JP2000018485A - 真空断熱パネル - Google Patents

真空断熱パネル

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JP2000018485A
JP2000018485A JP10183486A JP18348698A JP2000018485A JP 2000018485 A JP2000018485 A JP 2000018485A JP 10183486 A JP10183486 A JP 10183486A JP 18348698 A JP18348698 A JP 18348698A JP 2000018485 A JP2000018485 A JP 2000018485A
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foam
resin
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Yoshio Nishimoto
芳夫 西本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外郭内に配置された真空断熱パネルに関し
て、固定用の発泡ウレタンの充填時に受ける熱によって
発生する真空断熱パネルの変形を防止する。 【解決手段】 包装材13の内部に連続した気泡を有す
る芯材を備え、包装材の内部が真空状態に維持されてな
る真空断熱パネル20において、芯材を発泡ポリスチレ
ンなどの樹脂発泡体15と該樹脂発泡体上に載置した耐
熱性を有する発泡ウレタンなどの多孔体16との二重構
造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば冷蔵庫や
保冷車などの断熱を要する壁面の金属製薄板および樹脂
成形品で構成された間隙に、断熱材として用いられる真
空断熱パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫などにあっては、オゾン層破壊の
原因物質を用いないこと、リサイクルなどの資源の有効
活用ができることに加えて、消費電力の低減が求められ
ている。従って、冷蔵庫などに使用される断熱材の選定
が重要である。現在では、従来から断熱材として広く用
いられた発泡ウレタンに対する断熱性能向上が限界にあ
ることから、図5の各断熱材の断熱性能比較図の中で示
されるような、発泡ウレタンの2倍以上の断熱性能が得
られる真空断熱パネルを応用する技術が提案されてい
る。
【0003】この様な条件を満たす物質として、樹脂や
ガラスなどの多孔体が好適に用いられ、特に、ガラス繊
維のマット、樹脂又は無機物の微粒子の成形品が用いら
れる。例えば、特開昭60−71881ではパーライト
粉末を、特開昭60−243471ではポリウレタンフ
ォーム粉砕品を、各々、合成樹脂袋に投入してボード状
に真空パックしたものを、特開平7−96580ではガ
ラスの長繊維を無機微粉末にフィビリル化した樹脂繊維
により固化保持したボードを、真空断熱パネルの芯材と
して応用することが提案されている。
【0004】ところが、このような多孔体を真空断熱パ
ネルの芯材として変形を来さない安定な状態に確保する
ためには、高密度な状態で充填させることが不可欠と
り、従って、冷蔵庫などの断熱箱体が真空断熱パネルの
搭載によって重量増加を余儀なくされる。また、包装材
内への芯材の充填から包装材内部を真空に保持する一連
の製造工程において、芯材が定形状態を呈していないた
め、取扱いが困難で量産性が劣るという問題もあった。
【0005】さらに、特開昭60−243471のよう
に無機材料酸化物の粉末状をたとえ一部であったとして
も用いる場合には、粉末状物質を通気性のある袋に入れ
て定形を確保する必要があるなど取り扱いがわずらわし
いうえ、これを用いた冷蔵庫などの断熱箱体を廃棄する
場合には、断熱壁および通気性のある袋の破壊に伴って
粉末が粉塵として飛散するので、断熱箱体破砕時の作業
環境および効率の悪化を招き易くなっていた。
【0006】この様な問題点に対しては、自由に密度を
設定できる連続気泡を有する樹脂発泡体のボードが有効
であり、特開昭60−205164では連通気泡の発泡
ウレタンを、特開平4−218540では熱可塑性ウレ
タン樹脂の粉体を焼結させた板状成形品を、それぞれ芯
材として用いることが提案されている。
【0007】真空断熱パネルの断熱性能を高めるには、
構成する材料に熱が伝達し難い物質を用いることや材料
間の接触面積を少なくすることによって物質内を伝達す
る熱量を抑制し、更に空隙を小さくすることによって輻
