JPH11198381A - インクジェット画像形成装置 - Google Patents

インクジェット画像形成装置

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JPH11198381A
JPH11198381A JP101298A JP101298A JPH11198381A JP H11198381 A JPH11198381 A JP H11198381A JP 101298 A JP101298 A JP 101298A JP 101298 A JP101298 A JP 101298A JP H11198381 A JPH11198381 A JP H11198381A
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JP
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ink
voltage
electrode
discharge point
electrodes
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JP101298A
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English (en)
Inventor
Atsushi Onose
敦士 小野瀬
Shigetaka Fujiwara
重隆 藤原
Mamoru Okano
守 岡野
Yoshinobu Fukano
善信 深野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 意図しない電極からのインクの飛翔をなくす
とともに、各電極に印加する電圧を低減する 【解決手段】 インク2が満たされたインクタンク1の
開口部3にインク2の吐出するインク吐出点4を形成す
る電極6B,6Dを配置し、インク吐出点4に隣接し
た、もしくは周囲に位置する電極6A,6C,6Eに電
圧を印加することによって、前記インク吐出点4を形成
する電極6B,6Dの電位を前記電極6A,6C,6E
の電位よりも低くしてインクを集めて吐出メニスカスを
形成し、さらに電圧を高くすることによって集められた
インクを吐出してインクによる画像形成を行う。電圧の
印加にはバイアス電源8及びパルス電源7を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電界を用いてイ
ンクを飛翔させて画像を形成するプリンタ、複写装置、
ファクシミリなどに使用されるインクジェット画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】停留したインクに電界をかけると電気泳
動が生じ、インクが電位の低い方向へ移動する。そし
て、さらに電界を強くすると、インクを飛翔できるだけ
の力が生じ、局所的に電界が集中したインク表面のある
点からインクが飛翔する。静電吸引型インクジェット画
像形成装置は、このようにインクをインク表面から電界
によって引き出し、さらに高い電界を供給することによ
ってインクを飛翔させるようにしている。このような静
電吸引型インクジェット画像形成装置において、インク
吐出点の形状は大別して次の3種類ある。
【0003】1つは、導電体によって注射針のような中
空円筒状の電極を形成し、この中空円筒状電極の内部に
インクを満たし、中空円筒状電極に電圧を加えることに
よって電界を形成し、インクを中空円筒先端から吐出さ
せるものである。
【0004】他の1つは、図17に示すように導電体に
よって形成された中空円筒筒体31の内部に同じく導電
体によって形成された針を電極32として挿入し、この
針状の電極32に電圧を印加するようにしたものであ
る。この構成では、針状電極32に電圧を加えることに
よって電界を形成し、針状電極32の先端からインクを
吐出させる。この構成によると、前記針状電極32によ
ってインク吐出点を固定することができ、安定した飛翔
を得ることができる。
【0005】さらに他の1つは、特開昭63−7255
4号公報に開示されているようにスリット状のインク保
持部分に電極を設け、例えば個々の電極間がインクでつ
ながっている構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の静電
界を使用したインクジェット記録方式のものでは、いず
れにしてもインクを吐出もしくは飛翔させるために、イ
ンク吐出点に当たる電極に電圧を印加していた。このよ
うにインク吐出点の電極を駆動すると、電界の方向がイ
ンクを電極から逃がす方向に向くために、実際に飛ばす
電極の先端にインクが少なくなってしまうという問題が
あった。
【0007】また、スリットジェットと呼ばれる前記ス
リット状のインク保持部分に電極を設けたものでは、電
極間の放電による電極の損傷の他、電極間の電界が不安
定であるという問題がある。すなわち、この構成では、
電圧を印加した電極からインクを吐出するので、隣り合
う電極間がインクを介して接触しているとき互いに干渉
し、意図せずにインクを吐出する場合があった。また電
極に対して瞬間的に高電圧を印加するので、電圧のかか
った電極が放電などで破損してしまう問題があった。
【0008】本発明はこのような技術的背景に鑑みてな
されたもので、その目的は、意図しない個所からのイン
ク吐出をなくすことができるとともに、電極に印加する
電圧を低減することができる静電界方式のインクジェッ
ト画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、針などでイ
ンク吐出点を形成するとともに、その周囲にある電極に
電圧を印加することによってインクをインク吐出点に集
め、更にインクを吐出するに足る電圧を供給することを
特徴とする。この電圧の供給によりインクはインク吐出
点から吐出される。そのため、本発明は、インクを満た
したインクタンクの開口部であるインク吐出口に、突起
部材を用いたインク吐出点を設定し、インク吐出点の周
囲に制御電極を設け、インクを飛翔させるために必要な
