JP3694086B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、帯電された色剤粒子(トナー粒子)を絶縁性液体中(液体キャリア)に分散させてなるインクを用い、静電気力を作用させてインク滴を生成し、この生成したインク滴を静電気力で記録媒体上に飛翔させて画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、たとえば、パーソナルプリンタの分野では、記録媒体上にインク滴を飛翔させることにより、記録媒体上に所望の画像を記録するインクジェット記録装置と称されるプリンタが広く普及している。
【0003】
このようなインクジェット記録装置の1つとして、たとえば、WO93/11866号公報には、絶縁性液体中に荷電性の着色粒子を分散してなるインクを用いた記録装置が開示されている。この記録装置では、記録電極にインクを供給し、この記録電極と記録媒体との間に所定の電界を形成することにより、荷電性の着色粒子を絶縁性液体から分離吐出させて記録を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなインクジェット記録装置では、高速記録を行なうために、記録電極をライン状に配列した構成とするが、その場合、記録電極を高密度で配置すると、記録画素に対応する記録電極のインク飛翔電界が隣接する記録電極の電界により影響を受け、インクの飛翔方向が変化するという欠点がある。この欠点を解決するためには、記録電極の間隔を広く取る必要があり、そうすると解像度を高くできない。あるいは、記録電極は高解像度に形成しておき、数個の記録電極おきに数回記録を行なうことで、1ラインの画像を形成するようにした場合、記録速度が著しく遅くなるという欠点がある。
【0005】
また、インクを記録電極の先端から吐出させるためには、記録電極と対向電極との間の電位差が3キロボルト(kV)程度必要であり、そのために高電圧のスイッチング回路が必要となるが、市販されているエレクトロルミネッセンス(EL)パネルやプラズマディスプレイパネルなどの高耐圧駆動用IC回路(耐圧が最大300V程度)では、耐圧が低いために使用ができず、駆動回路の小形化が難しいという欠点があった。このため、マルチヘッド化は難しいという問題があった。
【0006】
また、隣接する記録電極の電界の影響を受けることで、プリンタなどでは、インクが正規な位置に飛翔できず、画素ピッチ間がずれ、画質の低下および高解像度化が難しいという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、隣接する記録電極での電界の干渉を防止し、常に安定したインクの飛翔が得られ、記録速度と解像度を低下させることなく、画素のピッチずれを防止することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、従来のような高電圧駆動ではなく、低電圧駆動で記録が行なえ、小形、高解像度化が可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明のインクジェット記録装置は、帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを、ライン状に並設された複数の記録電極へそれぞれ導き、これら複数の記録電極に対し選択的に所定の記録電圧を印加することにより、前記記録電極から対向電極に向かって静電気力により前記色剤粒子を飛翔させ、前記対向電極の前に配設された記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記複数の記録電極と前記対向電極との間に位置し、前記複数の記録電極の各間での電界の干渉を防止する干渉防止手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のインクジェット記録装置は、ライン状に並設された複数の記録電極と、この複数の記録電極の各先端と対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との間に電界を形成する対向電極と、帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するためのバイアス電圧を前記複数の記録電極に印加するバイアス電圧印加手段と、前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記対向電極に向かって飛翔させるための所定の記録電圧を前記複数の記録電極に対して選択的に印加する記録電圧印加手段と、前記複数の記録電極の各間にそれぞれ設けられ、かつ、それぞれ所定の電圧が印加され、前記対向電極への電界により前記複数の記録電極の各間に電界の障壁を形成する複数の障壁電極とを具備している。
【0012】
また、本発明のインクジェット記録装置は、ライン状に並設された複数の記録電極と、この複数の記録電極の各先端と対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との間に電界を形成する対向電極と、帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するためのバイアス電圧を前記複数の記録電極に印加するバイアス電圧印加手段と、前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記対向電極に向かって飛翔させるための所定の記録電圧を前記複数の記録電極に対して選択的に印加する記録電圧印加手段と、前記複数の記録電極と前記対向電極との間に設けられ、かつ、所定の電圧が印加され、前記複数の記録電極の各間での電界の干渉を防止するグリッド電極とを具備している。
【0013】
また、本発明のインクジェット記録装置は、ライン状に並設された複数の記録電極と、この複数の記録電極の各先端と対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との間に電界を形成する対向電極と、帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するためのバイアス電圧を前記複数の記録電極に印加するバイアス電圧印加手段と、前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記対向電極に向かって飛翔させるための所定の記録電圧を前記複数の記録電極に対して選択的に印加する記録電圧印加手段と、この記録電圧印加手段による前記複数の記録電極への記録電圧の印加タイミングと印加時間をそれぞれ制御する制御手段とを具備している。
