JP3480775B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に係り、特に溶媒中に帯電した色剤を分散させた液
状インクを用い、このインク中の少なくとも色剤成分を
インク滴として記録媒体上に飛翔させて記録を行うイン
クジェット記録装置に関する。
装置に係り、特に溶媒中に帯電した色剤を分散させた液
状インクを用い、このインク中の少なくとも色剤成分を
インク滴として記録媒体上に飛翔させて記録を行うイン
クジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液状インクをインク滴と呼ばれる小さな
液滴として記録媒体上に飛翔させて記録ドットを形成す
ることにより画像を記録する装置は、インクジェットプ
リンタとして実用化されている。インクジェットプリン
タは、他の記録方法のプリンタと比べて騒音が少なく、
現像や定着などの処理が不要であるという利点を有し、
普通紙記録技術として注目されている。インクジェット
プリンタの方式は、現在までに数多く考案されている
が、特に(a)発熱体の熱により発生する蒸気の圧力で
インク滴を飛翔させる方式(例えば、特公昭56−94
29、特公昭61−59911など)や、(b)圧電素
子によって発生される機械的な圧力パルスによりインク
滴を飛翔させる方式が代表的なものである。
液滴として記録媒体上に飛翔させて記録ドットを形成す
ることにより画像を記録する装置は、インクジェットプ
リンタとして実用化されている。インクジェットプリン
タは、他の記録方法のプリンタと比べて騒音が少なく、
現像や定着などの処理が不要であるという利点を有し、
普通紙記録技術として注目されている。インクジェット
プリンタの方式は、現在までに数多く考案されている
が、特に(a)発熱体の熱により発生する蒸気の圧力で
インク滴を飛翔させる方式(例えば、特公昭56−94
29、特公昭61−59911など)や、(b)圧電素
子によって発生される機械的な圧力パルスによりインク
滴を飛翔させる方式が代表的なものである。
【0003】インクジェットプリンタに使用される記録
ヘッド(インクジェットヘッドという)としては、キャ
リッジに搭載されて記録紙の搬送方向(副走査方向)に
対し直交する方向(主走査方向)に移動しながら記録を
行うシリアル走査型ヘッドが実用されている。このシリ
アル走査型ヘッドは、記録スピードを早くすることが難
しい。そこで、記録ヘッドを記録紙の幅と同じサイズの
長尺ヘッドとして記録スピードを上げることができる、
いわゆるライン走査型ヘッドも考えられているが、この
ようなライン走査型ヘッドを実現することは、次の理由
から簡単ではない。
ヘッド(インクジェットヘッドという)としては、キャ
リッジに搭載されて記録紙の搬送方向(副走査方向)に
対し直交する方向(主走査方向)に移動しながら記録を
行うシリアル走査型ヘッドが実用されている。このシリ
アル走査型ヘッドは、記録スピードを早くすることが難
しい。そこで、記録ヘッドを記録紙の幅と同じサイズの
長尺ヘッドとして記録スピードを上げることができる、
いわゆるライン走査型ヘッドも考えられているが、この
ようなライン走査型ヘッドを実現することは、次の理由
から簡単ではない。
【0004】インクジェット記録方式は本質的に、溶媒
の蒸発や揮発によって局部的なインクの濃縮が生じやす
く、これが解像度に対応した個別の細いノズルでの目詰
まりの原因となる。さらに、インクジェットの形成に蒸
気の圧力を使う方式では、インクとの熱的あるいは化学
的な反応などによる不溶物の付着が、また圧電素子によ
る圧力を使う方式では、インク流路などでの複雑な構造
がさらに目詰まりを誘起し易くする。数十〜百数十程度
のノズルを使用するシリアル走査型ヘッドよりもさらに
多い数千もの多数のノズルを必要とするライン走査型ヘ
ッドでは、確率的にかなり高い頻度で目詰まりが発生
し、信頼性の点で大きな問題となる。
の蒸発や揮発によって局部的なインクの濃縮が生じやす
く、これが解像度に対応した個別の細いノズルでの目詰
まりの原因となる。さらに、インクジェットの形成に蒸
気の圧力を使う方式では、インクとの熱的あるいは化学
的な反応などによる不溶物の付着が、また圧電素子によ
る圧力を使う方式では、インク流路などでの複雑な構造
がさらに目詰まりを誘起し易くする。数十〜百数十程度
のノズルを使用するシリアル走査型ヘッドよりもさらに
多い数千もの多数のノズルを必要とするライン走査型ヘ
ッドでは、確率的にかなり高い頻度で目詰まりが発生
し、信頼性の点で大きな問題となる。
【0005】さらに、従来のインクジェット記録装置は
解像度の向上には適していないという問題点もある。つ
まり蒸気の圧力を使う方法では、直径20μm(これは
記録紙上に直径50数μm程度の記録ドットに相当す
る)以下の粒径のインク粒を生成するのが難しく、また
圧電素子が発生する圧力を使う方式では、記録ヘッドが
複雑な構造となるために、加工技術上の問題で解像度の
高いヘッドを作りにくいからである。
解像度の向上には適していないという問題点もある。つ
まり蒸気の圧力を使う方法では、直径20μm(これは
記録紙上に直径50数μm程度の記録ドットに相当す
る)以下の粒径のインク粒を生成するのが難しく、また
圧電素子が発生する圧力を使う方式では、記録ヘッドが
複雑な構造となるために、加工技術上の問題で解像度の
高いヘッドを作りにくいからである。
【0006】これらの欠点を克服するために、薄膜の電
極アレイに電圧を印加し、静電力を用いてインク液面か
らインクあるいはその中の色剤成分をインク滴として飛
翔させるインクジェット記録方式が考案された。具体的
には、インクを静電的引力を使ってインク滴を飛翔させ
る方式(特開昭49−62024、特開昭56−446
7など)や、帯電した色剤成分を含むインクを用い色剤
の濃度を高めてインク滴を飛翔させる方式(WO93/
11866:PCT/AU92/00665)などが提
案されている。これらの方式は、記録ヘッドの構成が個
別のドット毎のノズルを必要としないスリット状ノズル
構成か、あるいは個別のドット毎のインク流路の隔壁を
必要としないノズルレス構成であるために、ライン走査
型記録ヘッドを実現する上で大きな障害であった目詰ま
りの防止と復旧に対して有効である。また、特に後者は
非常に小さい径のインク粒を安定に生成して飛翔させる
ことができるため、高解像度化に適している。
極アレイに電圧を印加し、静電力を用いてインク液面か
らインクあるいはその中の色剤成分をインク滴として飛
翔させるインクジェット記録方式が考案された。具体的
には、インクを静電的引力を使ってインク滴を飛翔させ
る方式(特開昭49−62024、特開昭56−446
7など)や、帯電した色剤成分を含むインクを用い色剤
の濃度を高めてインク滴を飛翔させる方式(WO93/
11866:PCT/AU92/00665)などが提
案されている。これらの方式は、記録ヘッドの構成が個
別のドット毎のノズルを必要としないスリット状ノズル
構成か、あるいは個別のドット毎のインク流路の隔壁を
必要としないノズルレス構成であるために、ライン走査
型記録ヘッドを実現する上で大きな障害であった目詰ま
りの防止と復旧に対して有効である。また、特に後者は
非常に小さい径のインク粒を安定に生成して飛翔させる
ことができるため、高解像度化に適している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した静電力でイン
ク滴を飛翔させる方式のインクジェット記録装置では、
電極アレイに画像信号に応じたパルス電圧を印加するこ
とによってインク滴が吐出し、記録紙上に飛翔する。こ
こで、電極アレイの一本おきの電極にのみパルス電圧を
印加して、それらの電極上からインク滴を吐出させ飛翔
させる場合を考える。これは縦縞、つまり副走査方向に
沿った縞を記録する場合に相当する。このような場合、
パルス電圧が印加された電極から、隣接したパルス電圧
が印加されていない電極に向かう電界が形成される。こ
の隣接電極間の電界によって、パルス電圧が印加された
電極から印加されていない電極上に向かって帯電した色
剤成分の移動が起こる。この状態が続くと、各電極上で
静電力の働く帯電した色剤成分の量が不足するため、イ
ンク滴の吐出・飛翔が不安定となり、記録画像に濃度む
らが生じて画質が劣化するばかりでなく、極端になると
インク滴が飛翔しなくなってしまう。
ク滴を飛翔させる方式のインクジェット記録装置では、
電極アレイに画像信号に応じたパルス電圧を印加するこ
とによってインク滴が吐出し、記録紙上に飛翔する。こ