電圧を制御電極に供給する電圧印加手段を設けるととも
に、所望のインク吐出点からインクを吐出するために必
要な電極を選定して印字するための信号を発生する制御
手段を設けた構成にした。
【0010】具体的には、第1の手段は、インク吐出点
に静電界によってインクを集中させ、さらに前記インク
吐出点からインクを吐出させて画像を形成するインクジ
ェット画像形成装置において、前記インク吐出点に近接
した位置に設けられた複数の電極と、前記電極に電圧を
印加する電圧印加手段と、この電圧印加手段によって2
以上の前記電極に電圧を印加することにより前記インク
吐出点からインクを吐出させる制御手段とを備えている
ことを特徴とする。
【0011】第2の手段は、同様の前提のインクジェッ
ト画像形成装置において、複数の電極と、これらの電極
と対向する位置に設けられた対向電極と、前記電極に電
圧を印加する電圧印加手段と、前記電極のうち所望の位
置の電極を吐出電極としてその先端部をインク吐出点に
設定し、このインク吐出点に隣接した2以上の電極に電
圧を印加して前記インク吐出点からインクを吐出させる
制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】第3の手段は、同様の前提のインクジェッ
ト画像形成装置において、前記インク吐出点に近接し、
このインク吐出点を囲むように設けられた筒状の電極
と、前記電極に電圧を印加する電圧印加手段と、この電
圧印加手段によって前記電極に電圧を印加することによ
り前記インク吐出点からインクを吐出させる制御手段と
を備えていることを特徴とする。
【0013】第4の手段は、第3の手段において、前記
インク吐出点を前記制御電極の中央部から突出した突起
によって構成したことを特徴とする。
【0014】第5の手段は、第1、第3および第4の手
段において、前記インク吐出点を機械的構造物によって
形成したことを特徴とする。
【0015】第6の手段は、第5の手段において、前記
機械的構造物を絶縁体によって形成したことを特徴とす
る。
【0016】第7の手段は、前記インク吐出点の電位
が、インク吐出時に印加される制御電極と接地電極との
間の電位になるように制御されることを特徴とする。
【0017】第8の手段は、前記第1ないし第3の手段
において、前記制御手段が駆動対象となる全電極を同期
させて電圧を印加することを特徴とする。
【0018】第9の手段は、前記第1、第2、第3およ
び第8の手段において、前記制御手段がパルス電源の電
圧印加を多段階にし、徐々に電圧を高くすることによっ
てインクを隆起させる準備期間と、この準備期間の後、
インクを吐出させる期間とに分けて電圧を印加すること
を特徴とする。
【0019】第10の手段は、第1ないし第3の手段に
おいて、前記インク吐出点に対向した位置に対向電極を
設けたことを特徴とする。
【0020】第11の手段は、第10の手段において、
開放側が前記対向電極側に位置するインクタンクをさら
に備え、前記インク吐出点と前記対向電極間の距離は、
前記インクタンクの壁の開放端と前記対向電極間の距離
よりも短く設定されていることを特徴とする。
【0021】第12の手段は、第1ないし第3の手段に
おいて、前記インク吐出点にインクを循環させて供給す
る供給手段と、インク吐出点に供給されるインクの濃度
を調整するインク濃度調整手段とをさらに設けたことを
特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0023】[第1の実施形態]図1は、本発明の第1
の実施形態に係るインクジェット画像形成装置の記録ヘ
ッド部分を示す概略構成図である。図1においてインク
ジェット画像形成装置の記録ヘッド100は、インク2
を収容したインクタンク1と、インクタンク1内で1列
に並べられた電極6と、インクタンク1の開放側である
インク吐出口3側の電極6の先端部に対向した位置に設
けられた対向電極5とから主に構成されている。
【0024】インクタンク1内のインク2は、インクの
吐出口3まで満たされており、吐出口3に配置されたイ
ンク吐出点4とインク吐出口3におけるインク表面2a
はほぼ同じ位置に揃えてある。図1においては電極6
は、6A、6B、6C、6D、6Eの5本用意され、そ
の先端部をインク吐出点4としている。これらの電極6
A、6B、6C、6D、6Eにはインク2の吐出を制御
するパルス電源7A、7C、7Eや、インクを駆動する
ときの応答速度を速めるためのバイアス電圧を印加する
バイアス電源8A、8B、8C、8D、8Eが任意に接
続される。以下、総括的にはパルス電源を符号7で、バ
イアス電源を符号8それぞれ示す。インク吐出点4と対
向する位置に設けられた対向電極5は、インク2が飛翔
するのに必要な電界を形成するのを助けるものであり、
この対向電極5は接地電位にするか、図1に示したよう
に逆バイアス電源9を用いてインク2の吐出を助ける電
界を形成することもできる。
【0025】このような構成でインクを飛翔させる制御
を具体的に説明する。なお、飛翔させるインクには、正
帯電インクと負帯電インクとがある。正帯電インクで
は、電界の方向に(正極から負極の方向)と同じ方向に
力を発生することによってインクを動かし、飛翔させ
る。従って、正帯電インクを用いた場合には、インクは
電位が高い方向から低い方向に動くことになる。これに
対し、負帯電インクを用いた場合には、電界の方向とは
逆の方向に力を発生することになる。したがって、電位
の低い方向から電位の高い方向にインクが動くことにな
る。本実施形態においては、記載が不明瞭にならないよ
うに、正帯電インクを用いた場合についてのみ説明す
る。また、電圧は正極、逆電圧は基本的に負極を意味す
る。なお、この実施形態では、負帯電インクを用いた場
合については特に説明しないが、電界の方向が逆になる
だけで、正帯電インクを用いた場合と同様にインクを動
かして、飛翔させることができることは言うまでもな
い。
【0026】図2はこの動作を詳細に示す説明図で、図
1に対しては、パルス電源7Bを省略した(R部分がな
い)構成に対応している。図1において、吐出電極6B