【0014】
また、本発明のインクジェット記録装置は、ライン状に並設された複数の記録電極と、この複数の記録電極の各先端とそれぞれ対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との各間にそれぞれ電界を形成する複数の対向電極と、帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するためのバイアス電圧を前記複数の記録電極に印加するバイアス電圧印加手段と、前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記複数の対向電極に向かって飛翔させるための所定の記録電圧を前記複数の記録電極に対して選択的に印加する記録電圧印加手段とを具備している。
【0015】
さらに、本発明のインクジェット記録装置は、ライン状に並設された複数の記録電極と、この複数の記録電極の各先端と対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との間に電界を形成する対向電極と、帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するための電圧を前記複数の記録電極に印加する第1の電圧印加手段と、前記複数の記録電極と前記対向電極との各間にそれぞれ設けられた複数のグリッド電極と、前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記対向電極に向かって飛翔させるための所定の電圧を前記複数のグリッド電極に対して選択的に印加する第2の電圧印加手段とを具備している。
【0016】
本発明によれば、各記録電極間にそれぞれ障壁電極を設けることにより、この障壁電極と対向電極との間の電界により、インクが飛翔し易くなり、かつ、隣接する記録電極間の電界の相互干渉を防止し、記録時間および解像度を低下させることなく、インクの飛翔経路を安定化できる。よって、従来の駆動回路などを変更することなく、画素のピッチずれを防止できる。
【0017】
また、本発明によれば、記録電極と対向電極との間にグリッド電極を設け、このグリッド電極に所定の電圧を印加することで、隣接する記録電極間の電界の相互干渉を防止し、インクの飛翔経路を安定化する。よって、低電圧制御で画素のピッチずれを防止できる。
【0018】
また、本発明によれば、記録電極に印加する記録電圧の印加タイミングと印加時間を制御することで、記録速度および解像度を低下させることなく、隣接する記録電極間の電界の相互干渉を防止し、インクの飛翔経路を安定化できる。よって、画素のピッチずれを防止できる。
【0019】
また、本発明によれば、記録電極に一対一に対応した対向電極を設けることで、画素ごとの独立した電界が形成でき、隣接する記録電極間の電界の相互干渉を防止し、インクの飛翔経路を安定化できる。よって、記録速度および解像度を低下させることなく、高解像度に正確な画素ピッチが形成できる。
【0020】
また、本発明によれば、記録電極と対向電極との間に各記録電極と対応したグリッド電極を設け、この各グリッド電極の印加電圧を記録電極ごとに制御することで、従来のように記録電極を高電圧で制御することなく、グリッド電極により低電圧で制御できる。よって、小形、高解像度化が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の作像部を概略的に示すものである。すなわち、インクジェット記録ヘッド(以後、単に記録ヘッドと称す)1は、記録する画像情報に応じてインクを吐出する複数の記録電極を備えており、これら複数の記録電極は、記録媒体としての用紙の幅分ライン状に一定間隔で配設されている。対向電極を兼ねた導電性部材からなる搬送ドラム2は、記録ヘッド1の先端と対向する部位に所定間隔おいて配設されている。記録媒体としての用紙3は、図示しない給紙部から給紙ローラ4により供給され、搬送ドラム2のサイドに配置された搬送ガイド5により搬送ドラム2に押圧されながら、一定速度で回転している搬送ドラム2により搬送され、排紙される。なお、記録電極が用紙サイズの幅分(記録画素分)あるため、ラインごとに記録が可能であり、高速記録が可能である。
【0022】
画像記録時には、搬送ドラム2上を一定速度で用紙3が搬送され、用紙3が記録ヘッド1を通過する際に、記録ヘッド1は外部からの画像情報に応じて、1ラインごとにインクを対向電極(搬送ドラム)2に向かって吐出し、対向電極2上の用紙3に画像を形成する。
【0023】
このように、いわゆるマルチ電極の記録ヘッドを用いる場合には、インクジェット記録方式がインクを吐出(飛翔)させ、直接、用紙上に記録している方式のため、インクの濃度、インクの吐出量、インクの吐出方向が画質に影響を与える。また、この記録ヘッドを複数用い、カラープリンタとして、色重ねを行なった場合には、インクの吐出方向(画素位置)が安定していないと、各色の画素が正規の位置に形成されず、濃度むらや色合いの異なりなどの問題が発生するため、インクの吐出方向を常に安定させることが必要である。
【0024】
さらに、マルチ電極の記録ヘッドでは、記録電極分のスイッチング回路が必要となる。たとえば、300dpi、A4サイズの記録ヘッドでは、2560画素分の記録電極が必要であり、その分のスイッチング回路も必要となる。インクジェット記録方式は、高電圧を記録に必要とするため、高電圧のスイッチング回路を用いるが、高電圧のスイッチング回路では集積化ができず、大規模なスイッチング回路となる。記録装置の小形化を行なうためには、スイッチング回路の小形化が必要となる。
【0025】
次に、記録ヘッド1およびその周辺部の構成について、図2を参照して説明する。図2において、11は記録電極で、導電性部材からなる注射針状の電極であり、内部はインク12が通過するため中空となっている。インク12は、インク容器13に収容されており、中空の絶縁性部材14を介して記録電極11に供給されている。
【0026】
