正が行える
ようにすることを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、イン
クの噴射を行う複数のインク噴射用ノズル、および、当
該各ノズル毎に対応して設けられ、各ノズルからインク
の噴射等を行うためインクに対して圧力を加える圧電素
子と、記録時には記録媒体との間に主走査方向に一定の
速度成分を有するインクジェットヘッドと、前記各圧電
素子に対応して設けられ、入力した駆動用信号に応じて
該圧電素子を駆動させる駆動回路とを有するインクジェ
ット記録装置において、前記インクジェットヘッドのノ
ズルフェース面と前記記録媒体の記録面との距離が該ヘ
ッドの主走査開始端と終了端の間で連続的に減少してい
ることを特徴とするものである。
【0020】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、主走査開始端と終了端の間で当該ヘッド位置を少し
ずつ記録面に近づけながら記録を行うことを特徴とする
ものである。
【0021】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、主走査開始端と終了端との間で記録ヘッドの
ノズルフェース面と記録面の距離が連続的に減少するよ
うに当該ヘッドの主走査軸を傾斜して構成させたことを
特徴とするものである。
【0022】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記主走査軸を傾斜した構成に代えて、該主走査軸
の外周面の軸方向の稜線を傾斜して構成したことを特徴
とするものである。
【0023】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記主走査軸が往方向記録時に対して、復方向記録
時には主走査軸に対して180°回転されることを特徴
とするものである。
【0024】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記主走査軸が往方向記録時に対して、復方向記録
時には180°回転されるとともに、前記シャフトの軸
高を下げることを特徴とするものである。
【0025】請求項7の発明は、インクジェットヘッド
ドットの位置ずれ補正方法であって、用紙に主走査方向
に一列のテストラインを描画し、該テストラインの長さ
を求め、テストラインの正規の長さとの誤差を求め、該
誤差に従ってインクジェットヘッドの送り量を補正する
ことを特徴とするものである。
【0026】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、前記誤差が所定の閾値を超えたときのみ、前記イン
クジェットヘッドの送り量を補正することを特徴とする
ものである。
【0027】請求項9の発明は、請求項7又は8の発明
において、印字画像情報が用紙の始端部と終端部への印
字情報を含む場合のみ、前記送り量の誤差の補正を行う
ことを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】 (請求項1の発明)図1は、請求項1の発明の動作説明
をするための図で、図中、10は記録紙、11はキャリ
ッジ、12は記録ヘッド、13はノズルフェース面、1
4は主走査軸、15はインクカートリッジで、記録開始
時のヘッド12のノズルフェース面13と記録紙10の
記録面との距離dを、d=d0とする。ヘッド12の主
走査開始後、前記距離dを少しずつ減少させてゆく。こ
の時、噴射のタイミングを一定と仮定すると、噴射した
インク滴が記録面10に到達する時間Tが少しずつ減少
する。
【0029】また、図2において、噴射時の主走査方向
位置をX、ヘッド12の主走査速度をVcとし、インク
滴が記録面10に到達する位置をX′と表すと、X′−
X=Vc×Tであるから、Tの減少によって、インク滴
の記録面10に到達する位置が主走査開始側に寄ってく
ることがわかる。
【0030】この原理を拡張すれば、記録開始後にヘッ
ド12と記録面10の距離を少しずつ減少させ、インク
の噴射タイミングを均一に行うと、形成されるドット列
のドット間ピッチは少しずつ減少することが理解され
る。今、パルスモータによってキャリッジ11を走査さ
せると、走査距離に比例して主走査方向へのドット位置
ずれが増大していく状態がある。
【0031】ここで、図3に示すように、一走査終了時
の最終ドットdn(なお、dn-1はズレのない場合の最終
ドットである)の位置ずれ量をΔxとし、また、第1ド
ットd1と最終ドットdnの距離をwとすると、単位長当
たりに発生するドット位置ずれ量はΔx/wと表すこと
ができる。したがって、単位走査長当たりΔx/wの位
置ずれ補正が行われるように、ヘッド12のノズルフェ
ース面13と記録面10の距離dを減少させてゆけばよ
い。例えば、インク滴の噴射速度をVj、また、ヘッド
12の主走査速度をVc、ヘッド12のノズルフェース
面13と記録面10の距離をdとすると、噴射したイン
ク滴が記録面に到達する時間Tは、
【0032】
【数1】