(以下、インク2が先端部から吐出される電極を「吐出
電極」、インク2を吐出させるために電圧が印加される
電極を「制御電極」と称する。)の先端部のインク吐出
点4からインク2を吐出する場合、その周囲、この場合
は、電極が1列いわゆるインラインに並べられているの
で、吐出電極6Bを挟む電極6Aと6Cを制御電極とし
て電圧を印加する。制御電極6Aと6Cに電圧を印加す
ると、相対的に吐出電極6Bの電位は制御電極6A,6
Cの電位と対向電極5の電位との間の電位になる。これ
により、インク2は電界の方向に移動を始めるので、図
2に示すようにインク2は電位の低い吐出電極6Bの周
囲に集まってくる。インク2が集まってくることによ
り、吐出電極6Bの先端部のインク吐出点4のインク2
が盛り上がってメニスカス10(以下、「吐出メニスカ
ス」と称する。)を形成し、この吐出メニスカス10の
先端部(図では、上端)と対向電極5との間隔が短くな
っていく。制御電極6Aと6Cに与える電圧が低いとき
には、インク2の集まりが弱いため、インク2が盛り上
がらず、インク2を吐出するだけの静電気力も発生でき
ない。さらに電圧を印加すると、吐出メニスカス10が
一層盛り上がり、インク吐出点4に形成される電界も強
くなって静電気力が十分に大きくなるため、インク2は
吐出され、対向電極5方向にインクが飛翔する。
【0027】それに対して、制御電極6Aと6C周辺の
インク2は、吐出電極6Bの方向に移動するので液面2
aが下がる。従って制御電極6Aと6Cの先端にインク
2が少なくなり、インク2が吐出しにくくなる。従来の
場合、前述のようにインク2を飛翔させるためにインク
吐出点の電極(ここでは吐出電極6Bに対応)を駆動し
ていたために、インク2が電極から逃げてしまい、より
吐出を難しくしていた。しかしながら、このように構成
すると、インク2が吐出点に対応する電極から逃げるこ
とがないので、吐出メニスカス10表面と対向電極5と
の間の距離を短くすることができ、吐出に必要な電圧が
低くなる。
【0028】以上のように構成すれば、インク吐出点4
にインクが満たされ、電圧が集中することにより、イン
ク2を従来よりも低い電圧で吐出することができる。な
お、この吐出制御は、図示ない制御部が、同じく図示し
ないホスト装置から送信される印写情報に従って、どの
電極に電圧を印加するか、電圧はいくらにするかなどを
判断し、駆動制御を行う。
【0029】制御部では、例えば電極6A,6B,6
C,6D,6Eの間隔が200μmであった場合、隣り
合う電極間で放電が起こらないようにするために500
V程度の電位差でインク2の飛翔を制御する。実験値で
は、200μmの電極間隔で約1kVの電位差まで絶縁
破壊することはなかったが、隣り合う電極間では500
V程度の電位差にとどめている。インク2の飛翔を引き
出すためには、各電極6A,6B,6C,6D,6E先
端と対向電極5(被印写物)との距離が1mmのとき、
約2kV以上の電圧を印加しなければならない。従っ
て、インク2が飛翔しない電圧約1.6kVと飛翔する
電圧約2kVとをスイッチングすることによってインク
2の飛翔を制御する。この実施形態の場合、吐出対象と
なる電極6Bの周囲にある制御電極6A,6Cに電圧を
印加してインク2の隆起(吐出メニスカス10)を生じ
させ、これによりギャップを縮めてインク2を飛翔させ
るので、前記電圧約1.6kVと約2kVよりも制御電
圧を低くすることが可能となり、約1.5kVと約1.
8kVでスイッチングしてインク2の飛翔を制御する。
具体的には、バイアス電圧約1.5kVをすべての電極
6A,6B,6C,6D,6Eに印加しておき、吐出さ
せたいインク吐出点4を挟む制御電極(後述のようにイ
ンラインでない電極の場合には吐出させたいインク吐出
点の周囲の電極)6A,6Cに対してパルス電圧約30
0Vを重畳することによって所望の吐出点に対応する吐
出電極6Bからインク2を飛翔させることができる。
【0030】図1に示した記録ヘッド100は、インク
タンク1に浸積した電極6からインク2を吐出してお
り、インクタンク1内のインク2は滞留しているが、イ
ンク2を循環させるように構成することもできる。この
例を図3に示す。図3はインク循環系を含むインクジェ
ット画像形成装置のシステム構成を示す概略構成図であ
る。
【0031】図3において、インクジェット画像形成装
置は、基本的に前述の記録ヘッド100、インクの飛翔
制御を司るための記録電圧を生成する制御部200と、
記録ヘッド100に対してインクを供給するためのイン
ク容器300、ポンプ400およびインク給排経路50
0と、インクタンク300内のインクの濃度を調整する
インク濃度調整部600とから構成されている。なお、
前述の制御部200は、前記電極6に対してパルス電圧
を供給するパルス電源7、バイアス電圧を供給するバイ
アス電源8および逆バイアス電圧を供給する逆バイアス
電源9の供給電圧を制御し、所望の電極をインク吐出点
(吐出電極)として選択してインクを飛翔させる。
【0032】図1のように停留した状態からインク2を
吐出させると、インク2の消費に応じてインク2の量が
減り、インク濃度が低下してくる。これに対し、図3の
ようにインク循環系を設けると、インク量の安定化を図
るとともに、インク濃度調整部600によってインク濃
度の低下が起きないように調整することも可能となる。
また、ポンプ400によってインク2を循環させること
で、インク液面とインクの組成も安定し、これによっ
て、安定したインクの飛翔特性を得ることができる。
【0033】[第2の実施形態]図4に本発明の第2の
実施形態に係る記録ヘッドの概略を示す。
【0034】この実施形態は、すべての電極6A,6
B,6C,6D,6Eにパルス電源7(7A,7B,7
C,7D,7E)とバイアス電源8(8A,8B,8
C,8D,8E)を接続し、第1の実施形態では吐出点
は電極6Bと6Dのみであったのを電極6Cからも吐出
できるように構成したものである。その他の各部はすべ
て第1の実施形態と同等に構成されているので、同等な
各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略す
