JPH11199677A - 硬化性組成物及びそれを用いた成形体の作製方法 - Google Patents

硬化性組成物及びそれを用いた成形体の作製方法

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JPH11199677A
JPH11199677A JP31008698A JP31008698A JPH11199677A JP H11199677 A JPH11199677 A JP H11199677A JP 31008698 A JP31008698 A JP 31008698A JP 31008698 A JP31008698 A JP 31008698A JP H11199677 A JPH11199677 A JP H11199677A
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JP
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curable composition
component
group
compound
temperature
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JP31008698A
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English (en)
Inventor
Manabu Tsumura
学 津村
Takanao Iwahara
岩原孝尚
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒドロシリル化反応により硬化可能な硬化性
組成物で高弾性率・高強度なケイ素系高分子硬化物を得
る。 【解決手段】 (A)1分子中に少なくとも2個以上の
SiH基を有する分子量1000以下のケイ素化合物、
(B)1分子中に少なくとも2個以上のアルケニル基を
有する分子量1000以下のケイ素化合物、及び(C)
ヒドロシリル化触媒を必須成分とした硬化性組成物であ
って、多芳香環を有する(A)、(B)成分の少なくと
も一方の総重量が硬化性組成物全体の30〜99重量%
を有することを特徴とする、ヒドロシリル化反応によっ
て硬化可能な硬化性組成物、及び該硬化性組成物を用い
た成形体の作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はSiH基を持つ化合
物とアルケニル基を持つケイ素化合物とを用いた硬化性
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロシリル化反応を用いて硬化可能な
硬化性組成物として、主鎖がシロキサンユニットのみか
らなる、ゴム系(直鎖型)・レジン系(高架橋密度タイ
プ)のシロキサン系硬化性組成物が知られている。しか
し、主鎖がシロキサンユニットのみからなるため、構造
材料として用いるためには必要な力学特性が低いことが
低いことが問題であった。また、特開平08−1576
03に、ヒドロシリル化反応を用いて硬化可能な硬化性
組成物の合成方法が示されている。しかしながら、それ
らの曲げ弾性率は1.36〜1.79GPaと構造材料
として用いるには小さい値であり、強度に関しては記載
されていなかった。さらに熱時強度を付与する指針につ
いてはなんら示されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Si
H基を持つ化合物とアルケニル基を持つケイ素化合物を
用いてワンポット反応で硬化可能なケイ素系硬化性組成
物を提供することである。
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、特定の化学構造を有する成分を用いればヒドロシ
リル化反応によって硬化可能な硬化性組成物が力学特性
に優れた硬化物を与えることを見出し本発明をなすに至
った。
【0004】すなわち、本発明は、(A)成分として1
分子中に少なくとも2個以上のSiH基を有する分子量
1000以下のケイ素化合物、及び又は(B)成分とし
て1分子中に少なくとも2個以上のアルケニル基を有す
る分子量1000以下のケイ素化合物、(C)成分とし
てヒドロシリル化触媒を必須成分とした硬化性組成物で
あって、(A)成分として下記式(1)で表される化合
物、
【0005】
【化4】 及び(B)成分として下記式(2)で表される化合物か
ら選択される少なくとも一方の化合物の総重量が硬化性
組成物全体の30〜99重量%を有することを特徴とす
る、ヒドロシリル化反応によって硬化可能な硬化性組成
物。
【0006】
【化5】 (式(1)及び(2)中のR1、R2、RR、R4は各々独
立に炭素数1〜20までの1価の有機基または水素基で
あり、R5、R6、RV、R8は各々独立に炭素数1〜20