こで、電極アレイの一本おきの電極にのみパルス電圧を
印加して、それらの電極上からインク滴を吐出させ飛翔
させる場合を考える。これは縦縞、つまり副走査方向に
沿った縞を記録する場合に相当する。このような場合、
パルス電圧が印加された電極から、隣接したパルス電圧
が印加されていない電極に向かう電界が形成される。こ
の隣接電極間の電界によって、パルス電圧が印加された
電極から印加されていない電極上に向かって帯電した色
剤成分の移動が起こる。この状態が続くと、各電極上で
静電力の働く帯電した色剤成分の量が不足するため、イ
ンク滴の吐出・飛翔が不安定となり、記録画像に濃度む
らが生じて画質が劣化するばかりでなく、極端になると
インク滴が飛翔しなくなってしまう。
【0008】本発明は、インク中の帯電した色剤成分を
静電気力で凝集させ、吐出させて記録媒体上に飛翔させ
ることで記録を行うインクジェット記録装置において、
帯電した色剤成分がインク滴の飛翔位置から散逸するこ
とを防止して濃度むらのない安定した記録を行うことが
できるインクジェット記録装置を提供することを目的と
する。
静電気力で凝集させ、吐出させて記録媒体上に飛翔させ
ることで記録を行うインクジェット記録装置において、
帯電した色剤成分がインク滴の飛翔位置から散逸するこ
とを防止して濃度むらのない安定した記録を行うことが
できるインクジェット記録装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は溶媒中に所定極性に帯電した色剤を分散さ
せたインク中の色剤成分に静電力を作用させて少なくと
も色剤成分を含むインク滴を吐出させ記録媒体に向けて
飛翔させることにより記録を行うインクジェット記録装
置において、インクが供給される位置に複数の電極を配
置し、これら複数の電極に対して、画像信号に応じてイ
ンク滴を吐出させる位置に最も近い第1の電極と記録媒
体間の電位差が第1の電極に隣接した第2の電極と記録
媒体間の電位差より小さくなるように電圧を印加する電
圧印加手段を備えたことを基本的な特徴とする。複数の
電極は、インクが供給されるヘッド基板上に形成された
同一面上の電極であってもよく、また同軸的に設けられ
た電極であってもよい。
め、本発明は溶媒中に所定極性に帯電した色剤を分散さ
せたインク中の色剤成分に静電力を作用させて少なくと
も色剤成分を含むインク滴を吐出させ記録媒体に向けて
飛翔させることにより記録を行うインクジェット記録装
置において、インクが供給される位置に複数の電極を配
置し、これら複数の電極に対して、画像信号に応じてイ
ンク滴を吐出させる位置に最も近い第1の電極と記録媒
体間の電位差が第1の電極に隣接した第2の電極と記録
媒体間の電位差より小さくなるように電圧を印加する電
圧印加手段を備えたことを基本的な特徴とする。複数の
電極は、インクが供給されるヘッド基板上に形成された
同一面上の電極であってもよく、また同軸的に設けられ
た電極であってもよい。
【0010】一般的に、ある注目電極に高電圧を印加し
て、その注目電極上からインク滴を吐出・飛翔させよう
とすると、隣接電極の方向にも強い電界が生じるため、
注目電極付近に供給された帯電した色剤成分は、インク
の表面張力に打ち勝つ仕事が不必要な隣接電極の方向へ
の泳動で散逸しやすくなる。
て、その注目電極上からインク滴を吐出・飛翔させよう
とすると、隣接電極の方向にも強い電界が生じるため、
注目電極付近に供給された帯電した色剤成分は、インク
の表面張力に打ち勝つ仕事が不必要な隣接電極の方向へ
の泳動で散逸しやすくなる。
【0011】これに対し、本発明のようにインク滴を吐
出させる位置に最も近い第1の電極と記録媒体間の第1
の電位差をインク滴を飛翔させるに十分な電位差とする
とともに、この第1の電位差を第1の電極に隣接する第
2の電極と記録媒体間の第2の電位差より小さくする
と、第1の電極近辺に供給された帯電した色剤成分は、
第2の電極に印加された電圧により形成された電界によ
って囲まれつつ、インク滴として吐出する。従って、こ
の電界による色剤成分の囲み効果によって、第1の電極
上に供給された色剤成分の散逸が防止され、色剤成分が
インク滴を吐出飛させるべき位置に高濃度の状態で十分
に供給されるため、濃度むらがなく、かつ十分に高濃度
の画像を記録することが可能となる。
出させる位置に最も近い第1の電極と記録媒体間の第1
の電位差をインク滴を飛翔させるに十分な電位差とする
とともに、この第1の電位差を第1の電極に隣接する第
2の電極と記録媒体間の第2の電位差より小さくする
と、第1の電極近辺に供給された帯電した色剤成分は、
第2の電極に印加された電圧により形成された電界によ
って囲まれつつ、インク滴として吐出する。従って、こ
の電界による色剤成分の囲み効果によって、第1の電極
上に供給された色剤成分の散逸が防止され、色剤成分が
インク滴を吐出飛させるべき位置に高濃度の状態で十分
に供給されるため、濃度むらがなく、かつ十分に高濃度
の画像を記録することが可能となる。
【0012】本発明によるインクジェット記録装置は、
第1の電極と第2の電極の組が単一のインクジェット記
録ヘッドを用いた場合と、インクが供給されるヘッド基
板上に複数の電極を配列してなる電極アレイを設けたラ
イン走査型インクジェット記録ヘッドを用いた場合の両
方に適用ができる。後者の場合、電極アレイに対して画
像信号に応じてインク滴を吐出させる位置に最も近い第
1の電極と記録媒体間の第1の電位差が第1の電極に隣
接した二つの第2の電極と記録媒体間の第2の電位差よ
り小さくなるように電圧を印加する電圧印加手段が備え
られる。また、この電圧印加手段は好ましくはその電圧
印加動作を第1および第2の電極の位置を所定周期で交
互に交替させて行うものとする。
第1の電極と第2の電極の組が単一のインクジェット記
録ヘッドを用いた場合と、インクが供給されるヘッド基
板上に複数の電極を配列してなる電極アレイを設けたラ
イン走査型インクジェット記録ヘッドを用いた場合の両
方に適用ができる。後者の場合、電極アレイに対して画
像信号に応じてインク滴を吐出させる位置に最も近い第
1の電極と記録媒体間の第1の電位差が第1の電極に隣
接した二つの第2の電極と記録媒体間の第2の電位差よ
り小さくなるように電圧を印加する電圧印加手段が備え
られる。また、この電圧印加手段は好ましくはその電圧
印加動作を第1および第2の電極の位置を所定周期で交
互に交替させて行うものとする。
【0013】第2の電極は、ヘッド基板上に設けられた
電極アレイの一部でなくともよく、電極アレイに対向し
てヘッド基板とほぼ平行に設けられた板状の共通電極で
あってもよい。その場合、電圧印加手段は電極アレイお
よび共通電極に対して、電極アレイのうちの画像信号に
応じてインク滴を吐出させる位置に最も近い第1の電極
と記録媒体間の第1の電位差が共通電極と記録媒体間の
第2の電位差より小さくなるように電圧を印加する構成
とする。
電極アレイの一部でなくともよく、電極アレイに対向し
てヘッド基板とほぼ平行に設けられた板状の共通電極で
あってもよい。その場合、電圧印加手段は電極アレイお
よび共通電極に対して、電極アレイのうちの画像信号に
応じてインク滴を吐出させる位置に最も近い第1の電極
と記録媒体間の第1の電位差が共通電極と記録媒体間の
第2の電位差より小さくなるように電圧を印加する構成
とする。
【0014】また、電圧印加手段はインク滴の飛翔に必
要な時間以外は第1の電位差がインク滴を飛翔させない
電位差となるように電極アレイに対して電圧を印加する
構成であってもよく、さらには第1の電位差がインク滴
を飛翔させない電位差となる期間を経てインク滴を飛翔
させる電位差となるように電極アレイに対して電圧を印
加する構成であってもよい。
要な時間以外は第1の電位差がインク滴を飛翔させない
電位差となるように電極アレイに対して電圧を印加する
構成であってもよく、さらには第1の電位差がインク滴
を飛翔させない電位差となる期間を経てインク滴を飛翔
させる電位差となるように電極アレイに対して電圧を印
加する構成であってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の一実施形態に係る
インクジェット記録装置の構成を示す図である。同図に
おいて、記録ヘッド100は図の紙面に垂直の方向(主
走査方向)に配列された複数個のストライプ状の個別電
極からなる電極アレイ102を有するヘッド基板101
と、その上に配置された上蓋103からなり、これらヘ
ッド基板101と上蓋103とによりインク流路104
が形成されている。このインク流路104に、ポンプを
含むインク還流機構105からインク106が供給され
