JPH11199347A - 薄肉中空体及びこれを用いた断熱材 - Google Patents

薄肉中空体及びこれを用いた断熱材

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JPH11199347A
JPH11199347A JP10006298A JP629898A JPH11199347A JP H11199347 A JPH11199347 A JP H11199347A JP 10006298 A JP10006298 A JP 10006298A JP 629898 A JP629898 A JP 629898A JP H11199347 A JPH11199347 A JP H11199347A
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JP
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heat insulating
hollow body
insulating material
thin hollow
thin
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JP10006298A
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Hide Matsubayashi
秀 松林
Hiroshi Iwata
博 岩田
Kuninari Araki
邦成 荒木
Kiyoshi Nagasawa
喜好 長澤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B14/00Use of inorganic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of inorganic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B14/02Granular materials, e.g. microballoons
    • C04B14/04Silica-rich materials; Silicates
    • C04B14/22Glass ; Devitrified glass
    • C04B14/24Glass ; Devitrified glass porous, e.g. foamed glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/08Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by adding porous substances

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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄肉中空体及びこれを用いた断熱材において、
十分な強度を有して断熱性能を向上すること。 【解決手段】気密性及び断熱性を有する物質2bからな
り、内部を10Torr以下の真空状態にし、1.5kgf/c
2の外圧において残存率90%以上の強度を有する外径
および肉厚とした薄肉中空体2を形成し、この薄肉中空
体2を集積して一体に構成して断熱材を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉中空体及び薄
肉中空体を用いた断熱材に係わり、断熱性能を著しく向
上した薄肉中空体及びこれを用いた断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】断熱材は、熱を伝え難くし、内外の温度
差を維持する目的で使用される材料である。熱遮断機能
は、材料中に存在する空気層、気体層、真空層等により
生じる。このため、多くの場合、多孔質の物質により構
成され、その材質として粉末断熱材(パーライト粉末
等)、粒子状断熱材(樹脂バルーン等)、繊維片状断熱
材(石綿等)、固体断熱材(発泡ウレタン等)、綿状断
熱材(ガラス繊維等)、複合断熱材(真空パネル)等が
あり、粉末断熱材、粒子状断熱材、繊維片状断熱材、綿
状断熱材は接着剤を添加して固化する場合が多い。
【0003】このうち、固体断熱材の発泡ウレタンは、
材料コストが比較的安価で発泡条件が整えば安定した断
熱性能を有するため、従来より冷蔵庫等の製品に広く利
用されて来た。公知例としては、特開平6−91669
の断熱用箱体等がある。しかしながら、近年のフロン規
制対応、および地球温暖化対応等により、従来、使用可
