JP3315334B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3315334B2
JP3315334B2 JP3494697A JP3494697A JP3315334B2 JP 3315334 B2 JP3315334 B2 JP 3315334B2 JP 3494697 A JP3494697 A JP 3494697A JP 3494697 A JP3494697 A JP 3494697A JP 3315334 B2 JP3315334 B2 JP 3315334B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に係り、特に色剤を分散させた液状インクを用い
てこのインク中の少なくとも色剤成分をインク滴として
記録媒体上に飛翔させて記録を行なうインクジェット記
録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液状インクをインク滴と呼ばれる小さな
液滴として記録媒体上に吹き付けて記録ドットを形成す
る方式により画像を記録する記録装置は、インクジェッ
トプリンタとして実用化されている。インクジェットプ
リンタは、他の記録方式のプリンタと比べて騒音が少な
く、現像や定着などの処理が不要であるという利点を有
し、普通紙記録技術として注目されている。インクジェ
ットプリンタの方式は、現在までに数多く考案されてい
るが、特に(a)発熱体の熱により発生する蒸気の圧力
でインク滴を飛翔させる方式(例えば、特公昭56−9
429号公報、特公昭61−59911号公報など)
や、(b)圧電素子によって発生される機械的な圧力パ
ルスによりインク滴を飛翔させる方式(例えば、特公昭
53−12138号公報)が代表的なものである。
【0003】インクジェットプリンタに使用される記録
ヘッド(以下、インクジェットヘッドという)は、キャ
リッジに搭載されて記録紙の搬送方向(以下、副走査方
向)に対し直交する方向(以下、主走査方向)に移動し
ながら記録を行なうシリアル走査型ヘッドが実用化され
ている。このシリアル走査型ヘッドは、記録速度を高速
にすることは困難である。そこで、記録ヘッドの長さを
記録紙の幅と同一にした長尺ヘッドを用いて高速化した
ライン走査型プリンタも考えられているが、このような
ライン走査型ヘッドを実用化することは、次の理由によ
り容易なことではない。
【0004】インクジェット記録装置は、解像度に対応
する個別の細かいノズルが多数設けられているが、本質
的に溶媒の蒸発や揮発によって局部的なインクの濃縮が
生じやすく、これが前記ノズルの目詰まりの原因となっ
ている。さらに、インクジェットの形成に蒸気の圧力を
使う方式では、インクと熱的あるいは化学的に反応して
形成された不溶物質の付着がノズルの目詰まりを誘起
し、また圧電素子による圧力を使う方式では、インク流
路等の複雑な構造がさらに目詰まりを誘起しやすくして
いる。数十から百数十個程度のノズルを使用するシリア
ル走査型ヘッドよりもさらに多い数千にものぼる多数の
ノズルを用いるライン走査型ヘッドでは、確率的にかな
り高い頻度で目詰まりが発生し、実用上の信頼性を欠く
という問題を有していた。
【0005】さらに、蒸気の圧力を用いる方法では、記
録紙上で直径50数μmの記録ドットに相当する直径2
0μm以下の粒径のインク粒を生成するのが難しいため
に、解像度の高いヘッドを製造するのが困難である。ま
た圧電素子が発生する圧力を使う方式では、記録ヘッド
が複雑な構造となるために加工技術上の問題で解像度の
高いヘッドを製造することが困難である。このため、従
来のインクジェット記録装置においては、いずれの方式
のものであっても、解像度の向上を図ることが困難であ
るという問題を有していた。
【0006】これらの問題を解決するために、基板上に
薄膜により形成された複数の個別電極を配列して形成さ
れた電極アレイに電圧を印加し、静電力を用いてインク
液面からインクあるいはその中の色材成分をインク滴と
して飛翔させるインクジェット記録方式が提案されてい
る。具体的には、静電的引力を用いてインク滴を飛翔さ
せる方式(例えば、特開昭49−62024号公報、特
開昭56−4467号公報)や、帯電した色材成分を含
むインクを用い色剤の濃度を高めてインク滴を飛翔させ
る方式(特表平7−502218号公報)などが提案さ