る。このインク106は、プラス極性に帯電した色剤成
分を帯電制御剤やバインダなどとともに、108 Ωcm
以上の抵抗率を有する絶縁性の溶媒中にコロイド状に分
散させ浮遊させたもので、インク流路104中をインク
滴の吐出位置まで運ばれるとともに、一部が回収口より
インク還流機構105に回収される。
参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の一実施形態に係る
インクジェット記録装置の構成を示す図である。同図に
おいて、記録ヘッド100は図の紙面に垂直の方向(主
走査方向)に配列された複数個のストライプ状の個別電
極からなる電極アレイ102を有するヘッド基板101
と、その上に配置された上蓋103からなり、これらヘ
ッド基板101と上蓋103とによりインク流路104
が形成されている。このインク流路104に、ポンプを
含むインク還流機構105からインク106が供給され
る。このインク106は、プラス極性に帯電した色剤成
分を帯電制御剤やバインダなどとともに、108 Ωcm
以上の抵抗率を有する絶縁性の溶媒中にコロイド状に分
散させ浮遊させたもので、インク流路104中をインク
滴の吐出位置まで運ばれるとともに、一部が回収口より
インク還流機構105に回収される。
【0016】電極アレイ102の個別電極には、駆動回
路107が接続されている。駆動回路107は、各個別
電極に2種類または3種類の電圧、すなわち電圧V0、
V1および電圧V2(V0<V1<V2)を選択的に印
加できるように構成されている。この駆動回路107の
具体的な構成については、後述する。
路107が接続されている。駆動回路107は、各個別
電極に2種類または3種類の電圧、すなわち電圧V0、
V1および電圧V2(V0<V1<V2)を選択的に印
加できるように構成されている。この駆動回路107の
具体的な構成については、後述する。
【0017】記録ヘッド100の先端に対向して配置さ
れた記録媒体としての記録紙108は、対向電極として
も機能する記録ドラム109に密着した状態で、矢印で
示す方向に通過する。インク還流機構105によって電
極アレイ102上の所定位置にインクが運ばれた状態
で、記録すべき画像信号に従って所定の個別電極(注目
電極)とそれに隣接する個別電極間に所定の電圧が印加
されると、色剤成分を含むインク滴110が電極アレイ
102と記録ドラム109との間の電界により注目電極
上の近傍から吐出して記録紙108上に向けて飛翔し、
記録紙108上に画像が記録される。なお、本実施形態
では記録ドラム109は接地電位とされている。
れた記録媒体としての記録紙108は、対向電極として
も機能する記録ドラム109に密着した状態で、矢印で
示す方向に通過する。インク還流機構105によって電
極アレイ102上の所定位置にインクが運ばれた状態
で、記録すべき画像信号に従って所定の個別電極(注目
電極)とそれに隣接する個別電極間に所定の電圧が印加
されると、色剤成分を含むインク滴110が電極アレイ
102と記録ドラム109との間の電界により注目電極
上の近傍から吐出して記録紙108上に向けて飛翔し、
記録紙108上に画像が記録される。なお、本実施形態
では記録ドラム109は接地電位とされている。
【0018】次に、図2を用いて本実施形態における電
極アレイ102の駆動方法について説明する。図2は電
極アレイ102のうち白抜きで表した第1の個別電極2
01およびその両隣の斜線を施した第2の個別電極20
2と、期間A,B,C,Dにおける駆動回路107から
個別電極201,202への印加電圧およびインク滴1
10の吐出・飛翔状態を示している。
極アレイ102の駆動方法について説明する。図2は電
極アレイ102のうち白抜きで表した第1の個別電極2
01およびその両隣の斜線を施した第2の個別電極20
2と、期間A,B,C,Dにおける駆動回路107から
個別電極201,202への印加電圧およびインク滴1
10の吐出・飛翔状態を示している。
【0019】まず、期間AおよびDでは第1の個別電極
201に電圧V1、第2の個別電極202に電圧V2が
それぞれ印加されることにより、第1の個別電極201
と記録紙108(この例では接地電位GND)との間の
第1の電位差がV1、第2の個別電極202と記録紙1
08との間の第2の電位差がV2となって、第1の電位
差(V1)が第2の電位差(V2)より低くなる。ここ
で、電圧V1をインク滴110が吐出するに十分な値と
すれば、第1の個別電極201の近傍位置からインク滴
110が吐出し、記録紙108に向けて飛翔する。
201に電圧V1、第2の個別電極202に電圧V2が
それぞれ印加されることにより、第1の個別電極201
と記録紙108(この例では接地電位GND)との間の
第1の電位差がV1、第2の個別電極202と記録紙1
08との間の第2の電位差がV2となって、第1の電位
差(V1)が第2の電位差(V2)より低くなる。ここ
で、電圧V1をインク滴110が吐出するに十分な値と
すれば、第1の個別電極201の近傍位置からインク滴
110が吐出し、記録紙108に向けて飛翔する。
【0020】これに対し、期間BおよびCでは第1およ
び第2の個別電極201,202に共に電圧V2が印加
されることにより、第1の個別電極201と記録紙10
8との間の第1の電位差および第2の個別電極202と
記録紙108との間の第2の電位差が等しくなるか、ま
たは第1の個別電極201に電圧V2、第2の個別電極
202に電圧V1がそれぞれ印加されることにより、第
1の電位差がV2、第2の電位差がV1となって、第1
の電位差(V2)が第2の電位差(V1)より高くなる
ため、インク滴110は吐出しない。
び第2の個別電極201,202に共に電圧V2が印加
されることにより、第1の個別電極201と記録紙10
8との間の第1の電位差および第2の個別電極202と
記録紙108との間の第2の電位差が等しくなるか、ま
たは第1の個別電極201に電圧V2、第2の個別電極
202に電圧V1がそれぞれ印加されることにより、第
1の電位差がV2、第2の電位差がV1となって、第1
の電位差(V2)が第2の電位差(V1)より高くなる
ため、インク滴110は吐出しない。
【0021】そこで、第2の個別電極202に対しては
図2(a)に示すように常時一定の電圧V2を印加して
おき、第1の個別電極201に対しては図2(b)に示
すように記録すべき画像信号に応じて印加する電圧を制
御することにより、個々の画点を形成することができ
る。すなわち、画点を形成するときには個別電極201
に電圧V1を印加して第1の個別電極201の近傍位置
からインク滴110を吐出・飛翔させ、画点を形成しな
いときには個別電極201に電圧V2を印加してインク
滴110を吐出・飛翔させないようにする。
図2(a)に示すように常時一定の電圧V2を印加して
おき、第1の個別電極201に対しては図2(b)に示
すように記録すべき画像信号に応じて印加する電圧を制
御することにより、個々の画点を形成することができ
る。すなわち、画点を形成するときには個別電極201
に電圧V1を印加して第1の個別電極201の近傍位置
からインク滴110を吐出・飛翔させ、画点を形成しな
いときには個別電極201に電圧V2を印加してインク
滴110を吐出・飛翔させないようにする。
【0022】このように第1および第2の個別電極20
1,202のうち、インク滴を吐出させる位置に最も近
い第1の個別電極201と記録紙108との間の電位差
が、第1の個別電極201に隣接した第2の電極202
と記録紙108との間の電位差より小さくなるように第
1および第2の個別電極201,202に電圧を印加す
ることによって、記録が行われる。この場合、第1の個
別電極210近辺に供給された帯電した色剤成分は、第
2の個別電極202に印加された電圧V2により形成さ
れた電界によって囲まれながらインク滴110として吐
出するため、隣接する第2の個別電極202上に散逸し
にくくなる。従って、帯電した色剤成分がインク滴を吐
出させるべき第1の個別電極201の近辺に高濃度の状
態で供給されるようになるため、濃度むらが少なく、し
かも高濃度の画像を記録紙108上に形成することがで
きる。
1,202のうち、インク滴を吐出させる位置に最も近
い第1の個別電極201と記録紙108との間の電位差
が、第1の個別電極201に隣接した第2の電極202
と記録紙108との間の電位差より小さくなるように第
1および第2の個別電極201,202に電圧を印加す
ることによって、記録が行われる。この場合、第1の個
別電極210近辺に供給された帯電した色剤成分は、第
