JPH11254706A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH11254706A
JPH11254706A JP6569398A JP6569398A JPH11254706A JP H11254706 A JPH11254706 A JP H11254706A JP 6569398 A JP6569398 A JP 6569398A JP 6569398 A JP6569398 A JP 6569398A JP H11254706 A JPH11254706 A JP H11254706A
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JP
Japan
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ink
control electrode
electrode
electric field
control
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JP6569398A
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English (en)
Inventor
Yasuo Hosaka
靖夫 保坂
Teruo Murakami
照夫 村上
Kazushi Nagato
一志 永戸
Hideyuki Nakao
英之 中尾
Kazuhiko Higuchi
和彦 樋口
Koichi Ishii
浩一 石井
Shuzo Hirahara
修三 平原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルの目詰まりの問題が無く、インク滴の
吐出位置及び量についての安定性に優れ、高い解像度を
備えたインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 本発明のインクジェット記録装置は、中
央に開口部113を有し二次元的に配列された制御電極
104と;対向電極119と;制御電極104の後方に
設けられたインク収容室107と;開口部113の中心
付近を貫通し、先端が制御電極104の表面から前方に
突出し、スリット102aを有するインクガイド102
と;各制御電極104を間に挟む様に各制御電極に隣接
して各一対配置され、制御電極の表面に対して平行方向
の電界を発生させる電界形成電極105、106とを備
える。制御電極104にパルス電圧を与えて、静電力に
よってインク滴103を飛翔させると同時に、電界形成
電極105、106を用いて、各インク滴103の飛翔
方向を個別に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に係り、特に、溶媒中に色材成分を分散させたイ
ンクを用い、色材成分を含むインク滴を記録媒体上に飛
翔させて記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液状のインクを小さな液滴(以下、「イ
ンク滴」と呼ぶ)にして記録紙などの記録媒体の上に吹
き付けて、記録ドットを形成することにより画像を記録
する装置は、インクジェットプリンタとして実用化され
ている。インクジェットプリンタは、他の記録方法に基
づくプリンタと比べて騒音が少なく、現像や定着などの
処理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技術と
して広く使用される様になりつつある。
【0003】インクジェットプリンタの方式は、現在ま
でに数多く提案されている。特に、(a)発熱体を用い
て加熱により発生する蒸気の圧力によってインク滴を飛
翔させる方式(例えば、特公昭56一9429号公報、
特公昭61−59911号公報など)、あるいは、
(b)圧電素子を用いて機械的な圧力パルスによってイ
ンク滴を飛翔させる方式(例えば、特公昭53−121
38号公報など)が代表的なものである。
【0004】インクジェットプリンタに使用される記録
ヘッド(以下、「インクジェットヘッド」と呼ぶ)とし
て、キャリッジに搭載され、記録紙の搬送方向(以下、
「副走査方向」と呼ぶ)に対して直交する方向(以下、
「主走査方向」と呼ぶ)に移動しながら記録を行う、シ
リアル走査型ヘッドが実用化されている。このシリアル
走査型ヘッドでは、記録速度の高速化は困難である。そ
