JP2016169759A - 摩擦係合装置 - Google Patents

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広明 三治
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Abstract

【課題】第1のピストン及び第2のピストンを有し、かつ軸方向にコンパクトな摩擦係合装置を提供する。【解決手段】多板クラッチ1の油圧サーボ3は、摩擦部4を押圧可能な第1ピストン21と、第1ピストン21を摩擦部4へ向けて押圧可能な第2ピストン31とを有する。第2ピストン31が嵌合するシリンダ部材11の外周部は、軸方向に延出する延出部15となっており、該延出部15は内周側において第2ピストン31を摺動自在に支持すると共に、外周側において第1ピストン21を摺動自在に支持する。これにより、第1ピストン21及び第2ピストン31を軸方向に重なり合うように配置して、油圧サーボ3を軸方向にコンパクトに構成する。【選択図】図1

Description

この技術は、例えば車両用の自動変速機等に設けられる多板クラッチ及び多板ブレーキ等の摩擦係合装置に関する。
従来、自動変速機等に設けられる多板クラッチ及び多板ブレーキ等の摩擦係合装置において、第1作動油室から油圧を受けて摩擦板を押圧する第1のピストンに加えて、第1作動油室と別個の第2作動油室から油圧を受けて、第1のピストンを介して間接的に摩擦板を押圧する第2のピストンを設けた、所謂ダブルチャンバーピストンを有するものが知られている。
特許文献1には、プレッシャープレートを押圧するアウタピストンと、アウタピストンに当接可能なインナピストンとを設け、インナピストンがアウタピストンを軸方向に押圧することで、アウタピストンがプレッシャープレートを押圧する押圧力を増大させた多板ブレーキのサーボ装置が記載されている。
また、特許文献2には、クラッチピストン室から作動油圧を受けて摩擦板を押圧するクラッチピストンと、該クラッチピストンと一体結合されると共に、クラッチピストン室を大径の区画と小径の区画とに画成する区画ピストンとを設け、作動油圧を小径の区画にのみ供給する場合と、クラッチピストン室全体に供給する場合とで切換え可能とすることで、クラッチの締結力を可変とした回転クラッチ装置が記載されている。
特公平5−30662号公報 特開平10−103381号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載のように、摩擦係合装置の一部をダブルチャンバーピストンで構成する場合、第1のピストンと第2のピストンとが軸方向に並んで配置され、装置が軸方向に大型化してしまうことが課題であった。
そこで本技術は、第1のピストン及び第2のピストンを有し、かつ軸方向にコンパクトに構成することが可能な摩擦係合装置を提供することを目的とするものである。
本摩擦係合装置(1)は、油圧駆動により摩擦板(4)を係合可能な摩擦係合装置において、
軸方向の一方に形成された第1作動油室(P1)から油圧を受けて軸方向に摺動して、前記摩擦板(4)を押圧可能な第1のピストン(21)と、
軸方向の一方に形成された第2作動油室(P2)から油圧を受けて軸方向に摺動して、前記第1のピストン(21)を前記摩擦板(4)に向けて押圧可能な第2のピストン(31)と、
前記第2のピストン(31)との間に前記第2作動油室(P2)を形成するシリンダ部(11)と、を備え、
前記シリンダ部(11)は、前記第2作動油室(P2)の外周にて軸方向に延出する環状の延出部(15a)を有し、該延出部(15a)の内周側において前記第2のピストン(31)を摺動自在に支持すると共に、外周側において前記第1のピストン(21)を摺動自在に支持する、ことを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
本摩擦係合装置によると、シリンダ部から軸方向に延出する延出部を設け、該延出部の外周側に第1のピストンが摺動自在に支持され、延出部の内周側に第2のピストンが摺動自在に支持されるため、第1のピストンと第2のピストンとを軸方向に重なり合うように配置して、装置全体を軸方向にコンパクトに構成することができる。
第1の実施形態に係る摩擦係合装置の断面図。 第2の実施形態に係る摩擦係合装置の断面図。
以下、図面に沿って本開示に係る摩擦係合装置について説明する。本摩擦係合装置は、遊星歯車機構を有する多段式変速機構の一部を構成しており、該変速機構は、図示を省略したトルクコンバータ、カウンタシャフト及びディファレンシャルギヤ等と共に、例えば乗用車に搭載される自動変速機を構成している。
