JP3288279B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3288279B2
JP3288279B2 JP25097497A JP25097497A JP3288279B2 JP 3288279 B2 JP3288279 B2 JP 3288279B2 JP 25097497 A JP25097497 A JP 25097497A JP 25097497 A JP25097497 A JP 25097497A JP 3288279 B2 JP3288279 B2 JP 3288279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に係り、特に静電力でインク粒子を形成した記録媒
体上に飛翔させて記録を行なうインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】液体インクを小さなインク粒子として記
録媒体上に飛翔させて記録を行なうインクジェット記録
方式は、他の電子写真方式などと比べて現像や定着など
のプロセスが不要であり、低消費電力で、かつ騒音の少
ない普通紙記録技術として注目されている。従来から、
多数のインクジェット記録方式に関する考案がなされて
おり、代表的なものとして(a)圧電体の機械的圧力パ
ルスでインク粒子を形成し飛翔させる圧力パルス方式
(特公昭53−12138など)、(b)発熱体の熱で
液体インクを突沸させ蒸気圧でインク粒子を形成し飛翔
させるバブルジェット方式(特公昭56−9429、特
公昭61−59911など)がある。
【0003】一方、(c)静電力で液体インクを飛翔さ
せる方式として、共通のスリット状ノズル内に設けられ
た多数の電極に電圧を印加し、各電極から個別にインク
粒子を飛翔させる静電吸引インクジェット方式(特開昭
49−62024など)、静電力で液体インク中の帯電
色剤を凝集させ高濃度インクを飛翔させる方式(WO0
93/11866:PCT/AU92/00665な
ど)がある。
【0004】これらのうち、機械的圧力を用いて飛翔さ
せる(a)(b)の方式は、直径20μm程度のインク
粒子が飛翔時に形成されるため、記録紙上では50数μ
m程度に拡大した画点となり、微細画点を形成すること
はできず、従って高解像度の記録には適さない。また、
(a)の圧電体を使う方式はヘッド構造および液体イン
ク流路などの複雑な加工技術の必要性から、高密度にノ
ズルを配列することができず、この点からも高解像度の
記録は難しい。また、(b)のバブルジェット方式は、
熱的あるいは化学的に液体インク中の色剤が発熱素子と
反応し、不溶性物質が付着するため、長期使用時の安定
性に欠ける。
【0005】さらに、これら圧電方式およびバブルジェ
ット方式は、ノズル先端で溶媒蒸発や揮発による局所的
インク凝縮による目詰まりが生じることから、インク粒
子を吐出させるノズルを複数個有するマルチヘッドを実
現しようとする場合、ノズル数は信頼性の点で実用的に
は数十から百数十以下に制限される。例えば、記録紙と
同サイズで記録速度の早い数千のノズルを有するライン
走査型ヘッドを実現しようとすると、目詰まりの頻度が
高くなり、信頼性の点で大いに問題がある。また、ヘッ
ド製造技術の均一性と安定性がインク粒子の大きさを決
定するため、製造技術が直接画質に影響を与えることも
欠点である。
【0006】一方、(c)の中でも特に静電吸引インク
ジェット方式は、各画点に対応して個別のノズルを設け
ず、共通のスリット状ノズルから微細粒子のインクを飛
翔できるため、目詰まりが生じにくい。このメリットを
利用して、スリット状ノズル内に多数の電極を設けてマ
ルチヘッド化した静電吸引方式のマルチインクジェット
ヘッドが提案されている。この静電吸引インクジェット
方式を図18のヘッド模式図を用いて説明する。
【0007】図18に示すように、2枚の絶縁層1の間
にスリット2を設け、毛細管現象によってスリット2の
先端3に外部のインク供給タンク4から油性の導電性イ
ンクを搬送する。スリット2内には複数の電極5が設け
られており、これらの各電極5にバイアス電圧6および
画像信号に応じた信号電圧7を印加すると、各電極5か
ら画像信号に応じてインク粒子8が飛翔し、記録紙上に
画像が形成される。
【0008】この静電吸引インクジェット方式は、スリ
ット幅より小さな微細インク粒径を飛翔できるため、ス
リット先端の目詰まりを防止でき、かつ高解像度のイン
ク粒子形成が可能である。
【0009】しかし、この方式は(1)隣接する電極5
間での静電界の相互干渉と、共通インク面による表面圧
力の相互干渉が生じるため、数ドット単位で駆動する必
要がある。後者のインク表面圧力の相互干渉は500μ
m程度に及ぶため、電極5を高密度に配列しても実質的
な解像度は減少してしまう。
【0010】また、(2)この静電吸引インクジェット
方式は導電性インクを使用する必要があるが、スリット
2内の電極5間の導通を防止するために使用可能なイン
ク導電度に制限があり、使用できるインクが導電性物質
を混入した油性インクに限定されてしまう。
【0011】さらに、(3)インク粒子を飛翔させる電
界はスリット2の先端形状および電極5の形状の影響を
大きく受けるため、画質の均一性にはスリット2の先端
形状と電極5の形状を高精度に加工することが要求さ
れ、インクジェットヘッドが高価格となるという問題が
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、スリ
ット状のノズルを使用する従来の静電吸引インクジェッ
ト方式は、スリット状ノズルの径よりはるかに小さな微
小粒径のインク粒子を飛翔させることができ、マルチヘ
ッド化することによって高精細の高密度記録を実現でき
る可能性がある。
【0013】しかし、この方式ではインク粒子を飛翔さ
せる電界がスリットの先端形状や電極の形状の影響を大
きく受けるため、安定にインク粒子を飛翔させることが
難しく、電界で決まるインク粒子の大きさを各電極毎に
均一にすることは製造技術上から困難であるため、数千
ドットを有するラインヘッドで均一な画像を記録するこ
とは難しいという欠点がある。
【0014】また、この方式でマルチヘッド化すると、
隣接電極間での静電界の相互干渉とインク表面圧力の相
互干渉が生じるため、電極をいかに高密度に配列しても
実質的な解像度は減少してしまうという問題がある。
【0015】さらに、電極間の絶縁性を確保するため使
用インクに制限があり、導電性でありながら比較的高抵
抗を取り得る油性インクに使用できるインクが限定され
ることも問題であった。
【0016】本発明の目的は、インク粒子を飛翔させる
電界が電極などの形状の影響を受けることがなく、安定
したインク粒子の飛翔が得られるインクジェット記録装
置を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、マルチヘッド化した
場合に隣接電極間の静電界の相互干渉やインク表面圧力
の相互干渉がなく、高解像度の記録が可能であって、ま
た使用インクの自由度が高いインクジェット記録装置を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の構成に係るインクジェット記録装
置は、インクに電気力を作用させて記録媒体上にインク
粒子を飛翔させることにより記録を行なうインクジェッ
ト記録装置において、前記記録媒体に対向して設けら
れ、絶縁性支持基板の両面に第1および第2の制御電極
を有し、かつ第1および第2の制御電極と絶縁性支持基
板を貫通して設けられた少なくとも1つの貫通孔を有す
る制御基板と、前記制御基板の前記貫通孔内にインクを
供給すると共に前記第2の制御電極に接触するように配
置された多孔質体を有するインク供給手段と、前記第1
の制御電極と前記第2の制御電極との間に画像信号に応
じた信号電圧を印加する信号電圧印加手段とを備えるこ