また、記録電極11は、記録時には、記録電極用電源15から供給されている記録電圧VEが印加され、非記録時には、バイアス用電源16から供給されているバイアス電圧VBが印加されている。記録電圧VEが印加されると、記録電極11と対向電極2との間に強い電界が形成され、この電界によりインク12が飛翔する。また、バイアス電圧VBが印加されることで、記録電極11と対向電極2との間に弱い電界が形成され、この電界によりインク12が記録電極11の先端部へ静電誘導されており、インク12の供給を行なっている。この記録電圧VEとバイアス電圧VBの切換えは、駆動部17が外部から供給される記録信号に応じて制御している。対向電極2は、記録電極11に対向する位置に配設されており、対向電極用電源18から供給される電圧VOが印加されている。
【0027】
次に、図3を用いて記録ヘッド1におけるインク12の飛翔原理について簡単に説明する。記録電極に対向電極よりも電位の高い電圧を印加すると、記録電極の先端のインクメニスカスに不整電界の効果により強い電界が作用し、表面電荷密度(インク中のイオンの移動など)が高まる。これに作用する静電気力がインクの表面張力よりも大きくなると、インクメニスカスの一部からインクが引き出され、対向電極に向かって飛翔する。
【0028】
具体的には、記録電極11内のインク12は、記録電極11に電圧が印加されることで、その電界により、インク12(帯電したトナー粒子Tを含むキャリア液体)は静電誘導により、記録電極11の先端に誘導され、テーラーコーンを形成する。記録電極11の先端では、強電界によりトナー粒子濃度を高くした凝集体が形成され、さらに時間が経過すると、強電界により凝集体が糸状に対向電極2に向かって延び、さらに時間が経過すると、凝集体は分裂、飛翔し、対向電極2上の用紙3に付着する。このような原理でインクは飛翔している。
【0029】
図4は、インクの飛翔過程の一例を示している。たとえば、先端角が30度、先端半径が100μmの記録電極に直流1.5キロボルト(kV)のバイアス電圧を与え、これに1.2kVの記録電圧、周波数が600Hzで、幅が500μsのパルスを重畳させた場合の、インクの飛翔過程を示す。なお、対向電極の電圧は0Vとする。本実施の形態では、直流バイアス電圧に記録電圧を重畳させる方法をとっている。これは、あらかじめ、バイアス電圧によってインクメニスカスの表面電荷密度を高め、記録時の電荷蓄積時間をできるだけ縮めようとするものである。
【0030】
図4(a)は、パルス印加直後の様子であり、インク12の動きはなく、記録電極11に沿ったインク12の形状が見られるだけである。図4(b)では、インク12が盛り上がり、200μs経ってテーラーコーンが形成される。図4(c)では、テーラーコーンの先端から糸状のジェット12aが発生し、250μs後にはその長さは300〜500μm程度になる。図4(d)では、ジェット12aは370μm時にその根元から分裂する。図4(e)では、分裂したジェット12aは急速に縮んで小滴となり、対向電極2へ向かって飛翔し、他方、テーラーコーンも消滅して元の形状に戻る。ここまで400μsが経過している。この場合のインク小滴の大きさは、インクの電荷量を左右する原因、すなわち、記録電圧および印加パルス幅により決まってくる。
【0031】
次に、図5に示す、複数の記録電極11を水平方向にライン状に並べ、マルチチャンネル化した場合のヘッド上面から見た模式図を用い、マルチヘッドにおける電界の影響について説明する。図4で説明したように、記録電極11と対向電極2との間の電界によりインクが飛翔していることから、水平方向に記録電極11が一列に並んだ場合、隣接する記録電極の印加電圧により、隣接する記録電極との間にも電界が発生し、記録画素に対応する記録電極に悪影響が発生する。高解像度化が進む程、隣接する記録電極との距離が縮まるから、この傾向は強くなる。
【0032】
たとえば、図5には、記録電極111 ,112 ,11nに記録電圧VEが、記録電極113 にバイアス電圧VBが、駆動部17の制御で印加された場合を示す。記録電極111 ,11nは、隣接する記録電極に記録電圧が印加されているので、隣接する記録電極とは同電位であり、そのため、対向電極2に向かう電気力線19がどちらかの電極側へ片寄ることはない。
【0033】
記録電極112 は、隣接する記録電極111 側に対しては、同電位であるので、電気力線19の方向は影響を受けない。しかし、もう一方の隣接する記録電極113 側に対しては、記録電極113 側の電位が低いことから、対向電極2へ向かう電界と記録電極113 側へ向かう電界が生じ、電気力線19は記録電極113 側に片寄ってしまう。すなわち、記録電極112 から飛翔したインクは記録電極113 側に片寄って用紙3に記録される。
【0034】
以下、第1の実施の形態に係る記録ヘッド1およびその周辺部について具体的に説明する。
図6(a)は、各記録電極間に障壁電極を配設した記録ヘッド1およびその周辺部を上面から見た模式図、図6(b)は、記録ヘッド1を正面から見た模式図である。図6において、水平方向に一列に配設された複数の記録電極11の端面側と各電極間に、隣接する記録電極間の電界による相互干渉を防ぐために、記録電極間に電界の壁を設け、隣接する記録電極のオン,オフにかかわらず安定した電界を形成するための複数の障壁電極(障壁手段)20が配設されている。
【0035】
記録電極11には、記録信号に応じて動作する駆動部17で制御される、記録電圧VEとバイアス電圧VBが印加されている。また、対向電極2は接地されている(すなわち、VO=0V)。障壁電極20は、導電性部材で形成されていて、障壁電極用電源21から供給される所定の電圧VWが印加されている。
【0036】
なお、障壁電極20の先端へインクの流入はない構造のため、記録電圧が印加されても、障壁電極20からインクが吐出するようなことはない。
具体的には、たとえば、記録電極111 ,112 ,11nに記録電圧VEを印加し、記録電極113 にバイアス電圧VBを印加した場合について説明する。記録電極112 と対向電極2との間の電界は、図5においては隣接する記録電極113 への電界の影響で、インク12の吐出方向が曲がっていた。
【0037】
しかし、本実施の形態では、障壁電極20を設けたことで、障壁電極203 と対向電極2との間に強い電界が形成され、電気力線19に示すように、障壁電極203 の電界は記録電極113 の影響で記録電極113 側に片寄るものの、記録電極112 と対向電極2とで形成される電界には影響を与えない。障壁電極20は全ての記録電極11の両隣にあるため、障壁電極20が記録電極11に与える影響は等しく、記録電極11と対向電極2との間の電界の方向に影響は与えず、方向性のよい電界が形成できる。
