JP2023084097A - 芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高純度の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶を製造する方法の提供。【解決手段】芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法であって、芳香族ヒドロキシカルボン酸、並びにアニオン性高分子、非イオン性高分子及びカチオン性高分子から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む溶液から、芳香族ヒドロキシカルボン酸の結晶を析出する工程を含み、前記溶液中の高分子の含有量が0.0008質量%以上16質量%以下である、製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法に関する。
芳香族ヒドロキシカルボン酸は、分子内にヒドロキシ基とカルボキシ基の両基を持つ芳香族化合物の総称である。代表的な例としては、サリチル酸、4-ヒドロキシ安息香酸、没食子酸(別名:3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸)、プロトカテク酸等がある。芳香族ヒドロキシカルボン酸は、電子材料、液晶材料、医薬品、食品、化粧料等の原材料あるいは中間体として重要な化合物である。
サリチル酸、4-ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸は、コルベ・シュミット反応として知られている有機化学合成法により長年にわたって工業的に製造されてきた。また、没食子酸は、植物ヌルデの五倍子より抽出したタンニンをアルカリや酸、酵素を利用して加水分解することで製造されている。
一方、環境への負荷や安全性の問題等から、最近では、微生物を利用した芳香族ヒドロキシカルボン酸生産プロセスの開発が行われている。例えば、変異酵素を用いた大腸菌によりグルコースを原料に没食子酸を製造する方法が報告されている(特許文献1)。特許文献1では、大腸菌によりグルコースを原料にして得た発酵培養液から、貧溶媒晶析によって没食子酸結晶を得たことが報告されている。
有機化学合成法、微生物による発酵生産のいずれの製造方法によっても、副生成物から目的物である芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の精製工程が要求される。しかしながら、芳香族ヒドロキシカルボン酸は針状結晶になりやすく、微細な結晶を形成しやすい。そのため、結晶の分離効率が低下し、結晶に母液が残留しやすくなる。また、洗浄不良や乾燥時の凝集が起こりやすくなる。その結果、結晶の純度低下につながる。
従来、高純度の目的物結晶を取得する晶析法として、例えば、アミノ酸の晶析に際し、アミノ酸溶液に界面活性剤及び/又はアルコールを存在せしめて結晶形を変化させる晶析法が報告されている(特許文献2)。特許文献2では、界面活性剤及び/又はアルコールの添加によって、結晶を大きく成長させて固液分離操作を容易とし、付着母液量を減らすことで高純度のアミノ酸結晶が得られることを開示しているが、芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の晶析については報告がない。
米国特許第6472190号明細書 国際公開第90/09372号
本発明が解決しようとする課題
本発明は、高純度の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶を製造する方法を提供することに関する。
本発明者は、芳香族ヒドロキシカルボン酸を、アニオン性高分子、非イオン性高分子又はカチオン性高分子の存在下において析出すれば、結晶径が増大し、高純度の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法であって、芳香族ヒドロキシカルボン酸、並びにアニオン性高分子、非イオン性高分子及びカチオン性高分子から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む溶液から、芳香族ヒドロキシカルボン酸の結晶を析出する工程を含み、前記溶液中の高分子の含有量が0.0008質量%以上16質量%以下である、製造方法を提供するものである。
本発明の方法によれば、結晶径が大きな芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶が得られる。これによって、結晶の分離効率が改善される等の利点が得られ、高純度の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶を取得することができる。
〔芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法〕
本発明の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法は、芳香族ヒドロキシカルボン酸、並びにアニオン性高分子、非イオン性高分子及びカチオン性高分子から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む溶液から、芳香族ヒドロキシカルボン酸の結晶を析出する工程を含むものである。以下、本明細書において「芳香族ヒドロキシカルボン酸、並びにアニオン性高分子、非イオン性高分子及びカチオン性高分子から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む溶液」を「前記溶液」ともいう。
アニオン性高分子、非イオン性高分子及びカチオン性高分子から選ばれる少なくとも1種の高分子は、芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の析出時に存在していればよい。芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む溶液に前記高分子を添加するタイミングは特に制限されない。
(芳香族ヒドロキシカルボン酸)
本明細書において、芳香族ヒドロキシカルボン酸の例としては、サリチル酸、γ-レゾルシン酸、ヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシ安息香酸、没食子酸、プロトカテク酸、又はこれら芳香族ヒドロキシカルボン酸の芳香環上の水素の少なくとも一部が置換基で置換されてなる化合物が挙げられる。当該置換基としては、例えば、アルキル基、アミノ基、アリール基等が挙げられる。ここで、本明細書において、「芳香族ヒドロキシカルボン酸」とは、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩等の芳香族ヒドロキシカルボン酸塩を含まない。
芳香族ヒドロキシカルボン酸におけるカルボキシ基の数は複数でもよいが、1つであることが好ましい。また、芳香族ヒドロキシカルボン酸におけるヒドロキシ基の数は1~3つであることが好ましい。なかでも、本発明の効果を享受し易い点から、芳香族ヒドロキシカルボン酸は、好ましくはヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシ安息香酸、没食子酸、プロトカテク酸であり、より好ましくは没食子酸、プロトカテク酸である。