こで、インクジェットヘッドの長さを記録紙の幅と同一
にした長尺ヘッドを用いて高速化したライン走査型プリ
ンタも提案されているが、この様なライン走査型ヘッド
を実用化することは、次の理由により容易なことではな
い。
【0005】インクジェットヘッドには、解像度に対応
して個別の細かいノズルが多数設けられているが、本質
的に、溶媒の蒸発によって局部的なインクの濃縮が生じ
易く、これがノズルの目詰まりの原因となっている。特
に、インクジェットの形成に蒸気の圧力を用いる方式で
は、インクの熱的あるいは化学的反応によって形成され
る不溶性物質が、ノズルの内面に付着して目詰まりを引
き起こす。また、圧電素子の圧力を用いる方式では、イ
ンク流路等の複雑な構造が、更に目詰まりを引き起し易
くしている。
【0006】シリアル走査型ヘッドでは、数十から百数
十個程度のノズルが使用されているが、ライン走査型ヘ
ッドでは、さらに多い数千にも昇る多数のノズルが使用
されている。このため、ライン走査型ヘッドでは、確率
的にかなり高い頻度で目詰まりが発生し、実用上の信頼
性を欠くという問題がある。
【0007】更に、蒸気の圧力を用いる方法では、記録
紙上で直径50数μmの記録ドットに相当する直径20
μm以下の粒径のインク粒を生成するのが難しいので、
解像度の高いヘッドを製造するのが困難である。また、
圧電素子の圧力を用いる方式では、インクジェットヘッ
ドの構造が複雑になるので、加工技術上の問題で、解像
度の高いヘッドを製造することが困難である。このた
め、従来のインクジェット記録方式においては、いずれ
の方式であっても、解像度の向上について限界があっ
た。
【0008】これらの問題を解決するため、インクジェ
ットヘッド基板上に薄膜によって形成された複数の個別
電極を配列して電極アレイを形成し、これらの個別電極
に電圧を印加することにより、静電力を利用して、イン
ク液面から記録紙に向けてインク滴を飛翔させるインク
ジェット記録方式が提案されている。具体的には、静電
的引力を用いてインク滴を飛翔させる方式(例えば、特
開昭49−62024号公報、特開昭56−4467号
公報など)や、溶媒中に帯電性の色材成分を分散させた
インクを使用して、色材成分が濃縮されたインク滴を飛
翔させる方式(特表平7−502218号公報)などが
提案されている。
【0009】これらの方式では、インクジェットヘッド
の構成が、個別の記録ドット毎のノズルを必要としない
スリット状ノズル構造、あるいは、個別の記録ドット毎
のインク流路の隔壁を必要としないノズルレス構造であ
るため、ライン走査型記録ヘッドを実現する上での大き
な障害であった、目詰まりの防止とその復旧に対して有
効である。特に、後者は、非常に小さな粒径のインク粒
を生成し飛翔させることができるので、高解像度化の要
求にも適している。
【0010】しかし、静電力でインク滴を飛翔させる方
式のインクジェット記録装置では、インクジェットヘッ
ドがノズルレス構造であるので、目詰まり防止には有効
である反面、ヘッド基板上でインクが主走査方向に対し
て自由に移動できることから、インク滴の吐出位置が不
安定になり易いという問題があった。また、色材成分の
帯電極性と同極性の電圧でインク滴を飛翔させて記録紙
に到達させることから、インクジェットヘッド上の電極
位置から色材成分が反発力によって逃げてしまい、色材
成分をインク滴の吐出位置に安定的に供給できないとい
う問題もあった。更に、製作可能な個別電極のサイズに
も限界があり、より一層の解像度の向上については限界
があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に、従来の静
電力を利用したインクジェット記録装置では、インク滴
を、一定の吐出位置から一定の量、安定的に飛翔させる
ことが難しく、このため、記録される文字や画像の品質
に関して問題があった。また、解像度の向上についても
限界があった。
【0012】本発明は、以上の様な静電力を利用したイ
ンクジェット記録装置の問題点を解決すべくなされたも
ので、本発明の目的は、ノズルの目詰まりの問題が無
く、小さな粒径のインク滴を生成することが可能で、且
つ、インク滴の吐出位置及び量についての安定性に優
れ、その上、高い解像度を備えたインクジェット記録装
置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、中央付近にそれぞれ開口部を有し、二次元
的に配列された複数の制御電極と、これらの制御電極に
対向して配置された対向電極と、制御電極の後方に設け
