JPH11199197A - フォークリフトの後輪車軸揺動制御装置 - Google Patents

フォークリフトの後輪車軸揺動制御装置

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Publication number
JPH11199197A
JPH11199197A JP30549798A JP30549798A JPH11199197A JP H11199197 A JPH11199197 A JP H11199197A JP 30549798 A JP30549798 A JP 30549798A JP 30549798 A JP30549798 A JP 30549798A JP H11199197 A JPH11199197 A JP H11199197A
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JP
Japan
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load
swing
wheel axle
rear wheel
tilt angle
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Application number
JP30549798A
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Inventor
Kazuo Ishikawa
和男 石川
Takaki Ogawa
隆希 小川
Masakatsu Suzuki
正勝 鈴木
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH11199197A publication Critical patent/JPH11199197A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2200/00Indexing codes relating to suspension types
    • B60G2200/30Rigid axle suspensions
    • B60G2200/32Rigid axle suspensions pivoted
    • B60G2200/322Rigid axle suspensions pivoted with a single pivot point and a straight axle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/40Auxiliary suspension parts; Adjustment of suspensions
    • B60G2204/46Means for locking the suspension
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2300/00Indexing codes relating to the type of vehicle
    • B60G2300/02Trucks; Load vehicles
    • B60G2300/022Fork lift trucks, Clark

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷置き直後に後輪アクスルの揺動規制状態が
解除されないようにする。 【解決手段】 車体2に対して後輪アクスル13をロー
ル面内で揺動可能に支持するとともに揺動を規制可能な
油圧シリンダ17を設ける。左右方向の安定性が低下す
る状態では、積み荷の荷重及び揚高位置に基づき揺動制
御ユニット31が油圧シリンダ17の伸縮動作を禁止す
る。回転変位センサ12にて検出されるマスト3のティ
ルト角からマスト3が荷置きのために前傾されたことを
検出したときには、荷重及び揚高位置に基づいて後輪ア
クスル13の揺動を規制すべき状態であっても揺動を許
容する。そして、荷置き時には、後輪アクスル13の揺
動が規制されていないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前輪車軸が車体に
対して固定されたフォークリフトにおいて車体に対して
ロール方向に揺動可能に支持された後輪車軸の揺動を一
時的に規制して車両の左右方向の安定性の低下を防止す
るフォークリフトの後輪車軸揺動制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、産業車両であるフォークリフトに
は、車体に対して固定された前側駆動輪に対して後輪車
軸を車体に対してロール面内で揺動可能に支持すること
により走行面への駆動輪の追従性を向上させ、走行性の
向上を図った車軸支持構造が採用されているものがあ
る。このような車軸支持構造を備えた車両では、高荷
重、高揚高、高車速等での走行時に、後輪車軸の揺動に
より車体が不必要に左右方向に傾動する場合がある。そ
の結果、車両の重心が車両の左右方向の外側に移動して
左右方向の安定性が低下する可能性がある。そこで、後
輪車軸を揺動可能とした車軸支持構造を備えた車両に
は、車両の左右方向の安定性が低下するような積載状態
あるいは走行状態を検出し、そのような状態では後輪車
軸の揺動を一時的に規制して左右方向の安定性の低下を
防止する車軸揺動制御装置が搭載されている。
【0003】そのような車軸揺動制御装置として、積み
荷の荷重及び揚高位置から車両の左右方向の安定性が低
下する状態を判断し、そのような状態では後輪車軸の揺
動を一時的に規制することより左右方向の安定性の低下
を防止するようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前輪車軸は
固定されており後輪車軸だけが揺動することから、積み
荷の荷重が同一であっても車両重心の車両前後方向にお
ける位置により車両の左右方向の安定性は異なってい
る。即ち、荷置き時にマストが後傾状態から前傾状態に
ティルト操作されると車両重心が前輪車軸側に近い位置
となって左右方向の安定性が高くなる。反対に、運搬時
にマストが前傾状態から後傾状態にティルト操作される
と車両重心が後輪車軸側により近い位置となって左右方
向の安定性が低くなる。
【0005】ところが、上記の車軸揺動制御装置では、
積み荷の荷重及び揚高位置に対する車両重心の上下方向
における位置に応じて変化する車両の左右方向の安定性
を判断して後輪車軸の揺動を規制しているだけであって
マストのティルト操作による車両重心の車両前後方向の
位置の変化による左右方向の安定性の変化は考慮してい
ない。このことから、後輪車軸の揺動を規制する基準と
なる積み荷の荷重及び揚高位置は、マストが最後傾位置
にあって車両重心の位置が最も後輪車軸側にあるとき、
つまり、車両の左右方向の安定性が最も低くなるときに
許容することができる積み荷の荷重及び揚高位置として
いた。従って、マストが最後傾位置になく、実際には左
右方向の安定性に余裕がある状態であっても最も厳しい
条件で設定した荷重及び揚高位置に基づいて後輪車軸の
揺動を規制するため、後輪車軸の揺動が無用に規制され
後輪車軸の揺動による走行性の向上を図ることができな
い領域があった。
【0006】又、別の問題として、上記車軸揺動制御装
置を備えたフォークリフトでは、積み荷の荷重及び揚高
位置に基づいて後輪車軸の揺動が規制されている状態で
荷置き作業を行うと、積み荷を荷置きする時点で荷重あ
るいは揚高が判定値を下回って後輪車軸の揺動規制状態
が解除される。一方、荷置きを行う前に、積み荷の荷重
及び揚高位置に基づいて後輪車軸の揺動が規制されたと
きの路面が凹凸状態であった場合には、後輪車軸が車体
に対して傾動した状態で揺動が規制されることがある。
もし、後輪車軸が傾動した状態で揺動が規制されたまま
で荷置き作業を平坦な場所で行うと、荷置き時に後輪車
軸の揺動が許容されたときに後輪車軸が急激に水平状態
に復帰することにより、車体が左右に揺れることがあ
る。このとき、フォークは荷置きしたばかりの積み荷の
下側にあるため、車体が左右に揺れることでフォークが
荷置きしたばかりの積み荷の下面に当たることがあっ