射伝熱を抑制することが有効である。しかし、先に提案
された樹脂発泡体は多孔体を構成する物質の熱伝達係数
が低い反面、無機質の繊維や粒状の物質を用いた芯材で
は繊維や粒子間の接点が点であるのに対して、連続した
樹脂の構造を成すことおよび気泡の大きさが10倍以上
にも達することによって、輻射による熱伝達が増加し、
真空断熱パネルとしての断熱性能が低下することにな
る。
【0008】そこで、特公昭63−61589号公報で
は気泡を微細化した発泡ウレタンによって、特開昭63
−18792号公報では無機粉末と発泡ウレタンの混合
発泡体によって気泡の微細化による輻射伝熱の削減を達
成し、さらに、PCT/US96/04009号に基づ
く公開公報(USA特許・5594036)では、極め
て微細(1〜30ミクロン)な気泡径の連続気泡を有す
る発泡ポリスチレンの使用により、軽量で優れた真空断
熱パネルを確保するようにしている。
【0009】このような真空断熱パネルは、厚さが10
〜30mmの板状であり、図6に示す工程により図7の
断面図の如く、冷蔵庫等の壁に組み込んだ状態で用いら
れる。この断熱箱体の製造方法を図6の工程図に基づい
て説明すると、まず、背面パネルを含む外箱1の任意の
場所に真空断熱パネル3を配設して貼付け(S−1
1)、これに内箱2を挿入し断熱箱体の外殻を形成し
(S−12)、そこに外殻の構成に関連する各種部材を
装着する(S−13)。次に、断熱箱体の外殻が発泡ウ
レタン4の発泡圧によって変形を来さないように治具に
挿入し、背面の両側壁上に設けた注入口から発泡ウレタ
ン4の原料液を注入する(S−14)。原料液は、やが
て発泡を開始して注入直下の両側壁を起点として放射状
に広がりながら天井面、底面、さらに背面に充填して、
外殻内の残った空隙を全て埋めることとなる。原料液の
注入から4〜8分後に樹脂が硬化して断熱壁が形成され
るので、治具を開いて完成した断熱箱体を取り出す(S
−15)。
【0010】断熱箱体に利用される真空断熱パネルに
は、内部が真空状態であることから受ける大気圧や、該
パネルの保持に用いる発泡ウレタンを充填する際に受け
る発泡圧などの応力付加によって変形を来さず、パネル
形状が保持できる所定以上の強度を有するようにするこ
とが必要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、輻射熱の遮蔽
効果を向上させるために気泡を微細化すると、芯材に用
いている樹脂発泡体の圧縮強度は低下の傾向を示す。こ
れは、図8の樹脂発泡体における気泡断面の概念図に示
されるように、(a)から(b)に気泡5を微細化する
ことにより、圧縮応力を支える柱部分6が細くなるため
である。
【0012】このため、芯材である発泡樹脂の密度を上
昇させて圧縮強度の低下に対処している。しかし、冷蔵
庫などの断熱箱体の外殻内に配設した真空断熱パネル
が、固定用発泡ウレタンの充填時の発熱による芯材表面
の温度上昇によって受ける強度低下を払拭するには至ら
ず、真空断熱パネルは大気圧と発泡ウレタンの応力を受
けて収縮を来すことになる。特に、芯材に用いることに
よって優れた断熱性能が発現できる微細な気泡を有する
発泡ポリスチレンに関しては、変形に関する耐熱温度が
低いのでより大きな変形を招くこととなる。
【0013】この発明は上記の問題を解決するために成
されたものであり、外殻内に配設された真空断熱パネル
が、固定用の発泡ウレタンの充填時に受ける熱によって
発生する変形を、その密度を特に大きくすることなく抑
制することのできる真空断熱パネルを得ることを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、包装材の内
部に連続した気泡を有する芯材を備え、包装材の内部が
真空状態に維持されてなる真空断熱パネルにおいて、前
記芯材を樹脂発泡体と該樹脂発泡体上に載置した耐熱性
を有する多孔体との二重構造としたものである。
【0015】また、前記樹脂発泡体を、発泡ポリスチレ
ンとしたものである。
【0016】また、前記耐熱性を有する多孔体を、連続
した気泡を有する発泡ウレタンあるいは発泡フェノール
としたものである。
【0017】さらに、前記耐熱性を有する多孔体を、ガ
ラス繊維からなるマットあるいは不織布としたものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、連通気泡を有する発泡ポ
リスチレンを芯材に用いた真空断熱パネルの作製方法を
説明する。
【0019】[芯材の作製]真空断熱パネルの内部に入
れる芯材の作製について以下に述べる。なお、芯材に用
いる連通気泡を有する発泡ポリスチレンの製造方法につ