【0038】
また、図8に示す記録電極11と障壁電極20の概略電位分布と電気力線から、障壁電極20の電圧VWと記録電極11の電圧VEについて、下記の関係が成り立つ。ただし、記録電圧VEとバイアス電圧VBとの関係は、VE>VBとする。
【0039】
VW≧VEの場合、図8(a)に示すように、記録電極11から対向電極2へ向かう電気力線19は、障壁電極20の電界により記録電極11の中心線に向かう力が働き、中心線付近に集中する。すなわち、中心線付近の電界が強くなり、隣接する記録電極の影響を受けず、障壁電極20の効果が高い。
【0040】
VW<VEの場合、図8(b)に示すように、記録電極11から対向電極2へ向かう電気力線19は、障壁電極20の電圧が低いために、障壁電極20側に向かう力が働き、両側に広がる。すなわち、記録電極11の中心部の電界が弱くなることで、対向電極2に向かう力に対して隣接する記録電極から受ける電界の力の割合が強くなり、隣接する記録電極の影響を受け易い。
【0041】
なお、上記第1の実施の形態では、複数の障壁電極20を複数の記録電極11間に配設した場合について説明を行なったが、たとえば、図7に示すように、複数の記録電極11を囲むように一体的に形成された単一の障壁電極20であっも同様な効果が得られる。
【0042】
次に、第2の実施の形態に係る記録ヘッド1およびその周辺部について具体的に説明する。
図9(a)は、グリッド電極を配設した記録ヘッド1およびその周辺部を上面から見た模式図、図9(b)は、記録ヘッド1を正面から見た模式図である。図9において、水平方向に一列に配設された複数の記録電極11と対向電極2との間に、隣接する記録電極間の電界による相互干渉を防ぐために、記録電極11の電界を集中させ、隣接する記録電極のオン,オフにかかわらず安定した電界を形成するためのグリッド電極(干渉防止手段)22が配設されている。
【0043】
グリッド電極22は、複数の記録電極11と同一ピッチでインク通過窓231 ,232 ,233 ,…23nが設けられている。記録電極11には、記録信号に応じて動作する駆動部17で制御される、記録電圧VEとバイアス電圧VBが印加されている。また、対向電極2は接地されている(すなわち、VO=0V)。グリッド電極22は、導電性部材で形成されていて、グリッド電極用電源24から供給される所定の電圧VGが印加されている。
【0044】
具体的には、たとえば、記録電極111 ,112 ,11nに記録電圧VEを印加し、記録電極113 にバイアス電圧VBを印加した場合について説明する。記録電極112 と対向電極2との間の電界は、図5においては隣接する記録電極113 cへの電界の影響で、インク12の吐出方向が曲がっていた。
【0045】
しかし、本実施の形態では、グリッド電極22を設けたことで、記録電極11とグリッド電極22との間に強い電界が形成され、記録電極11から吐出したインク12はグリッド電極22の中心部に向かい、さらに、グリッド電極22と対向電極2との間の電界により記録電極11の中心線に沿って対向電極2へ向かって飛翔する。
【0046】
たとえば、記録電極112 の場合、インク吐出時に記録電極113 寄りに飛翔するが、グリッド電極22との電界により中心部へ引き戻され、記録電極11、グリッド電極22、対向電極2で形成される強い電界により、方向性のよい飛翔状態となる。
【0047】
また、図10に示すグリッド電極22の位置とグリッド電圧VGとの関係のグラフから、グリッド電圧VGは、グリッド電極22の位置(記録電極11と対向電極2との間)により決定される。なぜならば、グリッド電圧VGが記録電極11と対向電極2との間で形成される電位よりも高い場合には、記録電極11とグリッド電極22との間の電界よりも、記録電極11と対向電極2との間の電界が強くなり、グリッド電極22の効果が発揮できない。
【0048】
逆に、グリッド電位が低い場合(図10の斜線エリア)には、記録電極11とグリッド電極22との間で、記録電極11と対向電極2との間よりも強い電界が形成できるため、グリッド電極22の効果が高い。したがって、図10に示すように、本実施の形態において、対向電極2とグリッド電極22との間の距離L1と、対向電極2と記録電極11との間の距離Lと、記録電極11の電圧VEと、対向電極2の電圧VOと、グリッド電極22の電圧VGとの間には下記の関係が成り立つ。
【0049】
VO<VG<{L1(VE−VO)/L}+VO≦VE
次に、第3の実施の形態に係る記録ヘッド1およびその周辺部について具体的に説明する。
【0050】
図11は、画像データ変換部を持った記録ヘッド1を上面から見た模式図である。図11において、複数の記録電極11は、水平方向に一列に配設されている。また、複数の記録電極11の両端部には、各記録電極11を同じ条件にするための補助電極25a,25bが配設されている。各記録電極11は、駆動部17で記録信号に応じてオン(記録電圧VE印加)、オフ(バイアス電圧VB印加)制御される。補助電極25a,25bは、記録電圧VEが印加されている。
【0051】
また、外部装置31から転送されてきた記録信号(記録画素の隣接非記録画素の信号)は、画像データ変換部32およびパルス幅変調部33でパルス幅変調されたタイミング信号に変換される。パルス幅変調された信号を図12に示す。
【0052】
図4で述べたように、インク12を吐出させるためには、記録電極11に記録電圧を印加してから、テーラーコーンが形成され、次にインク12が糸状に延びて、分裂し、インク12が飛翔する。このような過程でインク12が飛翔することから、インク12が分裂するのまでの時間であれば、記録電圧VEを印加してもインク12が飛翔することはない。したがって、記録画素の記録電極11からインク12が吐出するとき、非記録画素にインク12が飛翔しない時間、記録電圧VEを印加することで、記録画素と非記録画素の記録電極11と対向電極2との間で形成される電界は等しくなる。よって、隣接する記録電極のオン,オフにかかわらず、インク吐出時には一様な電界が形成できる。
【0053】
画像データ変換部32の構成を図13に示す。画像データ変換部32は、1画素シフト回路34、2画素シフト回路35、反転回路36、オア回路37、および、アンド回路38によって構成され、1ライン分の画像データを画素シフトおよび論理和、論理積をとることで実現している。
【0054】