なお、以下において説明の便宜を図るため、図1及び図2の図中右方側を「前方側」とし、反対側を「後方側」として、さらに左右方向を「軸方向」とする。
<第1の実施形態>
本実施形態に係る多板クラッチ1(摩擦係合装置)は、図1に示すように、複数の摩擦板からなる摩擦部4と、油圧駆動されて複数の摩擦板を互いに係合させる油圧サーボ3とを備えた湿式多板クラッチである。
摩擦部4の内摩擦板6は遊星歯車機構のキャリアCRと一体回転するクラッチハブ9にスプライン係合される一方、外摩擦板5は連結部材Aを介して変速機構の他の回転要素に連結されるクラッチドラム10にスプライン係合されている。内摩擦板6と外摩擦板5とは、軸方向に交互に配置されており、クラッチドラム10に固設されたスナップリング7によって後方への移動を規制されている。
[油圧サーボ]
油圧サーボ3は、クラッチドラム10と、第1ピストン21(第1のピストン)と、第2ピストン31(第2のピストン)と、キャンセルプレート22と、リターンスプリング23と、リアクションプレート32とを有し、これらが回転軸2に対して一体的に回転可能に構成されている。
クラッチドラム10は、回転軸2(軸部材)に回転自在に支持されるボス部13と、ボス部13の前方側から径方向に広がるフランジ部14a,14bと、フランジ部14bの外周側から後方へ延出して内側に外摩擦板5を支持するドラム部17と、フランジ部14a,14bから後方に延出する環状の延出部15とを有している。このうちボス部13、内周側のフランジ部14a、及び延出部15の内側部分を構成する第1円筒部15a(延出部)によって、後方に開いたシリンダ形状に一体成形されたシリンダ部材11(シリンダ部)が構成されている。また、ドラム部17、外周側のフランジ部14b、及び延出部15の外側部分を構成する第2円筒部15bによって、ドラム部材12が構成されている。
第1円筒部15aと第2円筒部15bとは、例えば溶接等によって一体に固着されている。これにより、径方向内側に位置するシリンダ部材11と径方向外側に位置するドラム部材12とで、一体的なクラッチドラム10が構成され、また、シリンダ部材11の第1円筒部15aとドラム部材12の第2円筒部15bとで、軸方向に一体となった延出部15が構成されている。
なお、延出部15は、一体的に固着された第1円筒部15a及び第2円筒部15bに代えて、円筒形状からなる一体部材を用いてもよく、あるいはシリンダ部材11及びドラム部材12と共に一体成形されて構成されてもよい。
第1ピストン21は、摩擦部4の径方向内方かつ軸方向に重なる位置に配置される受圧部41と、該受圧部41の外周端からクラッチハブ9を前方に迂回し、摩擦部4の最前方に位置する外摩擦板5に当接可能な当接部42とが、一体成形されて構成されている。受圧部41の内周部はボス部13に摺動自在に支持され、当接部42の外周部はクラッチドラム10に摺動自在に支持されている。また、当接部42の内周面42aは、前記第2円筒部15bに沿って前後方向に広がり、延出部15に摺動自在に当接している。
キャンセルプレート22は、第1ピストン21の後方に配置され、ボス部13に固設されたスナップリング25により後方への移動を規制されると共に、外周部において、第1ピストン21の受圧部41から後方に延長する延長部41aに摺動自在に当接している。キャンセルプレート22と第1ピストン21との間には、リターンスプリング23が軸方向に配向して縮設され、第1ピストン21の当接部42を摩擦部4から離間させるように付勢している。そして、キャンセルプレート22、第1ピストン21の受圧部41、及びボス部13に囲まれてキャンセル油室C1が形成されている。
第2ピストン31は、第1ピストン21の前方に配置され、シリンダ部材11に嵌入されており、シリンダ部材11との間に第2作動油室P2を形成している。具体的に、第2ピストン31の内周部はボス部13に摺動自在に支持され、シリンダ部材11の内面に沿って前方かつ径方向外側に広がり、外周部が第1円筒部15aに沿って後方に延出している。従って、第2ピストン31と、クラッチドラム10の延出部15と、第1ピストン21の当接部42とは、軸方向に重なり合って配置されている。第2ピストン31の外周部は、外周面31aにおいて延出部15に摺動自在に支持される一方、後方端が第1ピストン21に当接可能な当接部31bとなっている。
