JPH11199430A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH11199430A
JPH11199430A JP10018121A JP1812198A JPH11199430A JP H11199430 A JPH11199430 A JP H11199430A JP 10018121 A JP10018121 A JP 10018121A JP 1812198 A JP1812198 A JP 1812198A JP H11199430 A JPH11199430 A JP H11199430A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保湿作用及び真皮線維芽細胞活性化作用が相
乗的に増強され、シワ,シミの発生、皮膚の弾性の低下
といった皮膚の老化症状の防止或いは改善において、優
れた効果を発揮する皮膚外用剤を得る。 【解決手段】 アガリクス茸(Agaricus blazei Murill)
子実体抽出物と、水酸化アルカリ溶液を作用させて異性
化した糖の混合物を、皮膚外用剤に有効成分として配合
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、保湿作用及び真
皮線維芽細胞活性化作用が相乗的に増強され、真皮線維
芽細胞に対する紫外線による傷害を防御する作用を有
し、シワの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚老化症状
の防止或いは改善に有効で、抗炎症作用,創傷治癒促進
作用をも有する皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、
アガリクス茸(Agaricus blazei Murill)の子実体抽出物
と、水酸化アルカリ溶液を作用させて異性化した糖の混
合物(異性化糖混合物)を含有して成る、皮膚外用剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】加齢や紫外線等外来ストレスにより生じ
るしわ,シミの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚の老
化症状には、皮膚真皮の線維芽細胞の機能低下やマトリ
ックス線維の減少又は分解が重要な要因となっている。
従って、皮膚の老化防止,改善作用を有する老化防止用
皮膚外用剤を得るため、線維芽細胞の賦活或いは増殖促
進作用を有する成分の検索と配合が試みられている。
【0003】例えば、ビワ抽出物(特公平5−1720
6号公報),α−ヒドロキシ酢酸(特開平5−1124
22号公報),α−ヒドロキシ酸のステロールエステル
(特開平8−104632号公報),6-ベンジルアミノ
プリン(特開平7−233037号公報),特定のリボ
ヌクレアーゼ(特開平7−309778号公報),L-リ
シル-L-グリシル-L-ヒスチジン(特開平7−31619
2号公報),乳汁由来線維芽細胞増殖因子(特開平8−
119867号公報),酸化型コエンザイムA(特開平
8−175961号公報)等が開示されている。
【0004】しかしながら、上記の真皮線維芽細胞賦活
効果を有する成分等の中には、作用効果が不十分であっ
たり、安定性が悪かったりして、皮膚外用剤基剤中に含
有させた場合、有効な効果を得るにはかなりの量を含有
させなければならないものも存在していた。また、好ま
しくない副作用や刺激性などを有していたり、製剤安定
性に悪影響を及ぼすものや、臭いや色の点で外用剤に配
合しにくいもの、一定の作用,品質を維持することの困
難なものも多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、保湿作用及び真皮線維芽細胞活性化作用が相乗的に
増強され、シワ,シミの発生、皮膚の弾性の低下といっ
た皮膚の老化症状の防止或いは改善に、優れた効果を発
揮する皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、アガリクス
茸(Agaricus blazei Murill)の子実体抽出物において、
高い真皮線維芽細胞賦活作用が得られることを見いだし
ている(特願平9−267936)。今回、このアガリ
クス茸子実体抽出物と、異性化糖混合物とを併用するこ
とにより、皮膚生理機能を活性化し、保湿効果及び線維
芽細胞活性化効果が相乗的に高まることを見いだし、こ
れらを併用して皮膚外用剤に含有させることにより、シ
ワ,シミの発生,皮膚の弾性の低下といった皮膚の老化
症状の防止或いは改善に優れた効果を発揮し得る皮膚外
用剤を得ることができ、上記課題を解決するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
【0008】本発明で用いられるアガリクス茸(Agaricu
s blazei Murill)は、担子菌類ハラタケ目ハラタケ科ハ
ラタケ属の一種で、カワリハラタケやヒメマツタケとも
よばれ、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託番
号、生命研菌寄第4731号として寄託されている。
【0009】本発明に於いて、アガリクス茸の子実体か
ら抽出物を得る場合、生の子実体或いは乾燥した子実体