【0033】であるから、Δxのドット位置補正を行う
のに要するdの変位量Δdは、以下のように求まる。
【0034】
【数2】
【0035】Δxは一回の主走査における最終ドットの
位置ずれ量、Vcはキャリッジ走査速度、Vjはインクの
噴射速度、gは重力である。
【0036】また、主走査時の第1ドットと最終ドット
間の正規の距離wより、単位走査距離当たりに要するヘ
ッド12のノズルフェース面13と記録面10の補正距
離Δdsは、 Δds=Δd/w である。
【0037】上記の結果より、前記の距離dを主走査第
1ドット記録から最終ドット記録の間に上式から定まる
Δdだけ減少させることによって一回の主走査中に記録
される各ドットの位置を補正できる。ヘッドの主走査に
伴うドット記録に加え、記録媒体を副走査方向に送るこ
とにより記録面全体に画像を形成する場合においても、
上記の主方向ドット位置ずれ補正が繰り返し行われるの
で、記録媒体全域にわたって、主方向のドット位置補正
が行われる。
【0038】(実施例1)主走査列第1ドットと最終ド
ットの距離w=300mm、主走査開始時のヘッドのノ
ズルフェース面と記録面の距離d=1mm、ヘッドの走
査速度Vc=0.5m/s、インク滴噴射速度Vj=6m
/s、また、ヘッドの主走査方向送り量誤差が主走査列
第1ドットを基準として最終ドット位置が正規位置から
30μm発生する場合について例を示す。主走査列方向
の最終ドット上でのヘッドのノズルフェース面と記録面
の距離dの補正量Δdを0.72mmに設定すると、主
走査長1mmに対するヘッドのノズルフェース面と記録
面の距離dの減少量は0.0024mmとなる。このと
き、最終ドット位置は正規位置に対してマイナス30μ
m補正されるので、キャリッジ走査送り誤差による最終
ドット位置ずれプラス30μmを相殺して、ドット位置
は正規位置に回復する。
【0039】以上、請求項1の発明により、主走査時に
ヘッドのノズルフェース面と記録面の距離dを減少させ
ながら記録することで、パルスモータによるヘッド送り
量誤差に伴って発生するドット位置ずれを補正できるこ
とについて説明した。
【0040】(請求項2の発明)請求項2における発明
は、ヘッドのノズルフェース面と記録面の距離dを減少
させる具体的な機構方式として、ヘッド位置を調整する
方式を提案するものである。記録面をヘッドに近づけて
も、ヘッドのノズルフェース面と記録面の距離dの調節
は可能である。
【0041】しかしながら、記録媒体として使用される
紙等は一般に形状安定性に乏しく、また一般の使用にお
いて記録媒体の種類は特定されない。このため、多種の
記録媒体に対してその位置(高さ)を高精度に連続的に
移動させる機構を装置に付加することは実用上困難であ
ることが予想される。
【0042】以上の考察から本発明では、記録媒体に比
べてその位置制御性の点にメリットのあるヘッドに着目
し、その位置を調整することで、所望のドット位置補正
効果を得ようとするものである。一走査中において要す
るヘッドの高さ調整量は、請求項1の発明で説明したよ
うに微小量であり、これを精度よく制御するに適した機
構として圧電素子によるヘッド位置調整機構手段を例に
説明する。
【0043】(実施例1)図4において、21はキャリ
ッジ部、22は記録ヘッド、23はノズルフェース面、
24は主走査軸(シャフト)、25はインクカートリッ
ジで、図示のように、キャリッジ部21とヘッド部22
を構成し、キャリッジ部21が走査シャフト24と接続
されており、該キャリッジ部21とヘッド部22の接続
面にPZT等の圧電素子28を装填し、この圧電素子2
8を図4のZ方向に変位が得られるように配置させる。
この状態で、圧電素子28への印加電圧を下げながらヘ
ッド部22に主走査を与えて記録を行うことによりヘッ
ド22のノズルフェース面23と記録面20との距離d
を主走査中に減少させながら記録を行うことができる。
【0044】より具体的な構成を説明すると、ヘッド2
2のノズルフェース面23側の端面27と、該端面27
に対向するキャリッジ21の内面26に圧電素子接着固
定領域を設け、該接続部に圧電素子28の両端を接着固
定してヘッド22とキャリッジ21を接続し、圧電素子
28は電圧印加により上下に変位可能な配置構成とし、
キャリッジ21の主走査開始〜終了間に圧電素子28へ
の印加電圧を連続的に下げ、圧電素子28のマイナス変
化に伴い、ヘッド位置を記録面20に連続的に接近させ
ながら記録を行う。
【0045】主走査列第1ドットと最終ドットの距離w
=300mm、主走査開始時のヘッドのノズルフェース
面と記録面の距離d=1mm、ヘッドの走査速度Vc
0.5m/s、インク滴噴射速度Vj=6m/s、また、
ヘッドの主方向送り量誤差が主走査列第1ドットを基準
として最終ドット位置が正規位置から30μm発生する
場合には、上記の圧電素子の変位が主走査長1mmに対
しマイナス0.0024mmとなるように変位させる。
【0046】すると、主走査長1mmに対するヘッドの
ノズルフェース面と記録面の距離dの減少量は0.00
24mmとなり、主走査列方向の最終ドット上でのヘッ