2の個別電極202に印加された電圧V2により形成さ
れた電界によって囲まれながらインク滴110として吐
出するため、隣接する第2の個別電極202上に散逸し
にくくなる。従って、帯電した色剤成分がインク滴を吐
出させるべき第1の個別電極201の近辺に高濃度の状
態で供給されるようになるため、濃度むらが少なく、し
かも高濃度の画像を記録紙108上に形成することがで
きる。
【0023】図3は、本実施形態における電極アレイ1
02の他の駆動方法を示す図であり、図2と同様に第1
の個別電極201およびその両隣の第2の個別電極20
2と、期間A,B,C,Dにおける駆動回路107から
個別電極201,202への印加電圧およびインク滴1
10の飛翔状態を示している。この例では、図2と図3
を比較して明らかなように、インク滴110を吐出させ
る位置に最も近い第1の個別電極201に印加する電圧
は一定とし、第2の個別電極202に印加する電圧を記
録すべき画像信号に応じて制御することにより、個々の
画点を形成する。すなわち、個別電極201に一定の電
圧V1を印加しておき、画点を形成するときには、第2
の個別電極202に電圧V2を印加することにより第1
の個別電極201の近傍位置からインク滴110を吐出
・飛翔させ、画点を形成しないときには個別電極202
に電圧V1を印加してインク滴110を吐出・飛翔させ
ないようにする。
02の他の駆動方法を示す図であり、図2と同様に第1
の個別電極201およびその両隣の第2の個別電極20
2と、期間A,B,C,Dにおける駆動回路107から
個別電極201,202への印加電圧およびインク滴1
10の飛翔状態を示している。この例では、図2と図3
を比較して明らかなように、インク滴110を吐出させ
る位置に最も近い第1の個別電極201に印加する電圧
は一定とし、第2の個別電極202に印加する電圧を記
録すべき画像信号に応じて制御することにより、個々の
画点を形成する。すなわち、個別電極201に一定の電
圧V1を印加しておき、画点を形成するときには、第2
の個別電極202に電圧V2を印加することにより第1
の個別電極201の近傍位置からインク滴110を吐出
・飛翔させ、画点を形成しないときには個別電極202
に電圧V1を印加してインク滴110を吐出・飛翔させ
ないようにする。
【0024】この図3の駆動方法によっても、図2に示
した駆動方法と同様の結果が得られることは明らかであ
る。 (第2の実施形態)図4は、第2の実施形態に係るイン
クジェット記録ヘッドの要部の構成を示す図である。第
1の実施形態では、ヘッド基板101上に電極アレイ1
02を設けたが、本実施形態では記録ヘッド部を同軸構
造としている。すなわち、第1の個別電極301はワイ
ヤ状電極により構成され、第2の個別電極302は第1
の個別電極301を囲むように配置されたパイプ状電極
により構成される。
した駆動方法と同様の結果が得られることは明らかであ
る。 (第2の実施形態)図4は、第2の実施形態に係るイン
クジェット記録ヘッドの要部の構成を示す図である。第
1の実施形態では、ヘッド基板101上に電極アレイ1
02を設けたが、本実施形態では記録ヘッド部を同軸構
造としている。すなわち、第1の個別電極301はワイ
ヤ状電極により構成され、第2の個別電極302は第1
の個別電極301を囲むように配置されたパイプ状電極
により構成される。
【0025】本実施形態においても、第1および第2の
個別電極301,302への電圧の印加方法を第1の実
施形態と同様とすることにより、第1の実施形態と同様
の効果が得られる。
個別電極301,302への電圧の印加方法を第1の実
施形態と同様とすることにより、第1の実施形態と同様
の効果が得られる。
【0026】上述した第1および第2の実施形態は、イ
ンクジェット記録ヘッドの一点からインク滴を吐出・飛
翔させ、ヘッドを記録紙108に対して主走査方向に相
対的に移動させつつ1ライン分の記録を行うシングルヘ
ッドを用いた場合に有効である。
ンクジェット記録ヘッドの一点からインク滴を吐出・飛
翔させ、ヘッドを記録紙108に対して主走査方向に相
対的に移動させつつ1ライン分の記録を行うシングルヘ
ッドを用いた場合に有効である。
【0027】(第3の実施形態)第1の実施形態では、
電極アレイ102のうち3つの個別電極に注目して動作
を説明したが、電極アレイ102全体に対しては次のよ
うな駆動方法をとればよい。この駆動方法は、ライン走
査型インクジェット記録ヘッドを用いて1ライン分の記
録を同時あるいは複数回に分けて行う場合に有効であ
る。
電極アレイ102のうち3つの個別電極に注目して動作
を説明したが、電極アレイ102全体に対しては次のよ
うな駆動方法をとればよい。この駆動方法は、ライン走
査型インクジェット記録ヘッドを用いて1ライン分の記
録を同時あるいは複数回に分けて行う場合に有効であ
る。
【0028】図5および図6は本実施形態における電極
アレイ102の駆動方法を説明するための図であり、電
極アレイ102の全個別電極を2分割して駆動する例を
示している。図5は、動作を分かりやすくするために記
録紙108の全面を黒で塗り潰す、いわゆるオールマー
ク記録を行う場合である。図5(a)に示すように、電
極アレイ102は駆動時には斜線で示した偶数番目の個
別電極のグループと白抜きで示した奇数番目の個別電極
のグループとに2分割され、これらのグループ単位で駆
動される。図5(b)のA,B,C,Dは所定の時間間
隔で各個別電極に印加される電圧を示している。
アレイ102の駆動方法を説明するための図であり、電
極アレイ102の全個別電極を2分割して駆動する例を
示している。図5は、動作を分かりやすくするために記
録紙108の全面を黒で塗り潰す、いわゆるオールマー
ク記録を行う場合である。図5(a)に示すように、電
極アレイ102は駆動時には斜線で示した偶数番目の個
別電極のグループと白抜きで示した奇数番目の個別電極
のグループとに2分割され、これらのグループ単位で駆
動される。図5(b)のA,B,C,Dは所定の時間間
隔で各個別電極に印加される電圧を示している。
【0029】今、ある状態においてAのタイミングで示
すように偶数番目の個別電極のグループに第1の電圧V
1が印加され、その両隣の奇数番目の個別電極のグルー
プには第2の電圧V2が印加されているとする。ここ
で、V1<V2であるため、インク106が前述したよ
うにプラス極性に帯電した色剤を含んでいる場合には、
色剤成分は偶数番目の個別電極側に引き寄せられて凝集
することになる。この状態から一定時間T1後の状態を
示したのが図5(b)のBであり、この状態では逆に偶
数番目の個別電極のグループには第2の電圧V2が印加
され、その両隣の奇数番目の個別電極のグループには第
1の電圧V1が印加されるため、色剤成分は今度は奇数
番目の個別電極側に引き寄せられ凝集することになる。
すように偶数番目の個別電極のグループに第1の電圧V
1が印加され、その両隣の奇数番目の個別電極のグルー
プには第2の電圧V2が印加されているとする。ここ
で、V1<V2であるため、インク106が前述したよ
うにプラス極性に帯電した色剤を含んでいる場合には、
色剤成分は偶数番目の個別電極側に引き寄せられて凝集
することになる。この状態から一定時間T1後の状態を
示したのが図5(b)のBであり、この状態では逆に偶
数番目の個別電極のグループには第2の電圧V2が印加
され、その両隣の奇数番目の個別電極のグループには第
1の電圧V1が印加されるため、色剤成分は今度は奇数
番目の個別電極側に引き寄せられ凝集することになる。
【0030】図5(b)のCは、さらにBから時間T1
後、そして図5(b)のDはCからさらにT1後の状態
を示したものである。このように本実施形態では、偶数
番目の個別電極のグループと奇数番目の個別電極のグル
ープに一定の時間T1の間隔で交互に電圧V1,V2が
印加される。言い換えれば、電極アレイ102にはイン
ク滴を吐出させる位置に最も近い第1の個別電極と記録
紙108間の電位差(V1)が第1の個別電極に隣接し
た第2の個別電極202と記録紙108間の電位差(V
2)より小さくなるように電圧V1,V2が印加され
る。ここで、第1の個別電極はA,Cの期間では偶数番
目の個別電極202、B,Cの期間では奇数番目の個別
電極201であり、第2の個別電極はA,Cの期間では
奇数番目の個別電極、B,Cの期間では偶数番目の個別
電極である。
後、そして図5(b)のDはCからさらにT1後の状態
を示したものである。このように本実施形態では、偶数
番目の個別電極のグループと奇数番目の個別電極のグル
ープに一定の時間T1の間隔で交互に電圧V1,V2が