た。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その第1の目的は、フォークに積
載された積み荷の荷重及び揚高位置に基づいて後輪車軸
の揺動を一時的に規制して車両の左右安定性を確保する
フォークリフトの後輪車軸揺動制御装置において、マス
トのティルト角に対する車両重心の車両前後方向におけ
る位置に応じて後輪車軸の揺動を規制して、車体の状況
に応じて適切に左右安定性を確保することができるフォ
ークリフトの後輪車軸揺動制御装置を提供することにあ
る。
【0008】第2の目的は、第1の目的に加えて、左右
安定性が高い状態で後輪車軸の揺動が無用に規制されな
いようにし、揺動を許容することによる走行性の向上を
図ることができるフォークリフトの後輪車軸揺動制御装
置を提供することにある。
【0009】第3の目的は、第1の目的に加えて、荷置
き直後に後輪車軸の揺動規制状態が解除されないように
することができるフォークリフトの後輪車軸揺動制御装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するため、請求項1に記載の発明は、車体に対し
て前輪車軸がロール面内で揺動不能に支持されるととも
に後輪車軸がロール面内で揺動可能に支持され、前記車
体に対する前記後輪車軸の揺動が規制可能とされたフォ
ークリフトの前記後輪車軸を、フォークに積載された積
み荷による車両重心の変化により車両の左右方向の安定
性が低下しないように同積み荷の荷重及び揚高位置に基
づいて一時的に規制するフォークリフトの後輪車軸揺動
制御装置において、マストのティルト操作により、前記
車両重心の車両前後方向における重心位置が前記前輪車
軸側により近い位置に移動して車両の左右方向の安定性
がより高くなるほど、その高くなる範囲内で前記後輪車
軸の揺動を規制するときの前記荷重の大きさを大きくす
る。
【0011】第1及び第2の目的を達成するため、請求
項2に記載の発明は、車体側に対してロール面内で揺動
可能に支持された後輪車軸の揺動を規制する揺動規制手
段と、フォークに積載された積み荷の荷重を検出する荷
重検出手段と、前記積み荷の揚高位置を検出する揚高検
出手段と、前記荷重に対して設定された荷重判定値、及
び、揚高位置に対して設定された揚高判定値に基づき前
記揺動規制手段を制御して、前記積み荷による車両重心
の変化により車両の左右方向の安定性が低下しないよう
に前記後輪車軸の揺動を一時的に規制する揺動規制制御
手段とを備えたフォークリフトの後輪車軸揺動制御装置
において、前記フォークに積み荷が積載された状態での
前記車両重心の車両前後方向における重心位置を検出す
る重心位置検出手段を備え、前記揺動規制手段は、前記
重心位置が前記後輪車軸側よりもより前記前輪車軸側に
あって車両の左右方向の安定性が高くなるほどより高い
値に設定された前記荷重判定値に基づいて前記後輪車軸
の揺動を規制する。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記重心位置検出手段は、マストのテ
ィルト角を検出するティルト角検出手段であって、前記
ティルト角から前記重心位置を検出する。
【0013】第1及び第3の目的を達成するため、請求
項4に記載の発明は、車体に対して前輪車軸がロール面
内で揺動不能に支持されるとともに後輪車軸がロール面
内で揺動可能に支持され、前記車体に対する前記後輪車
軸の揺動が規制可能とされたフォークリフトの前記後輪
車軸を、フォークに積載された積み荷による車両重心の
変化により車両の左右方向の安定性が低下しないように
同積み荷の荷重及び揚高位置に基づいて一時的に規制す
るフォークリフトの後輪車軸揺動制御装置において、フ
ォークに積載されている積み荷を荷置きするときには、
前記荷重及び揚高位置に基づいて前記後輪車軸の揺動を
規制すべき状態であっても揺動を規制しない。
【0014】第1及び第3の目的を達成するため、請求
項5に記載の発明は、車体に対してロール面内で揺動可
能に支持された後輪車軸の揺動を規制する揺動規制手段
と、フォークに積載された積み荷の荷重を検出する荷重
検出手段と、前記積み荷の揚高位置を検出する揚高検出
手段と、前記荷重に対して設定された荷重判定値、及
び、前記揚高位置に対して設定された揚高判定値に基づ
き前記揺動規制手段を制御して、前記積み荷による車両
重心の変化により車両の左右方向の安定性が低下しない
ように前記後輪車軸の揺動を一時的に規制する揺動規制
制御手段とを備えたフォークリフトの後輪車軸揺動制御
装置において、マストのティルト角を検出するティルト
角検出手段と、前記ティルト角が、所定荷重の積み荷が
積載されたときに前記フォークの状態がほぼ水平となる
水平ティルト角より前記マストが前傾したティルト角で
あるかあるいは後傾したティルト角であるかを判定する
ティルト角判定手段とを備え、前記揺動規制制手段は、
前記ティルト角が水平ティルト角より前傾したティルト
角であるときには、前記荷重及び揚高位置に基づいて前
記後輪車軸の揺動を規制すべき状態であっても揺動を規
制しない。
【0015】第1及び第3の目的を達成するため、請求
項6に記載の発明は、車体に対してロール面内で揺動可
能に支持された後輪車軸の揺動を規制する揺動規制手段
と、フォークに積載された積み荷の荷重を検出する荷重
検出手段と、前記積み荷の揚高位置を検出する揚高検出
手段と、前記荷重に対して設定された荷重判定値、及
び、前記揚高位置に対して設定された揚高判定値に基づ
き前記揺動規制手段を制御して、前記積み荷による車両
重心の変化により車両の左右方向の安定性が低下しない
ように前記後輪車軸の揺動を一時的に規制する揺動規制
制御手段とを備えたフォークリフトの後輪車軸揺動制御
装置において、マストのティルト角を検出するティルト
角検出手段と、前記ティルト角から、前記マストが所定
荷重の積み荷が積載されたときに前記フォークの状態が
ほぼ水平となる水平ティルト角よりも後傾した状態か
ら、同水平ティルト角を経て同水平ティルト角よりも前
傾した状態となるように前傾動作したことを判定するマ
スト動作検出手段とを備え、前記揺動規制制御手段は、
前記前傾動作が行われたときには、前記荷重及び揚高位
置に基づいて前記後輪車軸の揺動を規制すべき状態であ
っても揺動を規制しない。
【0016】(作用)請求項1の発明によれば、フォー
クに積載された積み荷の荷重及び揚高位置にに基づき車
両の左右方向の安定性が低下する状態であると判断され
ると、後輪車軸の揺動が一時的に規制され積み荷による
左右方向の安定性の低下が防止される。後輪車軸の揺動
を規制しない状態では、車両重心の車両前後方向におけ
る重心位置が後輪車軸側よりも前輪車軸側にあるほど車
両の左右方向の安定性が高くなる。従って、マストのテ
ィルト操作により車両の重心位置がより前輪車軸側に移
動して左右方向の安定性が高くなるほど、積み荷の荷重
がより大きくならないと後輪車軸の揺動が規制されな
い。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、荷重検出手段にて検出さ
れる積み荷の荷重と、揚高検出手段にて検出される揚高
位置とから、積み荷により車両の左右方向の安定性が低
下する状態であるか否かが揺動規制制御手段にて判断さ
れる。同安定性が低下する状態であると判断されると、
揺動規制制御手段にて揺動規制手段が制御されて後輪車
軸の揺動が規制される。そして、車両の左右方向の安定
性がより高くなるほどより高い値に設定された荷重判断
値に基づいて後輪車軸の揺動が規制される。従って、車
両重心の車両前後方向における位置がより前輪車軸側に
あって左右方向の安定性が高くなるほど、積み荷の荷重
がより大きくならないと後輪車軸の揺動が規制されな
い。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加えて、車両重心の車両前後方向
における重心位置との相関が高いマストのティルト角か
ら同重心位置が検出される。従って、車両重心の重心位
置が簡単な構成でしかも高い精度で検出される。
【0019】請求項4に記載の発明によれば、積み荷の
荷重及び揚高位置に基づき車両の左右方向の安定性が低
下する状態であると判断されると、後輪車軸の揺動が一
時的に規制され積み荷による左右方向の安定性の低下が
防止される。フォークに積載されている積み荷を荷置き