れている。これらの方式では、記録ヘッドの構成が個別
のドット毎のノズルを必要としないスリット状ノズル構
造か、あるいは個別のドット毎のインク流路の隔壁を必
要としないノズルレス構造であるために、ライン走査型
記録ヘッドを実現する上で大きな障害であった目詰まり
の防止と復旧に対して有効である。また、後者は非常に
小さい径のインク粒を安定に生成し飛翔させることがで
きるため、高解像度化にも適している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した静電
力で色材成分をインク滴として飛翔させる方式のインク
ジェット記録装置では、記録ヘッドがノズルレスである
ことから、目詰まり防止に有効である反面、記録ヘッド
の基板上でインクが主走査方向に対して自由に移動でき
るためにインク滴の飛翔位置が不安定となるという問題
があった。
【0008】また、色剤の帯電極性と同極性の電圧でイ
ンク滴を吐出させ記録媒体に飛翔させることから、記録
ヘッド上の電極位置から色剤成分が反発して逃げてしま
い、色材成分をインク滴の飛翔位置に安定に供給できな
いという問題も有しており、したがって、インク滴を所
定の吐出点から安定に充分な量だけ吐出させて飛翔させ
ることが難しく、文字や画像を記録媒体上に良好に記録
できないという問題があった。
【0009】本発明は、インク中に含まれる色剤成分を
インク滴の吐出位置である突起状インクガイドの最先端
に安定に供給でき、これにより、インク滴を目詰まりな
く安定して吐出・飛翔させることができるインクジェッ
ト記録装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係るインクジェット記録装置は、溶媒中
に色剤成分を分散させたインクに静電力を作用させるこ
とにより、少なくとも色剤成分を含むインク滴を飛翔さ
せて記録媒体上に記録を行なうインクジェット記録装置
において、貫通孔を有する絶縁性基板と、前記基板貫通
孔を囲むように形成された導電体より成る制御電極と、
前記インク滴の飛翔位置となる先端部が前記絶縁性基板
および前記制御電極の表面よりも突出するように前記基
板貫通孔の略中心位置に配置されると共に少なくとも表
面が導電性を有するインクガイド、および、このインク
ガイドの基端に設けられてインクガイドを支持する絶縁
性の基部、を有する突起状インクガイドと、前記インク
ガイドに前記インクを供給するインク供給手段と、を備
えることを特徴としている。
【0011】また、請求項2に係るインクジェット記録
装置は、請求項1に記載の記録装置において、前記突起
状インクガイドが、前記基板貫通孔よりもインク滴飛翔
方向に突出しており、前記インクガイドの先端面が傾斜
して形成されていることを特徴としている。
【0012】さらに、請求項3に係るインクジェット記
録装置は、請求項1または請求項2に記載の記録装置に
おいて、前記突起状インクガイドは、インク滴飛翔方向
に沿ってスリット状のインク案内溝が形成されているこ
とを特徴としている。
【0013】また、請求項4に係るインクジェット記録
装置は、請求項1ないし請求項3の何れかに記載のイン
クジェット記録装置において、前記絶縁性基板は、複数
個の前記基板貫通孔および複数個の前記制御電極を有し
ており、複数個の前記制御電極に対応して前記突起状イ
ンクガイドに設けられる複数個の前記インクガイドは、
それぞれ電気的に絶縁されていることを特徴としてい
る。
【0014】また、請求項5に係るインクジェット記録
装置は、請求項5に記載のインクジェット記録装置にお
いて、前記突起状インクガイドは、列方向に所定間隔離
れた複数個の前記インクガイドと、これら複数個のイン
クガイドを連結する前記絶縁性の基部とを備えることを
特徴としている。
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明に係るインクジェット記録装置の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0018】まず、本発明の第1実施形態に係るインク
ジェット記録装置を説明する。図1は本発明の第1実施
形態に係るライン走査型インクジェットヘッドを用いた
インクジェット記録装置の構成を示す図であり、各記録
ドットに対応した個別電極を含む周辺部分の断面を示し
ている。同図において、ライン走査型インクジェットヘ
ッド1は、インク溜2aを有するヘッドブロック2と、