られたインク収容室と、溶媒中に色材成分を分散させた
インクをインク収容室に供給するインク供給手段と、前
記開口部の中心付近を貫通し、先端が制御電極の表面か
ら対向電極側に突出し、軸方向に先端まで至るスリット
を有するインクガイドと、各制御電極を間に挟む様に各
制御電極に隣接して各一対配置され、制御電極の表面に
対して平行方向の電界を発生させる電界形成電極と、を
備え、前記制御電極にパルス電圧を与えて前記制御電極
と前記対向電極との間に電界を発生させることにより、
インクに静電力を作用させて、前記インクガイドの先端
から、前記対向電極の前面に配置された記録媒体に向け
てインク滴を飛翔させると同時に、前記電界形成電極を
用いて、前記各インク滴の飛翔方向を個別に制御するこ
とを特徴とする。
【0014】なお、前記各一対の電界形成電極は、通
常、前記記録媒体の移動方向に対して直交する方向(即
ち、主走査方向)に配置される。好ましくは、前記色材
成分は、プラスあるいはマイナス帯電性を有し、この色
材成分と同極性の静電力を作用させて、色材成分が濃縮
されたインク滴を記録媒体に向けて飛翔させる。
【0015】本発明のインクジェット記録装置によれ
ば、インクは、毛細管現象によりインクガイドのスリッ
トを通ってその先端に供給され、そこから、記録媒体に
向かって静電力によってインク滴が飛翔するので、イン
ク滴の吐出位置が安定するとともに、粒径の小さなイン
ク滴が生成され、その量も安定する。
【0016】また、インクガイドの先端が、制御電極よ
りも前方に(即ち、対向電極側に)突出しているので、
インクガイドに先端に供給されたインクが、静電力に基
づく反発力によって、後方へ逃げることもない。
【0017】更に、各制御電極の周囲に配置された前記
一対の電界形成電極を用いて、複数個の粒径の小さなイ
ンク滴を、各インク滴の飛翔方向を時間的に制御しなが
ら、順次、記録媒体上に到達させることによって、一つ
の制御電極を用いて、制御電極を移動せずに、複数の記
録ドットを並べて形成することができる。
【0018】なお、前記一対の電界形成電極を、制御電
極に隣接する制御電極の一対で兼用することもできる。
なお、この場合、当該制御電極にパルス電圧を与えて、
インクガイドの先端から記録媒体に向けてインク滴を飛
翔させると同時に、当該制御電極に隣接する前記一対の
制御電極を用いて、当該制御電極の表面に対して平行方
向の電界を発生させることによって、前記各インク滴の
飛翔方向を個別に制御して、複数の記録ドットを形成す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明に基づ
くインクジェット記録装置の例について説明する。 (例1)図1及び図2に、本発明に基づくインクジェッ
ト記録装置の一例を示す。図1は、インクジェット記録
装置の主要部を構成するライン走査型のインクジェット
ヘッドの前面部分(記録紙に対向する面)の配置図(部
分)であり、図2は、このインクジェットヘッドを構成
する一制御電極及びその周辺部分の断面図である。
【0020】図1に示す様に、インクジェットヘッドの
前面には、制御電極104が、主走査方向(図の左右方
向)及び副走査方向(図の上下方向)に、アレイ状に配
列されている。各制御電極104は、中央に開口部11
3を有し、各開口部113の中にはインクガイド102
が配置されている。各制御電極104の周囲には、主走
査方向に隣接して、各一対の電界形成電極105及び1
06が配置されている。なお、各制御電極104、各電
界形成電極105及び106は、絶縁性基板114の上
に形成され、各開口部113は、この絶縁性基板114
を貫通して形成されている。
【0021】各制御電極104の主走査方向の一方の側
に配置された電界形成電極105は、絶縁性基板114
の背面側に設けられた共通電極131と、スルーホール
132を介して電気的に接続されている。同様に、各制
御電極104の主走査方向の他方の側に配置された電界
形成電極106は、絶縁性基板114の背面側に設けら
れた共通電極133と、スルーホール134を介して電
気的に接続されている。
【0022】図2の断面図に示す様に、インクジェット
ヘッドは、ヘッドブロック109、制御電極基板10
1、インクガイド102などから構成される。インクジ
ェットヘッドの前方には、対向電極119が配置され
る。
【0023】制御電極基板101は、中央に開口部11
3が形成された絶縁性基板114、この開口部113を