ドのノズルフェース面と記録面の距離dの補正量Δdを
0.72mmにすることができる。このとき、最終ドッ
ト位置は正規位置に対してマイナス30μm補正される
ので、キャリッジ走査送り誤差による最終ドット位置ず
れプラス30μmを相殺して、ドット位置を正規位置に
回復することがきる。また、上記の方法による主走査に
加えて記録媒体を副走査方向に走査させて、記録面全域
に良好な画像を構成することができる。
【0047】(実施例2)図5に示すように、圧電素子
28を配置させる場合には、該圧電素子28への印加電
圧を増加させながら主走査を行うことで、ヘッドのノズ
ルフェース面と記録面の距離dを連続的に減少させるこ
とができ、これによってパルスモータ送り誤差によるヘ
ッド位置ずれに伴うドット位置ずれを補正することがで
きる。
【0048】より具体的に説明すると、ヘッド22のノ
ズルフェース面23と相対する側の面29と、該面29
に対向するキャリッジ内側面30に圧電素子接着固定領
域を設け、該接続部に圧電素子28の両端を接続固定し
てヘッド22とキャリッジ21を接続する。圧電素子2
8は電圧印加圧により上下に変位可能な配置構成とし、
キャリッジ21の主走査開始〜終了間に圧電素子28へ
の印加電圧を連続的に上げ、圧電素子28のプラス変位
に伴い、ヘッド位置を記録面に連続的に接近させながら
記録を行う。
【0049】主走査列第1ドットと最終ドットの距離w
=300mm、主走査開始時のヘッドのノズルフェース
面と記録面の距離d=1mm、ヘッドの走査速度Vc
0.5m/s、インク滴噴射速度Vj=6m/s、また、
ヘッドの主方向送り量誤差が主走査列第1ドットを基準
として最終ドット位置が正規位置から30μm発生する
場合には、上記の圧電素子の変位が主走査長1mmに対
しプラス0.0024mmとなるように変位させる。
【0050】すると、主走査長1mmに対するヘッドの
ノズルフェース面と記録面の距離dの減少量は0.00
24mmとなり、主走査列方向の最終ドット上でのヘッ
ドのノズルフェース面と記録面の距離dの補正量Δdを
0.72mmにすることができる。このとき、最終ドッ
ト位置は正規位置に対してマイナス30μm補正される
ので、キャリッジ走査送り誤差による最終ドット位置ず
れプラス30μmを相殺して、ドット位置を正規位置に
回復することができる。上記の方法による主走査に加え
て記録媒体を副走査方向に走査させて、記録面全域に良
好な画像を構成することができる。
【0051】(実施例3)主走査の往方向記録と副方向
記録の双方においてドット位置補正を与える機構手段の
例を示す。通常、復方向記録開始時にはヘッド位置補正
を行わない、つまり、キャリッジをホームポジションに
戻してキャリッジのアドレスをリセットする所作を行わ
ない場合が多いので、復方向記録時には、往方向記録時
に生じたヘッド送り量誤差の累積に、復方向走査中に生
じるヘッド送り量誤差が加算されることになる。
【0052】このような場合、復方向へのドット記録中
にもヘッドの位置がさらに記録面に近づくように、ヘッ
ド位置を下降制御しながら記録させるとよい。なお、往
方向の最終ドット記録を終了後のキャリッジは所定の距
離を走査して停止し、復方向への走査を開始し、所定の
距離を走査したのちに、復方向の第1ドットを記録す
る。このとき、往方向の最終ドット記録から復方向の第
1ドット記録までの間に発生するキャリッジ送り誤差量
というものが考えられるので、復方向の第1ドット記録
時に必要とされるヘッドの高さ補正量は、往方向の最終
ドット記録から復方向の第1ドット記録までの間に発生
するキャリッジ送り誤差量を見込んだ値を定める。これ
により復方向記録時の第1ドットを正規の位置に記録
し、その後に記録される各ドット位置をも補正すること
ができる。
【0053】(実施例4)図6に示すように、実施例1
ないし2の構成において、圧電素子28と接するヘッド
22およびキャリッジ21の対向する面間における、圧
電素子28の存在しない領域がある場合には、その領域
に弾性部材31を装填することにより、圧電素子28の
変位のヘッド22への伝達機能を失うことなくヘッド2
2とキャリッジ21の接合安定性を向上させることがで
きる。
【0054】(請求項3の発明)請求項3では、図7に
示すように、主走査開始〜終了間に、ヘッド22のノズ
ルフェース面23と記録面20の距離dを連続的に減少
させるための構成手段として、ヘッド22の主走査軸2
4を傾斜して構成させている。通常は、図7に示すよう
に、主走査断面上における主走査軸24は記録面20に
対して平行である。
【0055】しかし、本発明においては、図7に示した
ように、主走査軸24を記録面20に対して非平行に配
置構成し、ヘッド22を走査する方向に対してヘッド2
2のノズルフェース面23と記録面20の距離dが減少
するように主走査軸24を傾斜させている。
【0056】上記の傾斜構成を有する主走査軸24に沿
ってヘッド22を走査させることにより、ヘッド22の
ノズルフェース面23と記録面20の距離dは主走査開
始〜終了間に少しずつ減少するので、これまでに述べて