芳香族ヒドロキシカルボン酸は、特に制限されず、有機化学合成法、微生物による発酵生産により得ることができる。本発明の結晶化にあたっては、芳香族ヒドロキシカルボン酸を取得後、例えば、結晶として取り出さないままのもの、一旦結晶として取り出したものを使用できる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸を溶解させる溶媒は、芳香族ヒドロキシカルボン酸を溶解させることができれば特に制限されないが、好ましくは水が使用される。
芳香族ヒドロキシカルボン酸の溶解温度は、芳香族ヒドロキシカルボン酸を完全に溶解させる観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、また、芳香族ヒドロキシカルボン酸の安定性の観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。
本発明では、芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む溶液は、微生物の培養液由来の水溶液であることが工業的生産性の観点から好ましい。
微生物は、野生株、突然変異株又は各種遺伝子操作によって、塩基配列の挿入、置換、欠失等の変異が生じた変異株のいずれでもよく、また、公知の人為的な改変を付すことにより芳香族ヒドロキシカルボン酸産生能を付与したものであってもよい。
例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸を産生する能力を有する微生物としてはエシェリヒア(Escherichia)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、ブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属、シノリビゾウム(Sinorhizobium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)属、ラルストニア(Ralstonia)属、ノカルディオイダセアエ(Nocardioidaceae)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属、キネオコッカス(Kineococcus)属、パントエア(Pantoea)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属等の微生物が挙げられる。没食子酸及びプロトカテク酸を産生する能力を有する微生物として好ましくは、エシェリヒア(Escherichia)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、ブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属、シノリビゾウム(Sinorhizobium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)属、ラルストニア(Ralstonia)属等の微生物が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸を産生する能力を有する微生物の培養に用いられる培地は、培養原料として該微生物が資化し得る炭素源、無機窒素源又は有機窒素源、その他必要な有機微量栄養源を含んでいることが好ましい。
没食子酸及びプロトカテク酸生産菌の培養に用いられる培地として、例えば、CGXII培地やCGCF培地等が挙げられる(国際公開第2014/007273号)。
炭素源としては、例えば、糖類(グルコース、スクロース、マルトース等)、有機酸、デキストラン、可溶性デンプン、メタノール等が挙げられる。
無機窒素源又は有機窒素源としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、各種アミノ酸、コーンスティープリカー、トリプトン、ペプトン、カゼイン、酵母エキス、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液等が挙げられる。
また、無機塩(塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等)、ビタミン類、抗生物質(テトラサイクリン、ネオマイシン、カナマイシン、スペクチノマイシン、エリスロマイシン等)等を含んでいてもよい。
微生物の培養は、該微生物が増殖し、芳香族ヒドロキシカルボン酸を産生することを可能にする条件であれば一般的な方法を適用することができる。
例えば、没食子酸及びプロトカテク酸生産菌の培養の場合は、前々培養、前培養ではLB培地やCGXII培地等が、本培養ではCGCF培地等を用いることができる。
培養温度は、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上であり、また、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下である。
培養時の培養液のpHとしては、好ましくはpH4以上、より好ましくはpH5以上であり、また、好ましくはpH8以下、より好ましくはpH7以下である。
微生物の培地に対する接種量は、好ましくは0.01%(v/v)以上、より好ましくは0.1%(v/v)以上、更に好ましくは0.5%(v/v)以上であり、また、好ましくは30%以下、より好ましくは20%(v/v)以下、更に好ましくは15%(v/v)以下である。
微生物の培養期間は、微生物の増殖に応じて適宜設定することができるが、一日24時間で、好ましくは0.1日以上、より好ましくは0.2日以上、更に好ましくは0.3日以上であり、また、好ましくは20日以下、より好ましくは10日以下、更に好ましくは8日以下である。
培養に用いる培養槽は、従来公知のものを適宜採用することができる。例えば、通気撹拌型培養槽、気泡塔型培養槽、流動床培養槽であり、回分式、半回分式及び連続式のいずれで行ってもよい。
このような培養により、芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む微生物培養液が得られる。当該培養液には、芳香族ヒドロキシカルボン酸の他に、夾雑成分、微生物菌体、未利用の培養原料が混在するため、例えば、遠心分離、膜分離、吸着分離等の分離操作を行って、芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む水溶液を取得する。
(溶液中の芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量)
