JP3264637B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶媒中に色剤を分
散させた液状インクをインク滴として飛翔させて記録を
行なうインクジェット記録装置に係り、特に記録ヘッド
に設けた個別電極により静電力を発生させてインク滴を
吐出させるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液状インクをインク滴と呼ばれる微少な
液滴として記録媒体上に飛翔させて記録ドット(画点)
を形成することにより画像を記録する記録装置は、イン
クジェットプリンタとして実用化されている。このイン
クジェットプリンタは、ワイヤドットプリンタのような
機械式記録装置と比べて騒音が少なく、また、カールソ
ン法等の電子写真式記録装置等と比べて現像や定着など
の処理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技術
として注目されている。
【0003】このインクジェットプリンタは、現在まで
に種々のものが提案されているが、その代表的な方式と
しては、(a) 発熱体の熱により発生する蒸気の圧力によ
りインク滴を吐出・飛翔させる電気・熱変換方式(例え
ば、特公昭56−9429号公報、特公昭61-59911号公報等参
照)や、(b) 圧電素子により発生された機械的な圧力パ
ルスによりインク滴を飛翔させる圧電方式(特公昭53-1
2138号公報参照)等がある。
【0004】インクジェットプリンタに使用される記録
ヘッドは、キャリッジに搭載されて記録紙の搬送方向
(以下、副走査方向という。)に対し直交する方向(以
下、主走査方向という。)に移動しながら記録を行なう
シリアル走査型ヘッドが実用化されている。このシリア
ル走査型ヘッドは、主走査方向に必ず所定量だけ移動し
なければ記録を行なえないので、記録速度を高速にする
ことには困難がある。そこで、記録ヘッドの長さを記録
紙の幅と略々同一に設定した長尺ヘッドを用いて記録速
度を高速化したライン走査型プリンタも考えられている
が、このようなライン走査型ヘッドを実現することは、
以下の理由により容易なことではない。
【0005】インクジェット記録方式は、解像度に対応
する個別の細かいノズルが多数設けられているが、本質
的に溶媒の蒸発や揮発によって局部的なインクの濃縮が
生じ易く、これが前記ノズルの目詰まりの原因となって
いる。さらに、インクジェットの形成に蒸気の圧力を用
いる方式においては、インクと熱的あるいは化学的に反
応して形成された不溶物質の付着がノズルの目詰まりを
誘起し、また、圧電素子による圧力を用いる方式におい
ては、インク流路等の複雑な構造がノズルの目詰まりを
更に誘起し易くしている。数十個から百数十個程度のノ
ズルを用いているシリアル走査型ヘッドでさえもノズル
の目詰まりが発生する可能性があるが、数千個にも上る
多数のノズルを用いるライン走査型ヘッドにおいては、
更に高い発生頻度でノズルが目詰まりすることが確率的
に証明されており、実用上の信頼性を欠くという問題を
有していた。
【0006】さらに、蒸気の圧力を用いる方式において
は、記録紙上で直径50数μm程度の記録ドットに相当
する直径20μm程度の粒径のインク粒を生成するのが
難しいために、解像度の高いヘッドを製造することが困
難である。また、圧電素子による圧力を用いる方式にお
いては、記録ヘッドの構造が複雑であるために、加工技
術上の問題からやはり解像度の高いヘッドを製造するこ
とが困難である。このため、従来のインクジェット記録
装置においては、何れの方式のものであっても解像度の
向上を図ることが困難であるという問題を有していた。
【0007】これらの問題を解決するために、基板上に
薄膜により形成された複数の個別電極を配列して形成さ
れた電極アレイに電圧を印加し、静電力を用いてインク
液面からインクまたはその中の色剤成分をインク滴とし
て飛翔させるインクジェット記録方式が提案されてい
る。
【0008】具体的には、静電的引力を用いてインク滴
を飛翔させる方式(特開昭49-62024号公報、特開昭56−
4467号公報等参照)や、帯電した色剤成分を含むインク
を用い色剤の濃度を高めてインク滴を飛翔させる方式
(特表平7-502218号公報参照)等が提案されている。こ
れらの方式においては、記録ヘッドの構成が個別のドッ
ト毎のノズルを必要としないスリット状ノズル構造か、
あるいは個別のドット毎のインク流路の隔壁を必要とし
ないノズルレス構造であるために、ライン走査型記録ヘ
ッドを実現する上で大きな障害であったインクの目詰ま
りの防止と復旧に対して有効である。また、後者の色剤
濃度を高める方式においては、非常に小さい粒径のイン
ク滴を安定的に生成し飛翔させることができるので、高
解像度化にも適したものとなる。
【0009】しかし、上述した静電力で色剤成分をイン
ク滴として飛翔させる方式のインクジェット記録装置で
は、記録ヘッドがノズルレスであることから、目詰まり