きた原理により、ステッピングモータによるヘッド送り
量誤差に伴うドット位置ずれを主走査中に記録する各ド
ットについて補正できる。上記構成上の特徴を与えたヘ
ッド走査機構系をもたせるとともに、記録媒体を副方向
へ送りながら記録を繰り返すことにより、記録面全域に
対して良好なる画像を形成することができる。
【0057】(実施例1)主走査列第1ドットと最終ド
ットの距離w=300mm、主走査開始時のヘッドのノ
ズルフェース面と記録面の距離d=1mm、ヘッドの走
査速度Vc=0.5m/s、インク滴噴射速度Vj=6m
/s、また、ヘッドの主方向送り量誤差が主走査列第1
ドットを基準として最終ドット位置が正規位置から30
μm発生する場合について例を示す。
【0058】主走査軸の傾きを4.1888e−5°に
設定すると、最終ドット上でのヘッドのノズルフェース
面と記録面の距離dの補正量Δdは0.72mmに設定
され、主走査長1mmに対するヘッドのノズルフェース
面と記録面の距離dの減少量は0.0024mmとな
る。このとき、最終ドット位置は正規位置に対してマイ
ナス30μm補正されるので、キャリッジ走査送り誤差
による最終ドット位置ずれプラス30μmを相殺して、
ドット位置を正規位置に回復することができる。
【0059】(請求項4の発明)従来のヘッド主走査用
シャフト24は、図9に示すように、該シャフト24の
軸線L−L′に対して該シャフト24の外周面の軸方向
稜線l−l′は平行に構成されている。上記の構成でヘ
ッド22を走査するとヘッド22の走査軌跡はシャフト
24の稜線l−l′に平行、すなわち、シャフト24の
軸L−L′に平行になる。また、従来のヘッド主走査用
シャフト24の軸L−L′は記録面20に対して平行に
構成されている。したがって、ヘッド22の主走査時の
軌跡は記録面20に対して平行である。したがって、ヘ
ッド22のノズルフェース面23と記録面20の距離d
は、ヘッド22の主走査中に一定である。
【0060】これに対し、請求項4の発明では、図10
に示すように、ヘッド主走査用シャフト24が、該シャ
フト24の軸線L−L′に対してシャフト24の外周面
の軸方向の稜線l−l′が傾斜して構成されている。ま
た、該シャフト24の軸L−L′は記録面20に対して
平行に配置構成されている。また、キャリッジ21は、
図10に示すように、シャフト24の外周面と常に面接
触している。この状態でヘッド22を主走査する際に、
ヘッド22はシャフト24の外周面との面接触を保ちな
がら走査される。このときヘッド22の描く主走査方向
への動作軌跡はシャフト24の稜線l−l′に対して平
行になる。すなわち、ヘッド22は主走査開始後、連続
的に記録面20に近づきながら走査駆動される。する
と、これまでに述べてきた原理にしたがい、パルスモー
タによるヘッド送り量誤差に伴うドット位置ずれを打ち
消すことができる。上記の機構手段による主方向記録を
行うとともに、記録媒体を副走査することによって、記
録面全域にわたってドット位置補正を行い、良好なる画
質が得られる。
【0061】(実施例1)主走査列第1ドットと最終ド
ットの距離w=300mm、主走査開始時のヘッドのノ
ズルフェース面と記録面の距離d=1mm、ヘッドの走
査速度Vc=0.5m/s、インク滴噴射速度Vj=6m
/s、また、ヘッドの主方向送り量誤差が主走査列第1
ドットを基準として最終ドット位置が正規位置から30
μm発生する場合について例を示す。
【0062】シャフトの外周面の長手の稜線とシャフト
の主軸の傾きを4.1888e−5°に設定すると、最
終ドット上でのヘッドのノズルフェース面と記録面の距
離dの補正量Δdは0.72mmに設定され、主走査長
1mmに対するヘッドのノズルフェース面と記録面の距
離dの減少量は0.0024mmとなる。このとき、最
終ドット位置は正規位置に対してマイナス30μm補正
されるので、キャリッジ走査送り誤差による最終ドット
位置ずれプラス30μmを相殺して、ドット位置を正規
位置に回復することができる。
【0063】(請求項5,6の発明)請求項4の発明で
は、主走査の往方向に対するドット位置補正効果が確保
できる。しかしながら、復方向走査にはヘッドのノズル
フェース面と記録面の距離dが次第に増加するため、復
方向記録をも行う場合にはドット位置を良好に補正する
ことができない。
【0064】これに対し、請求項5,6の発明では、図
11,図12に示すように、請求項4の発明におけるシ
ャフト24が、往方向記録時に対して、復方向記録時に
は180°回転して用いられる。図11,図12に示す
ように、副方向記録時にシャフト24を180°回転さ
せると、記録面20に対するシャフト24の稜線l−
l′の傾きが往方向と復方向で反転することになる。こ
れにより、復方向記録時にもヘッド22のノズルフェー
ス面23と記録面20の距離dは連続的に減少してゆ
く。
【0065】ただし、上記の構成では往方向記録終了後
にシャフト24を回転させる際に、往方向走査往了側に
あるヘッド22の高さが上昇する。これにより、ヘッド