とを特徴としている。
【0019】上記目的を達成するために、本発明の第2
の構成に係るインクジェット記録装置は、インクに電気
力を作用させて記録媒体上にインク粒子を飛翔させるこ
とにより記録を行なうインクジェット記録装置におい
て、前記記録媒体に対向して設けられ、絶縁性支持基板
の前記記録媒体に対向する面上に複数の第1の制御電
極、該記録媒体と反対側の面上に共通の第2の制御電極
をそれぞれ有し、かつ複数の第1の制御電極および第2
の制御電極と絶縁性支持基板を貫通して設けられた複数
の貫通孔を有する制御基板と、前記制御基板の前記貫通
孔内にインクを供給すると共に前記第2の制御電極に接
触するように配置された多孔質体を有するインク供給手
段と、前記第1の制御電極と前記第2の制御電極との間
に画像信号に応じた信号電圧を印加する信号電圧印加手
段とを備えることを特徴としている。
【0020】上記第1および第2の構成に係るインクジ
ェット記録装置において、第1および第2の制御電極と
記録媒体との間に、飛翔するインク粒子を加速するため
のバイアス電圧を印加することが望ましい。このような
本発明によるインクジェット記録装置では、インク粒子
を飛翔させる電界が第1および第2の制御電極間に印加
する信号電圧と、第1および第2の制御電極間の絶縁層
である絶縁性支持基板の厚さで決まり、電極形状の影響
を受けないため、安定したインク粒子の飛翔が得られ
る。
【0021】制御基板の貫通孔は、第1の制御電極の部
分の径が絶縁性支持基板および第2の制御電極の部分の
径より大きいことが好ましい。このようにすると、貫通
孔内の電界が増加するために、より低い信号電圧でイン
ク粒子を飛翔させることが可能となり、結果的に駆動回
路系として低電圧動作のICを使用でき、インクジェッ
トヘッドの小型化・低価格を達成できる。
【0022】インク供給手段は、第2の制御電極側から
貫通孔内にインクを供給するように構成されることが望
ましい。このようにすると、共通電極である第2の制御
電極により第1の制御電極からの電界がシールドされ、
さらに第2の制御電極により全てのインクが同電位とな
るために、インク中のイオン性物質や電荷分散体などの
片寄りが防止され、インク粒子の飛翔を長期にわたり安
定化することが可能となる。
【0023】また、第2の制御電極側からインクを供給
する場合、特に第2の制御電極に接触するように配置さ
れた多孔質体を介してインクを供給する構成とすると、
多孔質体の毛細管作用を利用して毛細管によるインク吸
引力と負圧の静水圧とのバランスで貫通孔内のインク圧
を調整することができ、かつ多孔質体の壁で各貫通孔内
のインク粒子飛翔時の圧力を相互に遮断できるため、イ
ンク粒子の飛翔安定化を図ることができる。また、この
多孔質体の孔の平均直径は制御基板の貫通孔の直径と異
なることが好ましい。
【0024】本発明で使用するインクは、通常使用され
る導電性インクでもよいが、特に絶縁性溶媒中に帯電性
の色剤を分散した液体インクが好適である。このような
インクを用いると、貫通孔内のインク面に溜まる電荷に
バイアス電圧の印加により作用する静電吸引力がインク
の表面張力より大きくなることでインク粒子が形成され
る際、インク粒子の帯電色剤濃度が上がるため、微細な
記録画点の形成が容易となることによって、より高解像
度の記録が可能となる。
【0025】バイアス電圧印加手段は、電圧源によって
第2の制御電極と記録媒体との間にバイアス電圧を印加
するものであってもよいが、記録媒体の表面を帯電して
電位を付与するチャージャであってもよい。チャージャ
を用いると、記録媒体上に均一なバイアス電位を付与で
きるので、均一なインク粒子の形成と飛翔が可能とな
り、加えて駆動回路系から高電圧のバイアス電圧源を除
去できるため、低電圧動作のICを使用でき、安全性の
向上も図ることができる。
【0026】さらに、本発明の第3の構成に係るインク
ジェット記録装置は、インクに電気力を作用させて記録
媒体上にインク粒子を飛翔させることにより記録を行な
うインクジェット記録装置において、前記記録媒体に対
向して設けられ、絶縁性支持基板の両面に第1および第
2の制御電極を有し、かつ第1および第2の制御電極と
絶縁性支持基板を貫通して設けられた少なくとも1つの
貫通孔を有する制御基板と、前記制御基板の前記貫通孔
内にインクを供給するインク供給手段と、前記第1の制
御電極と前記第2の制御電極との間に画像信号に応じた
信号電圧を印加する信号電圧印加手段と、前記第1およ
び第2の制御電極と前記記録媒体との間に、飛翔するイ
ンク粒子を加速するためのバイアス電圧を印加するバイ
アス電圧印加手段と、を備えると共に、前記記録媒体の
表面電位をVm、前記信号電圧のうちインク粒子を飛翔
させる電圧をV1on、インク粒子を飛翔させない電圧
をV1off、前記バイアス電圧をV2としたとき、 Vm<V2<V1off、かつ、Vm<V1on<V2 あるいは Vm<V1off≦V2、かつ、Vm<V2<V1on の関係を満たすことが好ましい。
【0027】また、本発明の第4の構成に係るインクジ
ェット記録装置は、インクに電気力を作用させて記録媒
体上にインク粒子を飛翔させることにより記録を行なう
インクジェット記録装置において、前記記録媒体に対向
して設けられ、絶縁性支持基板の前記記録媒体に対向す
る面上に複数の第1の制御電極、該記録媒体と反対側の
面上に共通の第2の制御電極をそれぞれ有し、かつ複数
の第1の制御電極および第2の制御電極と絶縁性支持基
板を貫通して設けられた複数の貫通孔を有する制御基板
と、前記制御基板の前記貫通孔内にインクを供給するイ
ンク供給手段と、前記第1の制御電極と前記第2の制御
電極との間に画像信号に応じた信号電圧を印加する信号
電圧印加手段と、前記第1および第2の制御電極と前記
記録媒体との間に、飛翔するインク粒子を加速するため
のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段と、を
備えると共に、前記記録媒体の表面電位をVm、前記信
号電圧のうちインク粒子を飛翔させる電圧をV1on
インク粒子を飛翔させない電圧をV1off、前記バイ
アス電圧をV2としたとき、 Vm<V2<V1off、かつ、Vm<V1on<V2 あるいは Vm<V1off≦V2、かつ、Vm<V2<V1on の関係を満たすことが好ましい。上述した第2および第
4の構成に係るインクジェット記録装置はいわゆるマル
チヘッドタイプであり、このようなインクジェット記録
装置においては段落[0034]でも説明するように、前
記制御基板は、複数の貫通孔を有すると共に、各貫通孔
にはそれぞれ第1および第2の制御電極が設けられ、か
つ、前記第2の制御電極は各記録画点に共通の共通電極
となっていても良い。
【0028】このように本発明に従いマルチヘッド化し
たインクジェット記録装置では、第1の制御電極は各記
録画点に対応して設けられ、かつ各記録画点に対応して
独立した貫通孔を有するため、各記録画点毎に独立した
インク粒子の飛翔のための電界を形成して、電極間の静
電界の相互干渉を除去でき、また独立した貫通孔内のイ
ンクを個別にインク粒子として飛翔させるため、インク
粒子の飛翔時の圧力干渉も除去することができる。この
ようにして第1の制御電極間の電界干渉や圧力干渉のな
い電極駆動が可能であるために、記録媒体上の実質記録
解像度は第1の制御電極のピッチと等しくなり、高解像
度化を図ることができる。
【0029】また、このようにマルチヘッド化する場
合、第2の制御電極を各記録画点に共通の共通電極とす
ることにより、インクが第1の制御電極上に回り込むこ
とがなくなり、インクによる第1の制御電極間の導通が
防止されるので、使用可能なインクの導電度の許容度が
高くなり、インク材料の使用範囲が拡大される。しかも
共通電極からなる第2の制御電極によるシールド効果に
よって、インク粒子の飛翔のための貫通孔内の電界を個