このヘッドブロック2のインク突出側に設けられると共
にインク溜2aに対応して基板貫通孔5aが穿設された
絶縁性基板5と、帯電性のインク9に電圧を印加するた
めに前記基板貫通孔5aを囲むように設けられた制御電
極6と、この制御電極6に常に一定のバイアス電圧を供
給するバイアス電圧源7と、制御電極6に記録すべき画
像に対応する信号電圧を供給する信号電圧源8と、イン
ク溜2aおよび基板貫通孔5a内に配置される突起状イ
ンクガイド10とを備えている。
【0019】前記ヘッドブロック2の両側には、インク
を循環させるためのインク供給流路2bおよびインク回
収流路2cが形成されており、これらインク供給流路2
bおよび回収流路2cにはインク供給管3aおよびイン
ク回収管3bがそれぞれ連結され、これらのインク供給
管3aおよび回収管3bにはインク環流機構4が接続さ
れている。
【0020】前記突起状インクガイド10は、前記ヘッ
ドブロック2の底部に位置するヘッド基板15に所定の
方法により保持されている。さらに、この突起状インク
ガイド10は、同一の厚さを有して両側に傾斜する傾斜
部12を有する将棋の駒の形状をしており、前記傾斜部
12の交差する頂点部分から中心線に沿って所定幅だけ
切り欠かれてインク案内溝13となっており、このイン
ク案内溝13を毛管現象により伝い上がったインクはイ
ンク滴飛翔位置14からインク滴16として対向電極1
7側へ飛翔する。対向電極17は接地電源18により所
定の電圧レベルを与えられると共に、この対向電極17
はプラテンとして記録媒体19を保持する。
【0021】このインクジェットヘッド1は、各記録ド
ットに対応した個数の個別電極を備えており、また、図
1においてインク9は、108 Ωcm以上の抵抗率を有
する絶縁性の溶媒中に、帯電制御剤やバインダ等と共に
プラスの帯電性を有する色剤成分をコロイド状に分散さ
せて浮遊させたものである。このインク9は、ポンプ
(図示されず)を含むインク環流機構4およびインク供
給管3aから、ヘッドブロック2に形成されたインク供
給流路2bを通して、ヘッド基板15と絶縁性基板5と
の間のインク溜2aに向けて供給され、同じくヘッドブ
ロック2に形成されたインク回収流路2cおよびインク
回収管3bを通してインク環流機構4に回収される。
【0022】前記絶縁性基板5は、基板貫通孔5aを有
する絶縁性の基板であり、この絶縁性基板5の記録媒体
側で前記基板貫通孔5aの周囲に形成されている制御電
極6とから制御電極基板が構成されている。一方、ヘッ
ド基板15上には、前記突起状インクガイド10が前記
基板貫通孔5aの略中心に位置するようにに配置されて
いる。
【0023】図2は、第1実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置における突起状インクガイド10の具体的な
形状を示す斜視図である。この突起状インクガイド10
はプラスチック樹脂などの部材に蒸着やスパッタリング
等の方法により銅など導電性膜を形成したもので、前記
絶縁性基板5の基板貫通孔5aと一致するように、同じ
列間隔、同じピッチで配置され、所定の手段によりヘッ
ド基板15上に保持されている。前記列間隔およびピッ
チは、図3に示される絶縁性基板5の基板貫通孔5aお
よび制御電極6の配列に対応している。
【0024】前記突起状インクガイド10は、図2に示
すように、中心に幅30〜60μm程度のインク案内溝
13を形成した形状であり、その先端部の傾斜部12の
頂点の間がインク滴飛翔位置14となる。さらに、突起
状インクガイド10は、それぞれの基板貫通孔5aから
ほぼ垂直に所定の距離だけインク滴飛翔方向に突きだし
ている。図1に示すように、前記突起状インクガイド1
0の先端に対向して記録紙である記録媒体19が配置さ
れ、この記録媒体19のインクガイド10と反対側の背
面に、記録媒体19を案内するプラテンの役割を兼ねる
対向電極17が配置されている。
【0025】次に、制御電極基板の具体的構造例につい
て図3を用いて説明する。図3は制御電極基板を記録媒
体19側から見た平面図であり、前記複数個の個別電極
6に対応して絶縁性基板5に形成されている基板貫通孔
5aと、この基板貫通孔5aの周辺に設けられている個
別の制御電極6とが主走査方向に2列でアレイ状に配列
されている。さらに、本第1実施形態においては、制御
電極6の内径は基板貫通孔5aの径とほぼ同一の径で設