22と記録面20の距離が増加する。また、往方向最終
ドット記録終了後、ヘッド22は所定の距離を走査して
停止し、その後に復方向への走査を開始し、所定の距離
を走査後、復方向第1のドットを記録する。
【0066】したがって、上記のヘッドリターン時にお
いて発生しているヘッド送り量の累積誤差を見込んで復
方向の第1ドットを形成すれば、往方向最終ドットと復
方向第1ドットのずれ(副方向列の乱れ)を回避でき
る。この要求を満たすためには、図13に示すように、
往方向記録終了から復方向記録開始の間にシャフトの主
軸高さを△Zだけ下げておけばよい。これを可能にする
ため、シャフト24の両端を上下に可動な構成とする。
シャフト24の上下動はヘッド22の主走査往動開始前
に一回△Z上げ、主走査復動開始時に一回△Z下げるよ
うにする。
【0067】(実施例1)主走査列第1ドットと最終ド
ットの距離w=300mm、主走査開始時のヘッドのノ
ズルフェース面と記録面の距離d=1mm、ヘッドの走
査速度Vc=0.5m/s、インク滴噴射速度Vj=6m
/s、また、ヘッドの主方向送り量誤差が主走査列第1
ドットを基準として最終ドット位置が正規位置から30
μm発生する場合について例を示す。
【0068】シャフトの外周面の長手の稜線とシャフト
の主軸の傾きを4.1888e−5°に設定すると、主
走査列の最終ドット上でのヘッドのノズルフェース面と
記録面の距離dの補正量Δdは0.72mmになり、主
走査長1mmに対するヘッドのノズルフェース面と記録
面の距離dの減少量は0.0024mmとなる。このと
き、最終ドット位置は正規位置に対してマイナス30μ
m補正されるので、キャリッジ走査送り誤差による最終
ドット位置ずれプラス30μmを相殺して、ドット位置
は正規位置に回復することができる。
【0069】復方向記録時には、まずシャフトを180
°回転させるとともに主軸の高さを0.72mm下降し
てから記録開始すると、復方向の第1のドットの位置
(x1)と往方向の最終ドットの位置(x2)が揃い、
かつその後の復走査中に記録される各ドットの位置も補
正できる。
【0070】(請求項7〜9の発明)プリンタ組み付け
に際して使用されるステッピングモータの送り量精度、
およびこれに付随してヘッド走査を行うに要する前記モ
ータからのエネルギー伝送機構としてのギア等の部品精
度には所定のバラツキがあり、これらを組み付けた際に
生じるヘッドの送り量誤差は個々の製品によって異なる
ものである。したがって、本発明による調整手段による
調整を個々の製品に対して行い、その調整量は個々の製
品によって異なるものである。このような調整は製品出
荷前に行うことが望ましく、これにより、出荷時のプリ
ンタの初期特性を良好な状態に仕上げることができる。
ユーザが実際にプリンタを使用していると、ステッピン
グモータの送り量精度、およびこれに付随してヘッド走
査を行うに要する前記モータからのエネルギー伝送機構
としてのギア等の部品の摩擦によって、ヘッドの送り量
誤差が出荷初期状態とは異なる状態に変化してゆく可能
性がある。これに対応するためには、ユーザの手に渡っ
た後にも適宜本発明による調整手段を履行して、ヘッド
の送り量誤差を減少すべく補整できることが望ましい。
【0071】例えば、プリンタ自身が自ら打ちだしたド
ットの位置のズレ量を検知できれば、そのズレ量から本
発明による補整方法による補正量を算出し補正すること
ができる。図16は、そのための方式を説明するための
図である。まず、調整用のテスト画像として、主走査方
向に一列のラインを描画させる。調整が行われている場
合において、そのラインの最終位置と記録用紙端部の距
離がL(Lは用紙の種類によって規定できる)であると
する。次に上述のテストライン画像の終端Aと記録用紙
端Bの位置を検知する。
【0072】A,Bの位置は光学的濃度検知手段を以っ
て行うことができる。図17は光反射強度と用紙Pの幅
方向の位置との関係を示す図であって、光反射強度検知
がA,Bの位置検知に利用できることを示している。図
中、テストライン画像の終端Aにおいてはライン部の光
学的濃度と記録用紙の光学的濃度が異り、照射光の反射
強度が異なることを利用して位置検知を行う。用紙の終
端のエッジ部においても濃度差に因する光反射強度差が
あるので、それを利用してエッジの位置を特定すること
ができる。
【0073】検知光学系としては、例えば、図18に示
すような、光源41、コリメータレンズ42、ビームス
プリッタ43、光検出素子44、スリット45から構成
される検知光学系を用いることができる。光源からの光
をコリメータレンズにより平行光にし、ビームスプリッ
タ43を通してスリット45で得られたスリット状の光
源光を、測定すべきテストラインとスリットが並行とな
るように配置して被測定物体に照射する。そしてその反
射光を再びスリット45を介して光検出素子44に導
く。光源の往路光照射光路と被測定物体からの復路反射
光路はビームスプリッタを用いて容易に分離可能であ
る。上記の光検出素子にはCCD又はラインセンサーの
ような複数の検出画素から構成されるものが好適であ