するときには、運搬時にはフォークがほぼ水平となるテ
ィルト角よりも後傾側に配置されていたマストが、フォ
ークがほぼ水平状態となるまで前傾側にティルト操作さ
れ車両重心が前輪車軸側に移動して左右方向の安定性が
高くなる。従って、荷置き時には、積み荷の荷重及び揚
高位置に基づいて後輪車軸の揺動を規制すべき状態であ
っても揺動が許容された状態で荷置きが行われる。
【0020】請求項5に記載の発明によれば、積み荷の
荷重及び揚高位置に基づき車両の左右方向の安定性が低
下すると判断されると、後輪車軸の揺動が規制され積み
荷による左右方向の安定性の低下が防止される。そし
て、積み荷の運搬時において、積み荷が積載されたフォ
ークの状態がほぼ水平となる水平ティルト角よりも後傾
した状態に配置されていたマストが、積み荷の荷置き時
に水平ティルト角よりも前傾側にティルト操作される
と、車両重心の重心位置が前輪車軸側に移動して後輪車
軸の揺動を規制しないでも車両の左右方向の安定性が高
くなる。従って、運搬した積み荷を荷置きするためにマ
ストを後傾状態から前傾状態にティルト操作させると、
積み荷の荷重及び揚高位置に基づいて後輪車軸の揺動を
規制する状態であっても後輪車軸の揺動が許容された状
態で荷置きが行われる。
【0021】請求項6に記載の発明によれば、積み荷の
荷重及び揚高位置に基づき車両の左右方向の安定性が低
下すると判断されると、後輪車軸の揺動が規制され積み
荷による左右方向の安定性の低下が防止される。積み荷
の運搬時において、積み荷が積載されたフォークの状態
がほぼ水平となる水平ティルト角よりも後傾した状態に
配置されていたマストが、積み荷の荷置き時に水平ティ
ルト角を経て同水平ティルト角よりも前傾した状態とな
るようにティルト操作されると、車両重心の重心位置が
前輪車軸側に移動して後輪車軸の揺動を規制しないでも
車両の左右方向の安定性が高くなる。従って、積み荷の
荷重及び揚高位置に基づいて後輪車軸の揺動が規制され
た状態で、荷置きのためにマストを後傾状態から前傾状
態にティルト動作させると、揺動が許容された状態で荷
置きが行われる。又、後輪車軸の揺動が規制されていな
い状態で、荷取りのためにマストを後傾状態から前傾状
態にティルト動作させると、荷取りした積み荷の荷重及
び揚高位置に基づいて後輪車軸の揺動が規制された状態
で荷取りが行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図7に従って
説明する。
【0023】図2は、産業車両としてのフォークリフト
1を示す側面図である。このフォークリフト1は、前輪
駆動及び後輪操舵の四輪車である。フォークリフト1の
車体2の前部には車両前後方向に傾動可能なマスト3が
設けられている。マスト3は、基端が車体2に支持され
たアウタマスト4aと、同アウタマスト4aに沿って昇
降可能に案内されたインナマスト4bとを備えている。
インナマスト4bにはフォーク5を備えたリフトブラケ
ット6が昇降可能に支持され、リフトブラケット6はイ
ンナマスト4bの上部に設けられたスプロケットホイー
ル7に掛装される図示しないチェーンにてアウタマスト
4aの上部に連結されている。アウタマスト4aの後側
にはリフトシリンダ8が設けられ、そのピストンロッド
8aがインナマスト4bの上部に連結固定されている。
車体2の前部にはティルトシリンダ9が設けられ、その
ピストンロッド9aがアウタマスト4aに連結されてい
る。
【0024】図1に示すように、アウタマスト4aに
は、フォーク5の揚高位置をインナマスト4bに設けら
れた図示しないプレート状のドグにて検出する揚高位置
検出手段としての揚高位置センサ10が設けられてい
る。この揚高位置センサ10には、例えば、リミットス
イッチが用いられる。又、リフトシリンダ8には、積み
荷の荷重に対応したリフトシリンダ8内の油圧を検出す
る荷重検出手段としての圧力センサ11が設けられてい
る。この圧力センサ11には、例えば、歪みゲージ式圧
力センサが用いられる。ティルトシリンダ9の基端部に
はアウタマスト4aのティルト角を検出するティルト角
検出手段及び回転変位センサとしてのティルト角センサ
12が設けられている。このティルト角センサ12に
は、例えば、ポテンショメータが用いられる。
【0025】図3は、後輪アクスル(後輪車軸)13と
油圧回路を示す摸式背面図である。車体2の下部には後
輪アクスル13を支持するための車軸支持部14が設け
られている。両側に後輪15が操舵可能に支持された後
輪アクスル13には揺動軸16が設けられている。そし
て、車軸支持部14に揺動軸16が回動可能に支持され
ることにより、車体2に対して後輪アクスル13がロー
ル面内で揺動可能に連結されている。後輪アクスル13
の車体2に対する揺動範囲は、後輪アクスル13が前輪
アクスルと平行となる位置を中立位置として時計回り及
び反時計回りに同じ角度となるように図示しないストッ
パにて後輪アクスル13の回動が規制されるようになっ
ている。
【0026】車体2と後輪アクスル13との間には、車
体2に対する後輪アクスル13の揺動を規制することが
できる複動型の油圧シリンダ17が設けられている。油
圧シリンダ17は、そのシリンダチューブ18が車体2
にロール面内で回動可能に連結され、ピストンロッド1
9が後輪アクスル13にロール面内で揺動可能に連結さ
れている。
【0027】油圧シリンダ17のピストンヘッド側の第
1油室20とピストンロッド19側の第2油室21と
は、同油圧シリンダ17に一体で設けられ、第1油室2
0と第2油室21とを連通又は遮断可能な電磁方向制御
弁22を介して接続されている。本実施の形態では、油
圧シリンダ17及び電磁方向制御弁22にて揺動規制手
段が構成されている。
【0028】電磁方向制御弁22は4ポート2位置切換
弁であって、a,b,c,dの各ポートを備えている。
電磁方向制御弁22は、電磁ソレノイド23にて図示し
ないスプールが連通位置に切り換えられるとaポートが
cポートに連通されるとともにbポートがdポートに連
通され、スプールが遮断位置に切り換えられると各ポー
ト間の連通が遮断される。この電磁方向制御弁22はノ
ーマルクローズ型であって、電磁ソレノイド23が励磁
されていないときにはバネにてスプールが遮断位置に切
り換え配置される。
【0029】前記第1油室20は流路24にてaポート
に連通され、前記第2油室21は流路25にてbポート
に連通されている。cポート及びdポートには流路26
にて蓄圧器27が接続されている。
【0030】車体2には、同車体2に対する後輪アクス
ル13の揺動角を検出するための回転変位センサとして
の揺動角検出センサ28が設けられている。この揺動角
検出センサ28は、例えば、ポテンショメータにて構成
されている。揺動角検出センサ28の図示しない入力軸
にはレバー29が固定され、このレバー29の先端にピ
ンにてロール面内で回動可能に連結された連結棒30の
先端が後輪アクスル13にピンにてロール面内で回動可
能に連結されている。
【0031】車体2には、車体2に対する後輪アクスル
13の揺動を規制する制御を行う揺動制御ユニット31
が搭載されている。次に、車軸揺動制御装置の電気的構
成について説明する。
【0032】図4は、揺動制御ユニット31の電気的ブ
ロック図である。図4に示すように、揺動制御ユニット
31の入力側には、揚高位置センサ10、圧力センサ1
1、ティルト角センサ12及び揺動角センサ28がそれ
ぞれ電気的に接続されている。又、揺動制御ユニット3
1の出力側には、油圧シリンダ17の電磁ソレノイド2
3が電気的に接続されている。
【0033】揚高位置センサ10は、リフトブラケット
6の全揚高範囲において高めの揚高位置Hに設定された
揚高位置HA 未満の揚高位置Hではオフとなり、同揚高
位置HA 以上の揚高位置Hではオンとなるオン・オフ信
号SHを揺動制御ユニット31に出力する。圧力センサ
11は、フォーク5に積載された積み荷の荷重Wに対応
するアナログの荷重信号SPを揺動制御ユニット31に
出力する。ティルト角センサ12は、マスト3のティル
ト角αに対応するアナログのティルト角信号Sαを揺動
制御ユニット31に出力する。揺動角センサ28は、後
輪アクスル13の揺動角βに対応するアナログの揺動角
信号Sβを揺動制御ユニット31に出力する。