別に制御することが容易となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。 (第1実施形態)図1は、第1の実施形態に係るインク
ジェット記録装置の要部であるインクジェットヘッドの
概略構成を示す模式的断面図であり、一つの記録画点に
対応した構成を示している。
【0031】本実施形態のインクジェット記録装置は、
液体インク9を収容したインク供給タンク4と、このイ
ンク供給タンク4内のインク9をインクジェットヘッド
20に搬送するインク搬送路11と、このインク搬送路
11と記録媒体17との間に配置された制御基板12か
らなる。液体インク9としては、例えば静電加速式イン
クジェット記録用として用いられる105 〜109 Ω・
cm程度の抵抗率を持つ導電性インクが使用される。
【0032】制御基板12は、図の紙面に垂直の方向に
複数の記録画点に対応して所定間隔で配列された複数個
の貫通孔14を有する絶縁性支持基板13と、この絶縁
性支持基板13の記録媒体17側の面上およびインク搬
送路11側の面上にそれぞれ形成された第1および第2
の制御電極15,16によって構成される。
【0033】第1および第2の制御電極15,16に
は、絶縁性支持基板13の貫通孔14と連通した貫通孔
が形成されている。なお、以下の説明では絶縁性支持基
板13、第1および第2の制御電極15,16に形成さ
れた貫通孔を総称する場合、貫通孔14として説明す
る。
【0034】インクジェットヘッド20はインク飛翔点
が単一のシングルヘッド、インク飛翔点が複数のマルチ
ヘッドのいずれでもよく、マルチヘッドの場合、第1の
制御電極15は複数の記録画点に個別に対応した個別電
極であり、第2の制御電極16は複数の記録画点に対し
て共通の共通電極である。
【0035】より具体的には、制御基板12は例えば1
00μm厚のポリイミド膜の両面に18μm厚の銅箔を
接着した銅張り基板を用い、この銅張り基板に各記録画
点に対応した100μmφの貫通孔14を設けることに
よって、ポリイミド膜を絶縁性支持基板13とし、その
両面に銅箔からなる第1および第2の制御電極15,1
6が形成された構成となっている。
【0036】記録媒体17は例えば普通紙であり、第1
の制御電極15との間の距離が500μm程度となるよ
うに、対向電極を兼ねる金属プラテン18上に配置され
ている。なお、金属プラテン18は接地されている。
【0037】第2の制御電極16と接地された金属プラ
テン18との間にはバイアス電圧源6が接続され、また
第1および第2の制御電極15,16には信号電圧源7
が接続されている。インク供給タンク4内のインク9
は、インク搬送路11を経て、インク供給タンク4内の
インク面9aと第1の制御電極15間の高低差で決まる
静水圧Pにより、制御基板12の貫通孔14内に供給さ
れ、貫通孔14内にインク面9bを形成する。
【0038】バイアス電圧源6は、貫通孔14内のイン
ク面9bに電荷が誘起されたとき、インク粒子が飛翔す
るに十分な電圧、例えば2kVのバイアス電圧Vbを第
1のおよび第2制御電極15,16に印加する。また、
信号電圧源7はパルス増幅器により構成され、第1の制
御電極15と第2の制御電極16間に、画像信号に応じ
て+100V(OFF状態)と−100V(ON状態)
との間でステップ的に変化する信号電圧Vsig.を第1の
制御電圧15に重量印加する。
【0039】図2に、第1の制御電極15と第2の制御
電極16間に信号電圧Vsig.を印加したときの貫通孔1
4の中心を通る線A上の電位分布を示す。
【0040】Vsig.=+100V(OFF状態)では、
第1の制御電極15と第2の制御電極16間の電界が金
属プラテン18と第1の制御電極15間の電界と逆方向
となり、貫通孔14内のインク面9bにはマイナス電荷
が誘起される。その結果、インク面9bは金属プラテン
と第1の制御電極15間の電界で反発されるので、イン
ク粒子の飛翔は起こらない。
【0041】一方、Vsig.=−100V(ON状態)で
は、貫通孔14内のインク9b面にプラス電荷19が誘
起され、金属プラテン18と第1の制御電極15間の電
界によって金属プラテン18上の記録媒体17の方向に
インク面9bが吸引される。インク面9bに誘起された
プラス電荷19に作用する電界力がインク面9bの表面
張力より大きくなると、インク面9bからインク粒子8
が飛翔する。この飛翔したインク粒子8は、金属プラテ
ン18と第1および第2の制御電極15,16間に印加
されたバイアス電圧Vbによって加速され、記録媒体1
7に達して記録画点8aを形成する。
【0042】このように本実施形態では、第1および第
2の制御電極15,16を有する制御基板12上の各画
点に対応して独立して設けた貫通孔14に液体インク9
を搬送し、インク粒子8を形成して記録媒体17上に飛
翔させることにより、ノズル間の静電的相互干渉のない
静電吸引方式のインクジェットヘッドを提供することが
でき、さらにインク粒子の飛翔時に起こるインク表面か
らの圧力波干渉を除去することができる。
【0043】(第2実施形態)図3に、第1の実施形態
を変形した第2の実施形態に係るインクジェット記録装
置の要部の構成を示す。本実施形態では、貫通孔14の
うち記録媒体17側にある第1の制御電極15の貫通孔
14aの直径をインク搬送路11側にある第2の制御電
極16の貫通孔14bの直径より大きくしている。具体
的には、第1の制御電極15の貫通孔14aの直径を2
00μm、絶縁性支持基板13であるポリイミド膜の厚
さを25μm、第2の制御電極16の貫通孔14bの直
径を100μmとした。
【0044】このようにすると、制御電極15,16間
に印加される信号電圧Vsig.による第1の制御電極15
の貫通孔14a内のインク面123の電界が増加するた
め、より低い信号電圧でインク粒子を飛翔させることが
可能になる。図4に、本実施形態における信号電圧Vsi
g.を印加したときの貫通孔14,14a,14bの中心
を通る線A上の電位分布を示す。
【0045】図4の実線で示すVsig.=−100V(O
N状態)では、第1の実施形態と同様に第1の制御電極
15の貫通孔14a内のインク面9bにプラス電荷が誘
起されて、金属プラテン18と第1の制御電極15間の
電界により金属プラテン18上の記録媒体17の方向に
インク面9bが吸引され、このインク面9bからインク
粒子が飛翔して、金属プラテン18と第1および第2の
制御電極15,16間に印加されたバイアス電圧Vbに
よって加速されて記録媒体17に達する。
【0046】この場合、第1の実施形態のように第1お
よび第2の制御電極15,16の貫通孔の直径が同一の
ときの電位分布(一点鎖線で示す)に比較して、両制御
電極15,16間の電位差が大きくなる。従って、低い
駆動電圧でインク粒子の形成と飛翔が可能になる。
【0047】また、図4の点線で示すVsig.=+100
V(OFF状態)では、同様に容易にカットオフ状態を
得ることができる。このVsig.=+100V(OFF状
態)では、第1の制御電極15と第2の制御電極16間
の電界が金属プラテン18と第1の制御電極15間の電
界と逆方向となり、貫通孔14内のインク面にはマイナ
ス電荷が誘起されるため、インク面は金属プラテン18
と第1の制御電極15間の電界で反発され、インク粒子
の飛翔は起こらない。
【0048】このように本実施形態では、制御基板12
の貫通孔14のうち、制御電極15,16に形成する貫
通孔14a,14bの大きさを後者より前者が大きくな
るように調整することで駆動電圧を低くでき、その結
果、実装面積の小さい低電圧動作のICを使用すること
が可能となり、ヘッドの小型化と低価格化を達成するこ
とができる。
【0049】(第3実施形態)次に、第3の実施形態と
して本発明のインクジェット記録装置で使用する複数の
インク粒子飛翔点を有するマルチインクジェットヘッド
の具体的な構成について説明する。図5は、マルチイン
クジェットヘッドの構成を示す分解斜視図である。図5