り、これにより、反射光強度の空間分布情報を検知する
ことができるので、前記のテストラインTLの終端Aと
記録用終端Bの位置を検知し、AB間の距離Lを算出す
ることができる。
【0074】なお、前記テストラインTLを記録する状
態において、ヘッドはノズルがライン上にあるため、そ
の状態で上記の光学的検知手段を用いることは難しい。
そこで、図19に示すように、まず、前記テストライン
TLの記録を完了した後に用紙Pを副走査方向にわずか
に給送する。また、前記の光検出機構はヘッド22の副
走査前進方向に配置しておく。そしてスリット45の位
置とヘッドノズルの位置の間隔を仮にMとし、前記の給
送距離をMとすれば、テストラインTLを光検出機構の
スリット45上に導くことができ、測定が実行できる。
【0075】なお、テストラインTLをひとつのノズル
からの噴射で行うと記録されるラインが細いため、光検
出分解能が低くなる可能性がある。これを回避するに
は、図20に示すように、テストラインTLを複数のノ
ズルで形成してライン幅を広げればよく、スリットの幅
よりもラインが広いことが望ましい。
【0076】なお、前記のテストラインTLは用紙先端
から終端まで全てを印字する必要はなく、終端部の数m
mレベルの長さがあればよい。ただし、ラインTLの終
端と用紙Pの終端の距離が長いと光検出機構のスリット
長を長くしなければならず、機構の大型化を招き不都合
である。したがって、テストラインTLは用紙の終端か
ら数mmの位置に設定して記録することが望ましい。以
上の方法によって距離情報Lが与えられる。調整が適正
である場合の距離情報Lに対して、プリンタが経時変化
してその距離がΔL変化する場合には、ΔLから補正に
要する傾き補正量を算出するアルゴリズムをROM化し
ておき、測定されたΔLに対応して傾き量の補正を行
う。なお、さらに精度を向上させるための方法として、
以下の方法が考えられる。
【0077】上述の補正方法はテストラインTLの終端
と用紙P終端の位置情報を用いるものであった。そこ
で、テストラインTLの始端A′と用紙の端部B′の距
離L′についても同様の方法によって検出することがで
きる。こうして新たに情報L′が与えられる。この情報
が追加されたことによってテストラインTLの始端位置
Aと終端位置A′が正確に求められる。すなわち、図2
1に示すように、用紙サイズによって規定される主走査
方向幅を仮にWとすれば、W−(L+L′)がテストラ
イン長LTとなる。調整が適正である場合の距離情報L
Tに対して、プリンタが経時変化した場合にはその距離
がΔLT変化する。ΔLTから補正に要する傾き補正量
を算出し、補正すればよい。
【0078】また、前記のΔLTから要する補正量を算
出するアルゴリズムをROM化してプリンタ装置に組み
込み、測定されたΔLTに対応して傾き量を自動補正す
るようにすれば、補正処理に要するユーザ負担を軽減で
きる。これまでのIJプリンタでは、テスト画像を打ち
出してそのずれ量が最小となるように、ユーザがヘッド
位置を補正する必要があった。これに比較して本方式は
ユーザ負担がはるかに少なく、ユーザに受け入れられ易
い機構となっている。さて、さらに本発明を拡張する
と、以下のことが提案できる。
【0079】プリンタの使用環境変化に伴いステッピン
グモータの送り量誤差を元凶とするドットの位置ずれ量
は適宜変化する。このことを考慮すると、プリンタが常
に自身の打ち出したドットの位置ズレを検知し、その情
報をフィードバックしてズレ量を補正する機構を設ける
ことで、ドット位置精度の環境変動を抑制できると考え
られる。そこで、上述した光検知手段による補正検知動
作がユーザがプリンタを稼動している状況において常時
作動するようにしておく。図22(A)はこの動作を説
明するためのフロー図であって、光検査系で用紙Pの端
部からテストラインTLまでの距離の変動量ΔL、更に
必要に応じてΔL′、テストライン長の変動量ΔLTを
検出し(ステップa)、前記変動量を変数としてROM
化したアルゴリズムに従って補正量ΔTを求め(ステッ
プb)、得られた補正量ΔTに基づきキャリッジ補正機
構を動作させる(ステップc)。
【0080】また、検知した信号から割り出される送り
量誤差値を超えた場合にのみ、補正動作を行うようにす
る。所定値としては1/4ドット以下とすることが望ま
しい。図22(B)はこの処理を示したフロー図であ
る。図22(A)に示すフロー図におけるステップaと
ステップbとの間に比較判断処理ステップdを設け、前
記変動量と閾値を比較し、変動量が閾値を超えたときに
前記ROMにより補正量の算出を行い、キャリッジの補
正を行うようにしたものである。このような方法によっ
て印字速度の全般的な低下を回避して、かつ同時に画質
を所定のレベル内に維持することができる。
【0081】ここで、ヘッドのラスタスキャン1回毎に
この検知動作と補正を行うと、補正に要する時間によっ
て印字速度が全般的に低下することになり好ましくな
い。ただし検知そのものにはほとんど時間を要しないた
め、印字画像情報が用紙の始端部と終端部への印字情報