いては、PCT公開公報WO96/07942(特表平
8−503720)やPCT公開公報WO96/168
76(特表平8−505895)に記載されている。す
なわち、平均分子量が2*105 のポリスチレンに主発
泡剤である炭酸ガスと、例えばHFC−134a(1,1,
1,2-tetrafluoroetane)やHFC−152a(1,1-difluo
roetane) などの補助発泡剤を好適に用いて、押出し混
合、発泡、フォームの急冷を行えば、連通気泡の含有率
が100%に近く、しかも気泡径の小さな発泡ポリスチ
レンが得られる。
【0020】急冷直後の押出し成型品は、内部が融点以
下で熱変形温度以上の温度を保持しているので、平板に
挟み込んで圧縮の方向に応力を付加することによって気
泡を容易に扁平化することができる。セルの扁平化に伴
って樹脂内に発生した応力を除去するために、この圧縮
した状態を維持しながら熱変形温度を保持した後、成型
品を熱変形温度以下、好ましくはガラス転移温度以下に
冷却する。このようにして得られたブロック状の成型品
は、裁断するなどして所望の大きさと形状を有する加工
品とする。また、裁断し、加圧してセルを扁平化させた
後に、必要に応じてアニールを行っても良い。
【0021】この連通気泡を有する発泡ポリスチレンの
加工品は、真空断熱パネルの芯材として一般に用いられ
ている発泡ウレタンと比較して、取り扱い時に表面が擦
れても粉などが発生し難く、大気圧に耐えうる強度や取
り扱いに必要な適度な柔軟性を備える。その上、発泡ポ
リスチレンの加工品は輻射断熱に有効な微細な気泡形状
を有し、その気泡を扁平状にすることによる優れた断熱
性能を発揮するので、芯材として特に適する。
【0022】以上のようして作製された発泡ポリスチレ
ンの芯材を第1の芯材とし、一方、この発泡ポリスチレ
ンの上に載置する第2の芯材として、連通気泡を有する
発泡ウレタンまたは発泡フェノール、ガラス長繊維のマ
ットまたはガラス長繊維の不織布などの耐熱性を有する
多孔体を用意する。
【0023】[包装材の作製]芯材を収納する包装材
は、各種ガスが透過しないかまたは非常に透過し難い特
性を有すると共に、内面に相当する層に接着が可能な部
材を用いた多層シートを用い、その端辺を熱融着による
シールを行うことによって袋状に成形される。包装材に
は、例えば、図1に示す断面構造を有するラミネートシ
ート11を用いる。つまり、ポリエチレンテレフタレー
トなどに場合によってはアルミ蒸着などを施した基材7
となるフィルムの上面に、表面を保護するための例えば
ナイロンなどの耐傷性に優れた表面層8となるフィルム
を載置し、その反対面にはガスバリヤー層9となるアル
ミ箔を配設したシートの上に、溶着または接着剤を用い
て積層した接着層10を形成したものである。ここで
は、基材7にポリエチレンを用いた。
【0024】[真空断熱パネルの作製]第1の芯材およ
び第2の芯材を備えた二重構造の芯材を用いた真空断熱
パネルは、図2に示す工程により、図3の真空溶着機を
使って製造される。ここで、図3を参照しながら図2に
従ってその工程を説明する。
【0025】最初に、包装材をその三辺をシールして袋
状に形成する(Sー1)。続いて、第1の芯材15に第
2芯材16を重ねて、これらを包装材13の中に挿入す
る(Sー2、図3(a))。第1および第2の芯材1
5、16の挿入には作業性と過剰なシワの発生を抑止す
るための適度な裕度を包装材13に設けていることが必
要であり、それがこれらの芯材15,16の挿入と、そ
の次の「真空引き」を効率的に行う上で有効となる。
【0026】次に、図3に示す真空溶着機12に、第1
および第2の芯材15,16を挿入した包装材13を固
定して真空雰囲気を形成し、これらの芯材15,16の
気泡内に残存する空気などのガスを排気する(S−3、
図3(b))。この場合の真空度は1torr以下、好
ましくは10-2torrを確保する。気泡内にあるガス
の排気には包装材13と第1および第2の芯材15,1
6との間に隙間を設けてあるので、挿入口である端辺1
7のみならず芯材の表面からも排気が出来て、上記真空
度への到達が容易に行われる。
【0027】さらに、第1および第2の芯材15,16
とを融着ヒータ18を備えたシール用加圧装置19によ
って包装材13の端辺17をシールし(S−4、図3
(c))、最後に真空溶着機の内部の真空を解除して常
圧に戻せば、図4に示すような真空断熱パネル20が得
られる。すなわち、第1の芯材である連通気泡を有する
発泡ポリスチレン15の上に、第2の芯材である連通気
泡を有する発泡ウレタンまたは発泡フェノール、または
ガラス長繊維のマットなどの耐熱性を有する多孔体16