能だった発泡剤(CFC11の場合、等価熱伝導率 13.7mW/
mK)に比べ、断熱性能が悪化する発泡剤(シクロペン
タンの場合、18.0mW/mK)を使用せざるを得なくな
り、物性依存型の断熱材である宿命を背負っている。従
って、発泡ウレタンを製品の断熱材として使用する場
合、必要とする断熱壁の厚さが増加し、製品の外形寸
法、重量が増加する等の問題があった。
【0004】また、複合断熱材(真空パネル断熱材の場
合、5〜9mW/mK)を固体断熱材の発泡ウレタンと併用
して、等価熱伝導率を下げ、断熱壁を薄くした製品等が
あり、公知例としては、特開昭58−78082の真空
断熱材を備えた断熱箱体がある。かかる断熱箱体による
と、真空断熱材の場合、フィルムが破損すると断熱性能
が低下し、製品の内箱にテープ、接着剤等で貼り付けら
れた状態で内箱を移動する際にはがれやすく、発泡ウレ
タン等の断熱材を発泡した場合に発泡圧による移動が発
生する等の問題があった。特に、真空断熱材において
は、外周を覆うフィルムが破れると、断熱性能が低下す
るという構造依存型断熱材の宿命を背負っているので、
保管、および取扱いに注意を要する。また、この他に、
製品の角部等の複雑な形状をした部位に使用できず、更
に材料コストが高い等の問題があった。
【0005】一方、粉末断熱材(パーライト粉末の場
合、40mW/mK)は熱伝導率が大きく、粒子状断熱材の
樹脂バルーン等は外圧および衝撃等で座屈しやすく、綿
状断熱材のガラス繊維等は材料コストが高く、また、こ
れら断熱材は接着剤を添加して固化する場合が多いが、
接着剤を通過した熱伝達により断熱性能が低下する等の
問題があった。
【0006】そこで、特開平8―3360号公報及び特
開平9―302096号公報に記載された真空小径体ま
たは減圧化中空ポリマ粒子及びそれを用いた断熱材が案
出されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる真空小
径体または減圧化中空ポリマ粒子及びこれを用いた断熱
材は、真空小径体または減圧化中空ポリマ粒子の強度に
ついて配慮されておらず、保管中および取扱いに注意し
ないと断熱性能を低下させる恐れがあった。また、ガス
バリヤ性樹脂はガス透過性が低いものの、気密性を有し
ていないため、真空小径体または減圧化中空ポリマ粒子
を保管中に真空度が低下し、断熱性能が低下する問題が
あり、長期信頼性についても不十分であった。
【0008】本発明の目的は、十分な強度を有して断熱
性能及び長期信頼性を向上した薄肉中空体及びこれを用
いた断熱材を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、気密性及び
断熱性を有する物質からなり、内部を10Torr以下の真
空状態にし、1.5kgf/cm2の外圧において残存率90
%以上の強度を有する外径及び肉厚としてなる薄肉中空
体とすることにより達成される。
【0010】また、上記目的は、気密性及び断熱性を有
する物質からなり、内部を10Torr以下の真空状態に
し、1.5kgf/cm2の外圧において残存率90%以上の
強度を有する外径および肉厚とした薄肉中空体を形成
し、この薄肉中空体を集積して一体に構成してなる断熱
材とすることにより達成される。
【0011】また、上記目的は、気密性及び断熱性を有
する物質からなり、内部を10Torr以下の真空状態に
し、1.5kgf/cm2の外圧において残存率90%以上の
強度を有する外径及び肉厚とした薄肉中空体を形成し、
この薄肉中空体同士を接着剤で固化してしてなる断熱材
とすることにより達成される。
【0012】また、上記目的は、気密性及び断熱性を有
する物質からなり、内部を10Torr以下の真空状態に
し、1.5kgf/Cm2の外圧において残存率90%以上の強
度を有する外径及び肉厚とした薄肉中空体を形成し、こ
の薄肉中空体多数を発泡ウレタンで固化してなる断熱材
とすることにより達成される。
【0013】また、上記目的は、気密性及び断熱性を有
する物質からなり、内部を10Torr以下の真空状態に
し、1.5kgf/Cm2の外圧において残存率90%以上の強
度を有する外径及び肉厚とした薄肉中空体を形成し、こ
の薄肉中空体を樹脂材料に混ぜて成形してなる断熱材と
することにより達成される。
【0014】また、上記目的は、内部を真空状態にした
気密性及び断熱性を有する薄肉中空体を発泡ウレタンの
独立したセル内に複数個配置してなる断熱材とすること
により達成される。
【0015】また、上記目的は、内部を10Torr以下の
真空状態にし、1.5kgf/Cm2の外圧において残存率90
%以上の強度を有する外径及び肉厚としたガラス系無機
質の薄肉中空体を形成し、この薄肉中空体を発泡ウレタ