のいずれを用いても良い。子実体からの抽出溶媒として
は、極性溶媒が好ましく用いられる。例えば、水、エタ
ノール,メタノール,イソプロパノール,イソブタノー
ル,n-ヘキサノール,メチルアミルアルコール,2-エチ
ルブタノール,n-オクチルアルコール等のアルコール
類、グリセリン,エチレングリコール,エチレングリコ
ールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチ
ルエーテル,プロピレングリコール,プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエ
チルエーテル,トリエチレングリコール,1,3-ブチレン
グリコール,ヘキシレングリコール等の多価アルコール
又はその誘導体等から選択される1種の溶媒又は2種以
上の混合溶媒が使用できる。また、極性溶媒に無機塩
類,界面活性剤などを添加して用いても良い。これらの
極性溶媒の中でも、エタノール,メタノール,1,3-ブチ
レングリコール,水から選択される1種の溶媒又は2種
以上の混合溶媒、及びこれらの溶媒に無機塩,界面活性
剤を添加した溶媒が好ましく用いられる。
【0010】さらに抽出方法としては、室温下,冷却又
は加温した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留
等の蒸留法を用いて抽出する方法、生のアガリクス茸子
実体を直接圧搾して抽出物を得る圧搾法等が例示され、
これらの方法を単独で又は2種以上を組み合わせて抽出
を行う。
【0011】抽出の際のアガリクス茸子実体と溶媒との
比率は特に限定されるものではないが、アガリクス茸子
実体1に対して溶媒0.5〜1000重量倍、特に抽出
操作,効率の点で0.5〜100重量倍が好ましい。ま
た抽出温度は、常圧下で5℃から溶剤の沸点以下の範囲
とするのが便利であり、抽出時間は抽出温度などによっ
て異なるが、2時間〜2週間の範囲とするのが好まし
い。
【0012】また、このようにして得られたアガリクス
茸子実体抽出物は、抽出物をそのまま用いることもでき
るが、本発明の効果を失わない範囲内で分画、脱臭,脱
色,濃縮等の精製操作を加えて用いることもできる。こ
れらの抽出物やその分画物、精製物は、これらから溶媒
を除去することによって乾固物とすることもでき、さら
に精製水などの溶媒に可溶化又は懸濁化した形態、或い
は乳剤の形態で皮膚外用剤に添加することができる。
【0013】アガリクス茸子実体抽出物の皮膚外用剤へ
の配合量は、その効果や添加した際の匂い,色調の点か
ら考え、0.0001〜5重量%の濃度範囲とすること
が望ましい。
【0014】本発明において用いられる、水酸化アルカ
リ溶液を作用させて異性化した糖の混合物(異性化糖混
合物)は、水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどの水
酸化アルカリ溶液により糖を異性化させた反応生成混合
物であり、特にグルコース又はラクトースを異性化させ
たもの、或いはこれらの混合物が好ましく用いられる。
これらは、特公昭48−1504号公報において記載さ
れた方法などにより製造することができる。皮膚外用剤
中における含有量としては、0.0001〜3.0重量
%程度が適当である。
【0015】本発明にかかる皮膚外用剤には、外用剤基
剤に通常用いられる油脂類,ロウ類,炭化水素類,脂肪
酸類,低級アルコール類,高級アルコール類,多価アル
コール類,エステル類,界面活性剤,水溶性高分子等を
含有させることができる。さらに、他の皮膚細胞賦活
剤,抗炎症剤,活性酸素消去剤,美白剤,保湿剤,紫外
線吸収剤,防腐防黴剤,香料等を含有させることができ
る。
【0016】本発明にかかる皮膚外用剤は、ローション
剤,乳剤,ゲル剤,クリーム,軟膏等の剤型で提供する
ことができる。また、化粧水,乳液,クリーム,美容
液,マッサージ剤,パック剤等の皮膚用化粧料、メイク
アップベースローション,メイクアップベースクリー
ム,液状又はクリーム状のファンデーション等のメイク
アップ化粧料、ハンドクリーム,レッグクリーム,ボデ
ィローション等の身体用化粧料等としても提供すること
ができる。
【0017】
【実施例】本発明の実施例に使用した、アガリクス茸子
実体抽出物及び異性化糖混合物の製造例を次に示す。
【0018】[製造例1]アガリクス茸子実体抽出物 乾燥したアガリクス茸子実体を粉砕し、その10重量倍
の50重量%エタノールを抽出溶媒として添加して、室
温で3日間浸漬した後濾過した濾液を、アガリクス茸子
実体抽出物とした。
【0019】[製造例2]異性化糖混合物 D-グルコース1kgを精製水2,000mlに溶解し、
攪拌しながら10(w/v)%水酸化ナトリウム溶液1
0mlを添加し、21〜23℃で密封静置する。その
後、常にpH9以上を保つように10(w/v)%水酸
化ナトリウム溶液を10mlずつ加えていき、合計で6
0ml添加した後、乳酸を添加してpHを6として反応
を終了させ、A液とした。この段階において、L-グルコ
ースとグルコース転換物(主としてフルクトース)の重
量比が約6:4となる。一方、ラクトース1kgを同様
に精製水2,000mlに溶解し、攪拌しながら10
(w/v)%水酸化ナトリウム溶液10mlを添加し、
21〜23℃で密封静置する。その後A液と同様に、p
