JPH11201187A - タンデムピストン型湿式多板クラッチ - Google Patents

タンデムピストン型湿式多板クラッチ

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JPH11201187A
JPH11201187A JP10005700A JP570098A JPH11201187A JP H11201187 A JPH11201187 A JP H11201187A JP 10005700 A JP10005700 A JP 10005700A JP 570098 A JP570098 A JP 570098A JP H11201187 A JPH11201187 A JP H11201187A
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JP
Japan
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clutch
piston
pressure receiving
receiving area
pistons
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JP10005700A
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English (en)
Inventor
Hisayoshi Minematsu
久佳 峰松
Satoru Yamada
知 山田
Tatsuo Wakahara
龍雄 若原
Kenichiro Murakami
賢一郎 村上
Yasuichi Hayazaki
康市 早崎
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/06Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch
    • F16D25/062Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces
    • F16D25/063Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially
    • F16D25/0635Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs
    • F16D25/0638Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs with more than two discs, e.g. multiple lamellae

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンデムピストン型湿式多板クラッチが有す
るクラッチピストンのシリンダ室内に生じる遠心油圧を
抑制し、クラッチ解放特性を改善する。 【解決手段】 クラッチドラム4内に、該クラッチドラ
ムの底壁4b側より順次タンデムに配して受圧面積の異
なる2個のクラッチピストン1,2を摺動自在に嵌合
し、クラッチドラムの底壁4bおよびクラッチピストン
1間に画成されたシリンダ室S1 と、両クラッチピスト
ン1,2間に画成されたシリンダ室S2 とに供給される
流体圧によりクラッチ締結を行うタンデムピストン型湿
式多板クラッチにおいて、2個のクラッチピストン1,
2のうち、受圧面積の小さいクラッチピストン1を受圧
面積の大きなクラッチピストン2よりもクラッチドラム
の底壁4bに近い側に配置する。これにより上記課題を
解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチドラム内
に、該クラッチドラムの底壁側より順次タンデムに配し
て受圧面積の異なる2個のクラッチピストンを摺動自在
に嵌合し、前記クラッチドラムの底壁およびこれに近い
クラッチピストン間に画成されたシリンダ室と、両クラ
ッチピストン間に画成されたシリンダ室とにそれぞれ流
体圧を供給することによりクラッチ締結を行うようにし
たタンデムピストン型湿式多板クラッチに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】湿式多板クラッチは、クラッチドラムと
共に回転するクラッチ板とクラッチハブと共に回転する
クラッチ板とを、前記クラッチドラムに嵌合したクラッ
チピストンにより相互に押圧接触させることで締結を行
うものであるが、クラッチに供給される元圧を変更する
ことなくクラッチ容量を変更できるようにするため、前
記クラッチドラム内に2個のクラッチピストンを前記ク