までの1価の有機基であり、Xは2つ以上の芳香族炭化
水素基を含む基である。)(請求項1) また、上記一般式(1)、(2)においてXを以下の中
から独立に選択した請求項1記載の硬化性組成物。(請
求項2)
【0007】
【化6】 また、上記一般式(2)においてR5、R6、RV、R8
アルケニル基であることを特徴とする請求項1、2いず
れかに記載の硬化性組成物。(請求項3) また、
(A)〜(C)100重量部に対して、0〜1000体
積部の有機溶媒に均一に溶解させた請求項1〜3記載の
硬化性組成物を、用いた有機溶媒の沸点より低い温度で
8時間以上保持し、その後20〜450℃の温度で段階
的あるいは連続的に昇温させることを特徴とする成形体
の作製方法である。(請求項4)
【発明の実施の形態】本発明の特徴である2価の芳香族
炭化水素基Xを持つ(A)成分及び又は(B)成分は、
本願発明の硬化性組成物中単独であるいは合わせて30
〜99重量%用いることが出来る。これは溶媒を除いた
硬化性組成物に換算した値である。本願組成物が強度を
有する理由は、反応後に形成される骨格構造などに由来
するものと考えられ、それより得られる硬化物が高強度
・高弾性率などの特徴を有すると推定される。
【0008】本発明に用いる(A)成分は、下記式
(1)で表される化合物であり、2価の芳香族基:Xを
有する1分子中に少なくとも2個以上のSiH基を有す
る分子量1000以下のケイ素化合物である。式(1)
中のR1、R2、R3、R4は各々独立に炭素数1〜20ま
での1価の有機基または水素である。
【0009】
【化7】 2価の芳香族基:Xは下記に示す構造が挙げられる。
【0010】
【化8】 これらのうちで、
【0011】
【化9】 が好ましい。さらには、
【0012】
【化10】 が特に好ましい。(A)成分の好ましい具体例として、
【0013】
【化11】 で示す構造をあげることができる。本発明の(A)成分
の分子量は1000以下が好ましく、500以下がさら
に好ましい。
【0014】(A)成分として上記成分をその重量が硬
化性組成物全体の30〜99重量%用いることが出来
る。高強度を達成するためには、(A)成分は50重量
%〜99重量%が好ましく、70重量%〜99重量%用
いるのが更に好ましい。またヒドロシリル化により硬化
可能なアルケニル基を持つ化合物は、分子中に少なくと
も2個のアルケニル基を有するケイ素化合物であれば特
に制限無く用いることができる。式: CH2=CR'-SiR2-Y
-SiR2-CR'=CH2・・(3) CH2=CR'-SiR2-CR'=CH2・・(4) (CH2=CH)aSiR(4-a)・・(5) (CH2=CH)(a-1)SiR(4-a)-(Y)m(SiRH)nSiR(4-a)(CH=CH2)(a-1)・・(6) R'-(Y)R'm[SiR(CH=CH2)](n+2)-R'・・(7) [Y-SiR(4-a)(CH=CH2)(a-2)](n+2)・・(8) (式中、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表
し、R’は水素または1価の炭化水素基を表し、Yは2
価の基を表し、aは3〜4の整数、nは0〜30の整
数、mは1〜31の整数を表す。)で表されるビニルシ
ラン、または芳香環上の3個以上の水素がSiR2(CH=C
H2)、SiR(CH=CH2)2、Si(CH=CH2)3(Rは炭素数1〜20
の1価の有機基を表す。)で置換された芳香環と該置換
基からなるビニルシランなどを好ましく使用することが
できる。
【0015】式(3)〜(8)中の1価の有機基として
は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピ
ル、n-ブチル、t-ブチル、イソアミル、n-オクチル、n-
ノニル、フェニル基、クロル基、トリメチルシロキシ基
等が挙げられ、メチル基、フェニル基が好ましい。式
(3)、(6)、(7)、(8)中の2価の基:Yは、
具体的には下記に示す構造があげられる。
【0016】
【化12】 具体的には以下に示す構造を挙げることが出来る。
【0017】
【化13】 (式中、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表
し、nは3〜5の整数を表す。)で示される構造が好ま
しい。また、本発明に用いる(B)成分は、下記式
(2)で表される化合物であり、 2価の芳香族基:Xを有する1分子中に少なくとも2個
以上のアルケニル基を有する分子量1000以下のケイ
素化合物である。式(2)中のR5、R6、R7、R8は各
々独立に炭素数1〜20までの1価の有機基である。
【0018】
【化14】 2価の芳香族基:Xは下記に示す構造があげられる。
【0019】
【化15】 これらのうちで、
【0020】
【化16】 が好ましい。さらには、
【0021】
【化17】 が特に好ましい。耐熱性を付与する点から(B)成分の