ンの独立したセル内に複数個配置してなる断熱材とする
ことにより達成される。
【0016】また、上記目的は、内部を10Torr以下の
真空状態にし、1.5kgf/Cm2の外圧において残存率90
%以上の強度を有する外径及び肉厚とした外径1mm以下
のガラス系無機質の薄肉中空体を形成し、この薄肉中空
体を遮蔽或いは密閉された空間に充填してなる断熱材と
することにより達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
実施例に基づいて説明する。
【0018】図1は本発明の薄肉中空体の拡大断面図を
示す。図1において、薄肉中空体2は、球体またはこれ
に近似する形状の薄肉部2bが気密性及び断熱性を有す
るガラス系無機質の材質で構成され、薄肉部2bの外法
寸法が1mm以下であり、内部2dが10Torr以下の真空
状態に保たれ、1.5kgf/cm2の外圧において残存率9
0%以上の強度を有するように構成されている。薄肉中
空体2の内部2dを真空状態にする製造方法としては、
例えば、薄肉部2bの材質がガラス系無機物の場合に
は、完全に反応させる前に薄肉中空体2を真空に引き、
そのまま高温で反応を完了させ、ガラス質にする方法が
ある。また、残存率の測定方法は窒素法と呼ばれる方法
で行うことができる。なお、薄肉部2bは樹脂とし、そ
の外面2aまたは内面2cに金属またはガラスをコーテ
ィングしたものも考えられる。
【0019】図2は本発明の第1実施例の断熱材の部分
拡大断面図、図3は同断熱材の外観図を示す。断熱材A
は、図1に示す薄肉中空体2を集積し、薄肉中空体2の
みで構成されている。この断熱材Aは、薄肉中空体2を
金型等に入れ、押圧等により成形したものである。金型
の形状により任意の形状にすることができる。この断熱
材Aは、薄肉中空体2のみで構成されており、箱体内に
充填したものと比較して箱体を介する熱伝導がなく、断
熱特性が優れたものである。
【0020】図4は真空パネル(コア材はホワイトカー
ボン)の内部真空度と熱伝導率の関係図を示す。図4か
ら明らかなように、熱伝導率は、内部真空度が10Torr以
下の領域で小さく安定になるが、内部真空度が10Torr以
上の領域で熱伝導率が急激に大きくなっている。この点
に着目し、薄肉中空体2の内部2dを特性曲線の変曲点
10Torr(低真空の圧力領域)以下の真空状態に保持す
ることにより、高い断熱性能が得られる。
【0021】図5は本発明の薄肉中空体の外径と肉厚に
よる座屈特性図を示す。薄肉中空体2の薄肉部2bの材
質をガラス系無機質とし、1.5kgf/cm2の外圧を加えた
場合における座屈を生じない薄肉中空体2の外径及び肉
厚は、図5の実線に示す通りである。外圧を通常の大気
圧の約1.5倍に相当する1.5kgf/cm2に設定したのは、
大気圧下は勿論の事、後述するウレタン発泡の際の発泡
圧力0.2kgf/cm2の外圧がかかった状態でも、薄肉中空
体2が座屈しないようにするためである。ガラス系無機
物の熱伝導率は700〜1300mW/mKと非常に大きいが、外
径の0.3%程度の薄い肉厚とすることにより、薄肉中
空体2内部の真空度を保持させることが可能であり、1.
5kgf/cm2の外圧における残存率90%以上の強度を有す
ると共に、現状の発泡ウレタンよりもはるかに小さい等
価熱伝導率10.7mW/mKの断熱性能を有する事が
確認できている。この強度を確保する材料としては、ヤ
ング率の大きいパイレックス系ガラス、ソーダ石灰ホウ
ケイ酸ガラス等がある。
【0022】図6は本発明の断熱材の断熱特性の説明図
を示す。断熱材Aは薄肉中空体2の集合状態であり、右
手側を高温側、左手側を低温側と仮定する。薄肉中空体
2の内部2dは真空状態に保たれているため、内部の気
体の熱伝導、対流は無視できるレベルにあり、輻射につ
いても非常に小さい値である。従って、薄肉部2bを経
由する熱伝導が支配的になり、右手高温側から左手低温
側の向きに熱移動する。この矢印で示す熱伝導量を小さ
くするほど、断熱特性は向上するため、薄肉部2bは、
ガラス系無機質で特に強度の高いパイレックス系ガラス
等で形成するか或いは樹脂の内外面に金属またはガラス
コーティングした樹脂を用いて薄肉化する事により熱伝
導量を小さくしている。更に、断熱材Aは、万一、薄肉
中空体2の一部が内部の真空度を保てなくなった場合に
おいても、当該薄肉中空体2'以外の多数個の薄肉中空
体2により、等価熱伝導率を15mW/mK以下に保持す
る事が確認できている。なお、薄肉中空体2同士が互い
に点接触しているため、その接触面積は非常に小さく、
薄肉部2bを経由する熱伝導が小さくなっている。ま
た、薄肉中空体2同士の間の部分に熱伝導率の小さい接
着剤、発泡ウレタン等で固化した場合も熱抵抗が大きい