けられている。ここで、この第1実施形態においては絶
縁性基板5は25μm程度の厚さのポリイミドの板材か
ら成り、制御電極6は18μm程度の厚さの銅箔により
構成されており、基板貫通孔5aの内径は150ないし
250μmφ程度である。
【0026】次に、本第1実施形態によるインクジェッ
ト記録装置の記録動作を説明する。記録時には、図1で
示すインク環流機構4からインク供給管3aおよび供給
流路2bを経て供給されたインク9は、インク溜2aか
ら基板貫通孔5aを介して突起状インクガイド10の先
端のインク飛翔位置14に供給されると共に、一部はイ
ンク回収流路2cおよび回収管3bを経由してインク環
流機構4に回収されることになる。
【0027】ここで、制御電極6にはバイアス電圧源7
から常時バイアスとして例えば直流(DC)1.5kV
の電圧が与えられ、これに信号電圧源8からの画像信号
に応じた信号電圧として、例えば500Vのパルス電圧
が制御電極6に印加される。一方、記録媒体19の背面
に設けられた対向電極17は、図のように接地電源18
により接地電位0Vに設定されている。
【0028】ここで、制御電極6がオン状態(500V
が印加された状態)となり、バイアス直流(DC)電圧
1.5kVに500Vのパルス電圧が重畳された合計2
kVの電圧が加わると、突起状インクガイド10先端の
インク滴飛翔位置14から、色剤成分を中心とするイン
ク滴16が飛び出し、対向電極17に引っ張られて、前
記記録媒体19に向けて飛翔されて付着して画像を形成
する。
【0029】このようにすると、インク9の流路が決ま
っているのでインク滴飛翔位置14は突起状インクガイ
ド10のほぼ中央位置に定まり、飛翔時に電圧の印加に
より色剤成分が主走査方向に逃げることもない。また、
本第1実施形態で示したように、独立した基板貫通孔5
aとその周辺に設けた制御電極6に液体インクを供給
し、貫通孔5aから略垂直に突出した突起状インクガイ
ド10の表面およびこの突起状インクガイド10の中央
に形成されているインク案内溝13の中を表面張力や表
面の濡れ等によりインク滴飛翔位置14にインク9を供
給しているので、インク滴飛翔位置14に形成されるメ
ニスカスのサイズおよび位置がインク環流機構4から供
給されるインク9の圧力、大気圧、機械的な振動の影響
や、隣接するドット記録時のインク滴飛翔による干渉を
受けることなく安定に維持される。したがって、インク
滴16の飛翔も安定化され、記録媒体19上に濃度の安
定した良好な画像を記録することができる。
【0030】また、図2において、突起状インクガイド
10を保持するヘッド基板15は、電気的に絶縁性を有
する材料により構成されており、これに対して突起状イ
ンクガイド10は少なくともその尖端の部分は、制御電
極6の通電に伴う誘導電流により帯電可能なように、導
電性を有するように構成されている。
【0031】なお、上記第1実施形態に係るインクジェ
ット記録装置においては、インクガイド10をそれぞれ
の個別電極毎に単体として構成するものとして説明した
(図2参照)が、本発明はこのような構成に限定され
ず、インクガイドの量産化およびインクヘッドの組立作
業の効率化を図るために、図4ないし図9に示される第
2ないし第7実施形態に係るインクジェット記録装置の
ように、多数のノズルを一体化して構成するようにして
も良い。
【0032】まず、図4には本発明の第2実施形態に係
るインクジェット記録装置の列状インクガイド部材11
が示されている。図4において、列状インクガイド部材
11は、長尺な棒状の基部15と、この長尺な基部15
より所定間隔毎に記録媒体側に突出する突起状インクガ
イド部材10と、を備えており、突起状インクガイド1
0の基本構成は第1実施形態に係るインクジェット記録
装置と同じである。長尺な基部15は突起状インクガイ
ド10を連絡する部分に絶縁部20を有しており、各突
起状インクガイド10はこの絶縁部20によって電気的
に絶縁されている。この絶縁部20を形成する工程とし
ては、絶縁部20に相当する部分のみマスクをして導電
膜を列状インクガイド部材11の表面側に積層させるこ
とにより可能である。
【0033】次に、図5は本発明の第3実施形態に係る
インクジェット記録装置における列状インクガイド部材
を示す斜視図であり、図において、列状インクガイド部
材11は図2に示した突起状インクガイド10を長尺な