ケイ素上のアルケニル基は3〜6個が好ましく、4〜6
個がさらに好ましく、5〜6個が特に好ましい。(B)
成分の好ましい具体例として、
【0022】
【化18】 で示す構造をあげることができる。本発明の(B)成分
の分子量は1000以下が好ましく、500以下がさら
に好ましい。
【0023】(B)成分として上記成分をその重量が硬
化性組成物全体の30〜99重量%用いることができ
る。高強度を達成するためには(B)成分は50重量%
〜99重量%用いることが好ましく、70重量%〜99
重量%用いるのが更に好ましい。また、ヒドロシリル化
により硬化可能なSiH基を持つ化合物は、分子中に少
なくとも2個のSiH基を有する分子量1000以下の
ケイ素化合物であれば特に制限無く用いることができ
る。 式: HSiR2-Y-SiR2H・・(9) HSiR2H・・(10) HaSiR(4-a)・・(11) H(a-1)SiR(4-a)-(Y)m(SiRH)nSiRi(4-a)H(a-1)・・(12) R'-(Y)m(SiRH)(n+2)-R'・・(13) [Y-SiR(4-a)H(a-2)](n+2)・・(14) (式中、R,Y及びR’は式(3)〜(8)中のR,Y及び
R'と同じである。nは0〜30の整数、mは1〜31の整
数を表す。)で表されるヒドロシラン、または芳香環上
の3個以上の水素がSiR2H、SiRH2、SiH3(Rは炭素数1
〜20の1価の有機基を表す。)で置換された芳香環と
該置換基からなるヒドロシランなどを好ましく使用する
ことができる。これらの化合物は1種類でも2種類以上
用いても良い。具体的には、以下に示す構造を挙げるこ
とが出来る。
【0024】
【化19】 本発明では付加反応で硬化できる(A)及び又は(B)
成分に加えて、使用目的に応じて、分子中にSi基とビ
ニルシリル基をそれぞれ少なくとも1個ずつ有する、分
子量1000以下の有機ケイ素化合物を用いることがで
きる。具体的には、次の化合物:
【0025】
【化20】 (式中、Meは前記と同じ。)を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物中の付加反応に関与する化合物全
てのSiH/Si−ビニル基の比は、0.5〜5が好ま
しく、0.6〜3がさらに好ましく、0.8〜2が特に
好ましい。
【0026】本発明の(C)成分であるヒドロシリル化
触媒は、白金の錯体、アルミナ、シリカ、カーボンブラ
ックなどの単体に固体白金を担持させたもの、塩化白金
酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなど
の錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=C
H22(PPh32Pt(CH2=CH22Cl2);白金−ビニルシ
ロキサン錯体(例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)m、Pt
[(MeViSiO)4m)、白金−ホスフィン錯体(例え
ば、Pt(PPh34、P(PBu)4)、白金−ホスファイト錯
体(例えば、Pt[P(OPh)34)(式中、Meはメチル
基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表
し、m,nは整数を表す)、ジカルボニルジクロロ白
金、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159
601及び、3159662号書中に記載された白金−
炭化水素複合体、並びに、ラモロー(Lamoreaux)の米
国特許第3220972号明細書中に記載された白金ア
ルコラート触媒も挙げられる。さらに、モディク(Modi
c)の米国特許第3516946号明細書中に記載され
た塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用で
ある。
【0027】また、白金化合物以外の触媒の例としては
RhCl(PPh33、RhCl3、RhAl2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl
3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、などが挙げら
れる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上
併用しても構わない。触媒活性の点から、塩化白金酸、
白金ーオレフィン錯体、白金ービニルシロキサン錯体、
白金アセチルアセトナートが好ましい。触媒量としては
とくに制限はないが、Si−ビニル基1molに対して、
10-1〜10-8molの範囲で用いるのがよい。さらに
は10-3〜10-6molが好ましい。
【0028】本発明において硬化性組成物の貯蔵安定性
を高める目的で貯蔵安定改良剤を併用することが出来