(a)に示す制御基板12は、基本的には第1または第
2の実施形態で示したものと同様であり、複数の記録画
点に対応して所定間隔で配列された複数個の貫通孔14
を有する絶縁性支持基板13と、この絶縁性支持基板1
3の記録媒体17側の面およびインク搬送路11側の面
にそれぞれ形成された第1および第2の制御電極15,
16によって構成される。第1および第2の制御電極1
5,16には、絶縁性支持基板13の貫通孔14と連通
した貫通孔が形成されている。
【0050】第1の制御電極15は、複数の記録画点に
個別に対応した個別電極であり、第2の制御電極16は
複数の記録画点に対して共通の共通電極である。この場
合、25μm厚のポリイミド膜の両面に18μmの銅箔
を設け、第1の制御電極15に相当する側をエッチング
によって各記録画点に対応させて分離し、各制御電極毎
にノズルを構成する100μmφの貫通孔14をエッチ
ングにより形成する。
【0051】貫通孔14は、副走査方向中央部から一方
の側に寄った位置に14Aに示すように主走査方向に沿
って千鳥状に2列配列され、さらに副走査方向中央部か
ら他方の側に寄った位置にも14Bに示す如く主走査方
向に沿って千鳥状に2列配列されている。そして、第1
の制御電極15は貫通孔14の2組の千鳥状配列14
A,14Bに対応して副走査方向に両側に延在されてい
る。
【0052】貫通孔の一つの列における間隔を500μ
mとすると、千鳥状配列14A,14Bの各々における
貫通孔の間隔は250μmとなる。従って、千鳥状配列
14A,14Bの各々における貫通孔の位置を主走査方
向に半ピッチ、すなわち125μmずらせると、主走査
方向に隣接する貫通孔14の間隔は125μmとなり、
解像度にして8本/mmとなる。
【0053】制御基板12上には、副走査方向の両側に
延在した第1の制御電極15の他端に接続された駆動I
C21が配置される。これらの駆動IC21は、図1中
に示したバイアス電圧源6、信号電圧源7およびこれら
を走査制御する制御回路等を組む駆動回路を実装したI
Cである。
【0054】図5(a)の制御基板12は、図5(b)
に示す箱状の制御基板支持体22の上面から対向する2
面にかけて接着固定される。この制御基板支持体22の
制御基板12の接着面と異なる2面の一方(図中では上
面)には、スリット23が形成されている。
【0055】一方、図5(c)に示すインク容器24の
スリット25に、インク9を含浸した図5(d)に示す
板状の多孔質体26を図5(e)に示すように挿入して
一体構造とし、これを図5(f)に示すように制御基板
支持体22の内側に配置して、制御基板支持体22のス
リット23に多孔質体26の上面が位置するようにマル
チインクジェットヘッド20を組み立てる。また、駆動
IC21にはバッファメモリが設けられ、各列毎にタイ
ミングをとって制御電極基板12上の制御電極に信号電
圧を印加して、インク粒子の飛翔を制御するように構成
されている。
【0056】なお、多孔質体26を入れたインク容器2
4は使い捨てにしてもよい。また、このマルチインクジ
ェットヘッド20の駆動IC21を搭載した構造部とイ
ンク供給系とを分離し、別途交換可能としてもよい。
【0057】このように、本実施形態ではマルチインク
ジェット20を構成する場合、制御基板12上の第2の
制御電極16を共通電極とすることにより、駆動IC2
1は第1の制御電極15のみを制御すればよいために回
路が簡単となり、かつ共通電極である第2の制御電極1
6によるシールド効果によって、貫通孔14内の電界を
独立に制御することが可能となる。
【0058】(第4実施形態)次に、本発明におけるイ
ンクジェットヘッドへのインク供給機構について説明す
る。個別電極である第1の制御電極15側からインク供
給を行なうと、各電極間の電圧による電界によってイン
ク中のイオン性物質の分解または電荷分散体などの片寄
りが起こり、インク粒子の長期安定飛翔が得られなくな
る。そこで、本発明では共通電極である第2の制御電極
16により、信号電圧が印加された個別電極である第1
の制御電極15からの電界をシールドし、第2の制御電
極16側にインクを接触させて供給することで、インク
中のイオン性物質の分解や電荷分散体などの片寄りなど
の現象を防止し、インク粒子の長期にわたる飛翔安定化
を図っている。
【0059】図6を用いて具体的に説明すると、制御基
板12上の個別電極である第1の電極15を図示しない
記録媒体側に設け、インク9が供給される側の共通電極
からなる第2の制御電極16側から、貫通孔14を通し
てインク9を供給する構成とする。このようにするとイ
ンク9は全て同電位となって、インク9内に電位差が生
ずることがなくなるため、インク9中のイオン性物質の
折出や電荷分散媒体の集合がなく、インク組成を保持し
たまま長期にわたりインク粒子を安定に飛翔させること
が可能となる。
【0060】(第5実施形態)本実施形態では、常にイ
ンク供給圧力を安定に保持し、各貫通孔14間のインク
圧力干渉を除去するインク供給機構について説明する。
図7は、制御基板12上の共通電極である第2の制御電
極16側に多孔質体層26を設け、この多孔質体層26
の毛細管現象で貫通孔14内のインク圧の微小制御を可
能として、インク飛翔を安定化させている。ここで、イ
ンク供給タンク4のインク面9aを第2の制御電極16
より低い位置に保持することにより、負の静水圧に保つ
ことが望ましい。
【0061】また、多孔質体層26は図示のようにイン
ク静水圧を調整する静水圧調整層26aと、インクを含
浸させる多孔質体からなるインク含浸層26bとの2層
構造であってもよい。多孔質体層26は、インク搬送路
11に連通した多孔質体層保持容器24に保持されてい
る。
【0062】このように本実施形態によると、インク圧
力の調整に多孔質体層26の毛細管作用を利用すること
により、毛細管によるインク吸引力と負圧の静水圧との
バランスで微妙に貫通孔14内のインク圧を調整できる
ので、インク粒子の飛翔を安定化できる。
【0063】また、本実施形態によればそれぞれの貫通
孔14内のインク飛翔時の圧力を多孔質体層26の壁で
相互に遮断することによって、各ノズル間の圧力干渉を
防止することができ、この点からも安定したインク粒子
の飛翔が可能となる。
【0064】(第6実施形態)本第6実施形態は、第5
実施形態を変更して多孔質体層26aと26bの毛細管
の平均径を異ならせることで、インク静水圧を微妙に調
整可能としたものである。図8を用いて説明する。微妙
なインク圧力を調整できるようにすると、制御基板12
の貫通孔14(特に、第1の制御電極15の貫通孔14
a)からのインク面9bの盛り上がりを安定に形成でき
る。こうして盛り上がったインク面9bの先端では電界
集中が起こるため、インク粒子の飛翔が容易となる。
【0065】一方、100μmφの貫通孔14aを持つ
第2の制御電極16の背面には、貫通孔14bより小さ
い平均径十数μmφからなる多孔質体層26aが設けら
れる。さらにその背面に平均径100μmφの貫通孔1
4bより大きい径の多孔質体層26bが設けられる。こ
の多孔質体層26内のインク重量が負荷となり、多孔質
体層26の毛細管の吸引力との差がインク9に負圧を与
えることになる。このようにして多孔質体層26の多孔
質体の径と長さにより、自由にインク圧を設定できる。
【0066】このインク飛翔条件を決定する盛り上がり
は、第1および第2の制御電極15,16と記録媒体1
7間の2kVのバイアス電圧によるインクの静電吸引力
と、制御電極15,16の貫通孔に作用する毛細管によ
るインク吸引力と、さらに多孔質体層26の負荷による
負圧とが釣り合う位置でインク面9aが釣り合う。この
ようにして貫通孔14aから常時、数十μm程度インク
面9bを盛り上げることで、盛り上がったインク先端に
電界集中を起こさせ、安定したインク粒子の飛翔が得ら
れる。また、第2の制御電極16の背面の多孔質体層2