ため、熱伝導率を小さく抑えることが可能である。
【0023】前記薄肉中空体2は、気密性及び断熱性を
有する物質2bからなり、内部を10Torr以下の真空状
態にし、1.5kgf/cm2の外圧において残存率90%以
上の強度を有する外径及び肉厚としてなるので、長期間
にわたって断熱性能を維持することができる。特に、気
密性及び断熱性を有する物質2bは、ガラス系無機質で
形成されているので、より長期間にわたって断熱性能を
維持することができる。
【0024】また、断熱材Aは、気密性及び断熱性を有
する物質2bからなり、内部を10Torr以下の真空状態
にし、1.5kgf/cm2の外圧において残存率90%以上
の強度を有する外径および肉厚とした薄肉中空体2を形
成し、この薄肉中空体2を集積して一体に構成してなる
ので、長期間にわたって断熱性能を維持することができ
る。
【0025】次に、本発明断熱材の他のそれぞれ異なる
実施例を図7、図8、図9、図10により説明する。
【0026】図7の断熱材Aは、内部を10Torr以下の
真空状態にし、1.5kgf/Cm2の外圧において残存率90
%以上の強度を有する1mm以下の外径及び肉厚としたガ
ラス系無機質の薄肉中空体2を形成し、この薄肉中空体
2を箱体1で形成される遮蔽或いは密閉された空間に充
填したものである。このような応用例として、建築部
材、建築躯体の壁、天井、床面等または保冷自動車およ
び冷凍コンテナ等の断熱材が考えられる。必要により、
接着剤、発泡ウレタン等で固化する事も可能である。
【0027】図8の断熱材Aは、内部を10Torr以下の
真空状態にし、1.5kgf/Cm2の外圧において残存率90
%以上の強度を有する1mm以下の外径及び肉厚としたガ
ラス系無機質の薄肉中空体2を形成し、この薄肉中空体
2を保温用ジャーの外筒5a及び内筒5bで形成される
遮蔽或いは密閉された空間に充填したものである。必要
により、接着剤、発泡ウレタン等で固化する事も可能で
ある。このような応用例として、炊飯器、ポット、およ
び調理器具(なべ等)、貯湯タンク、電気温水器および
蓄熱槽等の断熱材が考えられる。
【0028】図9の断熱材Aは、内部を10Torr以下の
真空状態にし、1.5kgf/Cm2の外圧において残存率90
%以上の強度を有する外径及び肉厚とした1mm以下のガ
ラス系無機質の薄肉中空体2を形成し、この薄肉中空体
2を防寒服6の布地で形成される遮蔽或いは密閉された
空間に充填したものである。必要により、接着剤、発泡
ウレタン等で固化する事も可能である。このような応用
例として、防寒服、形状が複雑な部分に使用する断熱用
部材等が考えられる。
【0029】図10の断熱材Aは、内部を10Torr以下
の真空状態にし、1.5kgf/Cm2の外圧において残存率
90%以上の強度を有する1mm以下の外径及び肉厚とした
ガラス系無機質の薄肉中空体2を形成し、この薄肉中空
体2を冷蔵庫箱体の外箱7a及び内箱7bで形成される
遮蔽或いは密閉された空間に充填したものである。必要
により、接着剤、発泡ウレタン等で固化する事も可能で
ある。このような応用例として冷蔵庫の他に冷凍関係の
製品の断熱材が考えられる。
【0030】以上説明した図7から図10の断熱材A
は、薄肉中空体2の外径が1mm以下であるので、遮蔽或
いは密閉された空間に極めて容易に充填することができ
る。この場合、薄肉中空体2は、1.5kgf/Cm2の外圧
において残存率90%以上の強度を有する1mm以下の外径
及び肉厚としたガラス系無機質としているので、充填時
に破損することなく断熱材Aを構成することができる。
【0031】前記断熱材Aは、薄肉中空体2のみで構成
されるか、または遮蔽等された空間内に充填されて構成
されているが、薄肉中空体2を接着剤で固化するするこ
とにより、機械的強度を向上することができる。接着剤
としては、無機、有機バインダ等の使用が考えられる。
【0032】次に、本発明の薄肉中空体2を樹脂材料に
混ぜて断熱材を成形する場合を図11により説明する。
【0033】図11において、成型機11の樹脂材料投
入口111より樹脂材料が投入され、真空ビーズ投入口
112より薄肉中空体2が投入される。薄肉中空体2
は、加熱ヒータ113により溶融した樹脂と混ざり、成
型機12にセッティングされた成形金型15の上型15
a及び下型15bで形成する内部空隙に射出される。射
出された樹脂及び薄肉中空体2の混合物は、冷却管12
2により冷却され、固化することにより、断熱性を有す
る樹脂成型品となる。この場合、薄肉中空体2は、薄肉
部2bが気密性及び断熱性を有するガラス系無機質の材
質で構成され、薄肉部2bの外法寸法が1mm以下であ
り、内部2dが10Torr以下の真空状態に保たれ、1.