【0034】揺動制御ユニット31は、揺動規制制御手
段、ティルト角判定手段及びマスト動作検出手段として
のマイクロコンピュータ32、A/D(Analog/Digita
l)変換器33,34,35及び励磁回路36を備えて
いる。マイクロコンピュータ33は、CPU(Central
Processing Unit )37、ROM(Read Only Memory)
38、RAM(Random Access Memory)39、入力イン
ターフェース40及び出力インターフェース41等を備
えている。本実施の形態では、ティルト角センサ12が
重心位置検出手段である。
【0035】CPU37は、揚高位置センサ10からの
オン・オフ信号SHを入力インターフェース40を介し
て入力する。又、CPU37は、A/D変換器34にて
A/D変換された圧力センサ11からのデジタルの圧力
信号DPと、A/D変換器35にてA/D変換されたテ
ィルト角センサ12からのデジタルのティルト角信号D
αと、A/D変換器36にてA/D変換された揺動角セ
ンサ28からのデジタルの揺動角信号Dβを入力インタ
ーフェース40を介して入力する。
【0036】一方、CPU37は、出力インターフェー
ス41を介して励磁回路36に制御信号を出力し、励磁
回路36から電磁ソレノイド23を駆動するための励磁
電流IDを出力する。
【0037】ROM38には、油圧シリンダ17の伸縮
動作を規制して車体2に対する後輪アクスル13の揺動
を一時的に規制する揺動制御処理を実行するための制御
プログラムが記憶されている。この揺動制御処理は、フ
ォーク5に積載された積み荷の積載状態に対する車両重
心の上下方向における重心位置により車両の左右方向の
安定性が低下しないように同積み荷の荷重W及び揚高位
置Hに基づいて行う制御処理である。
【0038】又、この揺動制御処理は、積み荷の荷重W
及び揚高位置Hに対する車両重心の車両前後方向におけ
る重心位置が前記後輪アクスル13側よりもより前輪車
軸側にあって車両の左右方向の安定性が高くなるほど、
その高くなる範囲内で後輪アクスル13の揺動を規制す
るときの積み荷の荷重Wをより大きくする制御処理であ
る。
【0039】又、この揺動制御処理は、フォーク5に積
載されている積み荷を荷置きするときには、荷重W及び
揚高位置Hに基づいて後輪アクスル13の揺動を規制す
る状態であっても揺動を規制しないようにする制御処理
である。
【0040】ROM38には、積み荷の荷重W及び揚高
位置Hにより決定される車両重心の上下方向における重
心位置により、後輪アクスル13の揺動が規制されてい
ない状態で車両の左右方向の安定性が低下しないように
するため、その安定性を積み荷の荷重W及び揚高位置H
に基づいて判断するための荷重判定値WA 及び揚高判定
値HA が記憶されている。この荷重判定値WA 及び揚高
判定値HA は、理論計算及び実験の結果から決定されて
いる。
【0041】ここで、車両の左右方向の安定性とは、車
両の左右いずれかの方向への倒れ難さであり、車両重心
の重心位置に応じて変化する。即ち、積み荷の荷重Wが
軽く、あるいは、揚高位置Hが低いことにより、車両重
心の重心位置が路面に近いほど安定性が高くなる。従っ
て、積み荷の荷重Wが荷重判定値WA を超え、かつ、揚
高位置Hが揚高判定値HA を超える状態が、後輪車軸1
3の揺動を規制する条件として設定されている。
【0042】又、ROM38に記憶されている前記荷重
判定値WA は、マスト3のティルト角αに対応する連続
的なマップM1(図6に図示)として記憶されている。
マスト3のティルト角αは、図5に示すように、積み荷
が積載されていないフォーク5が水平状態となるときの
ティルト角αを「0°」として、マスト3が前傾する側
のティルト角αを正の角度とし、マスト3が後傾する側
のティルト角αを負の角度としている。そして、マスト
3は、前傾側に、θf≧α≧0、後傾側に、0>α≧θ
rの角度範囲で傾動するようになっている。
【0043】そして、図6に示すように、マップM1
は、フォーク5に所定の荷重Wの積み荷を積載した状態
でフォーク5が水平状態となるティルト角α=θH(こ
れは、ティルト角α=0よりも小さいとなる)より最後
傾角α=θrまでのティルト角α、即ち、θH>α≧θ
rに対して荷重判定値WA を設定し、ティルト角α=θ
Hを含み同ティルト角α=θHより前傾側のティルト角
α、即ち、θf≧α≧θHの範囲のティルト角αには荷
重判定値WA を設定しないように作成されている。
【0044】ここで、積み荷の所定荷重とは、このフォ
ークリフト1の荷揚能力WP であって車種毎に異なる値
である。この荷重判定値WA は、マスト3のティルト角
αに対する許容荷重WT よりもやや低い値に設定されて
いる。許容荷重WT とは、後輪アクスル13の揺動が規
制されていない状態において、そのティルト角αにおい
て左右方向の安定性の低下を招かない範囲で積載するこ
とができる積み荷の最大積載荷重であって、ティルト角
αが前傾側になるほど単調に増大する。尚、荷揚能力W
P は、ティルト角α=θrに対する許容荷重WT であ
る。
【0045】マップM1は、ティルト角αがθH>α≧
θrの範囲では、ティルト角αがより前傾側であるほど
一次関数的に大きくなる荷重判定値WA を設定するよう
になっている。これは、後輪アクスル13の揺動が規制
されていない状態では、積み荷の積載状態に対する車両
重心の車両前後方向における位置が前輪アクスル側によ
り近い位置にあるほど左右方向の安定性がより大きくな
るためである。そして、車両重心の車両前後方向の重心
位置に対し、そのときの許容重量WT よりもやや低い荷
重Wが荷重判定値WA として設定されている。
【0046】一方、マップM1は、フォーク5に所定の
荷重Wの積み荷を積載したときに、ティルト角αがθf
≧α≧θHの範囲では、荷重判定値WA を設定しないよ
うになっている。
【0047】これは、積み荷の運搬時には、積み荷がフ
ォーク5上で前方に移動しないようにマスト3が水平テ
ィルト角θHより後傾されており、その積み荷が荷置き
される場合にはフォーク5がほぼ水平となるようにマス
ト3が水平ティルト角θHより前傾側に操作される。す
ると、積み荷の積載状態に対する車両重心の車両前後方
向における重心位置がそれまでの後輪アクスル13側か
らより前輪アクスルに近い位置に移動して、車両の左右
方向の安定性が後輪アクスル13の揺動を規制しない状
態でも十分に高くなる。このため、積み荷を荷置きする
ためにマスト3が水平ティルト角θHよりも前傾された
ときには、積み荷の荷重W及び揚高位置Hに基づいて揺
動を規制すべき状態であっても後輪アクスル13の揺動
を規制しないようになっている。
【0048】又、ROM38には、積み荷の荷重W及び
揚高位置Hに基づいて後輪アクスル13の揺動を規制す
るときの後輪アクスル13の中立位置からの揺動角β
が、後輪アクスル13の揺動を規制してよい状態である
か否かを判断するための揺動角判定値θβが記憶されて
いる。
【0049】CPU37は、制御プログラムに基づき、
所定時間(例えば、数十ミリ〜数百ミリ秒)経過毎に揺
動制御処理を繰り返し実行する。CPU37は、揺動制
御処理として、ティルト角センサ12にて検出されるテ
ィルト角αに対応する荷重判定値WA を前記マップM1
から設定する。このことにより、CPU37は、積み荷
の荷重W及び揚高位置Hにて決定される車両重心の車両
前後方向における重心位置に応じて、その重心位置に対
応する左右方向の安定性の大きさの許容範囲内で後輪ア
クスル13の揺動が不要に規制されないための荷重判定
値WA を設定する。
【0050】CPU37は、揺動制御処理として、圧力
センサ11にて検出される積み荷の荷重Wと、揚高位置
センサ10にて検出される揚高位置Hとから、積み荷の
積載状態を検出する。CPU37は、荷重Wが荷重判定
値WA を超え、かつ、揚高位置Hが揚高判定値HA を超
えるときには、積み荷の積載状態に対する車両重心の上
下方向における重心位置が、車両の左右方向の安定性を
低下させる可能性がある状態であると判断し、両条件が
満たされないときには、車両重心の重心位置が車両の左
右方向の安定性を低下させる可能性がない状態であると
判断する。
【0051】又、CPU37は、揺動制御処理として、
積み荷の荷重W及び揚高位置Hが、車両の左右方向の安