る。
【0035】このように構成したときの駆動制御を図5
のタイミングチャートを参照して説明する。
【0036】電極6Bが形成する電極先端のインク吐出
点4からインク2を吐出するためには、図5において符
号51で示すようにパルス電源の7Aと7Cに電圧を印
加すればよい。同様に電極6Dが形成するインク吐出点
4からインクを吐出するためには、符号52で示すよう
にパルス電源の7Cと7Eに電圧を印加すればよい。し
かしながら吐出したい点の周辺の電極に電圧を単純に印
加すればいいわけではない。例えば電極6Aと6Eに電
圧を印加した場合(符号53)、単純に間に挟まれる電
極6B、6C、6Dの形成する吐出点からインクが出る
わけではない。間に複数個の吐出点を持った場合、吐出
に必要な電界が弱まってしまい、吐出できなくなる。ま
た無理に吐出しようと電圧を印加すると、意図しない電
極からのインク吐出が発生してしまい所望の印字ができ
なくなる。そのためできる限り、所望のインク吐出点の
隣、もしくはその近辺の電極にのみ電圧を印加すると良
い。
【0037】このように吐出電極、例えば6B,6Dに
隣接した(もしくは周囲の)電極6A,6C,6Eに電
圧を印加するだけでもインク2を吐出電極から飛翔させ
ることができるが、より積極的にインク2を飛翔させる
ため、吐出電極6B,6Dに対して吐出電圧を印加する
ことによって、より高速なインクの飛翔応答を得ること
ができる。すなわち、吐出電極が6Bであった場合、前
述のように制御電極6A,6Cに対して電圧を印加して
インク2を隆起させて吐出メニスカス10を形成し、所
望のメニスカス形状になったときに吐出電極6Bに対し
てパルス電圧を印加する。これにより、当該吐出電極6
Bからインクが飛翔する。
【0038】ところで、このように所望の吐出電極の回
りでインク2が隆起すれば、当該吐出電極に電圧を印加
することによって応答性良くインク2の飛翔を実行でき
る。しかし、制御電極に対する電圧の印加からインク2
の吐出まで時間がかかるので、バイアス電源を用いたメ
ニスカス形成とともに、インク隆起までの時間について
検討する。すなわち、バイアス電源8を用いることによ
りインク吐出点10となる部分が若干隆起し、インク2
を吐出しやすい状態にすることができる。インク隆起時
間は、電極間の距離が長くなると電界が弱くなるため時
間が長くなる。また、インク2の特性によっても時間が
変化する。そこで、パルス電源7の電圧印加を多段階に
して、徐々に電圧を高くすることによってインク2の隆
起させる準備期間と、インク2を吐出をする期間と分け
て電圧を印加する方法がある。この方法を用いればイン
ク吐出に要する時間が短縮できる。
【0039】本実施形態では、インク2の隆起を利用し
てインク2を吐出させているので、インク2が隆起する
時間だけ前もって電圧を印加して準備しておくように制
御することによって、より高速で印写を行うようにする
ことができる。この隆起形成時間(吐出メニスカス形成
時間)を考慮し、事前に電圧を印加しなくとも遅延が存
在する状態でインク2を飛翔させることができるが、こ
の遅延の分をより少なくするためには事前に電圧を印加
して準備するとよい。
【0040】具体的には、インク2の飛翔が生じない程
度の第3の電位を印加することによって事前にインク2
を隆起させ、インク吐出の応答速度を向上させるもの
で、第3の電位とは、前述のバイアス電圧(約1.5k
V)と飛翔させる電圧(約1.8kV)との中間の電位
である。この電位は、インク2は隆起しているがインク
2の飛翔が起こらない程度の電位、あるいはインク2の
飛翔までに長い時間を要する電位である。これを図6
(a)、(b)、(c)のタイミングチャートに示す。
図6(a)は第1の実施形態で説明した図2の、図6
(b)は図4の場合のそれぞれタイミングを示し、隆起
している吐出電極6Bに対して積極的にパルス電圧を印
加して飛翔させる例である。図6(c)がここで説明し
た事前に隆起させておいて遅延時間を短く応答性を速く
してインク2を飛翔させるタイミングを示したもので、
さらに応答性を良くするために、吐出電極6Bに対して
パルス電圧を印加するようにしてもよい。
【0041】[第3の実施形態]図7に本発明の第3の
実施形態に係る記録ヘッドの概略を示す。
【0042】この実施形態は、第1の実施形態に対して
インク吐出点の電極(吐出電極)6Bに各種電源を接続
しないで、インク2を飛翔させるように構成したもので
ある。その他の各部はすべて第1の実施形態と同等に構
成されているので、同等な各部には同一の参照符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0043】この場合も、吐出電極6Bは必ず周囲の制
御電極6Aや6Cの電位と対向電極5との間の電位にな
る。そのため、第1の実施形態と同様に吐出電極6Bの
インク吐出点4にインク2を集めることにより、吐出電
極6Bの先端部4のインク2を盛り上がらせて、その盛
り上がった吐出メニスカス10からインク2を吐出する
ことができる。その際、吐出電極に相当する電極6Bに
は電源7B,8Bが不要なので、電源の個数を少なくす
ることができ、これによってコストの低減を図ることが
できる。
【0044】[第4の実施形態]図8に本発明の第4の
実施形態に係る記録ヘッドの概略を示す。
【0045】この実施形態は、インク2を壁13と壁1
4で仕切り、小さな容器状にしてその間に電極17をイ
ンラインに並べ、バイアス電源とパルス電源を任意に組
み合わせた電源15に接続し、対向電極5も他の電源1
6に接続したものである。電源16は、第1の実施形態
と同様に逆バイアス電源9とすることもできる。この実
施形態では、バイアス電源8およびパルス電源7を含
め、その他の各部はすべて第1の実施形態と同等に構成
されているので、同等な各部には同一の参照符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0046】このようにインク吐出点4の脇に壁を設け
てインライン構成にすると、後述の第5の実施形態に比
べて電圧を印加する電極はインク吐出点4の両脇もしく
