JPH11199514A - 徐放性製剤組成物 - Google Patents

徐放性製剤組成物

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JPH11199514A
JPH11199514A JP10004640A JP464098A JPH11199514A JP H11199514 A JPH11199514 A JP H11199514A JP 10004640 A JP10004640 A JP 10004640A JP 464098 A JP464098 A JP 464098A JP H11199514 A JPH11199514 A JP H11199514A
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hydroxybutyric acid
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sustained
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JP10004640A
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Shinobu Ueno
忍 上野
Junichi Kawashima
順市 川島
Katsuharu Iinuma
勝春 飯沼
Takashi Tomosawa
孝 友沢
Yuji Saito
祐二 斎藤
Masako Ito
雅子 伊藤
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Taisei Corp
Meiji Seika Kaisha Ltd
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Taisei Corp
Meiji Seika Kaisha Ltd
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    • A61K47/34Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyesters, polyamino acids, polysiloxanes, polyphosphazines, copolymers of polyalkylene glycol or poloxamers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/70Web, sheet or filament bases ; Films; Fibres of the matrix type containing drug
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 3−ヒドロキシ酪酸単位と4−ヒドロキ
シ酪酸単位とからなるヒドロキシアルカン酸共重合体及
び生理活性物質を含有する徐放性製剤組成物。 【効果】 本発明の徐放性製剤組成物は、基剤であるP
(3HB−co−4HB)中の3HB成分、4HB成分
の比率、及び厚を変えて調製することで簡単に生理活性
物質の放出率を制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性物質及び
生体内分解性高分子化合物とを含有してなる生理活性物
質の放出が制御される徐放性製剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】継続的な投与を必要とする薬物について
は従来より種々の放出制御製剤組成物が開発されてい
る。これらの放出制御製剤組成物により、治療に必要な
量の薬物を普通の製剤よりも長時間にわたって放出し、
医薬の潜在的効力を有効に引き出すと共に投与回数を減
少することが可能となり、患者の服用忘れによる薬効の
消失や症状の悪化を防止することが出来るようになっ
た。近年では徐放性製剤組成物として特に一定の率で薬
物を放出することができ、薬物放出速度が実質的にゼロ
次である放出制御製剤組成物が種々提案されている。
【0003】生体内分解性高分子物質及び生理活性物質
を含有してなる徐放性製剤組成物としては種々なものが
報告されており、生体内分解性高分子物質として例え
ば、ポリ乳酸、乳酸−グリコール酸共重合体、ヒドロキ
シ酪酸−グリコール酸共重合体(特公平1−57087
号公報、WO94/10982公報、特開平8−151
322号公報、特開平8−217691号公報)などが
用いられている。また、3−ヒドロキシ酪酸重合体〔以
下、P(3HB)という〕も、活性成分放出の制御され
た調節性ペプチドのマイクロカプセルや、ラステッドを
含有するミクロスフェアに用いられることが知られてい
る(特開昭61−431119号公報、Drug Delivery
System,7(5)、367-371,1992、同8(2),131-136,1993)。
【0004】しかし、これらの徐放性製剤組成物はその
組成物が複雑で工業化が難しく、また生理活性物質の放
出コントロールが実行しにくい等の問題点がある。生体
内分解性高分子物質は、微生物によって分解可能な高分
子物質である。そして、その例として3−ヒドロキシ酪
酸単位(以下、3HB成分という)と4−ヒドロキシ酪
酸単位(以下、4HB成分という)とからなるヒドロキ
シアルカン酸共重合体(以下、P(3HB−co−4H
B)という)が挙げられ、この共重合体は、その共重合
組成に応じて多様な性質を示すことから、生分解性プラ
スチック材料として大いに注目されている。しかしなが
ら、これらのヒドロキシアルカン酸共重合体を利用した
徐放性製剤組成物は報告されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は生理活
性物質の放出コントロールが容易な徐放性製剤組成物を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、生体内分解性高分
子物質が徐放性基剤として有用であることを見出し本発
明を完成するに至った。そして、生体内分解性高分子化
合物としては、3−ヒドロキシ酪酸単位と4−ヒドロキ
シ酪酸単位とからなるヒドロキシアルカン酸共重合体
(以下、P(3HB−co−4HB)という)が挙げら
れ、このP(3HB−co−4HB)中の3−ヒドロキ
シ酪酸(以下、3HBという)成分及び4−ヒドロキシ
酪酸(以下、4HBという)の比率を種々変化させるこ
とにより生理活性物質の放出性を制御でき、また、成形
する際の厚みによっても生理活性物質の放出性を制御で
きる。したがって、この徐放性製剤組成物は従来の徐放
性製剤組成物に比して生理活性物質の放出、制御を容易
に行うことができる利点を有する。
【0007】本発明は、3−ヒドロキシ酪酸単位と4−
ヒドロキシ酪酸単位とからなるヒドロキシアルカン酸共
重合体及び生理活性物質を含有する徐放性製剤組成物で
ある。上記ヒドロキシアルカン酸共重合体における3−
ヒドロキシ酪酸成分:4−ヒドロキシ酪酸成分の比率は
1:99〜90:10、好ましくは10:90〜40:
60である。また、上記徐放性製剤組成物には厚み0.