リアクションプレート32は、第1ピストン21の前方かつ第2ピストン31の後方に配置され、内周側でボス部13に当接すると共に、外周側で第2ピストン31に当接している。また、リアクションプレート32の内周部は、ボス部13に形成された段差状の段部13aに後方から当接し、前方への移動を規制されている。そして、リアクションプレート32と第1ピストン21との間に第1作動油室P1が形成され、さらにリアクションプレート32と第2ピストン31との間に第2キャンセル油室C2が形成されている。
なお、第1ピストン21の受圧部41は、第2ピストン31よりも大径であるため、軸方向に視て、第1作動油室P1の面積は第2作動油室P2の面積よりも大きい。第1作動油室P1及び第1キャンセル油室C1は、軸方向に視て略全体にわたって重なり合い、従って略等しい面積となるように形成されている。また、第2作動油室P2及び第2キャンセル油室C2は、軸方向に視て、第2ピストン31の外周部に重なる部分を除いて重なり合っている。従って、第2作動油室P2は、第2キャンセル油室C2に比して軸方向に視た面積が若干大きい。
第1作動油室P1は、シール部材s1〜s4によってシールされている。これらのシール部材は、第1ピストン21とボス部13との間(s1)、第1ピストン21と延出部15の外周面の間(s2)、リアクションプレート32とボス部13との間(s3)、及びリアクションプレート32と第2ピストン31との間(s4)、のそれぞれに設けられている。第2作動油室P2は、第2ピストン31とボス部13との間に設けられたシール部材s5によってシールされている。なお、第2ピストン31の外周面31aと延出部15との間隙には、シール部材は設けられておらず、第1作動油室P1と第2作動油室P2との間を油が往来可能となっている。
また、第1キャンセル油室C1は,シール部材s1と、第1ピストン21とキャンセルプレート22との間に設けられるシール部材s6とによってシールされ、第2キャンセル油室C2は、シール部材s3,s4,s5によってシールされている。
[油の給排経路]
次に、第1及び第2作動油室P1,P2並びに第1及び第2キャンセル油室C1,C2への油の給排経路を説明する。本実施形態において、第1作動油室P1及び第2作動油室P2の作動流体である油は、第1キャンセル油室C1及び第2キャンセル油室C2並びに変速機構の他の潤滑対象部位に供給される潤滑油として兼用されている。この油は、不図示のオイルポンプによりオイルタンクから吸入され、不図示の油圧制御装置により調圧された後、回転軸2の内部に形成された油路を介して変速機構へと供給されている。
第1作動油室P1及び第2作動油室P2に給排される油は、回転軸2の内部に形成された作動油路a0(油圧供給油路)を通って、ボス部13の内周側に形成された油溜りa1へと供給される。油溜りa1の前後におけるボス部13と回転軸2との間隙は、シール部材d1,d1によってシールされている。ボス部13には、油溜りa1に開口し、ボス部13の内部において前後方向に延出する作動油路a2(軸方向油路)が形成されている。該作動油路a2は、後方側にて径方向に延出して第1作動油室P1に連通する作動油路a3(第1径方向油路)に分岐すると共に、前方側にて径方向に延出して第2作動油室P2に連通する作動油路a4(第2径方向油路)に分岐している。
また、第1ピストン21の受圧部41の前側面には、径方向に延出する油溝o1(連通油路)が複数個所に形成されている。この油溝o1は、第2ピストン31の当接部31bが第1ピストン21に当接したときに、第1作動油室P1における当接部31bより内周側と当接部より外周側とを連通可能に形成されている。なお、第1ピストンに形成される油溝に代えて、第2ピストン31の当接部31bの一部を切欠いて油路を油溝を形成してもよい。
第1キャンセル油室C1及び第2キャンセル油室C2に供給される油は、回転軸2の内部に形成された潤滑油路b0を通って、ボス部13の内周側に形成された油溜りb1に供給される。ボス部13には、油溜りb1に開口し、ボス部13の内部かつ上記作動油路a2とは異なる位相において軸方向に延出する潤滑油路b2が形成されている。該潤滑油路b2は、後方側にて第1キャンセル油室C1に連通する潤滑油路b3に分岐すると共に、前方側にて第2キャンセル油室C2に連通する潤滑油路b4に分岐している。
[油圧サーボの動作]
上述した構成からなる多板クラッチ1は、油圧制御装置から油圧サーボ3に油圧を給排されることで、摩擦部4の内摩擦板6と外摩擦板5とを摩擦係合してキャリアCRと連結部材Aとの相対回転を規制する締結状態と、摩擦部4を解放してキャリアCRと連結部材Aとの相対回転を許容する解放状態とに切換る。