定性を低下させる可能性があると判断したときには、そ
のときの後輪アクスル13の中立位置からの揺動角βが
揺動角判定値θβ以内であるか否かを判断する。CPU
37は、後輪アクスル13の揺動角βが揺動角判定値θ
β未満であると判断したときには、この揺動角βだけ中
立位置から傾動した状態で後輪アクスル13の揺動を規
制した場合、荷置き時や運搬時等に揺動規制が解除され
たときに車体2が左右方向に大きく揺れないと判断す
る。反対に、CPU37は、揺動角βが揺動角判定値θ
β以上であるときには、この揺動角θβだけ中立位置か
ら傾動した状態で後輪アクスル13の揺動を規制した場
合、揺動規制が解除されたときに車体2が左右方向に大
きく揺れる可能性があると判断する。
【0052】CPU37は、揺動制御処理として、後輪
アクスル13の揺動角βが揺動角判定値θβ以内であっ
たときには、ティルト角センサ12にて検出されるティ
ルト角αが、水平ティルト角αHより後傾側(θH>α
≧θr)であるか否かを判断する。CPU37は、ティ
ルト角αが水平ティルト角θHより後傾側(θH>α≧
θr)であったときには、後輪アクスル13の揺動を規
制して左右方向の安定性の低下を防止すべき状態である
と判断する。反対に、CPU37は、ティルト角αが水
平ティルト角θHを含み同水平ティルト角θHよりも前
傾側(θf≧α≧θH)であったときには、積み荷の積
載状態に対する車両重心の車両前後方向における重心位
置が前輪アクスルに近い位置にあって、荷重W及び揚高
位置Hに基づいて後輪アクスル13の揺動を規制しない
ままで車両の左右方向の安定性が十分に高くなった状態
であると判断する。
【0053】そして、CPU37は、後輪アクスル13
の揺動を規制するときには揺動規制フラグFLGWを
「1」とし、揺動を規制しないときには揺動規制フラグ
FLGWを「0」とする。CPU37は、揺動規制フラ
グFLGWが[0」であるときには励磁回路36を制御
して電磁ソレノイド23に励磁電流IDが供給されるよ
うにして後輪アクスル13の揺動に応じて油圧シリンダ
17が伸縮動作できるようにする。一方、CPU37
は、揺動規制フラグFLGWが[1」であるときには励
磁回路36を制御して電磁ソレノイド23に励磁電流I
Dが供給されないようにして油圧シリンダ17が伸縮動
作できないようにし後輪アクスル13の揺動を規制す
る。
【0054】次に、以上のように構成された産業車両に
おける車軸揺動制御装置の作用を図7に示す揺動制御処
理のフローチャートに従って説明する。揺動制御処理に
おいて、先ずCPU37は、ステップ(以下、Sと略記
する)10で、荷重W、揚高位置H、ティルト角α及び
車軸揺動角βの各検出値を読み込む。
【0055】次いで、CPU37は、S11で、検出さ
れたティルト角αに対応する荷重判定値WA を設定す
る。そして、CPU37は、S12で荷重Wが荷重判定
値WAを超え、かつ、揚高位置Hが揚高判定値HA を超
えているか否かを判断する。
【0056】CPU37は、S12で、荷重Wが荷重判
定値WA を超え、かつ、揚高位置Hが揚高判定値WA を
超えたときには、S13で、後輪アクスル13の車軸揺
動角βが揺動角判定値θβ未満であるか否かを判断す
る。一方、CPU37は、S12で、荷重Wが荷重判定
値WA 以下であるか、あるいは、揚高位置Hが揚高判定
値HA 以下であったときには、S14を実行する。
【0057】CPU37は、S13で、車軸揺動角βが
揺動角判定値θβ未満であったときには、S15で、テ
ィルト角αが水平ティルト角θH以上の値であるか否か
を判断する。一方、CPU37は、S13で、車軸揺動
角βが揺動角判定値θβ以上であったときにはS14を
実行する。
【0058】CPU37は、S15で、ティルト角αが
水平ティルト角θH未満の値であったときには、マスト
3が水平ティルト角θHよりも後傾側にあり荷置きが行
われる状態でないとし、S16において後輪アクスル1
3の揺動を規制するために揺動規制フラグFLGWを
「1」とする。一方、CPU37は、S15でティルト
角αがティルト角判定値θH以上の値であったときに
は、マスト3が少なくとも水平ティルト角θHより前傾
側にある状態であり荷置きが行われる状態であるとし
て、S14を実行する。CPU37は、S14におい
て、後輪アクスル13の揺動を許容するために揺動規制
フラグFLGWを「0」とする。そして、CPU37
は、S17において、揺動規制フラグFLGWが「0」
であるときには、油圧シリンダ17の作動を許容するた
めに、励磁回路36を制御して電磁ソレノイド23が励
磁電流ID が供給されるようにする。反対に、CPU3
7は、S17において、揺動規制フラグFLGWが
「1」であるときには、油圧シリンダ17の作動を規制
するために、励磁回路36を制御して電磁ソレノイド2
3に励磁電流ID が供給されないようにする。
【0059】従って、マスト3のティルト操作により車
両重心の車両前後における重心位置が前輪アクスル側に
より近い位置に移動して車両の左右方向の安定性がより
高くなるほど、積み荷の荷重Wがより大きくならないと
後輪アクスル13の揺動が規制されない。
【0060】又、積み荷の運搬時にフォーク5が水平状
態よりも後傾されティルト角αが水平ティルト角θH未
満であるときには、積み荷の荷重W及び揚高位置Hに基
づいて後輪アクスル13の揺動が規制される。一方、積
み荷の荷置き時にマスト3が後傾側から前傾側に操作さ
れてティルト角αが水平ティルト角θH以上となったと
きには、積み荷の荷重W及揚高位置Hに基づいて後輪ア
クスル13の揺動を規制すべき状態であっても揺動が許
容されるとともに車両の左右方向の安定性が確保され
る。
【0061】以上詳述したように、本実施の形態のフォ
ークリフトの後輪車軸揺動制御装置によれば、以下の各
効果を得ることができる。 (a) マスト3が水平ティルト角θHよりも後傾側で
あるときには、マスト3がより前傾側であるほど、より
大きな値の荷重判定値WAに基づいて後輪アクイル13
の揺動を規制するようにした。従って、マスト3のティ
ルト角αに対する車両重心の車両の前後方向における応
じて後輪アクスル13の揺動を規制して、左右安定性が
高い状態で後輪アクスル13の揺動が無用に規制されな
いようにし、揺動を許容することによる走行性の向上を
図ることができる。
【0062】(b) 積み荷の荷重W及び揚高位置Hに
基づいて後輪アクスル13の揺動を規制する状態であっ
ても、マスト3が水平ティルト角θHよりも前傾側に操
作されたときには揺動を規制しないようにして、荷置き
時には後輪アクスル13の揺動が許容されているように
した。従って、後輪アクスル13の揺動が規制された状
態では荷置きが行われず、荷置き直後に規制が解除され
ることがない。その結果、荷置き直後に後輪アクスル1
3の揺動が解除されることによる車体2の左右の揺れを
防止して、荷置き時にフォーク5が荷置きした荷の下面
に当たらないようにすることができる。
【0063】(c) 積み荷が積載された状態でマスト
3が後傾側から水平ティルト角θHより前傾側に操作さ
れたとき、荷置きが行われる状態であると判断するよう
にした。従って、荷置き時にマスト3を前傾させるだけ
で後輪車軸の揺動が許容されるようにすることができ
る。
【0064】(d) 車両重心の車両前後方向における
重心位置が、車両重心との相関が高いマスト3のティル
ト角αから検出される。従って、車両重心の重心位置を
簡単な構成でしかも高精度に検出することができる。
【0065】(e) 回転変位センサ(ティルト角セン
サ12)にてティルトシリンダ9の基端側の支持軸に対
するティルトシリンダ9の回動角を検出し、この回動角
からマスト3のティルト角αを求めるようにしたので、
ティルト角αを容易に検出することができる。
【0066】(f) 揺動規制制御手段をマイクロコン
ピュータ32にて構成したので、同揺動規制制御手段を
コンピュータプログラムにて形成することができる。従
って、荷重判定値WA 等の制御内容の変更を容易に行う
ことができる。その結果、異なる車種間で同一のコンピ
ュータを使用する場合に、車種毎に異なる荷重判定値W
A を容易に設定することができる。
【0067】(第2の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第2の実施の形態を図8及び図10に従って説明