基部15により連結するようにし、インクガイドの量産
化及び組立作業の効率化を図ったものである。境界線2
1よりも上方の領域が導電膜を列状インクガイド部材の
表面に形成した部分であり、突起状インクガイド10の
全体の表面が導電膜により覆われている。
【0034】なお、上記第2および第3実施形態に係る
インクジェット記録装置においては長尺な基部を有する
列状インクガイド部材を一列に形成するものとして説明
したが、本発明はこれにも限定されず、図6に示される
第4実施形態に係るインクジェット記録装置のように、
複数列例えば4列のインクガイド10Aないし10Dを
設けるようにしても良い。ここで、図6に示される第4
実施形態に係る突起状インクガイド10Aないし10D
は、それぞれの位置が各列間で4分の1ずつずれて千鳥
状に配列されている。これにより、この第4実施形態に
おいては、インクジェットの走査型ラインヘッドを構成
する個別電極の密度を向上させることが可能となる。
【0035】本発明は上述した第2ないし第4実施形態
に係る長尺なインクガイド基部を有する記録装置に限定
されず、列状インクガイド部材11の基部は平面状基部
25により構成するようにしても良い。図7に示す第5
実施形態に係るインクジェット記録装置は、絶縁性部材
よりなる平面状基部25に縦・横2次元に前記第4実施
形態と同様の配列となるように突起状インクガイド10
を4列に植設して構成されている。
【0036】上記第2および第3実施形態に係るインク
ジェット記録装置は、長尺な基部と列方向の複数の突起
状インクガイドとを一体的に形成した後、絶縁部となる
箇所にマスクをかけて表面に導電膜を積層するようにし
て形成していたが、本発明はこれにも限定されず、基部
と突出部とを絶縁性の部材と導電性の部材とからそれぞ
れ別々に形成しておいて、これらを一体化するようにし
ても良い。
【0037】図8に示す第6実施形態に係るインクジェ
ット記録装置は、絶縁性の長尺な基部35と、この長尺
な基部35に所定間隔毎に切り欠かれた嵌合部36に嵌
合された突起状インクガイド10と、より構成されてい
る。この嵌合部36に突起状インクガイド10を嵌入す
る動作を自動化されたラインにより行なうことにより比
較的容易に長尺な列状インクガイド部材11を構成する
ことができる。
【0038】また、絶縁性の基部と突起状インクガイド
とを別体で構成しておいて嵌合させたインクガイドは、
長尺な基部を有する列状インクガイド部材に限定され
ず、平面状の基部を有する平面状インクガイド部材にお
いても適用可能である。すなわち、図9に示す第7実施
形態に係るインクジェット記録装置のように、絶縁性を
有する平面状の基部45に嵌合部46を縦・横に所定間
隔毎に形成し、この嵌合部46に導電性を有する将棋の
駒状の突起状インクガイド10を嵌入させて一体の平面
状インクガイド部材40を構成するようにしても良い。
【0039】なお、上記第1ないし第7実施形態におい
ては、色剤成分をプラス帯電性のものとして説明した
が、色剤成分はマイナス帯電性のものであっても構わな
いことは言うまでもない。その場合には上述した諸電極
への印加電圧を全て逆極性のものとして考えれば良い。
また、制御電極に形成されている貫通孔の内径を基板貫
通孔と同一にしたが、一回り大きくても良い。また、制
御電極6が絶縁性基板5上の記録媒体19側に配置され
てるいるが、制御電極は反対側の面に配置されていても
良い。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るインクジェット記録装置によれば、ノズルでの目詰ま
りがなく、しかもインク滴の飛翔が安定化されてインク
濃度が安定した高品質の記録を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェット記
録装置のインクジェットヘッド部および要部の構成を示
す断面図。
【図2】第1実施形態におけるインクガイドの全体形状
を示す斜視図。
【図3】第1実施形態における制御電極の配列および形
状を示す平面図。
【図4】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記
録装置におけるインクガイドを示す斜視図。
【図5】本発明の第3実施形態に係るインクジェット記
録装置におけるインクガイドを示す斜視図。
【図6】本発明の第4実施形態に係るインクジェット記
録装置におけるインクガイドを示す斜視図。