ラッチドラムの底壁側より順次タンデムに配したタンデ
ムピストン型湿式多板クラッチは既知である。
【0003】こうしたタンデムピストン型湿式多板クラ
ッチとしては、例えば、特開平5−340430号公報
に記載のようなものが知られている。これは図2に示す
ように、クラッチドラム40の内周部に受圧面積の小さ
な第一クラッチピストン10と、受圧面積の大きな第二
クラッチピストン20とをクラッチドラム40の底壁4
0b側より順次タンデムに嵌合させ、これら第一および
第二クラッチピストン10,20で仕切られたクラッチ
ドラム40内の第一シリンダ室S1 および第二シリンダ
室S2 それぞれに導入路11,12から流体圧を供給す
ることにより第一クラッチピストン10が図示せぬクラ
ッチドラムおよびクラッチハブのクラッチ板を相互に押
圧接触させることで締結を行うものである。
【0004】湿式多板クラッチは一般に、それ自体が常
時回転しているため、上記シリンダ室S1 ,S2 内にお
ける作動油に回転遠心力が作用して遠心油圧を発生す
る。これらシリンダ室S1 ,S2 の遠心油圧は、第一お
よび第二クラッチピストン10,20をクラッチ締結方
向に付勢するため、シリンダ室S1 ,S2 内からオイル
を抜いてクラッチを解放する際、これら第一および第二
クラッチピストン10,20にリターン動作遅れを生じ
させる。
【0005】そこで、上記公報では、シリンダ室S1 ,
S2 内に発生する前記遠心油圧が相殺されるよう、該遠
心油圧と等しい油圧、所謂、キャンセル油圧を発生させ
るために、第一クラッチピストン10にキャンセルピス
トン30を摺動自在に嵌合させて第一遠心キャンセル室
S4 を形成すると共に、第一および第二クラッチピスト
ン10,20間に第一遠心キャンセル室S4 と連通する
第二遠心キャンセル室S5 を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
タンデムピストン型湿式多板クラッチにあっては、受圧
面積の大きい第二クラッチピストン20をクラッチドラ
ムの底部40bに近い側に配置するため、クラッチドラ
ム40の外径寸法が軸線方向に沿ってほぼ均一な円筒形
状となることが必至で、タンデムピストン型湿式多板ク
ラッチ周りに他の要素をレイアウトしようとする際に、
そのためのスペースを確保し難いのが実情であった。
【0007】また、キャンセルピストン30の受圧面積
が、寸法(X)で示すように、第一クラッチピストン1
0と同じ受圧面積になる構造のため、キャンセルピスト
ン30の受圧面積が小さく、以下の問題を生じることを
確かめた。
【0008】つまり、シリンダ室S1 ,S2 の作動油
は、電子制御されてソレノイド圧を作り出すが、ソレノ
イドはクラッチの非作動に際して、作動油圧を完全には
排除することができず、ソレノイド残圧をシリンダ室S
1 ,S2 に残存させ、クラッチの解放遅れを生じさせ
る。
【0009】従って、上記のようにキャンセルピストン
30の受圧面積が小さくなる構造では、ソレノイド残圧
による上記応答遅れの問題を解消することができず、ク
ラッチの解放遅れの問題をも生じさせてしまう。
【0010】特に図2の場合、受圧面積の大きな第二ク
ラッチピストン20に設けたシール用リング9がクラッ
チドラム40の内周部に摺接すると共に、受圧面積の小
さな第一クラッチピストン10に設けたシール用リング
9が第二クラッチピストン20の内周部に摺接するた
め、キャンセルピストン30に設けたシール用リング9
が第一クラッチピストン10の内周部に摺接することと
合わせて、クラッチドラム40の内周部および第一およ
び第二クラッチピストン10,20の内周部には、シー
ル用リング9を摺接可能にするための表面処理が必要で
ある。
【0011】従って、請求項1に記載の発明は、前者の
問題に鑑み、受圧面積の大きなクラッチピストンおよび
受圧面積の小さなクラッチピストンの配置を逆転させ
て、クラッチドラムをその底壁に近い端部で小径化し得
るようにし、もって、クラッチドラムの外周部に他の要
素の収納スペースを確保し得るようにすると共に、後者
の問題をも解消し得るようにしたタンデムピストン型湿
式多板クラッチを提供することを目的にする。
【0012】また請求項2に記載の発明は、クラッチピ
ストンに施す表面処理を軽減することにより低コスト化
を図ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、本発明である、請求項1に係る、タンデムピストン
型湿式多板クラッチは、クラッチドラム内に、該クラッ
チドラムの底壁側より順次タンデムに配した受圧面積の
異なる2個のクラッチピストンを摺動自在に嵌合し、前
記クラッチドラムの底壁およびこれに近いクラッチピス
トン間に画成されたシリンダ室と、両クラッチピストン