第1作動油室P1及び第2作動油室P2には、油圧制御装置から作動油路a0,a2,a3,a4を介して油圧が給排される。また、第1及び第2キャンセル油室C1,C2は、エンジンが回転してオイルポンプが作動して、油圧サーボ3も回転している間は常に油で満たされている。本実施形態において、第1作動油室P1と第2作動油室P2とは、作動油路a2,a3,a4及び第2ピストン31と延出部15との間隙を介して連続しているため、第1及び第2作動油室P1,P2の内圧は一体的に変動する。
第1作動油室P1及び第2作動油室P2に油圧が供給されると、第1作動油室P1から油圧を受けた第1ピストン21が、リターンスプリング23の付勢力に抗して後方へ摺動する。第1ピストン21の摺動と同時に、第2作動油室P2から油圧を受けた第2ピストン31が、第1ピストン21に当接して後方へと押圧する。そして、第1作動油室P1及び第2作動油室P2からの作動力を受けて、第1ピストン21の当接部42が外摩擦板5に当接して押圧し、内摩擦板6と外摩擦板5とを摩擦係合させる。これにより、多板クラッチ1は締結状態となる。
第1作動油室P1及び第2作動油室P2の油圧が解放されると、リターンスプリング23の付勢力により第1ピストン21が前方へと摺動し、当接部42が摩擦部4から離間する。また、第1ピストン21に押されて、第2ピストン31も前方へと摺動する。これにより、多板クラッチ1は解放状態となる。
上記締結状態において、第1作動油室P1の油は、リアクションプレート32と、延出部15の後側面とにおいて、クラッチドラム10からの反力をとることで第1ピストン21の受圧部41に作動力を与えている。一方、第2作動油室P2の油は、クラッチドラム10のシリンダ部材11から反力をとって第2ピストン31に作動力を与えている。従って、第1ピストン21の当接部42が摩擦部4を押圧する押圧力は、第1ピストン21が単独で動作するものに比して、第2ピストン31の押圧力の分だけ大きくなっている。これにより、摩擦板の1枚当たりのトルク容量を大きくすることができ、例えば多板クラッチのトルク容量を減少させることなく、摩擦板の枚数を減らして装置を軸方向に短縮することができる。
そして、第1ピストン21の外周側摺動面である当接部42の内周面42aと、第2ピストンの外周側摺動面である外周面31aとを、シリンダ部材11の延出部15の内周側と外周側とで軸方向に重なるように配置したことで、上述の効果を発揮するダブルチャンバー式の油圧サーボ3を軸方向にコンパクトに構成することができる。
また、第1ピストン21と第2ピストン31との間にリアクションプレート32を設けて、第2ピストン31との間に第2キャンセル油室C2を形成させたため、第2作動油室P2の油圧が解放されたときに、第2作動油室P2から第2ピストン31に掛かる遠心油圧は、第2キャンセル油室C2から第2ピストン31に掛かる遠心油圧によりキャンセルされる。これにより、リターンスプリング23の付勢力によって、第1ピストン21と同時に第2ピストン31を前方へと容易に押し戻すことができる。
また、リアクションプレート32には、後方へと付勢する力が作用することがない。具体的に、リアクションプレート32の第1作動油室P1からの受圧面積と、第2キャンセル油室C2からの受圧面積とは、略等しく構成されている。このため、第1作動油室P1及び第2キャンセル油室C2に油が満たされているときには、第1作動油室P1及び第2キャンセル油室C2からの遠心油圧が互いにキャンセルし、リアクションプレート32に軸方向の力が作用しない。また、第1作動油室P1に油圧が供給されるときには、リアクションプレート32には前方への付勢力が作用する。これにより、リアクションプレート32は、前方への移動を規制すれば十分であり、後方への移動を規制する規制部材(例えばスナップリング)を設ける必要がないので、油圧サーボ3を簡単な構成とすることができる。
なお、段部13aに代えて、リアクションプレート32の前方にスナップリングを設けてもよく、また、溶接等によりリアクションプレート32をボス部13に固設してもよい。要するに、リアクションプレート32の前方への移動を規制する構成であれば上述したものと同様の効果を発揮する。
<第2の実施形態>