前記溶液中の芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量は、芳香族ヒドロキシカルボン酸の飽和溶解度以下であれば良く、生産性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは2.5質量%以上である。また、菌体分離操作時の収率向上の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である。前記溶液中の芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量は、好ましくは1~20質量%、より好ましくは2~15質量%、更に好ましくは2.5~12質量%である。
(高分子)
本発明で用いられる高分子は、アニオン性高分子、非イオン性高分子及びカチオン性高分子から選ばれる少なくとも1種である。これらの高分子は水溶性であることが好ましい。また、これらの高分子は、塩の状態で用いてもよい。
アニオン性高分子としては、アニオン性基、例えば、カルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、ボロン酸基等を有するポリマーが挙げられる。具体的には、天然高分子として、キサンタンガムやアラビアガム、アルギン酸、ポリグルタミン酸又はそれらの塩が挙げられる。合成高分子として、(メタ)アクリル酸やマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸等のモノマーから構成される重合体又は共重合体とそれらの塩が挙げられる。また、カルボキシメチルセルロース又はカルボキシエチルセルロースといった、カルボキシアルキルセルロース、カルボキシビニルポリマーが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、炭素数1~22のアルキル又はアルケニルアンモニウム塩、炭素数1~22のアルキル又はアルケニル置換ピリジニウム塩、炭素数1~22のアルカノールアンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属塩であり、より好ましくはナトリウム塩、カリウム塩である。
アニオン性高分子は、結晶粒径増大効果の観点から、好ましくはポリ(メタ)アクリル酸、キサンタンガム、カルボキシアルキルセルロース又はそれらの塩であり、より好ましくはポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、又はキサンタンガムであり、より好ましくはポリアクリル酸又はその塩である。
非イオン性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、可溶性デンプン、メチルデンプン等)、セルロース系高分子(例えば、メチルセルロース、エチルセルロースといったアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースといったヒドロキシアルキルセルロース等)、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等)、ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
非イオン性高分子は、結晶粒径増大効果の観点から、好ましくはヒドロキシアルキルセルロース、ビニル基を有するモノマー(アクリル酸を除く、以下同じ)を重合させたビニル系高分子、ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーであり、より好ましくはヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーである。
カチオン性高分子としては、カチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム、ポリエチレンイミン系重合体、ジシアンジアミド系高分子、アリルアミン系重合体等が挙げられる。
カチオン性高分子は、結晶粒径増大効果の観点から、好ましくはアリルアミン系重合体であり、より好ましくはポリアリルアミンである。
本発明において高分子は、結晶粒径増大効果の観点から、ポリビニル骨格を有する高分子化合物、糖骨格を有する高分子化合物、及びエチレンオキシ鎖を有する高分子化合物から選ばれる1種以上が好ましく、ポリビニル骨格を有する高分子化合物がより好ましい。具体的には、好ましくはポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、キサンタンガム、ヒドロキシアルキルセルロース、ビニル基を有するモノマーを重合させたビニル系高分子、ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びアリルアミン系重合体から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはポリアクリル酸又はその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びポリアリルアミンから選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはポリアクリル酸又はその塩である。
(高分子の分子量)
高分子の重量平均分子量は、結晶粒径増大効果の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、更に好ましくは4,000以上であり、また、ろ過性、ろ過後のケークの含水率の観点から、好ましくは2,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは500,000以下である。高分子の重量平均分子量は、好ましくは1,000~2,000,000、より好ましくは2,000~1,000,000、更に好ましくは4,000~500,000である。
高分子の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
(溶液中の高分子の含有量)
前記溶液中の高分子の含有量は、0.0008~16質量%である。前記溶液中の高分子の含有量は、結晶粒径増大効果の観点から、0.0008質量%以上であって、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.002質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であり、また、工業的生産性、コスト、液粘度の観点から、16質量%以下であって、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。前記溶液中の高分子の含有量は、0.0008~16質量%であって、好ましくは0.001~10質量%、より好ましくは0.002~5質量%、更に好ましくは0.01~1質量%である。