間に画成されたシリンダ室とにそれぞれ流体圧を供給す
ることによりクラッチ締結を行うようにしたタンデムピ
ストン型湿式多板クラッチにおいて、前記受圧面積の異
なる2個のクラッチピストンのうち、受圧面積の小さな
クラッチピストンを受圧面積の大きなクラッチピストン
よりも前記クラッチドラムの底壁に近い側に配置し、前
記両シリンダ室に生じた遠心油圧による影響をなくすた
めに、前記受圧面積の小さなクラッチピストンから遠い
前記受圧面積の大きなクラッチピストン側に配して該受
圧面積の大きなクラッチピストン内に、該受圧面積の小
さなクラッチピストンより大きな受圧面積を持ったキャ
ンセルピストンを摺動自在に嵌合し、これら受圧面積の
大きなクラッチピストンおよびキャンセルピストン間に
遠心キャンセル室を画成したことを特徴とするものであ
る。
【0014】また、本発明である、請求項2に係る、タ
ンデムピストン型湿式多板クラッチは、請求項1におい
て、前記受圧面積の異なる2個のクラッチピストンの外
周部それぞれを前記クラッチドラム内に摺動自在に嵌合
させることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の効果】上記構成により、本発明である、請求項
1に係る、タンデムピストン型湿式多板クラッチは、ク
ラッチドラム内に嵌合する受圧面積の異なる2個のクラ
ッチピストンのうち、受圧面積の小さなクラッチピスト
ンを受圧面積の大きなクラッチピストンよりも前記クラ
ッチドラムの底壁に近い側に配置したから、前記クラッ
チドラムをその底壁に近い端部で小径化することがで
き、該クラッチドラムの底壁に近い外周部付近に他の要
素をレイアウトするための収納スペースを確保できる。
【0016】また、前記受圧面積の大きなクラッチピス
トンおよび前記キャンセルピストン間に遠心キャンセル
室を画成したから、前記キャンセルピストンの受圧面積
は、前記受圧面積の小さなクラッチピストンの受圧面積
よりも大きくなる。従って、クラッチを解放する際に前
記シリンダ室内にソレノイド圧が残存しても、2個のク
ラッチピストンに加わるリターン力が大きくなるから、
前記クラッチ残圧によって生じるクラッチの解放遅れを
解消できる。
【0017】加えて、本発明である、請求項2に係る、
タンデムピストン型湿式多板クラッチは、請求項1にお
いて、前記受圧面積の異なる2個のクラッチピストンの
外周部それぞれを前記クラッチドラム内に摺動自在に嵌
合させるから、これら受圧面積の大きなクラッチピスト
ンおよび受圧面積の小さなクラッチピストンの外周部
と、前記キャンセルピストンの外周部とに設けたシール
材を摺接させるために必要となる表面処理は、前記受圧
面積の異なる2個のクラッチピストンに設けたシール材
それぞれが摺接するクラッチドラムの内周面と、キャン
セルピストンに設けたシール材が摺接する受圧面積の大
きな前記クラッチピストンの内周部だけとなる。従っ
て、前記受圧面積の小さなクラッチピストンに対する表
面処理は一切不要となり、当該受圧面積の小さなクラッ
チピストンの表面処理に要するコスト分だけコスト低減
が図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるタンデムピス
トン型湿式多板クラッチを添付図面に基づいて詳細に説
明する。図1は、本発明の一実施形態を示した断面図で
あって、この実施形態は、クラッチドラム4と共に回転
するクラッチ板(セパレートプレート)C4 と、クラッ
チハブ5と共に回転するクラッチ板(フリクションプレ
ート)C5 とを受圧面積の大きな第二クラッチピストン
2により相互に押圧接触させることで締結を行うもので
ある。
【0019】クラッチドラム4は、プレス加工によって
成形され、シャフト7上を回転自在な中空シャフト8に
取り付けられている。クラッチドラム4内には、複数の
クラッチ板C4 が設けられ、このクラッチドラム4の底
壁4b側より順次タンデムに配して受圧面積の小さな第
一クラッチピストン1および受圧面積の大きな第二クラ
ッチピストン2とを摺動自在に嵌合する。
【0020】これにより、クラッチドラム4および第一
クラッチピストン1で第一のシリンダ室S1 が画成さ
れ、クラッチドラム4、第一クラッチピストン1および
第二クラッチピストン2で第二のシリンダ室S2 が画成
される。なお、第一および第二クラッチピストン1,2
の外周部それぞれにはオイルシール9が設けられ、これ
らオイルシール9がクラッチドラム4の内周部に摺接す
る。
【0021】また、第二クラッチピストン2の内周部に
は、このクラッチピストン2とほぼ同等の受圧面積を持
ったキャンセルピストン3を摺動自在に嵌合し、第二ク
ラッチピストン2およびキャンセルピストン3で第一お