01〜0.5mmのシート状に成形してなるものも含ま
れる。
【0008】上記生理活性物質としては、抗生物質、抗
真菌剤、抗高脂血症剤、循環器官用剤、抗血小板薬(抗
血小板凝集抑制剤)、抗腫瘍剤、解熱剤、鎮痛剤、消炎
剤、鎮咳去たん剤、鎮静剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、
抗うつ剤、抗アレルギー剤、強心剤、抗不整脈治療剤、
血管拡張剤、降圧利尿剤、糖尿病治療剤、ホルモン剤、
骨吸収抑制剤からなる群から選ばれる1種または2種以
上のものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用するP(3HB−c
o−4HB)は、P(3HB−co−4HB)生産能を
有する微生物であればいずれのものでも良い。たとえ
ば、コマモナス(Comamonas )属、アルカリゲネス(Al
caligenes )属、ロドコッカス(Rhodococcus )属に属
するものであって、P(3HB-co-4HB)生産能を有
する微生物が挙げられる。
【0010】具体的には、コマモナス・アシドボランズ
(Comamonas acidovorans )、アルカリゲネス ユート
ロファス(Alcaligenes eutrophus )、アルカリゲネス
ラタス(Alcaligenes latus )、ロドコッカス(Rhod
ococcus )属に属する菌株等がある。入手容易な菌株と
しては、コマモナス アシドボランズ IFO 13582、アル
カリゲネス・ユートロファス ATCC 17699 、アルカリゲ
ネス・ユートロファスATCC 11599 、アルカリゲネス・
ラタス ATCC 29713 、ロドコッカス sp.NCIMB40126 、
ロドコッカス sp.ATCC 19070 等がある。
【0011】上記微生物の菌体内にP(3HB-co-4H
B)を蓄積させるには、微生物をその微生物の種類に応
じた適当な培地に接種して、常法にしたがって培養して
増殖させればよい。培地としては、これら微生物の培養
に一般に使用している培地であればいずれのものも使用
できるが、コマモナス属に属する微生物を用いる場合、
炭素源としては、3−ヒドロキシ酪酸及び4−ヒドロキ
シ酪酸を使用する。その他の炭素源として、炭素原子数
が偶数のアルカンジオール、γ−ブチロラクトン、4−
アミノ酪酸等が例示される。その他、培地のpH、培養温
度、培養時間等の培養条件も微生物の種類により適宜設
定することができる。この際、条件を選択することによ
り、例えば培地に添加する炭素源の割合を変化させるこ
とにより、3HB成分及び4HB成分の比率が異なった
P(3HB−co−4HB)を得ることができる(特開
平5−336982、特願平9−193935)。
【0012】本発明において、P(3HB−co−4H
B)生産能を持つ微生物の菌体内に蓄積された前記P
(3HB−co−4HB)の抽出は、遠心分離又は濾過等
により培養液から分離した微生物湿菌体に直接有機溶媒
を加え、十分に混和することにより行う。更に好ましく
は、上記抽出工程において有機溶媒を加えるにあたっ
て、第一の有機溶媒として親水性の有機溶媒を加え十分
に混和した後に、更にP(3HB−co−4HB)の抽出
を行うための第二の有機溶媒を加えるとよい。この場
合、湿菌体からそのまま有機溶媒で抽出すればよいの
で、菌体を乾燥する必要が無く、エネルギーコストの点
から生産性、経済性に優れた方法であるといえる。ま
た、本発明によればP(3HB−co−4HB)の4HB
または3HB含有量と第二の有機溶媒との親和性の違い
により、比較的4HB分率の高いP(3HB−co−4H
B)を選択的に抽出することができる。
【0013】本発明において、湿菌体に加えられる第一
の有機溶媒は、親水性の溶媒であればよく、メタノー
ル、エタノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒ
ドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、1−プロパノール、2−プロパ
ノール、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキサン、