5kgf/cm2の外圧において残存率90%以上の強度を有
するように構成されているので、流動性、耐熱性及び射
出圧力に対する耐圧強度を有しており、容易に成形でき
ると共に、高い断熱性能を保持することができる。この
ように、樹脂材料に混ぜて成形するため製造が容易であ
り、樹脂材料が高価で薄肉中空体2の方が安価な場合は
樹脂材料の増量剤と使用することも可能である。この樹
脂成型品の応用例としては、断熱容器、クーラーボック
ス、冷水用或いは温水用配管、空調用ダクト配管、ルー
ムエアコン等の冷気通風路となるケーシングおよびドレ
ン水を蓄える露皿等が考えられる。ルームエアコンのケ
ーシング17にこの樹脂成形品を使用した例を図12に
示す。
【0034】また、冷蔵庫等の製品に広く利用され、製
造技術が確立されている発泡ウレタンに混ぜて発泡する
ことにより、薄肉中空体2同士を発泡ウレタンで固化す
ることにより、冷蔵庫等の断熱性能を発泡ウレタン以上
に向上することができる。この場合、断熱壁にウレタン
を使用している冷蔵庫、および冷凍関係の製品において
は、従来の製造方法を大きく変更することなく、実施す
ることが可能である。
【0035】図13は、本発明の異なる断熱材のセル部
分の拡大断面摸式図を示す。この断熱材Aは発泡ウレタ
ン3のセル3aの内部空間3b内に複数の薄肉中空体2
を分散配置したしたものである。セル3aの内径は一般
的に200μm程度であり、薄肉中空体2の外径を50
μm程度にし、発泡ウレタンに対する薄肉中空体2の配
合比を高くすることによりセル3a内に薄肉中空体2を
複数個、分散配置することが可能である。この断熱材A
によれば、薄肉中空体2同士を固化できる上に、従来の
ウレタン断熱材において最も熱伝導が大きいセル3a内
のウレタンガスにおける熱伝導を小さくする事ができ
る。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、十分な強度を有して断
熱性能および長期信頼性を向上した薄肉中空体及び薄肉
中空体を用いた断熱材を得ることができる。また、発泡
ウレタンと併用した場合、高い断熱性能により従来より
断熱壁を薄くすることが可能で、かつノンフロン化に対
応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄肉中空体の拡大断面図。
【図2】本発明の断熱材の第1実施例の部分拡大断面斜
視図。
【図3】本発明の断熱材の第1実施例の外観斜視図。
【図4】真空パネルの内部真空度と熱伝導率の関係関係
図。
【図5】本発明の薄肉中空体の外径と肉厚による座屈特
性図。
【図6】本発明の断熱材の断熱特性の説明図。
【図7】本発明の断熱材の第2実施例の断面図。
【図8】本発明の断熱材の第3実施例の断面図。
【図9】本発明の断熱材の第4実施例の断面図。
【図10】本発明の断熱材の第5実施例の断面図。
【図11】本発明の断熱材を樹脂成形品として製造する
装置の概略図。
【図12】本発明の樹脂成形品を使用したルームエアコ
ンの部分断面図。
【図13】本発明の発泡ウレタンに用いた断熱材のセル
部分の拡大断面摸式図。
【符号の説明】
A:断熱材、1:箱体、2:薄肉中空体、3:発泡ウレ
タン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長澤 喜好 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気密性及び断熱性を有する物質からなり、
    内部を10Torr以下の真空状態にし、1.5kgf/cm2
    の外圧において残存率90%以上の強度を有する外径及び
    肉厚としてなる薄肉中空体。
  2. 【請求項2】気密性及び断熱性を有する物質がガラス系
    無機質よりなる請求項1記載の薄肉中空体。
  3. 【請求項3】気密性及び断熱性を有する物質が樹脂に金