H9以上を保つように10(w/v)%水酸化ナトリウ
ム溶液を10mlずつ加え、合計140mlを添加した
後、乳酸を加えてpHを6として反応を終了させ、B液
とする。この段階で、異性化ラクトースとラクトース減
成物(主としてガラクトース)の重量比が5:5とな
る。前記A液とB液を重量比にて19:1の割合で混合
し、異性化糖混合物とする。表1に、この混合物の組成
を示す。
【0020】
【表1】
【0021】本発明において、アガリクス茸子実体抽出
物と異性化糖混合物を併用することにより得られる、線
維芽細胞の相乗的な活性化作用について、以下に示す。
【0022】[真皮線維芽細胞代謝活性化作用]ヒト由
来真皮線維芽細胞を1ウェルあたり2.0×104個と
なるように96穴マイクロプレートに播種し、24時間
後に表2に示した製造例をそれぞれ含有する1.0容量
%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地にて、37℃
で48時間培養した。次いで2-(4,5-ジメチル-2-チアゾ
リル)-3,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MT
T)を0.4mg/ml含有する前記培地に交換して3
7℃で2時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生
じるフォルマザンを、2-プロパノールにて抽出し550
nmにおける吸光度により測定した。なお、1.0容量
%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地のみで培養し
た系を対照とし、5.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッ
コ最小必須培地で培養した系を陽性対照とした。結果は
対照における吸光度を100.0%として表した活性化
指数により表2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】その結果、表2に示したとおり、作用例1
では、製造例1を単独で使用した作用例2と比較して、
少量の製造例2を併用することにより、約2倍の線維芽
細胞活性化作用が認められ、線維芽細胞賦活作用が相乗
的に向上したことが示された。
【0025】次に、先に示した製造例を用いて調製した
実施例を示し、更に本発明について詳細に説明する。
【0026】[実施例1,比較例1〜3]O/W乳化型
美容液 表3に示した各製造例を用いて、下記の処方によりO/
W乳化型美容液を調製した。 (処方) (1)スクワラン 5.0(重量%) (2)白色ワセリン 2.0 (3)ミツロウ 0.5 (4)ソルビタンセスキオレエート 0.8 (5)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2 (6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (7)プロピレングリコール 5.0 (8)精製水 全量が100となる量 (9)カルボキシビニルポリマー1.0重量%水溶液 20.0 (10)水酸化カリウム 0.1 (11)エタノール 5.0 (12)製造例 表3に示す量 (13)香料 0.2 製法:(1)〜(5)の油相成分を混合し75℃に加熱して
溶解,均一化する。一方(6)〜(8)の水相成分を混合,
溶解して75℃に加熱し、油相成分を添加して予備乳化
する。(9)を添加した後ホモミキサーにて均一に乳化
し、(10)を加えてpHを調整する。冷却後40℃にて(1
1)〜(13)を添加,混合,均一化する。
【0027】
【表3】
【0028】前記実施例1及び比較例1〜比較例3を用
いて、紫外線によるしわの発生に対する防止効果を評価
した。しわ発生防止効果は、ヘアレスマウス5匹を1群
とし、各群について実施例及び比較例をそれぞれ1日1
回背部に塗布し、1J/cm2/週の長波長紫外線(U
VA)を50週間照射し、ヘアレスマウスにおけるしわ
の発生状況を観察し、表4に示す判定基準に従って点数
化して行った。この際、精製水のみを塗布した群を対照
とした。結果は各群の平均値を算出し、UVA照射日数
との関係により表5に示した。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】表5に示されるように、製造例2の異性化
糖混合物のみを配合した比較例2塗布群では、対照及び
製造例を全く配合していない比較例3塗布群と同様、U
VA照射日数が40週を越える頃には軽微なしわの発生
が認められ、50週後には中程度のしわの発生が認めら
れていた。これに対し、製造例1のみを含有する比較例
1塗布群では、50週後に微小なシワが認められた程度
でシワの発生が顕著に抑制されていた。一方、実施例1
においては、比較例1の1/5量の製造例しか含有して
いないにもかかわらず、比較例1より優れたシワ発生抑
制効果が認められ、シワ発生抑制効果の認められなかっ
た製造例2を少量併用することにより、製造例1のシワ
発生抑制効果が相乗的に向上することが示された。
【0032】続いて、本発明の実施例1及び比較例1〜
比較例3について、抗炎症作用及び創傷治癒促進効果を
評価した。人工的に炎症又は創傷を形成した1群5匹の
マウスを用い、各群に実施例及び比較例をそれぞれ0.