1,4−ジオキサン等が例示され、これらの中で好まし
いのはメタノール、エタノール、アセトニトリル、アセ
トンであり、更に好ましくはメタノールである。第二の
有機溶媒は、P(3HB−co−4HB)の溶解性を持つ
有機溶媒であれば良く、アセトン、酢酸エチル、アセト
ニトリル、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどが例示さ
れ、好ましくはアセトン、酢酸エチル、アセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン、2−ブタノンである。
【0014】第一の有機溶媒の使用量は、湿菌体100gに
対して100ml〜1Lであり、第二の有機溶媒の使用量
は、湿菌体100gに対して400ml〜3Lである。第一の有
機溶媒を添加した後第二の有機溶媒を添加するまでの時
間は、第一の有機溶媒が微生物菌体内に十分に浸透すれ
ば問題なく、通常1時間から10時間が好ましい。また、
第二の有機溶媒を添加した後の抽出時間は、通常1時間
から48時間が好ましい。上記工程において混和する際の
温度は特に限定はないが、添加する有機溶媒の沸点以下
が好ましい。
【0015】菌体から上記P(3HB-co-4HB)を抽
出した後、P(3HB-co-4HB)を回収するには、従
来公知の方法で行うことができる。具体的には、上記菌
体と有機溶媒の混合液から菌体残査を濾過又は遠心分離
により除去し、得られた抽出溶媒を貧溶媒と混合してP
(3HB-co-4HB)を析出させることによってP(3
HB-co-4HB)を回収することができる。貧溶媒の種
類は特に限定されず、具体的にはメタノール、ヘキサ
ン、ペンタン、水等が例示され、好ましくはメタノール
及びヘキサンである。
【0016】P(3HB−co−4HB)は4HB成分
の比率の増加と共に延性を示し、4HB成分の比率が6
0%を越えると弾性を示すようになる。共重合体中の4
HB成分の比率の増加とともに結晶性が低下するため、
組成を変えることにより多様な物性を示す素材を得るこ
とが出来る。好ましくは4HB成分の比率が10〜99
%、好ましくは60〜90%の共重合体が扱いやすい。
また、4HB成分の比率によって薬物の放出率を制御す
ることが可能であり、4HB成分の比率の増加と共に遅
効性を示すことが明らかとなった。
【0017】本発明の徐放性製剤組成物は、適当な溶剤
にP(3HB−co−4HB)及び生理活性物質を溶解
後、撹拌して均一な溶液を調製し、各種製剤形に成形す
ることによって得られる。その際に必要に応じて適当な
添加物(界面活性剤、可塑剤、脂質等)を添加すること
ができる。上記の溶媒としては、P(3HB−co−4
HB)を溶解することのできる溶剤であれば特に制限は
なく、2−メチルプロパン、クロロホルム、アセトン、
酢酸エチル、などが挙げられ、これらを単独または複数
組み合わせて用いてもよいが、特に2−メチルプロパン
が好ましい。
【0018】本発明に用いられる生理活性物質として
は、その種類は特に限定されず、抗生物質、抗真菌剤、
抗高脂血症剤、循環器官用剤、抗血小板薬(血小板凝集
抑制剤)、抗腫瘍剤、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、鎮咳去
たん剤、鎮静剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、
抗アレルギー剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、
降圧利尿剤、糖尿病治療剤、ホルモン剤、骨吸収抑制剤
からなる群から選ばれる1種または2種以上が用いられ
る。ただし、これらの生理活性物質においては、前記溶
剤に溶解される物質が望ましい。
【0019】生理活性物質の含有率は、P(3HB−c
o−4HB)のおよそ0.01%〜2%程度であり、望
ましくは0.01%〜0.02%である。また、溶媒に
対するP(3HB−co−4HB)の濃度は、所望する
シートの厚みに応じて、厚い場合は高く、薄い場合は低
いものとなるが、通常は1%〜15%、望ましくは1.