はその隣接電極になるので、一度に電圧を印加する電極
の個数を低減することができる。
【0047】[第5の実施形態]図9に本発明の第5の
実施形態に係る記録ヘッドの概略を示す。
【0048】この実施形態は、インク2を壁13と壁1
4で仕切って容器状に形成し、その間に電極17を格子
状もしくは千鳥状などの予め設定された規則に基づいて
並べ、バイアス電源とパルス電源を任意に組み合わせた
電源15に接続し、対向電極5を他の電源16に接続し
たものである。この実施形態では、バイアス電源8およ
びパルス電源7を含め、その他の各部はすべて第1の実
施形態および第4の実施形態と同等に構成されているの
で、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説
明は省略する。
【0049】図10は、図9に示した電極17群の要部
を示す平面図である。このうち図10(a)は、吐出電
極の周囲の4つの制御電極に電圧を印加した例、図10
(b)は吐出電極の周囲の6つの制御電極に電圧を印加
した例である。この実施形態は、図からも分かるように
インクタンク1に格子状などの規則正しい配列にして配
置された電極17に対し、図示しない制御部がホスト装
置からの印字情報に応じて吐出電極17aを設定し、こ
の吐出電極17aを取り囲むように周囲の黒点で示す4
つの電極17bに電圧を印加し、これらの電極17bに
よって囲まれた範囲のインク2を隆起させて吐出メニス
カスを形成し、前述のようにして吐出電極17aからイ
ンク滴を飛翔させる(図10(a))。この飛翔制御
は、前述と同様である。これにより、図8に示した第4
の実施形態よりも高精細な印字密度を実現することがで
きる。
【0050】また、図10(a)ではインク滴が小さい
と判断したときには、例えば図10(b)のように吐出
電極17aを取り囲む黒点で示す周囲6つの電極17b
に電圧を印加し、これらの電極17bによって囲まれた
範囲のインク2を隆起させて吐出メニスカスを形成し、
前述のようにして吐出電極17aからインク滴を飛翔さ
せる。
【0051】その他、特に説明しない各部および各制御
はこれまでに述べた実施形態と同等に構成され、同様に
制御される。
【0052】[第6の実施形態]図11に本発明の第6
の実施形態に係る記録ヘッドの動作の概略を示す。な
お、以下の説明において、これまでに説明した実施形態
と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明
は省略する。
【0053】これまでに説明した実施形態は、インク吐
出点4位置とインク液面2a、さらには電圧を印加する
電極6の先端位置をほぼ同一面状に並べたものである
が、図11に示すようにインク2に電圧を印加する電極
6A,6Cは特にインク液面2aまである必要がない。
図11は図2と対応しているが、重要なことはインク吐
出点4で吐出メニスカス10が安定して形成されること
にある。図11では電極6Bの先端部にインク吐出点1
0を形成しているが、インク2の集中と吐出メニスカス
10の安定化を求めるのであれば、図11の構成で良
い。また、図11の場合、電極6Aと6Cはインク液面
2aに達していないので、図2に見られたインクのブリ
ッジ(メニスカス)11と12が発生することがない。
このため、このブリッジ11,12が原因となるインク
2の飛翔が発生することは全くない。
【0054】なお、この実施形態においても、前述の図
2の例のようにパルス電源7Bがなくともよく、図7の
例のようにパルス電源7Bもバイアス電源8Bも省略し
て、図12に示すように単なる突起物として機能させて
インク飛翔を行わせることも可能である。これにより図
7の場合と同様にインクの集中と吐出メニスカス形成の
安定化を図ることができる。
【0055】その他、特に説明しない各部および各制御
はこれまでに述べた実施形態と同等に構成され、同様に
制御される。
【0056】[第7の実施形態]図13に本発明の第7
の実施形態に係る記録ヘッドの概略構成を示す。なお、
以下の説明において、これまでに説明した実施形態と同
等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省
略する。
【0057】この実施形態は、インク吐出点を電極では
なく機械的に構成したものであり、電極を構成しない以
上、絶縁物によって形成してもよい。この場合、インク
液面2aから突起部材20によってインク2を隆起させ
て吐出メニスカス10を形成するので、吐出メニスカス
10の表面(先端)と対向電極5との距離が短くなり、
周囲にある電極6Aと6Cに電圧を印加することによっ
て、インク2を吐出させることができる。
【0058】突起部材20の素材は限定するものではな
いが、インク2が濡れやすい親インク性素材の表面を持
つことが好ましい。インク吐出点21を形成する突起部
材20が乾いてしまうと、再びインク2で濡らすのに時
間がかかったり、突起部材20にインク2の固着物がで
きる原因になってしまう。従って突起部材20はできる
かぎり濡れるように親インク性の素材を用いるか、親イ
ンク性の表面処理を行うと良い。
【0059】インク2を吐出する突起部材20の先端で
あるインク吐出点21は、吐出口(開口部)3の壁1
3,14の端面13a,14a(図8参照)と同一面上
か、吐出口3の壁13,14の端面13a,14aから
突出していなくてはならない。もしインク吐出点21が
吐出口3の壁13,14の端面13a,14aから突出
していない場合、被印写物に対する電界は吐出点21に
集まらず、吐出口3の壁13,14の端面13a,14
aに電界が集まり、インク2は吐出口3の壁13,14
の端面13a,14aから吐出してしまう。更に対向電
極5を用いた場合、インク2が対向電極5に最も近接し
た位置からインク2が吐出しやすいので、対向電極5ま
たは被印写物に近接する位置に突起部材20を配置する
と良い。
【0060】その他、特に説明しない各部および各制御
はこれまでに述べた実施形態と同等に構成され、同様に
制御される。
【0061】[第8の実施形態]図14に本発明の第8
の実施形態に係る記録ヘッドの概略構成、図15にイン