6の作用により、インク粒子の飛翔時の各貫通孔14に
作用する静電圧力は多孔質体の壁で遮断され、貫通孔1
4間の圧力干渉を防止することができる。
【0067】(第7実施形態)次に、図9を用いて溶媒
中に帯電色剤を分散した液体インクを使用する第7実施
形態を説明する。インク供給タンク4内に収容された本
実施形態で使用する液体インク9は、108 Ωcm以上
の抵抗率を持つ石油の一種である絶縁性ケロシンからな
る溶媒9A中に、プラス帯電用制御剤と顔料をバインダ
で混合した帯電色剤9Bを分散させたものである。イン
ク9の搬送を容易とするため、帯電色剤9Bは1%程度
の低い濃度としている。なお、本第7実施形態では帯電
色剤9Bをプラス極性にしているが、帯電制御剤を選択
することでマイナス極性にすることも可能である。この
ときは、各制御電極15,16に印加する電圧の極性を
全て逆にすればよい。
【0068】図9を参照すると、制御基板12の貫通孔
14内のインクに存在する帯電色剤9Bを信号電圧源7
から制御電極15,16間に印加した信号電圧による電
界で、貫通孔14内のインク面9bに移動させる。こう
してインク面9bに移動した帯電色剤の電荷量が一定量
以上になると、記録媒体17の背面の金属プラテン18
と第2の制御電極16間にバイアス電圧源7により印加
したバイアス電圧による電界で、インク粒子8を形成し
て飛翔させる。
【0069】金属プラテン18と第1および第2の制御
電極15,16間に印加した電圧による電界によって、
インク面9bに一定量に電荷が溜まると、この電荷に作
用する静電吸引力がインク表面張力より大きくなること
によって、インク粒子8が形成される。このとき、帯電
色剤9Bの濃度は30%程度まで高くなるので、インク
粒子8を構成する高濃度の色剤成分の飛翔により、微細
な記録画点を記録媒体上に形成でき、高解像度の記録が
容易となる。
【0070】次に、本実施形態におけるインク粒子8の
飛翔原理を説明する。プラスに帯電した帯電色剤9Bを
分散した液体インク9を第2の制御電極16の背面に搬
送する。第1および第2の制御電極15,16には、バ
イアス電圧源6から2kVのバイアス電圧が印加されて
いる。このバイアス電圧に重畳して、第1の制御電極1
5に信号電圧源7から−100Vの信号電圧を印加する
と、第1の制御電極15の貫通孔内のインク面にプラス
帯電色剤が移動し、これが一定量以上になるとインク面
に作用する静電力がインク表面張力より増加するため、
インク面を被って高濃度の帯電色剤粒子がインク粒子8
として飛翔する。
【0071】図10に、信号電圧Vsig.を印加したとき
の貫通孔14の中心を通る線A上の電位分布を示す。
【0072】Vsig.=+100(OFF状態)では、第
1の制御電極15と第2の制御電極16間の電界が金属
プラテン18と第1の制御電極15間の電界と逆方向と
なり、貫通孔14内のインク面にはマイナス電荷が誘起
される。その結果、インク面は金属プラテン18と第1
の制御電極15間の電界で反発されるので、インク粒子
の飛翔は起こらない。
【0073】一方、Vsig.=−100V(ON状態)で
は、帯電色剤9Bが第1の制御電極15の貫通孔14a
内のインク面9bに移動する初期段階では、インク面9
bがバイアス電圧による電界で記録媒体17の方向に吸
引されて盛り上がる。このインク面9bの盛り上がり先
端では、電界集中が起こって図示のようにコーンが形成
され、コーン先端からインク粒子8が飛翔する。この飛
翔したインク粒子8は、金属プラテン18と第1および
第2の制御電極15,16間に印加されたバイアス電圧
によって加速され、記録媒体17に達して記録画点8a
を形成する。
【0074】このように、本実施形態では制御基板12
の貫通孔14内インク面9bに帯電色剤9Bを移動さ
せ、高濃度の帯電色剤9Bからなる微細なインク粒子8
を飛翔させることによって、高精細画像の記録を行なう
ことができる。
【0075】なお、インク供給タンク4から制御基板1
2の下部に設けられたインク9を搬送するインク搬送路
11のインク供給タンク4と反対側には、色剤濃度の薄
くなったインク9Cを回収するインク回収タンク27が
設置されている。このインク回収タンク27内に回収さ
れたインク9Cは、帯電色剤9Bが補充された後インク
供給タンク4に戻され、再び記録に利用される。
【0076】(第8実施形態)次に、図9および図11
を用いて本発明に係るインクジェット記録装置の全体的
な構成について説明する。図9は、インクジェットヘッ
ド20の概略構成を示す図であり、基本的にはこれまで
の実施形態で説明したものと同様である。すなわち、イ
ンクジェットヘッド20は絶縁性支持基板13の両面に
第1および第2の制御電極15,16を設けた貫通孔1
4を有する制御基板12を主体として構成され、これに
図11の駆動IC21に含まれるバイアス電圧源6およ
び信号電圧源7としての記録信号供給部47が接続され
る。また、第2の制御電極16の背面に接して、インク
を含浸した交換可能な多孔質体層26が設けられてい
る。
【0077】インクとしては、静電加速式インクジェッ
ト記録用として用いられる105 〜109 Ω・cm程度
の抵抗率は持つ導電性インク、または108 Ωcm以上
の抵抗率を持つ石油の一種である絶縁性ケロシンからな
る溶媒中に帯電用制御剤と顔料をバインダで混合した帯
電色剤を分散させたインクのいずれを用いてもよい。さ
らに、インクジェットヘッド20から500μm程度の
距離に、アース電位に保持された金属プラテン18が配
置され、この金属プラテン18上に記録媒体17が設置
されている。
【0078】貫通孔14内のインク表面の誘起電荷(ま
たは帯電色剤の集合)がインク表面張力を破る臨界値以
上になると、インク表面張力を破ってインク粒子が飛翔
する。ここで、信号電圧源7により第1の制御電極15
に印加される信号電圧が+100Vのときは、第1の制
御電極15と第2の制御電極16間の電界によって貫通
孔14内のインク面にマイナス電荷が誘起されるか、ま
たはプラス帯電色剤の分散が起こり、第1の制御電極1
5に対しマイナス電位にある記録媒体17の方向へのイ
ンク粒子の飛翔は起こらない。
【0079】一方、第1の制御電極15に−100Vの
信号電圧が印加されると、貫通孔14内のインク面にプ
ラス電荷が誘起されるか、またはプラス帯電色剤が集合
し、バイアス電圧源6から第1の制御電極15に印加さ
れた+2kVのバイアス電圧によりインク粒子が形成さ
れて飛翔する。
【0080】図11は、本第8実施形態におけるインク
ジェットヘッド20と記録媒体17および金属プラテン
18の配置図である。矢印28の方向に相対的に移動す
る金属プラテン18上の記録媒体17は、駆動IC21
に入力された同期信号に同期して移動する。この同期信
号に合わせて駆動IC21内の信号電圧源からとしての
記録信号供給部47の信号電圧が第1の制御電極15に
順次印加されることにより、インク粒子8が飛翔して記
録媒体17上に画像29を形成する。
【0081】(第9実施形態)次に、記録媒体17側に
バイアス電圧を印加し、第1および第2の制御電極1
5,16に対してはバイアス電圧を印加しない構成とす
ることにより、駆動回路系から高電圧回路を除去し、駆
動ICの耐圧を低くして駆動回路系の低価格化とヘッド
の小型化を達成した実施形態について、図12を用いて
説明する。図12は、本第9実施形態におけるインクジ
ェットヘッド20と記録媒体17および金属プラテン1
8の配置図である。本第9実施形態は、基本的には第7
実施形態の構成と同様であるが、駆動回路系が異なって
いる。インクジェットヘッド20は、金属プラテン18
上の記録媒体17から500μm程度の距離を置いて配
置される。金属プラテン18にはバイアス電圧源6から
インク粒子加速用の−2kVのバイアス電圧が印加さ
れ、インクジェットヘッド20の第2の制御電極16は
アース電位とされる。