本発明において、前記溶液中の芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量に対する高分子の含有量の質量比%(g‐高分子/g‐芳香族ヒドロキシカルボン酸)は、結晶粒径増大効果の観点から、好ましくは0.015%以上、より好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.1%以上であり、また、工業的生産性、コスト、液粘度、純度の観点から、好ましくは300%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは10%以下である。前記溶液中の芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量に対する高分子の含有量の質量比は、好ましくは0.015~300%、より好ましくは0.05~50%、更に好ましくは0.1~10%である。
(晶析装置)
芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の析出は、静置条件で実施してもよく、撹拌翼を有する反応槽を用いて、撹拌しながら行ってもよい。
撹拌翼は、いずれの形状でもかまわないが、特に結晶の混合を良好にするため、パドル翼、タービン翼、プロペラ翼、アンカー翼、大翼径パドル翼、マックスブレンド翼であることが好ましい。
撹拌の周速は、溶解速度の高い芳香族ヒドロキシカルボン酸を均一に晶析させる観点から、好ましくは0.2m/s以上、より好ましくは0.3m/s以上、更に好ましくは0.5m/s以上であり、また、芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の破砕を抑制する観点から、好ましくは10m/s以下、より好ましくは5m/s以下、更に好ましくは3m/s以下である。
(析出させる方法)
芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶を析出させる方法は、特に制限されず、冷却による析出方法、pH調整による析出方法、濃縮による析出方法、反応による析出方法等の操作により行うことができる。これらの析出方法は単独で実施してもよいし、複数の方法を組み合わせて実施してもよい。高い溶解速度の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶を生成する観点から、好ましくは冷却による析出方法である。
(冷却による析出方法)
冷却による析出方法は、前記溶液を高温から低温に冷却することで、芳香族ヒドロキシカルボン酸濃度を溶解度以上に高めることにより芳香族ヒドロキシカルボン酸を晶析することができる。
冷却前の前記溶液の好ましい温度は、芳香族ヒドロキシカルボン酸の溶解温度と同じである。
冷却温度は、芳香族ヒドロキシカルボン酸の回収率の観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下であり、また、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは8℃以上である。冷却温度は、好ましくは0~50℃、より好ましくは5~40℃、更に好ましくは8~30℃である。
冷却により芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶を析出させる際の冷却速度(冷却前の前記溶液の温度から冷却温度に至るまでに要した時間から算出される平均冷却速度)は、実際の晶析槽において達成可能な冷却速度であれば特に制限されないが、サイクルタイムの観点から、好ましくは0.01℃/min以上、より好ましくは0.05℃/min以上、更に好ましくは0.1℃/min以上であり、晶析槽の冷却能力の観点から、好ましくは10℃/min以下であり、より好ましくは5℃/min以下であり、更に好ましくは1℃/min以下である。
(pH調整による析出方法)
pH調整による析出方法は、酸を添加することにより芳香族ヒドロキシカルボン酸塩から芳香族ヒドロキシカルボン酸を遊離させ、芳香族ヒドロキシカルボン酸の濃度を溶解度以上に高めることにより、芳香族ヒドロキシカルボン酸を晶析することができる。
pH調整に用いる酸は、芳香族ヒドロキシカルボン酸よりpKaが小さい酸であれば特に制限なく用いることができ、特に無機酸が好ましい。無機酸として、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。好ましくは、硫酸、塩酸である。
析出を行う時のpHは、芳香族ヒドロキシカルボン酸の回収率の観点から、晶析開始時のpHが9.0以下、好ましくは8.0以下、より好ましくは7.0以下に調整するのが好ましく、酸添加により好ましくは6.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.0以下に調整する。また、反応槽等の腐食性の観点から、pH0.5以上が好ましく、より好ましくはpH1.0以上、更に好ましくはpH1.5以上に調整する。
(濃縮による析出方法)
濃縮による析出方法は、前記溶液の溶媒(例えば、水)を蒸発させ、濃縮することで、芳香族ヒドロキシカルボン酸濃度を溶解度以上に高めることにより、芳香族ヒドロキシカルボン酸を晶析することができる。
蒸発時の温度は、特に限定されないが、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは80℃以下であり、また、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは20℃以上である。
なお、減圧下で蒸発を行ってもよい。
(反応による析出方法)
反応による析出方法は、芳香族ヒドロキシカルボン酸の種類によって適宜設定することができる。反応による析出方法は中和も含む。例えば、ヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシ安息香酸、没食子酸、プロトカテク酸を晶析することができる。
(芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の分取)
芳香族ヒドロキシカルボン酸の結晶は、遠心分離、濾過、デカンテーション等の固液分離操作により分取することができる。芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶は、必要に応じて洗浄を行ってもよい。洗浄に使用する溶媒としては、例えば、水、エタノール、アセトン、トルエン等が挙げられる。
(芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の乾燥)
芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の乾燥は、水分を除去することができれば特に制限されない。例えば、棚段乾燥機、コニカルドライヤー、パドルドライヤー、ナウターミキサー、流動層乾燥機、真空撹拌乾燥機、ディスクドライヤー等の通常の乾燥機を使用することができる。芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶構造を維持するために高いせん断をかけない乾燥方法であることが好ましい。
乾燥温度は、好ましくは-50℃以上、より好ましくは-30℃以上、更に好ましくは-20℃以上であり、また、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。なお、減圧乾燥を行ってもよい。
乾燥後の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶は必要に応じて、篩を通す等の処理を行ってもよい。