5gずつ1日2回7日間塗布し、7日目に炎症部位及び
創傷部位の状態を観察した。抗炎症作用については「有
効」,「やや有効」,「無効」、創傷治癒促進効果につ
いては「完全治癒」,「ほぼ治癒」,「治癒不完全」の
3段階でそれぞれ評価し、各評価を得たマウスの数にて
表6に示した。
【0033】
【表6】
【0034】表6より明らかなように、抗炎症作用,創
傷治癒促進効果については、本発明の実施例塗布群では
4例以上のマウスにおいて有効な抗炎症作用及び創傷治
癒促進効果が認められており、製造例1のアガリクス茸
子実体抽出物を単独で5倍量配合した比較例1と同程度
以上の効果を発揮した。
【0035】次に本発明の実施例1及び比較例1〜比較
例3について、6ヶ月間の実使用試験を行った。パネラ
ーとして、顕著なしわの発生若しくは弾性の低下等の皮
膚症状を有する40歳〜60歳代の女性、及び顕著な肌
荒れ症状を呈する20歳〜50歳代の女性を用い、それ
ぞれ1群20名とした。使用試験は、各群に実施例及び
比較例のそれぞれをブラインドにて使用させ、使用試験
開始前と使用試験終了後の皮膚の状態を観察して行っ
た。しわ及び皮膚弾性の各改善状況については、「改
善」,「やや改善」,「変化なし」の3段階にて評価
し、各評価を得たパネラー数にて表7に示した。なお、
しわの程度については、写真撮影及びレプリカにより、
皮膚弾性についてはキュートメーターにより測定して評
価した。また、肌荒れについては、表8に示す判断基準
に従って皮膚の状態を点数化し、20名の平均値により
使用試験開始前と使用試験終了後を比較して表9に示し
た。
【0036】
【表7】
【0037】表7に示されるように、本発明の実施例使
用群ではしわ及び皮膚弾性の改善が認められないパネラ
ーは存在せず、全パネラーにおいて改善傾向が認めら
れ、製造例1のアガリクス茸子実体抽出物を5倍量含有
する比較例1より若干優れた改善効果が認められた。一
方、製造例2の異性化糖混合物のみを含有する比較例2
においては、しわ及び弾性の改善傾向は認められるもの
の、変化なしと答えたパネラーがそれぞれ5名及び7名
存在した。
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】表9に示されるように、本発明の実施例使
用群では、全パネラーにおいて、肌荒れの改善傾向が認
められていた。これに対し、製造例1のアガリクス茸子
実体抽出物を5倍量含有する比較例1においては、肌荒
れ改善傾向が認められるものの、製造例2の異性化糖混
合物と併用することにより、肌荒れ改善効果が有意に向
上していることが示された。
【0041】実施例1及び比較例1〜比較例3を用いて
保湿性試験を行った。保湿性は、気温20℃、相対湿度
50%の恒温恒湿室内で、前腕内側部に実施例を0.0
1ml/cm2塗布し、30分後の表皮水分量を高周波
インピーダンスメータ(IBS社製,Skicon20
0)を用いて測定して評価した。なお、対照として実施
例及び比較例を塗布していない部分の表皮水分量を測定
し、その差を表皮水分量上昇量とした。各試料とも10
名のパネラーの平均値を算出しその結果を表10に示し
た。
【0042】
【表10】
【0043】その結果実施例1は、未塗布部位より45
μS以上表皮水分量が上昇しており、アガリクス茸子実
体抽出物のみを含有する比較例1の約2.5倍、異性化
糖混合物のみを含有する比較例4の約2倍、それぞれ表
皮水分量が上昇しており、アガリクス茸子実体抽出物と
異性化糖混合物を併用することにより、保湿効果が相乗
的に向上していることが示された。
【0044】なお、本発明の実施例1については、上記
使用試験期間中に含有成分の析出,分離,凝集,変臭,
変色といった製剤の状態変化は全く見られなかった。ま
た、各実施例使用群において、皮膚刺激性反応や皮膚感
作性反応を示したパネラーは存在しなかった。
【0045】続いて本発明の他の実施例の処方を示す。
【0046】 [実施例2]皮膚用ローション (1)エタノール 10.0(重量%) (2)ヒドロキシエチルセルロース 1.0 (3)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.2 (4)異性化糖混合物(製造例2) 0.05 (5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (6)精製水 88.65 製法:(1)〜(6)を混合し均一とする。
【0047】 [実施例3]皮膚用乳剤 (1)ステアリン酸 0.2(重量%) (2)セタノール 1.5 (3)ワセリン 3.0 (4)流動パラフィン 7.0 (5)ポリオキシエチレン(10EO)モノオレイン酸エステル 1.5 (6)酢酸トコフェロール 0.5 (7)グリセリン 5.0 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (9)トリエタノールアミン 1.0 (10)精製水 79.5 (11)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.5 (12)異性化糖混合物(製造例2) 0.2 製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱して均一に溶
解し、70℃に保つ。一方、(7)〜(10)の水相成分を混
合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に