続いて、上述した第1の実施形態の一部を変更した第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態における第1作動油室P1と第2作動油室P2とを隔てるシール部材s7を設け、第1作動油室P1と第2作動油室P2とに個別に油圧を給排可能としたものであり、それ以外の構成は同様であるため、重複する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る多板クラッチ1の油圧サーボ3は、第2ピストン31の外周面31aとクラッチドラム10の延出部15との間隙にシール部材s7が設けられており、上記間隙を通過して油が第1作動油室P1と第2作動油室P2との間で移動することを規制している。
第1作動油室P1は、ボス部13の内周側に形成された油溜りa7に開口して回転軸2に形成された作動油路a6と、油溜りa7から第1作動油室P1へと連通してボス部13に形成された作動油路a8(第1油路)とを介して油圧を給排される。また、第2作動油室P2は、ボス部13の内周側に形成された油溜りa10に開口して回転軸2に形成された作動油路a9と、油溜りa10から第2作動油室P2へと連通してボス部13に形成された作動油路a11(第2油路)とを介して油圧を給排される。これら第1作動油室P1へと向かう給排経路と、第2作動油室P2へと向かう給排経路とは、合流することなく構成され、油圧制御装置から独立して油圧を給排される。なお、ボス部13と回転軸2との間には、油溜りa7の前後をシールするシール部材d2,d2と、油溜りa10の前後をシールするシール部材d3,d3とが配置されている。
上述のように構成される多板クラッチ1は、締結力の異なる3つの締結状態(第1〜第3締結状態)を取ることができる。
油圧制御装置から第2作動油室P2へと油圧が供給され、第1作動油室P1が解放されるときには、第2ピストン31が油圧を受けて後方に摺動し、第1ピストン21を押圧する。そして、第1ピストン21の当接部42が摩擦部4に当接して押圧することで、内摩擦板6と外摩擦板5とが摩擦係合される。これにより、多板クラッチ1はキャリアCRと連結部材Aとを締結する第1締結状態となる。
また、油圧制御装置から第1作動油室P1へと油圧が供給され、第2作動油室P2が解放されるときには、第1ピストン21が油圧を受けて後方に摺動し、第2ピストン31は第1ピストンから離間する。そして、第1ピストン21の当接部42が摩擦部4に当接して押圧することで、内摩擦板6と外摩擦板5とが摩擦係合される。これにより、多板クラッチ1はキャリアCRと連結部材Aとを締結する第2締結状態となる。なおこのとき、第1ピストン21の受圧面積は、第2ピストンの受圧面積に比して大きく設けられているので、例えば第1作動油室P1への供給圧と第2作動油室P2への供給圧とを等しくすることで、第2締結状態の締結力を第1締結状態よりも大きく設定することができる。
さらに、油圧制御装置から第1作動油室P1と第2作動油室P2とに同時に油圧が供給されるときには、第1の実施形態と同様に、第1ピストン21が、第1作動油室P1から作動力を受取ると同時に、第2ピストン31を介して第2作動油室P2からも作動力を受取って摩擦部4を押圧する。これにより、多板クラッチ1は、第1及び第2締結状態よりもさらに大きな締結力でキャリアCRと連結部材Aとを締結する第3締結状態となる。
以上説明したように、本実施形態に係る多板クラッチ1は、第1ピストン21と第2ピストン31を有するダブルチャンバー式の油圧サーボ3により、トルク容量を可変に構成されている。
そして、第1ピストンの外周側摺動面である当接部42の内周面42aと、第2ピストンの外周側摺動面である外周面31aとを、シリンダ部材11の延出部15の内周側と外周側とで軸方向に重なるように配置したことで、ダブルチャンバー式の油圧サーボ3を軸方向にコンパクトに構成することができる。
なお、多板クラッチ1は、上記第1〜第3締結状態の全てを取り得る構成とする必要はなく、例えば上記第2締結状態と上記第3締結状態とを取り得る構成としてもよい。
<本実施の形態のまとめ>
本第1及び第2の実施形態に係る摩擦係合装置(1)は、油圧駆動により摩擦板(4)を係合可能な摩擦係合装置において、
軸方向の一方に形成された第1作動油室(P1)から油圧を受けて軸方向に摺動して、前記摩擦板(4)を押圧可能な第1のピストン(21)と、
軸方向の一方に形成された第2作動油室(P2)から油圧を受けて軸方向に摺動して、前記第1のピストン(21)を前記摩擦板(4)に向けて押圧可能な第2のピストン(31)と、
前記第2のピストン(31)との間に前記第2作動油室(P2)を形成するシリンダ部(11)と、を備え、