印加される。言い換えれば、電極アレイ102にはイン
ク滴を吐出させる位置に最も近い第1の個別電極と記録
紙108間の電位差(V1)が第1の個別電極に隣接し
た第2の個別電極202と記録紙108間の電位差(V
2)より小さくなるように電圧V1,V2が印加され
る。ここで、第1の個別電極はA,Cの期間では偶数番
目の個別電極202、B,Cの期間では奇数番目の個別
電極201であり、第2の個別電極はA,Cの期間では
奇数番目の個別電極、B,Cの期間では偶数番目の個別
電極である。
【0031】すなわち、上述した電圧印加動作が周期T
1で第1の個別電極と第2の個別電極の位置を交互に交
替させて周期的に行われる。このような動作によって、
周期T1毎に帯電した色剤成分が記録紙108との間が
低い第1の電位差V1にある第1の個別電極の近辺から
インク滴110として吐出し、記録紙108に向けて飛
翔する。一方、記録紙108との間の電位差が高い第2
の電位差V2にある第2の個別電極の近辺では、発散す
る電気力線に沿って帯電した色剤成分が散逸するので、
インクは十分な静電気力を受けることができず、インク
滴は吐出・飛翔しない。以上のようにして、記録紙10
8上には電極アレイ102の全ての個別電極に対応した
位置に画点が形成される。
1で第1の個別電極と第2の個別電極の位置を交互に交
替させて周期的に行われる。このような動作によって、
周期T1毎に帯電した色剤成分が記録紙108との間が
低い第1の電位差V1にある第1の個別電極の近辺から
インク滴110として吐出し、記録紙108に向けて飛
翔する。一方、記録紙108との間の電位差が高い第2
の電位差V2にある第2の個別電極の近辺では、発散す
る電気力線に沿って帯電した色剤成分が散逸するので、
インクは十分な静電気力を受けることができず、インク
滴は吐出・飛翔しない。以上のようにして、記録紙10
8上には電極アレイ102の全ての個別電極に対応した
位置に画点が形成される。
【0032】次に、実際の画像記録時の動作を説明す
る。実際の記録時には、図6に示すように偶数番目の個
別電極のグループと奇数番目の個別電極のグループ毎
に、記録すべき画像信号に従ってそれぞれ所定の個別電
極に駆動回路107により第3の電圧V2または第1の
電圧V0が印加され、電圧V2が印加された個別電極の
近辺から色剤成分が凝集したインク滴110が吐出して
記録紙108に向けて飛翔し、記録紙105の上に画像
が記録される。
る。実際の記録時には、図6に示すように偶数番目の個
別電極のグループと奇数番目の個別電極のグループ毎
に、記録すべき画像信号に従ってそれぞれ所定の個別電
極に駆動回路107により第3の電圧V2または第1の
電圧V0が印加され、電圧V2が印加された個別電極の
近辺から色剤成分が凝集したインク滴110が吐出して
記録紙108に向けて飛翔し、記録紙105の上に画像
が記録される。
【0033】このように偶数番目の個別電極上に色剤成
分が凝集し、かつ画像信号に従って所定の電極からイン
ク滴110が飛翔し、次に奇数番目の個別電極上に色剤
成分が凝集しかつ画像信号に従ってインク滴110が飛
翔するという一連の動作がT1+T1の周期で繰り返さ
れ、電極アレイ102のパターンで決まる解像度の画像
が記録紙108上に記録される。
分が凝集し、かつ画像信号に従って所定の電極からイン
ク滴110が飛翔し、次に奇数番目の個別電極上に色剤
成分が凝集しかつ画像信号に従ってインク滴110が飛
翔するという一連の動作がT1+T1の周期で繰り返さ
れ、電極アレイ102のパターンで決まる解像度の画像
が記録紙108上に記録される。
【0034】(第4の実施形態)次に、電極アレイ10
2の駆動方法に関する他の実施形態を説明する。図7は
第4の実施形態における画像記録時の電極アレイ102
の駆動方法を説明するための図であり、図6に示した第
3の実施形態とは次の点で異なる。
2の駆動方法に関する他の実施形態を説明する。図7は
第4の実施形態における画像記録時の電極アレイ102
の駆動方法を説明するための図であり、図6に示した第
3の実施形態とは次の点で異なる。
【0035】第3の実施形態の駆動方法では、インク滴
110を吐出させる位置に最も近い第1の個別電極に対
して、記録紙108との間の第1の電位差がインク滴1
10を飛翔させる電位差となるように、第2の電圧V1
を周期T1の間連続して印加する方法をとっていた。
110を吐出させる位置に最も近い第1の個別電極に対
して、記録紙108との間の第1の電位差がインク滴1
10を飛翔させる電位差となるように、第2の電圧V1
を周期T1の間連続して印加する方法をとっていた。
【0036】これに対し、第4の実施形態では図7に示
されるように、インク滴110の飛翔に必要な時間以外
の期間は、インク滴を吐出させる位置に最も近い第1の
個別電極と記録紙108間の第1の電位差がインク滴を
飛翔させない程度の電位差となるように第1の個別電極
への印加電圧をさらに下げて、第3の電圧V0を印加し
ている。なお、図7において第1の個別電極はA,Cの
期間では偶数番目の個別電極202、B,Cの期間では
奇数番目の個別電極201であり、第2の個別電極は
A,Cの期間では奇数番目の個別電極、B,Cの期間で
は偶数番目の個別電極である。
されるように、インク滴110の飛翔に必要な時間以外
の期間は、インク滴を吐出させる位置に最も近い第1の
個別電極と記録紙108間の第1の電位差がインク滴を
飛翔させない程度の電位差となるように第1の個別電極
への印加電圧をさらに下げて、第3の電圧V0を印加し
ている。なお、図7において第1の個別電極はA,Cの
期間では偶数番目の個別電極202、B,Cの期間では
奇数番目の個別電極201であり、第2の個別電極は
A,Cの期間では奇数番目の個別電極、B,Cの期間で
は偶数番目の個別電極である。
【0037】この第4の実施形態の駆動方法によると、
電圧V1を印加する時間の割合が最小限で済むことによ
り、記録パターンに依存する印加電圧の平均値の変動が
少なくなるので、帯電した色剤成分の偏りが起こりにく
く、より濃度むらの少ない画像を記録できるという効果
が得られる。また、電圧V1を印加する時間幅を画像信
号の階調情報に応じて制御する、いわゆるパルス幅変調
制御を行うことにより階調記録ができるという利点もあ
る。
電圧V1を印加する時間の割合が最小限で済むことによ
り、記録パターンに依存する印加電圧の平均値の変動が
少なくなるので、帯電した色剤成分の偏りが起こりにく
く、より濃度むらの少ない画像を記録できるという効果
が得られる。また、電圧V1を印加する時間幅を画像信
号の階調情報に応じて制御する、いわゆるパルス幅変調
制御を行うことにより階調記録ができるという利点もあ
る。
【0038】(第5の実施形態)次に、電極アレイ10
2の駆動方法に関するさらに別の実施形態を説明する。
図8は第5の実施形態における画像記録時の電極アレイ
102の駆動方法を説明するための図であり、図6、図
7に示した第3および第4の実施形態とは次の点で異な
っている。
2の駆動方法に関するさらに別の実施形態を説明する。
図8は第5の実施形態における画像記録時の電極アレイ
102の駆動方法を説明するための図であり、図6、図
7に示した第3および第4の実施形態とは次の点で異な
っている。
【0039】第3および第4の実施形態では、インク滴
110を吐出させる位置に最も近い第1の個別電極に対
して、周期T1の最初から電圧V1を印加して第1の個
別電極と記録紙198間の第1の電位差をインク滴11
0の吐出に必要な電位差V1としていた。
110を吐出させる位置に最も近い第1の個別電極に対
して、周期T1の最初から電圧V1を印加して第1の個
別電極と記録紙198間の第1の電位差をインク滴11
0の吐出に必要な電位差V1としていた。
【0040】これに対し、第5の実施形態では図8に示
されるように、第1の個別電極に対して周期T1の最初
では電圧V0を印加して第1の電位差をインク滴110
を吐出させない程度の電位差(V0)とし、この電位差
を一定期間(遅延時間)与えた後に、すなわちタイミン
グを少しずらせて、第1の個別電極に対して電圧V1を
印加して、第1の電位差をインク滴110を吐出させる
ことが可能な電位差(V1)としている。なお、図8に
おいて第1の個別電極はA,Cの期間では偶数番目の個
別電極202、B,Cの期間では奇数番目の個別電極2
01であり、第2の個別電極はA,Cの期間では奇数番
目の個別電極、B,Cの期間では偶数番目の個別電極で
ある。
されるように、第1の個別電極に対して周期T1の最初
では電圧V0を印加して第1の電位差をインク滴110