る。貯蔵安定改良剤としては脂肪族不飽和結合を含有す
る化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含
有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等の貯蔵安定性
改良剤を併用してもかまわない。
【0029】脂肪族不飽和結合を含有する化合物とし
て、プロパギルアルコール、エン−イン化合物、マレイ
ン酸エステル等が例示される。有機リン化合物として
は、トリオルガノフォスフィン、ジオルガノフォスフィ
ン、オルガノフォスフォン、トリオルガノフォスファイ
ト等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガ
ノメルカプタン、ジオルガノスルフィド、硫化水素、ベ
ンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイト等が
例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1
〜3級アルキルアミン、アリールアミン、尿素、ヒドラ
ジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン
化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示され
る。
【0030】有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペ
ルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオ
キシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。貯蔵安
定性改良剤は、使用する白金触媒1molに対し、0〜
1000molの範囲で用いるのが好ましく、10〜5
00molの範囲で用いるのがさらに好ましく、30〜
300molの範囲で用いるのが特に好ましい。
【0031】本願の硬化性組成物に用いることが出来る
溶媒は、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロ
フラン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエー
テル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロ
エタンなどのハロゲン系溶媒を好適に用いることができ
る。
【0032】溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いる
こともできる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、ク
ロロホルムが好ましい。使用する溶媒量は、用いるケイ
素化合物1gに対し、0〜10mlの範囲で用いるのが
好ましく、0.5〜5mlの範囲で用いるのがさらに好
ましく、1〜3mlの範囲で用いるのが特に好ましい。
【0033】本発明においては、(A)〜(C)成分以
外にその目的に応じて種々の成分を添加することができ
る。
【0034】例えば、力学的機能を向上する目的で、グ
ラスファイバー、カーボンファイバー、シリコーンカー
バイドファイバー、シリコーンナイトライドファイバ
ー、チタンファイバーあるいはアラミドなどの有機質繊
維、チタン酸カリウムウィスカー、マイカ、ガラスフレ
ーク、黒鉛、硫化モリブデン等を添加できる。電気的性
能を向上する目的で、金属粉、金属コーティングフィラ
ーを用いることができる。また熱的特性向上にためには
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アン
チモンなどを用いることができる。
【0035】次に本発明の成形体の作製方法について述
べる。本発明は請求項1記載の(A)〜(C)成分10
0重量部に対して、0〜1000体積部の有機溶媒に均
一に溶解させた硬化性組成物を、用いた有機溶媒の沸点
より低い温度で8時間以上保持し、その後20〜450
℃の温度で段階的あるいは連続的に昇温させることを特
徴とする、1.0mm厚以上の成形体の作製方法に関す
る。
【0036】本発明の硬化性組成物を加熱硬化させる際
に、昇温温度をコントロールすることにより、系の硬化
速度、系からの溶媒の揮発速度、系中に残存する溶媒の
拡散速度などをうまくバランスでき、形成される硬化物
に著しいクラックを発生させることなく、成形体を作製
することができる。この硬化性組成物の昇温のさせ方
は、まずはじめに、用いた有機溶媒の沸点より低い温度
で8時間以上保持し、その後20〜450℃の温度で段
階的あるいは連続的に昇温させる。肉厚の成形体は、例
えばこの硬化性組成物をポリイミドフィルムを両面テー