前記シリンダ部(11)は、前記第2作動油室(P2)の外周にて軸方向に延出する環状の延出部(15a)を有し、該延出部(15a)の内周側において前記第2のピストン(31)を摺動自在に支持すると共に、外周側において前記第1のピストン(21)を摺動自在に支持する、
ことを特徴とする。
本摩擦係合装置によると、シリンダ部から軸方向に延出する延出部を設け、該延出部の外周側に第1のピストンが摺動自在に支持され、延出部の内周側に第2のピストンが摺動自在に支持されるため、第1のピストンと第2のピストンとを軸方向に重なり合うように配置して、装置全体を軸方向にコンパクトに構成することができる。
また、本第1及び第2の実施形態に係る摩擦係合装置(1)は、軸方向に前記第1のピストン(21)と前記第2のピストン(31)との間に配置され、前記シリンダ部(11)に当接して前記軸方向の一方への移動が規制されたリアクションプレート(32)を備え、
前記リアクションプレート(32)は、前記第1のピストン(21)との間に前記第1作動油室(P1)を形成すると共に、前記第2のピストン(31)との間にキャンセル油室(C2)を形成する、ことを特徴とする。
これにより、第1作動油室に供給された油圧は、リアクションプレートを介してシリンダ部に反力をとって、第1のピストンに作動力を与えることができる。そして、第1作動油室と第2作動油室とに油圧が供給されることで、第1のピストンは、第1作動油室から作動力を受取ると共に、第2のピストンを介して第2作動油室から作動力を受取るので、単独の作動油室から作動力を受取る場合に比して強い力で摩擦板を押圧することができる。
さらに、本第1及び第2の実施形態に係る摩擦係合装置(1)は、前記第1のピストン(21)及び前記第2のピストン(31)の少なくとも一方に、前記第2のピストン(31)が前記第1のピストン(21)に当接した状態で、前記第1作動油室(P1)における前記第1のピストン(21)と前記第2のピストン(31)の当接部(31a)の径方向内側と外側とを連通する連通油路(o1)が形成されている、ことを特徴とする。
これにより、第2のピストンが第1のピストンに当接した状態で、第1作動油室に給排される油圧が、連通油路を介して当接部の径方向内側と外側とに円滑に給排されるため、第1のピストンの応答性を高めることができる。
さらに、本第2の実施形態に係る摩擦係合装置(1)は、前記シリンダ部(11)と前記第2のピストン(31)との間に配置され、前記第1作動油室(P1)と前記第2作動油室(P2)とを隔てるシール部材(s7)と、
前記第1作動油室(P1)に油圧を給排する第1油路(a8)と、
前記第2作動油室(P2)に油圧を給排する第2油路(a11)と、を備え、
前記第1作動油室(P1)と前記第2作動油室(P2)とに個別に油圧を給排可能とする、ことを特徴とする。
これにより、第1及び第2作動油室のいずれか一方に油圧を供給して他方を解放する場合と、第1及び第2作動油室に共に油圧を供給する場合とで、第1のピストンが摩擦板を押圧する押圧力を変化させることができ、多板クラッチのトルク容量を可変とすることができる。
あるいは、本第1の実施形態に係る摩擦係合装置(1)の前記シリンダ部(11)は、
軸部材(2)の外周側に回転自在に支持され、
前記軸方向に形成され、前記軸部材(2)に形成された油圧供給油路(a0)から供給される油圧を軸方向に連通する軸方向油路(a2)と、
前記軸方向油路から径方向外周側に向けて形成され、前記軸方向油路(a2)と前記第1作動油室(P1)とを連通する第1径方向油路(a3)と、
前記軸方向油路(a2)から径方向外周側に向けて形成され、前記軸方向油路(a2)と前記第2作動油室(P2)とを連通する第2径方向油路(a4)と、を有する、ことを特徴とする。
これにより、軸部材に形成された油圧供給油路と軸方向油路との間の1カ所をシールするだけで、第1作動油室と第2作動油室との2箇所に油圧供給を行うことができる。そして、例えば第1作動油室と第2作動油室とに対してそれぞれ軸部材から2つの油路で連通させる場合に比して、シール部材の数を減らすことができ、摺動抵抗による伝達効率の低下を抑えることができる。
<他の実施の可能性>
本技術は、多段式自動変速機の変速機構の一部を構成する多板クラッチとして適用したが、多板ブレーキのように固定部材に回転部材を係止可能な装置として適用してもよい。また、本技術は、無段階自動変速機や、電動モータに自動変速機を組み合わせた車両の一部として適用してもよい。
1・・・摩擦係合装置(多板クラッチ)