前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷
却した後40℃にて(11)及び(12)を添加,混合する。
【0048】 [実施例4]皮膚用ゲル剤 (1)精製水 88.4(重量%) (2)カルボキシビニルポリマー 0.5 (3)ジプロピレングリコール 10.0 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)水酸化カリウム 0.1 (6)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.8 (7)異性化糖混合物(製造例2) 0.1 製法:(1)に(2)を均一に溶解した後、(3)に(4)を溶
解して添加し、次いで(5)を加えて増粘させ、(6)及び
(7)を添加する。
【0049】 [実施例5]皮膚用クリーム (1)ミツロウ 6.0(重量%) (2)セタノール 5.0 (3)還元ラノリン 8.0 (4)スクワラン 27.5 (5)グリセリル脂肪酸エステル 4.0 (6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0 (7)ポリオキシエチレン(20EO) ソルビタンモノラウリン酸エステル 5.0 (8)プロピレングリコール 5.0 (9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (10)精製水 36.7 (11)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.5 (12)異性化糖混合物(製造例2) 0.2 製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃に
加熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解し
て75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分
を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳
化し、冷却後40℃にて(11),(12)を添加,混合する。
【0050】 [実施例6]水中油型乳剤性軟膏 (1)白色ワセリン 25.0(重量%) (2)ステアリルアルコール 25.0 (3)グリセリン 12.0 (4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 (5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (6)精製水 35.8 (7)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 1.0 (8)異性化糖混合物(製造例2) 0.1 製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して均一と
し、75℃に加熱する。一方、(5)を(6)に溶解して7
5℃に加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化し、
冷却後40℃にて(7)及び(8)を添加,混合する。
【0051】 [実施例7]化粧水 (1)エタノール 10.0(重量%) (2)1,3-ブチレングリコール 5.0 (3)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.1 (4)異性化糖混合物(製造例2) 0.05 (5)香料 0.1 (6)精製水 84.75 製法:(1)〜(5)を順次(6)に添加して均一に混合,溶
解する。
【0052】 [実施例8]エモリエントクリーム(油中水型) (1)流動パラフィン 30.0(重量%) (2)マイクロクリスタリンワックス 2.0 (3)ワセリン 5.0 (4)ジグリセリルオレイン酸エステル 5.0 (5)L-グルタミン酸ナトリウム 1.6 (6)L-セリン 0.4 (7)プロピレングリコール 3.0 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (9)精製水 52.55 (10)香料 0.1 (11)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.2 (12)異性化糖混合物(製造例2) 0.05 製法:(5),(6)を(9)の一部に溶解して50℃とし、
50℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に添加する。
これをあらかじめ混合し70℃に加熱溶解した(1)〜
(3)に均一に分散し、これに(7),(8)を(9)の残部に
溶解して70℃に加熱したものを攪拌しながら添加し、
ホモミキサーにて乳化する。冷却後、40℃にて(10)〜
(12)を添加,混合する。
【0053】 [実施例9]メイクアップベースクリーム (1)ステアリン酸 12.0(重量%) (2)セタノール 2.0 (3)グリセリルトリ2-エチルヘキサン酸エステル 2.5 (4)自己乳化型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0 (5)プロピレングリコール 10.0 (6)水酸化カリウム 0.3 (7)精製水 69.0 (8)酸化チタン 1.0 (9)ベンガラ 0.1 (10)黄酸化鉄 0.4 (11)香料 0.1 (12)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.5 (13)異性化糖混合物(製造例2) 0.1 製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃に加熱し