すなわち、ある記録電極の両隣の記録電極のデータを検出するために、1画素シフトしたデータを基準とし、元のデータと2画素シフトしたデータとから基準および両隣のデータを作成する。さらに、上記基準および両隣のデータと基準データとから記録データの両隣のデータを作成している。パルス幅変調部33は、このデータを元にパルス幅変調を行ない、駆動部17で記録ヘッド1を駆動する。
【0055】
図14に、たとえば、8チャンネルの記録ヘッドに、8ビットの記録データ“11000101B”、“01010011B”“11000101B”が3ライン分転送された例を示す。たとえば、図14の1ライン目の記録信号の場合、1ライン8ドット記録の8チャンネル記録ヘッドであるので、1ライン分のデータ“11000101B”が1画素シフト(基準画素)され、記録部のデータとしてパルス幅変調部33へ入力される。
【0056】
一方、記録画素の隣接画素がオフ状態のときのみ、単パルスを与えるために、そのタイミングを形成する。8ビットデータ(基準の隣接画素)と2画素シフト(基準のもう一方の隣接画素)した8ビットデータとの論理和をとり、その結果と1画素シフトした8ビットデータの反転値(非記録データ)との論理積をとり、“00101010”となる。この値が記録画素の隣接画素のデータとなる。その詳細を下記数1に示す。
【0057】
【数1】
Figure 0003694086
【0058】
さらに、図15に、非記録画素に常にパルス幅変調されたパルスを印加しておくことで、図13と同様な効果が得られる方法のブロック図を示す。この場合には、記録画素の隣の画素が非記録画素の場合だけでなく、全ての非記録画素に対して、インク12が吐出しない時間、パルスを印加するものである。
【0059】
画像データ変換部32では、オン,オフのデータから、オンデータは100%パルス幅のデータに、オフデータはインク12が吐出しない時間のパルス幅のデータに変換している。また、そのときのタイミングチャートを図16に示す。この場合、図11に示した回路よりも更に簡単な回路で構成できる。
【0060】
次に、第4の実施の形態に係る記録ヘッド1およびその周辺部について具体的に説明する。
図17は、複数の記録電極に一対一で対応した複数の対向電極を持つ記録ヘッド1およびその周辺部を上面から見た模式図である。図17において、水平方向に一列に配設された複数の記録電極11および補助電極25a,25bから、たとえば1mm程離れた位置に、各電極111 ,112 ,113 ,…11n,25a,25bと一対一に対応して対向電極20 ,21 ,22 ,23 ,…2n,2n+1 が平行に配設されている。
【0061】
記録電極111 ,112 ,113 ,…11nには、記録時、記録電圧VEとして1500V程度、非記録時、バイアス電圧VBとして1000V程度印加されており、対向電極20 ,21 ,22 ,23 ,…2n,2n+1 は接地されている(VO=0V)。この記録電極111 ,112 ,113 ,…11nと対向電極21 ,22 ,23 ,…2nとの電位差により、両電極間に電界が形成され、この電界によりインク12が飛翔する。
【0062】
この場合、対向電極21 ,22 ,23 ,…2nが記録電極111 ,112 ,113 ,…11nに一対一に対応していることから、記録電極111 ,112 ,113 ,…11nと対向電極21 ,22 ,23 ,…2nとの間の電界はチャンネルごとに独立し、隣接する記録電極の影響を受けにくい。
【0063】
このことは、たとえば、図18(a)に示す点電極41と平板電極42との間の電界と、図18(b)に示す点電極43と点電極44との間の電界の様子からわかるように、点電極41から平板電極42に向かう電気力線は広がっており、点電極41直下の電気力線の面積密度が低いことから、ここの電界は弱い。また、点電極43から点電極44に向かう電気力線は点電極44に集中しており、電気力線の面積密度が高いことから、点電極43直下の電界は強い。
【0064】
図19には、たとえば、記録信号“101”で記録ヘッド1を駆動したときの、記録電極11の電位に対する対向電極2の電位の関係を示している。非記録画素(記録信号“0”)では、電位差が(VB−VO)となっており、記録画素(記録信号“1”)では、電位差が(VE−VO)になっていることがわかる。
【0065】
次に、第5の実施の形態に係る記録ヘッド1およびその周辺部について具体的に説明する。
図20は、複数の記録電極に一対一で対応した複数の対向電極を制御する制御部を持つ記録ヘッド1およびその周辺部を上面から見た模式図である。図20において、水平方向に一列に配設された複数の記録電極11および補助電極25a,25bから、たとえば1mm程離れた位置に、各電極111 ,112 ,113 ,…11n,25a,25bと一対一に対応して対向電極20 ,21 ,22 ,23 ,…2n,2n+1 が平行に配設されていて、これら対向電極20 ,21 ,22 ,23 ,…2n,2n+1 は、対向電極制御部26により電圧印加制御される。
【0066】
記録電極111 ,112 ,113 ,…11nには、記録時、記録電圧VEとして1500V程度、非記録時、バイアス電圧VBとして1000V程度印加されており、対向電極21 ,22 ,23 ,…2nには、対向電極制御部26の制御により、記録時0V程度、非記録時1000V程度が印加される。なお、対向電極20 ,2n+1 は、常時電圧VO(0V)が印加されている。
【0067】
具体的には、たとえば、記録電極111 ,112 ,11nに記録電圧VEを印加し(オン状態)、記録電極113 にバイアス電圧VBを印加した(オフ状態)場合について説明する。記録電極112 と対向電極22 との間の電界は、図5においては隣接する記録電極113 への電界の影響で、インク12の吐出方向が曲がっていた。
【0068】
しかし、本実施の形態では、独立した複数の対向電極2を複数の記録電極11の数量分設けたことで、記録電極111 ,112 と対向電極21 ,22 との電位差により両電極間に電界が形成され、この電界によりインク12が飛翔する。また、対向電極2は、記録位置では0V、非記録位置では1000Vあるから、非記録位置の対向電極23 から記録位置の対向電極22 への電界が発生し、この電界により、記録電極112 から吐出したインク12は非記録位置の対向電極23 へは行きにくい。故に、インク12は目的とする位置に飛翔し易くなる。
【0069】