〔芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶〕
かくして芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶が得られる。
本発明の方法により得られる芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶は、結晶径が大きい。芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の平均結晶短径は、好ましくは3.0μm以上であり、より好ましくは4.0μm以上、更に好ましくは5.0μm以上である。
また、本発明の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶において、高分子非存在下で晶析した結晶の平均結晶短径に対する平均結晶短径の増加比率は、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.4以上、更に好ましくは1.8以上、更に好ましくは2.0以上である。
本明細書において、結晶観察にはデジタル顕微鏡(Nikon ECLIPSE80i、ニコン社製、もしくはVHX-5000、キーエンス社製)を使用し、結晶短径の測定には画像解析ソフトウェアImageJ(米国NIH開発)を使用する。測定方法の詳細は実施例に記載した。
本発明の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶は、それ自体の使用の他、各種誘導体を製造するための中間原料として有用である。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法を開示する。
<1>芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法であって、芳香族ヒドロキシカルボン酸、並びにアニオン性高分子、非イオン性高分子及びカチオン性高分子から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む溶液から、芳香族ヒドロキシカルボン酸の結晶を析出する工程を含み、前記溶液中の高分子の含有量が0.0008質量%以上16質量%以下である、製造方法。
<2>芳香族ヒドロキシカルボン酸が、好ましくはカルボキシ基の数が1つ、ヒドロキシ基の数が1~3つである芳香族ヒドロキシカルボン酸であり、より好ましくはサリチル酸、γ-レゾルシン酸、ヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシ安息香酸、没食子酸、プロトカテク酸、又はこれら芳香族ヒドロキシカルボン酸の芳香環上の水素の少なくとも一部が置換基で置換されてなる化合物であり、更に好ましくはヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシ安息香酸、没食子酸又はプロトカテク酸であり、より更に好ましくは没食子酸又はプロトカテク酸である<1>記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<3>前記溶液が、好ましくは芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む溶液に前記高分子を添加して調製される<1>又は<2>記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<4>芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む溶液が、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、また、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下の芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む水である<3>記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<5>芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む溶液が、好ましくは微生物の培養液由来の水溶液である<3>記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<6>芳香族ヒドロキシカルボン酸を産生する能力を有する微生物を、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上であり、また、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下の培養温度で培養する工程を更に含む、<5>記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<7>培養時の培養液のpHが、好ましくはpH4以上、より好ましくはpH5以上であり、また、好ましくはpH8以下、より好ましくはpH7以下である<6>記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<8>芳香族ヒドロキシカルボン酸を産生する能力を有する微生物の培地に対する接種量が、好ましくは0.01%(v/v)以上、より好ましくは0.1%(v/v)以上、更に好ましくは0.5%(v/v)以上であり、また、好ましくは30%以下、より好ましくは20%(v/v)以下、更に好ましくは15%(v/v)以下である<6>又は<7>記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<9>芳香族ヒドロキシカルボン酸を産生する能力を有する微生物の培養期間が、一日24時間で、好ましくは0.1日以上、より好ましくは0.2日以上、更に好ましくは0.3日以上であり、また、好ましくは20日以下、より好ましくは10日以下、更に好ましくは8日以下である<6>~<8>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<10>前記溶液中の芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは2.5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下であり、また、好ましくは1~20質量%、より好ましくは2~15質量%、更に好ましくは2.5~12質量%である<1>~<9>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<11>前記高分子が、好ましくは水溶性高分子である<1>~<10>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<12>アニオン性高分子が、好ましくはカルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