する。尚、本実施の形態は、前記第1の実施の形態にお
いて、図6に示すマップM1を図8に示すマップM2と
し、図7のフローチャートで示す揺動制御処理を図10
のフローチャートで示す揺動制御処理としたことのみが
前記第1の実施の形態と異なる。従って、マップM2と
揺動制御処理以外の同一の構成については、その符号を
同じにして説明を省略する。
【0068】ROM38には、マスト3のティルト角α
から荷重判定値WA を設定するためのマップM2(図8
に図示)が記憶されている。このマップM2は、前記第
1の実施の形態におけるマップM1と異なり、図8に示
すように、θf≧α≧θrの範囲のティルト角θに対し
て荷重判定値WA を設定するようになっている。この荷
重判定値WA は、ティルト角αがθH>α≧θrの範囲
では、前記第1の実施の形態と同じようにティルト角α
に対する許容荷重WT に対してやや低い値が設定されて
いる。又、荷重判定値WA は、ティルト角αがθf≧α
≧θHの範囲では、θf≧α≧θHの範囲における荷重
判定値WA の最大値が、ティルト角αに拘らず一定の値
として設定されている。これは、マスト3が水平ティル
ト角θHよりも前傾側にある状態は荷置きあるいは荷取
りの状態であるため、走行性を向上させる必要がなく、
反対に、後輪アクスル13の揺動を規制し易くすること
が好ましいからである。
【0069】CPU37は、揺動制御処理として、前回
の揺動制御処理時点でのティルト角αfが水平ティルト
角θH未満の値(後傾側)であって、かつ、今回検出さ
れたティルト角αが水平ティルト角θH以上の値(前傾
側)であるか否かを判断する。CPU37は、上記条件
が成立したときには、荷置きのためにマスト3が後傾側
から前傾側に制御されたと判断する。
【0070】さらに、CPU37は、水平ティルト角θ
H未満の値(後傾側)であったティルト角αが、一旦水
平ティルト角θH以上の値(前傾側)になったと判断し
た場合、新たに検出されるティルト角αが水平ティルト
角θH以上の値であるか否かを判断する。CPU37
は、上記条件が成立するときには、マスト3が荷置きの
ために前傾側に制御されたままの状態であると判断す
る。
【0071】CPU37は、ティルト角αが水平ティル
ト角θH以上であるときには、車両重心の車両前後方向
における重心位置が前輪アクスルに近い位置に移動して
おり、後輪アクスル13の揺動を規制しないままで車両
の左右方向の安定性が十分に高くなった状態であると判
断する。
【0072】一方、CPU37は、上記条件が成立しな
いときには、荷置きのためにマスト3が水平ティルト角
θHよりも前傾側に制御されていないか、あるいは、荷
置き及び荷取りを行わない状態であってマスト3が水平
ティルト角θHよりも後傾側に制御されている状態であ
ると判断する。この場合、CPU37は、車両重心が相
対的に後輪アクスル13側にあって車両の左右の安定性
が相対的に低い状態であって、積み荷の揚高位置H及び
荷重Wに基づいて後輪アクスル13の揺動を規制すべき
状態であると判断する。
【0073】次に、以上のように構成された産業車両に
おける車軸揺動制御装置の作用を図10に示す揺動制御
処理のフローチャートに従って説明する。ステップ2
0,21,22の各処理は、前記第1の実施の形態にお
ける揺動制御処理のステップ10,11,12と同じで
ある。すなわち、CPU37は、先ずS20において、
荷重W、揚高位置H、ティルト角α及び車軸揺動角βの
各検出値を読み込む。次くS21において、CPU37
は、現在のティルト角αに対応する荷重判定値WAを、
マップM2に従って設定する。さらに、CPU37は、
S22において、検出された揚高位置Hが揚高判定値W
Aを超え、かつ、検出された荷重Wが、設定した荷重判
定値WAを超えているか否かを判断する。
【0074】CPU37は、S22において、揚高位置
Hが揚高判定値HA以下であるか、あるいは、荷重Wが
荷重判定値WA以下であったときは、積み荷の積載状態
に基づいて後輪アクスル13の揺動を規制する状態でな
いとし、S23を実行する。CPU37は、S23にお
いて予備フラグFLG2を「0」とした後、S24にお
いて、後輪アクスル13の揺動を規制しないために揺動
規制フラグFLGWを「0」とし、その後、S32を実
行する。
【0075】一方、CPU37は、S22において条件
が成立したときには、積み荷の積載状態に基づいて後輪
アクスル13の揺動を規制する状態であるとし、S25
を実行する。CPU37は、S25において、検出され
た車軸揺動角βが揺動角判定値θβ未満であるか否かを
判断する。CPU37は、S25において、車軸揺動角
βが揺動角判定値θβ以上であったときには、後輪アク
スル13が揺動を規制できる範囲以上に傾動していると
判断し、S24を実行する。
【0076】一方、CPU37は、S25において、車
軸揺動角βが揺動角判定値θβ未満であったときには、
後輪アクスル13が揺動を規制できる範囲内で傾動して
いると判断し、S26において、前回のティルト角αf
が水平ティルト角θH未満の値であって、かつ、現在の
ティルト角αが水平ティルト角θH以上の値であるか否
かを判断する。CPU37は、S26において、上記条
件が成立したときには、荷置きのためにマスト3が後傾
している状態から前傾側に操作されたと判断し、S27
において予備フラグFLG2を「1」とした後S24を
実行する。
【0077】CPU37は、S26において上記条件が
成立しなかったときは、マスト3が後傾側にあって荷置
きが行われる状態でないと判断し、S28において、予
備フラグFLG2が「1」であるか否かを判断する。C
PU37は、S28において、予備フラグFLG2が
「0」であったときには、マスト3が荷置きのために前
傾側に制御されていないと判断し、S29を実行する。
CPU37は、S29において、後輪アクスル13の揺
動を規制するために揺動規制フラグFLGWを「1」と
した後、S32を実行する。
【0078】一方、CPU37は、S28において、予
備フラグFLG2が「1」であったときには、荷置きの
ためにマスト3が一旦前傾側に制御されたと判断し、S
30を実行する。S30において、CPU37は、現在
のティルト角αが、水平ティルト角θH以上の値である
か否かを判断する。CPU37は、S30において、テ
ィルト角αが水平ティルト角θH以上の値であったとき
には、S24を実行する。
【0079】一方、CPU37は、S30において、テ
ィルト角αが水平ティルト角θH未満の値であったとき
には、荷置きのために一旦前傾側に制御されたマスト3
が再び後傾側に制御されたと判断し、S31において予
備フラグFLG2を「0」とした後、S29を実行す
る。
【0080】CPU37は、S24又はS29を実行し
た後に実行するS32において、揺動規制フラグFLG
Wが「0」のときには後輪アクスル13の揺動を規制し
ないようにし、反対に、揺動規制フラグFLGWが
「1」のときには後輪アクスル13の揺動を規制する。
【0081】従って、マスト3が後傾側から前傾側(す
なわちティルト角αが水平ティルト角θH以上)に制御
されると、運搬している積み荷を荷置きする状態である
と判断される。又、マスト3が一旦水平ティルト角θH
から前傾側に制御された後は、ティルト角αが水平ティ
ルト角θHまたはそれよりも前傾側である限り、荷置き
が行われている状態であると判断される。そして、荷置
きが行われる状態であると判断されているときには、積
み荷の荷重W及び揚高位置Hに基づいて後輪アクスル1
3の揺動を規制する状態であっても後輪アクスル13の
揺動が許容される。
【0082】又、マスト3が最初から前傾側にある状態
で積み荷の荷重W及び揚高位置Hが後輪アクスル13の
揺動を規制する条件となったときには、荷取りを行う状
態であると判断される。そして、荷取りが行われている
状態であると判断されているときには、積み荷の荷重W
及び揚高位置Hに基づいて後輪アクスル13の揺動が規
制される。
【0083】以上詳述したように、本実施の形態のフォ
ークリフトの後輪車軸揺動制御装置によれば、前記第1
の実施の形態の(a)〜(f)に記載の各効果の他に以
下に記載の効果を得ることができる。
【0084】(g) 積み荷の荷重W及び揚高位置Hに
基づいて後輪車軸(後輪アクスル13)の揺動が規制さ