周囲を取り囲む様に絶縁性基板114の前面に形成され
た制御電極104、同じく絶縁性基板114の前面に形
成され、制御電極104の左右に配置された電界形成電
極105及び106から構成される。絶縁性基板114
は、その後方からヘッドブロック109によって支持さ
れ、絶縁性基板114とヘッドブロック109との間
に、インクが収容されるインク室107が形成されてい
る。インクガイド102は、開口部113の中央を貫通
する様に配置され、その先端部116は制御電極104
の前方(即ち、対向電極119側)に突出し、その後端
はヘッドブロック109上の基板111に固定されてい
る。インクガイド102には、軸方向に先端からインク
室107内に至るスリット102aが形成されている。
【0024】ここで、制御電極104は、対向電極11
9との間で電界を発生させて、インクガイドの先端部1
16からインク滴103を飛翔させるために使用され
る。一方、一対の電界形成電極105及び106は、制
御電極104の表面に対して平行方向の電界を発生させ
て、インク滴103の飛翔方向を主走査方向に走査する
ために使用される。
【0025】インクは、ポンプ及びインク流路などから
構成されるインク還流機構108から、ヘッドブロック
109に接続されたインク供給流路110を介して、イ
ンク室107の中に供給され、同じく、ヘッドブロック
109に接続されたインク回収流路112を介して、イ
ンク還流機構108に回収される。
【0026】なお、この例において、絶縁性基板114
は25μmの厚さのポリイミドからなり、制御電極10
4は厚さ18μmの銅箔からなり、電界形成電極105
及び106は同様に厚さ厚さ18μmの銅箔からなる。
開口部113の内径は150から250μmΦであり、
制御電極104の内径は開口部113の内径と同一であ
る。インクガイド102に形成されたスリット102a
の幅は30〜50μm程度である。また、インクは、プ
ラス帯電性の色材成分を帯電制御材やバインダーなどと
ともに、108Ωcm以上の抵抗率を持つ絶縁性の溶媒
中に、コロイド状に分散させ浮遊させたものである。
【0027】次に、図1及び図2に示したインクジェッ
ト記録装置の動作について説明する。記録ドットを形成
する際、インク還流機構108からインク供給流路11
0を介してインク室107内に供給されたインクは、イ
ンクガイド102の中央に形成されたスリット102a
を通って、貫通孔113の前方に送られ、インクガイド
102の先端部116(インク飛翔開始位置)に供給さ
れる。また、インク室107内に供給されたインクの一
部は、インク回収流路112を介してインク還流機構1
08に回収される。
【0028】記録紙115の背面側に配置された対向電
極119は、図1に示す様に、接地電位(0V)に設定
されている。一方、制御電極104にはバイアス電圧源
117からバイアス電圧(例えば、DC1.5kV)が
常時与えられ、更に、画像信号がONの時には、信号パ
ルス電圧源118からパルス電圧(例えば、500V)
が重畳される。バイアス電圧にパルス電圧が重畳された
電圧(例えば、2kV)が制御電極104に与えられる
と、インクガイドの先端116から色材成分が濃縮され
たインク滴103が飛び出し、対向電極119に引寄せ
られて記録紙115に向かって飛翔する。従って、制御
電極104に複数個のパルス電圧を与えることによっ
て、パルス数に対応する複数個のインク滴103を記録
紙115に向けて飛翔させることができる。
【0029】更に、各インク滴103を飛翔させる際、
一対の電界形成電極105及び106を使用して、制御
電極104の表面に対して平行方向の電界を発生させる
ことによって、下記の様に、各インク滴103の飛翔方
向を個別に制御することができる。
【0030】図3を用いて、各インク滴103の飛翔方
向を制御する原理について説明する。図3(a)に示す
様に、電界形成電極105及び106に、それぞれ、バ
イアス電圧源120及び122からバイアス電圧(例え
ば、DC1.0kV)を与えるとともに、その内の一方
の電界形成電極105に、制御電極104に与えるパル
ス電圧(インク飛翔用)と同期させて、パルス電圧源1
21からパルス電圧(飛翔方向制御用、例えば、200
V)を重畳させて与える。これによって、対向電極11
9とインクヘッドとの間の等電位面127に傾きが生
じ、インク滴103は、矢印に示す様に、電界に垂直に
なる方向に沿って飛翔する。
【0031】同様に、図3(b)に示す様に、他方の電
界形成電極106に、制御電極104に与えるパルス電