防止に有効である反面、記録ヘッドの基板上でインクが
主走査方向に対して自由に移動できるためにインク滴の
吐出位置が不安定となるという問題があった。また、色
剤の帯電極性と同極性の電圧でインク滴を吐出させ記録
媒体に飛翔させることから、記録ヘッド上の電極位置か
ら色剤成分が反発して逃げてしまい、色剤成分をインク
滴の吐出位置に安定に供給できないという問題点も有し
ていた。したがって、インク滴を所定の吐出点から安定
に十分な量だけ吐出させて飛翔させることが難しく、文
字や画像を記録媒体上に良好に記録できなかった。
【0010】そこで、本願の発明者らは、このような問
題に対して図8に示すようなインクジェット記録装置を
提案している。図8はヘッドの正面から見た断面図であ
る。インクタンク30の上には、個別に電圧を印加でき
る制御電極10の中央にインク吐出孔13の穿設された
絶縁基板11を置き、更にこのインク吐出孔13の中央
に小さな突起状のインクガイド12を、インク吐出方向
に向けて立たせた構造の記録ヘッドを提案している。イ
ンクガイド12は絶縁性の樹脂から構成され、制御電極
10に形成されたインク吐出孔13と同じピッチで、一
列に連続する状態で形成されている。
【0011】このような構造のヘッドにおいて、インク
を吐出させたい制御電極10に記録用の信号電圧を印加
すると、インクガイド12を上っていたインクが、制御
電極10と対向電極20の間の電界により発生させられ
る静電力により飛び出して、記録媒体21上に画像を形
成することができる。インクガイド12がインク吐出孔
13より突出していることにより、インク吐出点が安定
するので、綺麗な安定した画像を記録できる。
【0012】また、インクは毛管力によりインクガイド
12に沿って上昇するので、吐出点までインクを安定し
て供給できる。このような構成に特徴的なことは、記録
ヘッドの高解像度化が容易に実現可能になったことであ
る。この高解像度化は、このような構造は平面上に多数
展開できるため、制御電極10を千鳥配置にしたり、2
列または複数列並列配置にすることなどにより可能とな
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェット記録装置においては、制御電極
10を絶縁基板11の一面側に設けているために、イン
ク吐出孔13を高密度で穿設できたとしても、制御電極
10同士が短絡しないように、一定の長さを離間させる
必要があった。
【0014】また、制御電極10の幅を狭く形成するよ
うにして、隣接する2個のインク吐出孔3の間隔を最小
の長さとすることができたとしても、電源より制御電極
10まで電圧を供給するための導線を制御電極10毎に
設けなくてはならない。したがって、限られた領域内に
多数の制御電極10を高密度に配列する場合、制御電極
10に至るまでの導線を通すためにかなりの面積を必要
とし、この導線用の面積を確保することが難しいために
制御電極10の高密度化が困難であるという問題もあっ
た。
【0015】前記引出し用の導線の密度等の問題から、
実用的な制御電極の密度は1列中で1mmの長さに2電
極を形成するのが限界であり、実施化の際の実用的限界
からも制御電極を高密度化することは困難であった。こ
のように、絶縁性基板にインク吐出孔13を穿設し、こ
の穴13から突出するインクガイド12を設ける上記従
来のインクジェット記録装置でも、電極の高密度化の限
界から記録装置の高解像度化を図るのが困難であるとい
う問題があった。
【0016】本発明は制御電極の設置個所に工夫を凝ら
すことによりインク吐出孔の配列密度を飛躍的に高密度
化して、解像度が飛躍的に高くなったインクジェット記
録装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係るインクジェット記録装置は、溶媒中
に色剤成分を分散させたインクに静電力を作用させるこ
とにより少なくとも前記色剤成分を含むインク滴を記録
媒体に向けて飛翔させて記録媒体上に記録を行なうもの
において、複数のインク吐出孔が穿設された絶縁基板
と、前記複数のインク吐出孔における隣接する2個のう
ちの一方のインク吐出孔の周縁で、かつ、前記絶縁基板
における前記記録媒体側の面に設けられた第1の制御電
極と、前記複数のインク吐出孔における隣接する2個の
うちの他方のインク吐出孔の周縁で、かつ、前記絶縁基
板における前記記録媒体とは反対側の面に設けられた第
2の制御電極と、を備えることを特徴としている。
【0018】また、請求項2に係るインクジェット記録
装置は、請求項1に記載のものにおいて、前記複数のイ
ンク吐出孔には、前記記録媒体側に突出すると共にその
先端で前記インク滴が形成されるインクガイドが設けら
れていることを特徴としている。
【0019】また、請求項3に係るインクジェット記録
装置は、請求項1に記載のものにおいて、前記複数のイ
ンク吐出孔が、隣接するインク吐出孔が互い違いに位置
ずれして設けられ、前記第1の制御電極と前記第2の制