    属またはガラスをコーティングしてなる請求項1記載の
    薄肉中空体。
  4. 【請求項4】気密性及び断熱性を有する物質からなり、
    内部を10Torr以下の真空状態にし、1.5kgf/cm2
    の外圧において残存率90%以上の強度を有する外径およ
    び肉厚とした薄肉中空体を形成し、この薄肉中空体を集
    積して一体に構成してなる断熱材。
  5. 【請求項5】前記薄肉中空体の気密性及び断熱性を有す
    る物質がガラス系無機質としてなる請求項3記載の断熱
    材。
  6. 【請求項6】前記薄肉中空体の気密性及び断熱性を有す
    る物質が樹脂に金属またはガラスをコーティングしたも
    ので構成してなる請求項3記載の断熱材。
  7. 【請求項7】気密性及び断熱性を有する物質からなり、
    内部を10Torr以下の真空状態にし、1.5kgf/cm2
    の外圧において残存率90%以上の強度を有する外径及び
    肉厚とした薄肉中空体を形成し、この薄肉中空体同士を
    接着剤で固化してしてなる断熱材。
  8. 【請求項8】気密性及び断熱性を有する物質からなり、
    内部を10Torr以下の真空状態にし、1.5kgf/Cm2
    外圧において残存率90%以上の強度を有する外径及び肉
    厚とした薄肉中空体を形成し、この薄肉中空体多数を発
    泡ウレタンで固化してなる断熱材。
  9. 【請求項9】気密性及び断熱性を有する物質がガラス系
    無機質よりなる請求項7記載の断熱材。
  10. 【請求項10】気密性及び断熱性を有する物質からな
    り、内部を10Torr以下の真空状態にし、1.5kgf/C
    2の外圧において残存率90%以上の強度を有する外径
    及び肉厚とした薄肉中空体を形成し、この薄肉中空体を
    樹脂材料に混ぜて成形してなる断熱材。
  11. 【請求項11】内部を真空状態にした気密性及び断熱性
    を有する薄肉中空体を発泡ウレタンの独立したセル内に
    複数個配置してなる断熱材。
  12. 【請求項12】内部を10Torr以下の真空状態にし、
    1.5kgf/Cm2の外圧において残存率90%以上の強度を
    有する外径及び肉厚としたガラス系無機質の薄肉中空体
    を形成し、この薄肉中空体を発泡ウレタンの独立したセ
    ル内に複数個配置してなる断熱材。
  13. 【請求項13】内部を10Torr以下の真空状態にし、
    1.5kgf/Cm2の外圧において残存率90%以上の強度を
    有する外径及び肉厚とした外径1mm以下のガラス系無機
    質の薄肉中空体を形成し、この薄肉中空体を遮蔽或いは
    密閉された空間に充填してなる断熱材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102007002904A1 (de) 2007-01-19 2008-07-24 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur Herstellung von Vakuumhohlkugeln aus Glas, Vakuumhohlkugeln sowie deren Verwendung
JP2012139937A (ja) * 2011-01-04 2012-07-26 Hiraoka & Co Ltd 日射熱制御膜材
JP2016176535A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 古河電気工業株式会社 断熱部材、断熱部材の製造方法
JP2023145818A (ja) * 2022-03-29 2023-10-12 真洋 小堀 壺焼き調理装置

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