れている状態で、運搬時にフォーク5が後傾するまで後
傾させていたマスト3を、荷置きのためにフォーク5が
ほぼ水平となる状態まで前傾させると、積み荷の荷重W
及び揚高位置Hに基づいて後輪車軸の揺動を規制すべき
状態であっても後輪車軸の揺動が許容されるとともに左
右方向の安定性が確保される。一方、積み荷を積載して
おらず荷重W及び揚高位置Hに基づく後輪車軸の揺動規
制が行われていない状態で、荷取りのためにマスト3を
前傾させたときには、荷取り後の積み荷の荷重W及び揚
高位置Hに基づいて後輪車軸の揺動が規制され荷取り時
の左右方向の安定性が十分に確保される。従って、荷置
き時にはマスト3を前傾させるだけで後輪車軸の揺動が
規制されていない状態で荷置きを行うことができ、しか
も、前記第1の実施の形態と異なり、荷取り時には後輪
車軸の揺動を規制して左右方向の安定性を十分に確保す
ることができる。
【0085】尚、実施の形態は上記各実施の形態に限ら
ず、以下に記載の各別例のように変更してもよい。 ○ 第1実施の形態で、ティルト角αがティルト角θr
から水平ティルト角θHの範囲で一定の荷重判定値WA
の値を設定してもよい。この場合には、ティルト角αの
変化により左右方向の安定性がより高くなる範囲での後
輪車軸の不要な揺動規制を抑制することはできないが、
荷置きのためにマスト3を前傾させるだけで後輪車軸の
揺動規制状態を解除することができる。
【0086】○ 第2の実施の形態で、ティルト角θr
から水平ティルト角θHの範囲で一定の荷重判定値WA
を設定してもよい。この場合には、荷置きのためにマス
ト3を前傾させるだけで後輪車軸の揺動規制状態を解除
することができ、しかも、荷取り時には後輪車軸の揺動
を規制して左右方向の安定性を十分に確保することがで
きる。
【0087】○ 第1の実施の形態で、図9に示すマッ
プM3のように、ティルト角θrから水平ティルト角θ
Hの範囲で、前傾側であるほど段階的に大きくなるよう
に複数の荷重判定値WA を設定するようにしてもよい。
この場合にも、車両の左右方向の安定性に余裕がある領
域での後輪車軸の不要な揺動規制を抑制し、後輪車軸の
揺動による走行性の向上を図ることができる。
【0088】○ 第2の実施の形態で、ティルト角θr
から水平ティルト角θHの範囲で、前傾側であるほど段
階的に大きくなるように複数の荷重判定値WA を設定す
るようにしてもよい。この場合にも、荷置きのためにマ
スト3を前傾させるだけで後輪車軸の揺動規制状態を解
除することができ、しかも、荷取り時には後輪車軸の揺
動を規制して左右方向の安定性を十分に確保することが
できる。
【0089】○ 各実施の形態で、マスト3のティルト
角αに加えて、荷重W及び揚高位置Hから車両重心の車
両前後方向における位置を検出するようにしてもよい。
この場合には、積み荷の荷重Wや揚高位置Hの変化に基
づく重心位置の検出誤差を解消することができるため、
その分だけ左右方向の安定性に余裕がある領域での不要
な揺動規制をより効果的に抑制し後輪車軸の揺動による
走行性をより広い領域で得ることができる。
【0090】○ 所定荷重として荷揚能力WP を設定す
る代わりに、使用するフォークリフト1がルーティン作
業で運搬する、荷揚能力WP よりも小さい荷重Wの積み
荷の荷重Wを設定してもよい。この場合には、フォーク
5が正確に水平となったときに後輪車軸の揺動が規制さ
れないようにすることができる。
【0091】○ 各実施の形態で、後輪車軸の揺動角β
に基づく揺動規制の制限を行わないようにしてもよい。 ○ 各実施の形態で、荷重Wに対してフォーク5が実際
に水平状態となるときのティルト角θHを対応させたマ
ップを設け、このマップから積み荷の実際の荷重Wに対
する水平ティルト角θHをその都度設定するようにして
もよい。この場合には、運搬する積み荷の荷重Wが変わ
っても、荷置きのためにフォーク5が実際に水平状態と
なったときに荷重Wに基づく後輪車軸の揺動規制状態が
解除されるようにすることができる。
【0092】○ 回転変位センサは、ポテンショメータ
に限らず、その他例えば、エンコーダ、ホール素子回転
センサ等であってもよい。 ○ 回転変位センサによるティルト角αの検出方法は、
ティルトシリンダ9の基端を支持する支持軸に対するテ
ィルトシリンダ9の回動角を検出する方法に限らず、そ
の他例えば、回転変位センサの入力軸に固定したレバー
にマスト3と車体2との間に設けたリンクを連結する方
法等でもよい。
【0093】○ 各実施の形態で、マスト3のティルト
角を検出するティルト角検出手段は、車体2に対するマ
スト3のティルト角を検出する回転変位検出センサ等の
ティルト角検出手段の他、鉛直線に対するマストの傾斜
角を検出する傾斜角センサ等であってもよい。この場合
には、積み荷の荷重Wの変化に関係なく鉛直線に対する
実際の傾斜角を検出することができるため、水平な路面
上だけで使用されるフォークリフト1において、荷重W
が異なる積み荷を運搬する場合に水平ティルト角θHを
設定し直す必要がない。
【0094】以下、特許請求の範囲に記載された技術的
思想の外に前述した各実施の形態から把握される技術的
思想をその効果とともに記載する。 (1) 請求項2に記載のフォークリフトの後輪車軸揺
動制御装置において、前記重心位置検出手段は、マスト
のティルト角をするティルト角検出手段とを備え、前記
荷重、揚高位置及びティルト角から前記重心位置を検出
する。このような構成によれば、積み荷の荷重、揚高位
置及びティルト角の変化に基づく重心位置の検出誤差を
解消することができ、その分だけ後輪車軸の揺動による
走行性をより一層広い範囲で得ることができる。
【0095】(2) 請求項3に記載のフォークリフト
の後輪車軸揺動制御装置において、前記ティルト角検出
手段は、ティルトシリンダの基端側が支持された支持軸
に対する同ティルトシリンダの回動角を検出する回転変
位センサである。このような構成によれば、ティルト角
を容易に検出することができる。
【0096】(3) 請求項2,3及び請求項5,6の
いずれか一項に記載のフォークリフトの後輪車軸揺動制
御装置において、前記揺動規制制御手段は、コンピュー
タにて構成された。このような構成によれば、荷重判定
値等の制御内容の変更を容易に行うことができ、同一の
コンピュータを使用する異なる機種間で制御内容の変更
を容易に行うことができる。
【0097】(4) 請求項1〜請求項6のいずれか一
項に記載のフォークリフトの後輪車軸揺動制御装置を備
えたフォークリフト。このような構成によれば、請求項
1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明の効果を有す
る後輪車軸揺動制御装置にて後輪車軸の揺動を規制する
ことができる。
【0098】尚、この明細書において、発明の構成に係
る手段及び部材は、以下のように定義されるものとす
る。 (1) ティルト角検出手段とは、車体に対するマスト
のティルト角を検出することができるものであればよ
く、ティルト角を間接的に検出するためにティルトシリ
ンダ等の回動角を検出する回転変位センサや、ティルト
角を直接検出する傾斜角センサ等を含むものとする。
【0099】
【発明の効果】請求項1〜請求項6に記載の発明によれ
ば、マストのティルト角に対する車両重心の車両前後方
向における位置に応じて後輪車軸の揺動を規制して、車
体の状況に応じて適切に左右安定性を確保することがで
きる。
【0100】請求項1〜請求項3に記載の発明によれ
ば、左右安定性が高い状態で後輪車軸の揺動が無用に規
制されないようにし、揺動を許容することによる走行性
の向上を図ることができる。
【0101】請求項3に記載の発明によれば、車両重心
の車両前後方向における重心位置を簡単な構成でしかも
高い精度で検出することができる。請求項4〜請求項6
に記載の発明によれば、荷置き直後に後輪車軸の揺動規
制状態が解除されないようにすることができる。
【0102】請求項5に記載の発明によれば、荷置きの
ためにマストを前傾させるだけで後輪車軸の揺動規制状
態を解除することができる。請求項6に記載の発明によ
れば、荷置きのためにマストを前傾させるだけで後輪車
軸の揺動規制状態を解除することができ、しかも、荷取
り時には後輪車軸の揺動を規制して左右方向の安定性を