【0082】一方、第1の制御電極15には、これまで
の実施形態と同様に、駆動IC21に含まれる信号電圧
源7から+100Vと−100Vの間で変化する信号電
圧が印加される。信号電圧が+100Vの場合は、制御
基板12の貫通孔14内のインク面にマイナス電荷が誘
起され、インク粒子の飛翔は起こらない。第1の制御電
極15に印加される信号電圧が−100Vになると、貫
通孔14内のインク面にプラス電荷が誘起され、バイア
ス電圧源6によって金属プラテン18に印加された−2
kVのバイアス電圧で静電吸引され、その吸引力がイン
ク面の表面張力より大きくなると高濃度の電荷を有する
インク粒子が形成されて飛翔する。
【0083】記録媒体17を装着した金属プラテン18
は、−2kVのバイアス電圧を発生するバイアス電圧源
6が接続される。矢印28の方向に相対的に移動する金
属プラテン18上の記録媒体17は、駆動IC21に入
力された同期信号に同期して移動する。この同期信号に
合わせて駆動IC21内の信号電圧源としての記録信号
供給部47から信号電圧が第1の制御電極15に順次印
加されることにより、インク粒子8が飛翔して記録媒体
17上に画像29を形成する。このように本第9実施形
態では、記録媒体17が装着される金属プラテン18に
バイアス電圧源6から高電圧のバイアス電圧を印加し、
第1および第2の制御電極15,16に対しては高電圧
を印加しないため、駆動IC21の耐圧を低くして、駆
動回路系の低価格化とヘッドの小型化を図ることができ
るという利点がある。
【0084】(第10実施形態)次に、第9の実施形態
のように記録媒体17の背面の金属プラテン18にバイ
アス電圧を印加する代わりに、帯電器で記録媒体17に
電荷を与え、バイアス電圧に相当する表面電位を得るこ
とによって、記録媒体17と金属プラテン18との接触
不良による電位変動のない安定した一様な画像を記録す
ることができ、同時に記録媒体17の装着時のユーザの
安全も確保できるようにした実施形態について説明す
る。
【0085】図13は、本実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置の概略構成を示す断面図である。記録媒体1
7は、数十μmの絶縁層18aが被覆された金属プラテ
ン18上に装着される。この記録媒体17上から固体チ
ャージャ31を用いて、記録媒体17の表面をインク粒
子の飛翔に必要な−2kV程度の電位に帯電する。な
お、固体チャージャ31に代えて、従来から複写機など
に使用されているコロナワイヤを使用したチャージャ
(図示せず)を用いてもよい。
【0086】固体チャージャ31は、図示しないセラミ
ック基板上に誘導電極33と、スリット35を有するイ
オン発生電極34を30μm程度の厚さのガラス絶縁層
32を挟んで設けて構成される。誘導電極33とイオン
発生電極34間に、交流電圧源6Aから2kVppの交
流電圧を印加すると、正負のイオンがイオン発生電極3
4のスリット35から発生し、バイアス電圧源6から帯
電用に印加したバイアス電圧と等しい表面電位を記録媒
体17に与えることができる。
【0087】そして、インクジェットヘッド20の第1
の制御電極15に信号電圧源7から印加された信号電圧
によって、貫通孔14内にプラス電荷が誘起されるか、
またはプラス帯電した帯電色剤が集合する。ここで、記
録媒体17との表面電荷による電界により貫通孔14内
の電荷に作用する静電力が液体インクの表面張力より増
加すると、インク粒子が形成され、記録媒体17上に飛
翔して記録が行なわれる。
【0088】図14を用いて具体的な装置構成を説明す
ると、アース電位に保持された金属プラテン18上に薄
い絶縁層を被覆し、その上に普通紙などの記録媒体17
を装着する。固体チャージャ31で記録媒体17上を−
2kVの表面電位まで帯電させ、インクジェットヘッド
20の駆動IC21によって信号電圧を印加すると、第
1の制御電極15の貫通孔のインク面から電荷を有する
インク粒子8が形成され、このインク粒子8が記録媒体
17の表面電位によるバイアス電圧で記録媒体17に向
けて飛翔し、記録媒体17上に画像を形成する。
【0089】このように本第10実施形態では、記録媒
体17を固体チャージャ31により帯電させて、記録媒
体17上に一様なバイアス電圧を与えることによって、
均一なインク粒子の形成と飛翔が可能となる。また、制
御電極15には低い信号電圧のみを印加すればよく、駆
動IC21としては低耐圧のICを使用でき、同時に駆
動回路系の小型化によるインクジェットヘッドの小型化
が達成できる。
【0090】さらに、金属プラテン18には高いバイア
ス電圧を印加する必要がなくなるので、プリンタのユー
ザが記録媒体17を装着する際の安全性をも確保するこ
とができるという利点がある。
【0091】なお、本第10実施形態では帯電器として
固体チャージャ31を用いたが、他の帯電器を用いても
よく、また帯電器に代えて、記録媒体と接触させて導電
性帯電ローラや導電性帯電ブラシを配置し、これらのロ
ーラまたはブラシを介して記録媒体17にバイアス電圧
を与えて帯電を行なっても同様の効果が得られる。
【0092】(第11実施形態)次に、第1および第2
の制御電極15,16間への信号電圧の印加方法につい
て図15ないし図17を用いて説明する。この信号電圧
の印加方法には、貫通孔14内のインクの電荷または帯
電色剤の移動を制御する方法と、インク面には常時必要
電荷を確保して電界を制御することでインク飛翔を制御
する2種類の方法がある。図15に示す前者の方法は、
第8の実施形態で既に述べたように制御基板12の貫通
孔14内のインク面に誘起する電荷量または帯電色剤の
集合量を制御するものである。
【0093】この場合、記録媒体17の電位をVm、第
1および第2の制御電極15,16間に印加するインク
粒子の飛翔をOFFにする信号電圧をV1off 、インク
粒子の飛翔をONにする信号電圧をV1on、第2の制御
電極16に印加するバイアス電圧をV2にすると、次に
示す関係がある。
【0094】 インク粒子の飛翔OFFのとき:Vm<V2<V1off (1) インク粒子の飛翔ONのとき :Vm<V1on<V2 (2) 図17(a)に示すように、第1および第2の制御電極
15,16間に印加する電圧をV1off にしたときの電
位分布曲線36では、第1の制御電極15と第2の制御
電極16間の電界Edが記録媒体17と第1の制御電極
15間の電界Em と逆方向となり、貫通孔14内のイン
ク面にはマイナス電荷が誘起するか、または帯電色剤が
インク面から遠ざかる。その結果、インク面に記録媒体
17の方向とは逆方向の静電力が作用し、インク粒子の
形成および飛翔は起こらない。
【0095】次に、第1および第2の制御電極15,1
6間に印加する電圧をV1onにすると、図17(a)の
電位分布曲線37のように第1の制御電極15と第2の
制御電極16間の電界Edが電界Emと同一方向にな
り、貫通孔14内のインク面にプラス電荷19が誘起さ
れるか、またはプラス帯電色剤が移動し、この電荷量に
作用する電界Emによる静電力がインク表面張力より大
きくなると、インク粒子8が飛翔する。
【0096】このインク表面の誘起電荷(または帯電色
剤の集合量)を制御する方法は、第1の制御電極15と
第2の制御電極16間の狭い領域の電界で制御できるの
で、低い信号電圧でインク粒子の形成と飛翔を制御でき
る。
【0097】一方、図16に示す後者の方法は、貫通孔
14内のインク面に常時飛翔に必要な電荷量を保持して
おき、第1の制御電極15に印加する信号電圧でインク
面に作用する電界を制御して、インク粒子の形成と飛翔
を制御するものである。
【0098】この場合、記録媒体17の電位をVm、第
1の制御電極および第2の制御電極15,16間に印加
するインク粒子の飛翔をOFFにする信号電圧をV1of
f 、インク粒子の飛翔をONにする信号電圧をV1on、
第2の制御電極16に印加する電圧をV2とすると、次