よび第二シリンダ室S1 ,S2 内に生じた遠心油圧を相
殺するための遠心キャンセル室S3 を画成する。オイル
が充填された遠心キャンセル室S3 には、リターンスプ
リング6が収容され、第二クラッチピストン2は、キャ
ンセルピストン3で支持したリターンスプリング6によ
ってクラッチドラム4の底壁4b側に付勢される。な
お、キャンセルピストン3の外周部にはオイルシール9
が設けられ、このオイルシール9が第二クラッチピスト
ン2の内周部に摺接する。
【0022】クラッチハブ5には、複数のクラッチ板C
5 が設けられ、クラッチドラム4の内周面に設けられた
複数のクラッチ板C4 と交互に組み付けられる。なお、
クラッチ板C5 の表面には、摩擦材であるクラッチフェ
ーシングCf が取り付けてある。
【0023】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0024】クラッチを締結する際は、シリンダ室S1
またはS2 に導入路11または12からオイルを供給
し、シリンダ室S1 またはS2 に生じるクラッチ圧によ
り第一および第二クラッチピストン1,2、または第二
クラッチピストン2をクラッチハブ5側に摺動させ、第
二クラッチピストン2がクラッチドラム4のクラッチ板
C4 を押圧する。これにより、クラッチドラム4のクラ
ッチ板C4 とクラッチハブ5のクラッチ板C5 とが相互
に押圧接触して締結が行われる。
【0025】クラッチを解除する際は、シリンダ室S1
,S2 それぞれに導入路11,12からオイルを排出
し、遠心キャンセル室S3 の遠心油圧とシリンダ室S1
,S2の遠心油圧との差圧とリターンスプリング6の付
勢圧とにより、第一および第二クラッチピストン1,
2、または第二クラッチピストン2をクラッチドラム4
の底壁4b側に摺動させ、第二クラッチピストン2を元
位置に戻し、第二クラッチピストン2によるクラッチ板
C4 への押圧を解除する。これにより、第二クラッチピ
ストン2がクラッチ板C4 とクラッチ板C5 との押圧接
触を解除してクラッチを解放する。
【0026】ここで本実施形態の効果を説明するため、
本実施形態と従来技術として例示した前記公報とを比較
する。図2の従来技術を参照すると、第一クラッチピス
トン10とキャンセルピストン30間には、遠心油圧を
相殺するために第一の遠心キャンセル室S4 が画成さ
れ、第一クラッチピストン10には連通路13が形成さ
れている。また、第一クラッチピストン10および第二
クラッチピストン20間には、遠心油圧を相殺するため
の第二遠心キャンセル室S5 が画成され、第二クラッチ
ピストン20には連通路14が形成されている。
【0027】しかしながら、従来のタンデムピストン型
湿式多板クラッチにあっては、第二クラッチピストン2
0をクラッチドラム40の底壁40bに近い側に配置す
るため、クラッチドラム40の外径寸法が軸線方向に沿
ってほぼ均一な円筒形状となり、タンデムピストン型湿
式多板クラッチ周りに他の要素をレイアウトしようとす
る際に、そのためのスペースを確保し難い。
【0028】また、キャンセルピストン30の受圧面積
が、寸法(X)で示すように、第一クラッチピストン1
0と同じ受圧面積になる構造のため、キャンセルピスト
ン30の受圧面積は小さくなる。このため、シリンダ室
S1 ,S2 の作動油は、電子制御されてソレノイド圧を
作り出すが、ソレノイドはクラッチの非作動に際して、
作動油圧を完全には排除することができず、ソレノイド
残圧をシリンダ室S1,S2 に残存させ、クラッチの解
放遅れを生じさせる。
【0029】これに対して、図1のタンデムピストン型
湿式多板クラッチは、クラッチドラム4内に嵌合する受
圧面積の異なる第一および第二クラッチピストン1,2
のうち、受圧面積の小さな第一クラッチピストン1を受
圧面積の大きな第二クラッチピストン2よりもクラッチ
ドラム4の底壁4bに近い側に配置したから、例えば、
クラッチドラム4の外径を、受圧面積の大きな第二クラ
ッチピストン2との摺動部より受圧面積の小さな第一ク
ラッチピストン1との摺動部の方が小さくなるようにす
ることで、クラッチドラム4の外周を、その底壁4bに
近い端部で小径化することができ、このクラッチドラム
4の底壁4bに近い外周部付近に他の要素をレイアウト
するための収納スペースを確保できる。
【0030】また、図1では、受圧面積の大きな第二ク
ラッチピストン2およびキャンセルピストン3間に遠心
キャンセル室S3 を画成したから、キャンセルピストン
3の受圧面積は、受圧面積の小さな第一クラッチピスト
ン1の受圧面積よりも大きくなる。従って、クラッチを
解放する際にシリンダ室S1 ,S2 内にソレノイド圧が
残存しても、2個のクラッチピストン1,2に加わるリ
ターン力が大きくなるから、前記クラッチ残圧によって