図21には、たとえば、記録信号“101”で記録ヘッド1を駆動したときの、記録電極11の電位に対する対向電極2の電位の関係を示している。非記録画素(記録信号“0”)では、記録電極11と対向電極2とが同電位となっており、記録画素(記録信号“1”)では、電位差が(VE−VO)になっていることがわかる。
【0070】
以上説明したような構成の記録ヘッド1およびその周辺部を図1に示したような構成のインクジェット記録装置の記録部として用いることにより、画素のピッチが正確で、むらのない良好な画像を得ることができる。
【0071】
次に、第6の実施の形態に係る記録ヘッド1およびその周辺部について具体的に説明する。
図22(a)は、複数の記録電極に一対一で対応した複数のグリッド電極とグリッド制御部を設けた記録ヘッド1およびその周辺部を上面から見た模式図、図22(b)は、記録ヘッド1を正面から見た模式図である。図22において、水平方向に一列に配設された複数の記録電極11と対向電極2との間に、隣接する記録電極間の電界による相互干渉を防ぐために、記録電極11の電界を集中させ、隣接する記録電極のオン,オフにかかわらず安定した電界を形成するための複数のグリッド電極221 ,222 ,223 ,…22nが各記録電極111 ,112 ,113 ,…11nと一対一に対応して配設されている。
【0072】
複数のグリッド電極221 ,222 ,223 ,…22nは、記録信号に応じてグリッド制御部27で選択的にオン,オフ制御される。すなわち、グリッド電極22にグリッド電極用電源24からグリッド電圧VG′が印加されると、記録電極11とグリッド電極22との間に電界が発生し、図3で述べた飛翔原理によりインク12が飛翔する。グリッド電極22をオープン(フローティング状態)にすると、インク12は飛翔しない。
【0073】
具体的には、たとえば、複数の記録電極11にそれぞれ記録電圧VE′を印加し、グリッド電極221 ,222 ,22nをオン(グリッド電圧VG′印加)、グリッド電極223 をオフ(フローティング状態)した場合について説明する。記録電極11は、記録電圧VE′として常時1000V程度が印加されており、グリッド電極221 ,222 ,22nにはグリッド電圧VG′として数十V程度、グリッド電極223 はオープンとなるように、それぞれグリッド制御部27で制御されている。
【0074】
オン状態では、記録電極111 ,112 ,11nとグリッド電極221 ,222 ,22nとの間の強電界によりインク12が飛翔し、オフ状態では、グリッド電位がオープンになっているため、インク12に作用する力は、記録電極113 と対向電極23 との間の弱電界となる。弱電界では、インク12は吐出できないような電位差の設定とする。このときのグリッド電圧VG′の設定について、図23を用い説明する。
【0075】
図23は、対向電極2の電位と位置を原点とした、対向電極2と記録電極11との間の位置と電位の関係を示すグラフである。図23の実線aは、今まで述べてきた記録ヘッド1のグラフであり、記録電極11と対向電極2は距離L離れて配設されている。この距離において、記録電極11の電位VEと対向電極2の電位VOとの電位差によりインク22が飛翔する。インク22が飛翔するためには、距離lに対して電位差Vl以上が必要である。
【0076】
また、インク12が飛翔するときの距離L1の位置でのグリッド電位をVGとする。図23の破線bは、対向電極2の電位VOを変えずに、記録電極11の電位VEをVE′まで下げた場合である。この場合には、距離lに対して電位差がVl未満となるため、インク12は飛翔しない。
【0077】
しかし、図23に一点鎖線cで示すように、記録電極11の電位はVE′のままで、インク12が飛翔する電位差(実線aと同様な傾き)とすれば、インク12は飛翔する。ただし、その場合には、対向電極2の電位も同様に低くする必要があるが、グリッド電極22を設けることで、記録電極11とグリッド電極22との間の電位差をVl/lに設定できるため、対向電極2の電位は下げる必要はない。図23では、距離L1の位置に、グリッド電極22を配設したときの電位をVG′で示す。この電位VG′以下の電位であれば、インク12が飛翔する電位差が確保できる。
【0078】
したがって、記録電極11と対向電極2との電位差でインク12を飛翔させるのではなく、記録電極11とグリッド電極22との間の電位差でインク12を飛翔させることが可能となる。故に、グリッド電圧VG′とグリッド電極22の位置を、図23の斜線領域内に設定しておけば、グリッド電圧VG′を制御することで、インク12の飛翔が制御できる。
【0079】
したがって、この記録ヘッド1を記録信号により制御するには、高電圧のかかっている記録電極11を制御する必要はなく、低電圧のグリッド電極22を制御すれば、従来と同様な記録制御が低電圧で行なうことが可能となる。実際のグリッド電極22の制御の様子の一例を図24に示す。
【0080】
図4で述べたように、インク12を飛翔させるためには、記録電極11の記録電圧VEは2.7kV必要であり、1.5kVのバイアス電圧VBにより、インク12を記録電極11の先端に静電誘導し、インク12の濃縮を行なっている。さらに、記録信号の入力に応じて、記録電極11をオン(1.2kV印加)/オフ(0V印加)制御している。このときの電位勾配は、図24の実線dで示される。
【0081】
本実施の形態では、記録電極11の電位VE′を1.5kV、グリッド電極22の電位VG′を0V、対向電極2の電位VOを0Vに設定する。この場合、記録信号に応じてオンするには、グリッド電極22の電位VG′を0Vにする(図24の実線e上のオン点ONで示す。図23で説明したように、図24の一点鎖線fの下側の部分にグリッド電圧VG′があればインク12が飛翔する)。
【0082】
すると、図24の実線eで示すように、記録電極11とグリッド電極22との電位勾配は急になり、電界が強くなることから、インク12が飛翔する。オフするには、グリッド電極22には電圧を印加せずに、グリッド電極22をオープン状態にする。オープン状態では、図23で説明したように、図24の破線g上のオフ点OFFの電位(960V)となっており、記録電極11とグリッド電極22との間の電位勾配は緩やかであり、電界が弱いことから、インク12は飛翔しない。
【0083】
以上述べたように、グリッド電極22の電位を0Vとオープンとにすることで、インク12の飛翔制御ができる。