圧と同期させて、パルス電圧源123からパルス電圧を
重畳させて与えると、対向電極119とインクヘッドと
の間の等電位面128に上記の場合に対して鏡面対称の
傾きが生じ、インク滴103は、矢印に示す様に、電界
に垂直になる方向に沿って飛翔する。
【0032】電界形成電極105(106)に与える上
記パルス電圧の大きさを制御することによって、インク
滴103の飛翔方向を変化させることができる。これに
よって、主走査方向に互いに隣接する制御電極104の
中間部に対応する記録紙115の上にも、インク滴10
3を到達させることができる。
【0033】従って、電界形成電極105(106)に
与える上記パルス電圧の大きさを各パルス毎に段階的に
変更して、インク滴103の飛翔方向を各インク滴毎に
変化させることによって、一つの制御電極104を用い
て、制御電極104を移動せずに、複数の記録ドットを
主走査方向に並べて形成することができる。
【0034】この様に、電界形成電極105(106)
に複数個のパルス電圧を印加して、主走査方向の走査を
行った後、記録紙115をインクジェットヘッドに対し
て、副走査方向に1ドット分、相対的に移動し、順次画
像を形成して行く。
【0035】なお、図3(a)中に示す様に、電界形成
電極105(106)に、一個の連続的に増加する鋸歯
状のパルス126を、制御電極に与える前記複数個のパ
ルス125に対して同期させて、与えてもよい。
【0036】以上の様にして、インク滴103の粒径
(例えば、10μm)と比べてはるかに大きな間隔(例
えば、数100μm)で主走査方向に配置された制御電
極101及び各一対の電界形成電極105及び106を
用いて、インク滴103の粒径相当のドット密度を有す
る高解像度の画像を形成することができる。
【0037】本発明に基づくインクジェットヘッドで
は、インクが、スリット102aを通ってインクガイド
の先端部116に供給されるので、インクの飛翔開始位
置が一定に保たれる。また、インクガイドの先端部11
6が、制御電極104の前方に(対向電極119側に)
位置しているので、インク飛翔時に印加される電圧によ
って色材成分が後方に(インク室107側に)逃げるこ
ともない。
【0038】更に、インク室107内からインクガイド
の先端部116まで、各制御電極104毎に設けられた
開口部113及びスリット102aを通って、毛細管現
象及び表面張力を利用してインクを供給しているので、
インクの飛翔開始位置に形成されるインク液面のメニス
カスのサイズ及び位置が、インク還流機構108から供
給されるインクの圧力、大気圧、機械的な振動などの影
響、あるいは、隣接するドット記録時のインク滴飛翔に
よる干渉を受けにくい。従って、インク滴103の飛翔
条件が安定し、記録紙115上に濃度が安定した良好な
画像を形成することができる。
【0039】(例2)図4に、本発明に基づくインクジ
ェット記録装置の他の例を示す。図1は、インクジェッ
ト記録装置の主要部を構成するライン走査型のインクジ
ェットヘッドの、主走査方向に平行な断面の断面図であ
る。
【0040】この例においては、制御電極104を用い
てインク滴を飛翔させる際、当該制御電極の左右(主走
査方向)に隣接する制御電極135及び136を用い
て、制御電極104の表面に平行な方向の電界を発生さ
せている。即ち、当該制御電極の左右に隣接する一対の
制御電極135及び136に、先の例における電界形成
電極(105、106)の機能を兼用させている。
【0041】図4に示したインクジェット記録装置の動
作について説明する。各制御電極104、135、13
6には、それぞれバイアス電圧源117、137、13
9から、バイアス電圧(例えば、1.5kV)が与えら
れている。制御電極104からインクを飛翔させる際、
制御電極104に、上記バイアス電圧に加えて、パルス
電圧源118から信号パルス電圧(例えば、500V)
を与える。このとき、隣接する一方の制御電極135に
は、上記バイアス電圧に加えて、上記信号パルス電圧と
同期させて、パルス電圧源138から電界形成パルス電
圧(例えば、200V)を与える。一方、隣接する他方
の制御電極136には、上記バイアス電圧のみを印加す
る。
【0042】これによって、インク滴は、電界形成パル
ス電圧に応じた飛翔方向(実線の矢印)に飛翔する。電
界形成パルス電圧の値を、順次、変更することによっ
て、インク滴の飛翔方向を変えることができる。また、
隣接する制御電極135、136に印加する電界形成パ