生じるクラッチの解放遅れが解消され、クラッチを解放
する際のクラッチ応答性が向上する。
【0031】なお、第一シリンダ室S1 を使用するの
は、クラッチトルク容量を小さくしたいときであるが、
本実施形態によれば、受圧面積の異なる第一および第二
クラッチピストン1,2に加わるリターン力が大きくな
る分、第一および第二クラッチピストン1,2に作用す
るクラッチ圧を従来と比較して高めに設定できるから、
脈動などの外乱に強い油圧制御が可能になる。
【0032】加えて、本発明によるタンデムピストン型
湿式多板クラッチは、上記構成において、受圧面積の小
さな第一クラッチピストン1および受圧面積の大きな第
二クラッチピストン2の外周部それぞれをクラッチドラ
ム4内に摺動自在に嵌合させるから、これら第一および
第二クラッチピストン1,2の外周部とキャンセルピス
トン3の外周部とに設けたオイルシール9を摺接させる
ために必要となる表面処理は、第一および第二クラッチ
ピストン1,2それぞれに設けたオイルシール9が摺接
するクラッチドラム4の内周部と、キャンセルピストン
3に設けたオイルシール9が摺接する受圧面積の大きな
第二クラッチピストン2の内周部だけとなる。従って、
受圧面積の小さな第一クラッチピストン1に対する表面
処理は一切不要となり、この受圧面積の小さな第一クラ
ッチピストン1の表面処理に要するコスト分だけコスト
低減が図れる。
【0033】なお、上述したところは、本発明の好適な
実施形態を示したにすぎず、当業者によれば、請求の範
囲において、種々の変更を加えることができる。例え
ば、クラッチハブは、回転自在なシャフトに取り付けて
も、遊星歯車機構のキャリアに取り付けてもよい。ま
た、本実施形態のクラッチにおける入力回転は、クラッ
チドラム側からでも、クラッチハブ側からでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明であるタンデムピストン型湿式多板クラ
ッチの一実施形態を示した断面図である。
【図2】従来のタンデムピストン型湿式多板クラッチを
例示した断面図である。
【符号の説明】
1 第一クラッチピストン 2 第二クラッチピストン 3 キャンセルピストン 4 クラッチドラム 4b クラッチドラムの底壁 5 クラッチハブ 6 リターンスプリング 7 シャフト 8 中空シャフト 9 オイルシール 11 第一シリンダ室側導入路 12 第二シリンダ室側導入路 C4 クラッチ板(セパレートプレート) C5 クラッチ板(フリクションプレート) Cf クラッチフェーシング S1 第一シリンダ室 S2 第二シリンダ室 S3 遠心キャンセル室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 賢一郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 早崎 康市 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッチドラム内に、該クラッチドラム
    の底壁側より順次タンデムに配した受圧面積の異なる2
    個のクラッチピストンを摺動自在に嵌合し、前記クラッ
    チドラムの底壁およびこれに近いクラッチピストン間に
    画成されたシリンダ室と、両クラッチピストン間に画成
    されたシリンダ室とにそれぞれ流体圧を供給することに
    よりクラッチ締結を行うようにしたタンデムピストン型
    湿式多板クラッチにおいて、 前記受圧面積の異なる2個のクラッチピストンのうち、
    受圧面積の小さなクラッチピストンを受圧面積の大きな
    クラッチピストンよりも前記クラッチドラムの底壁に近
    い側に配置し、前記両シリンダ室に生じた遠心油圧によ
    る影響をなくすために、前記受圧面積の小さなクラッチ
    ピストンから遠い前記受圧面積の大きなクラッチピスト
    ン側に配して該受圧面積の大きなクラッチピストン内
    に、該受圧面積の小さなクラッチピストンより大きな受
    圧面積を持ったキャンセルピストンを摺動自在に嵌合
    し、これら受圧面積の大きなクラッチピストンおよびキ
    ャンセルピストン間に遠心キャンセル室を画成したこと
    を特徴とするタンデムピストン型湿式多板クラッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記受圧面積の異な
    る2個のクラッチピストンの外周部それぞれを前記クラ
    ッチドラム内に摺動自在に嵌合させることを特徴とする
    タンデムピストン型湿式多板クラッチ。
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