基又はボロン酸基を有するポリマーであり、より好ましくは天然高分子(キサンタンガム、アラビアガム、アルギン酸、ポリグルタミン酸又はそれらの塩)、モノマー((メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸又はビニルスルホン酸)から構成される重合体、共重合体又はそれらの塩、カルボキシアルキルセルロース、或いはカルボキシビニルポリマーである<1>~<11>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<13>アニオン性高分子が、好ましくはポリ(メタ)アクリル酸、キサンタンガム、カルボキシアルキルセルロース又はそれらの塩であり、より好ましくはポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、又はキサンタンガムであり、より好ましくはポリアクリル酸又はその塩である<1>~<12>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<14>非イオン性高分子が、好ましくはヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、又はポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーである<1>~<13>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<15>カチオン性高分子が、好ましくはカチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム、ポリエチレンイミン系重合体、ジシアンジアミド系高分子、又はアリルアミン系重合体であり、より好ましくはポリアリルアミンである<1>~<14>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<16>前記高分子が、好ましくはポリビニル骨格を有する高分子化合物、糖骨格を有する高分子化合物、及びエチレンオキシ鎖を有する高分子化合物から選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリビニル骨格を有する高分子化合物であり、更に好ましくはポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、キサンタンガム、ヒドロキシアルキルセルロース、ビニル基を有するモノマー(アクリル酸を除く)を重合させたビニル系高分子、ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びアリルアミン系重合体から選ばれる少なくとも1種であり、より更に好ましくはポリアクリル酸又はその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びポリアリルアミンから選ばれる少なくとも1種であり、より更に好ましくはポリアクリル酸又はその塩である<1>~<10>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<17>前記高分子の重量平均分子量が、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、更に好ましくは4,000以上であり、また、好ましくは2,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは500,000以下であり、また、好ましくは1,000~2,000,000、より好ましくは2,000~1,000,000、更に好ましくは4,000~500,000である<1>~<16>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<18>前記溶液中の高分子の含有量が、好ましくは0.0008質量%以上、より好ましくは0.001質量%、更に好ましくは0.002質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは16質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、また、好ましくは0.0008~16質量%、より好ましくは0.001~10質量%、更に好ましくは0.002~5質量%、更に好ましくは0.01~1質量%である<1>~<17>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<19>前記溶液中の芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量に対する高分子の含有量の質量比%(g-高分子/g-芳香族ヒドロキシカルボン酸)が、好ましくは0.015%以上、より好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.1%以上であり、また、好ましくは300%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは10%以下であり、また、好ましくは0.015~300%、より好ましくは0.05~50%、更に好ましくは0.1~10%である<1>~<18>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<20>結晶を析出する工程が、好ましくは冷却による析出であり、冷却温度が、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下であり、また、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは8℃以上であり、また、好ましくは0~50℃、より好ましくは5~40℃、更に好ましくは8~30℃である<1>~<19>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<21>冷却速度が、好ましくは0.01℃/min以上、より好ましくは0.05℃/min以上、更に好ましくは0.1℃/min以上であり、また、好ましくは10℃/min以下、より好ましくは5℃/min以下、更に好ましくは1℃/min以下である<20>記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<22>結晶を析出する工程が、好ましくはpH調整による析出であり、晶析開始時のpHが、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下、更に好ましくは7.0以下、更に好ましくは6.0以下、より更に好ましくは5.0以下、より更に好ましくは4.0以下であり。