十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の車軸揺動制御装置の摸式
構成図。
【図2】 フォークリフトの側面図。
【図3】 車体及び後輪アクスルの概略背面図。
【図4】 車軸揺動制御装置の電気ブロック図。
【図5】 マストの傾動範囲を示す摸式図。
【図6】 ティルト角に対する荷重判定値のマップ。
【図7】 揺動制御処理のフローチャート。
【図8】 第2の実施の形態のティルト角に対する荷重
判定値のマップ。
【図9】 別例のティルト角に対する荷重判定値のマッ
プ。
【図10】 揺動制御処理のフローチャート。
【符号の説明】
1…フォークリフト、2…車体、3…マスト、5…フォ
ーク、10…揚高位置検出手段としての揚高位置セン
サ、11…荷重検出手段としての圧力センサ、12…重
心位置検出手段、ティルト角検出手段及び回転変位セン
サとしてのティルト角センサ、13…後輪車軸としての
後輪アクスル、17…揺動規制手段を構成する油圧シリ
ンダ、22…同じく電磁方向制御弁、32…揺動規制制
御手段、ティルト角判定手段及びマスト動作検出手段と
してのマイクロコンピュータ、W…荷重、α…ティルト
角、θH…水平ティルト角。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に対して前輪車軸がロール面内で揺
    動不能に支持されるとともに後輪車軸がロール面内で揺
    動可能に支持され、前記車体に対する前記後輪車軸の揺
    動が規制可能とされたフォークリフトの前記後輪車軸
    を、フォークに積載された積み荷による車両重心の変化
    により車両の左右方向の安定性が低下しないように同積
    み荷の荷重及び揚高位置に基づいて一時的に規制するフ
    ォークリフトの後輪車軸揺動制御装置において、 マストのティルト操作により、前記車両重心の車両前後
    方向における重心位置が前記前輪車軸側により近い位置
    に移動して車両の左右方向の安定性がより高くなるほ
    ど、その高くなる範囲内で前記後輪車軸の揺動を規制す
    るときの前記荷重の大きさを大きくするフォークリフト
    の後輪車軸揺動制御装置。
  2. 【請求項2】 車体側に対してロール面内で揺動可能に
    支持された後輪車軸の揺動を規制する揺動規制手段と、 フォークに積載された積み荷の荷重を検出する荷重検出
    手段と、 前記積み荷の揚高位置を検出する揚高検出手段と、 前記荷重に対して設定された荷重判定値、及び、揚高位
    置に対して設定された揚高判定値に基づき前記揺動規制
    手段を制御して、前記積み荷による車両重心の変化によ
    り車両の左右方向の安定性が低下しないように前記後輪
    車軸の揺動を一時的に規制する揺動規制制御手段とを備
    えたフォークリフトの後輪車軸揺動制御装置において、 前記フォークに積み荷が積載された状態での前記車両重
    心の車両前後方向における重心位置を検出する重心位置
    検出手段を備え、 前記揺動規制手段は、前記重心位置が前記前輪車軸側に
    より近い位置に移動して車両の左右方向の安定性がより
    高くなるほどより高い値に設定された前記荷重判定値に
    基づいて前記後輪車軸の揺動を規制するフォークリフト
    の後輪車軸揺動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記重心位置検出手段は、マストのティ
    ルト角を検出するティルト角検出手段であって、前記テ
    ィルト角から前記重心位置を検出する請求項2に記載の
    フォークリフトの後輪車軸揺動制御装置。
  4. 【請求項4】 車体に対して前輪車軸がロール面内で揺
    動不能に支持されるとともに後輪車軸がロール面内で揺
    動可能に支持され、前記車体に対する前記後輪車軸の揺
    動が規制可能とされたフォークリフトの前記後輪車軸
    を、フォークに積載された積み荷による車両重心の変化
    により車両の左右方向の安定性が低下しないように同積
    み荷の荷重及び揚高位置に基づいて一時的に規制するフ
    ォークリフトの後輪車軸揺動制御装置において、 フォークに積載されている積み荷を荷置きするときに
    は、前記荷重及び揚高位置に基づいて前記後輪車軸の揺
    動を規制すべき状態であっても揺動を規制しないフォー
    クリフトの後輪車軸揺動制御装置。
  5. 【請求項5】 車体に対してロール面内で揺動可能に支
    持された後輪車軸の揺動を規制する揺動規制手段と、 フォークに積載された積み荷の荷重を検出する荷重検出
    手段と、 前記積み荷の揚高位置を検出する揚高検出手段と、 前記荷重に対して設定された荷重判定値、及び、前記揚
    高位置に対して設定された揚高判定値に基づき前記揺動
    規制手段を制御して、前記積み荷による車両重心の変化
    により車両の左右方向の安定性が低下しないように前記
    後輪車軸の揺動を一時的に規制する揺動規制制御手段と
    を備えたフォークリフトの後輪車軸揺動制御装置におい
    て、 マストのティルト角を検出するティルト角検出手段と、 前記ティルト角が、所定荷重の積み荷が積載されたとき
    に前記フォークの状態がほぼ水平となる水平ティルト角
    より前記マストが前傾したティルト角であるかあるいは
    後傾したティルト角であるかを判定するティルト角判定
    手段とを備え、 前記揺動規制制手段は、前記ティルト角が水平ティルト
    角より前傾したティルト角であるときには、前記荷重及
    び揚高位置に基づいて前記後輪車軸の揺動を規制すべき
    状態であっても揺動を規制しないフォークリフトの後輪
    車軸揺動制御装置。
  6. 【請求項6】 車体に対してロール面内で揺動可能に支
    持された後輪車軸の揺動を規制する揺動規制手段と、 フォークに積載された積み荷の荷重を検出する荷重検出
    手段と、 前記積み荷の揚高位置を検出する揚高検出手段と、 前記荷重に対して設定された荷重判定値、及び、前記揚
    高位置に対して設定された揚高判定値に基づき前記揺動
    規制手段を制御して、前記積み荷による車両重心の変化
    により車両の左右方向の安定性が低下しないように前記
    後輪車軸の揺動を一時的に規制する揺動規制制御手段と
    を備えたフォークリフトの後輪車軸揺動制御装置におい
    て、 マストのティルト角を検出するティルト角検出手段と、 前記ティルト角から、前記マストが所定荷重の積み荷が
    積載されたときに前記フォークの状態がほぼ水平となる
    水平ティルト角よりも後傾した状態から、同水平ティル
    ト角を経て同水平ティルト角よりも前傾した状態となる
    ように前傾動作したことを判定するマスト動作検出手段
    とを備え、 前記揺動規制制御手段は、前記前傾動作が行われたとき
    には、前記荷重及び揚高位置に基づいて前記後輪車軸の
    揺動を規制すべき状態であっても揺動を規制しないフォ
    ークリフトの後輪車軸揺動制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102482066A (zh) * 2009-09-15 2012-05-30 罗伯特·博世有限公司 具有高度可调节的升降装置的载货汽车
EP3042876A1 (de) * 2015-01-12 2016-07-13 Jungheinrich Aktiengesellschaft Flurförderzeug mit neigbarem hubgerüst
WO2018225279A1 (ja) * 2017-06-05 2018-12-13 ニチユ三菱フォークリフト株式会社 無人搬送車

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WO2018225279A1 (ja) * 2017-06-05 2018-12-13 ニチユ三菱フォークリフト株式会社 無人搬送車
JP2018203047A (ja) * 2017-06-05 2018-12-27 三菱ロジスネクスト株式会社 無人搬送車

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