御電極とはそれぞれ同一列のインク吐出孔に設けられて
いることを特徴としている。
【0020】また、請求項4に係るインクジェット記録
装置は、請求項1に記載のものにおいて、前記複数のイ
ンク吐出孔が、複数列にわたって形成され、同一列の隣
接する2個のインク吐出孔の一方には前記第1の制御電
極が設けられ、他方には前記第2の制御電極が設けられ
ていることを特徴としている。
【0021】また、請求項5に係るインクジェット記録
装置は、請求項1に記載のものにおいて、前記第1およ
び第2の制御電極に対して電圧を印加するための電圧供
給手段を備えると共に、前記第2の制御電極に印加され
る電圧は前記第1の制御電圧に印加される電圧よりも相
対的に高い、または相対的に印加タイミングが早いこと
を特徴としている。
【0022】本発明は以上のように構成されており、具
体的には制御基板上に設けられた制御電極とこの制御電
極に電圧を供給するための引出し用の導線を、基板の両
面に振り分けることにより片面の電極および導線密度を
少なくしている。このように電極を制御基板の両面に配
置したことで、従来の2倍の量の制御電極を形成するこ
とが可能となり、高解像度記録に対応できる記録ヘッド
を提供することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るインクジェッ
ト記録装置の好適な実施形態について添付図面を参照し
ながら詳細に説明する。
【0024】まず、本発明の第1実施形態に係るインク
ジェット記録装置を図1を用いて説明する。図1は、図
8に示されたインクジェット記録装置と略同様な構成を
有する第1実施形態に係るインクジェット記録装置の主
要部を示すものであり、図8と同様に正面から見た断面
図である。図1において、図8と同一符号を付したもの
は、従来のインクジェット記録装置と同一または相当す
る構成要素を示している。
【0025】図1に示す第1実施形態に係るインクジェ
ット記録装置は、絶縁性の制御基板11の両面に制御電
極101および102が形成されており、制御基板11
と制御電極101,102にはインクが通過できるよう
に貫通するインク吐出孔13が形成されている。このイ
ンク吐出孔13には、突起のあるインクガイド12がイ
ンクタンク30側から記録媒体21側へとインクの吐出
されてゆく方向に飛び出している。制御電極101,1
02には、バイアス電圧源Vbからバイアス電圧Vbが
常に印加されており、記録画像に対応して信号電圧源V
aから信号電圧Vaが重畳されるようになっている。イ
ンクタンク30内の液体インクは、バイアス電圧Vbが
印加された状態で、インクガイド12の表面を薄く濡ら
してインクガイド12を這い上がっており、信号電圧V
aが印加されるとインクガイド12の先端から、対向し
て配置された対向電極20上に載置された記録媒体21
に向かってインク滴14を飛翔させて、記録媒体21上
に画点を形成することになる。
【0026】本発明の特徴は、図1に示すように、制御
基板11の両面に制御電極101,102を振り分けた
ことである。すなわち、第1の制御電極101は、イン
ク吐出孔13の周縁で絶縁基板11の記録媒体21側の
平面に設けられ、第2の制御電極102は、インク吐出
孔13の周縁で絶縁基板11のインクタンク30側の平
面に設けられている。このように絶縁基板11が有する
2つの平面の両側を効率よく利用することにより、図2
に示すように、環状の制御電極本体とこの本体に電圧を
供給するための引き出し用の導線とを含めた制御電極1
01,102を絶縁基板11の両面に分配し、従来より
高密度なインク吐出孔13を形成することができる。
【0027】なお、図1および図2では、図示を明瞭に
するために制御電極101,102が重複し合うことの
ないように表示しているが、実際には図3に示すよう
に、インク吐出孔13を穿設した際の絶縁基板11の強
度を損なわない程度にインク吐出孔13が近接して、制
御電極101、102が基板の両面で重複していてもか
まわない。むしろこのように重複部分があるくらいの方
が絶縁基板11の面利用効率は大幅に向上し、基板の両
面を無駄なく利用するという本発明の趣旨を貫くことが
できる。
【0028】以上のように、基板上にパターニングでき
る電極の幅には限度があり、また、電極同士の間隔が狭
くなると放電が起こる可能性も出てくる。図1に示すよ
うな記録ヘッドを提供することにより、従来よりインク
吐出孔13のピッチを大幅に狭くしたヘッドの製作が可
能となる。また、上記のように制御電極101,102
の導線部の面積も両面に振り分けることにより幅換算で
約半分になるので、面積の大幅な節約にもなる。図2に
図1に示したヘッドの斜視図を表す。両面に形成するこ
とにより同一面に形成すれば接触するくらいの間隔で
の、電極の形成が可能となる。
【0029】図4ないし図6は、本発明に係るインクジ
ェット記録装置における制御電極の幾つかの応用例を示
している。図4は、制御電極101,102を千鳥状に