2・・・軸部材(回転軸)
3・・・油圧サーボ
4・・・摩擦板(摩擦部)
11・・・シリンダ部
15・・・延出部
15a・・・第1円筒部(延出部)
21・・・第1のピストン(第1ピストン)
31・・・第2のピストン(第2ピストン)
32・・・リアクションプレート
C1・・・第1キャンセル油室
C2・・・第2キャンセル油室
P1・・・第1作動油室
P2・・・第2作動油室
a0・・・油圧供給油路(作動油路)
a2・・・軸方向油路(作動油路)
a3・・・第1径方向油路(作動油路)
a4・・・第2径方向油路(作動油路)
a8・・・第1油路(作動油路)
a11・・・第2油路(作動油路)
o1・・・連通油路(油溝)
s7・・・シール部材

Claims (5)

  1. 油圧駆動により摩擦板を係合可能な摩擦係合装置において、
    軸方向の一方に形成された第1作動油室から油圧を受けて軸方向に摺動して、前記摩擦板を押圧可能な第1のピストンと、
    軸方向の一方に形成された第2作動油室から油圧を受けて軸方向に摺動して、前記第1のピストンを前記摩擦板に向けて押圧可能な第2のピストンと、
    前記第2のピストンとの間に前記第2作動油室を形成するシリンダ部と、を備え、
    前記シリンダ部は、前記第2作動油室の外周にて軸方向に延出する環状の延出部を有し、該延出部の内周側において前記第2のピストンを摺動自在に支持すると共に、外周側において前記第1のピストンを摺動自在に支持する、
    ことを特徴とする摩擦係合装置。
  2. 軸方向に前記第1のピストンと前記第2のピストンとの間に配置され、前記シリンダ部に当接して前記軸方向の一方への移動が規制されたリアクションプレートを備え、
    前記リアクションプレートは、前記第1のピストンとの間に前記第1作動油室を形成すると共に、前記第2のピストンとの間にキャンセル油室を形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の摩擦係合装置。
  3. 前記第1のピストン及び前記第2のピストンの少なくとも一方に、前記第2のピストンが前記第1のピストンに当接した状態で、前記第1作動油室における前記第1のピストンと前記第2のピストンの当接部の径方向内側と外側とを連通する連通油路が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の摩擦係合装置。
  4. 前記シリンダ部と前記第2のピストンとの間に配置され、前記第1作動油室と前記第2作動油室とを隔てるシール部材と、
    前記第1作動油室に油圧を給排する第1油路と、
    前記第2作動油室に油圧を給排する第2油路と、を備え、
    前記第1作動油室と前記第2作動油室とに個別に油圧を給排可能とする、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の摩擦係合装置。
  5. 前記シリンダ部は、
    軸部材の外周側に回転自在に支持され、
    前記軸方向に形成され、前記軸部材に形成された油圧供給油路から供給される油圧を軸方向に連通する軸方向油路と、
    前記軸方向油路から径方向外周側に向けて形成され、前記軸方向油路と前記第1作動油室とを連通する第1径方向油路と、
    前記軸方向油路から径方向外周側に向けて形成され、前記軸方向油路と前記第2作動油室とを連通する第2径方向油路と、を有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の摩擦係合装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111886783A (zh) * 2018-03-28 2020-11-03 爱信艾达株式会社 车辆用驱动装置
WO2023057006A1 (de) * 2021-10-08 2023-04-13 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Drehmomentverteileinrichtung für ein kraftfahrzeug mit zwei druckmittelbetätigte kupplungen mit doppelkolben und verfahren zum betrieb der drehmoment-verteileinrichtung

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