を含む場合においてのみ検知を行うものとする。図23
は、この処理を示すフロー図であり、処理の開始時に、
画像情報が前記印字情報を含むか否かを判断するステッ
プeが図22(B)に示す処理フローに付加されてい
る。
【0082】
【発明の効果】請求項1に対応する効果:インクの噴射
を行う複数のインク噴射用ノズル、および、当該各ノズ
ル毎に対応して設けられ、各ノズルからインクの噴射等
を行うためインクに対して圧力を加える圧電素子と、記
録時には記録媒体との間に一定の速度成分を有するイン
クジェットヘッドと、前記各圧電素子に対応して設けら
れ、入力した駆動用信号に応じて当該圧電素子を駆動さ
せる駆動回路とを有するインクジェット記録装置におい
て、前記インクジェットヘッドのノズルフェース面と記
録面との距離が当該ヘッドの主走査開始端と終了端の間
で連続的に減少しているので、キャリッジの送り量誤差
によるドット位置ずれを相殺して画質を改善できる。
【0083】請求項2に対応する効果:請求項1におい
て、主走査開始〜終了間に当該ヘッド位置を少しずつ記
録面に近づけながら記録されるので、請求項1の効果に
加えて、記録媒体の位置を制御する場合よりも精度よく
画質補正できる。
【0084】請求項3に対応する効果効果:請求項2に
おいて、主走査開始〜終了間に記録ヘッドのノズルフェ
ース面と記録面の距離Lが連続的に減少するように当該
ヘッドの主走査軸を傾斜して構成させたので、請求項1
の効果に加えて、記録媒体の位置を制御する場合よりも
精度よく画質補正できる。
【0085】請求項4に対応する効果:請求項3におけ
る記録ヘッドの主走査軸が、該軸の軸線L−L′に対
し、該軸の外周面の軸方向の稜線を傾斜して構成したの
で、請求項1の効果に加えて、記録媒体の位置を制御す
る場合よりも精度よく画質補正できる。
【0086】請求項5,6に対応する効果:請求項4に
おける主走査軸が往方向記録時に対して、復方向記録時
には主軸に対して180°回転されるので、請求項4の
効果に加えて、復方向記録時にもドット位置ずれを補正
できる。また、復方向と復方向のドットの位置関係が正
確になる。更には、復方向記録画像が改善できる。復方
向記録を行うことができる。記録速度を約2倍にできる
等の効果がある。
【0087】請求項7〜9に対応する効果:テストライ
ンを描画し、その長さを求めることにより、正規の長さ
との誤差からインクジェットヘッドの送り量を補正する
ようにしたため、インクジェットヘッド記録装置がユー
ザーの手に渡った後においても、個々の記録装置の特性
及び経年変化に対応してヘッドの送り量の誤差を正しく
補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインクジェット記録装置の一実
施例を説明するための要部概略構成図である。
【図2】 本発明の動作原理を説明するための要部概略
構成図である。
【図3】 本発明の動作原理を説明するための記録ドッ
トの様子を示す図である。
【図4】 本発明によるインクジェット記録装置の他の
実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図5】 本発明によるインクジェット記録装置の更に
他の実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図6】 本発明によるインクジェット記録装置の更に
他の実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図7】 本発明によるインクジェット記録装置の更に
他の実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図8】 図7に対応した従来のインクジェット記録装
置の例を示す図である。
【図9】 従来のインクジェット記録装置における主走
査軸の例を説明するための図である。
【図10】 本発明によるインクジェット記録装置の更
に他の実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図11】 本発明によるインクジェット記録装置の更
に他の実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図12】 本発明によるインクジェット記録装置の更
に他の実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図13】 本発明によるインクジェット記録装置の更
に他の実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図14】 マルチヘッドで記録面上に画像を形成する
際のプリンタ部の主要部の概略構成を示す図である。
【図15】 図14に示したマルチヘッド上に配列する
マルチノズルをZ方向から示した図である。
【図16】 用紙に描画したテストラインを示す図であ
る。
【図17】 テストライン描画した用紙の主走査方向に
おける光反射強度を示す図である。
【図18】 テストラインの長さを求めるための光検出
系を示す図である。