また、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.5以上である<1>~<19>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<23>結晶を析出する工程が、好ましくは濃縮による析出であり、蒸発時の温度が、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは80℃以下であり、また、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは20℃以上である<1>~<19>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<24>結晶を析出する工程が、好ましくは反応による析出であり、より好ましくは中和を含む反応による析出である<1>~<19>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<25>芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶を乾燥する工程を更に含み、乾燥温度が、好ましくは-50℃以上、より好ましくは-30℃以上、更に好ましくは-20℃以上であり、また、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である<1>~<24>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<26>芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の平均結晶短径が、好ましくは3.0μm以上であり、より好ましくは4.0μm以上、更に好ましくは5.0μm以上である<1>~<25>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<27>芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶において、高分子非存在下で晶析した結晶の平均結晶短径に対する平均結晶短径の増加比率が、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.4以上、更に好ましくは1.8以上、更に好ましくは2.0以上である<1>~<26>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
<28>芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶が、好ましくは没食子酸又はプロトカテク酸の結晶である<1>~<27>のいずれかに記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
[結晶短径の測定方法]
デジタル顕微鏡(Nikon ECLIPSE80i、ニコン社製、もしくはVHX-5000、キーエンス社製)を使用して結晶を顕微鏡観察し、画像解析ソフト(画像解析ソフトウェアImageJ、米国NIH開発)を用いて結晶の短径を測定した。数視野の顕微鏡画像から少なくとも20個以上の結晶について短径を測定し、算術平均により平均値を算出した。
添加剤を添加せずに晶析した結晶の平均短径を基準とした結晶短径の比を結晶短径増加比率とした。
[含液率の測定方法]
晶析後の結晶スラリー20mLをガラス繊維ろ紙(ADVANTEC GA-100、アドバンテック東洋社製)で吸引濾過し、固液を分離した。回収した結晶をあらかじめ重量を測定したアルミ皿(重量T)に乗せ、アルミ皿と湿潤結晶の重量(重量W1)を測定した。続いて、105℃にて2時間乾燥させた。乾燥後、アルミ皿と乾燥結晶の重量(重量W2)を測定した。計算式1により析出した結晶の含液率を評価した。
(式1)
含液率(%)=(W1-W2)(g)/(W2-T)(g)×100
[没食子酸濃度の測定法]
培養液中の没食子酸及びプロトカテク酸は35mMの硫酸水溶液で500倍に希釈してから液体クロマトグラフィーで定量を行った。
(分析条件)
液体クロマトグラフィーの分析条件は、カラム:L-column ODS、溶離液A:0.1M KHPO・0.1%(v/v)HPO水溶液、溶離液B:70%(v/v)メタノール水溶液、溶離液切り替え:5-20minにA液/B液=100/0から0/100にグラジェントをかけて分離、検出器:DAD、検出波長:210nmカラム温度:40℃、注入液量:5μLである。
[pHの測定法]
pHは、70℃の水溶液(原液)を堀場製作所製F-50を用いて測定した。
[比較例1]
50mL容ねじ口瓶に没食子酸一水和物1.2g、蒸留水20mLを投入し、75℃の恒温水槽にて密閉状態で溶解した。続いて、恒温水槽から取り出し、室温(25℃)で5日間静置して結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取し、顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定した。このとき、結晶短径は2.7μmであった。また、含液率は63%であった。
[比較例2]
50mL容ねじ口瓶に没食子酸一水和物1.2g、蒸留水20mLを投入し、75℃の恒温水槽にて密閉状態で溶解した。続いて、リンゴ酸を2.2%(g/g-没食子酸)となるように水溶液に添加し、75℃で溶解した。恒温水槽から取り出し、室温で5日間静置して結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定し、比較例1に対する結晶短径増加比率を評価した。その結果は表1の通りであった。
[実施例1]
50mL容ねじ口瓶に没食子酸一水和物1.2g、蒸留水20mLを投入し、75℃の恒温水槽にて密閉状態で溶解した。続いて、第1表に示す添加剤を2.2%(g/g-没食子酸)となるように水溶液に添加し、75℃で溶解した。恒温水槽から取り出し、室温で5日間静置して結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定し、比較例1に対する結晶短径増加比率を評価した。その結果は表1の通りであった。
Figure 2023084097000001
[比較例3]
50mL容ねじ口瓶に没食子酸一水和物1.2g、蒸留水20mLを投入し、75℃の恒温水槽にて密閉状態で溶解した。続いて、分子量5,000のポリアクリル酸を0.010%(g/g-没食子酸)となるように水溶液に添加し、75℃で溶解した。恒温水槽から取り出し、室温で2~5日間静置して結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定し、添加剤無添加系に対する結晶短径増加比率を評価した。その結果は表2の通りであった。
[実施例2]
表2に示す異なる分子量のポリアクリル酸を表2に示す濃度で水溶液に添加した以外は比較例3と同様にして結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定し、結晶短径増加比率を評価した。その結果は表2の通りであった。
Figure 2023084097000002
[比較例4]
50mL容ねじ口瓶にプロトカテク酸1.2g、蒸留水20mLを投入し、75℃の恒温水槽にて密閉状態で溶解した。続いて、恒温水槽から取り出し、室温で5日間静置して結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取し、顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定した。