ルス電圧を入れ替えることで、インク滴の飛翔方向を切
り替えることができる(点線の矢印)。
【0043】なお、上記電界形成パルス電圧は、上記信
号パルス電圧よりも低い値に設定し、制御電極104か
らインク滴を飛翔させる時には、隣接する制御電極13
5(136)からはインクが飛翔しない様にする。この
方式は、隣接する制御電極が電界形成電極として使用さ
れている間は、当該隣接する制御電極からはインク飛翔
を行わないため、記録速度は1/2と遅くなる。
【0044】なお、上記の例において、色材成分をプラ
ス帯電性のものとして説明したが、マイナス帯電性の色
材成分であって構わない。なお、そのときには各電極へ
の印加電圧を逆の極性とする。
【0045】また、制御電極104に形成される開口部
113の径を、絶縁性基板114に形成される開口部の
径と同一にしたが、一回り大きくても良い。また、制御
電極104を、絶縁性基板114の前面側(対向電極1
19側)に配置したが、絶縁性基板114の裏面側に配
置しても良い。また、インクガイド102を金属などの
導電性部材や半導体で構成することもできる。
【0046】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録装置によれ
ば、 a.インク滴の粒径と比べてはるかに大きな間隔で主走
査方向に配置された制御電極を使用し、各インク滴の飛
翔方向を一対の電界形成電極を用いて主走査方向に走査
することによって、インク滴の粒径相当のドット密度を
有する高解像度の画像を形成することができる。
【0047】b.インクが、インクガイドの中央に形成
されたスリットを通って、インクガイドの先端部に供給
されるので、インクの飛翔開始位置が一定に保たれる。
また、インクガイドの先端部が、制御電極の前方に(対
向電極側に)位置しているので、インク飛翔時に印加さ
れる電圧によって色材成分が後方に逃げることがない。
【0048】c.更に、インク室内からインクガイドの
先端部まで、各制御電極毎に設けられた開口部及びスリ
ットを通って、毛細管現象及び表面張力を利用してイン
クが供給されるので、インクの飛翔開始位置に形成され
るインク液面のメニスカスのサイズ及び位置が、インク
室に供給されるインクの圧力、大気圧、機械的な振動な
どの影響、あるいは、隣接するドット記録時のインク滴
飛翔による干渉を受けにくい。従って、インク滴の飛翔
条件が安定し、記録媒体上に濃度が安定した良好な画像
を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくインクジェット記録装置を構成
するインクジェットヘッドの一例を示す図、インクジェ
ットヘッドの前面部分の配置を表している。
【図2】図1のインクジェットヘッドを構成する一制御
電極及びその周辺部分の断面を示す図。
【図3】一対の電界形成電極を用いてインク飛翔方向を
主走査方向に制御する原理を説明する図、(a)は一方
の電界形成電極105に電圧パルスを与えた場合、
(b)は他方の電界形成電極106に電圧パルスを与え
た場合を表す。
【図4】本発明に基づくインクジェット記録装置を構成
するインクジェットヘッドの他の例を示す図、主走査方
向に平行な断面を表している。
【符号の説明】
101・・・制御電極基板、102・・・開口部、10
2a・・・スリット、103・・・インク滴、104・
・・制御電極、105・・・電界形成電極、106・・
・電界形成電極、107・・・インク室、108・・・
インク還流機構、109・・・ヘッドブロック、110
・・・インク供給流路、111・・・ヘッド基板、11
2・・・インク回収回路、113・・・開口部、114
・・・絶縁性基板、115・・・記録紙(記録媒体)、
116・・・(インクガイドの)先端部、117・・・
バイアス電圧源、118・・・パルス電圧源、120・
・・バイアス電圧源、121・・・パルス電圧源、12
2・・・バイアス電圧源、123・・・パルス電圧源、
127・・・等電位面、128・・・等電位面、135
・・・制御電極(兼電界形成電極)、136・・・制御
電極(兼電界形成電極)、137・・・バイアス電圧
源、138・・・パルス電圧源、139・・・バイアス