を吐出させない程度の電位差(V0)とし、この電位差
を一定期間(遅延時間)与えた後に、すなわちタイミン
グを少しずらせて、第1の個別電極に対して電圧V1を
印加して、第1の電位差をインク滴110を吐出させる
ことが可能な電位差(V1)としている。なお、図8に
おいて第1の個別電極はA,Cの期間では偶数番目の個
別電極202、B,Cの期間では奇数番目の個別電極2
01であり、第2の個別電極はA,Cの期間では奇数番
目の個別電極、B,Cの期間では偶数番目の個別電極で
ある。
【0041】この第5の実施形態のような駆動方法によ
ると、色剤成分が電気泳動で第1の個別電極上に十分凝
集した後の最適なタイミングでインク滴110の吐出・
飛翔を行うことが可能であり、より安定した飛翔特性を
得ることができる。
ると、色剤成分が電気泳動で第1の個別電極上に十分凝
集した後の最適なタイミングでインク滴110の吐出・
飛翔を行うことが可能であり、より安定した飛翔特性を
得ることができる。
【0042】(第6の実施形態)第3〜第5の実施形態
は、いずれも記録紙108との間の電位差がインク滴を
吐出させる第1の電位差に設定される第1の個別電極
と、第1の個別電極の両隣に位置しインク滴を吐出させ
ない第2の電位差に設定される第2の個別電極とが一定
周期T1で交互に位置を交替する例であったが、ここで
説明する第6の実施形態は第1の個別電極の役割と第2
の個別電極の役割を担う電極をそれぞれ個別に設けた例
である。
は、いずれも記録紙108との間の電位差がインク滴を
吐出させる第1の電位差に設定される第1の個別電極
と、第1の個別電極の両隣に位置しインク滴を吐出させ
ない第2の電位差に設定される第2の個別電極とが一定
周期T1で交互に位置を交替する例であったが、ここで
説明する第6の実施形態は第1の個別電極の役割と第2
の個別電極の役割を担う電極をそれぞれ個別に設けた例
である。
【0043】図9は本実施形態に係るインクジェット記
録ヘッドの主要部を示す図であり、ヘッド基板400上
に電極アレイ401が形成され、この電極アレイ401
に対向してヘッド基板400とほぼ平行に板状の共通電
極402が設けられている。ここで、電極アレイ401
を構成する複数の個別電極が第3の実施形態における第
1の個別電極の役割を担い、共通電極402が第3の実
施形態における第2の個別電極の役割を担う構成となっ
ている。そして、電極アレイ401および共通電極40
2には、図示しない駆動回路によって電極アレイ401
のうちのインク滴を吐出させる位置に最も近い第1の個
別電極と記録紙との間の第1の電位差が共通電極402
と記録紙との間の第2の電位差より小さくなるように電
圧が印加される。
録ヘッドの主要部を示す図であり、ヘッド基板400上
に電極アレイ401が形成され、この電極アレイ401
に対向してヘッド基板400とほぼ平行に板状の共通電
極402が設けられている。ここで、電極アレイ401
を構成する複数の個別電極が第3の実施形態における第
1の個別電極の役割を担い、共通電極402が第3の実
施形態における第2の個別電極の役割を担う構成となっ
ている。そして、電極アレイ401および共通電極40
2には、図示しない駆動回路によって電極アレイ401
のうちのインク滴を吐出させる位置に最も近い第1の個
別電極と記録紙との間の第1の電位差が共通電極402
と記録紙との間の第2の電位差より小さくなるように電
圧が印加される。
【0044】図10は、本実施形態における印加電圧パ
ターンを示す図であり、細い実線が電極アレイ401の
個別電極に印加される電圧、太い実線が共通電極402
に否かされる電圧を示している。同図から明らかなよう
に、この駆動方法は基本的に第3の実施形態のそれと同
様であり、また第1の個別電極に相当する電極アレイ4
01の個別電極に対して、記録紙との間の第1の電位差
をインク滴を吐出させない程度の電位差となる一定の期
間(電圧V0を印加する期間)を経て、タイミングを遅
らせてからインク滴を吐出させる電位差となる期間(電
圧V1を印加する期間)に移行させるようにした点は、
第5の実施形態と同様である。
ターンを示す図であり、細い実線が電極アレイ401の
個別電極に印加される電圧、太い実線が共通電極402
に否かされる電圧を示している。同図から明らかなよう
に、この駆動方法は基本的に第3の実施形態のそれと同
様であり、また第1の個別電極に相当する電極アレイ4
01の個別電極に対して、記録紙との間の第1の電位差
をインク滴を吐出させない程度の電位差となる一定の期
間(電圧V0を印加する期間)を経て、タイミングを遅
らせてからインク滴を吐出させる電位差となる期間(電
圧V1を印加する期間)に移行させるようにした点は、
第5の実施形態と同様である。
【0045】(駆動回路の実施形態)次に、図11およ
び図12を参照して上述した駆動方法を実現する駆動回
路の構成例を説明する。図11は、駆動回路全体の構成
を示すブロック図である。この回路は、第3〜第5の実
施形態で説明した駆動方法を実現する駆動回路について
示しているが、他の駆動方法も同様の考えで実現するこ
とが可能である。
び図12を参照して上述した駆動方法を実現する駆動回
路の構成例を説明する。図11は、駆動回路全体の構成
を示すブロック図である。この回路は、第3〜第5の実
施形態で説明した駆動方法を実現する駆動回路について
示しているが、他の駆動方法も同様の考えで実現するこ
とが可能である。
【0046】図11において、駆動回路107の出力端
子OUT1〜OUT5は、電極アレイ102の各個別電
極に接続されている。出力端子OUT1〜OUT5に
は、それぞれ高圧ドライバ21〜25から出力が導き出
されている。なお、図11では出力端子OUT1〜OU
T5の5つしか示していないが、実際には同じタイミン
グで駆動すべき個別電極の数と同数の出力端子を備えて
いる。図11中、高圧ドライバ21〜25以外の部分は
論理制御回路部であり、5V以下の電圧で動作してい
る。
子OUT1〜OUT5は、電極アレイ102の各個別電
極に接続されている。出力端子OUT1〜OUT5に
は、それぞれ高圧ドライバ21〜25から出力が導き出
されている。なお、図11では出力端子OUT1〜OU
T5の5つしか示していないが、実際には同じタイミン
グで駆動すべき個別電極の数と同数の出力端子を備えて
いる。図11中、高圧ドライバ21〜25以外の部分は
論理制御回路部であり、5V以下の電圧で動作してい
る。
【0047】まず、論理制御回路について簡単に説明す
る。高圧ドライバ21〜25は少なくとも3種類の電
圧、つまり、第1の電圧V0、第2の電圧V1および第
3の電圧V2を切り替えて出力する必要があるので、そ
の切り替え制御のために少なくとも2ビットのデータが
必要である。この2ビットのデータは、図11において
入力データDAT1,DAT2で示されており、図示し
ない前段の回路から供給されてくる。これらの入力デー
タDAT1,DAT2は、全く同じ構成の回路を経て高
圧ドライバ21〜25を制御する信号に変換される。
る。高圧ドライバ21〜25は少なくとも3種類の電
圧、つまり、第1の電圧V0、第2の電圧V1および第
3の電圧V2を切り替えて出力する必要があるので、そ
の切り替え制御のために少なくとも2ビットのデータが
必要である。この2ビットのデータは、図11において
入力データDAT1,DAT2で示されており、図示し
ない前段の回路から供給されてくる。これらの入力デー
タDAT1,DAT2は、全く同じ構成の回路を経て高
圧ドライバ21〜25を制御する信号に変換される。
【0048】まず、入力データDAT1に関する動作を
説明する。入力データDAT1は、同じタイミングで駆
動する個別電極の数と同じ数だけ前段の回路からクロッ
ク信号CLK1信号と共に供給され、ラッチ31〜35
を縦続接続して構成されたシフトレジスタ内をクロック
信号CLK1によって転送される。入力データDAT1
が規定の数だけ供給されると、次にラッチ信号LATC
H1が供給され、シフトレジスタを構成するラッチ31
〜35に転送されたデータが次段のラッチ41〜45の
出力端子から出力される。ラッチ41〜45の出力端子
から出力された制御データは、ゲート51〜55によっ
て記録タイミング信号EN1でゲートされた後、高圧ド
ライバ21〜25の一方の入力端子にそれぞれ供給され
る。
説明する。入力データDAT1は、同じタイミングで駆
動する個別電極の数と同じ数だけ前段の回路からクロッ
ク信号CLK1信号と共に供給され、ラッチ31〜35
を縦続接続して構成されたシフトレジスタ内をクロック
信号CLK1によって転送される。入力データDAT1