プで貼った型に流し込み、蓋をして熱風乾燥器の中に水
平に静置し、徐々に温度を上げながら加熱硬化させるこ
とにより作製できる。もしくは、セロファンを貼った2
枚のガラス板にシリコーンチューブを挟み込み、その間
にこの硬化性組成物を流し込み、熱風乾燥器の中に垂直
に静置し、徐々に温度を上げながら加熱硬化させること
により作製できる。加熱硬化は、20〜450℃の範囲
で段階的にあるいは連続的に昇温するのがよい。連続的
に昇温する場合は、5℃/hr.以下の速度で徐々に昇
温するのが好ましい。好ましい段階的昇温条件を例示す
れば、50℃で8〜24時間、80℃で8〜24時間、
100℃で5〜20時間、150℃で12〜70時間と
いう順で加熱硬化させる条件が挙げられる。加熱硬化の
雰囲気は空気中、また窒素、アルゴンなどの不活性気体
中あるいは減圧下で行うことができる。加熱硬化の後、
物性改善や用途目的に応じてさらに加熱処理してもよ
い。その条件としては、150〜450℃の温度範囲
で、空気中、窒素、アルゴンなどの不活性気体中あるい
は減圧下で行うことができる。
【0037】本発明の成形体は、塗料・保護コーティン
グ材料として用いることが出来る。また、本発明の成形
体は粘着剤、接着剤及びコンタクト接着剤として用いる
ことが出来る。また、種々の熱可塑性樹脂もしくは熱硬
化性樹脂の改質剤として用いることが出来る。本発明の
成形体は、電子・電気材料として用いることが出来る。
具体的には、半導体実装用のリジッド配線板、フレキシ
ブルプリント配線板、半導体実装用装着材料、フレキシ
ブルプリント配線板用接着剤、半導体用封止樹脂、電気
・電子部品周りの封止材、半導体用絶縁膜、フレキシブ
ルプリント回路保護用カバーレイフィルム、樹脂の改質
剤、配線被覆用コーティング剤等に用いることが出来
る。また、該成形体は土木・建築材料として用いること
が出来る。具体的には、シーリング剤、制振・防震材
料、塗料、接着剤、コーティング剤吹付剤、防水剤、構
造用部材等である。また、自動車・航空機材料として用
いることが出来る。具体的には、密封剤、摺動部材、コ
ーティング剤、構造用部材、接着剤、型取り用材料等で
ある。光学材料としては光ファイバー用コア材及びクラ
ッド材、プラスチックレンズの耐摩耗性コーティング剤
である。医療材料としては、人工骨等に用いることが出
来る。本発明の成形体の利用分野、用途は上述した分野
に限られるものではない。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の内容はこれに限定されるものではな
い。
【0039】実施例1 (原料合成) ・4,4’−ビス(ジメチルビニルシリル)ビフェニル
(2)の合成 以下の反応スキームに従って合成した。
【0040】
【化21】 1Lの3口フラスコに、脱気乾燥・窒素置換後、マグネ
シウム5.0g(205.8mmol)入れ、ビニルジ
メチルクロルシラン/テトラヒドロフラン100mLの
うちの30mLを入れた。そこに、4,4'-ジブロモビフ
ェニル/テトラヒドロフラン250mL溶液を10mL
程度滴下し、ブラスターで加熱した。加熱後も発熱が続
いたため、ビニルジメチルクロルシラン/テトラヒドロ
フラン(40mL)をフラスコに入れ、室温で4,4'-ジ
ブロモビフェニル/テトラヒドロフラン100mLを3
0分かけて滴下した。
【0041】その後、残りのビニルジメチルクロルシラ
ン溶液(30mL)をフラスコに入れ、再び 4'-ジブロ
モビフェニル/テトラヒドロフラン150mLの滴下を
続けた。テトラヒドロフラン還流条件で4時間加熱し、
室温で12時間放置した。その後、加水分解しヘキサン
を用いて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで一晩
乾燥した。クーゲルロールを用いて蒸留することにより
目的物を12.7g得た。収率;38%。 (硬化物作製)30mlのサンプル管に4,4’-ビス
(ジメチルビニルシリル)ビフェニル3.64g(1
1.3mmol)をはかり取り、テトラヒドロフラン5
mlを用いて溶解した。上記溶液に1,3,5,7-テトラメチ
ルシクロテトラシロキサン1.36g(5.7mmo
l)を加え軽く振って混合した。その後、Pt-ビニルシ
ロキサン錯体(9.71×10-5mmol/mg)を23
mg加えた(SiH基に対して1×10-4当量)。予め、厚
さ25μmのポリイミドフィルムを両面テープを用いて
敷いたφ6.7cmの軟膏缶を用意しておいた。この中
に、上記の手順で調製した溶液を静かに流し込んだ。こ
の軟膏缶を熱風乾燥器中に水平となるように置いた後ふ
たをして静置した。その後、50℃/18h、80℃/
8h、100℃/16h、150℃/24hかけて加熱
硬化させ、硬化物(a)を得た。ゲル分率:100%。
ゲル分率は以下の式により算出した(以下同様)。 ゲル分率(%)=(抽出後の全体の重量−網の重量)/
(抽出前の全体の重量−網の重量)×100該硬化物か