【図19】 光検出系による光反射強度測定方法を説明
する図である。
【図20】 テストラインとスリットの幅の関係を示す
図である。
【図21】 テストラインの長さ算出方法を説明する図
である。
【図22】 本発明によるドットずれ補正処理を説明す
るフロー図である。
【図23】 本発明によるドットずれ他の補正処理を説
明するフロー図である。
【符号の説明】
10…記録紙(記録面)、11…キャリッジ、12…記
録ヘッド、13…ノズルフェース面、14…主走査軸、
15…インクカートリッジ、20…記録紙(記録面)、
21…キャリッジ、22…記録ヘッド、23…ノズルフ
ェース面、24…走査シャフト、25…インクカートリ
ッジ、27…端面、28…圧電素子、29…面、30…
側面、31…弾性部材、41…光源、42…コメータレ
ンズ、43…ビームスプリッタ、44…光検出素子、4
5…スリット、P…用紙、TL…テストライン。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41J 29/46 B41J 3/10 101G

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクの噴射を行う複数のインク噴射用
    ノズル、および、当該各ノズル毎に対応して設けられ、
    各ノズルからインクの噴射等を行うためインクに対して
    圧力を加える圧電素子と、記録時には記録媒体との間に
    主走査方向に一定の速度成分を有するインクジェットヘ
    ッドと、前記各圧電素子に対応して設けられ、入力した
    駆動用信号に応じて該圧電素子を駆動させる駆動回路と
    を有するインクジェット記録装置において、前記インク
    ジェットヘッドのノズルフェース面と前記記録媒体の記
    録面との距離が該ヘッドの主走査開始端と終了端の間で
    連続的に減少していることを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  2. 【請求項2】 主走査開始端と終了端の間で当該ヘッド
    位置を少しずつ記録面に近づけながら記録を行うことを
    特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 主走査開始端と終了端との間で記録ヘッ
    ドのノズルフェース面と記録面の距離が連続的に減少す
    るように当該ヘッドの主走査軸を傾斜して構成させたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記
    録装置。
  4. 【請求項4】 前記主走査軸を傾斜した構成に代えて、
    該主走査軸の外周面の軸方向の稜線を傾斜して構成した
    ことを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記主走査軸が往方向記録時に対して、
    復方向記録時には主走査軸に対して180°回転される
    ことを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記主走査軸が往方向記録時に対して、
    復方向記録時には180°回転されるとともに、前記シ
    ャフトの軸高を下げることを特徴とする請求項5記載の
    インクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 インクジェットヘッドドットの位置ずれ
    補正方法であって、用紙に主走査方向に一列のテストラ
    インを描画し、該テストラインの長さを求め、テストラ
    インの正規の長さとの誤差を求め、該誤差に従ってイン
    クジェットヘッドの送り量を補正することを特徴とする
    インクジェットヘッドのドットの位置ずれ補正方法。
  8. 【請求項8】 前記誤差が所定の閾値を超えたときの
    み、前記インクジェットヘッドの送り量を補正すること
    を特徴とする請求項7に記載された、インクジェットヘ
    ッドのドットの位置ずれ補正方法。
  9. 【請求項9】 印字画像情報が用紙の始端部と終端部へ
    の印字情報を含む場合のみ、前記送り量の誤差の補正を
    行うことを特徴とする、請求項7又は8に記載された、
    インクジェットヘッドのドットの位置ずれ補正方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007145112A1 (ja) * 2006-06-14 2007-12-21 Konica Minolta Holdings, Inc. 液体吐出装置及び液体吐出方法
US8424997B2 (en) 2009-03-13 2013-04-23 Ricoh Company, Limited Recording device, control method, and recording medium
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