ク循環系を含むインクジェット画像形成装置のシステム
構成を示す。なお、以下の説明において、これまでに説
明した実施形態と同等な各部には同一の参照符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0062】この実施形態は、図13に示した第7の実
施形態に係る記録ヘッドに前述の第1の実施形態におけ
るインク循環系を設けたものである。この実施形態で
は、インク2を水平方向に飛翔させるように構成してお
り、そのため、突起部材20の先端部(インク吐出点)
21は水平方向に向かっており、この先端部21に対向
した位置に対向電局が配されている。インク2は図15
から分かるようにポンプ400によってインク容器30
0から吸引されて突起部材20の上方から上側の傾斜面
20aに供給され、この傾斜面20a沿って先端部21
を経て突起部材20の下方の傾斜面20bに沿って流
れ、インク容器300に回収される。
【0063】インクはインクタンク1に滞留させておい
たものでも良いが、インクを循環させることによって一
時的に集中したインクを早く拡散することができる。そ
のためにインクタンク1もしくはインク容器300から
インク吐出点21を経由してインク2を回収する循環系
500を設けたものである。その他、特に説明しない各
部および各制御はこれまでに述べた実施形態と同等に構
成され、同様に制御される。
【0064】[第9の実施形態]図16に本発明の第9
の実施形態に係る記録ヘッドの要部を示す。この実施形
態は、制御電極を円筒状に形成し、その円筒の筒体の中
心に突起部材を設け、前記制御電極に電圧を印加するこ
とによってインクを前記突起部材の先端部から吐出させ
るものである。
【0065】従来までは、前述のように導電体によって
注射針のような中空円筒状の電極を形成し、この中空円
筒状電極の内部にインクを満たし、中空円筒状電極に電
圧を加えることによって電界を形成し、インクを中空円
筒先端から吐出させたり、図17に示すように導電体に
よって形成された中空円筒状筒体31の内部に同じく導
電体によって形成された針32を電極として挿入し、こ
の針状の電極32に電圧を印加するようにしていたが、
この実施形態は、突起部材33に電圧を印加することな
く中空円筒状電極34に電圧を印加してインク2を前述
のように突起部材33の先端のインク吐出点35から吐
出させる。このように突起部材33に電圧を印加しない
ので、突起部材33は第7および第8の実施形態と同様
に単なる機械的部材で十分であり、絶縁体でもよい。
【0066】その他、特に説明しない各部および各制御
はこれまでに述べた実施形態と同等に構成され、同等に
制御される。
【0067】以上の第1ないし第9の各実施形態例に示
したような構成を用いることによって、低電圧でかつ誤
ったインク吐出のないインク吐出を行うことができる。
【0068】実際の印字においては、インク吐出点に対
向する位置に紙などの被印写物を置き、被印写物にイン
クを付着させることによって印字する。従って、対向電
極位置に被印写物を置き、被印写物を任意の電位に設定
することによって各種の被印写物に印字できる。例えば
紙やプラスチックフィルム、布、金属カンや金属パイプ
など可能である。紙などを用いたプリンタにおいては、
対向電極表面に紙などの被印写物を沿って配置して印写
すると良い。これを用いれば、被印写物の搬送ができ、
連続印刷が容易にできる。
【0069】各実施形態に用いられるインクは、染料系
のように着色剤と媒体が分離しにくいものと、顔料系の
ように着色粒子と媒体に分離でき、この2つが混合され
ているものどちらでも使用が可能である。
【0070】例えば、顔料系インクを用いた場合、着色
粒子が帯電するため、着色粒子が電気泳動により移動
し、着色粒子の濃度を局所的に高くすることができる。
特に媒体中で帯電する着色粒子、例えば電子写真方式の
液体現像剤を用いる場合、電気泳動を行いやすく、より
早くインクを集中させることができる。これにより濃縮
したインクで隆起したインク吐出点からインクを吐出す
ることができる。
【0071】以上の実施形態では電界を強くするために
被印写物の背後には対向電極5を設けた。その電位は、
制御電極と対向電極5によって形成される電界がインク
を飛翔させるのに十分な電位差が必要なので、その電位
差が得られるように決定する。好ましくは対向電極5を
接地電位もしくは接地電位に近い電位にする。その理由
は、通常、被印写物が接地電位もしくは接地電位に近い
電位にあるためである。低湿の乾燥状態を除き、被印写
物中の電荷は空気中に放電されるため、被印写物は接地
電位または接地電位に近い電位になりやすい。対向電極
を接地電位もしくは接地電位に近い電位にすることによ
って、被印写物に対して新たに荷電する必要がなく、被
印写物上のインクの付着位置ずれを少なくできる。
【0072】対向電極5を接地電位にした場合、予め被
印写物を除電する除電器を設けてもよい。予め被印写物
を除電しておくことで被印写物上で電位の斑が無くな
り、一様な電界を供給することができる。特に被印写物
である用紙に対して有効である。表面に微小な凸凹があ
る場合、その凸部と凹部では電位が異なりやすいが、除
電する事によって電位の斑を少なくすることができる。
【0073】また、対向電極5に制御電極とは逆の電圧
を印加する場合がある。図1などで示したように対向電
極5に逆の電圧を印加すると、制御電極の電圧を低電圧
にすることができ、電源の構成を簡略化できる。
【0074】さらに、対向電極5を接地電位ではない所
定の電位にした場合、予め被印写物を帯電させる帯電器
を設けてもよい。予め被印写物を一様に帯電させること
で、被印写物とインクとの間に電界が形成でき、被印写
物上のインクの付着位置ずれを少なくできる。
【0075】
【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、本発
明によれば以下のような効果を奏する。 すなわち、請
求項1記載の発明によれば、インク吐出点に近接した位
置に設けられた2以上の電極に電圧を印加して前記イン