以上説明したような構成の記録ヘッド1およびその周辺部を図1に示したような構成のインクジェット記録装置の記録部として用いることにより、記録制御電圧が数十V程度と低くなるため、市販の駆動用IC回路などが容易に使用可能となり、記録ヘッドの小形化ができ、インクジェット記録装置自体の小形化も可能となる。また、駆動回路が小形化されることで、記録ヘッドへの高密度実装が可能となり、高解像度の記録ヘッドにも駆動回路が実装可能となり、高解像度なインクジェット記録装置が実現できる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各記録電極間にそれぞれ、吐出時の記録電極によって対向電極上に形成される電界よりも弱い電界の障壁を形成する障壁電極を設けることにより、この障壁電極と対向電極との間の電界により、インクが飛翔し易くなり、かつ、隣接する記録電極間の電界の相互干渉を防止し、記録時間および解像度を低下させることなく、インクの飛翔経路を安定化できる。よって、従来の駆動回路などを変更することなく、画素のピッチずれを防止できる。
【0085】
また、本発明によれば、記録電極と対向電極との間にグリッド電極を設け、このグリッド電極に所定の電圧を印加することで、隣接する記録電極間の電界の相互干渉を防止し、インクの飛翔経路を安定化する。よって、低電圧制御で画素のピッチずれを防止できる。
【0086】
また、本発明によれば、記録電極に印加する記録電圧の印加タイミングと印加時間を制御することで、記録速度および解像度を低下させることなく、隣接する記録電極間の電界の相互干渉を防止し、インクの飛翔経路を安定化できる。よって、画素のピッチずれを防止できる。
【0087】
また、本発明によれば、記録電極に一対一に対応した対向電極を設けることで、画素ごとの独立した電界が形成でき、隣接する記録電極間の電界の相互干渉を防止し、インクの飛翔経路を安定化できる。よって、記録速度および解像度を低下させることなく、高解像度に正確な画素ピッチが形成できる。
【0088】
また、本発明によれば、記録電極と対向電極との間に各記録電極と対応したグリッド電極を設け、この各グリッド電極の印加電圧を記録電極ごとに制御することで、従来のように記録電極を高電圧で制御することなく、グリッド電極により低電圧で制御できる。よって、小形、高解像度化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置の作像部を概略的に示す構成図。
【図2】記録ヘッドおよびその周辺部の構成を模式的に示すブロック図。
【図3】記録電極からインクが飛翔する原理を説明する説明図。
【図4】インクの飛翔過程の一例を示す図。
【図5】記録ヘッドをマルチチャンネル化した場合の問題点を説明する記録ヘッドおよびその周辺部を上面から見た模式図。
【図6】第1の実施の形態に係る記録ヘッドおよびその周辺部について具体的に説明するためのもので、(a)は障壁電極を配設した場合の記録ヘッドおよびその周辺部を上面から見た模式図、(b)は記録ヘッドを正面から見た模式図。
【図7】第1の実施の形態に係る記録ヘッドの変形例を説明する正面図。
【図8】記録電極と障壁電極の概略電位分布と電気力線を示す図。
【図9】第2の実施の形態に係る記録ヘッドおよびその周辺部について具体的に説明するためのもので、(a)はグリッド電極を配設した場合の記録ヘッドおよびその周辺部を上面から見た模式図、(b)は記録ヘッドを正面から見た模式図。
【図10】グリッド電極の電圧と配置位置との関係を示す図。
【図11】第3の実施の形態に係る記録ヘッドおよびその周辺部について具体的に説明するためのもので、画像データ変換部とパルス幅変調部を持った記録ヘッドおよびその周辺部を上面から見た模式図。
【図12】画像データ変換部とパルス幅変調部を持った記録ヘッドの動作を説明する要部信号波形図。
【図13】画像データ変換部の構成を示すブロック図。
【図14】画像データ変換部とパルス幅変調部を持った記録ヘッドの動作を説明するタイミングチャート。
【図15】第3の実施の形態に係る変形例を説明するブロック図。
【図16】第3の実施の形態に係る変形例の動作を説明するタイミングチャート。
【図17】第4の実施の形態に係る記録ヘッドおよびその周辺部について具体的に説明するためのもので、記録電極に一対一で対応した対向電極を持った記録ヘッドおよびその周辺部を上面から見た模式図。
【図18】点電極と平板電極および点電極と点電極の各電気力線を示す図。
【図19】記録電極に一対一で対応した対向電極を持った記録ヘッドの動作を説明する要部信号波形図。
【図20】第5の実施の形態に係る記録ヘッドおよびその周辺部について具体的に説明するためのもので、記録電極に一対一で対応した対向電極を制御する制御部を持った記録ヘッドおよびその周辺部を上面から見た模式図。
【図21】記録電極に一対一で対応した対向電極を制御する制御部を持った記録ヘッドの動作を説明する要部信号波形図。
【図22】第6の実施の形態に係る記録ヘッドおよびその周辺部について具体的に説明するためのもので、(a)は記録電極に一対一で対応したグリッド電極を配設した場合の記録ヘッドおよびその周辺部を上面から見た模式図、(b)は記録ヘッドを正面から見た模式図。
【図23】対向電極の電位と位置を原点とした対向電極と記録電極との間の位置と電位の関係を示すグラフ。
【図24】実際のグリッド電極の制御の様子の一例を示す図。
【符号の説明】
1……記録ヘッド、2……対向電極、3……用紙(記録媒体)、11……記録電極、12……インク、15……記録電極用電源、16……バイアス用電源、17……駆動部、18……対向電極用電源、20……障壁電極(障壁手段)、21……障壁電極用電源、22……グリッド電極(干渉防止手段)、24……グリッド電極用電源、26……対向電極制御部、27……グリッド制御部、31……外部装置、32……画像データ変換部、33……パルス幅変調部。

Claims (11)

  1. 帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを、ライン状に並設された複数の記録電極へそれぞれ導き、これら複数の記録電極に対し選択的に所定の記録電圧を印加することにより、前記記録電極から対向電極に向かって静電気力により前記色剤粒子を飛翔させ、前記対向電極の前に配設された記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記複数の記録電極と前記対向電極との間に位置し、前記複数の記録電極の各間での電界の干渉を防止する干渉防止手段を設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. ライン状に並設された複数の記録電極と、