【図7】本発明の第5実施形態に係るインクジェット記
録装置におけるインクガイドを示す斜視図。
【図8】本発明の第6実施形態に係るインクジェット記
録装置におけるインクガイドを示す斜視図。
【図9】本発明の第7実施形態に係るインクジェット記
録装置におけるインクガイドを示す斜視図。
【符号の説明】
2 ヘッドブロック 2a インク溜 5 絶縁性基板 5a 基板貫通孔 6 制御電極 9 インク 10 突起状インクガイド 11 列状インクガイド部材 13 インク案内溝 14 インク滴飛翔位置 15、35 長尺基部 16 インク滴 17 対向電極 19 記録媒体 20 絶縁部 25、45 平面状基部 40 平面状インクガイド部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野 村 裕 子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 平 原 修 三 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 中 尾 英 之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 石 井 浩 一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平10−157163(JP,A) 特開 平10−119289(JP,A) 特開 平10−157164(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/06 - 2/065 B41J 2/385

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒中に色剤成分を分散させたインクに静
    電力を作用させることにより、少なくとも色剤成分を含
    むインク滴を飛翔させて記録媒体上に記録を行なうイン
    クジェット記録装置において、 基板貫通孔を有する絶縁性基板と、 前記基板貫通孔を囲むように形成された導電体より成る
    制御電極と、 前記インク滴の飛翔位置となる先端部が前記絶縁性基板
    および前記制御電極の表面よりも突出するように前記基
    板貫通孔の略中心位置に配置されると共に少なくとも表
    面が導電性を有するインクガイド、および、このインク
    ガイドの基端に設けられてインクガイドを支持する絶縁
    性の基部、を有する突起状インクガイドと、 前記インクガイドに前記インクを供給するインク供給手
    段と、 を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記突起状インクガイドは、前記基板貫通
    孔よりもインク滴飛翔方向に突出しており、前記インク
    ガイドの先端面が傾斜して形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記突起状インクガイドは、インク滴飛翔
    方向に沿ってスリット状のインク案内溝が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1および請求項2の何れかに
    記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】前記絶縁性基板は、複数個の前記基板貫通
    孔および前記基板貫通孔をそれぞれ導電体により囲んで
    形成された複数個の前記制御電極を有しており、 複数個の前記制御電極に対応して前記突起状インクガイ
    ドに設けられる複数個の前記インクガイドは、それぞれ
    電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3の何れかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】前記突起状インクガイドは、列方向に所定
    間隔離れた複数個の前記インクガイドと、これら複数個
    のインクガイドを連結する前記絶縁性の基部とを備える
    ことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録
    装置。
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