ク吐出点からインク吐出させるので、電圧が印加された
電極よりもインク吐出点の電位が低くなり、意図しない
個所からのインク吐出をなくすことができる。また、瞬
間的に高電圧を印加する必要がなくなり、電極に印加す
る電圧を低く抑えることができる。
【0076】請求項2記載の発明によれば、複数の電極
のうち所望の位置の電極を吐出電極としてその先端部に
インク吐出点を設定し、前記吐出電極に隣接した2以上
の電極に電圧を印加してインク吐出点からインクを吐出
させるので、最も外側に位置する電極を除いて任意の電
極をインク吐出点に設定して印写を行うことができる。
その際、インク吐出点に設定された電極の電位は電圧が
印加された電極よりも低くなり、意図しない個所からの
インク吐出をなくすことができる。また、瞬間的に高電
圧を印加する必要がなくなり、電極に印加する電圧を低
く抑えることができる。
【0077】請求項3記載の発明によれば、インク吐出
点を囲むように設けられた筒状の電極に電圧を印加する
ことにより前記インク吐出点からインクを吐出させるの
で、インク吐出点の電位は電圧が印加された電極よりも
低くなり、請求項1記載の発明と同様の効果を奏する。
【0078】請求項4記載の発明によれば、請求項3に
おけるインク吐出点を電極の中央部から突出した突起に
よって構成しているので、当該突起によってインク吐出
点が特定され、精度のよい印写が可能になる。
【0079】請求項5記載の発明によれば、インク吐出
点を機械的構造物によって形成したので、低コストで請
求項1、3および4記載の発明の効果を得ることができ
る。
【0080】請求項6記載の発明によれば、機械的構造
物が絶縁体から形成されているので、合成樹脂材などの
コストの安い材料の使用が可能になるとともに、放電が
抑制され安定した印写が行える。
【0081】請求項7記載の発明によれば、インク吐出
点の電位は、インク吐出時に印加される電極と接地電極
との間の電位になるので、電位分布に対応してインクが
必ずインク吐出点に集中し、意図しない個所からのイン
ク吐出をなくすことができる。
【0082】請求項8記載の発明によれば、駆動対象と
なる全電極を同期させて電圧を印加するので、インク吐
出点に平均してインクを集中させ、さらに吐出メニスカ
スを形成することが可能になり、これによって高品質の
印写が可能になる。
【0083】請求項9記載の発明によれば、パルス電源
の電圧印加を多段階にし、徐々に電圧を高くすることに
よってインクを隆起させる準備期間と、この準備期間の
後、インクを吐出させる期間とに分けて電圧を印加する
ので、応答特性の向上を図ることができる。
【0084】請求項10記載の発明によれば、インク吐
出点に対向した位置に対向電極が設けられているので、
インク飛翔に適した電位差制御を容易に行うことができ
る。
【0085】請求項11記載の発明によれば、インクを
収容し、開放側が対向電極側に位置するインク容器をさ
らに備え、インク吐出点と対向電極間の距離をインク容
器の壁の開放端と対向電極間の距離よりも短く設定した
ので、インク容器の壁側からインクが飛翔することはな
く、必ずインク吐出点からインクを吐出させることがで
きる。
【0086】請求項12記載の発明によれば、インク吐
出点にインクをインク容器からインクを循環させて供給
する供給手段と、インク吐出点に供給されるインクの濃
度を調整するインク濃度調整手段とをさらに備えている
ので、安定したインク濃度を保持することができ、これ
によって安定した印写品質を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット
画像形成装置の記録ヘッドの概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る記録ヘッドの動作を示す
説明図である。
【図3】第1の実施形態に係る記録ヘッドをインク循環
系に接続したインクジェット画像形成装置のシステム構
成を示す図である。
【図4】インク吐出点を電極に設定した第2の実施形態
に係る記録ヘッドの概略構成を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係る記録ヘッドの電圧の印加
タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】吐出準備期間を設けた他の実施形態における記
録ヘッドの電圧の印加タイミングを示すタイミングチャ
ートである。
【図7】吐出電極に電圧印加手段を接続しない第3の実
施形態に係る記録ヘッドの概略構成を示す図である。
【図8】電極に隣接して壁を設け、電極をインラインに
並べた第4の実施形態に係る記録ヘッドの概略構成を示
す図である。
【図9】電極に隣接して壁を設け、電極を格子状に規則
正しく並べた第5の実施形態に係る記録ヘッドの概略構
成を示す図である。
【図10】第5の実施形態において電圧を印加する電極
の選択の状態とインク吐出点の形状を示す説明図であ
る。
【図11】制御電極をインク表面から後退させた第6の
実施形態に係る記録ヘッドの概略構成を示す図である。
【図12】制御電極をインク表面から後退させるととも
に、インク吐出電極に電圧印加手段を接続しない第6の
実施形態の変形例に係る記録ヘッドの概略構成を示す図
である。
【図13】インク吐出点を形成する部材を機械的部材と
した第7の実施形態に係る記録ヘッドの概略構成を示す
図である。
【図14】第7の実施形態に係る記録ヘッドをインク循
環系に使用した第8の実施形態に係る記録ヘッドの概略
構成を示す図である。
【図15】第7の実施形態に係る記録ヘッドをインク循
環系に接続したインクジェット画像形成装置のシステム
構成を示す図である。
【図16】電圧を印加する円筒形電極の中央部にインク
吐出点を設定した第9の実施形態に係る記録ヘッドの概
略構成を示す図である。