が載置された二重構造の芯材が、包装材13の内部に納
められた真空断熱パネルが得られる。
【0028】[真空断熱パネルの断熱箱体への適用]こ
の様にして得られた真空断熱パネルを断熱壁に備えた断
熱箱体は、従来から行われている図6の工程によって作
製することが出来る。つまり、真空断熱パネルは厚さが
10〜30mmの板状であるから、断熱箱体の外殻との
間隙に発泡ウレタンなどの発泡樹脂を充填して固定する
ことが必要であり、この工程を経ることによって、真空
断熱パネルを断熱壁に組み込んだ、例えば図7の壁部断
面図に示す構造の断熱箱体を得ることが出来る。
【0029】この発明の真空断熱パネルを使って得られ
た断熱箱体によれば、真空断熱パネルの第2の芯材を固
定用発泡樹脂が充填される側に向けて配置することによ
り、固定用発泡樹脂の発泡を伴う充填時に発生する熱が
第1の芯材である連通気泡を有する発泡ポリスチレンに
直接、伝熱されることが無くなる。つまり、適度な厚さ
にした第2の芯材が熱の遮断機能を果たし、かつ自らも
変形することがない。従って、第1の芯材である発泡ポ
リスチレンの温度上昇が抑制され、発泡ポリスチレンが
熱変形温度と同等以上の表面温度に達することによる圧
縮強度の低下が防止される。
【0030】ただし、発泡樹脂である発泡ウレタンの発
熱によって上昇する真空断熱パネルの表面の温度は約1
10℃に達するので、第2の芯材には120〜130℃
の熱変形温度を有する発泡ウレタン等を用い、厚さの収
縮を招くことがないようにすることが必要である。ま
た、第2の芯材は、熱の遮蔽効果つまり断熱性を合わせ
持つことも必要であるから、それは樹脂または無機物の
多孔体であることが好ましい。
【0031】
【実施例】次に、この本発明の具体的な実施例としての
真空断熱パネル作り、さらにそれを使った断熱板を成形
して、その断熱性能と変形量を測定した。今回の真空断
熱パネルに用いた芯材は、表1に示す第1の芯材と第2
の芯材とから成るA,B,Cであって、第2の芯材の厚
さは、それが発泡ウレタンあるいは発泡フェノールの場
合には3mmとし、ガラス長繊維のマットの場合には1
kg/ cm2 以上の荷重下において2mmの厚さになる
ものを用いた。これらの芯材A,B,Cを用いた真空断
熱パネルを、それぞれ実施例1、実施例2、実施例3と
した。
【0032】
【表1】
【0033】一方、連通気泡を有する発泡ポリスチレン
のみを芯材とした真空断熱パネルを比較例1、また、連
通気泡を有する発泡ウレタンのみを芯材とした真空断熱
パネルを比較例2とした。
【0034】いずれの真空断熱パネルも、200mm×
200mmの面と20mmの厚さを有するものとし、そ
れらのパネルを幅と高さが何れも400mmで厚さが4
0mmのアルミ金型の中央片面に貼り付けた。実施例1
〜3の場合の真空断熱パネル貼付の方法は、第1の芯材
を有する包装材の表面が金型面に接して保持出来るよう
に両面テープを用いて固定し、第2の芯材を有する包装
材の表面が周囲に充填される固定用の発泡ウレタンと接
するようにする。
【0035】次に、真空断熱パネルを備えて45℃に保
温されたアルミ金型内に、独立気泡を有する発泡ウレタ
ンを注入して空隙内を充填する。具体的には、二液に分
けて安定な状態が確保された原料を高圧発泡機などを用
いて混合することによって得た発泡ウレタンの混合液
を、金型上部の開口部から空隙内に注入した後、注入口
である開口部を塞ぐ。注入から数秒間後に発泡ウレタン
の混合液は流動状態を維持しながら発泡を開始するが、
注入口は封止されているので、発泡中の発泡ウレタンが
洩れることがない。この固定用発泡ウレタンの充填は、
原料の反応およびその熱により生成されたガスによって
発泡する泡の状態で隅々まで流動して金型内充填する。
樹脂の硬化が完了するまで静置した後、金型を開放して
成形された断熱板を取出す。この方法により、実施例1
〜3、比較例1〜2の各真空断熱パネルを備えた断熱板
をそれぞれ作製した。
【0036】まず、上記実施例1〜3と比較例1〜2の
真空断熱パネルの断熱性能を測定してそれらを比較し
た。真空断熱パネル内の真空度は10-1 〜10-3to
rrの間の任意の値とし、断熱性能は栄光精機(株)社
製の「オートラムダ」を用いて熱伝達率を測定し比較し
た。次に、実施例1〜3、比較例1〜2の各真空断熱パ
ネルを用いて作った断熱板を解体して真空断熱パネルを
取り出し、予め測定していた芯材の厚さとの差異から各
芯材の変形量を求めた。
【0037】これらの結果を、各真空断熱パネル単体の
熱伝達率と、それぞれの真空断熱パネルを用いて断熱板
に成形した後の芯材の厚さの変形量として、表2に示し