に示す関係がある。
【0099】 インク粒子の飛翔OFFのとき:Vm<V1off ≦V2 (3) インク粒子の飛翔ONのとき :Vm<V2<V1on (4) 記録媒体17と第1の制御電極15間に印加するバイア
ス電圧で生ずる電界Edは、貫通孔14内のインク表面
の誘起電荷または集合した帯電色剤に作用する静電力が
インクの表面張力より小さくなるようにしておく。信号
電圧V1onを第1および第2の制御電極15,16間に
印加すると、この間の電界が増加し、インク表面の誘起
電荷または集合した帯電色剤に作用する静電力がインク
表面張力より大きくなり、インク粒子が形成されて飛翔
する。
【0100】図17(b)に示す、第1および第2の制
御電極15,16間に信号電圧を印加したときの貫通孔
14の中心線上の電位分布を用いて説明する。第1およ
び第2の制御電極15,16間に印加する信号電圧は0
Vから+200Vの電圧である。信号電圧がV1off の
0Vの場合、電位分布曲線38で示すように貫通孔14
内の電界は、記録媒体17と第1の制御電極15間との
漏れ電界により、インク面に記録媒体17方向の静電力
を受けるプラス電荷19が誘起している。しかし、イン
ク表面に作用する電界が小さいため、インク粒子の形成
と飛翔は起こらない。
【0101】一方、第1および第2の制御電極15,1
6間にV1onの+200Vの信号電圧が加わると、電位
分布曲線39で示すように記録媒体17と第1の制御電
極15間の電界が増加する。その結果、この電界がイン
ク表面に誘起していた電荷に作用し、これによる静電力
がインク表面張力より増加する信号電圧では、インク粒
子が形成されて飛翔する。この場合には、第1および第
2の制御電極15,16に印加する信号電圧で記録媒体
17と第1の制御電極15間の電界を制御するため、高
い信号電圧を必要とする。
【0102】なお、式(1)〜(4)は、記録媒体17
のバイアス電圧をマイナス、インク面に誘起する電荷の
極性がプラスの場合であるが、誘起する電荷が逆極性の
場合は、式中の不等号は全て逆になる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば絶
縁性支持基板の両面に第1および第2の制御電極を有
し、かつ第1および第2の制御電極と絶縁性支持基板を
貫通して設けられた少なくとも一つの貫通孔を有する制
御基板を記録媒体に対向して配置し、この制御基板の貫
通孔内にインクを供給するとともに、第1の制御電極と
第2の制御電極との間に画像信号に応じた信号電圧を印
加して制御基板の貫通孔からインク粒子を記録媒体に向
けて飛翔させることにより、インク粒子を飛翔させる電
界が第1および第2の制御電極間に印加する信号電圧
と、第1および第2の制御電極間の絶縁層である絶縁性
支持基板の厚さで決まるため、電極形状の影響を受け
ず、安定したインク粒子の飛翔が得られる。
【0104】また、マルチヘッド化する場合、第1の制
御電極および貫通孔を記録画点に対応して複数個設け、
第2の制御電極を共通電極とすることにより、各記録画
点毎に独立したインク粒子の飛翔のための電界を形成し
て、電極間の静電界の相互干渉を除き、かつ独立した貫
通孔内のインクを個別にインク粒子として飛翔させるこ
とで、インク粒子の飛翔時の圧力干渉も除去することが
できるため、記録媒体上の実質記録解像度を第1の制御
電極のピッチと等しくでき、高解像度化を達成すること
ができる。
【0105】また、第2の制御電極が共通電極であるこ
とにより、インクが第1の制御電極上に回り込むことが
なくなるため、インクによる第1の制御電極間の導通が
防止され、使用可能なインクの導電度の許容度が高くな
り、インク材料の使用範囲が拡大される。しかも共通電
極からなる第2の制御電極によるシールド効果によっ
て、インク粒子の飛翔のための貫通孔内の電界を容易に
個別に制御することができる。
【0106】また、制御電極の貫通孔を第1の制御電極
の部分の径を絶縁性支持基板および第2の制御電極の部
分の径より大きくすることにより、貫通孔内の電界が増
加してより低い信号電圧でインク粒子を飛翔させること
が可能となり、低電圧動作の駆動ICを使用でき、イン
クジェットヘッドの小型化・低価格を図ることができ
る。
【0107】また、インクを第2の制御電極側から貫通
孔内に供給することにより、共通電極である第2の制御
電極により第1の制御電極からの電界がシールドされ、
さらに第2の制御電極により全てのインクが同電位とな
るために、インク中のイオン性物質や電荷分散体などの
片寄りを防止でき、インク粒子の飛翔を長期にわたり安
定化することが可能となる。
【0108】この場合、第2の制御電極に接触するよう
に配置された多孔質体を介してインクを供給すれば、多
孔質体の毛細管作用を利用して毛細管によるインク吸引
力と負圧の静水圧とのバランスで貫通孔内のインク圧を
調整することができ、かつ多孔質体の壁で各貫通孔内の
インク粒子飛翔時の圧力を相互に遮断できるため、イン
ク粒子の飛翔安定化を図ることができる。
【0109】さらに、インクとして特に絶縁性溶媒中に
帯電性の色剤を分散した液体インクを用いると、貫通孔
内のインク面に溜まる電荷にバイアス電圧の印加により
作用する静電吸引力がインクの表面張力より大きくなる
ことでインク粒子が形成される際、インク粒子の帯電色
剤濃度が上がるため、微細な記録画点の形成が容易とな
ることによって、より高解像度の記録が可能となる。
【0110】また、チャージャを用いてバイアス電圧を
印加するようにすると、記録媒体上に均一なバイアス電
位を付与できるので、均一なインク粒子の形成と飛翔が
可能となり、加えて駆動回路系から高電圧のバイアス電
圧源を除去できるため、低電圧動作のICを使用でき、
安全性の向上も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェット記
録装置の要部に概略構成を示す模式的断面図。
【図2】第1実施形態における貫通孔の中心を通る線上
の電位分布を示す図。
【図3】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記
録装置の要部の概略構成を示す模式的断面図。
【図4】第2実施形態における貫通孔の中心を通る線上
の電位分布を示す図。
【図5】本発明の第3実施形態に係るマルチヘッド型イ
ンクジェット記録装置の形成過程をそれぞれ示す斜視
図。
【図6】本発明の第4実施形態に係るインクジェット記
録装置におけるインク搬送系の構成を示す図。
【図7】本発明の第5実施形態に係るインクジェット記
録装置におけるインク搬送系および制御電極基板の構成
を示す図。
【図8】本発明の第6実施形態に係るインクジェット記
録装置における制御基板の構成を示す模式的断面図。
【図9】本発明の第7、第8、第9実施形態に係るイン
クジェット記録装置の要部の概略構成を示す模式的断面
図。
【図10】第7実施形態における貫通孔の中心を通る線
上の電位分布を示す図。
【図11】本発明の第8実施形態に係るインクジェット
記録装置の概略構成を示す斜視図。
【図12】本発明の第9実施形態に係るインクジェット
記録装置の概略構成を示す斜視図。
【図13】本発明の第10実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置の要部の概略構成を示す模式的断面図。
【図14】第10実施形態に係るインクジェット記録装
置の斜視図。
【図15】本発明の第11実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置の第1の例の要部の概略構成を示す模式的断
面図。
【図16】本発明の第11実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置の第2の例の要部の概略構成を示す模式的断
面図。
【図17】第11実施形態の第1の例、第2の例におけ
る貫通孔の中心を通る線上の電位分布をそれぞれ示す