て均一とする。一方(5)〜(7)の水相成分を混合し、7
5℃に加熱,溶解して均一とし、これに(8)〜(10)の顔
料を添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この
水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳
化した後冷却し、40℃にて(11)〜(13)を添加,混合す
る。
【0054】 [実施例10]乳液状ファンデーション (1)ステアリン酸 2.0(重量%) (2)スクワラン 5.0 (3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0 (4)セタノール 1.0 (5)デカグリセリルモノイソパルミチン酸エステル 9.0 (6)1,3-ブチレングリコール 6.0 (7)水酸化カリウム 0.1 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (9)精製水 53.4 (10)酸化チタン 9.0 (11)タルク 7.4 (12)ベンガラ 0.5 (13)黄酸化鉄 1.1 (14)黒酸化鉄 0.1 (15)香料 0.1 (16)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.15 (17)異性化糖混合物(製造例2) 0.05 製法:(1)〜(5)の油相成分を混合し、75℃に加熱し
て均一とする。一方(6)〜(9)の水相成分を混合し、7
5℃に加熱,溶解して均一とし、これに(10)〜(14)の顔
料を添加しホモミキサーにて均一に分散させる。この水
相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて均一
に乳化した後冷却し、40℃にて(15)〜(17)を添加,混
合する。
【0055】 [実施例11]ハンドクリーム (1)セタノール 4.0(重量%) (2)ワセリン 2.0 (3)流動パラフィン 10.0 (4)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.5 (5)ポリオキシエチレン(60EO) グリセリルイソステアリン酸エステル 2.5 (6)酢酸トコフェロール 0.5 (7)グリセリン 20.0 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (9)精製水 59.1 (10)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.2 (11)異性化糖混合物(製造例2) 0.1 製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃に
加熱する。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合,溶解し
て75℃に加熱する。ついで、この水相成分に油相成分
を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳
化して冷却し、40℃にて(10)及び(11)を添加,混合す
る。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、アガリクス茸子実
体抽出物と異性化糖混合物を併用した皮膚外用剤は、真
皮線維芽細胞賦活作用及び保湿作用が相乗的に向上し、
真皮線維芽細胞に対する紫外線による傷害を防御する作
用を有し、シワの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚老
化症状の防止或いは改善に有効で、抗炎症作用,創傷治
癒促進作用をも有し、さらに安定性,安全性も良好であ
った。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アガリクス茸(Agaricus blazei Murill)
    子実体の抽出物と、水酸化アルカリ溶液を作用させて異
    性化した糖の混合物を含有して成る、皮膚外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003068243A1 (en) * 2002-02-15 2003-08-21 Clearcoll Pty Ltd Carbohydrate-based anti-wrinkle and tissue remodelling compounds
KR100427655B1 (ko) * 2001-06-12 2004-04-27 주식회사 코리아나화장품 아가리쿠스 버섯 추출물을 포함하는 화장료 조성물
US20100190727A1 (en) * 2008-12-30 2010-07-29 L'oreal Use of monosaccharides and composition therefor

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