らダイヤモンドカッターを用いて長さ約40mm、幅約
5mmの曲げ試験用サンプルを切り出した。 実施例2〜7 (原料合成)実施例1記載の方法と同様の方法により原
料モノマー3,5,6〜8を合成した。 (硬化物作製)以下に示した配合表(表−1)に基づき
硬化物(b)〜(g)を作製した。
【0042】
【表1】 比較例1 30mlのサンプル管に、1,4-ビス(ジメチルビニルシ
リル)ベンゼン3.50g(14.2mmol)、1,3,
5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン1.71g
(7.1mmol)をはかり、そこに貯蔵安定剤である
ジメチルマレートの10wt%THF溶液を40mg加
え軽く振って混合した(白金触媒に対して100当
量)。その後、Pt-ビニルシロキサン錯体(9.71×1
0-6mmol/mg)を29mg加えた(SiH基に対
して1×10-5当量) 。予め、厚さ25μmのポリイミ
ドフィルムを両面テープを用いて敷いたφ6.7cmの
軟膏缶を用意しておいた。この中に、上記の手順で調製
した溶液を静かに流し込んだ。この軟膏缶を熱風乾燥器
中に水平となるように置いた後ふたをして静置した。そ
の後、50℃/23h、80℃/7h、100℃/16
h、150℃/25hかけて加熱硬化させ、硬化物
(h)を得た。ゲル分率:100%。該硬化物からダイ
ヤモンドカッターを用いて長さ約40mm、幅約5mm
の曲げ試験用サンプルを切り出した。 ・曲げ試験の方法 島津製精密万能試験機を用いて行った。測定条件は、J
IS規格(K7203)に示される「小型試験片による
曲げ試験方法」に準じて行った。(スパン:15mm,
圧子:5R,支点:2R,テストスピード:0.5mm
/min)。200℃及び 250℃における曲げ試験は状態
調節時間を 10 min. (8 min.間静置 + 2min. ジグ上に
設置) で行った。
【0043】tanδの測定方法 装置はアイティ計測制御(株) 製 DVA-200を用いて行っ
た。測定は長さ:4 cm,幅:0.5 cm, 厚み:1〜2 mmの試
験片により実施した。変形モードは引っ張りで行い、設
定歪み:0.05%、測定周波数:10 Hz で行った。温度条
件は、-50 ℃から 4℃/min. の条件で 250℃, 300 ℃ o
r 350 ℃の条件で実施した。
【0044】表2に実施例1〜7で得られた本発明の硬
化物、及び比較例1で得られた硬化物の23℃、200
℃、250℃における曲げ試験の結果及び動的粘弾性測
定によるtanδの測定結果について示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明により提供される硬化物を用いて
高弾性率・高強度かつ高いtanδを持つケイ素系高分
子硬化物を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分として1分子中に少なくとも2
    個以上のSiH基を有する分子量1000以下のケイ素
    化合物、及び又は(B)成分として1分子中に少なくと
    も2個以上のアルケニル基を有する分子量1000以下
    のケイ素化合物、(C)成分としてヒドロシリル化触媒
    を必須成分とした硬化性組成物であって、(A)成分と
    して下記式(1)で表される化合物、 【化1】 及び(B)成分として下記式(2)で表される化合物か
    ら選択される少なくとも一方の化合物の総重量が硬化性
    組成物全体の30〜99重量%を有することを特徴とす
    る、ヒドロシリル化反応によって硬化可能な硬化性組成
    物。 【化2】 (式(1)及び(2)中のR1、R2、RR、R4は各々独
    立に炭素数1〜20までの1価の有機基または水素基で
    あり、R5、R6、RV、R8は各々独立に炭素数1〜20
    までの1価の有機基であり、Xは2つ以上の2価の芳香
    族炭化水素基を含む基である。)
  2. 【請求項2】一般式(1)、(2)においてXを以下の
    中から独立に選択した請求項1記載の硬化性組成物。 【化3】
  3. 【請求項3】一般式(2)においてR5、R6、RV、R8
    がアルケニル基であることを特徴とする請求項1、2い
    ずれかに記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】(A)〜(C)100重量部に対して、0
    〜1000体積部の有機溶媒に均一に溶解させた請求項
    1〜3記載の硬化性組成物を、用いた有機溶媒の沸点よ
    り低い温度で8時間以上保持し、その後20〜450℃
    の温度で段階的あるいは連続的に昇温させることを特徴
    とする成形体の作製方法。
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