5%〜12%である。1%より低いと均一な厚みが得ら
れず、15%より高いと濃度不均一になる為、所望する
効果が得られない。
【0020】P(3HB−co−4HB)及び生理活性
物質を前記溶剤に溶解後、撹拌して均一な溶液を調製
し、各種製剤形に成形する。製剤形としては、顆粒状、
カプセル状、錠剤形、ミクロスフェアなど特に制限はな
いが、特にシート状が好ましい。シート状に成形する方
法としては、前記混合溶液を一定容量の底が平らな容器
に分注し、結晶化が飽和になるまで室温に放置する。溶
媒が蒸発することにより、シート状の放出制御システム
が得られる。本発明の放出制御システムは、シート状に
成形した際の厚みによって生理活性物質の溶出性が変動
する。すなわち厚みが0.04mmでは溶出は即効とな
り、0.3mmでは遅効性となる。このことから、この
厚みの組み合わせによって効果を持続させる事が可能で
ある。
【0021】〔製造例〕ジャーファーメンター3基に、
ポリペプトン(10g)、酵母エキス(5g)、塩化ナ
トリウム(5g)からなる培地(pH7.0)をそれぞ
れ1L添加し滅菌処理した。各ジャーファーメンターに
凍結保存した菌体(コマモナス アシドボランズIFO
13582)の培養液10mLを無菌的に接種し、30
℃で通気培養を開始した。なお、培養液のpHは、0.
1%水酸化ナトリウムを用いて常時6.8から7.2に
制御した。24時間経過後に増殖した細胞を遠心分離で
回収し、以下に示すような3−ヒドロキシ酪酸ナトリウ
ムの配合比を変えた3種類の混合炭素源を含む窒素制限
の培地に切り替え、30℃で48時間通気培養を行っ
た。
【0022】 培地組成(脱イオン水1L中) ・炭素源 10g 条件1:3−ヒドロキシ酪酸ナトリウム0.5g+ 4−ヒドロキシ酪酸ナトリウム9.5g 条件2:3−ヒドロキシ酪酸ナトリウム1.5g+ 4−ヒドロキシ酪酸ナトリウム8.5g 条件3:3−ヒドロキシ酪酸ナトリウム3.0g+ 4−ヒドロキシ酪酸ナトリウム7.0g ・0.5M リン酸水素カリウム水溶液 39mL ・0.5M リン酸水素二カリウム水溶液 536mL ・20wt/V% 硫酸マグネシウム水溶液 1mL ・ミネラル溶液1) 1mL 1) ミネラル溶液 CoCl2 119.0mg NiCl2 118.0mg FeCl2 9.7g CrCl2 62.2mg CaCl2 7.8mg CuSO4 156.4mg を0.1N−HCl 1Lに溶解
【0023】培養終了後、菌体を回収し凍結乾燥させ
た。ソックスレー抽出器(抽出液としてクロロホルム使
用)を用いて乾燥菌体からポリエステルを抽出した。抽
出液を濾過したエバポレーターで濃縮した後、ヘキサン
に添加してポリエステルを再沈させた。乾燥したポリエ
ステルの重量と抽出した菌体重量との比からポリエステ
ル含量を算定した。またポリエステルの組成をガスクロ
マトグチフィーおよび1H−NMRスぺクトルで決定し
た。結果を表1に示す。当該菌体は、炭素源である3−
ヒドロキシ酪酸ナトリウムと4−ヒドロキシ酪酸ナトリ
ウムの配合比を変えることにより組成の異なるP(3H
P−co−4HP)を製造することができる。
【0024】
【表1】
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれらの実施例
に限定されるものではない。 〔実施例1〕4HB成分の比率が90%のP(3HB−
co−4HB)0.4g、1.6g、2.8gを25m
lのジメチルエタンに溶解した各溶液に、アセトアミノ
フェンを0.005g添加し、完全に溶解した。次に該
溶液を直径9cmのフラットシャーレに注入して結晶化
が飽和になるまで水平なドラフト内に放置し、放出制御
システム(シート)を調製した。これらシートの厚みは
それぞれ0.04mm、0.18mm、0.32mm
で、これらシートについてpH1.2の酸性溶液に対す
る放出性試験を行った。試験は37℃恒温槽で50rp
m振とう撹拌をし、適時サンプリングを行った。このサ
ンプルについて240nmにあるアセトアミノフェンの
最大吸光度を追跡した。放出性試験結果を以下の表2に
示す。