電圧源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 英之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 樋口 和彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 石井 浩一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 平原 修三 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央付近にそれぞれ開口部を有し、二次
    元的に配列された複数の制御電極と、 これらの制御電極に対向して配置された対向電極と、 制御電極の後方に設けられたインク収容室と、 溶媒中に色材成分を分散させたインクをインク収容室に
    供給するインク供給手段と、 前記開口部の中心付近を貫通し、先端が制御電極の表面
    から対向電極側に突出し、軸方向に先端まで至るスリッ
    トを有するインクガイドと、 各制御電極を間に挟む様に各制御電極に隣接して各一対
    配置され、制御電極の表面に対して平行方向の電界を発
    生させる電界形成電極と、 を備え、 前記制御電極にパルス電圧を与えて前記制御電極と前記
    対向電極との間に電界を発生させることにより、インク
    に静電力を作用させて、前記インクガイドの先端から、
    前記対向電極の前面に配置された記録媒体に向けてイン
    ク滴を飛翔させると同時に、 前記電界形成電極を用いて、前記各インク滴の飛翔方向
    を個別に制御することを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  2. 【請求項2】 前記各一対の電界形成電極は、前記記録
    媒体の移動方向に対して直交する方向に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
  3. 【請求項3】 中央付近にそれぞれ開口部を有し、二次
    元的に配列された複数の制御電極と、 これらの制御電極に対向して配置された対向電極と、 制御電極の後方に設けられたインク収容室と、 溶媒中に色材成分を分散させたインクをインク収容室に
    供給するインク供給手段と、 前記開口部の中心付近を貫通し、先端が制御電極の表面
    から対向電極側に突出し、軸方向に先端まで至るスリッ
    トを有するインクガイドと、 を備え、 前記制御電極にパルス電圧を与えて前記制御電極と前記
    対向電極との間に電界を発生させることにより、インク
    に静電力を作用させて、前記インクガイドの先端から、
    前記対向電極の前面に配置された記録媒体に向けてイン
    ク滴を飛翔させると同時に、 前記制御電極に隣接する一対の制御電極を用いて、前記
    制御電極の表面に対して平行方向の電界を発生させるこ
    とによって、前記各インク滴の飛翔方向を個別に制御す
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記一対の制御電極は、前記制御電極
    に、前記記録媒体の移動方向に対して直交する方向に隣
    接する制御電極であることを特徴とする請求項3に記載
    のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記色材成分は、プラスあるいはマイナ
    ス帯電性を有し、この色材成分と同極性の静電力を作用
    させて、色材成分が濃縮されたインク滴を記録媒体に向
    けて飛翔させることを特徴とする請求項1から請求項4
    のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
JP6569398A 1998-03-16 1998-03-16 インクジェット記録装置 Pending JPH11254706A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004007094A1 (en) * 2002-07-10 2004-01-22 Nolato Ab Method and apparatus for applying a coating on a three dimensional surface
US7247353B2 (en) 2002-07-10 2007-07-24 Nolato Ab Method and apparatus for applying a coating on a three dimensional surface

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