配置したものである。例えば、絶縁基板11の表裏に交
互に配置することにより、インク吐出孔13のピッチを
狭めることができ、高解像度に対応可能な記録ヘッドを
構成することができる。
【0030】さらに、制御電極101,102のより一
層の高密度化を図るためには、図5に示すように、導線
部分を両側に導出するような状態で対向させて2列に並
べることも可能である。この第2の応用例においては、
各列毎に制御電極101,102を絶縁基板11の記録
媒体側とインクタンク側のそれぞれの面に交互に設けて
いる。
【0031】次に、更に効力を発揮するのが、図6に示
すように、複数の電極を並列に並べた場合である。この
時は、主走査方向に対して傾けた電極を副走査方向に平
行に並べるため、ヘッドの高解像度化に引出し線密度が
影響を及ぼす。例えば制御基板の表裏に交互に電極を形
成することにすると、現在までの2倍近い密度で電極を
並べることが可能となる。
【0032】上述した第1実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置は、制御基板11の両面に設けられた制御電
極に印加されるバイアス電圧および信号電圧のそれぞれ
の電圧値については、特に限定を加えていないが、制御
基板の記録媒体側とインクタンク側とではインク滴を飛
翔させるのに必要なエネルギー量が異なるので、制御基
板のそれぞれの面に設けられた制御電極に印加する電圧
値をそれぞれ異ならせるようにしてもよい。図7は、そ
の一例を示す第2実施形態に係るインクジェット記録装
置に供給される電圧波形をそれぞれ示すものである。
【0033】図7に従って、記録媒体側101、インク
タンク側102の各々の制御電極に印加する電圧の例を
説明する。記録媒体側の面に設けられた制御電極に印加
されている信号を基本の波形とすると、インクタンク側
に印加する電圧は、(A)や(B)に示される波形のよ
うに、信号電圧の印加タイミングを早めたり、遅れさせ
たりしてもよい。記録媒体側に設けられた制御電極より
もインクタンク側に設けられた制御電極の方が飛翔点か
ら遠いので(A)の波形のように印加タイミングを少し
早めてやると、インク滴の飛翔タイミングを略一致させ
ることが可能となる。また、波形(B)のように印加タ
イミングを記録媒体側の制御電極の印加タイミングの丁
度中間程度としてやることにより、インク滴の飛翔タイ
ミングは、隣接するインク吐出孔でずれることになり、
互いの電気的干渉を防止することができる。
【0034】また、波形(C)や(D)のように信号電
圧やバイアス電圧の値を変えるようにしてもよい。波形
(C)の場合、バイアス電圧Vbは記録媒体側の制御電
極に印加されるバイアス電圧Vbと同じ値であるが、イ
ンクタンク側の制御電極に印加される信号電圧Va’の
値が記録媒体側の制御電極に印加される信号電圧Vaの
値よりも大きくなるように設定されている。また、波形
(D)の場合、信号電圧Vaの値は両制御電極101,
102で同じ値に設定しておいて、インクタンク側の制
御電極のバイアス電圧Vb’を記録媒体側の制御電極に
印加されるバイアス電圧Vbよりも高めに設定するよう
にしている。このようにしてインク滴の飛翔点から距離
が遠くなる分を印加される電圧の値に差異を設けて補償
するようにしている。
【0035】なお、この第2実施形態においては、波形
(E)のように上記(A)〜(D)の波形を組み合わせ
るようにしてもよい。これは、インクタンク側の電極1
02はインク吐出点に対し、記録媒体側の電極101よ
り制御電極の厚さ分だけ離れているためである。タイミ
ングや印加電圧の変化量は、制御基板の材質や厚さなど
の要因により決定される。
【0036】なお、図1,図2の第1,第2実施形態に
係るインクジェット記録装置においては、制御電極にバ
イアス電圧Vbと信号電圧Vaを重畳させて印加する例
をそれぞれ示しているが、本発明はこれにも限定され
ず、逆バイアス電圧−Vbを対向電極20に印加し、制
御電極に信号電圧Vaを印加するだけでも同じ効果があ
る。逆バイアス電圧−Vbを印加する方法としては、記
録紙の裏側に−Vbの電圧を印加した電極を設けるか、
記録紙の裏に帯電器で−Vbに帯電された絶縁体を設け
るなどの構成により実現できる。
【0037】またインクタンク30の中には、インクだ
けが存在するように図示されているが、インクタンクの
中は繊維や多孔体などの補助部材が充填されていても構
わない。インクだけの場合には、インク面を常に一定の
レベルに維持するための機構が必要となるが、多孔体や
繊維が中に入っている場合には、毛管力によってインク
が使われた分だけ供給されるために、液面の維持機構が
無くてもインク吐出の状態を常に一定に維持できる。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
インクジェット記録装置によれば、インク吐出に必要な
静電力を与える個別電極を、制御基板の両面に振り分け