【0026】
【表2】
【0027】シートの厚みを変えることにより1時間経
過後の薬物の放出率を40%から90%まで、又3時間
経過後の薬物の放出率を70%から100%まで制御す
ることが可能であることがわかる。
【0028】〔実施例2〕4HB成分の比率が90%、
69%、41%のP(3HB−co−4HB)0.4g
を25mlの溶媒に溶解し、各溶液にアセトアミノフェ
ンを0.005g添加し、完全に溶解した。次に該溶液
を直径9cmのフラットシャーレに注入して結晶化が飽
和になるまで水平なドラフト内に放置し、厚みが0.0
3mmの放出制御システム(シート)を調製した。また
比較例としてP(3HB)についても同様の操作を行
い、厚みが0.03mmのシートを調製した。これらシ
ートについて、実施例1と同様の放出性試験を行った。
結果を以下の表3に表した。
【0029】
【表3】
【0030】表2からP(3HB−co−4HB)中の
4HB成分の比率の異なるシートを用いることにより、
薬物の放出率を制御することが可能であることがわか
る。
【0031】
【発明の効果】本発明の徐放性製剤組成物は、基剤であ
るP(3HB−co−4HB)中の3HB成分、4HB
成分の比率及び厚さを変えて調製することで簡単に生理
活性物質の放出率を制御することができる。また、本発
明の組成物は工業的生産も容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯沼 勝春 神奈川県小田原市栢山788 明治製菓株式 会社薬品技術研究所内 (72)発明者 友沢 孝 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 斎藤 祐二 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 伊藤 雅子 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−ヒドロキシ酪酸単位と4−ヒドロキ
    シ酪酸単位とからなるヒドロキシアルカン酸共重合体及
    び生理活性物質を含有する徐放性製剤組成物。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシアルカン酸共重合体における
    3−ヒドロキシ酪酸成分:4−ヒドロキシ酪酸成分の比
    率が1:99〜90:10である請求項1記載の徐放性
    製剤組成物。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシアルカン酸共重合体における
    3−ヒドロキシ酪酸成分:4−ヒドロキシ酪酸成分の比
    率が10:90〜40:60である請求項1記載の徐放
    性製剤組成物。
  4. 【請求項4】 厚み0.01〜0.5mmのシート状に
    成形してなる請求項1乃至3いずれか項記載の徐放性製
    剤組成物。
  5. 【請求項5】 生理活性物質が、抗生物質、抗真菌剤、
    抗高脂血症剤、循環器官用剤、抗血小板薬(血小板凝集
    抑制剤)、抗腫瘍剤、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、鎮咳去
    たん剤、鎮静剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、
    抗アレルギー剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、
    降圧利尿剤、糖尿病治療剤、ホルモン剤、骨吸収抑制剤
    からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求
    項1乃至4いずれか項記載の徐放性製剤組成物。
JP10004640A 1998-01-13 1998-01-13 徐放性製剤組成物 Pending JPH11199514A (ja)

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