た。
【0038】
【表2】
【0039】表2によれば、発泡ポリスチレンのみで芯
材を構成した比較例1の真空断熱パネルを冷蔵庫などの
断熱壁に適用した場合には変形などの問題発生が示唆さ
れ、発泡ウレタンのみで芯材を構成した比較例2の場合
には断熱性能の悪化による熱漏洩量の増加を来すことが
示唆された。
【0040】これに対して、実施例1〜3の場合は、固
定用発泡ウレタンの発泡に伴う発熱と発泡圧の影響を受
けた芯材の変形は、意匠性を大きく損なうことのない
0.2〜0.4mmに止まり、発泡ポリスチレンのみを
芯材とした比較例1の変形量3.1mmと比べると、有
意に小さく、発泡ウレタンのみを芯材とした比較例2の
変形量0.2mmほぼ同じとなることが確認できた。ま
た、断熱性能の点でも、実施例1〜3の熱伝達率は比較
例1とほぼ同じとなり、優れた断熱性能を有しているこ
とが確認できた。
【0041】この発明は、ここに記載された又は図示さ
れた冷蔵庫などに用いる真空断熱パネルに限定されるも
のではなく、例えば車載用の小型冷蔵庫やプレハブ式簡
易冷蔵庫、保冷車やパイプや建築物の保温材など、保温
および/または保冷用製品の部品としても応用でき、そ
の要旨を脱し得ない範囲で種々変形して実施することが
できる。
【0042】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、真空断熱パネ
ル内の芯材となる構造材を、樹脂発泡体と該樹脂発泡体
上に載置した耐熱性を有する多孔体との二重構造とした
ので、断熱箱体を形成するために真空断熱パネルを固定
する発布ウレタンを発泡させながら充填する際に発生す
る熱を、この耐熱性を有する多孔体で遮断して芯材の温
度上昇に伴う強度低下を抑制し、真空断熱パネルの収縮
を効果的に防止することが可能になる。
【0043】請求項2の発明によれば、芯材を構成する
樹脂発泡体を発泡ポリスチレンとすることで、気泡の微
細化に伴う輻射熱の遮蔽効果が向上して、断熱性能に優
れた真空断熱パネルを得ることができる。
【0044】請求項3の発明によれば、耐熱性を有する
多孔体を連続した気泡を有する発泡ウレタンあるいは発
泡フェノールとすることにより、それらを芯材を構成す
る樹脂発泡体の上に容易に載置することができ、従っ
て、作業性に優れ、真空断熱パネルの製造を容易にす
る。
【0045】請求項4の発明によれば、耐熱性を有する
多孔体をガラス繊維からなるマットあるいは不織布とす
ることにより、それらを芯材を構成する樹脂発泡体の上
に容易に載置することができ、従って、作業性に優れ、
真空断熱パネルの製造を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 包装材であるラミネートシートの構造を示す
断面図である。
【図2】 この発明における真空断熱パネルの製造工程
図である。
【図3】 真空溶着機の内部構造を示す模式図である。
【図4】 この発明に係る真空断熱パネルの断面図であ
る。
【図5】 各断熱材の断熱性能比較図である。
【図6】 断熱箱体の製造工程図であろ。
【図7】 真空断熱パネルを組込んだ断熱箱体の壁構造
を示す部分断面図である。
【図8】 気泡の微細化に伴う樹脂発泡体の構造変化の
概念を示す断面図である。
【符号の説明】
13 包装材、15 第1の芯材、16 第2の芯材、
20 真空断熱パネル。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包装材の内部に連続した気泡を有する芯
    材を備え、包装材の内部が真空状態に維持されてなる真
    空断熱パネルにおいて、 前記芯材を樹脂発泡体と該樹脂発泡体上に載置した耐熱
    性を有する多孔体との二重構造とすることを特徴とする
    真空断熱パネル。
  2. 【請求項2】 前記樹脂発泡体が、発泡ポリスチレンで
    あることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記耐熱性を有する多孔体が、連続した
    気泡を有する発泡ウレタンあるいは発泡フェノールであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載に記載の真空断
    熱パネル。
  4. 【請求項4】 前記耐熱性を有する多孔体が、ガラス繊
    維からなるマットあるいは不織布であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の真空断熱パネル。
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