が規定の数だけ供給されると、次にラッチ信号LATC
H1が供給され、シフトレジスタを構成するラッチ31
〜35に転送されたデータが次段のラッチ41〜45の
出力端子から出力される。ラッチ41〜45の出力端子
から出力された制御データは、ゲート51〜55によっ
て記録タイミング信号EN1でゲートされた後、高圧ド
ライバ21〜25の一方の入力端子にそれぞれ供給され
る。
【0049】入力データDAT2に関する動作も、全く
同様である。すなわち、入力データDAT2は、同じタ
イミングで駆動する個別電極の数と同じ数だけ前段の回
路からCLK2信号と共に供給され、縦続接続されたラ
ッチ61〜65から構成されるシフトレジスタ内をクロ
ック信号CLK2によって転送される。入力データDA
T2が規定の数だけ供給されると、次にラッチ信号LA
TCH2が供給され、シフトレジスタを構成するラッチ
61〜65に転送されたデータが次段のラッチ71〜7
5の出力端子から出力される。ラッチ71〜75の出力
端子から出力された制御データは、ゲート81〜85に
よって記録タイミング信号EN2でゲートされた後、高
圧ドライバ21〜25の他方の入力端子にそれぞれ供給
される。
同様である。すなわち、入力データDAT2は、同じタ
イミングで駆動する個別電極の数と同じ数だけ前段の回
路からCLK2信号と共に供給され、縦続接続されたラ
ッチ61〜65から構成されるシフトレジスタ内をクロ
ック信号CLK2によって転送される。入力データDA
T2が規定の数だけ供給されると、次にラッチ信号LA
TCH2が供給され、シフトレジスタを構成するラッチ
61〜65に転送されたデータが次段のラッチ71〜7
5の出力端子から出力される。ラッチ71〜75の出力
端子から出力された制御データは、ゲート81〜85に
よって記録タイミング信号EN2でゲートされた後、高
圧ドライバ21〜25の他方の入力端子にそれぞれ供給
される。
【0050】図12は、高圧ドライバ21〜25の一つ
を具体的に示した回路図である。この高圧ドライバにつ
いて、簡単に説明する。図11のゲート51〜55より
供給される制御信号CNT1がハイレベルになると、制
御抵抗97を介して第1のトランジスタ(Tr1)91
のベースに電流が流れ、トランジスタ91がオンにな
る。トランジスタ91がオンになると、負荷抵抗93
(抵抗値R1)を介して電源電圧+Vが印加されている
コレクタの電圧が0Vとなり、抵抗95(抵抗値R0)
を介して出力端子OUTに0Vが出力される。第2のト
ランジスタ92(Tr2)のコレクタは、抵抗94(抵
抗値R2)を介してトランジスタ91のコレクタに接続
されているため、トランジスタ91がオンの場合には、
出力端子OUTから出力される電圧はトランジスタ92
のオン/オフに関わらず0Vとなる。トランジスタ92
のベースには、電流制限抵抗98を介して図11のゲー
ト81〜85からの制御信号CNT2が入力されてい
る。
を具体的に示した回路図である。この高圧ドライバにつ
いて、簡単に説明する。図11のゲート51〜55より
供給される制御信号CNT1がハイレベルになると、制
御抵抗97を介して第1のトランジスタ(Tr1)91
のベースに電流が流れ、トランジスタ91がオンにな
る。トランジスタ91がオンになると、負荷抵抗93
(抵抗値R1)を介して電源電圧+Vが印加されている
コレクタの電圧が0Vとなり、抵抗95(抵抗値R0)
を介して出力端子OUTに0Vが出力される。第2のト
ランジスタ92(Tr2)のコレクタは、抵抗94(抵
抗値R2)を介してトランジスタ91のコレクタに接続
されているため、トランジスタ91がオンの場合には、
出力端子OUTから出力される電圧はトランジスタ92
のオン/オフに関わらず0Vとなる。トランジスタ92
のベースには、電流制限抵抗98を介して図11のゲー
ト81〜85からの制御信号CNT2が入力されてい
る。
【0051】トランジスタ91がオフ、トランジスタ9
2がオフの場合には、出力端子OUTにほぼ電源電圧+
Vの値が現れることになる。これは高圧ドライバの出力
端子OUTに接続される負荷が電極アレイ102の個別
電極であり、ほとんど容量性の負荷であることや、放電
防止の役目も果たしている抵抗95の抵抗値R0が負荷
抵抗93の抵抗値R1と比較して非常に大きくなってい
るためである。一方、トランジスタ91がオフで、トラ
ンジスタ92がオンの場合には、出力端子OUTにはほ
ぼV*R2/(R1+R2)の電圧が現れる。表1に、
これらの関係をまとめた。
2がオフの場合には、出力端子OUTにほぼ電源電圧+
Vの値が現れることになる。これは高圧ドライバの出力
端子OUTに接続される負荷が電極アレイ102の個別
電極であり、ほとんど容量性の負荷であることや、放電
防止の役目も果たしている抵抗95の抵抗値R0が負荷
抵抗93の抵抗値R1と比較して非常に大きくなってい
るためである。一方、トランジスタ91がオフで、トラ
ンジスタ92がオンの場合には、出力端子OUTにはほ
ぼV*R2/(R1+R2)の電圧が現れる。表1に、
これらの関係をまとめた。
【0052】
【表1】
【0053】すなわち、この高圧ドライバの出力には第
1の電圧V0として0V、第2の電圧V1としてV*R
2/(R1+R2)、第3の電圧V2として+Vがそれ
ぞれ得られる。具体的な値の一例として、+V=400
V、R1=R2=1MΩ、R0=10MΩとすれば、V
0=0V、V1=200V、V2=400Vが得られ
る。
1の電圧V0として0V、第2の電圧V1としてV*R
2/(R1+R2)、第3の電圧V2として+Vがそれ
ぞれ得られる。具体的な値の一例として、+V=400
V、R1=R2=1MΩ、R0=10MΩとすれば、V
0=0V、V1=200V、V2=400Vが得られ
る。
【0054】実際には、図12に示した高圧ドライバか
ら出力される数100Vの信号電圧に1kV程度の直流
バイアス電圧(Vbとする)が重畳されて電極アレイ1
02の個別電極と記録ドラム109間に印加されること
により、インク滴の飛翔が行われる。直流バイアス電圧
Vbの重畳を行うには、例えば記録ドラム109をアー
ス電位から絶縁し、−1kV程度の直流バイアス電源に
接続してもよいし、記録ドラム109の表面を絶縁体で
構成し、ワイヤチャージャや固体イオン発生器によって
絶縁体の表面、あるいは記録ドラム109上に圧接され
た記録紙を−1kV程度に帯電させてもよい。このよう
にすることで駆動回路の使用電圧も数100Vに抑えら
れるので、IC化も容易となる。駆動回路をIC化する
と、駆動回路をヘッド上に多数並べることが可能となる
ため、小型のインクジェット記録装置を実現することが
できる。
ら出力される数100Vの信号電圧に1kV程度の直流
バイアス電圧(Vbとする)が重畳されて電極アレイ1
02の個別電極と記録ドラム109間に印加されること
により、インク滴の飛翔が行われる。直流バイアス電圧
Vbの重畳を行うには、例えば記録ドラム109をアー
ス電位から絶縁し、−1kV程度の直流バイアス電源に
接続してもよいし、記録ドラム109の表面を絶縁体で
構成し、ワイヤチャージャや固体イオン発生器によって
絶縁体の表面、あるいは記録ドラム109上に圧接され
た記録紙を−1kV程度に帯電させてもよい。このよう
にすることで駆動回路の使用電圧も数100Vに抑えら
れるので、IC化も容易となる。駆動回路をIC化する
と、駆動回路をヘッド上に多数並べることが可能となる
ため、小型のインクジェット記録装置を実現することが
できる。
【0055】図11に示した構成の駆動回路107によ
れば、入力データDAT1,DAT1の組み合わせによ
って、電極アレイ102の各個別電極にV0,V1,V
2の3種類の電圧を任意に印加することが可能であり、
これによって例えば第3〜第5の実施形態で説明したよ
うな駆動方法を容易に実現することができる。
れば、入力データDAT1,DAT1の組み合わせによ
って、電極アレイ102の各個別電極にV0,V1,V
2の3種類の電圧を任意に印加することが可能であり、
これによって例えば第3〜第5の実施形態で説明したよ
うな駆動方法を容易に実現することができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればイ
ンク中の所定極性に帯電した色剤成分を静電力で凝集さ
せ、かつ所望の電極近傍から吐出させ記録媒体上に飛翔
させて記録を行うインクジェット記録装置において、帯
電した色剤成分がインク滴の飛翔位置から散逸すること
を防止して濃度むらのない安定した記録を行うことがで
きる。
ンク中の所定極性に帯電した色剤成分を静電力で凝集さ