図。
【図18】従来の静電吸引方式のマルチヘッド型インク
ジェット記録装置を示す図。
【符号の説明】
4 インク供給タンク 6 バイアス電圧源 7 信号電圧源 9 インク 11 インク搬送路 12 制御基板 13 絶縁性支持基板 14 貫通孔 15 第1の制御基板(個別電極) 16 第2の制御電極(共通電極) 17 記録媒体 18 金属プラテン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 尾 英 之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 石 井 浩 一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 平 原 修 三 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 昭54−103040(JP,A) 特開 昭62−87356(JP,A) 特開 平8−156260(JP,A) 特開 昭57−176173(JP,A) 特開 昭63−17053(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/06 - 2/065 B41J 2/385

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクに電気力を作用させて記録媒体上に
    インク粒子を飛翔させることにより記録を行なうインク
    ジェット記録装置において、 前記記録媒体に対向して設けられ、絶縁性支持基板の両
    面に第1および第2の制御電極を有し、かつ第1および
    第2の制御電極と絶縁性支持基板を貫通して設けられた
    少なくとも1つの貫通孔を有する制御基板と、 前記制御基板の前記貫通孔内にインクを供給すると共に
    前記第2の制御電極に接触するように配置された多孔質
    体を有するインク供給手段と、 前記第1の制御電極と前記第2の制御電極との間に画像
    信号に応じた信号電圧を印加する信号電圧印加手段と、 を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】インクに電気力を作用させて記録媒体上に
    インク粒子を飛翔させることにより記録を行なうインク
    ジェット記録装置において、 前記記録媒体に対向して設けられ、絶縁性支持基板の前
    記記録媒体に対向する面上に複数の第1の制御電極、該
    記録媒体と反対側の面上に共通の第2の制御電極をそれ
    ぞれ有し、かつ複数の第1の制御電極および第2の制御
    電極と絶縁性支持基板を貫通して設けられた複数の貫通
    孔を有する制御基板と、 前記制御基板の前記貫通孔内にインクを供給すると共に
    前記第2の制御電極に接触するように配置された多孔質
    体を有するインク供給手段と、 前記第1の制御電極と前記第2の制御電極との間に画像
    信号に応じた信号電圧を印加する信号電圧印加手段と、 を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記第1および第2の制御電極と前記記録
    媒体との間に、飛翔するインク粒子を加速するためのバ
    イアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインク
    ジェット記録装置。
  4. 【請求項4】前記貫通孔は、前記第1の制御電極の部分
    の径が前記絶縁性支持基板および第2の制御電極の部分
    の径より大きいことを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】前記インク供給手段は、前記第2の制御電
    極側から前記貫通孔内にインクを供給することを特長と
    する請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】前記多孔質体の孔の平均直径が異なる2種
    類の多孔質体からなることを特徴とする請求項1または
    2に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】前記インクは、絶縁性溶媒中に帯電性の色
    剤を分散した液体インクであることを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】前記バイアス電圧印加手段は、前記記録媒
    体の表面を帯電して電位を付与するチャージャであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装
    置。
  9. 【請求項9】インクに電気力を作用させて記録媒体上に
    インク粒子を飛翔させることにより記録を行なうインク
    ジェット記録装置において、 前記記録媒体に対向して設けられ、絶縁性支持基板の両
    面に第1および第2の制御電極を有し、かつ第1および
    第2の制御電極と絶縁性支持基板を貫通して設けられた
    少なくとも1つの貫通孔を有する制御基板と、 前記制御基板の前記貫通孔内にインクを供給するインク
    供給手段と、 前記第1の制御電極と前記第2の制御電極との間に画像
    信号に応じた信号電圧を印加する信号電圧印加手段と、 前記第1および第2の制御電極と前記記録媒体との間
    に、飛翔するインク粒子を加速するためのバイアス電圧
    を印加するバイアス電圧印加手段と、 を備えると共に、 前記記録媒体の表面電位をVm、前記信号電圧のうちイ
    ンク粒子を飛翔させる電圧をV1on、インク粒子を飛
    翔させない電圧をV1off、前記バイアス電圧をV2
    としたとき、 Vm<V2<V1off、かつ、Vm<V1on<V2 あるいは Vm<V1off≦V2、かつ、Vm<V2<V1on であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】インクに電気力を作用させて記録媒体上
    にインク粒子を飛翔させることにより記録を行なうイン
    クジェット記録装置において、 前記記録媒体に対向して設けられ、絶縁性支持基板の前
    記記録媒体に対向する面上に複数の第1の制御電極、該
    記録媒体と反対側の面上に共通の第2の制御電極をそれ
    ぞれ有し、かつ複数の第1の制御電極および第2の制御
    電極と絶縁性支持基板を貫通して設けられた複数の貫通
    孔を有する制御基板と、 前記制御基板の前記貫通孔内にインクを供給するインク
    供給手段と、 前記第1の制御電極と前記第2の制御電極との間に画像
    信号に応じた信号電圧を印加する信号電圧印加手段と、 前記第1および第2の制御電極と前記記録媒体との間
    に、飛翔するインク粒子を加速するためのバイアス電圧
    を印加するバイアス電圧印加手段と、 を備えると共に、 前記記録媒体の表面電位をVm、前記信号電圧のうちイ
    ンク粒子を飛翔させる電圧をV1on、インク粒子を飛
    翔させない電圧をV1off、前記バイアス電圧をV2
    としたとき、 Vm<V2<V1off、かつ、Vm<V1on<V2 あるいは Vm<V1off≦V2、かつ、Vm<V2<V1on であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】前記制御基板は、複数の貫通孔を有する
    と共に、各貫通孔にはそれぞれ第1および第2の制御電
    極が設けられ、かつ、前記第2の制御電極は各記録画点
    に共通の共通電極となっていることを特徴とする請求項
    2または請求項10に記載のインクジェット記録装置。
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