【図17】従来の記録ヘッドの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 インクタンク 2 インク 2a インク表面 3 インク吐出口 4,21 インク吐出点 5 対向電極 6;6A、6B、6C、6D、6E 電極 7;7A、7B、7C、7D、7E パルス電源 8;8A、8B、8C、8D、8E バイアス電源 9 逆バイアス電源 10 吐出メニスカス 11,12 ブリッジ(メニスカス) 13,14 壁 15、16 電圧印加手段 17 電極 20 突起部材 100 記録ヘッド 200 制御部 300 インク容器 400 ポンプ 500 インク給排経路 600 インク濃度調整部
フロントページの続き (72)発明者 深野 善信 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出点に静電界によってインクを
    集中させ、さらに前記インク吐出点からインクを吐出さ
    せて画像を形成するインクジェット画像形成装置におい
    て、 前記インク吐出点に近接した位置に設けられた複数の電
    極と、 前記電極に電圧を印加する電圧印加手段と、 この電圧印加手段によって2以上の前記電極に電圧を印
    加することにより前記インク吐出点からインク吐出させ
    る制御手段と、を備えていることを特徴とするインクジ
    ェット画像形成装置。
  2. 【請求項2】 インク吐出点に静電界によってインクを
    集中させ、さらに前記インク吐出点からインクを吐出さ
    せて画像を形成するインクジェット画像形成装置におい
    て、 複数の電極と、 前記電極に電圧を印加する電圧印加手段と、 前記電極のうち所望の位置の電極を吐出電極としてその
    先端部をインク吐出点に設定し、前記吐出電極に隣接し
    た2以上の電極に電圧を印加して前記インク吐出点から
    インクを吐出させる制御手段と、を備えていることを特
    徴とするインクジェット画像形成装置。
  3. 【請求項3】 インク吐出点に静電界によってインクを
    集中させ、さらに前記インク吐出点からインクを吐出さ
    せて画像を形成するインクジェット画像形成装置におい
    て、 前記インク吐出点に近接し、このインク吐出点を囲むよ
    うに設けられた筒状の電極と、 前記電極に電圧を印加する電圧印加手段と、 この電圧印加手段によって前記電極に電圧を印加するこ
    とにより前記インク吐出点からインクを吐出させる制御
    手段と、を備えていることを特徴とするインクジェット
    画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記インク吐出点が前記電極の中央部か
    ら突出した突起によって構成されていることを特徴とす
    る請求項3記載のインクジェット画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記インク吐出点が機械的構造物によっ
    て形成されていることを特徴とする請求項1、3および
    4のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】 前記機械的構造物が絶縁体からなること
    を特徴とする請求項5記載のインクジェット画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記インク吐出点の電位は、インク吐出
    時に印加される電極と接地電極との間の電位になるよう
    に制御されることを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れか1項に記載のインクジェット画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、駆動対象となる全電極
    を同期させて電圧を印加することを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット画像形
    成装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、パルス電源の電圧印加
    を多段階にし、徐々に電圧を高くすることによってイン
    クを隆起させる準備期間と、この準備期間の後、インク
    を吐出させる期間とに分けて電圧を印加することを特徴
    とする請求項1、2、3および8のいずれか1項に記載
    のインクジェット画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記インク吐出点に対向した位置に対
    向電極が設けられていることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成装
    置。
  11. 【請求項11】 前記インクを収容し、開放側が前記対
    向電極側に位置するインクタンクをさらに備え、前記イ
    ンク吐出点と前記対向電極間の距離は、前記インクタン
    クの壁の開放端と前記対向電極間の距離よりも短く設定
    されていることを特徴とする請求項10に記載のインク
    ジェット画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記インク吐出点にインクを循環させ
    て供給する供給手段と、インク吐出点に供給されるイン
    クの濃度を調整するインク濃度調整手段とをさらに備え
    ていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載のインクジェット画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2028009A1 (en) 2007-08-22 2009-02-25 Ricoh Company, Ltd. Liquid Droplet Flight Device and Image Forming Apparatus
JP2009045873A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Ricoh Co Ltd 画像形成装置と画像形成方法

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