    この複数の記録電極の各先端と対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との間に電界を形成する対向電極と、
    帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するためのバイアス電圧を前記複数の記録電極に印加するバイアス電圧印加手段と、
    前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記対向電極に向かって飛翔させるための所定の記録電圧を前記複数の記録電極に対して選択的に印加する記録電圧印加手段と、
    前記複数の記録電極の各間にそれぞれ設けられ、かつ、それぞれ所定の電圧が印加され、前記対向電極への電界により前記複数の記録電極の各間に電界の障壁を形成する複数の障壁電極と、
    を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 記録電極に印加される記録電圧をVE、障壁電極に印加される電圧をVWとすると、両者の間に[VE≦VW]の関係が成立することを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. ライン状に並設された複数の記録電極と、
    この複数の記録電極の各先端と対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との間に電界を形成する対向電極と、
    帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するためのバイアス電圧を前記複数の記録電極に印加するバイアス電圧印加手段と、
    前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記対向電極に向かって飛翔させるための所定の記録電圧を前記複数の記録電極に対して選択的に印加する記録電圧印加手段と、
    前記複数の記録電極と前記対向電極との間に設けられ、かつ、所定の電圧が印加され、前記複数の記録電極の各間での電界の干渉を防止するグリッド電極と、
    を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 対向電極とグリッド電極との間の距離をL1、対向電極と記録電極との間の距離をL、記録電極に印加される記録電圧をVE、対向電極に印加される電圧をVO、グリッド電極に印加される電圧をVGとすると、これらの間に[VO<VG<{L1(VE−VO)/L}+VO≦VE]の関係が成立することを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  6. ライン状に並設された複数の記録電極と、
    この複数の記録電極の各先端と対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との間に電界を形成する対向電極と、
    帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するためのバイアス電圧を前記複数の記録電極に印加するバイアス電圧印加手段と、
    前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記対向電極に向かって飛翔させるための所定の記録電圧を前記複数の記録電極に対して選択的に印加する記録電圧印加手段と、
    この記録電圧印加手段による前記複数の記録電極への記録電圧の印加タイミングと印加時間をそれぞれ制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 記録画素に対応する記録電極からインクが吐出する瞬間は、非記録画素に対応する記録電極にも記録電圧が印加されることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
  8. ライン状に並設された複数の記録電極と、
    この複数の記録電極の各先端とそれぞれ対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との各間にそれぞれ電界を形成する複数の対向電極と、
    帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するためのバイアス電圧を前記複数の記録電極に印加するバイアス電圧印加手段と、
    前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記複数の対向電極に向かって飛翔させるための所定の記録電圧を前記複数の記録電極に対して選択的に印加する記録電圧印加手段と、
    を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 複数の対向電極に対して、前記記録電圧印加手段による複数の記録電極に対する記録電圧の印加に同期して所定の電圧を選択的に印加する対向電極制御手段を更に具備したことを特徴とする請求項8記載のインクジェット記録装置。
  10. ライン状に並設された複数の記録電極と、
    この複数の記録電極の各先端と対向する部位に設けられ、前記複数の記録電極との間に電界を形成する対向電極と、
    帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを前記複数の記録電極の各先端方向に静電気力により誘導するための電圧を前記複数の記録電極に印加する第1の電圧印加手段と、
    前記複数の記録電極と前記対向電極との各間にそれぞれ設けられた複数のグリッド電極と、
    前記複数の記録電極の各先端から静電気力により前記色剤粒子を前記対向電極に向かって飛翔させるための所定の電圧を前記複数のグリッド電極に対して選択的に印加する第2の電圧印加手段と、
    を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 第2の電圧印加手段は、電圧を印加しないグリッド電極をフローティング状態に制御することを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
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