[実施例3]
50mL容ねじ口瓶にプロトカテク酸1.2g、蒸留水20mLを投入し、75℃の恒温水槽にて密閉状態で溶解した。続いて、ポリアクリル酸(重量平均分子量5000、富士フイルム和光純薬(株)製)を2.2%(g/g-没食子酸)となるように水溶液に添加し、75℃で溶解した。恒温水槽から取り出し、室温で5日間静置して結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定し、比較例4に対する結晶短径増加比率を評価した。その結果は表3の通りであった。
Figure 2023084097000003
[比較例5]
50mL容ねじ口瓶に没食子酸一水和物1.2g、蒸留水20mLを投入し、75℃の恒温水槽にて密閉状態で溶解した。続いて、恒温水槽から取り出し、往復振盪機に入れ、室温で2日間往復振盪(150r/m)して結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定した。
[実施例4]
50mL容ねじ口瓶に没食子酸一水和物1.2g、蒸留水20mLを投入し、75℃の恒温水槽にて密閉状態で溶解した。ポリアクリル酸(重量平均分子量5000、富士フイルム和光純薬(株)製)を2.2%(g/g-没食子酸)となるように水溶液に添加し、75℃で溶解した。恒温水槽から取り出し、往復振盪機に入れ、室温で2日間往復振盪(150r/m)して結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定し、比較例5に対する結晶短径増加比率を評価した。
その結果は表4の通りであった。
Figure 2023084097000004
[比較例6]
(発酵液の調製)
コリネバクテリウム(Corynebacterium)属の形質転換体を用いた発酵法によりpH6.5で培養された没食子酸含有培養液を得た。硫酸を添加してpH4.0に調整し、70℃で1時間殺菌した後、フィルタープレスを用いて菌体と溶液を分離し没食子酸水溶液を回収した。続いて、硫酸によりpHを2.6に調整し、0.2μmのメンブレンフィルターを通過させて夾雑成分の分離を行った。得られた水溶液中の没食子酸濃度は70g/Lであった。
(晶析方法)
得られた没食子酸水溶液20mLを50mL容ねじ口瓶に入れ、密閉した。5日間室温に静置し、結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取し、顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定した。
[実施例5]
晶析操作の前までは比較例6と同様の操作を行った。
得られた没食子酸水溶液を50mL容ねじ口瓶に入れ、表5に示す添加剤を2.2%(g/g-没食子酸)となるように水溶液に添加し、75℃の恒温水槽にて密閉状態で溶解した。恒温水槽から取り出し、室温で5日間静置して結晶を析出させた。析出した結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定し、比較例6に対する結晶短径増加比率を評価した。その結果は表5の通りであった。
Figure 2023084097000005
[比較例7]
19mL容のガラス瓶に没食子酸一水和物0.1g、蒸留水10gを投入し、室温で溶解した。続いて、減圧乾燥機内で-0.095MPaGに減圧し、16時間かけて水を蒸発させて濃縮し、結晶を析出させた。8g水が蒸発した時点で析出していた結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定した。その結果は表6の通りであった。
[実施例6]
19mL容のガラス瓶に没食子酸一水和物0.1g、蒸留水10gを投入し、室温で溶解した。続いて、ポリエチレングリコール6000(重量平均分子量7300~9300、富士フイルム和光純薬(株)製)を2.2%(g/g-没食子酸)となるように水溶液に添加し、室温で溶解した。減圧乾燥機内で-0.095MPaGに減圧し、16時間かけて水を蒸発させて濃縮し、結晶を析出させた。8g水が蒸発した時点で析出していた結晶をスパチュラで採取して顕微鏡観察を行い、結晶短径を測定し、比較例7に対する結晶短径増加比率を評価した。その結果は表6の通りであった。
Figure 2023084097000006
表1~表6のとおり、本発明の方法により晶析された芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶は高分子非存在下で晶析した結晶の平均短径よりも平均結晶短径が増大することが確認された。当該平均結晶短径の大きい本発明の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶は低い含液率を有し、本発明の方法により高純度の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶が得られたことが確認された。

Claims (5)

  1. 芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法であって、芳香族ヒドロキシカルボン酸、並びにアニオン性高分子、非イオン性高分子及びカチオン性高分子から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む溶液から、芳香族ヒドロキシカルボン酸の結晶を析出する工程を含み、前記溶液中の高分子の含有量が0.0008質量%以上16質量%以下である、製造方法。
  2. 前記溶液中の芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量に対する高分子の含有量の質量比%(g‐高分子/g‐芳香族ヒドロキシカルボン酸)が、0.015%以上300%以下である請求項1記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
  3. 前記高分子がポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、キサンタンガム、ヒドロキシアルキルセルロース、ビニル基を有するモノマー(アクリル酸を除く)を重合させたビニル系高分子、ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びアリルアミン系重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
  4. 結晶を析出する工程が冷却による析出である請求項1~3のいずれか1項記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
  5. 芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶が没食子酸又はプロトカテク酸の結晶である請求項1~4のいずれか1項記載の芳香族ヒドロキシカルボン酸結晶の製造方法。
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