せ、かつ所望の電極近傍から吐出させ記録媒体上に飛翔
させて記録を行うインクジェット記録装置において、帯
電した色剤成分がインク滴の飛翔位置から散逸すること
を防止して濃度むらのない安定した記録を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録
装置の構成を示す図
装置の構成を示す図
【図2】第1の実施形態に係る駆動方法を説明するため
の電極アレイの印加電圧パターンを示す図
の電極アレイの印加電圧パターンを示す図
【図3】第2の実施形態に係る駆動方法を説明するため
の電極アレイの印加電圧パターンを示す図
の電極アレイの印加電圧パターンを示す図
【図4】第2の実施形態に係る駆動方法を説明するため
の電極アレイの印加電圧のタイミングチャート
の電極アレイの印加電圧のタイミングチャート
【図5】第3の実施形態に係る駆動方法を説明するため
のオールマーク記録時の電極アレイの印加電圧のタイミ
ングチャート
のオールマーク記録時の電極アレイの印加電圧のタイミ
ングチャート
【図6】第3の実施形態に係る駆動方法を説明するため
の実際の画像記録時の電極アレイの印加電圧のタイミン
グチャート
の実際の画像記録時の電極アレイの印加電圧のタイミン
グチャート
【図7】第4の実施形態に係る駆動方法を説明するため
の実際の画像記録時の電極アレイの印加電圧のタイミン
グチャート
の実際の画像記録時の電極アレイの印加電圧のタイミン
グチャート
【図8】第5の実施形態に係る駆動方法を説明するため
の実際の画像記録時の電極アレイの印加電圧のタイミン
グチャート
の実際の画像記録時の電極アレイの印加電圧のタイミン
グチャート
【図9】第6の実施形態におけるインクジェット記録ヘ
ッドの要部の構成を示す図
ッドの要部の構成を示す図
【図10】第6の実施形態に係る駆動方法を説明するた
めの電極アレイの印加電圧パターンを示す図
めの電極アレイの印加電圧パターンを示す図
【図11】図1における駆動回路の具体的な構成例を示
すブロック図
すブロック図
【図12】図11における高圧ドライバの具体的な構成
例を示す回路図
例を示す回路図
100…インクジェット記録ヘッド
101…ヘッド基板
102…電極アレイ
103…上蓋
104…インク流路
105…インク還流機構
106…インク
107…駆動回路
108…記録紙
109…記録ドラム
110…インク滴
201,301…第1の個別電極
202,302…第2の個別電極
400…ヘッド基板
401…アレイ電極
402…共通電極
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 永戸 一志
神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地
株式会社東芝研究開発センター内
(72)発明者 中尾 英之
神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地
株式会社東芝研究開発センター内
(72)発明者 石井 浩一
神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地
株式会社東芝研究開発センター内
(56)参考文献 特開 平9−156106(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B41J 2/06
Claims (4)
- 【請求項1】溶媒中に所定極性に帯電した色剤を分散さ
せたインクをヘッド基板上に供給し、このインク中の色
剤成分に静電力を作用させて少なくとも色剤成分を含む
インク滴を記録媒体に向けて飛翔させることにより記録
を行うインクジェット記録装置において、 前記ヘッド基板上に設けられた、複数の電極を配列して
なる電極アレイと、 この電極アレイに対して、画像信号に応じてインク滴を
吐出させる位置に最も近い第1の電極と記録媒体間の第
1の電位差が第1の電極に隣接した二つの第2の電極と
記録媒体間の第2の電位差より小さくなるように電圧を
印加するとともに、この電圧印加動作を第1および第2
の電極の位置を所定周期で交互に交替させて行う電圧印
加手段とを備えたことを特徴とするインクジェット記録
装置。 - 【請求項2】溶媒中に所定極性に帯電した色剤を分散さ
せたインクをヘッド基板上に供給し、このインク中の色
剤成分に静電力を作用させて少なくとも色剤成分を含む
インク滴を記録媒体に向けて飛翔させることにより記録
を行うインクジェット記録装置において、 前記ヘッド基板上に設けられた、複数の電極を配列して
なる電極アレイと、 この電極アレイに対向して前記ヘッド基板とほぼ平行に
設けられた板状の共通電極と、 前記電極アレイおよび共通電極に対して、前記電極アレ
イのうちの画像信号に応じてインク滴を吐出させる位置
に最も近い第1の電極と記録媒体間の第1の電位差が前
記共通電極と記録媒体間の第2の電位差より小さくなる
ように電圧を印加する電圧印加手段とを備えたことを特
徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項3】前記電圧印加手段は、インク滴の飛翔に必
要な時間以外は前記第1の電位差がインク滴を飛翔させ
ない電位差となるように前記電極アレイに対して電圧を
印加することを特徴とする請求項1または2に記載のイ
ンクジェット記録装置。 - 【請求項4】前記電圧印加手段は、前記第1の電位差が
インク滴を飛翔させない電位差となる期間を経てインク
滴を飛翔させる電位差となるように前記電極アレイに対
して電圧を印加することを特徴とする請求項1または2
に記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1414296A JP3480775B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | インクジェット記録装置 |
US08/774,072 US6123415A (en) | 1995-12-21 | 1996-12-23 | Ink jet recording apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1414296A JP3480775B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | インクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09201973A JPH09201973A (ja) | 1997-08-05 |
JP3480775B2 true JP3480775B2 (ja) | 2003-12-22 |
Family
ID=11852908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1414296A Expired - Fee Related JP3480775B2 (ja) | 1995-12-21 | 1996-01-30 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3480775B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6557981B1 (en) * | 2000-07-12 | 2003-05-06 | Hitachi, Ltd. | Ink jet recorder |
JP2002067331A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-03-05 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP4113665B2 (ja) * | 2000-08-31 | 2008-07-09 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
EP2394818A1 (en) * | 2010-06-11 | 2011-12-14 | Tonejet Limited | Printhead control |
-
1996
- 1996-01-30 JP JP1414296A patent/JP3480775B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09201973A (ja) | 1997-08-05 |
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