ることにより、インク吐出孔の配列密度をより高密度化
できると共に、制御電極に信号電圧を印加するための導
線の面積を片面については約半減でき、この点でも高密
度の記録ヘッドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェット記
録装置の記録ヘッド部分を示す断面図。
【図2】第1実施形態のインクジェット記録装置の記録
ヘッドを示す部分斜視図。
【図3】第1実施形態におけるインク吐出孔を示す部分
拡大平面図。
【図4】第1実施形態の変形例としての千鳥配置の制御
電極を示す平面図。
【図5】第1実施形態の他の変形例としての対向2列配
置の制御電極を示す平面図。
【図6】第1実施形態の更に他の変形例としての複数列
・複数行配列の制御電極を示す平面図。
【図7】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記
録装置における制御電極に印加されるバイアスおよび記
録信号の電圧波形を示す特性図。
【図8】従来のインクジェット記録装置の記録ヘッド部
分を示す断面図。
【符号の説明】
10 制御電極 11 絶縁制御基板 12 インクガイド 13 貫通孔 14 インク滴 20 対向電極 21 記録媒体 30 インクタンク 31 インク還流機構 32 インク供給路 101 記録媒体側制御電極 102 インクタンク側制御電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平 原 修 三 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 中 尾 英 之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 石 井 浩 一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 村 上 照 夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 昭54−51839(JP,A) 特開 平10−157163(JP,A) 特開 平10−119289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/06 - 2/065 B41J 2/385

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒中に色剤成分を分散させたインクに静
    電力を作用させることにより少なくとも前記色剤成分を
    含むインク滴を記録媒体に向けて飛翔させて記録媒体上
    に記録を行なうインクジェット記録装置において、 複数のインク吐出孔が穿設された絶縁基板と、 前記複数のインク吐出孔における隣接する2個のうちの
    一方のインク吐出孔の周縁で、かつ、前記絶縁基板にお
    ける前記記録媒体側の面に設けられた第1の制御電極
    と、 前記複数のインク吐出孔における隣接する2個のうちの
    他方のインク吐出孔の周縁で、かつ、前記絶縁基板にお
    ける前記記録媒体とは反対側の面に設けられた第2の制
    御電極と、 を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記複数のインク吐出孔には、前記記録媒
    体側に突出すると共にその先端で前記インク滴が形成さ
    れるインクガイドが設けられていることを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記複数のインク吐出孔は、隣接するイン
    ク吐出孔が互い違いに位置ずれして設けられ、前記第1
    の制御電極と前記第2の制御電極とはそれぞれ同一列の
    インク吐出孔に設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】前記複数のインク吐出孔は、複数列にわた
    って形成され、同一列の隣接する2個のインク吐出孔の
    一方には前記第1の制御電極が設けられ、他方には前記
    第2の制御電極が設けられていることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】前記第1および第2の制御電極に対して電
    圧を印加するための電圧供給手段を備えると共に、前記
    第2の制御電極に印加される電圧は前記第1の制御電圧
    に印加される電圧よりも相対的に高いことを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェット記録装置。
JP19979097A 1997-07-25 1997-07-25 インクジェット記録装置 Expired - Fee Related JP3264637B2 (ja)

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